(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084744
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】可搬ストーブ装置
(51)【国際特許分類】
F24B 1/02 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
F24B1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198999
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】521486158
【氏名又は名称】万俵株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋章
(57)【要約】
【課題】本願は、ストーブ本体の内部で発生する熱エネルギーを有効に利用可能な可搬ストーブ装置を提供するものである。
【解決手段】ストーブ本体(1)と、ストーブ本体(1)の内部で発生する煙が排出される排出口(9)と、排出口(9)に取り付けられた排煙筒体(10)と、ストーブ本体(1)の内部に流通部(12a)が配置され、流通部(12a)の流入口部(12b)がストーブ本体(1)の外部に延在して配置され、流通部(12a)の流出口部(12c)がストーブ本体(1)の外部に延在して配置された加熱チューブ体(12)とを備え、加熱チューブ体(12)はストーブ本体(1)の内部に投入される燃料の燃焼により加熱され、加熱チューブ体(12)の流入口部(12b)が加温対象部の流出側に接続され、加熱チューブ体(12)の流出口部(12c)が加温対象部の流入側に接続されるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーブ本体と、前記ストーブ本体の内部で発生する煙が排出される排出口と、前記排出口に取り付けられた排煙筒体と、前記ストーブ本体の内部に流通部が配置され、前記流通部の流入口部が前記ストーブ本体の外部に延在して配置され、前記流通部の流出口部が前記ストーブ本体の外部に延在して配置された加熱チューブ体とを備え、前記加熱チューブ体は前記ストーブ本体の内部に投入される燃料の燃焼により加熱され、前記加熱チューブ体の前記流入口部が加温対象部の流出側に接続され、前記加熱チューブ体の前記流出口部が加温対象部の流入側に接続されることを特徴とする可搬ストーブ装置。
【請求項2】
前記加熱チューブ体の前記流通部は水平方向に螺旋状に巻回されて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項3】
前記加熱チューブ体の螺旋状に巻回された前記流通部は上面側および下面側が平面状態に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項4】
前記加熱チューブ体の前記流通部は蛇行状に配置されて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項5】
前記加熱チューブ体の蛇行状に配置された前記流通部は垂直部と水平部とを有することを特徴とする請求項4に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項6】
前記加熱チューブ体の蛇行状に配置された前記流通部は水平方向に延在して配置されたことを特徴とする請求項4に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項7】
前記流通部は、流入ヘッダ部と、流出ヘッダ部と、前記流入ヘッダ部と前記流出ヘッダ部とに接続された複数の連通管体部とにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬ストーブ装置。
【請求項8】
前記ストーブ本体は、底板と、天板と、正面板と、背面板と、第1側面板と、第2側面板とにより構成され、前記天板は前記ストーブ本体に着脱可能に構成され、前記正面板と前記背面板は前記底板に着脱可能に構成され、前記第1側面板と前記第2側面板は前記底板に回動可能に構成され、前記加熱チューブ体は前記ストーブ本体に着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬ストーブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、可搬ストーブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャンプあるいはレジャーなどにおいて、テントおよび床シートをセットし、床シートの上で休息したり、あるいは宿泊することが多々ある。気温が下がってくる季節においては暖房用として可搬ストーブを持って行き、可搬ストーブに薪を入れて火を付けて暖房することになる。
【0003】
可搬ストーブ装置として、特許文献1(実開平1-109701号公報)、あるいは特許文献2(実開平6-56601号公報)のものがある。特許文献1のものは、長方形箱型のストーブ本体に薪投入用の開閉扉および煙突を設け、ストーブ本体の底部に薪を投入して火を付けて暖房するものである。
【0004】
また、特許文献2のものは、携帯用のストーブであり、ストーブ本体に薪投入用の扉および排煙筒を設け、ストーブ本体の底部に薪を投入して火を付けて暖房するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1-109701号公報
【特許文献2】実開平6-56601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の可搬ストーブ装置は、ストーブ本体の底部に薪を投入して火を付けて暖房するものであり、ただ単に暖房用として使用しているだけである。ストーブ本体の内部は薪による火炎により例えば400度~600度の状態となるが、このような熱エネルギーを何等利用することなく外部に排出されているという問題点があった。
【0007】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、その目的は、ストーブ本体の内部の熱エネルギーを利用した可搬ストーブ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に開示される可搬ストーブ装置は、ストーブ本体と、前記ストーブ本体の内部で発生する煙が排出される排出口と、前記排出口に取り付けられた排煙筒体と、前記ストーブ本体の内部に流通部が配置され、前記流通部の流入口部が前記ストーブ本体の外部に延在して配置され、前記流通部の流出口部が前記ストーブ本体の外部に延在して配置された加熱チューブ体とを備え、前記加熱チューブ体は前記ストーブ本体の内部に投入される燃料の燃焼により加熱され、前記加熱チューブ体の前記流入口部が加温対象部の流出側に接続され、前記加熱チューブ体の前記流出口部が加温対象部の流入側に接続されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本願に開示される可搬ストーブ装置によれば、ストーブ本体の内部に流通部が配置され、流通部の流入口部がストーブ本体の外部に延在して配置され、流通部の流出口部がストーブ本体の外部に延在して配置された加熱チューブ体を備え、加熱チューブ体はストーブ本体の内部に投入される燃料の燃焼により加熱されるにようにしたので、ストーブ本体の内部の熱エネルギーを利用した可搬ストーブ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す側面図である。
