(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084707
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20230612BHJP
B65B 31/04 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B65D85/07
B65B31/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061696
(22)【出願日】2023-04-05
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】506354696
【氏名又は名称】システムポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147142
【弁理士】
【氏名又は名称】石森 昭慶
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 広樹
【テーマコード(参考)】
3E053
3E068
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA10
3E053CA00
3E053FA01
3E053JA10
3E068AA40
3E068AB08
3E068AC07
3E068BB02
3E068CC22
3E068CE03
3E068EE32
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】
運送効率を向上するとともにコストを軽減することができる、ごみ入れ用水切り袋の包装体を提供すること。
【解決手段】
包装体10は、排水口等のごみ入れ用水切り袋15を収容する本体部11と、ごみ入れ用水切り袋15を本体部11に収容後に封止される封止部13が形成される開封部12と、を備え、本体部11にごみ入れ用水切り袋15を収容後に本体部11を圧縮してから、封止部13が封止される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口等のごみ入れ用水切り袋を収容する本体部と、
前記ごみ入れ用水切り袋を前記本体部に収容後に封止される封止部が形成される開封部と、を備え、
前記本体部に前記ごみ入れ用水切り袋を収容後に前記本体部を圧縮してから、前記封止部が封止される、包装体。
【請求項2】
前記封止部が、ヒートシールにより封止される、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記圧縮が、0.2~0.4MPaの気圧で行われる、請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記ごみ入れ用水切り袋が、網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有している、請求項1または2に記載の包装体。
【請求項5】
ごみ入れ用水切り袋を、包装体が備える本体部に収容することと、
前記本体部内を減圧して前記本体部を圧縮することと、
前記包装体を封止することと、を含む、前記ごみ入れ用水切り袋の包装方法。
【請求項6】
前記包装体をヒートシールにより封止する、請求項5に記載の包装方法。
【請求項7】
前記本体部内を0.2~0.4MPaの気圧になるまで減圧する、請求項5または6に記載の包装方法。
【請求項8】
前記封止された包装体の空気漏れを検査することを、更に含む、請求項5または6に記載の包装方法。
【請求項9】
前記ごみ入れ用水切り袋が、網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有している、請求項5または6に記載の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水口等のごみ入れ用水切り袋を収容する包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、台所の流し台排水口等で使用されるごみ入れ用水切り袋を運送する際に、一つの包装体に大量に収容して梱包されることが知られている。ところが、このようなごみ入れ用水切り袋を一つの包装体に大量に収容すると、包装体が膨張して膨れた状態になるため、運送効率が低下するとともにコストが増大するおそれがある。一方で、内容物充填後の保管や輸送を効率的に行え、店頭での陳列効果にも優れた袋が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、底部が、前後両側の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、周囲の端縁部がヒートシールされてなる自立性を備えた袋において、該底部のガセット部に折り込まれた底面フィルムの両側の下部を含む領域に、底部の周囲端縁部のヒートシール部幅よりも広い切り欠き部が設けられていることを特徴とする袋、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の袋は、輸送後にその袋を店頭で陳列することも目的としており、さらに内容物が潰れたり袋から飛び出したりしないようにするため、ある程度の厚みを有している必要がある。したがって、このような袋を嵩張らせずに大量に運ぶためには、さらなる改良が望まれる。
【0006】
そこで、本発明では、上記課題に鑑みてなされ、運送効率を向上するとともにコストを軽減することができる、ごみ入れ用水切り袋の包装体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る包装体は、排水口等のごみ入れ用水切り袋を収容する本体部と、前記ごみ入れ用水切り袋を前記本体部に収容後に封止される封止部が形成される開封部と、を備え、前記本体部に前記ごみ入れ用水切り袋を収容後に前記本体部を圧縮してから、前記封止部が封止される。
【0008】
また、本発明に係る包装体は、前記封止部が、ヒートシールにより封止されてもよい。また、本発明に係る包装体は、前記圧縮が、0.2~0.4MPaの気圧で行われてもよい。
【0009】
さらに、本発明に係る包装体に収容されるごみ入れ用水切り袋は、網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る包装体によれば、運送効率を向上するとともにコストを軽減することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装体を示す平面模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るストッキングネットを示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る包装体と従来の包装体との比較を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはなく、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形、および変更が可能である。
