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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084524
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】流路デバイス
(51)【国際特許分類】
   B81B 1/00 20060101AFI20230612BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B81B1/00
B01J19/00 321
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198755
(22)【出願日】2021-12-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業 再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発、素材設計、射出成型材料、生産技術開発、射出成型による中量試作、培養モジュールデバイス設計、実証試験、委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】舩岡 創平
(72)【発明者】
【氏名】佐倉 武司
【テーマコード(参考)】
3C081
4G075
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081BA03
3C081BA21
3C081BA23
3C081CA19
3C081CA32
3C081CA38
3C081DA10
3C081EA27
3C081EA37
4G075AA02
4G075AA39
4G075AA56
4G075AA65
4G075BB05
4G075DA02
4G075DA18
4G075EB50
4G075FA01
4G075FA05
4G075FA12
4G075FB12
(57)【要約】
【課題】互いに接合される2つの樹脂基板どうしの間に設けられる流路溝内への接合成分のはみ出しが回避された流路デバイスを実現する。
【解決手段】流路デバイス(1)は、流路溝(21)を有する第一樹脂基板(2)と、流路溝(21)を覆うように第一樹脂基板(2)に接合される第二樹脂基板(3)とを備える。第一樹脂基板(2)及び第二樹脂基板(3)の少なくとも一方における相手側基板との接合面(2a,3a)に、流路溝(21)から一定間隔を隔てつつ当該流路溝(21)に沿うように環状に形成された捕捉溝(40)が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路溝を有する第一樹脂基板と、
前記流路溝を覆うように前記第一樹脂基板に接合される第二樹脂基板と、を備え、
前記第一樹脂基板及び前記第二樹脂基板の少なくとも一方における相手側基板との接合面に、前記流路溝から一定間隔を隔てつつ当該流路溝に沿うように環状に形成された捕捉溝が設けられている、流路デバイス。
【請求項2】
前記流路溝と前記捕捉溝との間隔が0.5mm以上1.5mm以下である、請求項1に記載の流路デバイス。
【請求項3】
前記第一樹脂基板と前記第二樹脂基板とが溶着によって接合されている、請求項1又は2に記載の流路デバイス。
【請求項4】
前記流路溝が環状に形成されており、
一対の前記捕捉溝が、環状の前記流路溝の内側と外側とに分かれて形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の流路デバイス。
【請求項5】
前記流路溝が始点と終点とを有する線状に形成されており、
前記捕捉溝が、線状の前記流路溝を取り囲むように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の流路デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば創薬研究や臨床検査等において、サンプルの分離や検出等を行うために流路デバイスが利用されている。かかる流路デバイスは、例えば特開2002-139419号公報(特許文献1)に記載されているように、流路溝を有するものを少なくとも1枚含む複数の樹脂基板を積層して構成される場合がある。複数の樹脂基板を積層して接合するには、例えば接着剤を用いる方法やレーザー溶着によって行う方法がある。
【0003】
接着剤による場合、接着剤の量が過剰であると、加圧して接合させる際に余剰の接着剤の一部が流路溝に流れ込む可能性がある。レーザー溶着による場合も、同様に、レーザー照射しながら加圧して接合させる際に基板表面の局所的に溶融した樹脂の一部が流路溝に流れ込む可能性がある。接着剤や樹脂(以下、これらを総称して「接合成分」と言う。)がはみ出して、当該接合成分によって流路溝が部分的に遮られると、流路デバイスの使用時に流路溝内での流体の流れが阻害されてしまい、用途に応じて例えば分離効率が低下したり検出精度が低下したりする等の問題が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-139419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
互いに接合される2つの樹脂基板どうしの間に設けられる流路溝内への接合成分のはみ出しが回避された流路デバイスの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る流路デバイスは、