【
図3】実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す背面図である。
【
図4】実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す
図3のA-A線における断面図である。
【
図5】実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す断面図である。
【
図6】実施の形態1による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す正面図である。
【
図9】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す正面図である。
【
図10】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す平面図である。
【
図11】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す正面図である。
【
図12】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す平面図である。
【
図13】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す平面図である。
【
図14】実施の形態2による可搬ストーブ装置におけるストーブ本体を示す斜視図である。
【
図15】実施の形態3による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【
図16】実施の形態4による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【
図17】実施の形態5による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態6による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1を
図1から
図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
図1は実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す斜視図である。
図2は実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す側面図である。
図3は実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す背面図である。
図4は実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す
図3のA-A線における断面図である。
図5は実施の形態1による可搬ストーブ装置を示す断面図であり、伝熱板を取り外した状態を示す。
図6は実施の形態1による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。
【0012】
可搬ストーブ装置としては次のように構成される。ストーブ本体1は、天板2と、底板3と、正面板4と、背面板5と、第1側面板6、第2側面板7とにより構成され、例えば、正面板4にはストーブ本体1の内部が見えるように透明部4aを有し、第2側面板7には薪あるいは炭などの燃料を投入するための開口部(図示せず)と開閉蓋8が設けられている。
【0013】
開閉蓋8にはストーブ本体1の内部における薪あるいは炭などの燃料の状態を確認する透明部8aが設けられ、回動具8bにより開閉蓋8を開閉させることができ、止め具8cに係止レバー8dを係止させて開閉蓋8が閉じられる。また、開閉蓋8にはストーブ本体1内への空気取り入れ口8eが複数設けられ、摘み部8fを左右に操作させることにより、空気量調整片8gを左右に移動させてストーブ本体1内へ取り入れる空気量が調整される。
【0014】
開閉蓋8が設けられた第2側面板7より遠い位置、例えば第1側面板6側で背面板5側にストーブ本体1の内部で発生する煙を排出させる排出口9を例えばストーブ本体1の天板2に設け、この天板2に外部の空間に排煙を排出させる排煙筒体10を取り付けている。底板3の下部には足部11が設けられている。
【0015】
加熱チューブ体12は、例えばアルミニウム合金などの金属製で構成され、例えば水平方向に螺旋状に巻回され、加熱チューブ体12の螺旋状巻回部の上面側および下面側が例えば平面状態に構成されている。
【0016】
加熱チューブ体12の流通部12aはストーブ本体1の内部に配置され、流通部12aの流入口部12bがストーブ本体1の外部に延在して配置され、流通部12aの流出口部12cがストーブ本体1の外部に延在して配置され、加熱チューブ体12はストーブ本体1の内部に投入される薪あるいは炭などの燃料の燃焼により加熱される。そして、加熱チューブ体12は例えばストーブ本体1の背面板5に取り付けられた場合を示している。
【0017】
また、加熱チューブ体12は枠体13にて保持され、加熱チューブ体12の上面側および下面側には複数の通気孔14aが形成され伝熱板14が設けられている。そして、加熱チューブ体12は例えばストーブ本体1の背面板5にボルト15,16によって取り付けられた場合を示している。
【0018】
次に、可搬ストーブ装置としての動作について説明する。キャンプあるいはレジャーなどにおいて、テントおよび床シートをセットし、可搬ストーブ装置を運び込んでセットする。ストーブ本体1の第2側面板7に設けた開閉蓋8を開いて、ストーブ本体1の内部の底板3の上部に燃料としての例えば薪を投入して火を付けて暖房状態して暖を取る。
【0019】
ところで、ストーブ本体1の内部は薪による火炎により例えば400度~600度の状態となる。この400度~600度の熱エネルギーを加熱チューブ体12で吸収することができる。例えば、床シートを温水式床シート(図示せず)とすることにより、先ず、温水式床シートの吐出口と加熱チューブ体12の流入口部12bとを接続配管で連結し、温水式床シートの取り入れ口と加熱チューブ体12の流出口部12cとを接続配管で連結し、温水式床シートと加熱チューブ体12内で水が循環される状態としておく。
【0020】
このような状態において、薪による火炎により例えば400度~600度の熱エネルギーにより加熱チューブ体12の流通部12aが加熱されると、加熱チューブ体12の流通部12a内を流通する水が加熱されて加温された温水が加熱チューブ体12の流出口部12cから加温対象部である温水式床シートの取り入れ口に供給され、温水式床シート内を流通することにより温水式床シートが加温される。
【0021】
温水式床シートを流通して温度が下がった水は温水式床シートの吐出口から加熱チューブ体12の流入口部12bに供給され、さらに、加熱チューブ体12の流通部12a内を流通して加温される。このような循環動作が繰り返し行われることにより、温水式床シートの快適な床暖房を行うことができる。したがって、テント内における快適な温かい休息あるいは宿泊を行うことができる。
【0022】
以上の説明において、可搬ストーブ装置の形態について限定はしていないが、可搬ストーブ装置は、固定式のものであってもよく、あるいは組み立て式のものであっても同様の効果を奏する。
【0023】
実施の形態2.
