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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084678
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】サーバ及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/254 20110101AFI20230612BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230612BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20230612BHJP
【FI】
H04N21/254
G06Q50/10
H04N21/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188783
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2021198559の分割
【原出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】三上 遼
(72)【発明者】
【氏名】フォング カホ
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SB08P
5C164SC11S
5C164SC31P
5C164YA21
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】チームで競うタイプのイベントの開催を通じてライブ配信の魅力をより高める。
【解決手段】サーバは、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによる第1アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第1アイテムに関連付けられた第1チームの第1指標を第1の向きに変化させる手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによる第2アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第2アイテムに関連付けられた第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、
動画データの再生中における再生側のユーザによる第1アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第1アイテムに関連付けられた第1チームの第1指標を第1の向きに変化させる手段と、
動画データの再生中における再生側のユーザによる第2アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第2アイテムに関連付けられた第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、
第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備えるサーバ。
【請求項2】
生成側のユーザがイベントに参加すると、動画データの再生中に再生側のユーザが第1アイテムまたは第2アイテムを使用することを可能とする手段をさらに備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
第1チームの第1指標を第1の向きに変化させる手段は、前記第1アイテムの使用を示す信号に基づき、生成側のユーザによる第1チームへの貢献を示すスコアを増加させ、
第2チームの第2指標を第2の向きに変化させる手段は、前記第2アイテムの使用を示す信号に基づき、生成側のユーザの前記スコアを増加させ、
前記サーバはさらに、
前記スコアに基づいて生成側のユーザが第1チームに所属するか否かを判定する手段と、
第1チームが勝利した場合、第1チームに所属するユーザに報酬を付与する手段と、を備える請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記スコアに基づいて貢献度のランキングを生成する手段をさらに備え、
第1チームの第1指標を第1の向きに変化させる手段は、生成されたランキングの上位所定数のユーザ以外のユーザが生成する動画データの再生中に第1アイテムが使用された場合、第1指標を変化させない請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1アイテムの使用を示す信号を取得した場合、生成側のユーザに前記第1アイテムに基づく第1ポイントを付与し、前記第2アイテムの使用を示す信号を取得した場合、生成側のユーザに前記第2アイテムに基づく第2ポイントを付与する手段をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
情報処理装置によって、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継することと、
情報処理装置によって、動画データの再生中における再生側のユーザによる第1アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第1アイテムに関連付けられた第1チームの第1指標を第1の向きに変化させることと、
情報処理装置によって、動画データの再生中における再生側のユーザによる第2アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第2アイテムに関連付けられた第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させることと、
情報処理装置によって、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定することと、を含む方法。
【請求項7】
動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、
動画データの再生中における再生側のユーザによるアイテムの使用を示す信号を取得した場合、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させると共に、第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、
第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備えるサーバ。
【請求項8】
情報処理装置によって、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継することと、
情報処理装置によって、動画データの再生中における再生側のユーザによるアイテムの使用を示す信号を取得した場合、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させると共に、第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させることと、
情報処理装置によって、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定することと、を含む方法。
【請求項9】
動画データの生成側のユーザ端末から送信される動画データを再生する機能と、
