(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084734
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/60 20060101AFI20230613BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20230613BHJP
B67D 1/07 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A47J31/60
B67D1/08 A
B67D1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198980
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082CC04
3E082CC10
3E082DD01
3E082EE01
3E082EE05
3E082FF01
4B104AA11
4B104BA09
4B104BA59
4B104BA90
4B104DA58
4B104EA03
4B104EA17
(57)【要約】
【課題】ユーザが温度の高い湯に触れないようにしつつ、原料水と粉末原料とを混合するための混合容器や混合容器で生成された飲料を案内する案内部材等の飲料が通過する経路の洗浄機能を高くする。
【解決手段】飲料供給装置10においては、制御装置80の洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯を用いて混合容器33内と案内部材40とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯と給水部60から供給される水とを混ぜて給湯部50から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器33内と案内部材40とを洗浄する第2洗浄手段とを備え、制御装置80は、操作部76から洗浄手段を実行させる操作信号が入力されたときには第1洗浄手段を実行するように制御し、予め設定された設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を実行するように制御した。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の原料水を供給する原料水供給部と、
飲料の粉末原料を供給する粉末原料供給部と、
前記原料水供給部から供給される原料水と前記粉末原料供給部から供給される粉末原料とを混合するための混合容器と、
前記混合容器内で原料水と粉末原料とを撹拌して混合する撹拌装置と、
前記混合容器内で生成された飲料を受ける飲用容器を載置する載置部と、
前記混合容器にて生成された飲料を前記載置部に案内する案内部材と、
前記原料水供給部から原料水と前記粉末原料供給部から粉末原料とを前記混合容器内に供給させ、前記混合容器内で原料水と粉末原料とを前記撹拌装置により撹拌させて混合することで生成した飲料を前記案内部材により前記載置部の飲用容器に案内して供給する飲料供給手段と、前記原料水供給部から原料水を前記混合容器内に供給させ、前記混合容器内で原料水を前記撹拌装置により撹拌させて前記混合容器内を洗浄し、この洗浄に用いた原料水を前記案内部材を通して前記載置部に排出させることで前記混合容器と前記案内部材とを洗浄する洗浄手段とを備えた制御装置と、
前記制御装置に前記飲料供給手段と前記洗浄手段とを実行させる操作信号を出力する操作部とを備えた飲料供給装置であって、
前記原料水供給部は、飲料の原料水となる湯を供給する給湯部と、飲料の原料水となる水を供給する給水部とを備え、
前記洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として前記給湯部から供給される湯を用いて前記混合容器内と前記案内部材とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として前記給湯部から供給される湯と前記給水部から供給される水とを混ぜて前記給湯部から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて前記混合容器内と前記案内部材とを洗浄する第2洗浄手段とを備え、
前記制御装置は、前記操作部から前記洗浄手段を実行させる操作信号が入力されたときには前記第1洗浄手段を実行するように制御し、予め設定された設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに前記第2洗浄手段を実行するように制御したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記制御装置は、前記飲料供給手段を実行可能とする運転モードと、前記飲料供給手段を実行不可とする非運転モードとに設定可能となっており、
前記運転モードの実行開始の前後の間のタイミングと実行終了の前後の間のタイミングの少なくとも一方で前記第1洗浄手段を実行するように制御したことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合容器内で原料水と粉末原料とを撹拌することで混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置に関し、原料水と粉末原料とを混合するための混合容器と、混合容器から飲用容器に飲料を案内する案内部材を洗浄する洗浄手段を備えた飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはミキシングユニットで原料水と粉末原料とを撹拌することで混合して生成した飲料を供給する飲料ディスペンサ(飲料供給装置)の発明が開示されている。この飲料ディスペンサで飲料を供給するときには、ミキシングユニットを構成するミキシングケース(混合容器)内にキャニスタ内の飲料の粉末原料と水または湯が供給され、ミキシングケースで飲料の粉末原料と水または湯とが撹拌されて飲料が生成され、生成された飲料は注出ガイド(案内部材)によってカップステージ(載置部)に案内されてカップ(飲用容器)に注出される。
【0003】