流路溝を有する第一樹脂基板と、
前記流路溝を覆うように前記第一樹脂基板に接合される第二樹脂基板と、を備え、
前記第一樹脂基板及び前記第二樹脂基板の少なくとも一方における相手側基板との接合面に、前記流路溝から一定間隔を隔てつつ当該流路溝に沿うように環状に形成された捕捉溝が設けられている。
【0007】
この構成によれば、第一樹脂基板と第二樹脂基板とを接合する際に、加圧によって接合成分が流動したとしても、その流動した接合成分を捕捉溝で捕捉することができる。よって、流動した接合成分の一部が流路溝に流れ込むのを回避することができる。これにより、互いに接合される2つの樹脂基板どうしの間に設けられる流路溝内への接合成分のはみ出しが回避された流路デバイスを実現することができる。
【0008】
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0009】
一態様として、
前記流路溝と前記捕捉溝との間隔が0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
【0010】
流路溝と捕捉溝との間隔が0.5mm未満であると、間隔が狭すぎることによって保管中にクラックが生じ、流路溝の近傍における密封性が低下する可能性がある。一方、流路溝と捕捉溝との間隔が1.5mm超であると、流動した接合成分を十分に捕捉溝で捕捉できない場合があり、その一部が流路溝に流れ込んでしまう可能性がある。この構成のように流路溝と捕捉溝との間隔を0.5mm以上1.5mm以下とすることで、流路溝内への接合成分のはみ出しを適切に回避しつつ、流路溝の近傍における密封性を確保することができる。
【0011】
一態様として、
前記第一樹脂基板と前記第二樹脂基板とが溶着によって接合されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、溶着によって第一樹脂基板と第二樹脂基板とを適切に接合させつつ、基板表面の局所的に溶融した樹脂の一部が流路溝に流れ込むのを回避することができる。
【0013】
一態様として、
前記流路溝が環状に形成されており、
一対の前記捕捉溝が、環状の前記流路溝の内側と外側とに分かれて形成されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、環状の流路溝に対する、内側及び外側の両側からの接合成分の流れ込みを適切に回避することができる。
【0015】
一態様として、
前記流路溝が始点と終点とを有する線状に形成されており、
前記捕捉溝が、線状の前記流路溝を取り囲むように形成されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、線状の流路溝に対する、その全周からの接合成分の流れ込みを適切に回避することができる。
【0017】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の流路デバイスの斜視図
図2】流路デバイスの断面図
図3】流路デバイスの平面図
図4】別態様の流路デバイスの断面図
図5】別態様の流路デバイスの平面図
図6】別態様の流路デバイスの平面図
図7】別態様の流路デバイスの平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
流路デバイスの実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の流路デバイス1は、図1及び図2に示すように、第一樹脂基板2と、第一樹脂基板2に接合される第二樹脂基板3とを備えている。
【0020】
第一樹脂基板2は、流路溝21を有する。流路溝21は、第一樹脂基板2における第二樹脂基板3との接合面である第一接合面2aに形成されている。流路溝21は、第1孔部21Aと、第2孔部21Bと、これらを接続する接続溝部21Cとを有している。流路溝21は、第1孔部21Aを始点とし第2孔部21Bを終点とする線状に形成されている。本実施形態では、流路溝21は、一直線状に形成されている。
【0021】
第二樹脂基板3は、流路溝21を覆うように第一樹脂基板2に接合される。第二樹脂基板3は、第二接合面3aを有している。この第二接合面3aは、第二樹脂基板3における第一樹脂基板2との接合面である。第二樹脂基板3は、第二接合面3aが第一樹脂基板2の第一接合面2aに密着する状態で、第一樹脂基板2に接合される。本実施形態では、第二樹脂基板3には第一貫通孔31及び第二貫通孔32が形成されている。第一貫通孔31は第1孔部21Aに連通しており、第二貫通孔32は第2孔部21Bに連通している。
【0022】
第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3の外形形状は特に限定されず、例えば長方形状、正方形状、台形状、その他の多角形状、円形状、及び楕円形状等とすることができる。また、第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3のサイズは特に限定されず、外接する仮想的な四角形を想定した場合に、1辺の長さが例えば10mm以上200mm以下となるように形成することができる。
【0023】