動画データの再生中に、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させるための第1アイテムの使用を可能とする機能と、
動画データの再生中に、第2チームの第2指標を第1の向きとは逆の第2の向きに変化させるための第2アイテムの使用を可能とする機能と、を再生側のユーザ端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、
動画データの再生中における再生側のユーザによるアイテムの使用を示す信号を取得した場合、生成側のユーザによる設定に従い、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させるか、または、第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、
第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
特許文献1には、ライブ配信において、動画を配信する配信ユーザ同士の交流を活発化するために、チームに属する配信者が獲得したポイントを競うチーム対抗イベントを設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-027455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるような単純なチーム対抗イベントでは、視聴者としては、お気に入りの配信者のライブ配信においてギフトを投げ続ける以外にチームの勝利に貢献する方法はない。これではすぐに視聴者、配信者共にそのようなイベントに飽きてしまう虞がある。
【0006】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、チームで競うタイプのイベントの開催を通じてライブ配信の魅力をより高めることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある態様は、サーバに関する。このサーバは、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによる第1アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第1アイテムに関連付けられた第1チームの第1指標を第1の向きに変化させる手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによる第2アイテムの使用を示す信号を取得した場合、当該第2アイテムに関連付けられた第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様もまた、サーバである。このサーバは、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによるアイテムの使用を示す信号を取得した場合、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させると共に、第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、動画データの生成側のユーザ端末から送信される動画データを再生する機能と、動画データの再生中に、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させるための第1アイテムの使用を可能とする機能と、動画データの再生中に、第2チームの第2指標を第1の向きとは逆の第2の向きに変化させるための第2アイテムの使用を可能とする機能と、を再生側のユーザ端末に実現させる。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、サーバである。このサーバは、動画データの生成側のユーザ端末から再生側のユーザ端末への動画データの伝送を中継する手段と、動画データの再生中における再生側のユーザによるアイテムの使用を示す信号を取得した場合、生成側のユーザによる設定に従い、第1チームの第1指標を第1の向きに変化させるか、または、第2チームの第2指標を、第1の向きとは逆の第2の向きに変化させる手段と、第1チームの第1指標または第2チームの第2指標のいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する手段と、を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、チームで競うタイプのイベントの開催を通じてライブ配信の魅力をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
図2図1のライブ配信システムで実現されるライブ配信の一例を示す模式図である。
図3図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
図4図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
図5図4のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
図6図4のイベントDBの一例を示すデータ構造図である。
図7図4の配信者DBの一例を示すデータ構造図である。
図8図4のアイテムDBの一例を示すデータ構造図である。
図9図1のライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すチャートである。
図10図1のサーバにおける一連のイベント処理の流れを示すフローチャートである。
図11】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面の代表画面図である。
図12】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図13】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるイベントエフェクト画面の代表画面図である。
図14】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライフ確認画面の代表画面図である。
図15】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるランキング画面の代表画面図である。
図16】実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図17】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される攻城戦イベント画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0015】
実施の形態に係るライブ配信システムでは、複数チームの間で競い合う形のイベントが開催される。配信者はライブ動画内で、自分が所属するまたは応援するチームが勝利するように自分の視聴者に働きかけ、視聴者はそれに応えてギフティング等を行う。視聴者が選択できるギフトは二種類用意されており、一つは配信者のチームを勝利に近づけるか敗北から遠ざける作用を有するギフトであり、もう一つは配信者のチーム以外のチームを勝利から遠ざけるか敗北に近づけるギフトである。一例では、配信者のチームのライフを増やす回復ギフトと、相手のチームのライフを減らす攻撃ギフトと、が用意されている。
【0016】
このようにギフトにマイナスの作用を付与することにより、視聴者が投げるギフトに戦略性を持たせることができる。ひたすらギフトを投げて自分のチームのスコアをいち早く所定値に到達させるような単純な態様と比較して、本実施の形態ではギフトの種類やタイミングや量など適切に選択することでより有利になり得、またチーム間の読み合いも生じるのでより魅力的なライブ配信イベントを実現することができる。