この飲料ディスペンサはミキシングユニットを洗浄する洗浄機能を有しており、ミキシングユニットの洗浄機能は予め設定された時間や飲料の注出回数に応じて自動的に実行されるように設定されたり、利用者の操作に応じて実行されるように設定されている。ミキシングユニットを洗浄するときには、ミキシングユニットを構成するミキシングケース内に湯が供給され、ミキシングケース内の湯は撹拌用モータによって回転するインペラによって撹拌される。ミキシングケース内の湯は回転するインペラによって遠心力が付与された状態で滞留し、ミキシングケース内は撹拌させることで滞留する湯によって洗浄される。インペラを回転開始させてから所定時間経過後にミキシングケース内に水が供給され、ミキシングケース内の湯は供給された水と混合されて温度が低下する。その後、インペラの回転が停止され、ミキシングケース内にて温度の低下した湯は注出ガイドに放出され、放出された湯は注出ガイドを洗浄してカップステージに排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の飲料ディスペンサでは、ミキシングユニットの洗浄には温飲料を生成するために加熱された高温の湯が用いられるのが一般的であり、ミキシングユニットは高温の湯によって高い洗浄力によって洗浄される。これに対し、特許文献1の飲料ディスペンサのミキシングユニットを洗浄するときには、ミキシングケース内に供給された湯は水が加えられて温度を低下させてからカップステージに排出されている。特許文献1の飲料ディスペンサでは、カップステージには温度の高い湯が排出されないので、ユーザが誤ってカップステージの上側に手を入れても温度の高い湯を触れないようにすることができる。しかし、ミキシングユニットを常に温度の低い湯で洗浄したときには、ミキシングユニットの汚れを十分に洗浄できず、ミキシングユニットに汚れが残りやすくなっていた。特に、ミキシングケースからカップステージに飲料を案内する注出ガイドには温度が低い湯が流れるだけであって、注出ガイドに汚れが残りやすくなっていた。本発明は、温度の高い湯による高い洗浄力で原料水と粉末原料とを混合するための混合容器や混合容器で生成された飲料を案内する案内部材等の飲料が通過する経路を洗浄しつつ、ユーザが温度の高い湯に触れないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、飲料の原料水を供給する原料水供給部と、飲料の粉末原料を供給する粉末原料供給部と、原料水供給部から供給される原料水と粉末原料供給部から供給される粉末原料とを混合するための混合容器と、混合容器内で原料水と粉末原料とを撹拌して混合する撹拌装置と、混合容器内で生成された飲料を受ける飲用容器を載置する載置部と、混合容器にて生成された飲料を載置部に案内する案内部材と、原料水供給部から原料水と粉末原料供給部から粉末原料とを混合容器内に供給させ、混合容器内で原料水と粉末原料とを撹拌装置により撹拌させて混合することで生成した飲料を案内部材により載置部の飲用容器に案内して供給する飲料供給手段と、原料水供給部から原料水を混合容器内に供給させ、混合容器内で原料水を撹拌装置により撹拌させて混合容器内を洗浄し、この洗浄に用いた原料水を案内部材を通して載置部に排出させることで混合容器と案内部材とを洗浄する洗浄手段とを備えた制御装置と、制御装置に飲料供給手段と洗浄手段とを実行させる操作信号を出力する操作部とを備えた飲料供給装置であって、原料水供給部は、飲料の原料水となる湯を供給する給湯部と、飲料の原料水となる水を供給する給水部とを備え、洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として給湯部から供給される湯を用いて混合容器内と案内部材とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として給湯部から供給される湯と給水部から供給される水とを混ぜて給湯部から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器内と案内部材とを洗浄する第2洗浄手段とを備え、制御装置は、操作部から洗浄手段を実行させる操作信号が入力されたときには第1洗浄手段を実行するように制御し、予め設定された設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を実行するように制御したことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した飲料供給装置においては、原料水供給部は、飲料の原料水となる湯を供給する給湯部と、飲料の原料水となる水を供給する給水部とを備え、洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として給湯部から供給される湯を用いて混合容器内と案内部材とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として給湯部から供給される湯と給水部から供給される水とを混ぜて給湯部から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器内と案内部材とを洗浄する第2洗浄手段とを備え、制御装置は、操作部から洗浄手段を実行させる操作信号が入力されたときには第1洗浄手段を実行するように制御し、予め設定された設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を実行するように制御している。
【0008】
制御装置がユーザによる操作部の操作に基づいて第1洗浄手段を実行したときには、ユーザは自らの操作によって洗浄に用いた湯が載置部に排出されることを予め知っていることになる。このため、第1洗浄手段により給湯部から供給される温度の高い湯が混合容器内と案内部材を洗浄した後で載置部に排出されても、ユーザが載置部に排出される湯を手等で触れるおそれが少ない。
【0009】
これに対し、制御装置がユーザの操作によることなく予め設定された設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を実行したときには、ユーザは洗浄に用いた湯が載置部に排出されることを予め知っていないことになり、ユーザが載置部に排出される湯を触れるおそれがある。制御装置が、設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を自動で実行したときには、給湯部から混合容器内に湯を供給後に給水部から水を供給して、給湯部から供給される湯よりも温度の低い湯により混合容器内と案内部材を洗浄するようにし、洗浄に用いた温度の低い湯を載置部に排出させている。これにより、ユーザが混合容器内と案内部材とを洗浄した後で載置部に排出される湯を触れたとしても、載置部に排出された湯は給水部から供給された水が加えられた温度の低い湯であるので安全性が高く、ユーザが第1洗浄手段を実行したときのような給湯部からの温度の高い湯を触れないようにすることができる。