IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-遮断器の操作装置 図1
  • 特開-遮断器の操作装置 図2
  • 特開-遮断器の操作装置 図3
  • 特開-遮断器の操作装置 図4
  • 特開-遮断器の操作装置 図5
  • 特開-遮断器の操作装置 図6
  • 特開-遮断器の操作装置 図7
  • 特開-遮断器の操作装置 図8
  • 特開-遮断器の操作装置 図9
  • 特開-遮断器の操作装置 図10
  • 特開-遮断器の操作装置 図11
  • 特開-遮断器の操作装置 図12
  • 特開-遮断器の操作装置 図13
  • 特開-遮断器の操作装置 図14
  • 特開-遮断器の操作装置 図15
  • 特開-遮断器の操作装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084554
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】遮断器の操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/28 20060101AFI20230612BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20230612BHJP
   H01H 3/12 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
H01H33/28 B
H01H33/42 Q
H01H3/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198798
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 晟輝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和紀
【テーマコード(参考)】
5G025
【Fターム(参考)】
5G025AA07
5G025BA01
5G025CA01
5G025DA07
5G025DA08
5G025EA02
(57)【要約】
【課題】部品点数の削減を図ることのできる遮断器の操作装置を提供すること。
【解決手段】遮断器における電力回路の開閉を切り替える際に動作させる切替部材15と、本体部41と、本体部41に対して直線方向の相対移動が可能に本体部41に配置されると共に切替部材15を押圧することにより切替部材15に切替え動作を行わせるプランジャ43を備えるソレノイド40と、ソレノイド40に対して切替部材15が配置される側の反対側に配置される入力部31を有し、切替部材15に対して相対移動可能な手動部材30と、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に切替部材15に対して相対移動可能に手動部材30を支持するサポート部20と、ソレノイド40の本体部41をサポート部20または手動部材30に取り付けるソレノイド取付部25と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断器における電力回路の開閉を切り替える際に動作させる切替部材と、
本体部と、前記本体部に対して直線方向の相対移動が可能に前記本体部に配置されると共に前記切替部材を押圧することにより前記切替部材に切替え動作を行わせるプランジャを備えるソレノイドと、
前記ソレノイドに対して前記切替部材が配置される側の反対側に配置される入力部を有し、前記切替部材に対して相対移動可能な手動部材と、
前記切替部材に切替え動作を行わせるための押圧の方向に前記切替部材に対して相対移動可能に前記手動部材を支持するサポート部と、
前記ソレノイドの前記本体部を前記サポート部または前記手動部材に取り付けるソレノイド取付部と、
を備えることを特徴とする遮断器の操作装置。
【請求項2】
前記手動部材は、前記入力部から前記切替部材が位置する側に延びて前記切替部材を押圧する押圧部を有し、
前記ソレノイドの前記本体部は、前記ソレノイド取付部によって前記サポート部に取り付けられ、
前記押圧部は、前記切替部材に切替え動作を行わせるための押圧の方向に前記手動部材を前記切替部材に対して相対移動させた際に前記切替部材を押圧することにより、前記切替部材に切替え動作を行わせる請求項1に記載の遮断器の操作装置。
【請求項3】
前記手動部材は、板金により前記入力部から前記押圧部にかけて一体に形成される請求項2に記載の遮断器の操作装置。
【請求項4】
前記ソレノイドの前記本体部は、前記ソレノイド取付部によって前記手動部材に取り付けられ、
前記ソレノイドの前記本体部は、前記切替部材に切替え動作を行わせるための押圧の方向に前記手動部材を前記切替部材に対して相対移動させた際に、前記手動部材と共に前記切替部材に対して相対移動することにより、前記切替部材を押圧して前記切替部材に切替え動作を行わせる請求項1に記載の遮断器の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遮断器の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電力用の遮断器の操作装置には、電気的な信号に基づいて動作をすることにより遮断器を作動させる電動の操作部と、電気的な信号がない場合においても手動操作によって遮断器を作動させる手動の操作部とが設けられている。例えば、特許文献1に記載された遮断器の操作装置は、外部からの電気的な投入指令信号によって動作して遮断器の主接点を閉成する投入電磁石と、投入電磁石の可動プランジャを手動操作によって強制的に移動させることにより遮断器の主接点を閉成する手動投入部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-165135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遮断器に電動の操作部と手動の操作部とを設ける場合、それぞれを個別に任意の取り付け部分に取り付けることになるため、部品点数が多くなったり、組み立てが煩雑になり易くなったりする虞がある。このため、従来の遮断器の操作装置は、電動の操作部と手動の操作部との配置構成の点で改良の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品点数の削減を図ることのできる遮断器の操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の遮断器の操作装置は、遮断器における電力回路の開閉を切り替える際に動作させる切替部材と、本体部と、前記本体部に対して直線方向の相対移動が可能に前記本体部に配置されると共に前記切替部材を押圧することにより前記切替部材に切替え動作を行わせるプランジャを備えるソレノイドと、前記ソレノイドに対して前記切替部材が配置される側の反対側に配置される入力部を有し、前記切替部材に対して相対移動可能な手動部材と、前記切替部材に切替え動作を行わせるための押圧の方向に前記切替部材に対して相対移動可能に前記手動部材を支持するサポート部と、前記ソレノイドの前記本体部を前記サポート部または前記手動部材に取り付けるソレノイド取付部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1に係る遮断器の操作装置の斜視図である。