流路溝21のサイズは特に限定されず、第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3のサイズに応じて適宜設定することができる。好ましくは、流路溝21は、幅が2mm以下で、かつ、深さが2mm以下に形成することができる。流路溝21は、ミクロンオーダーのマイクロ流路溝であって良く、例えば幅が100μm以上1000μm以下で、かつ、深さが100μm以上500μm以下に形成することができる。
【0024】
第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3を構成する樹脂材料としては、特に限定されないが、それぞれ、例えばポリメチル(メタ)アクリレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、及びポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。これらの中では、例えばポリメチル(メタ)アクリレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、及びポリスチレンのいずれかが好ましい。第一樹脂基板2の構成樹脂と第二樹脂基板3の構成樹脂とは、異なっていても良いが、同じであることが好ましい。
【0025】
本実施形態では、第二樹脂基板3にレーザー光吸収体が含有されている。レーザー光吸収体は第二樹脂基板3の全体に分散して含有されている。レーザー光吸収体としては、黒色材料、各種の酸化物、各種の色素等を用いることができる。黒色材料としては、例えばカーボンブラックや黒鉛(グラファイト)等が挙げられる。各種酸化物としては、例えば鉄酸化物(マグネタイト型四酸化三鉄)、銅とクロムの複合酸化物、銅とクロムと亜鉛の複合酸化物等が挙げられる。色素としては、近赤外領域(700nm~2000nm)に吸収極大波長を有するものが好ましく、例えばシアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジインモニウム化合物、アゾ化合物等が挙げられる。レーザー光吸収体として、上記したもののうちの2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0026】
第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3は、例えば射出成形、トランスファー成形、及びコンプレッション成形等によって形成することができる。これらの方法は、成形と同時に溝を形成することができるので好適に用いられる。或いは、第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3は、切削によって形成することもできる。
【0027】
第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とは、溶着によって接合されている。本実施形態では、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とは、レーザー溶着によって接合されている。第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とは、第一樹脂基板2の第一接合面2aと第二樹脂基板3の第二接合面3aとが密着する状態で、レーザー溶着によって接合されている。
【0028】
本実施形態の流路デバイス1では、第二樹脂基板3における第一樹脂基板2との接合面である第二接合面3aに、流路溝21から一定間隔を隔てつつ当該流路溝21に沿うように環状に形成された捕捉溝40が設けられている。この捕捉溝40は、第一樹脂基板2に形成される流路溝21とは連通しない別異の溝であり、レーザー溶着時に第二樹脂基板3の表面の局所的に溶融した樹脂のうちの余剰分を捕捉するための溝である。本実施形態の捕捉溝40は、平面視で、一直線状の流路溝21を取り囲むように形成されている。なお、図3は、流路デバイス1の平面図であるが、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3との接合面の状態の理解の容易化のため、第一樹脂基板2側に設けられる流路溝21を実線で示し、第二樹脂基板3側に設けられる捕捉溝40を破線で示している。
【0029】
捕捉溝40の断面積(延在方向に直交する平面での断面積)は、特に限定されず、流路溝21の断面積(延在方向に直交する平面での断面積)以上であっても良いしそれ以下であっても良い。捕捉溝40の断面積は、流路溝21の断面積よりも小さい場合には、例えば0.9倍以下であって良く、0.8倍以下であって良く、0.7倍以下であって良い。また、捕捉溝40の断面積は、流路溝21の断面積よりも大きい場合には、例えば1.5倍以上であって良く、1.8倍以上であって良く、2倍以上であって良い。また、捕捉溝40の断面積は、流路溝21の断面積の、例えば0.5倍以上3倍以下であって良い。捕捉溝40の断面積は、当該捕捉溝40の幅及び深さの少なくとも一方を増減させることによって調整することができる。
【0030】
捕捉溝40の形成位置は、流路溝21に沿って当該流路溝21を取り囲んでいれば特に限定されないが、流路溝21と捕捉溝40との間隔が0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。なお、流路溝21と捕捉溝40との間隔は、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3との接合面(第一接合面2a,第二接合面3a)に沿う間隔である。