このように、ユーザの操作により洗浄するときには温度の高い湯により混合容器と案内部材とを洗浄し、ユーザの操作によらず設定時間または予め設定された飲料の設定供給回数となったときに洗浄するときには温度の低い湯により混合容器と案内部材とを洗浄するようにしたので、温度の高い湯による高い洗浄力で混合容器と案内部材を洗浄しつつ、ユーザが温度の高い湯に触れないようにすることができる。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、制御装置は、飲料供給手段を実行可能とする運転モードと、飲料供給手段を実行不可とする非運転モードとに設定可能となっており、運転モードの実行開始の前後の間のタイミングと実行終了の前後の間のタイミングの少なくとも一方で第1洗浄手段を実行するように制御するのが好ましい。運転モード実行開始の前後の間のタイミングと実行終了の前後の間のタイミングはユーザが使用する可能性が低いタイミングとなっており、洗浄手段の第1洗浄手段を実行することで、載置部に給湯部から供給して混合容器内と案内部材とを洗浄した湯が排出されても、ユーザが載置部に排出される湯を触れる可能性が低い。これにより、温度の高い湯による高い洗浄力で混合容器と案内部材を洗浄しつつ、ユーザが温度の高い湯に触れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図1の前面パネルを回動させて開放させた状態の斜視図である。
【
図5】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
【
図9】第1洗浄手段のタイムチャート(a)、第2洗浄手段のタイムチャート(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、飲料ディスペンサとも呼ばれるものであり、カップ等の飲用容器内に湯を含めた4種類の温かい茶等の温飲料、冷水(水)を含めた4種類の冷たい茶等の冷飲料を供給可能としている。
図1~
図4に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11内の前部に茶等の飲料を生成するための茶等の粉末原料と湯及び/または冷水(水)とを混合して飲料を生成する飲料生成室20と、ハウジング11の後部に機械室21とを備え、ハウジング11内は仕切板22によって飲料生成室20と機械室21とに仕切られている。
【0013】
図1~
図4に示したように、ハウジング11は前側が開口したハウジング本体12と、ハウジング本体12の前面開口を塞ぐ前面パネル13とを備え、前面パネル13はハウジング本体12の右側部に鉛直軸線回りに回動可能に軸支されている。
図3及び
図4に示したように、前面パネル13の左側上部には前面パネル13の開閉を検知するためのリードスイッチよりなる開閉検知器14が設けられており、ハウジング本体12の前部には開閉検知器14と対向する位置に前面パネル13が閉じられた状態を検知させる磁石15が設けられている。前面パネル13が閉じられた状態では、開閉検知器14が磁石15に接近した状態となって、開閉検知器14は前面パネル13の閉塞状態を検知する。前面パネル13が開放された状態では、開閉検知器14が磁石15から離間した状態となって、開閉検知器14は前面パネル13の開放状態を検知する。
図1~
図3に示したように、前面パネル13の下部には左右方向の中央部に開口部13aが形成されており、飲料生成室20内の下部にはこの開口部13aが形成された位置にカップ等の飲用容器を載置する載置部23が設けられている。
【0014】
図1~
図4に示したように、載置部23は、カップ等の飲用容器を載置する受台部24と、受台部24の後側、左右両側及び上側を覆うカバー部25とを備えている。受台部24は簀の子状に形成され、カップ等の飲用容器から溢出した飲料や後述する洗浄手段を実行して排出される湯を下側に流すことができるようになっている。受台部24の上面にはカップ等の飲用容器を置く目印となる円形の凹部24aが形成されており、この円形の凹部24aは飲料供給部30で生成された飲料が注ぎ出される飲料ガイド40の飲料注出部42の直下に配置されている。また、受台部24の下部にはハウジング11の下側に配設された排水用の排水管(図示省略)が接続されており、受台部24で溢出した飲料や後述する洗浄手段を実行して排出される湯は排水管を通ってハウジング11の外側に排出される。
【0015】
図3に示したように、飲料生成室20には載置部23に載置した飲用容器内に飲料を供給する飲料供給部30が設けられている。この実施形態では、飲料生成室20には湯または冷水と、湯または冷水以外に3種類の温かいまたは冷たい飲料の粉末原料を供給するために3つの飲料供給部30が設けられている。湯または冷水以外の3つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30を用いて説明する。
【0016】
図3及び
図4に示したように、飲料供給部30は、載置部23に載置した飲用容器に飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置部23の飲用容器に案内する飲料ガイド(案内部材)40とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、飲料の粉末原料と原料水を混合するための混合容器33と、混合容器33内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。
【0017】
図3及び
図4に示したように、粉末原料容器32は、茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室20に設けたベース16に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32aが設けられており、粉末原料は搬出口32aから混合容器33に搬出される。粉末原料容器32の下部にはスクリュー32bが設けられており、スクリュー32bはカップリング部材32cを介してモータ32dの駆動が伝達される。モータ32dの回転によってスクリュー32bが回転すると、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0018】
図3及び
図4に示したように、混合容器33は、粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室20に設けたベース16に着脱可能に支持されている。混合容器33は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32aから搬出される粉末原料は混合容器33内に搬入される。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから下側に設けた飲料ガイド40に放出される。