【0017】
[ライブ配信システムの構成]
図1は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。図1に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。配信者および視聴者をユーザと総称することがある。サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0018】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援するための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0019】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブストリーミング技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0020】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。
【0021】
図2は、図1のライブ配信システム1で実現されるライブ配信の一例を示す模式図である。図2の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10(図2では不図示)に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0022】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2、VD3を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30b、30cで表示される動画像VD1、VD2、VD3は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30b、30cで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0023】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2、AU3のユーザ端末30a、30b、30cで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0024】
図3は、図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。図3および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0025】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0026】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末である。
【0027】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、を含む。撮像制御部102は図3では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は図3では不図示のスピーカおよびマイクロフォンと接続され、スピーカによる音声出力およびマイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0028】
視聴部200は、表示制御部202と、入力管理部204と、重畳情報生成部206と、入力情報送信部208と、を含む。表示制御部202は、図3では不図示のディスプレイと接続され、ディスプレイに動画像や画面を表示させる。表示制御部202および音声制御部104が動画データを再生することにより、ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力され、これらを合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。入力管理部204は、図3では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介してユーザ入力を取得する。重畳情報生成部206は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、ユーザから入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。入力情報送信部208は、入力管理部204が取得したユーザ入力を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0029】
図4は、図1のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、ポイント更新部306と、ライフ更新部308と、ランキング生成部310と、勝敗判定部312と、所属判定部314と、報酬付与部316と、ストリームDB318と、イベントDB320と、配信者DB322と、アイテムDB324と、を含む。
【0030】
図5は、図4のストリームDB318の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB318は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB318は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定する配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定する視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0031】
図6は、図4のイベントDB320の一例を示すデータ構造図である。イベントDB320は、ライブ配信プラットフォームにて開催されているイベントの情報を保持する。イベントDB320は、複数のチームの間で競い合うタイプのイベントを特定するイベントIDと、各チームのライフの情報と、当該イベントの開始時刻と、当該イベントの終了時刻と、当該イベントで勝利した場合に付与される報酬の情報と、を対応付けて保持する。
【0032】
イベントは、開始時刻に開始され、終了時刻に終了する。イベントでは、イベントに参加登録した配信者が所定期間(上記開始時刻と終了時刻とで定まる期間)内に視聴者から集めたイベント専用アイテムの多寡によりチームの勝敗が決する。ライフはチームに関連付けられた指標の一例であり、イベントに参加登録した配信者が視聴者から集めたイベント専用アイテムにより増減する。指標の他の例としては、星の数やスタンプの数やパズルのピース等が挙げられる。指標は、チームの勝利または敗北を決めるためのパラメータと言うこともできる。付与される報酬は例えば所定量のポイントや、金銭や、デジタルアイテムや、イベント固有のデジタル装飾部品などであってもよい。
【0033】
チームの勝敗の条件は様々に設定可能であり、例えば以下の条件がある。
(1)先にライフが上限値に到達したチームの勝利。
(2)ライフが下限値に到達したチームは敗北、残り1チームになるまで継続。
(3)(1)と(2)の組み合わせ。