図2図2は、図1のA-A矢視図である。
図3図3は、図1のB-B矢視図である。
図4図4は、図1に示す操作装置を反対側から見た斜視図である。
図5図5は、図2のD-D矢視図である。
図6図6は、ソレノイドのプランジャを切替部材側に突出させた状態を示す説明図である。
図7図7は、ソレノイドのプランジャが切替部材を押圧している状態を示す説明図である。
図8図8は、手動部材によって切替部材を押圧している状態を示す斜視図である。
図9図9は、手動部材によって切替部材を押圧している状態を示す側面図である。
図10図10は、実施形態2に係る遮断器の操作装置の斜視図である。
図11図11は、図10のC-C矢視図である。
図12図12は、図10に示す操作装置を反対側から見た斜視図である。
図13図13は、ソレノイドのプランジャが切替部材を押圧している状態を示す説明図である。
図14図14は、手動部材によって切替部材を押圧している状態を示す斜視図である。
図15図15は、手動部材によって切替部材を押圧している状態を示す側面図である。
図16図16は、実施形態1に係る操作装置の変形例であり、ソレノイドが位置する側にサポート部が配置される形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態に係る遮断器の操作装置の一例について説明する。
【0009】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る遮断器の操作装置10の斜視図である。図2は、図1のA-A矢視図である。図3は、図1のB-B矢視図である。図4は、図1に示す操作装置10を反対側から見た斜視図である。なお、図4は、操作装置10が有する手動部材30とソレノイド40の形状を示すために、切替部材15を省略して図示している。実施形態1に係る遮断器の操作装置10は、電力回路に配置されて電力回路の開閉を切り替える遮断器に対して、開閉の切り替えを行わせるための装置になっている。操作装置10は、遮断器における電力回路の開閉を切り替える切替部材15と、切替部材15に電力回路の開閉の切替え動作を行わせるソレノイド40と、作業者が操作を行う入力部31を有する手動部材30とを有している。
【0010】
切替部材15は、板状の部材であるパドル16と、パドル16と一体に形成されてパドル16を回動自在に支持する軸部17とを有している。軸部17は、軸受部材(図示)により回動自在に支持されており、これにより、軸部17は、パドル16の厚み方向が略周方向となる向きで、パドル16と一体となって回動自在に配置されている。切替部材15は、遮断器における電気回路の開閉を切り替える部位(図示省略)に軸部17が連結されており、軸部17の回動方向の力を当該部位に伝達することにより、電気回路の開閉を切り替えることが可能になっている。つまり、切替部材15は、電力回路の開閉を切り替える際に、軸部17を中心として回動させる動作を行わせることにより、遮断器に電気回路の開閉の切り替えを行わせることが可能になっている。
【0011】
操作装置10が、例えば、遮断器における、操作装置10からの入力によって電気回路の接点を開く部位に接続されている場合には、軸部17の回動方向の力が当該部位に伝達されることにより接点が開かれ、電気回路における電気の流れが遮断される。反対に、操作装置10が、遮断器における、開かれた状態の電気回路の接点を操作装置10からの入力によって閉じる部位に接続されている場合には、軸部17の回動方向の力が当該部位に伝達されることにより接点が閉じられ、電気回路で電気を流すことが可能になる。
【0012】
ソレノイド40は、内部にコイル(図示省略)を有する本体部41と、本体部41に対して直線方向の相対移動が可能に本体部41に配置されるプランジャ43を備える、いわゆるソレノイドアクチュエータになっている。詳しくは、本体部41は、略円柱形の形状で形成されており、電流を流すことにより磁力を発生するコイルが内部に配置されている。また、プランジャ43は、棒状の形状で形成されており、本体部41の形状である円柱の中心軸と一致する位置に配置されている。即ち、プランジャ43は、本体部41の内部に配置されており、本体部41の内部に配置されるコイルは、本体部41内におけるプランジャ43の周囲に配置されている。
【0013】
本体部41の中心軸と一致する位置に配置されるプランジャ43は、本体部41内に配置されるコイルで発生する磁力に応じて、本体部41の中心軸に沿って、或いは、プランジャ43の延在方向に沿って、本体部41に対して直線方向の相対移動が可能になっている。なお、本体部41内には、プランジャ43の移動範囲を規制するストッパ(図示省略)が配置されており、プランジャ43は、所定の範囲内で、本体部41に対して直線方向の相対移動が可能になっている。
【0014】
また、プランジャ43の長さは、本体部41の長さよりも長くなっている。このため、プランジャ43は、本体部41の長さ方向における両側の端面42に、プランジャ43が通る孔が形成されており、プランジャ43は、本体部41の端面42に形成される孔を通して端面42から突出して配置されている。
【0015】
このように形成されるソレノイド40は、本体部41の長さ方向における両側の端面42のうち一方の端面42が、切替部材15のパドル16に対向する位置関係となって配置されている。このため、プランジャ43も、長さ方向における両側の端部のうち一方の端部が、切替部材15のパドル16に対向して配置されている。また、プランジャ43は、一方の端部が切替部材15に対向して配置されているため、切替部材15が位置する側に本体部41に対して相対移動をすることにより、切替部材15のパドル16に接触し、切替部材15を押圧することが可能になっている。プランジャ43の長さ方向における両側の端部のうち、このように切替部材15を押圧する側の端部は、押圧側端部43aとして形成されている。