【0019】
図5に示したように、ベース16には混合容器33内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口16aが設けられている。原料水供給口16aには後述する給湯部50及び給水部60が接続されており、混合容器33には給湯部50及び/または給水部60から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口16aを通って供給される。
【0020】
図4に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース16に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の粉末原料と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0021】
図3及び
図4に示したように、飲料ガイド40は飲料生成部31で生成した飲料を載置部23に載置した飲用容器に案内するものであり、載置部23のカバー部25の上側に支持されている。飲料ガイド40は、混合容器33の放出口33aの下側から載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる浅い箱形をしたガイド部41と、飲料を注出する飲料注出部42とを備え、これらのガイド部41と飲料注出部42を一体的に形成したものである。
【0022】
ガイド部41は、載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる飲料の通路を備え、この飲料の通路は載置部23の前部で左右方向の中央部が下側となるように下方に傾斜している。各飲料生成部31で生成された飲料はガイド部41によって載置部23の前部で左右方向の中央部まで案内される。ガイド部41には飲料の通路の下流位置に飲料注出部42が設けられている。
【0023】
図6に示したように、給湯部50は、載置部23のカップ等の飲用容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部50は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク51を備えており、貯湯タンク51には水道等の給水源から導出された第1給水管52が接続されている。第1給水管52には第1及び第2給水弁52a,52bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁52a,52bを開放することによって貯湯タンク51に供給される。
【0024】
貯湯タンク51にはヒータ53と温度センサ54とが設けられている。ヒータ53は貯湯タンク51内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ54は貯湯タンク51内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ53は温度センサ54の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク51内の湯はヒータ53によって主に飲むのに適した温度となるように加熱(保温)されている。この実施形態では、貯湯タンク51内の湯は90℃となるように設定されている。また、貯湯タンク51内には水位センサ55が設けられており、水位センサ55は貯湯タンク51内の水位を検出する。第1及び第2給水弁52a,52bは水位センサ55の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク51内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持されている。
【0025】
貯湯タンク51の下部には送湯管56が接続されており、送湯管56には送湯ポンプ57が介装されている。貯湯タンク51内の湯は送湯ポンプ57によって送湯管56に送られる。また、送湯管56には三方弁よりなる第1~第4湯送出弁58a~58dが介装されており、第1~第4湯送出弁58a~58dには第1~第4湯送出管59a~59dが接続されている。第1湯送出管59aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口16aに接続されており、第2湯送出管59bの導出端部は左右方向の中央の飲料供給部30の原料水供給口16aに接続されており、第3湯送出管59cの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口16aに接続されている。第4湯送出管59dの導出端部は飲料ガイド40の湯または水用の飲料注出部42に接続されている。
【0026】
送湯ポンプ57を作動させ、第1~第3湯送出弁58a~58cの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク51内の湯は、送湯管56と、開放させた第1~第3湯送出弁58a~58cに対応する第1~第3湯送出管59a~59cとを通って混合容器33内に供給される。また、送湯ポンプ57を作動させ、第4湯送出弁58dを開放させることで、貯湯タンク51内の湯は送湯管56と第4湯送出管59dとを通って載置部23に載置したカップ等の飲用容器に供給される。
【0027】
図6に示したように、給水部60は、載置部23のカップ等の飲用容器で受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部60は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク61を備えており、冷却タンク61には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク61内には冷凍装置の蒸発管62が設けられており、冷却タンク61内の冷却水は循環する冷媒が気化する気化熱によって蒸発管62の周囲に氷層を形成するようにして冷却されている。冷却タンク61内には原料水となる水を冷却するための水冷却管63が設けられており、原料水は水冷却管63を通過するときに冷却水によって冷却される。
【0028】