本実施の形態ではチームの数は2とし、勝敗の条件として、(1)イベント期間内にライフが下限値の0に到達したチームが敗北する(したがって残りのチームが勝利する)、(2)イベント期間内にライフが上限値の20000に到達したチームが勝利する、(3)イベント終了までに勝敗が決していない場合、イベント終了時にライフが大きい方が勝利する、という複合的な条件を採用する場合を説明する。
【0034】
図7は、図4の配信者DB322の一例を示すデータ構造図である。配信者DB322は、配信者に関する情報を保持する。配信者DB322は、配信者を特定する配信者IDと、当該配信者が有しているポイントと、当該配信者が参加登録しているイベントのイベントIDと、当該配信者の当該イベントにおける貢献スコアと、を対応付けて保持する。ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。配信者がライブ配信において視聴者からアイテムを贈られると、配信者のポイントが当該アイテムに対応する値だけ増加する。ポイントは例えば配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る報酬または金銭の額を決めるために用いられる。貢献スコアは、配信者による各チームへの貢献を示す値である。貢献スコアは、イベントとチームと配信者との組み合わせに対応して設定される。貢献スコアは、あるイベントのあるチームに対するある配信者の貢献度を示す指標である。
【0035】
配信者のイベントへの参加登録は適宜の手段により行われる。例えば、配信者は配信者側のユーザ端末20からライブ配信プラットフォームにアクセスする。サーバ10はイベントDB320を参照して参加可能なイベントを特定し、特定されたイベントの情報を含むイベント紹介ページをユーザ端末20に表示させる。配信者が興味のあるイベントを指定すると、指定されたイベントのイベント参加ページがユーザ端末20のディスプレイに表示される。配信者は、イベント参加ページからイベント参加の意思表示を行ってもよい。この場合、サーバ10は、イベントへの意思表示を行った配信者の配信者IDに対応付けて当該イベントのイベントIDが登録されるように配信者DB322を更新する。
【0036】
図8は、図4のアイテムDB324の一例を示すデータ構造図である。アイテムDB324は、ライブ配信において視聴者が使用可能なアイテムの情報を保持する。アイテムDB324は、アイテムを特定するアイテムIDと、当該アイテムを配信者に送った場合に当該配信者に付与されるポイントである付与ポイントと、当該アイテムがイベント専用アイテムである場合には対応するイベントのイベントIDと、当該イベントに参加登録している配信者のライブ配信において当該アイテムが使用された場合にライフに生じる効果と、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信視聴中に、所望のアイテムの付与ポイントに対応する対価を支払うことで配信者に当該アイテムを贈る(アイテムを「投げる」ともいう)ことができる。この対価の支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば付与ポイントに相当するポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。ライフに生じる効果には、アイテムに対応するチームのライフを増加させるものと、減少させるものと、がある。増加量または減少量はアイテムの対価に応じて定まる。
【0037】
図4に戻り、配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者側のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB318に登録する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、視聴者側のユーザ端末30の視聴部200からライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、ストリームDB318を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部302は、配信者DB322およびイベントDB320を参照し、リストにあるライブ配信の配信者と、その配信者が参加しているイベントと、を対応付けて保持するイベント情報を生成する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストおよびイベント情報を要求元のユーザ端末30に送信する。要求元のユーザ端末30の表示制御部202は、受信したリストおよびイベント情報に基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末30のディスプレイに表示させる。
【0038】
ユーザ端末30の入力情報送信部208は、ライブ配信選択画面における視聴者によるライブ配信の選択を受け付けると、選択されたライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるライブ配信の、要求元のユーザ端末30への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ストリームIDの視聴者IDに要求元のユーザ端末30の視聴者の視聴者IDが含まれるようにストリームDB318を更新する。
【0039】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信において、配信者側のユーザ端末20から視聴者側のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、視聴者側のユーザ端末30における動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を入力情報送信部208から受信する。ユーザ入力を示す信号はアイテムの使用を示すアイテム使用信号であってもよく、当該アイテム使用信号は、視聴者の視聴者IDと、贈り先の配信者の配信者ID(=アイテムを贈った視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者ID)と、アイテムのアイテムIDと、を含む。
【0040】
ポイント更新部306は、中継部304がアイテム使用信号を受信した場合、使用されたアイテムの付与ポイントに応じて配信者のポイントを増加させるように配信者DB322を更新する。ポイント更新部306は、アイテムDB324を参照し、受信したアイテム使用信号に含まれるアイテムIDに対応する付与ポイントを特定する。ポイント更新部306は、アイテム使用信号に含まれる配信者IDに対応するポイントに、特定された付与ポイントを加えるよう配信者DB322を更新する。
【0041】
ライフ更新部308は、中継部304がイベント専用アイテムに係るアイテム使用信号を受信した場合、当該イベント専用アイテムに関連付けられたチームのライフを増減させる。イベント専用アイテムの種類により、どのチームのライフが増加するのか、または減少するのかが決まる。ライフ更新部308は、ライフの増加量または減少量に応じて対応する配信者の貢献スコアが増大するように配信者DB322を更新する。
【0042】