【0016】
また、ソレノイド40には、切替部材15のパドル16に対向する端面42の反対側の端面42に、圧縮ばねからなるプランジャ復帰ばね44が配置されている。詳しくは、プランジャ43における押圧側端部43aの反対側の端部付近には、いわゆるE形止め輪からなるリング部材45が取り付けられており、プランジャ復帰ばね44は、本体部41の端面42とリング部材45との間に配置されている。これにより、プランジャ復帰ばね44は、リング部材45を介してプランジャ43に対して、パドル16から離れる方向への付勢力を付与している。このため、ソレノイド40に対して電力が供給されず、ソレノイド40が作動していない状態では、ソレノイド40のプランジャ43は、切替部材15のパドル16から離れている。
【0017】
なお、プランジャ43は、押圧側端部43a付近の直径が、押圧側端部43a以外の部分の直径よりも大きくなっている(図6図7参照)。これにより、プランジャ43は、プランジャ43の延在方向における押圧側端部43aの反対側の端部側にプランジャ43が移動した際に、押圧側端部43aが本体部41の端面42に当接することにより、同方向へのプランジャ43の移動が規制される。
【0018】
手動部材30は、切替部材15に対して作業者が手動により切替え動作を行わせる際に、入力操作を行う部分である入力部31と、切替部材15を押圧する部分である押圧部32とを有している。入力部31と押圧部32とを有する手動部材30は、1つの板材より形成され、板金により入力部31から押圧部32にかけて一体に形成されている。詳しくは、手動部材30は、入力部31と押圧部32との間に亘って延びる略帯状の形状で形成され、入力部31と押圧部32とは、いずれも板の厚み方向における同じ方向に約90°の角度で曲げられることにより形成されている。
【0019】
また、手動部材30は、帯状の幅が入力部31側と押圧部32側とで異なっており、押圧部32側よりも入力部31側の方が幅が広くなっている。即ち、手動部材30は、入力部31寄りの位置に、押圧部32寄りの部分よりも幅が広い幅広部33を有しており、入力部31は、幅広部33に形成されている。
【0020】
このように形成される手動部材30は、入力部31側から押圧部32側にかけた延在方向が、ソレノイド40の本体部41の中心軸に概ね沿った方向となる向きで、ソレノイド40の側方に配置されている。詳しくは、手動部材30は、入力部31が、ソレノイド40に対して切替部材15が配置される側の反対側の端面42側に配置され、押圧部32が、入力部31から切替部材15が位置する側に延びて、ソレノイド40における切替部材15側の端面42と切替部材15との間に位置して配置されている。
【0021】
手動部材30は、手動部材30を遮断器における所定の位置に取り付けるサポート部20により支持されている。サポート部20は、板状の部材により形成され、ソレノイド40の本体部41の軸心方向において本体部41よりも手動部材30の入力部31が位置する側に配置されている。また、サポート部20は、手動部材30におけるソレノイド40が位置する側の面の反対側の面側に、手動部材30に対して重ねて配置されている。このように、手動部材30に重ねて配置されるサポート部20は、手動部材30を挟んで支持部材29がサポート部20に取り付けられることにより、手動部材30を支持することが可能になっている。
【0022】
詳しくは、支持部材29は、円環状の部材、或いは座金状の部材になっており、サポート部20に重ねられた手動部材30における、サポート部20が位置する側の反対側の面側に配置され、ビス28によってサポート部20に取り付けられる。換言すると、支持部材29は、サポート部20との間に隙間をあけてビス28によってサポート部20に取り付けられ、手動部材30は、サポート部20と支持部材29との隙間に入り込むことにより、サポート部20と支持部材29とにより支持される。このように、手動部材30を支持する支持部材29は、手動部材30が有する幅広部33の幅方向における端部付近に配置され、サポート部20とによって、幅広部33の幅方向における端部付近を支持することにより、手動部材30を支持する。これにより、支持部材29は、手動部材30がサポート部20に対して、ソレノイド40の本体部41の中心軸に沿った方向に相対移動可能に、手動部材30を支持する。
【0023】
また、サポート部20は、手動部材30を案内するガイド21を有している。ガイド21は、サポート部20の厚み方向に貫通し、ソレノイド40の本体部41の中心軸に沿った方向に延びる孔により形成されている。
【0024】
サポート部20に重ねて配置される手動部材30には、サポート部20に対向する面に、ガイド21に入り込むピン状の部材であるガイドピン34が配置されている。これにより、手動部材30は、ガイドピン34がガイド21に沿って移動することにより、切替部材15に対して相対移動可能に配置されている。換言すると、サポート部20は、手動部材30を切替部材15に対してガイド21に沿って相対移動可能に支持しており、サポート部20は、手動部材30を支持しつつ、遮断器における所定の位置に取り付けられる。このため、サポート部20には、取付け部材であるボルト(図示省略)を通す孔である取付け孔23が複数形成されており、サポート部20は、ボルトを用いて遮断器における所定の位置に取り付けられる。
【0025】
ガイドピン34が入り込むことにより手動部材30を案内するガイド21は、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に、手動部材30を案内することが可能になっている。このため、手動部材30は、ガイド21に沿って切替部材15に近付く方向に移動した際に、押圧部32が切替部材15に接触し、切替部材15を押圧することが可能になっている。
【0026】
また、ガイドピン34は、手動部材30に2つが配置されており、2つのガイドピン34は、いずれもガイド21に入り込んでいる。2つのガイドピン34は、手動部材30がガイド21に沿って移動する際に、ガイド21の延在方向における端部に当接することにより、手動部材30の移動範囲を規制することができる位置に配置されている。
【0027】