水冷却管63の水の導入端部には第1給水管52の第1給水弁52aの直ぐ下流側(第1給水弁52aと第2給水弁52bの間)から導出した第2給水管64が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61内の水冷却管63に送出される。水冷却管63の水の導出端部には送水管65が接続されており、水冷却管63により冷却された冷水は送水管65に送出される。送水管65には3つの分岐部65a~65cが設けられており、分岐部65a~65cから導出された管部と送水管65の先端部65dには第1~第4冷水送出弁66a~66dが介装されている。第1~第4冷水送出弁66a~66dには第1~第4冷水送出管67a~67dが接続されており、第1~第4冷水送出管67a~67dの導出端部は第1~第4湯送出管59a~59dの中間部に接続されている。
【0029】
第1給水弁52aと第1~第3冷水送出弁66a~66cの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61の水冷却管63に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク61内の水冷却管63で冷却された冷水は、送水管65と、開放させた第1~第3冷水送出弁66a~66cに対応する第1~第3冷水送出管67a~67cと、第1~第3冷水送出管67a~67cに対応して接続された第1~第3湯送出管59a~59cとを通って混合容器33内に供給される。また、第1給水弁52aと第4冷水送出弁66dとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61の水冷却管63に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク61内の水冷却管63で冷却された冷水は、送水管65と第4冷水送出管67dと第4湯送出管59dとを通って載置部23に載置したカップ等の飲用容器に供給される。
【0030】
図1及び
図2に示したように、前面パネル13の前面には開口部13aの上側に飲料供給部30から飲料を供給させるための第1操作パネル(操作部)70が設けられている。第1操作パネル70の左右方向の中央部には飲料の種類を表示するための表示用パネル71が設けられ、第2操作パネル70の表示用パネル71の左右両側の隣接する位置に飲料供給部30から飲料を供給させる操作をするための供給操作部として接触式供給操作部72,74と、非接触式供給操作部73,75とが設けられている。
【0031】
この実施形態では、表示用パネル71の左側に4種類の冷たい飲料を供給するための4つの接触式供給操作部72が上下に並べて配置され、接触式供給操作部72の左側に接触式供給操作部72と同じ飲料を供給するための4つの非接触式供給操作部73が配置されている。また、表示用パネル71の右側に4種類の温かい飲料を供給するための4つの接触式供給操作部74が上下に並べて配置され、接触式供給操作部74の右側に接触式供給操作部74と同じ飲料を供給するための4つの非接触式供給操作部75が配置されている。
【0032】
図3及び
図7に示したように、前面パネル13の背面には各種設定操作や混合容器33や飲料ガイド40を洗浄操作するための第2操作パネル(操作部)76が設けられている。第2操作パネル76には混合容器33や飲料ガイド40を洗浄するための洗浄ボタン77が設けられており、洗浄ボタン77を押下操作したときには後述する第1洗浄手段が実行される。
【0033】
図8に示したように、飲料供給装置10は、載置部23に載置した飲用容器に飲料の供給を制御する制御装置80を備えており、制御装置80は、開閉検知器14、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a、第1及び第2給水弁52a,52b、ヒータ53、温度センサ54、水位センサ55、送湯ポンプ57、第1~第4湯送出弁58a~58d、第1~第4冷水送出弁66a~66d及び第1操作パネル70と第2操作パネル76に接続されている。
【0034】
制御装置80は、飲料供給部30にて生成した飲料を供給する飲料供給手段と、飲料が供給される経路として飲料供給部30の混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄する洗浄手段とを備えている。飲料供給手段は、冷却タンク61内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の飲用容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段と、冷却タンク61内で冷却された冷水をカップ等の飲用容器に供給する冷水供給手段と、貯湯タンク51内の湯を用いた温飲料をカップ等の飲用容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、貯湯タンク51内の湯をカップ等の飲用容器に供給する湯供給手段を備えている。
【0035】
また、制御装置80は、飲料供給手段を実行可能とする運転モードと、飲料供給手段を実行不可とする非運転モードとに設定可能となっている。一例として、運転モードは主としてユーザが使用する時間帯(オフィス等の職場に設置したときには例えば7時~21時)で設定され、非運転モードは深夜を含む夜間等のユーザが使用しない時間帯(オフィス等の職場に設置したときには例えば21時~7時)で設定される。運転モード中は接触式供給操作部72,74または非接触式供給操作部73,75による操作信号が制御装置80に出力可能となって飲料が供給可能となり、非運転モード中は接触式供給操作部72,74または非接触式供給操作部73,75による操作信号が制御装置80に出力不可となって飲料が供給不可となる。なお、この実施形態においては、ウィークリーモードにて曜日毎に運転モードと非運転モードとを設定可能となっており、非運転モードでも貯湯タンク51内の湯は設定温度となるように維持され、冷却タンク61内の蒸発管62の周囲に氷層が形成されるように冷却されるようにしてもよい。
【0036】
運転モード中に、上から3つの接触式供給操作部72の何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、上から3つの非接触式供給操作部73の何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、操作した接触式供給操作部72または非接触式供給操作部73に対応した冷飲料供給手段を実行して飲料供給部30から冷たい飲料を供給するように制御する。最も下の接触式供給操作部72を押下操作したときの操作信号、または、最も下の非接触式供給操作部73の前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、冷水供給手段を実行して飲料供給部30から冷水を供給するように制御する。
【0037】