ライフ更新部308はアイテムDB324を参照し、受信したアイテム使用信号に含まれるアイテムIDに対応するイベントIDと、効果と、を特定する。ここでイベントIDが登録されていない場合、そのアイテムはイベント専用アイテムではないので、ライフ更新部308によるライフの増減は行われない。ライフ更新部308は、特定された効果が、あるチームのライフをある量だけ増加させることを示す場合、当該チームのライフを当該量だけ増やすようイベントDB320を更新する。合わせてライフ更新部308は、受信したアイテム使用信号に含まれる配信者IDに対応する貢献スコアのうち、当該チームに対する貢献スコアを、当該量だけ増加させるよう配信者DB322を更新する。ライフ更新部308は、特定された効果が、あるチームのライフをある量だけ減少させることを示す場合、当該チームのライフを当該量だけ減らすようイベントDB320を更新する。合わせてライフ更新部308は、受信したアイテム使用信号に含まれる配信者IDに対応する貢献スコアのうち、当該チームではない相手チームに対する貢献スコアを、当該量だけ増加させるよう配信者DB322を更新する。例えば、配信者IDが「001A」、イベントIDが「EV34」、特定された効果が「チームBのライフを50減らす」であった場合、ライフ更新部308はイベントDB320のイベントID「EV34」に対応するチームBのライフから50を減じる。ライフ更新部308は、配信者DB322の配信者ID「001A」のチームA(チームBではない)に対する貢献スコアに50を加える。このように、イベント専用アイテムによるライフへの影響の向きと貢献スコアへの影響の向きとが同じ場合もあれば逆の場合もある。
【0043】
ランキング生成部310は、配信者DB322を参照し、貢献スコアに基づいてイベントのチームごとに貢献度のランキングを生成する。ランキング生成部310は、配信者DB322を参照し、ポイントに基づいて全体的な配信者のランキングを生成する。
【0044】
勝敗判定部312は、イベントの一方のチームのライフまたは他方のチームのライフのいずれか一方が所定の条件を満たした場合、勝敗を決定する。勝敗判定部312は、イベント期間内にライフが下限値の0に到達した場合、そのチームが敗北したと決定し、かつ、残りのチームが勝利したと決定する。勝敗判定部312は、イベント期間内にライフが上限値の20000に到達した場合、そのチームが勝利したと決定する。勝敗判定部312は、イベント終了までに勝敗が決していない場合、イベント終了時にライフが大きい方のチームが勝利したと決定する。
【0045】
所属判定部314は、貢献スコアに基づいて、イベントに参加登録している配信者が当該イベントのどのチームに所属するかを判定する。所属判定部314は配信者DB322を参照し、イベントに参加登録している各配信者について、貢献スコアが大きい方のチームに所属すると判定する。例えば、図7の配信者DB322の例では、所属判定部314は、配信者ID「001A」の配信者は、イベントID「EV34」のイベントのチームAに所属すると判定する。本実施の形態では、配信者がどのチームに所属するかを配信者による事前の申し出により決めるのではなく、配信者が得た貢献スコアにより自動的に決める。これにより、イベントに参加する際に所属チームの登録が不要となるのでイベントへの参加のハードルが低くなり、イベントへの参加を促進することができる。例えば、イベントへの途中参加が促進される。配信者がイベントが始まってからイベントの存在を知って参加する場合、「事前のチーム所属登録」は不可能であるがそのような登録は不要なので、その配信者は安心してイベントに参加することができる。
【0046】
報酬付与部316は、勝敗判定部312により勝利したと判定されたチームに所属する配信者に報酬を付与する。報酬付与部316は、勝利したチームにどの配信者が所属するかを特定するために、所属判定部314による判定結果を使用する。報酬付与部316は、イベントDB320を参照し、勝敗判定部312が勝敗を判定したイベントのイベントIDに対応する報酬を特定する。報酬付与部316は、特定された報酬を、特定された配信者に付与するための処理を行う。報酬が所定量のポイントである場合、報酬付与部316は例えばそのポイントを配信者の数で除し、得られたポイントを各配信者のポイントに加算するよう配信者DB322を更新する。
【0047】
以上の構成によるライブ配信システム1の動作を説明する。
図9は、ライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すチャートである。前提として、視聴者がユーザ端末30からライブ配信プラットフォームにアクセスし、ライブ配信選択画面から所望のライブ配信を選択して視聴を開始したとする。当該ライブ配信の配信者はイベントに参加しているものとする。視聴者がライブ配信を視聴している間、配信者のユーザ端末20からサーバ10(の中継部304)を介して視聴者のユーザ端末30へと継続的に動画データが伝送される。
【0048】
この動画データの再生中に、視聴者はユーザ端末30の入力手段を介してアイテムの表示を要求するためのユーザ入力を行う。ユーザ端末30の入力情報送信部208はこのユーザ入力を受けると、再生中のライブ配信の配信者の配信者IDを含むアイテム情報要求を生成してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304は、アイテム情報要求を受けると、配信者DB322を参照して当該アイテム情報要求に含まれる配信者IDに対応するイベントIDを特定する。中継部304は、アイテムDB324を参照し、イベントIDに何も登録がないアイテムのアイテムIDと、特定されたイベントIDに対応するアイテムID(すなわち、特定されたイベントに専用のアイテムのアイテムID)と、を特定する。中継部304は、特定されたアイテムIDを含むアイテム情報応答を生成し、ユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の重畳情報生成部206は、アイテム情報応答に含まれるアイテムIDで特定されるアイテムの画像をリスト化した使用可能アイテム一覧画像をフレーム画像に含める。表示制御部202は、そのフレーム画像が重畳された動画像をディスプレイに表示させる(S502)。アイテムの画像は、イベント専用アイテムの画像を含む。
【0049】
本例では、配信者がイベントに参加していない場合、視聴者のユーザ端末30にイベント専用アイテムのアイテムIDは送られない。すなわち、中継部304は、配信者がイベントに参加すると、動画データの再生中に視聴者がイベント専用アイテムを使用することを可能とするよう構成される。
【0050】
入力管理部204が視聴者によるアイテムの選択、すなわちアイテムの画像の指定を受け付ける(S504)と、入力情報送信部208は指定されたアイテムのアイテムIDと、視聴者IDと、配信者IDと、を含むアイテム使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する(S506)。サーバ10の中継部304は、受信したアイテム使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントを、アイテム使用信号に含まれるアイテムIDで特定されるアイテムの付与ポイント分だけ減らすための処理を行う。これにより、アイテムの対価が支払われたこととなる。
【0051】
サーバ10のポイント更新部306は、配信者DB322にアクセスし、アイテム使用信号に含まれる配信者IDで特定される配信者のポイントを更新する(S508)。ポイント更新部306は、配信者のポイントを、アイテム使用信号に含まれるアイテムIDで特定されるアイテムの付与ポイント分だけ増やすための処理を行う。
【0052】
ライフ更新部308は、アイテム使用信号に含まれるアイテムIDで特定されるアイテムがイベント専用アイテムであるか否かを判定する(S510)。ライフ更新部308は、アイテムDB324を参照し、アイテムIDに対応付けてイベントIDが登録されている場合は、当該アイテムIDで特定されるアイテムは当該イベントIDで特定されるイベントに専用のアイテムであると判定する。イベントIDの登録がない場合は、ライフ更新部308はそのアイテムがイベント専用アイテムでないと判定し、処理を後述のステップS522に進める。
