(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084576
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】配線機器
(51)【国際特許分類】
G01R 31/12 20200101AFI20230612BHJP
【FI】
G01R31/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198844
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 弘行
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲朗
【テーマコード(参考)】
2G015
【Fターム(参考)】
2G015AA15
2G015AA27
2G015BA02
2G015BA04
2G015CA01
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制することができる配線機器を提供する。
【解決手段】配線機器1は、刃受部15と電源端子16との間を電気的に接続する電力線と、電力線(第1電力線11)を流れる高周波電流を高周波信号として検出する電流検出部21と、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を共通の回路構成で計測可能な計測部22と、を備える。そして、配線機器1は、計測部22の計測結果に基づいて電気機器5への電力供給を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃受部と電源端子との間を電気的に接続する電力線と、
前記電力線を流れる高周波電流を高周波信号として検出する電流検出部と、
異なる周波数帯域を有する複数の前記高周波信号を共通の回路構成で計測可能な計測部と、を備え、
前記計測部の計測結果に基づいて電気機器への電力供給を制御する、
配線機器。
【請求項2】
前記計測部は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号のうちの少なくとも一部が前記共通の回路構成で選択的にサンプリングされた高周波信号を計測する、
請求項1に記載の配線機器。
【請求項3】
前記計測部は、検出しようとしている周波数帯域に合わせたサンプリング周波数で計測する、
請求項1又は2に記載の配線機器。
【請求項4】
前記計測部は、スイッチを有し、
前記スイッチは、開閉を繰り返して行うことにより前記電流検出部が検出した前記高周波信号をサンプリングして出力する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の配線機器。
【請求項5】
前記電流検出部は、静電容量センサである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の配線機器。
【請求項6】
前記静電容量センサは、電極を有し、
前記電極は、前記電力線に対して寄生容量が発生する形で配置される、
請求項5に記載の配線機器。
【請求項7】
前記静電容量センサは、
電極を有し、
前記電極と前記電力線がコンデンサで接続されている、
請求項5又は6に記載の配線機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電路電流波形を検出する変流器と、検出した電流波形を周波数分解するFFT(Fast Fourier Transformation)と、電流情報を記憶するレジスタ回路と、FFTの周波数分解結果を基にトラッキング及びアーク等の異常の発生を判断する演算回路とを有する検出装置が開示されている。この検出装置では、トラッキング放電等の異常が無く負荷電流が流れている第1の状態の電路電流波形と、トラッキング放電等の異常が発生している第2の状態の電路電流波形の情報とを基に求めた両者を識別する識別関数を用いてトラッキング放電等の異常の発生を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トラッキング等の異常を検出するためには、従来の検出装置では、特定の周波数ごとに専用の回路が必要となり、大型化してしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本開示では、大型化を抑制することができる配線機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る配線機器は、刃受部と電源端子との間を電気的に接続する電力線と、前記電力線を流れる高周波電流を高周波信号として検出する電流検出部と、異なる周波数帯域を有する複数の前記高周波信号を共通の回路構成で計測可能な計測部と、を備え、前記計測部の計測結果に基づいて電気機器への電力供給を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の配線機器によれば、大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る配線機器の回路基板の断面図と、刃受部、第1電力線及び開閉ユニット等を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る配線機器の第1電力線、電極及び計測部を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る配線機器の回路基板を示す回路図である。
【
図4】
図4は、その他変形例に係る配線機器の回路基板の断面図と、刃受部、第1電力線及び開閉ユニット等を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