上から3つの接触式供給操作部74の何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、上から3つの非接触式供給操作部75の何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、操作した接触式供給操作部74または非接触式供給操作部75に対応した温飲料供給手段を実行して飲料供給部30から温かい飲料を供給するように制御する。最も下の接触式供給操作部74を押下操作したときの操作信号、または、最も下の非接触式供給操作部75の前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、湯供給手段を実行して飲料供給部30から湯を供給するように制御する。
【0038】
次に、冷飲料供給手段と、冷水供給手段と、温飲料供給手段及び湯供給手段の制御について説明する。運転モード中に、上から3つの接触式供給操作部72の何れか1つを押下操作による操作信号、または、上から3つの非接触式供給操作部73の何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷飲料供給手段を実行する。制御装置80は、冷飲料供給手段の実行によって、操作した接触式供給操作部72または非接触式供給操作部73に対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、第1給水弁52aと操作した接触式供給操作部72または非接触式供給操作部73に対応する第1~第3冷水送出弁66a~66cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、冷却タンク61内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料はガイド部41を通って飲料注出部42から載置部23のカップ等の飲用容器に注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0039】
最も下の接触式供給操作部72を押下操作による操作信号、または、最も下の非接触式供給操作部73の前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷水供給手段を実行する。制御装置80は、冷水供給手段段の実行によって、第1給水弁52aと第4冷水送出弁66dを飲用容器に応じた時間で開放させる。冷却タンク61内で冷却された冷水は飲料注出部42から載置部23のカップ等の飲用容器に注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。
【0040】
運転モード中に、上から3つの接触式供給操作部74の何れか1つを押下操作による操作信号、または、上から3つの非接触式供給操作部75の何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は温飲料供給手段を実行する。制御装置80は、温飲料供給手段の実行により、操作した接触式供給操作部74または非接触式供給操作部75に対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ57を作動させ、操作した接触式供給操作部74または非接触式供給操作部75に対応する第1~第3湯送出弁58a~58cを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク51内の湯は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料はガイド部41を通って飲料注出部42から載置部23のカップ等の飲用容器に注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0041】
最も下の接触式供給操作部74を押下操作による操作信号、または、最も下の非接触式供給操作部75の前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は湯供給手段を実行する。制御装置80は、湯供給手段の実行により、送湯ポンプ57を飲用容器に応じた時間で作動させるとともに第4湯送出弁58dを開放させる。貯湯タンク51内の湯は飲料注出部42から載置部23のカップ等の飲用容器に注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。
【0042】
洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯と給水部60から供給される冷水(水)とを混ぜて給湯部50から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄する第2洗浄手段とを備えている。
【0043】
第1洗浄手段は、給湯部50から供給される湯のみを用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものであり、貯湯タンク51内で90℃に加温された高温の湯による高い洗浄力によって混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものである。なお、貯湯タンク51内の湯の温度を90℃となるように制御しているが、これに限られるものでなく、温飲料として飲むのに適した温度として例えば50℃~95℃に加温したものであってもよい。
【0044】
図9(a)に示したように、制御装置80が第1洗浄手段を実行したときには、a~bのタイミングで第1湯送出弁58aを開放させるとともにaのタイミングで撹拌用モータ34aを作動開始させると、貯湯タンク51内の湯は混合容器33内に供給されるとともに、混合容器33内に供給された湯は撹拌装置34により撹拌される。混合容器33内の湯は、撹拌装置34によって撹拌されるときに付与される遠心力によって放出口33aから放出されずに混合容器33の内周面に付着して残る粉末原料を洗い流すようになる。eのタイミングで撹拌用モータ34aの作動を停止させると、混合容器33の湯は撹拌装置34の撹拌による遠心力が付与されないようになって放出口33aから飲料ガイド40に放出され、放出された湯は飲料ガイド40のガイド部41を流れるときにガイド部41に残る粉末原料を洗い流し、飲料注出部42から載置部23に排出される。載置部23に排出された湯は簀の子状の受台部24の隙間を通って下側に流れて排水管からハウジング11の外側に排出される。なお、第1洗浄手段は、左側の飲料供給部30から順に中央及び右側の飲料供給部30で実行される。
【0045】