【0053】
イベント専用アイテムであると判定された場合(S510のYES)、ライフ更新部308はライフを更新する対象のチームを特定する(S512)。ライフ更新部308は、アイテムDB324を参照し、アイテムIDに対応付けて保持されている効果を特定する。ライフ更新部308は、特定された効果からライフの増減を行う対象のチームを特定する。
【0054】
ライフ更新部308は、ライフを増加させるかまたは減少させるかを判定する(S514)。ライフ更新部308は、アイテムDB324を参照し、アイテムIDに対応付けて保持されている効果を特定する。ライフ更新部308は、特定された効果からライフを増加させるかまたは減少させるかを特定し、かつ、その変化量を特定する。
【0055】
ライフ更新部308は、ステップS512における特定の結果およびステップS514における特定の結果に基づいてチームのライフを更新する(S516)。ライフ更新部308は、イベントDB320にアクセスし、ステップS512で特定されたチームのライフを、ステップS514で特定された量および向きに変化させる。
【0056】
ライフ更新部308は、ステップS512における特定の結果およびステップS514における特定の結果に基づいて配信者の貢献スコアを更新する(S518)。ライフ更新部308は、配信者DB322にアクセスし、アイテム使用信号に含まれる配信者IDで特定される配信者の貢献スコアを以下のように更新する。
(1)ステップS514で特定された量および向きが所定量のライフの増加である場合
ライフ更新部308は、ステップS512で特定されたチームに対する配信者の貢献スコアを、所定量だけ増加させる。
(2)ステップS514で特定された量および向きが所定量のライフの減少である場合
ライフ更新部308は、ステップS512で特定されたチームの相手チームに対する配信者の貢献スコアを、所定量だけ増加させる。
【0057】
ランキング生成部310は、ステップS518における更新の結果に基づいて貢献度のランキングを更新する(S520)。
【0058】
中継部304は、ポイントおよびライフの更新に使用されたアイテムのアイテムIDと、ステップS516で更新されたライフの情報を含む、イベントで定義されている全チームのライフの情報と、ステップS520で更新された貢献度のランキングの情報と、を含む応答信号を生成し、ネットワークNWを介して視聴者のユーザ端末30と配信者のユーザ端末20とに送信する(S522)。
【0059】
視聴者のユーザ端末30の表示制御部202は、応答信号に含まれるアイテムIDに対応するエフェクトを生成し、ディスプレイに表示させる(S524)。表示制御部202は、応答信号に含まれる他の情報をディスプレイに表示させてもよい。
【0060】
図10は、サーバ10における一連のイベント処理の流れを示すフローチャートである。サーバ10は、イベントが開始する前に、配信者からのイベントへの参加登録を受け付ける(S602)。サーバ10は、イベントの開始時刻が到来したかを判定し(S604)、到来していない場合(S604のNO)は参加登録受け付けステップS602に処理を戻し、到来した場合(S604のYES)はイベントを開始する。
【0061】
サーバ10は、イベント期間中、視聴者または配信者からの信号を受信する(S606)。当該信号が配信者からのイベントへの参加登録である場合、サーバ10はステップS602と同様のイベントへの参加登録処理を行い(S608)、処理をステップS606に戻す。ステップS606で受信した信号が視聴者による攻撃アイテム(対象チームのライフを減らす効果を有するアイテム)の使用を示す場合、サーバ10は攻撃対象のチームのライフを減らし(S610)、攻撃対象のチームの相手チームに対する配信者(視聴者が攻撃アイテムを投げたライブ配信の配信者)の貢献スコアを増やす(S612)。ステップS606で受信した信号が視聴者による回復アイテム(対象チームのライフを増やす効果を有するアイテム)の使用を示す場合、サーバ10は回復対象のチームのライフを増やし(S614)、回復対象のチームに対する配信者(視聴者が回復アイテムを投げたライブ配信の配信者)の貢献スコアを増やす(S616)。
【0062】
ステップS612およびステップS616に続いて、サーバ10は勝敗が決したか否かを判定する(S618)。具体的には、サーバ10は、いずれかのチームのライフが0になったか、あるいは20000に到達したかを判定する。勝敗が決した場合(S618のYES)は処理は後述のステップS624に進む。勝敗が決していない場合(S618のNO)、サーバ10はイベントの終了時刻が到来したか否かを判定する(S620)。到来していない場合(S620のNO)、処理はステップS606に戻る。到来した場合(S620のYES)、サーバ10は勝敗を決定する(S622)。具体的には、サーバ10はライフが多い方のチームが勝利したと決定する。サーバ10は、各配信者の貢献スコアからその配信者の所属チームを確定する(S624)。サーバ10は、勝利したチームに所属する配信者に所定の報酬を付与するための処理を行う(S626)。
【0063】
図11は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面602の代表画面図である。ライブ配信選択画面602は、現在視聴可能なライブ配信のリストにある各ライブ配信を示すサムネイル604、606を含む。表示制御部202は、イベント情報を参照し、イベントに参加している配信者のライブ配信のサムネイル604と、そうではない配信者のライブ配信のサムネイル606と、を異なる態様で表示させる。イベントに参加している配信者のライブ配信のサムネイル604には、当該配信者がイベントに参加していることを示すオブジェクト608が付加される。
【0064】
図12は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面610の代表画面図である。図11のライブ配信選択画面602において視聴者が、イベントに参加している配信者のライブ配信のサムネイルをタップすると、図12のライブ配信ルーム画面610がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面610は、動画データを再生することにより得られる配信者の画像612と、当該配信者が所定のイベントに参加していることを示すオブジェクトであるイベント参加マーク614と、使用可能アイテム一覧画像と、を有する。使用可能アイテム一覧画像は、通常アイテム616と、チームAのイベント専用回復アイテム618およびイベント専用攻撃アイテム620と、チームBのイベント専用回復アイテム622およびイベント専用攻撃アイテム624と、を有する。
【0065】
イベント参加マーク614は配信者が所定のイベントに参加登録していることを示す。本実施の形態では事前にチームへの所属が決まらないので、イベント参加マーク614は配信者の所属するチームを反映しない。言い換えると、イベントに参加登録しているすべての配信者に対して同じイベント参加マーク614が表示される。表示制御部202は、サムネイルのタップに応じてサーバ10から受信したアイテム情報応答に基づいて各種アイテム616、618、620、622、624を表示する。表示制御部202は、イベント専用攻撃、回復アイテム618、620、622、624を表示させることにより、それらのアイテムの使用を可能とする。配信者がイベントに参加登録していない場合は、これらのイベント専用攻撃、回復アイテムは表示されないので、使用も不可能となる。
【0066】