つまり、2つのガイドピン34のうち、入力部31寄りに位置するガイドピン34は、手動部材30がガイド21に沿って切替部材15から離れる方向に移動した際に、ガイド21における入力部31寄りの端部に当接することにより、切替部材15から離れる方向への手動部材30の移動範囲を規制することが可能になっている。また、2つのガイドピン34のうち、押圧部32寄りに位置するガイドピン34は、手動部材30がガイド21に沿って切替部材15に近付く方向に移動した際に、ガイド21における押圧部32寄りの端部に当接することにより、切替部材15に近付く方向への手動部材30の移動範囲を規制することが可能になっている。
【0028】
また、サポート部20は、ソレノイド40を支持する部分であるソレノイド取付部25を有している。ソレノイド40は、本体部41がソレノイド取付部25に取り付けられることにより、サポート部20に取り付けられている。詳しくは、サポート部20は、サポート部20に重ねられる手動部材30が位置する側に、サポート部20を形成する板の厚み方向に約90°の角度で曲げられることにより、ソレノイド取付部25が形成されている。つまり、ソレノイド取付部25は、板の厚み方向がソレノイド40の本体部41の軸心方向となる向きで形成されており、手動部材30の入力部31に対向して形成されている。即ち、ソレノイド取付部25は、手動部材30の入力部31と、ソレノイド40の本体部41との間に位置して形成されている。
【0029】
ソレノイド40の本体部41は、切替部材15が位置する側の反対側の端面42が、ソレノイド取付部25における手動部材30の入力部31に対向する面の反対側の面に、取付け部材であるボルト27を用いて取り付けられている。これにより、ソレノイド40の本体部41は、ソレノイド取付部25によってサポート部20に取り付けられ、サポート部20により支持されている。
【0030】
これらのように、サポート部20を形成する板が曲げられることによりソレノイド取付部25が形成されるサポート部20は、ソレノイド取付部25の付け根付近に、サポート部20を形成する板を貫通する貫通孔26が形成されている。サポート部20に重ねて配置される手動部材30は、ソレノイド40に対して切替部材15が位置する側の反対側に配置される入力部31側から、貫通孔26を通って、切替部材15寄りに配置される押圧部32側に延びて配置されている。その際に、手動部材30の幅広部33は、全ての部分がソレノイド取付部25よりも手動部材30の入力部31側に位置しており、貫通孔26には、手動部材30における幅広部33よりも押圧部32側に位置して幅広部33よりも幅が狭い部分が通っている。
【0031】
また、サポート部20と支持部材29とにより支持される手動部材30と、サポート部20との間には、サポート部20と手動部材30とに対して、手動部材30を切替部材15から離す方向の付勢力を付与する手動部材復帰ばね37が配置されている。詳しくは、手動部材30には、幅広部33における押圧部32が位置する側の端部に、手動部材復帰ばね37からの付勢力を受けるばね受け部35が形成されている。ばね受け部35は、手動部材30を形成する板の一部が、手動部材30において入力部31が曲げられている方向と同じ約90°折り曲げられることにより形成されている。
【0032】
さらに、ばね受け部35には、手動部材復帰ばね37を支持するばね支持部36が形成されている。ばね支持部36は、ばね受け部35の先端側の部分が、ソレノイド40が位置する側に折り曲げられ、比較的短い長さでソレノイド40が位置する側に延びることにより形成されている。
【0033】
図5は、図2のD-D矢視図である。なお、図5は、手動部材復帰ばね37を支持する構造を説明するために、手動部材復帰ばね37の図示を省略している。ソレノイド取付部25には、サポート部20のばね受け部35に形成されるばね支持部36に対向する位置に、ばね受け部35のばね支持部36が位置する側に突出する部材である、ばね支持部25aが形成されている。
【0034】
手動部材復帰ばね37は、圧縮ばねからなり、一端が手動部材30のばね受け部35に接触し、他端がサポート部20のソレノイド取付部25における、手動部材30の入力部31に対向する側の面に接触している。その際に、手動部材30のばね受け部35に形成されるばね支持部36と、ソレノイド取付部25に形成されるばね支持部25aとは、それぞれ手動部材復帰ばね37の内側に入り込んでいる。
【0035】
手動部材復帰ばね37は、このように、手動部材30が有するばね受け部35と、サポート部20が有するソレノイド取付部25との間に配置されることにより、手動部材30とサポート部20とに、ばね受け部35とソレノイド取付部25とが離れる方向の付勢力を付与している。これにより、手動部材復帰ばね37は、手動部材30に対して、押圧部32が切替部材15から離れる方向の付勢力を付与している。このため、手動部材30に対して外部から力が付与されない状態では、手動部材30の押圧部32は、切替部材15から離れている。
【0036】
切替部材15は、軸部17を中心とする回動方向における範囲が所定の範囲に規制されつつ、回動方向においてパドル16がソレノイド40に近付く方向への付勢力が付与されて配置されている。このため、切替部材15は、手動部材30の押圧部32やソレノイド40のプランジャ43により押圧されない状態においては、軸部17を中心とする回動方向における位置が、手動部材30の押圧部32やソレノイド40にパドル16が近付きつつ、押圧部32やソレノイド40には接触しない位置になっている。
【0037】
本実施形態1に係る遮断器の操作装置10は、以上のような構成を含み、以下、その作用の一例について説明する。操作装置10によって、遮断器における電力回路の開閉を切り替える際には、ソレノイド40または手動部材30を動作させることにより切り替える。まず、ソレノイド40を動作させることにより電力回路の開閉を切り替える場合について説明する。
【0038】
図6は、ソレノイド40のプランジャ43を切替部材15側に突出させた状態を示す説明図である。なお、図6は、ソレノイド40の動作時における状態を示すため、切替部材15を省略して図示している。ソレノイド40を動作させる際には、遮断器に対する投入指令信号に基づき、ソレノイド40に電力が供給される。これにより、ソレノイド40は、本体部41の内部に配置されるコイルで磁力が発生し、ソレノイド40が有するプランジャ43が、コイルで発生した磁力によって本体部41に対して直線方向に移動する。具体的には、ソレノイド40は、プランジャ43の延在方向における押圧側端部43aが位置する側に本体部41に対して相対移動をする。これにより、プランジャ43は、押圧側端部43aが位置する側の本体部41の端面42から、押圧側端部43aが突出した状態になる。