これに対し、第2洗浄手段は、給湯部50から供給される湯に給水部60から供給される冷水(水)を加えて給湯部50から給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものであり、給湯部50から供給される湯の温度より低い温度としてこの実施形態では60℃以下の湯によってユーザが手等に触れても安全な温度の湯で混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものである。この実施形態では、給水部60は冷却タンク61内で冷却された冷水であるが、常温の水を用いたものであってもよい。
【0046】
図9(b)に示したように、制御装置80が第2洗浄手段を実行したときには、a~bのタイミングで第1湯送出弁58aを開放させるとともにaのタイミングで撹拌用モータ34aを作動開始させると、貯湯タンク51内の湯は混合容器33内に供給されるとともに、混合容器33内に供給された湯は撹拌装置34により撹拌される。混合容器33内の湯は、撹拌装置34によって撹拌されるときに付与される遠心力によって放出口33aから放出されずに混合容器33の内周面に付着して残る粉末原料を洗い流すようになる。bのタイミングで第1湯送出弁58aを閉止後に、cからdのタイミングで第1冷水送出弁66aを開放させると、冷却タンク61内で冷却された冷水が混合容器33内に供給される。混合容器33内の湯は冷却タンク61で冷却された冷水と混ぜられて温度が低下する。eのタイミングで撹拌用モータ34aの作動を停止させると、混合容器33にて温度が低下した湯は撹拌装置34による撹拌による遠心力が付与されないようになって放出口33aから飲料ガイド40に放出され、放出された湯は飲料ガイド40のガイド部41を流れるときにガイド部41に残る粉末原料を洗い流し、飲料注出部42から載置部23に排出される。載置部23に排出された湯は簀の子状の受台部24の隙間を通って下側に流れて排水管からハウジング11の外側に排出される。なお、第2洗浄手段も、第1洗浄手段と同様に、左側の飲料供給部30から順に中央及び右側の飲料供給部30で実行される。
【0047】
第1洗浄手段は、給湯部50から供給される温度の高い湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものであり、第2操作パネル76の洗浄ボタン77を押下操作したとき(第2操作パネル76の洗浄ボタン77の押下操作をし、前面パネル13を閉じて開閉検知器14により閉じた状態の検知がなされたとき)、運転モード実行開始時と実行終了後の非運転モードの開始時のタイミングで実行するように制御されている。ユーザが第2操作パネル76の洗浄ボタン77を押下操作したときには、第1洗浄手段はユーザの操作に基づいて実行されるため、ユーザは載置部23に洗浄に用いた湯が排出されることを予め知ることができる。また、運転モード実行開始時と実行終了後の非運転モードの開始時のタイミングは、ユーザが使用しないことを想定したタイミングとなっているので、ユーザは洗浄後に載置部23に排出される湯を触れるおそれが少ない。このため、ユーザが洗浄ボタン77を押下操作したときや、運転モード実行開始時と実行終了後の非運転モードの開始時のタイミングでの洗浄手段として第1洗浄手段を実行するように制御することで、給湯部50から供給される温度の高い湯による高い洗浄力によって混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄したときであっても、ユーザが載置部23に排出される湯を触れる可能性を低くすることができる。
【0048】
第2洗浄手段は、給湯部50から供給される湯に給水部60から供給される水を加えて給湯部50から給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するものであり、予め設定された設定時間(設定時刻)にて自動で実行するように制御されている。運転モード中に予め設定された設定時間で洗浄手段を実行させたときに、ユーザが洗浄手段が実行されることを知らずに載置部23の受台部24の上側に手を入れるおそれがある。このとき、上述した第1洗浄手段のように給湯部50から供給される湯が載置部23の受台部24の上側に排出されると、ユーザが熱い湯に触れるおそれがある。このため、運転モードの実行中で予め設定された設定時間に洗浄手段を実行するときには、第2洗浄手段を実行するように制御している。
【0049】
職員が主としてオフィス等の職場にいる時間が8時~20時の職場にこの飲料供給装置10を設置したときに、職員が職場にいる時間の前後1時間を含めて飲料を供給可能とする必要がある。これに対応するために、管理者(ユーザ)が7時~21時に運転モードとなり、21時~7時に非運転モードとなるように設定したときには、制御装置80は、7時~21時で運転モードとなるようにし、21時~7時で非運転モードとなるように交互に設定を変更している。制御装置80は、運転モードの実行開始時と実行終了後の非運転モードの開始時には第1洗浄手段を実行して給湯部50から供給される湯を用いて混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄している。運転モードの実行開始時や実行終了後の非運転モードの開始時は、職員等のユーザが飲料供給装置10を使用することを想定したタイミングではないので、ユーザは洗浄後に載置部23に排出される高い温度の湯を触れるおそれが少ない。
【0050】
また、職員等のユーザの休憩時間や食事時間となっていない11時、2時,4時等の時間では、職員等のユーザは飲料供給装置10を使用する頻度が少ないものの、職員等のユーザが全く飲料供給装置10を使用しないわけではない。上記の時間で洗浄手段を自動で実行したときには、職員等のユーザが洗浄後に載置部23に排出される湯を触れるおそれが少ないものの、洗浄手段が実行されることを知らずに載置部23の受台部24の上側に手を入れるおそれがある。このため、予め設定された設定時間で洗浄手段を自動で実行するときには、制御装置80は第2洗浄手段を実行するように制御している。載置部23には洗浄後の湯が排出され、ユーザが載置部23に排出される湯に触れるおそれがあるものの、載置部23に排出される湯の温度は低くなっているので、ユーザが載置部23に排出される湯に触れても安全である。
【0051】