配信者は、ライブ配信を通じて視聴者に、自分が所属している、または所属したいチームを伝え、当該チームのイベント専用回復アイテムやイベント専用攻撃アイテムを使用するようお願いする。例えば、配信者がチームAに所属したいと伝え、視聴者がチームAのイベント専用回復アイテム618をタップすると、イベント専用回復アイテム618の対価分のポイントが視聴者のポイントから減算され、イベント専用回復アイテム618の付与ポイントが配信者のポイントに加算され、チームAのライフが所定量増加すると共にチームAに対する配信者の貢献度スコアが所定量増加する。視聴者がチームAのイベント専用攻撃アイテム620をタップすると、イベント専用攻撃アイテム620の対価分のポイントが視聴者のポイントから減算され、イベント専用攻撃アイテム620の付与ポイントが配信者のポイントに加算され、チームBのライフが所定量減少すると共にチームAに対する配信者の貢献度スコアが所定量増加する。
【0067】
図13は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるイベントエフェクト画面626の代表画面図である。図12のライブ配信ルーム画面610において視聴者がチームAのイベント専用攻撃アイテム620をタップすると、アイテム使用信号が生成され、ユーザ端末30からサーバ10に送信される。ユーザ端末30は、このアイテム使用信号に対応する応答信号をサーバ10から受信し、受信した応答信号に基づいて図13のイベントエフェクト画面626を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0068】
イベントエフェクト画面626は、配信者の画像612と、イベント参加マーク614と、イベント専用攻撃アイテム620による効果を示すオブジェクト628と、を有する。オブジェクト628は、チームAのライフ630と、チームBのライフ632と、攻撃アイテムが使用されたことを示す画像634と、を含む。表示制御部202は、応答信号に含まれるアイテムIDに基づき画像634を生成する。表示制御部202は、応答信号に含まれる更新後の全チームのライフの情報に基づきチームAのライフ630、チームBのライフ632を生成する。視聴者はイベントエフェクト画面626のエフェクトを見ることにより、自己が使用した攻撃アイテムの効果を確かめることができる。例えば、この攻撃アイテムの使用に対して配信者がリアクションすることで、配信者と視聴者との一体感がさらに醸成される。
【0069】
図14は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライフ確認画面636の代表画面図である。ライブ配信中に配信者のユーザ端末20のディスプレイに、ライフ確認画面636と同様の情報を示す画面が表示されてもよい。ライフ確認画面636は、チームAのライフの状態を示す状態表示領域638と、チームBのライフの状態を示す状態表示領域640と、を有する。表示制御部202は、サーバ10のイベントDB320を参照することでライフ確認画面636を生成してもよい。
【0070】
図15は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるランキング画面642の代表画面図である。ライブ配信中に配信者のユーザ端末20のディスプレイに、ランキング画面642と同様の情報を示す画面が表示されてもよい。ランキング画面642は、チームAへの貢献度のランキングを表示するためのボタン644と、チームBへの貢献度のランキングを表示するためのボタン646と、ランキング表示領域648と、を有する。図15ではチームAへの貢献度のランキングがランキング表示領域648に表示されており、したがって、ボタン644がアクティブ状態で表示され、ボタン646が非アクティブ状態で表示されている。視聴者は、チームBへの貢献度のランキングを見たい場合はボタン646をタップする。すると、ランキング表示領域648の表示がチームBへの貢献度のランキングの表示に切り替わる。
【0071】
ランキング表示領域648は、貢献スコアの大きい順にユーザ名と、貢献スコアと、を表示する。表示制御部202は、サーバ10のランキング生成部310により生成されるランキング情報または応答信号に含まれる更新されたランキングの情報に基づいて、ランキング表示領域648に表示される情報を生成する。
【0072】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0073】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、ライブ配信の対戦イベントにおいて、相手のチームのライフに影響を与えるアイテムの使用が可能となる。これにより、対戦イベントにおける戦略の幅が広がり、より魅力的な対戦イベントを作ることができる。また、配信者と視聴者とのコミュニケーションの点でも、単に配信者が視聴者にイベント専用アイテムを投げるようお願いするだけでなく、自チームおよび相手チームのライフの状況と、勝利条件と、を配信者、視聴者が一緒に検討し、どのアイテムをどのタイミングで投げるかなどの戦略を立てることができる。このようなコミュニケーションを通じて配信者と視聴者との間の絆がより強まる。
【0074】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、チームのライフの増減とは別に各チームに対する配信者の貢献スコアを用意し、貢献スコアに従ってチームごとに貢献度のランキングを生成する。したがって、チームの間での攻撃防御によりチームの間で勝敗を決しつつ、チームごとに貢献度の高い配信者の名誉を表することができる。
【0075】
[ハードウェア構成例]
図16を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図16は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0076】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)903、およびRAM(Random Access Memory)905を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0077】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0078】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0079】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0080】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0081】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0082】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0083】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0084】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0085】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0086】
実施の形態におけるアイテムの対価からアイテムの付与ポイントへの換算率や、アイテムの対価からライフへの換算率や、アイテムの対価から貢献スコアへの換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システム1の管理者により適宜設定されてもよい。