【0039】
図7は、ソレノイド40のプランジャ43が切替部材15を押圧している状態を示す説明図である。プランジャ43は、押圧側端部43aが切替部材15に対向して配置されているため、プランジャ43における押圧側端部43a側が、本体部41の端面42から突出した場合、押圧側端部43aは、切替部材15に当接する。詳しくは、プランジャ43は、切替部材15が有するパドル16に押圧側端部43aが当接し、パドル16を押圧する。パドル16は、切替部材15が有する軸部17を中心として軸部17と一体で回動することが可能になっているため、プランジャ43から押圧されたパドル16は、ソレノイド40の本体部41から離れる方向に、軸部17を中心として軸部17と共に回動する。
【0040】
軸部17の回動は、遮断器における電気回路の開閉を切り替える部位に伝達され、電力回路の開閉が切り替えられる。操作装置10が、例えば、遮断器における電気回路の接点を開く部位に接続されている場合には、軸部17の回動方向の力が当該部位に伝達されることにより接点が開かれる。これにより、電気回路における電気の流れが遮断される。
【0041】
遮断器における電気回路の開閉を切り替えたら、ソレノイド40に供給される電力は停止する。これにより、ソレノイド40は、本体部41の内部に配置されるコイルによる磁力の発生も停止する。
【0042】
ソレノイド40は、プランジャ43に対して、パドル16から離れる方向への付勢力を付与するプランジャ復帰ばね44を有しているため、本体部41内のコイルによる磁力の発生が停止した場合は、プランジャ43は、プランジャ復帰ばね44からの付勢力により、パドル16から離れる方向へ移動する。これにより、プランジャ43から切替部材15のパドル16への押圧は取り除かれ、切替部材15は、手動部材30の押圧部32やソレノイド40にパドル16が近付きつつ、押圧部32やソレノイド40には接触しない位置に回動する。
【0043】
次に、操作装置10の手動部材30を動作させることにより、遮断器における電力回路の開閉を切り替える場合について説明する。図8は、手動部材30によって切替部材15を押圧している状態を示す斜視図である。図9は、手動部材30によって切替部材15を押圧している状態を示す側面図である。手動部材30を動作させることにより遮断器における電気回路の開閉を切り替える場合は、作業者が、手動部材30の入力部31を押圧することにより、手動部材30を動作させる。
【0044】
手動部材30は、サポート部20に形成されるガイド21によって案内されることにより、切替部材15に対して相対移動可能に、サポート部20に支持されている。このため、手動部材30の入力部31を押圧した際には、手動部材30は、押圧部32が切替部材15に近付く方向に移動し、押圧部32が切替部材15のパドル16に接触してパドル16を押圧する。
【0045】
手動部材30が切替部材15のパドル16を押圧した場合は、ソレノイド40のプランジャ43がパドル16を押圧した場合と同様に、切替部材15は、パドル16がソレノイド40の本体部41から離れる方向に、軸部17を中心としてパドル16と軸部17とが一体で回動する。つまり、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に手動部材30を切替部材15に対して相対移動させた場合、手動部材30の押圧部32は、切替部材15を押圧することにより、切替部材15に切替え動作を行わせる。これにより、遮断器における電力回路の開閉が切り替えられ、例えば、遮断器における、操作装置10によって開閉が切り替えられる電気回路の接点が開かれることにより、電気回路における電気の流れが遮断される。
【0046】
作業者が手動部材30の入力部31を押圧することにより、遮断器における電気回路の開閉を切り替えたら、作業者は、手動部材30の入力部31に対して入力していた力を取り除く。手動部材30は、押圧部32が切替部材15から離れる方向の付勢力が手動部材復帰ばね37より付与されているため、作業者が手動部材30に入力していた力を取り除いた場合には、手動部材30は、手動部材復帰ばね37からの付勢力により、ガイド21に沿って切替部材15から離れる方向に移動する。これにより、手動部材30から切替部材15のパドル16への押圧は取り除かれ、切替部材15は、手動部材30の押圧部32やソレノイド40にパドル16が近付きつつ、押圧部32やソレノイド40には接触しない位置に回動する。
【0047】
以上の実施形態1に係る遮断器の操作装置10は、遮断器における電力回路の開閉を切り替える切替部材15に対して切替え動作を行わせるための構成として、ソレノイド40と手動部材30と有しており、ソレノイド40は、手動部材30を支持するサポート部20に取り付けられている。即ち、手動部材30は、切替部材15を押圧して切替部材15に切替え動作を行わせる押圧部32を有し、ソレノイド40は、このように構成される手動部材30を案内するガイド21が形成されるサポート部20に、ソレノイド取付部25により取り付けられている。これにより、手動部材30を所定の位置に取り付ける部材と、ソレノイド40を所定の位置に取り付ける部材とを個別に設ける必要がなく、1つのサポート部20によって、手動部材30とソレノイド40とを遮断器の所定の位置に取り付けることができる。この結果、部品点数の削減を図ることができる。
【0048】
また、手動部材30は、板金により入力部31から押圧部32にかけて一体に形成されるため、手動部材30を容易に製造することができる。つまり、例えば、入力部31と押圧部32とが、それぞれ異なる部材で形成される場合、入力部31と押圧部32とを個別に製造した後に、これらを接合する必要があるため、手動部材30の製造が煩雑になり易くなる虞がある。これに対し、手動部材30を板金により入力部31から押圧部32にかけて一体に形成した場合には、手動部材30全体を一度に形成することができるため、手動部材30を容易に製造することができ、製造性を高めることができる。また、手動部材30を板金によって製造することにより、安価な部材により製造することができ、材料費を削減することができる。これらの結果、製造コストの低減を図ることができる。
【0049】
[実施形態2]
実施形態2に係る遮断器の操作装置10は、実施形態1に係る遮断器の操作装置10と略同様の構成であるが、ソレノイド40は、手動部材60に取り付けられる点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
【0050】