本願の実施の形態2を
図7から
図14に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。上述した実施の形態1においては、可搬ストーブ装置の形態について限定はしていない場合について述べたが、この実施の形態2においては、組み立て式の可搬ストーブ装置とした場合を示している。
【0024】
上述した実施の形態1の
図1が組み立てられた状態の可搬ストーブ装置とする。この状態から組み立てられる前の状態に戻すまでの手順について説明する。
【0025】
図7に示すように、ストーブ本体1の天板2および排煙筒体10が着脱可能に構成されているので、天板2および排煙筒体10をストーブ本体1から取り外す。また、
図8に示すように、正面板4がストーブ本体1の底板3の溝部(図示せず)に着脱可能に構成されているので、正面板4をストーブ本体1から取り外す。さらに、
図9に示すように、背面板5がストーブ本体1の底板3の溝部(図示せず)に着脱可能に構成されているので、背面板5をストーブ本体1から取り外す。そして、足部11を回動させて底板3の裏面に収納させる。
【0026】
次に、
図10に示すように、加熱チューブ体12が背面板5にボルト15,16により着脱可能に構成されているので、加熱チューブ体12を背面板5から取り外す。次に、
図9に示すように、第1側面板6が枢軸6aにより回動可能に構成され、第2側面板7が枢軸7aにより回動可能に構成されているので、正面板4と背面板5とをストーブ本体1の底板3に収納させた後、第1側面板6および第2側面板7を回動させることにより、
図11の正面図および
図12の平面図で示す状態とする。そして、その上に
図13の平面図で示す天板2を被せる。
【0027】
以上のように取り外されたそれぞれの部品は
図14で示すようにコンパクトにまとめることができ、専用のケースなどに収納してキャンプあるいはレジャーなどに使用するために持ち運ぶことができる。
【0028】
また、可搬ストーブ装置を組み立てる場合には上述した手順を逆に行って組み立てることができる。すなわち、天板2を一旦取り出し、第1側面板6および第2側面板7を回動させて開き、正面板4と背面板5を取り出し、正面板4をストーブ本体1の底板3の溝部に挿着する。次に、背面板5に加熱チューブ体12をボルト15,16により取り付け、背面板5をストーブ本体1の底板3の溝部に挿着した後、天板2をストーブ本体1の上部に取り付ける。なお、足部11を回動させてセットする手順は可搬ストーブ装置を組み立てる前、組み立て中、あるいは組み立て後であってもよい。
【0029】
なお、上述した各実施の形態においては、加熱チューブ体12が枠体13にて保持された場合について述べたが、必ずしも枠体13を設ける必要はなく、加熱チューブ体12だけを設けてもよいことは勿論のことである。
【0030】
実施の形態3.
図15は実施の形態3による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。上述した実施の形態1においては、加熱チューブ体12が水平方向に螺旋状に巻回された場合について述べたが、この実施の形態3においては、加熱チューブ体17の流通部17aが蛇行状に配置されるとともに、加熱チューブ体17の流通部17aは垂直部17a1と水平部17a2を有しL字状に形成されたものであり、流入口部17bと流出口部17cを備えている。
【0031】
加熱チューブ体17の流通部17aの垂直部17a1はストーブ本体1の背面板5に沿って配置され、加熱チューブ体17の流通部17aの水平部17a2はストーブ本体1の底板3の上面に配置された場合を示している。
【0032】
この実施の形態3における加熱チューブ体17の流通部17aの水平部17a2に薪あるいは炭などの燃料が投入されることになり、加熱チューブ体17の流入口部17bから流入される水あるいは温水が加熱チューブ体17の流通部17aの水平部17a2から垂直部17a1、流通部17aの垂直部17a1から水平部17a2の流通を水平方向に繰り返しながら流通し、加熱チューブ体17の流出口部17cから流出されるものであり、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0033】
実施の形態4.
