(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084751
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】装着型室内殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20230613BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230613BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20230613BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230613BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20230613BHJP
【FI】
A61L9/20
F21V33/00 450
F21V21/03 456
F21Y115:10
F21Y103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199008
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】503156448
【氏名又は名称】株式会社アルサ
(74)【代理人】
【識別番号】100126712
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 督生
(72)【発明者】
【氏名】関 孝人
(72)【発明者】
【氏名】川端 孝幸
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014RB03
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH17
4C180HH18
4C180HH19
4C180LL04
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】工事容易で設置場所を取らずに、照射範囲を適切に制限できる装着型室内殺菌装置を提供する。
【解決手段】本発明の装着型室内殺菌装置は、部屋天井に備わる照明装置用ソケットに装着可能な装着型室内殺菌装置であって、筐体と、前記筐体内部に備わる紫外線照射部と、前記紫外線照射部からの紫外線を、前記筐体の平面方向周囲に出力させる開口部と、前記筐体を、前記照明装置用ソケットに装着する装着部と、前記筐体に照明装置を接続する接続部と、を備え、前記部屋天井において、平面方向に向けて紫外線を照射可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋天井に備わる照明装置用ソケットに装着可能な装着型室内殺菌装置であって、
筐体と、
前記筐体内部に備わる紫外線照射部と、
前記紫外線照射部からの紫外線を、前記筐体の平面方向周囲に出力させる開口部と、
前記筐体を、前記照明装置用ソケットに装着する装着部と、
前記筐体に照明装置を接続する接続部と、を備え、
前記部屋天井において、平面方向に向けて紫外線を照射可能である、装着型室内殺菌装置。
【請求項2】
前記装着部は、
前記照明装置用ソケットに、前記筐体を物理的に取り付け固定し、
前記照明装置用ソケットから前記紫外線照射部への電力供給を可能とする、請求項1記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項3】
前記接続部は、
前記筐体に、前記照明装置を物理的に取り付け固定し、
前記照明装置用ソケットから前記照明装置への電力供給を可能とする、請求項1または2記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項4】
前記照明装置用ソケットから前記接続部を介した前記照明装置への電力供給を可能とする、電力伝達部を、更に備える、請求項3記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項5】
前記照明装置用ソケットは、前記紫外線照射部および前記照明装置を動作させるための電力を供給する、請求項4記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項6】
前記筐体は、前記部屋天井と前記照明装置に挟まれる位置で装着される、請求項1から5のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項7】
前記紫外線照射部は、前記部屋の略平面方向に向いた四方に備わる、請求項1から6のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項8】
前記開口部からの前記紫外線は、前記筐体が設置された部屋天井の高さにおいて、略平面方向に向けて出力される、請求項7記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項9】
前記開口部から出力される前記紫外線は、前記天井と前記照明装置とによって、その照射軸が収束させられる、請求項1から8のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項10】
前記筐体の直径は、前記照明装置の直径より小さい、請求項1から9のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項11】
前記紫外線照射部の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つは、前記照明装置のこれらの操作に連動する、請求項1から10のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項12】
前記紫外線照射部の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つは、前記照明装置へのこれらの操作とは独立している、請求項1から10のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項13】
前記部屋内部の所定位置の紫外線強度を測定する測定部を更に備え、
前記測定部での測定結果に基づいて、前記紫外線照射部の照射能力を制御する照射制御部を更に備える、請求項1から12のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項14】