図10は、実施形態2に係る遮断器の操作装置10の斜視図である。図11は、図10のC-C矢視図である。図12は、図10に示す操作装置10を反対側から見た斜視図である。なお、図12は、操作装置10が有する手動部材60とソレノイド40の形状を示すために、切替部材15を省略して図示している。実施形態2に係る遮断器の操作装置10は、実施形態1に係る遮断器の操作装置10と同様に、遮断器における電力回路の開閉を切り替える切替部材15と、切替部材15に電力回路の開閉の切替え動作を行わせるソレノイド40と、作業者が操作を行う入力部61を有する手動部材60とを有している。
【0051】
このうち、切替部材15は、実施形態1と同様に、板状の部材であるパドル16と、パドル16と一体に形成されてパドル16を回動自在に支持する軸部17とを有している。また、ソレノイド40も、実施形態1と同様に、内部にコイルを有する本体部41と、本体部41に対して直線方向の相対移動が可能に本体部41に配置されるプランジャ43を有している。
【0052】
手動部材60は、実施形態1における手動部材30とは異なり押圧部32(図8等参照)は有しておらず、作業者が入力操作を行う部分である入力部61と、ソレノイド40を取り付ける部分であるソレノイド取付部67とを有している。手動部材60が有する入力部61とソレノイド取付部67とは、板金により一体に形成されており、いずれも板の厚み方向における同じ方向に約90°の角度で曲げられることにより形成されている。このため、入力部61とソレノイド取付部67とは、略平行に形成されて互いに対向している。
【0053】
実施形態2では、ソレノイド40は、このように手動部材60に形成されるソレノイド取付部67に本体部41が取り付けられることにより、手動部材60に取り付けられている。詳しくは、ソレノイド40の本体部41は、切替部材15が位置する側の反対側の端面42が、手動部材60が有するソレノイド取付部67における入力部61に対向する面の反対側の面に、取付け部材であるボルト68を用いて取り付けられている。これにより、ソレノイド40の本体部41は、ソレノイド取付部67によって手動部材60に取り付けられ、手動部材60により支持されている。
【0054】
また、手動部材60には、ソレノイド取付部67に対して入力部61が配置される側の反対側、即ち、ソレノイド取付部67に対して切替部材15が位置する側に、ガイド部63が形成されている。ガイド部63は、手動部材60の幅方向において、ソレノイド取付部67が形成されていない位置に形成されている。即ち、手動部材60は、幅方向における一端側から幅方向における所定の範囲にソレノイド取付部67が形成され、幅方向における他端側に位置する、幅方向における残りの部分にガイド部63が形成されている。
【0055】
手動部材60のガイド部63は、ソレノイド取付部67に取り付けられるソレノイド40の本体部41の軸心方向に沿って、切替部材15が位置する側に延びて形成されている。このように形成されるガイド部63には、ガイド部63の厚み方向に貫通し、ソレノイド40の本体部41の軸心方向に延びる孔として形成されるガイド64が設けられている。
【0056】
手動部材60は、実施形態1における手動部材30と同様に、手動部材60を遮断器における所定の位置に取り付けるサポート部50により支持されている。実施形態2のサポート部50は、実施形態1のサポート部20とは異なり、サポート部50の大部分が、ソレノイド40の本体部41の軸心方向におけるソレノイド40が配置される範囲に配置されている。即ち、サポート部50は、ソレノイド40の本体部41の軸心方向における、手動部材60のガイド部63が形成される範囲に大部分が配置されている。
【0057】
また、サポート部50は、手動部材60が有するガイド部63の厚み方向におけるソレノイド40が位置する側の面の反対側の面側に位置する部分である取付け部51と、ソレノイド40が位置する側の面側に位置する部分であるばね受け部52とを有している。つまり、サポート部50は、手動部材60を、手動部材60の厚み方向に跨いで形成されており、取付け部51は、手動部材60の厚み方向における一方の面側に位置し、ばね受け部52は手動部材60の厚み方向における他方の面側に位置して配置されている。このため、サポート部50には、取付け部51とばね受け部52との間の部分に、手動部材60が入り込む切欠き部54(図12参照)が形成されている。サポート部50は、切欠き部54に手動部材60が入り込むことにより、手動部材60の厚み方向に手動部材60を跨いで配置されている。
【0058】
サポート部50が有する取付け部51とばね受け部52とのうち、取付け部51は、遮断器における所定の位置に取り付けることが可能になっている。取付け部51は、例えば、取付け部材であるボルト(図示省略)を通す取付け孔(図示省略)が形成され、ボルトを用いることにより、遮断器における所定の位置に取り付けることができる。
【0059】
また、取付け部51は、手動部材60が有するガイド部63における、ソレノイド40が位置する側の面の反対側の面に、ガイド部63に重ねて配置されている。このように、手動部材60のガイド部63重ねて配置されるサポート部50の取付け部51は、ガイド部63を挟んで支持部材57が取付け部51に取り付けられることにより、手動部材60を支持することが可能になっている。
【0060】
詳しくは、支持部材57は、円環状の部材、或いは座金状の部材になっており、サポート部50の取付け部51に重ねられたガイド部63における、取付け部51が位置する側の反対側の面側に配置され、ビス56によって取付け部51に取り付けられる。換言すると、支持部材57は、取付け部51との間に隙間をあけてビス56によってサポート部50の取付け部51に取り付けられ、手動部材60のガイド部63は、取付け部51と支持部材57との隙間に入り込むことにより、取付け部51と支持部材57とにより支持される。このように、手動部材60を支持する支持部材57は、手動部材60が有するガイド部63の幅方向における端部付近に配置され、サポート部50の取付け部51とによって、ガイド部63の幅方向における端部付近を支持することにより、手動部材60を支持する。これにより、支持部材57は、手動部材60がサポート部50に対して、ソレノイド40の本体部41の中心軸に沿った方向に相対移動可能に、手動部材60を支持する。
【0061】
手動部材60のガイド部63に重ねられる取付け部51における、ガイド部63に対向する側の面には、ガイドピン55が配置されている。ガイドピン55は、ピン状の部材になっており、手動部材60のガイド部63とサポート部50の取付け部51とが重ねられた状態では、ガイド部63に形成されるガイド64に入り込む。