【0031】
流路溝21と捕捉溝40との間隔が0.5mm未満であると、間隔が狭すぎることによって保管中にクラックが生じ、流路溝21の近傍における密封性が低下する可能性がある。一方、流路溝21と捕捉溝40との間隔が1.5mm超であると、流動した接合成分を十分に捕捉溝40で捕捉できない場合があり、その一部が流路溝21に流れ込んでしまう可能性がある。流路溝21と捕捉溝40との間隔を上記の範囲内とすることで、流路溝21内への接合成分のはみ出しを適切に回避しつつ、流路溝21の近傍における密封性を確保することができる。
【0032】
流路溝21と捕捉溝40との間隔は、0.6mm以上であることがより好ましく、0.7mm以上であることがさらに好ましい。また、流路溝21と捕捉溝40との間隔は、1.4mm以下であることがより好ましく、1.3mm以下であることがさらに好ましい。
【0033】
このような捕捉溝40が流路溝21を取り囲んで形成されているので、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とをレーザー溶着によって接合する際に、第二樹脂基板3の表面の局所的に溶融した樹脂が流動したとしても、それを捕捉溝40で捕捉することができる。よって、第二樹脂基板3の表面の局所的に溶融した樹脂の一部が流路溝21に流れ込むのを回避することができる。これにより、互いに接合される第一樹脂基板2と第二樹脂基板3との間に設けられる流路溝21内への接合成分のはみ出しが回避された流路デバイス1を実現することができる。
【0034】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第二樹脂基板3の第二接合面3aに捕捉溝40が設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図4及び図5に示すように、第一樹脂基板2の第一接合面2aに捕捉溝40が設けられていても良い。或いは、図示は省略するが、第一樹脂基板2の第一接合面2a及び第二樹脂基板3の第二接合面3aの両方に捕捉溝40が設けられていても良い。すなわち、第一樹脂基板2及び第二樹脂基板3の少なくとも一方における相手側基板との接合面2a,3aに、捕捉溝40が設けられていても良い。
【0035】
(2)上記の実施形態では、流路溝21が一直線状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば流路溝21が折線状又は曲線状等に形成されていても良い。或いは、例えば図6に示すように、流路溝21が分岐を有するように形成されていても良い。これらいずれの場合においても、捕捉溝40は、流路溝21に沿って当該流路溝21を取り囲む単一の閉曲線をなすように形成される。
【0036】
(3)上記の実施形態では、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とがレーザー溶着によって接合されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とが熱溶着又は超音波溶着等の他の溶着によって接合されていても良い。或いは、第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とが接着剤によって接合されていても良い。第一樹脂基板2と第二樹脂基板3とが接着剤によって接合される場合でも、余剰の接着剤が存在する場合に、当該余剰分を捕捉溝40で捕捉することができる。よって、余剰の接着剤の一部が流路溝21に流れ込むのを回避することができる。
【0037】
(4)上記の実施形態では、説明を簡単にするために流路デバイス1に流路溝21が1つだけ形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、流路デバイス1に複数の流路溝21が形成されていても良い。このような場合には、流路溝21の本数と同数の捕捉溝40が流路デバイス1に設けられる。1つの流路溝21に対して1つの捕捉溝40が対応付けられ、各組において、流路溝21に沿って当該流路溝21を取り囲むように捕捉溝40が設けられる。
【0038】
(5)上記の実施形態では、流路溝21が線状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図7に示すように、流路溝21が環状に形成されても良い。このような場合には、環状の流路溝21に対して、その内側と外側とに分かれて一対の捕捉溝40(内側捕捉溝40A,外側捕捉溝40B)が形成される。この場合において、複数の流路溝21が隣接して形成される場合には、それぞれの流路溝21に対して一対の捕捉溝40が形成される。複数の流路溝21が同心状に形成される場合には、それぞれの流路溝21に対して一対の捕捉溝40が形成されても良いし、互いに隣接する2つの流路溝21どうしで、それらの間に位置することになる捕捉溝40を共用しても良い。
【0039】
(6)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 流路デバイス
2 第一樹脂基板
2a 第一接合面
3 第二樹脂基板
3a 第二接合面
21 流路溝
21A 第1孔部
21B 第2孔部
21C 接続溝部
40 捕捉溝
40A 内側捕捉溝
40B 外側捕捉溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7