前記紫外線照射部による紫外線照射に連動して、可視光を照射する照明部を更に備える、請求項1から13のいずれか記載の装着型室内殺菌装置。
【請求項15】
前記照明部は、部屋内部を、前記可視光で照らす、請求項14記載の装着型室内殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の照明装置用ソケットに装着されて、室内の空気に含まれる細菌やウイルスを殺菌できる装着型室内殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な感染症の流行が問題となっている。SARSやMERSといったある地域を基点として流行する感染症や、2020年に世界を襲った新型コロナウイルスなどの感染症などがたびたび問題となっている。このような感染症は、グローバル化の進展や世界中の人々や物品が移動する大移動の時代にあっては、地域にとどまることなく、このような感染症が世界中に広まる問題がある。
【0003】
あるウイルスや細菌に基づく感染症が収束しても、また別のウイルスや細菌による感染症の流行が始まる問題がある。あるいは、同じウイルスが変異して、流行期間を延ばしたり、新たな流行を引き起こしたりすることがある。このような感染症の流行や広がりが生じると、多くの人々の生活様式に影響を与える。
【0004】
例えば、日常生活の中でのマスク着用、手指消毒などの必要性が生じる。また、これら以外においても、衛生観念を高めることが求められている。
【0005】
上記は、ヒトに係る感染症であるが、ヒト以外でも、鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどの家畜などに流行する感染症の問題もたびたび生じている。家畜におけるウイルスや細菌による感染症が発生すると、畜産業者に大きな打撃になり経済活動や人々の食生活へ影響を与えてしまう。また、家畜における感染症が流行すると、ウイルス変異などによって家畜からヒトへの感染が始まる懸念もある。
【0006】
このように、グローバル化や物流のサプライチェーン、人口増加や人々の生活レベル向上に伴って、様々な感染症の問題が広まっている。これはヒトでも家畜などの動物でも同じであり、かつヒトと家畜との間でも同様である。
【0007】
上述のように、マスク着用や手指消毒などの生活様式や衛生対策が行われていても、ウイルスや細菌は、生活や行動の中で様々に存在する。人体から放出されたウイルスや細菌が空気中に浮遊したり、人体や物品に付着していたウイルスや細菌が浮遊したりすることがある。人が咳やくしゃみをすることによりウイルスや細菌が、空間に放出される。これにより、室内の空気中に含まれるウイルスや細菌が増加する問題がある。
【0008】
住宅、オフィス、ビル、公共施設、病院、介護施設、宿泊施設などの様々な施設においては、様々な部屋があり、この部屋内部で、ウイルスや細菌の殺菌が必要となっている。これらの施設は、複数の人が出入りしたり、不特定の来訪者が出入りしたりする。このため、これらの複数の人の出入りによって、外部から細菌やウイルスが持ち込まれることも多い。加えて、これらの施設は、複数の部屋に区分されている。このような部屋は、一定の広さに仕切られており、浸入した細菌やウイルスが残留しやすい。これらの残留した細菌やウイルスは、室内にいる人の健康へ影響を与える可能性がある。
【0009】
このような室内に付着していたり浮遊したりするウイルスや細菌を殺菌するために、紫外線を室内の物品や壁面などに照射して殺菌することが行われたりしている。しかし、室内の様々な場所に紫外線を照射することは、室内にいる人に紫外線が直接的に照射されて好ましくない。紫外線の一部には、人体への影響を与えるものがあるからである。
【0010】
また、室内全体に渡って紫外線を照射することは、殺菌と人体影響とのアンバランスを生じさせる懸念がある。これを超えて殺菌するには、紫外線の強度と範囲を大きくしなければならず、紫外線照射での人体へのマイナス影響も懸念される。
【0011】
これらの結果、紫外線照射を照射する範囲を絞って殺菌する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2019-205916号公報
【特許文献2】特開2016-32620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1は、筐体2と、室内の壁面に前記筐体2を取り付けるための取付部と、紫外線を照射する光源3と、前記光源3が照射する紫外線の照射範囲を絞る絞り部材4を備える室内殺菌装置を、開示する。
【0014】
特許文献2は、ファンなどにより生じた気流で筐体内に取り込んだ空気に、筐体内部で紫外線を照射して殺菌する室内殺菌装置を開示する。
【0015】
特許文献1の室内殺菌装置は、室内の壁の高い場所に取り付けられる。特許文献2の室内殺菌装置は、室内に置かれる。例えば、床や棚の上などに置かれる。
【0016】
(問題1)設置工事の負担が大きい、あるいは設置場所を取る問題
特許文献1の室内殺菌装置は、壁の上方に取り付け工事を行って取り付ける必要がある。工事の手間があるし、壁に空き部分がある必要がある。例えば、室内の壁の上方にはエアコンが取り付けられていることも多く、このエアコン取付で残っている場所に取り付けなければならない面倒もある。また、取り付け強度や耐久性などの対応も必要となる面倒がある。
【0017】
特許文献2の室内殺菌装置は、床や棚などの上に置くために、室内の場所や空間を減少させてしまう問題がある。住宅でも不便であるし、複数の人が仕事やその他の事情で室内を移動するオフィス、介護施設、病院、店舗などでは、室内に室内殺菌装置が設置されていることは不便である。動線を阻害するからである。
【0018】
(問題2)特許文献2の問題
特許文献2の室内殺菌装置は、ファンにより室内の空気を取り込んで筐体内部での紫外線照射により殺菌を行う。しかしながら、室内空間の空気全体を取り込む(循環させる)には程遠い少ない量の空気しか筐体内部には取り込めず、室内全体の殺菌能力は極めて低い問題がある。また、筐体内部を移動する時間での殺菌なので、殺菌が不十分で終わってしまう問題もある。
【0019】
(問題3)特許文献1の問題
特許文献1の室内殺菌装置は、紫外線を照射する範囲を、複数の板材を用いた絞り部材で絞り込むことを開示している。
【0020】