【0062】
つまり、手動部材60は、ガイド部63に形成されるガイド64に、サポート部50の取付け部51に配置されるガイドピン55が入り込む状態で、サポート部50の取付け部51に重ねて配置される。これにより、手動部材60は、サポート部50に対して、ガイド64が延びる方向に相対移動が可能になっている。換言すると、サポート部50は、手動部材60を、手動部材60に形成されるガイド64に沿って切替部材15に対して相対移動可能に支持しており、サポート部50は、支持部材57とによって手動部材60を支持しつつ、遮断器における所定の位置に取り付けられる。
【0063】
サポート部50に形成されるガイドピン55が入り込むことにより手動部材60を案内する手動部材60のガイド64は、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に、手動部材60を案内することが可能になっている。このため、手動部材60は、当該手動部材60のガイド部63に形成されるガイド64に沿って切替部材15に近付く方向に移動した際に、ソレノイド取付部67に取り付けられるソレノイド40の本体部41が手動部材60と共に移動することにより切替部材15に接触し、切替部材15を押圧することが可能になっている。
【0064】
手動部材60のガイド64に入り込むガイドピン55は、サポート部50の取付け部51に2つが配置されており、2つのガイドピン55は、いずれもガイド64に入り込んでいる。2つのガイドピン55は、手動部材60がガイド64に沿って移動する際に、ガイド64の延在方向における端部に当接することにより、手動部材60の移動範囲を規制することができる位置に配置されている。
【0065】
つまり、2つのガイドピン55のうち、入力部61寄りに位置するガイドピン55は、手動部材60がガイド64に沿って切替部材15から離れる方向に移動した際に、ガイド64における入力部61寄りの端部に当接することにより、切替部材15から離れる方向への手動部材60の移動範囲を規制することが可能になっている。また、2つのガイドピン55のうち、入力部61が位置する側の反対側に位置するガイドピン55は、手動部材60がガイド64に沿って切替部材15に近付く方向に移動した際に、ガイド64における入力部61が位置する側の反対側の端部に当接することにより、切替部材15に近付く方向への手動部材60の移動範囲を規制することが可能になっている。
【0066】
また、サポート部50が有するばね受け部52は、サポート部50と手動部材60とに対して、手動部材60を切替部材15から離す方向の付勢力を付与する手動部材復帰ばね66を支持し、手動部材復帰ばね66からの付勢力を受けることが可能になっている。詳しくは、サポート部50が有するばね受け部52は、手動部材60の入力部61が位置する側の端部に、手動部材復帰ばね66を支持するばね支持部53が形成されている。ばね支持部53は、ばね受け部52における手動部材60の入力部61が位置する側の端部から、入力部61が位置する側に比較的短い長さで延びて形成されており、即ち、ばね支持部53は、ばね受け部52から、入力部61が位置する側に突出する部材として形成されている。
【0067】
また、手動部材60の入力部61には、サポート部50のばね受け部52に形成されるばね支持部53に対向する位置に、ばね受け部52のばね支持部53が位置する側に突出する部材である、ばね支持部65が形成されている。
【0068】
手動部材復帰ばね66は、圧縮ばねからなり、一端がサポート部50のばね受け部52における手動部材60の入力部61が位置する側の端部に接触し、他端が手動部材60の入力部61におけるサポート部50のばね受け部52が位置する側の面に接触する。その際に、サポート部50のばね受け部52に形成されるばね支持部53と、手動部材60の入力部61に形成されるばね支持部65とは、それぞれ手動部材復帰ばね66の内側に入り込む。
【0069】
手動部材復帰ばね66は、このように、サポート部50が有するばね受け部52と、手動部材60の入力部61との間に配置されることにより、サポート部50と手動部材60とに、サポート部50のばね受け部52と手動部材60の入力部61が離れる方向の付勢力を付与している。これにより、手動部材復帰ばね66は、手動部材60が切替部材15から離れる方向の付勢力を手動部材60に対して付与している。また、手動部材60には、ソレノイド取付部67によってソレノイド40が取り付けられている。このため、手動部材60に対して外部から力が付与されない状態では、手動部材60に取り付けられるソレノイド40の本体部41は、切替部材15から離れている。
【0070】
本実施形態2に係る遮断器の操作装置10は、以上のような構成を含み、以下、その作用の一例について説明する。操作装置10によって、遮断器における電力回路の開閉を切り替える際には、ソレノイド40または手動部材60を動作させることにより切り替える。まず、ソレノイド40を動作させることにより電力回路の開閉を切り替える場合について説明する。
【0071】
図13は、ソレノイド40のプランジャ43が切替部材15を押圧している状態を示す説明図である。ソレノイド40を動作させる際には、遮断器に対する投入指令信号に基づき、ソレノイド40に電力が供給される。これにより、ソレノイド40は、プランジャ43が本体部41に対して切替部材15が位置する側に相対移動をし、プランジャ43は、本体部41の端面42から押圧側端部43aが突出した状態になる。本体部41の端面42から切替部材15が位置する側に突出したプランジャ43は、切替部材15が有するパドル16に押圧側端部43aが当接し、パドル16を押圧する。プランジャ43から押圧されたパドル16は、ソレノイド40の本体部41から離れる方向に、軸部17を中心として軸部17と共に回動する。軸部17の回動は、遮断器における電気回路の開閉を切り替える部位に伝達され、電力回路の開閉が切り替えられる。
【0072】
遮断器における電気回路の開閉を切り替えたら、ソレノイド40に供給される電力は停止する。これにより、ソレノイド40は、本体部41の内部に配置されるコイルによる磁力の発生も停止し、プランジャ43は、プランジャ復帰ばね44から付与される付勢力により、パドル16から離れる方向へ移動する。プランジャ43がパドル16から離れた切替部材15は、ソレノイド40にパドル16が近付きつつ、ソレノイド40には接触しない位置に回動する。
【0073】