【0010】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
(実施の形態)
<構成及び機能:配線機器1>
図1は、実施の形態に係る配線機器1の回路基板20の断面図と、刃受部15、第1電力線11及び開閉ユニット13等を示す模式図である。
図2は、実施の形態に係る配線機器1の第1電力線11、電極21a及び計測部22を示すブロック図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態の配線機器1は、電気機器5への電力供給を行うことができるコンセントである。具体的には、配線機器1は、電気機器5のプラグが挿し込まれることで、電気機器5に電力を供給することができる。電気機器5は、例えば、テレビジョン、照明装置、冷蔵庫等である。
【0013】
配線機器1は、第1電力線11と、第2電力線12と、開閉ユニット13と、回路基板20とを備える。
【0014】
第1電力線11は、刃受部15と電源端子16との間を電気的に接続する。具体的には、第1電力線11の一端は、刃受部15と電気的に接続され、第1電力線11の他端は、開閉ユニット13と電気的に接続されている。このため、第1電力線11の他端は、開閉ユニット13内の電源端子16と電気的に接続されている。本実施の形態では、2つの刃受部15を例示しているため、2本の第1電力線11は、2つの刃受部15と一対一で対応するように、2つの刃受部15と開閉ユニット13との間に電気的に接続されている。第1電力線11は、電力線の一例である。
【0015】
ここで、刃受部15は、電気機器5のプラグが挿し込まれる配線機器1の挿し込み孔の内部に設けられている端子部材である。刃受部15は、第1電力線11等を介して商用電源と電気的に接続される。例えば、配線機器1には、L相の刃受部15及びN相の刃受部15が設けられている。刃受部15は、本実施の形態における配線機器1の構成要素に含まれていてもよい。
【0016】
ここで、電源端子16は、商用電源に接続される外部電源線が電気的及び機械的に接続される接続部である。電源端子16は、本実施の形態における配線機器1の構成要素に含まれていてもよい。
【0017】
また、第1電力線11は、回路基板20から所定距離だけ離間した状態で、回路基板20と対向するように配置されている。ここで、所定距離とは、数mm又は数cm等である。
【0018】
第2電力線12は、開閉ユニット13と回路基板20とを電気的に接続する。具体的には、第2電力線12の一端は、開閉ユニット13と電気的に接続され、第2電力線12の他端は、回路基板20と電気的に接続されている。
【0019】
開閉ユニット13は、電源端子16から刃受部15までの電力供給路の開閉を行うことができるスイッチ13aを有している。スイッチ13aは、第1電力線11上に設けられ、破線で示すように回路基板20の制御部によって制御されることで、第1電力線11を開閉することができる。つまり、開閉ユニット13は、電力供給路において、閉路状態から開路状態に切り替えたり、開路状態から閉路状態に切り替えたりすることができる。
【0020】
回路基板20は、基板20aと、電流検出部21と、電極21aと、計測部22とを有している。
【0021】
基板20aには、電流検出部21、電極21a、計測部22等が配置されている。基板20aは、第1電力線11と対向するように配置されている。
【0022】
電流検出部21は、第1電力線11を流れる高周波電流を高周波信号として検出する。電流検出部21は、静電容量センサである。電流検出部21は、電極21aと第1電力線11とをコンデンサで結合してもよい。電流検出部21は、電極21aを有している。
【0023】
電極21aは、第1電力線11に対して寄生容量が発生する形で、第1電力線11の近傍に配置されている。具体的には、電極21aは、第1電力線11と所定距離離間した状態で、第1電力線11と対向するように回路基板20に配置されている。また、電極21aは、破線で示す絶縁フィルムに覆われていてもよいため、第1電力線11と間接的又は直接的に対向している。また、電極21aが第1電力線11に対して寄生容量が発生するということは、言い換えれば、電流検出部21の電極21aと第1電力線11との間が電気的に容量結合されているということである。
【0024】
この構成によれば、第1電力線11を流れる高周波電流が変化することで、電極21aと第1電力線11との間に発生する電荷量が変化する。このため、電流検出部21は、電極21aを介して電荷量の変化を検出することができる。つまり、電気機器5のプラグ及び配線機器1にトラッキング現象及びアーク放電が発生すると、第1電力線11に高周波電流が流れるため、電流検出部21は、第1電力線11に流れた高周波電流に起因する電荷量の変化(高周波信号)を検出することができる。
【0025】
計測部22は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を共通の回路構成で計測可能である。つまり、計測部22は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を1つのIC(Integrated Circuit)で計測可能である。
【0026】
計測部22は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号のうちの、共通の回路構成で選択的にサンプリングされた少なくとも一部の高周波信号を計測することができる。また、計測部22は、複数の高周波信号の全てを計測することもできる。
【0027】