このため、光源から照射された紫外線は、複数の板材に衝突して反射を繰り返しながら、外部に収束された状態で発出される。板材に衝突するたびに紫外線が吸光されてしまい最終的に出力される紫外線の光量が減少する問題がある。すなわち、光源に供給されるエネルギーの一部が、無駄に消耗されてしまう問題がある。勿論、消費エネルギーに対する殺菌能力が落ちる問題もある。
このように従来技術においては、幾つかの問題があり、紫外線による室内空気の殺菌が不十分であった問題がある。
【0021】
本発明は、工事容易で設置場所を取らずに、照射範囲を適切に制限できる装着型室内殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題に鑑み、本発明の装着型室内殺菌装置は、部屋天井に備わる照明装置用ソケットに装着可能な装着型室内殺菌装置であって、
筐体と、
前記筐体内部に備わる紫外線照射部と、
前記紫外線照射部からの紫外線を、前記筐体の平面方向周囲に出力させる開口部と、
前記筐体を、前記照明装置用ソケットに装着する装着部と、
前記筐体に照明装置を接続する接続部と、を備え、
前記部屋天井において、平面方向に向けて紫外線を照射可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の装着型室内殺菌装置は、住宅、オフィス、種々の施設の部屋の天井に、一般的に備わっている照明装置用ソケットにそのまま装着できる。これにより、特別な工事は不要であり、設置のための負担や手間が大きく軽減できる。
【0024】
加えて、この装着型室内殺菌装置が照明装置用ソケットに装着されて、これに繋げて照明装置を装着できる。照明装置も使用可能である。つまり、天井と照明装置に挟まれるように、装着型室内殺菌装置が設置される。これにより、室内空間を狭くしたり置き場所に困ったりすることを防止できる。
【0025】
また、天井と照明装置の間に挟まれるので、装着型室内殺菌装置から照射される紫外線は、一定範囲に収束する。これにより、人体への照射懸念が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】室内殺菌装置が取り付けられた室内の状態を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が取り付けられた部屋の模式図である。
【
図3】本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置の斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1における装着された装着型室内殺菌装置の斜視図である。
【
図5】装着型室内殺菌装置が紫外線を照射している状態を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施の形態1における装着型紫外線装置による紫外線照射を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施の形態1における照明装置用ソケットへの装着を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施の形態1における接続部による照明装置の接続を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置1による紫外線照射を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置と照明装置との関係を示す説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置1が取り付けられた部屋の模式図である。
【
図12】本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置の内部ブロック図である。
【
図13】本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1の発明に係る装着型室内殺菌装置は、部屋天井に備わる照明装置用ソケットに装着可能な装着型室内殺菌装置であって、
筐体と、
前記筐体内部に備わる紫外線照射部と、
前記紫外線照射部からの紫外線を、前記筐体の平面方向周囲に出力させる開口部と、
前記筐体を、前記照明装置用ソケットに装着する装着部と、
前記筐体に照明装置を接続する接続部と、を備え、
前記部屋天井において、平面方向に向けて紫外線を照射可能である。
【0028】
この構成により、工事不要で取り付けが容易であり、天井付近の平面方向を紫外線照射して、部屋の殺菌状態を維持できる。
【0029】
本発明の第2の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1の発明に加えて、前記装着部は、
前記照明装置用ソケットに、前記筐体を物理的に取り付け固定し、
前記照明装置用ソケットから前記紫外線照射部への電力供給を可能とする。
【0030】
この構成により、装着型室内殺菌装置は、新たな電気配線工事などを必要とせず、部屋に備わっている照明装置用ソケットから電力供給を受ける。これにより、紫外線照射の動作を行える。
【0031】
本発明の第3の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1または第2の発明に加えて、前記接続部は、
前記筐体に、前記照明装置を物理的に取り付け固定し、
前記照明装置用ソケットから前記照明装置への電力供給を可能とする。
【0032】
この構成により、装着型室内殺菌装置および照明装置が、照明装置用ソケットからの電力で動作できる。結果として、照明装置用ソケットに装着型室内殺菌装置が取り付けられても、照明装置の使用への影響が生じない。
【0033】
本発明の第4の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第3の発明に加えて、前記照明装置用ソケットから前記接続部を介した前記照明装置への電力供給を可能とする、電力伝達部を、更に備える。
【0034】
この構成により、装着型室内殺菌装置を介して、照明装置に電力が供給される。
【0035】
本発明の第5の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第4の発明に加えて、前記照明装置用ソケットは、前記紫外線照射部および前記照明装置を動作させるための電力を供給する。
【0036】
この構成により、照明装置用ソケットにより、装着型室内殺菌装置および照明装置が動作できる。
【0037】