次に、操作装置10の手動部材60を動作させることにより、遮断器における電力回路の開閉を切り替える場合について説明する。図14は、手動部材60によって切替部材15を押圧している状態を示す斜視図である。図15は、手動部材60によって切替部材15を押圧している状態を示す側面図である。手動部材60を動作させることにより遮断器における電気回路の開閉を切り替える場合は、作業者が、手動部材60の入力部61を押圧することにより、手動部材60を動作させる。
【0074】
手動部材60は、手動部材60のガイド部63に形成されるガイド64に、サポート部50の取付け部51に配置されるガイドピン55が入り込むことにより、ガイド64によって案内されつつ、切替部材15に対して相対移動可能にサポート部50に支持されている。このため、手動部材60の入力部61を押圧した際には、手動部材60は、手動部材60に形成されるガイド64にサポート部50のガイドピン55が入り込んだ状態が維持しながら、手動部材60は、切替部材15に近付く方向に移動する。
【0075】
その際に、手動部材60には、ソレノイド取付部67によってソレノイド40が取り付けられているため、手動部材60が切替部材15に近付く方向に移動する場合には、手動部材60と共にソレノイド40も切替部材15に近付く方向に移動する。これにより、ソレノイド40は、本体部41が切替部材15のパドル16に接触してパドル16を押圧する。
【0076】
ソレノイド40の本体部41が切替部材15のパドル16を押圧した場合は、切替部材15は、パドル16がソレノイド40の本体部41から離れる方向に、軸部17を中心としてパドル16と軸部17とが一体で回動する。つまり、実施形態2では、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に手動部材60を切替部材15に対して相対移動させた場合、手動部材60に取り付けられるソレノイド40の本体部41は、手動部材60と共に切替部材15に対して相対移動する。これにより、ソレノイド40の本体部41は、切替部材15を押圧して切替部材15に切替え動作を行わせ、遮断器は、切替部材15により電力回路の開閉が切り替えられる。
【0077】
作業者が手動部材60の入力部61を押圧することにより、遮断器における電気回路の開閉を切り替えたら、作業者は、手動部材60の入力部61に対して入力していた力を取り除く。手動部材60は、手動部材60が切替部材15から離れる方向の付勢力が手動部材復帰ばね66より付与されているため、作業者が手動部材60に入力していた力を取り除いた場合には、手動部材60は、手動部材復帰ばね66からの付勢力により、ガイド64に沿って切替部材15から離れる方向に移動する。これにより、手動部材60に取り付けられているソレノイド40も、切替部材15から離れる方向に移動するため、ソレノイド40の本体部41から切替部材15のパドル16への押圧は取り除かれ、切替部材15は、ソレノイド40にパドル16が近付きつつ、ソレノイド40には接触しない位置に回動する。
【0078】
以上の実施形態2に係る遮断器の操作装置10は、手動部材60は、サポート部50に支持されており、ソレノイド40は、本体部41がソレノイド取付部67によって手動部材60に取り付けられている。これにより、手動部材60を所定の位置に取り付ける部材と、ソレノイド40を所定の位置に取り付ける部材とを個別に設ける必要がなく、1つのサポート部50によって、手動部材60とソレノイド40とを遮断器の所定の位置に取り付けることができる。
【0079】
また、ソレノイド40の本体部41は、切替部材15に切替え動作を行わせるための押圧の方向に手動部材60を切替部材15に対して相対移動させた際に、手動部材60と共に切替部材15に対して相対移動することにより、切替部材15を押圧して切替部材15に切替え動作を行わせることが可能になっている。これにより、手動部材60の入力部61を押圧して手動によって切替部材15に切替え動作を行わせる部材の簡略化を図ることができる。この結果、部品点数の削減を図ることができる。また、部品点数を削減することにより、材料費を削減すると共に製造性を高めることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0080】
上記実施形態1、2で説明したように、遮断器の操作装置10は、ソレノイド40を、手動部材30を支持するサポート部20または手動部材60にソレノイド取付部25、67によって取り付けることにより、手動部材30、60とソレノイド40とを、1つのサポート部20、50によって遮断器の所定の位置に取り付けることができる。これにより、操作装置10は、部品点数の削減を図ることができ、また、製造性を高めたり、材料費を削減したりすることができるため、製造コストの低減を図ることができる。
【0081】
なお、上述した実施形態1のサポート部20や実施形態2のサポート部50は、実施形態1や実施形態2とは異なる位置に配置されていてもよい。図16は、実施形態1に係る操作装置10の変形例であり、ソレノイド40が位置する側にサポート部20が配置される形態を示す説明図である。実施形態1のようにソレノイド40がサポート部20に取り付けられる構成において、サポート部20は、図16に示すように、ソレノイド40の本体部41の軸心方向におけるソレノイド40が配置される範囲に大部分が配置される形状で、構成されていてもよい。換言すると、サポート部20が有するソレノイド取付部25からみて、サポート部20は、ソレノイド40が位置する側に約90°の角度で折り曲げられ、ソレノイド40に側方でソレノイド40に沿って形成される形状であってもよい。サポート部20は、1つのサポート部20で、手動部材30とソレノイド40とを支持することができれば、その形状は問わない。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
10 操作装置
15 切替部材
16 パドル
17 軸部
20、50 サポート部
21、64 ガイド
23 取付け孔
25、67 ソレノイド取付部
26 貫通孔
28、56 ビス
29、57 支持部材
30、60 手動部材
31、61 入力部
32 押圧部
34、55 ガイドピン
35、52 ばね受け部
36、53、65 ばね支持部
37、66 手動部材復帰ばね
40 ソレノイド
41 本体部
42 端面
43 プランジャ
43a 押圧側端部
44 プランジャ復帰ばね
45 リング部材
51 取付け部
54 切欠き部
63 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16