また、計測部22は、検出しようとしている周波数帯域に合わせたサンプリング周波数で計測する。つまり、計測部22は、サンプリング周波数を変動させながら高周波信号を計測する。これにより、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号のそれぞれを計測するための検知部を基板20aに搭載しなくてもよくなる。例えば、1MHzをサンプリング周波数とした場合、周波数帯域とは、0.9MHz~1.1MHzとなる。つまり、周波数帯域は、サンプリング周波数を基準として、サンプリング周波数×0.9~サンプリング周波数×1.1の間で定義してもよい。なお、本実施の形態で例示したサンプリング周波数と周波数帯域とはあくまでも一例であり、本実施の形態の数値に限定されない。
【0028】
また、回路基板20は、周波数帯域の幅を可変する機能を有する。つまり、計測部22が計測する高周波信号の周波数帯域を大きくしたり、小さくしたりすることができる。また、回路基板20は、周波数帯域において複数の高周波信号をサンプリングする場合、サンプリングする周波数の数を増やしたり、減らしたりすることができる。つまり、計測部22は、選択的にサンプリングした高周波信号を計測することができる。
【0029】
これにより、回路基板20は、計測部22の計測結果に基づいて電気機器5への電力供給を制御することができる。
【0030】
<回路基板20の回路構成>
図3は、実施の形態に係る配線機器1の回路基板20を示す回路図である。
【0031】
図3に示すように、回路基板20の計測部22は、電源22aと、第1スイッチ23aと、第2スイッチ23bと、第1抵抗24aと、第2抵抗24bと、コンデンサ25と、出力端子26とを有している。
【0032】
電源22aは、第1抵抗24aとグランドとの間に接続されている。電源22aは、第1抵抗24a側に一定の電流を供給することが可能である。
【0033】
第1抵抗24aは、第1スイッチ23aと電源22aとの間に接続されている。
【0034】
第1スイッチ23aは、第1抵抗24aと第2スイッチ23bとの間に接続されている。また、第1スイッチ23aは、図示しない電源によって開閉駆動する。また、第1スイッチ23aが繰り返して開閉されることにより、電源22aから電極21aに電荷(電圧)が段階的に供給される。なお、第1スイッチ23aは、回路基板20に設けられている制御回路によって開閉が制御されてもよい。第1スイッチ23aは、スイッチの一例である。
【0035】
第2スイッチ23bは、第2抵抗24b及びコンデンサ25と、第1スイッチ23a及び電極21aとの間に接続されている。第2スイッチ23bは、図示しない電源によって開閉駆動する。第2スイッチ23bが繰り返して開閉されることにより、電極21aに蓄積された電荷(電流検出部21が検出した高周波信号)は、サンプリングされてコンデンサ25に段階的に蓄積される。なお、第2スイッチ23bは、回路基板20に設けられている制御回路によって開閉が制御されてもよい。第2スイッチ23bは、スイッチの一例である。
【0036】
第2抵抗24bは、グランドと、第2スイッチ23bとの間に接続されている。
【0037】
コンデンサ25は、抵抗と並列に接続されている。
【0038】
出力端子26は、第2スイッチ23bとコンデンサ25との間、かつ、第2抵抗24b及びコンデンサ25との間に接続されている。
【0039】
また、第1スイッチ23aと第2スイッチ23bとを接続する配線上の接点Pは、電極21aと接続されている。
【0040】
この回路基板20では、まず第2スイッチ23bを開路状態にし、第1スイッチ23aの開閉を所定の周波数で行うことで、電源22aからの電力が電極21aと第1電力線11との間に電荷として蓄えられる。このとき、電極21aと第1電力線11とは疑似的にコンデンサとして振舞う。なお、電極21aと第1電力線11とを接続する別のコンデンサをさらに設けてもよい。
【0041】
次に、電極21aと第1電力線11との間に電荷が溜まると、第1スイッチ23aを開路状態にして、第2スイッチ23bの開閉を所定の周波数で行うことで、電極21aと第1電力線11との間に蓄えられた電荷がコンデンサ25に段階的に溜まることで、出力端子26の電位を計測することができる。
【0042】
出力端子26には、例えば、図示しない比較器等が設けられ、比較器は、出力端子26の電位が0の状態から所定の閾値に至るまでの時間をモニタリングする。トラッキング及びアーク等によって第1電力線11に高周波電流が流れた場合において、特定の周波数でサンプリングするときに、同一の周波数で測定電位が変動すると電荷がコンデンサ25に移動し易くなる。このため、第1電力線11に高周波電流が流れていない場合に比べて、第1電力線11に高周波電流が流れた場合では、出力端子26の電位が0の状態から所定の閾値に至るまでの時間が短くなる。このように、回路基板20の計測部22は、複数の高周波信号を計測することができる。
【0043】
<作用効果>
次に、本実施の形態における配線機器1の作用効果について説明する。
【0044】
例えば、電気機器のプラグをコンセントに差し込んだ状態が長期化すると、プラグ周辺に埃が溜まる。溜まった埃に湿気による水滴が付着すると、埃及び水滴により電路が形成され、プラグの刃の両極間に電流が流れることがある。プラグの刃の両極間を電流が流れると、水滴への通電から水滴の蒸発よる電流遮断に至るまでの時間が瞬時となり、瞬時に電流遮断が起きることでアークが発生することがある。アークの発生によって、プラグ表面が炭化した導電路(トラック)が形成されてしまう。これにより、炭化した導電路に電流が流れる(トラッキング)。アークは非常に不安定な導電路であるため、電流値は複数の周波数を含みながら大きく変動する。このため、電流は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号となる。
【0045】