【0087】
実施の形態ではイベント専用攻撃アイテムにより相手のチームのライフを当該アイテムに対応する量だけ減少させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、相手のチームに大きなダメージを与える必殺技アイテムが設定されてもよい。この場合、必殺技アイテムが相手のチームのライフを減らす量は一定量であってもよいし、ランダムに選択される量であってもよい。あるいはまた、チームごと、または配信者ごとにフィーバー期間を設け、当該期間に使用される攻撃アイテムの効果を通常よりも増加させてもよい。この場合、ライブ配信ルーム画面にフィーバー期間であることを示すオブジェクトが表示されてもよいし、配信者の画面にのみフィーバー期間のオブジェクトが表示されてもよい。あるいはまた、イベントの残り期間に応じて攻撃アイテムの効果を変化させてもよい。例えば、残り期間が少なくなるほど攻撃アイテムの効果を増加させてもよい。あるいはまた、イベント専用攻撃、回復アイテムの効果を任意に変動させた上で、当該効果を配信者のみに通知するようサーバ10を構成してもよい。この場合、配信者が、効果が低い間はアイテムを使用しないよう、そして効果が高くなったら一斉にアイテムを使用するよう、視聴者を誘導するといった新たな形のインタラクションが生じ、配信者と視聴者との一体感が高まる。
【0088】
実施の形態では、任意の配信者のライブ配信において視聴者が使用したイベント専用アイテムの効果をライフに反映させる場合を説明したが、これに限られない。例えば、ランキング生成部310により生成された貢献度のランキングの上位所定数の配信者以外の配信者が生成する動画データの再生中にイベント専用アイテムが使用された場合、ライフを変化させなくてもよい。例えば、ライフ更新部308は、チームAへの貢献度のランキングの上位10人に入っている配信者のライブ配信において視聴者が使用したイベント専用攻撃アイテムの効果をチームBのライフに反映させる一方、それ以外の配信者のライブ配信において視聴者が使用したイベント専用攻撃アイテムの効果をチームBのライフに反映させない。この場合、それ以外の配信者のライブ配信においてイベント専用攻撃アイテムの表示を止めてもよい。これにより、チームへの貢献度の高い配信者の特別感を高め、イベントをより盛り上げることができる。
【0089】
実施の形態ではイベント専用攻撃アイテムとイベント専用回復アイテムとを別々に設ける場合について説明したが、これに限られず、例えばイベント専用アイテムによる効果を配信者が指定または設定できるようにしてもよい。サーバ10は、配信者のユーザ端末20から、イベント専用アイテムを攻撃に使うか、回復に使うか、の指定を受け付け、当該指定に従ってイベント専用アイテムの効果をライフに反映させてもよい。この場合、イベント専用アイテムに攻撃、回復の別はない。
【0090】
実施の形態ではチームAのスコアとチームBのスコアとを個別に独立して扱う場合を説明したが、これに限られない。第1変形例に係るサーバは、ライブ配信中における視聴者によるイベント専用アイテムの使用を示すアイテム使用信号を取得した場合、一方のチームのライフを増やすと共に、他方のチームのライフを減らしてもよい。第1変形例に係る対戦イベントでは、100%のライフをチームAとチームBとで取り合う。チームAのライフが45%であればチームBのライフは55%である。チームAのライフが5%増えれば同時にチームBのライフが対応する量だけ、すなわち5%減る。第1変形例では、したがって、チームAのイベント専用アイテムを使用してチームAのライフを増やすということは、同時に、同じアイテムを使用してチームBのライフを同じ量だけ減らすことと同義である。第1変形例ではイベント専用アイテムに攻撃、回復の別はない。
【0091】
図17は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示される攻城戦イベント画面650の代表画面図である。攻城戦イベント画面650は、チームAおよびチームBのライフの状態を示す状態表示領域652と、図15のランキング画面642と同様の構成を有するランキング表示領域654と、を有する。状態表示領域652のライフを示すバーにおいて、左側がチームAのライフを、右側がチームBのライフをそれぞれ示す。図17の例ではチームAのライフが「45%」と表示されている。したがって、チームBのライフは55%であることがわかる。
【0092】
第1変形例において、チームAのライフを、チームAへの貢献度のランキングの上位10人に入っている配信者のライブ配信において視聴者が使用したイベント専用アイテムの効果の総和とし、チームBのライフを、チームBへの貢献度のランキングの上位10人に入っている配信者のライブ配信において視聴者が使用したイベント専用アイテムの効果の総和としてもよい。
【0093】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。
【0094】
実施の形態では、イベント専用アイテムはライフを増加させるかまたは減少させる場合について説明したが、これに限られず、アイテムに関連付けられたチームの指標を第1の向きに変化させるか、または第1の向きとは逆の第2の向きに変化させてもよい。
【0095】
実施の形態では、貢献スコアにより自動で配信者のチームへの所属が決まる場合を説明したが、これに限られない。例えば、配信者がイベントに参加登録する際に所属するチームを登録してもよい。この場合、配信者DBは配信者に対応付けて配信者が所属するチームを保持する。表示制御部202はライブ配信ルーム画面610においてイベント専用攻撃、回復アイテムのうち配信者が所属するチームのもののみを表示する。これにより、視聴者によるイベント専用攻撃、回復アイテムの誤選択がなくなる。あるいはまた、イベントを2ラウンドに分け、最初のラウンドで獲得アイテムのランキングを生成し、当該ランキングにしたがって配信者をチームに分けてもよい。例えば、サーバ10は、最初のラウンドのランキングで奇数順位の配信者をチームAに所属させ、偶数順位の配信者をチームBに所属させてもよい。
【0096】
実施の形態では2チームで勝敗を競うタイプの対戦イベントを説明したが、これに限られず、例えば3チーム以上で勝敗を競うタイプの対戦イベントにも本実施の形態の技術的思想を適用できる。
【0097】
実施の形態において、配信者の属性や視聴者の属性や配信者と視聴者との関係性に応じてイベント専用アイテムの効果を異ならせてもよい。例えば、視聴者によるライブ配信サービスの利用時間が少ないほどその視聴者が使用するイベント専用アイテムの影響が大きくなるようイベント専用アイテムの効果を設定してもよい。あるいはまた、配信者による配信時間が長いほどイベント専用アイテムの影響が大きくなるようイベント専用アイテムの効果を設定してもよい。あるいはまた、配信者と視聴者との関係が強いほど、その視聴者がその配信者のライブ配信で使用するイベント専用アイテムの影響が大きくなるようイベント専用アイテムの効果を設定してもよい。
【0098】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0099】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、再生側のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、生成側のユーザ端末で行われてもよい。
図1
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