メンテナンスを担当する管理者(ユーザ)が飲料の供給経路となる混合容器33や飲料ガイド40の洗浄等のメンテナンスをするときには、前面パネル13を開放して第2操作パネル76の洗浄ボタン77を押下操作し、前面パネル13を閉じるようにする。制御装置80に洗浄ボタン77から入力される操作信号と、開閉検知器14から閉じたことを検知した検知信号とが入力されると、制御装置80は第1洗浄手段を実行する。このとき、給湯部50から供給される温度の高い湯が混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄後に載置部23に排出されるが、管理者(ユーザ)は自らの操作によって制御装置80に洗浄手段を実行させているので、管理者(ユーザ)は載置部23に排出される湯に触れるおそれが少ない。
【0052】
上記のように構成した飲料供給装置10においては、制御装置80は、混合容器33内で原料水を撹拌装置34により撹拌させて混合容器33内を洗浄し、この洗浄に用いた原料水を飲料ガイド40を通して載置部23に排出させることで混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄する洗浄手段を備えている。洗浄手段は、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄する第1洗浄手段と、洗浄に用いる原料水として給湯部50から供給される湯と給水部60から供給される水とを混ぜて給湯部50から供給される湯よりも温度の低い湯を用いて混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄する第2洗浄手段とが設定されている。
【0053】
この飲料供給装置10においては、制御装置80は、第2操作パネル76の洗浄ボタン77から洗浄手段を実行させる操作信号が入力されたときには第1洗浄手段を実行するように制御し、運転モード中で予め設定された設定時間(設定時刻)となったときには第2洗浄手段を実行するように制御している。ユーザによる第2操作パネル76の洗浄ボタン77の押下操作に基づいて、制御装置80が第1洗浄手段を実行したときには、ユーザは自らの操作によって洗浄に用いた湯が載置部23に排出されることを予め知っていることになる。このため、第1洗浄手段により給湯部50から供給される温度の高い湯が混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄した後で載置部23に排出されても、ユーザが載置部23に排出される温度の高い湯を手等で触れるおそれが少ない。
【0054】
これに対し、制御装置80がユーザの操作によることなく予め設定された設定時間となったときに第2洗浄手段を自動で実行したときには、ユーザは洗浄に用いた湯が載置部23に排出されることを予め知っていないことになり、ユーザが載置部23に排出される湯を触れるおそれがある。制御装置80が、設定時間となったときに第2洗浄手段を自動で実行したときには、給湯部50から混合容器33内に湯を供給後に給水部60から水を供給して、給湯部50から供給される湯よりも温度の低い湯により混合容器33内と飲料ガイド40を洗浄するようにしている。これにより、ユーザが混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄した後で載置部23に排出される湯を触れたとしても、載置部23に排出された湯は給水部60から供給された冷水が加えられた温度の低い湯であるので安全性が高く、ユーザが第1洗浄手段を実行したときのような給湯部50から供給された温度の高い湯を触れないようにすることができる。このように、ユーザの操作により洗浄するときには温度の高い湯により混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄し、ユーザの操作によらず設定時間で自動で洗浄するときには温度の低い湯により混合容器33と飲料ガイド40とを洗浄するようにしたので、ユーザが温度の高い湯に触れないようにしつつ、温度の高い湯による高い洗浄力で混合容器33と飲料ガイド40を洗浄することができる。
【0055】
また、この飲料供給装置10においては、制御装置80は、飲料供給手段を実行可能とする運転モードと、飲料供給手段を実行不可とする非運転モードとに設定可能となっている。制御装置80は、運転モード実行開始の前後の間のタイミングとして運転モードの実行開始時と実行終了の前後の間のタイミングとして実行終了後の非運転モードの開始時に第1洗浄手段を実行するように制御している。運転モード実行開始の前後の間のタイミングと実行終了の前後の間のタイミングはユーザが使用する可能性が低いタイミングとなっており、制御装置80が洗浄手段の第1洗浄手段を自動で実行することで、給湯部50から混合容器33内に湯を供給して湯により混合容器33内と飲料ガイド40とを洗浄するようにしても、ユーザが載置部23に排出される湯を触れる可能性が低い。これにより、ユーザが温度の高い湯に触れないようにしつつ、混合容器33と飲料ガイド40の洗浄機能を高くすることができる。
【0056】
この実施形態の飲料供給装置10においては、予め設定された設定時間となったときに第2洗浄手段を実行するように制御しているが、これに限られるものでなく、予め設定された飲料の設定供給回数となったときに第2洗浄手段を実行するように制御してもよい。このようにしたときにも、ユーザは洗浄に用いた湯が載置部23に排出されることを予め知っていないことになり、ユーザが載置部23に排出される湯を触れるおそれがあるが、載置部23に排出された湯は給水部60から供給された水が加えられた温度の低い湯であるので安全性が高く、ユーザが第1洗浄手段を実行したときのような給湯部50からの温度の高い湯を触れないようにすることができる。
【0057】
この実施形態の飲料供給装置10においては、運転モード実行開始の前後の間のタイミングとして実行開始時と実行終了の前後の間のタイミングとして実行終了後の非運転モードの開始時に第1洗浄手段を実行するように制御しているが、これに限られるものでなく、運転モード実行開始の前後の間のタイミングまたは実行終了の前後の間のタイミングに第1洗浄手段を実行するようにしてもよい。また、運転モード実行開始の前後の間のタイミングとして、運転モードの開始後の短い時間内(例えば5分~10分以内)に第1洗浄手段を実行してもよいし、運転モードの開始前の非運転モードの終了時または終了直前を含む終了前の短い時間内(例えば5分~10分以内)に第1洗浄手段を実行してもよい。同様に、運転モード実行終了の前後の間のタイミングとして、運転モードの終了前の短い時間内(例えば5分~10分以内)に第1洗浄手段を実行してもよいし、運転モードの終了後の非運転モードの開始直後を含む開始後の短い時間内(例えば5分~10分以内)に第1洗浄手段を実行してもよい。
【0058】
10…飲料供給装置、23…載置部、33…混合容器、34…撹拌装置、40…案内部材(飲料ガイド)、50…給湯部,原料水供給部、60…給水部,原料水供給部、77…操作部(第2操作パネル)、80…制御装置。