図16は実施の形態4による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。上述した実施の形態1においては、加熱チューブ体12が水平方向に螺旋状に巻回された場合について述べたが、この実施の形態4においては、加熱チューブ体18の流通部18aが水平方向に蛇行状に配置され、流入口部18bと流出口部18cを備えている。加熱チューブ体18の流通部18aはストーブ本体1の底板3の上面に配置された場合を示している。
【0034】
この実施の形態4における加熱チューブ体18の流通部18aに薪あるいは炭などの燃料が投入されることになり、加熱チューブ体18の流入口部18bから流入される水あるいは温水が加熱チューブ体18の流通部18aを水平方向に流通し、加熱チューブ体18の流出口部18cから流出されるものであり、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0035】
実施の形態5.
図17は実施の形態5による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。上述した実施の形態1においては、加熱チューブ体12が水平方向に螺旋状に巻回された場合について述べたが、この実施の形態5においては、加熱チューブ体19の流通部19aがストーブ本体1の前後方向に蛇行状に配置され、流入口部19bと流出口部19cを備えている。加熱チューブ体19の流通部19aはストーブ本体1の底板3の上面に配置された場合を示している。
【0036】
この実施の形態5における加熱チューブ体19の流通部19aに薪あるいは炭などの燃料が投入されることになり、加熱チューブ体19の流入口部19bから流入される水あるいは温水が加熱チューブ体19の流通部19aをストーブ本体1の前後方向に流通し、加熱チューブ体19の流出口部19cから流出されるものであり、上述した実施の形態1,4と同様の効果を奏する。
【0037】
実施の形態6.
図18は実施の形態6による可搬ストーブ装置における加熱チューブ体を示す斜視図である。上述した実施の形態1においては、加熱チューブ体12が水平方向に螺旋状に巻回された場合について述べたが、この実施の形態6においては、加熱チューブ体20の流通部20aが、流入口部20bと連通された流入ヘッダ部20a1と、流出口部20cに連通された流出ヘッダ部20a2と、流入ヘッダ部20a1と流出ヘッダ部20a2とに接続された複数の連通管体部20a3とにより構成され、加熱チューブ体20の流通部20aはストーブ本体1の底板3の上面に配置された場合を示している。
【0038】
この実施の形態6における加熱チューブ体20の流通部20aに薪あるいは炭などの燃料が投入されることになり、加熱チューブ体20の流入口部20bから流入される水あるいは温水が加熱チューブ体20の流通部20aの流入ヘッダ部20a1に流入し、流入ヘッダ部20a1から複数の連通管体部20a3をストーブ本体1の水平方向に流通し、複数の連通管体部20a3から流通部20aの流出ヘッダ部20a2に流入し、加熱チューブ体20の流出口部20cから流出されるものであり、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0039】
ところで、上述した各実施の形態においては、各加熱チューブ体がストーブ本体1の背面板5に取り付けられた場合について述べたが、これに限定されるものではなく、各加熱チューブ体が薪あるいは炭などの燃料を投入するための開閉蓋が設けられていない側の側面板に取り付けてもよく、同様の効果を奏する。
【0040】
また、上述した各実施の形態においては、排出口9が例えば天板2に設けられ、その天板2の排出口9に排煙筒体10が取り付けられた場合について述べたが、これに限定されるものではなく、ストーブ本体1の背面板5あるいは第1側面板6に排出口9を設け、その排出口9に排煙筒体10を取り付けてもよく、同様の効果を奏する。
【0041】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本願は、ストーブ本体の内部で発生する熱エネルギーを有効に利用可能な可搬ストーブ装置の実現に好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 ストーブ本体、2 天板、3 底板、4 正面板、5 背面板、6 第1側面板、7 第2側面板、9 排出口、10 排煙筒体、12 加熱チューブ体、17 加熱チューブ体、17a 流通部、17a1 垂直部、17a2 水平部、17b 流入口部、17c 流出口部、18 加熱チューブ体、18a 流通部、18b 流入口部、18c 流出口部、19 加熱チューブ体、19a 流通部、19b 流入口部、19c 流出口部、20 加熱チューブ体、20a 流通部、20a1 流入ヘッダ部、20a2 流出ヘッダ部、20a3 連通管体部、20b 流入口部、20c 流出口部