【0013】
図1から
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る包装体について説明する。
【0014】
<1.包装体の構成>
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る包装体10について説明する。
図1は、本実施形態に係る包装体10を示す平面模式図である。
図2は、本実施形態に係る包装体10に収容されるストッキングネット15を示す模式図である。
【0015】
図1に示すように、包装体10は、一例として、本体部11と、本体部11の一端に形成されている開封部12と、開封部12に形成されるヒートシール部13と、を備えている。
【0016】
本体部11は、台所の流し台排水口等のごみ入れ用水切り袋であるストッキングネット15を圧縮して収容することができる。この圧縮は、一例として、0.2~0.4MPaの気圧で行われるが、気圧はこれに限られない。また、本体部11は、一例として、120枚のストッキングネット15を収容することができるが、枚数はこれに限らず、1枚または複数枚の何枚であってもよい。
【0017】
開封部12は、ストッキングネット15を本体部11に出し入れ可能な開口形状に形成されている。
【0018】
ヒートシール部13は、ストッキングネット15を本体部11に収容後に、ヒートシールによって封止する封止部の役割を有している。ヒートシール部13は、本体部11にストッキングネット15を収容後に本体部11を圧縮してから、封止される。
【0019】
図2に示すように、ストッキングネット15は、一例として、円筒形状の網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有している。ストッキングネット15の底部分は、圧接・熔断することで、円筒中心への絞り構造となり、使い勝手もよく、甚だ安く・信頼できるものに形成することができる。
【0020】
また、一般的に台所の流し台排水口は深型、浅型、新型などであるため、ストッキングネット15は、網目構造の伸びる特性を活かして、流し台の隅に置く三角コーナーにも対応可能な形状となっている。
【0021】
<2.従来の包装体との比較>
次に、
図3および
図4を参照して、本実施形態に係る包装体10と従来の包装体20との構造の比較について説明する。
図3は、従来の包装体20を示す平面模式図である。
図4(a)は、本実施形態に係る包装体10を示す側面模式図であり、
図4(b)は、従来の包装体20を示す側面模式図である。
【0022】
図3に示すように、包装体20は、一例として、本体部21と、本体部11の中央付近に形成されている開封部22と、を備えている。本体部21は、一例として、100枚のストッキングネット15を収容している。
【0023】
開封部22は、本体部21の幅方向に延在した切り取り線に沿って切り込みが形成され、切り取り線を挟んで本体部21の幅方向と交差する方向であって対向する方向に力を加えることで開封することができる。
【0024】
図4(a)に示すように、包装体10は、0.2~0.4MPa等の気圧で圧縮パックされているため、120枚のストッキングネット15を収容しても厚みが薄くなっている。
【0025】
一方、
図4(b)に示すように、包装体20は、圧縮せずにストッキングネット15を収容しているため、包装体10が収容する数よりも少ない100枚のストッキングネット15しか収容していなくても、包装体10よりも厚みが厚くなっている。
【0026】
<3.包装体10の圧縮工程>
次に、包装体10の圧縮工程の一例について説明する。
【0027】
まず、ステップS1において、120枚等の大量のストッキングネット15を包装体10の本体部11に整理して収容する。
【0028】
次に、ステップS2において、本体部11内の空気を抜いて、本体部11の気圧が0.2MPaになるまで減圧する。
【0029】
ステップS3において、一旦開封部12付近に散らばっているストッキングネット15を整理してから、再び本体部11内の空気を抜いて、本体部11の気圧が0.4MPaになるまで減圧して圧縮を完了する。
【0030】
ステップS4において、包装体10の圧縮が完了してから、ヒートシール部13をヒートシールによって封止する。
【0031】
ステップS5において、封止した包装体10のシール不良等の検品を行い、2時間程度放置しておく。
【0032】
ステップS6において、2時間程度経過後に、包装体10の空気漏れを検査する。
【0033】
ステップS7において、空気漏れの検査により、問題がない包装体10は、梱包作業が行われ、その後運送先に搬送される。
【0034】
以上のような本実施形態に係る包装体10によれば、大量のストッキングネット15を収容していても圧縮作業により厚みが薄く形成されているため、運送効率を向上するとともにコストを軽減することができる。
【0035】
本発明は、以下のような構成をとることができる。
[1]
排水口等のごみ入れ用水切り袋を収容する本体部と、
前記ごみ入れ用水切り袋を前記本体部に収容後に封止される封止部が形成される開封部と、を備え、
前記本体部に前記ごみ入れ用水切り袋を収容後に前記本体部を圧縮してから、前記封止部が封止される、包装体。
[2]
前記封止部が、ヒートシールにより封止される、[1]に記載の包装体。
[3]
前記圧縮が、0.2~0.4MPaの気圧で行われる、[1]または[2]に記載の包装体。
[4]
前記ごみ入れ用水切り袋が、網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有している、[1]から[3]のいずれか1つに記載の包装体。
[5]
ごみ入れ用水切り袋を、包装体が備える本体部に収容することと、
前記本体部内を減圧して前記本体部を圧縮することと、
前記包装体を封止することと、を含む、前記ごみ入れ用水切り袋の包装方法。
[6]
前記包装体をヒートシールにより封止する、[5]に記載の包装方法。
[7]
前記本体部内を0.2~0.4MPaの気圧になるまで減圧する、[5]又は[6]に記載の包装方法。
[8]
前記封止された包装体の空気漏れを検査することを、更に含む、[5]から[7]のいずれか1つに記載の包装方法。
[9]
前記ごみ入れ用水切り袋が、網目構造に形成され、かつ、底部の中心位置への絞り構造を有している、[5]から[8]のいずれか1つに記載の包装方法。
【符号の説明】
【0036】
10、20 包装体
11、21 本体部
12、22 開封部
13 ヒートシール部(封止部)
15 ストッキングネット(ごみ入れ用水切り袋)