従来の配線機器では、トラッキング及びアークを検出する場合、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を計測するための専用の回路を複数設ける必要があった。また、従来の配線機器では、例えばバンドパスフィルタを用いた場合、周波数帯域は固定されてしまうため、計測したい周波数帯域を変更することはできない。このため、広い周波数帯域を計測したり、複数の高周波信号を計測したりする場合、従来の配線機器では、複数の専用の回路によって、大型化してしまう。特に、従来の配線機器では、計測すべき高周波信号の数が多ければ多いほど、それぞれの高周波信号に対応する多くの専用の回路を配線機器に搭載する必要があり、配線機器1の大型化に拍車がかかる恐れがある。
【0046】
そこで、本実施の形態の配線機器1は、刃受部15と電源端子16との間を電気的に接続する電力線(第1電力線11)と、電力線を流れる高周波電流を高周波信号として検出する電流検出部21と、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を共通の回路構成で計測可能な計測部22と、を備える。そして、配線機器1は、計測部22の計測結果に基づいて電気機器5への電力供給を制御する。
【0047】
これによれば、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号を1つの計測部22によって計測することができる。
【0048】
したがって、この配線機器1では、大型化を抑制することができる。その結果、本実施の形態の配線機器1では、従来技術のように、複数の専用の回路を配線機器に設ける必要もない。このため、従来技術のように複数の専用の回路を設けた配線機器に比べて、本実施の形態の配線機器1では、小型化を実現することができ、配線機器1の製造コストの高騰化を抑制することができる。このような配線機器1は、どのようなコンセントに対しても適用することができるため、汎用性が高い。
【0049】
特に、本実施の形態の配線機器1では、計測すべき高周波信号の数が多くても、大型化を抑制することができる。
【0050】
また、本実施の形態の配線機器1において、計測部22は、異なる周波数帯域を有する複数の高周波信号のうちの、共通の回路構成で選択的にサンプリングされた少なくとも一部の高周波信号を計測する。
【0051】
これによれば、サンプリング周波数を変動させながら計測部22が複数の高周波信号のうちの一部の高周波信号を計測することができ、全ての高周波信号を計測することもできる。このように、複数の高周波信号を1つの計測部22によって計測することができるため、この配線機器1では、大型化を抑制することができる。
【0052】
また、本実施の形態の配線機器1において、計測部22は、検出しようとしている周波数帯域に合わせたサンプリング周波数で計測する。
【0053】
これによれば、計測部22は、検出しようとしている周波数帯域にサンプリング周波数を合わせることができる。これにより、複数の高周波信号を1つの計測部22によって計測することができるため、この配線機器1では、大型化を抑制することができる。
【0054】
また、本実施の形態の配線機器1において、計測部22は、スイッチ(第1スイッチ23a及び/又は第2スイッチ23b)を有する。そして、スイッチは、開閉を繰り返して行うことにより電流検出部21が検出した高周波信号をサンプリングして出力する。
【0055】
これによれば、スイッチの開閉を繰り返して行うことで、高周波信号をサンプリングすることができる。
【0056】
また、本実施の形態の配線機器1において、電流検出部21は、静電容量センサである。
【0057】
これによれば、高周波信号の検出を静電容量センサで実現できるため、簡単な構成で実現することができる。
【0058】
また、本実施の形態の配線機器1において、電流検出部21は、電極21aを有する。そして、電極21aは、電力線に対して寄生容量が発生する形で配置される。
【0059】
これによれば、第1電力線11を流れる高周波電流を容易に検出することができる。また、配線機器1では、静電容量センサを用いることで、大型化を抑制することができる。
【0060】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
【0061】
例えば、実施の形態の配線機器1aにおいて、
図4に示すように、電流検出部21は、電極21aを有する。そして、電流検出部21は、電極21aと電力線とがコンデンサ40で接続されていてもよい。
図4は、その他変形例に係る配線機器1の回路基板20の断面図と、刃受部15、第1電力線11及び開閉ユニット13等を示す模式図である。
【0062】
これによれば、静電容量センサの電極21aと第1電力線11とが電荷を介して結合することで、第1電力線11を流れる高周波電流の変化を検出することができる。つまり、第1電力線11を流れる異常電流の検知強度を向上させることができる。また、静電容量センサとして電極21aを用いるだけで、既存の第1電力線11と電極21aとで静電容量センサを形成することができるため、配線機器1の大型化を抑制することができる。
【0063】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0064】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつくそれぞれの種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1、1a 配線機器
5 電気機器
11 第1電力線(電力線)
15 刃受部
16 電源端子
21 電流検出部
21a 電極
22 計測部
23a 第1スイッチ(スイッチ)
23b 第2スイッチ(スイッチ)
40 コンデンサ