本発明の第6の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、前記筐体は、前記部屋天井と前記照明装置に挟まれる位置で装着される。
【0038】
この構成により、紫外線は、天井付近の平面方向への照射に収束される。
【0039】
本発明の第7の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、前記紫外線照射部は、前記部屋の略平面方向に向いた四方に備わる。
【0040】
この構成により、四方全体を紫外線照射することができる。
【0041】
本発明の第8の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第7の発明に加えて、前記開口部からの前記紫外線は、前記筐体が設置された部屋天井の高さにおいて、略平面方向に向けて出力される。
【0042】
この構成により、人体への照射影響が防止できる。また、対流により天井付近に移動する細菌やウイルスを殺菌しやすくなり、部屋全体の清浄性を維持できる。
【0043】
本発明の第9の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、前記開口部から出力される前記紫外線は、前記天井と前記照明装置とによって、その照射軸が収束させられる。
【0044】
この構成により、紫外線照射方向を収束させて、照射濃度を上げつつ人体への影響を防止できる。
【0045】
本発明の第10の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、前記筐体の直径は、前記照明装置の直径より小さい。
【0046】
この構成により、人体への紫外線照射を防止しやすい。
【0047】
本発明の第11の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、前記紫外線照射部の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つは、前記照明装置のこれらの操作に連動する。
【0048】
この構成により、照明装置を操作するだけで、装着型室内殺菌装置を操作できる。使用者にとって簡易である。
【0049】
本発明の第12の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、前記紫外線照射部の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つは、前記照明装置へのこれらの操作とは独立している。
【0050】
この構成により、照明装置が動作していない時間でも、装着型室内殺菌装置が動作できる。
【0051】
本発明の第13の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、前記部屋内部の所定位置の紫外線強度を測定する測定部を更に備え、
前記測定部での測定結果に基づいて、前記紫外線照射部の照射能力を制御する照射制御部を更に備える。
【0052】
この構成により、適切な紫外線照射をコントロールできる。
【0053】
本発明の第14の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、前記紫外線照射部による紫外線照射に連動して、可視光を照射する照明部を更に備える。
【0054】
この構成により、紫外線の照射状態を目視で視認することができる。
【0055】
本発明の第15の発明に係る装着型室内殺菌装置では、第14の発明に加えて、前記照明部は、部屋内部を、前記可視光で照らす。
【0056】
この構成により、照明装置の機能を兼用することもできる。
【0057】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0058】
(実施の形態)
【0059】
(発明者による分析)
図1は、室内殺菌装置が取り付けられた室内の状態を示す模式図である。
図1は、部屋100を側面から見た状態を示しており、部屋100内部を可視状態として示している。部屋100内部には、人300が存在している。部屋100がオフィスであれば、人300は、従業員であったり来客であったりする。あるいは、部屋100が公共施設であれば、人300は、訪問者や職員であったりする。
【0060】
部屋100内部には、細菌やウイルス(以下、「細菌等」という)30が存在している。この細菌等30は、部屋100内部で発生する気流によって、空中を浮遊している。この浮遊によって、細菌等30は、部屋100内部の様々な場所に充満する。
【0061】
室内殺菌装置200は、部屋100の壁110に設置される。室内殺菌装置1は、後述のように、紫外線を照射する。この紫外線が、細菌等30を照射することで、細菌等30を殺菌できる。このとき、
図1のように壁110に室内殺菌装置1が設置される場合には、室内殺菌装置1は、紫外線を壁110から対向する方向に向けて照射する。この照射範囲において、細菌等30を殺菌できる。
【0062】
(1)人体への照射の回避
部屋100内部には、人300が存在していることが多い。上記のように、部屋100の特性に応じて、従業員、来客、職員、入院患者など様々な種類の人300が在室している。室内殺菌装置200は、紫外線を照射することで、細菌等30を殺菌する。この紫外線は、人300が長時間浴びることは皮膚トラブルなどを初めとして好ましくないこともある。このため、室内殺菌装置1は、室内に設置されて紫外線を照射する場合に、部屋100内部の人300への紫外線の照射を回避することが必要である。
【0063】
(2)紫外線強度の減衰の抑制
部屋100においては、室内殺菌装置200による紫外線照射により、細菌等30を殺菌できる。このとき、光源から最終的に照射される紫外線強度の減衰が少ないことが重要である。
【0064】
紫外線強度の減衰が少ないことは、光源の消費エネルギーを削減できるメリットがある。あるいは、光源から最終的に照射される紫外線強度の減衰が少ないことで、殺菌能力を担保する必要がある。
【0065】
従来技術で説明したように、ルーバーやスリット板などによって、直進性や人300のいる下方への照射を制限する殺菌装置では、ルーバーやスリット板に紫外線が吸収されてしまう。このため、光源から最終的に照射される紫外線強度が減衰してしまい、殺菌能力が下がる問題がある。あるいは、殺菌能力を担保するためには、光源での消費エネルギーを上げなければならなくなる。これは、省エネや環境負荷の観点から好ましくない。
【0066】
本発明は、このような解析に基づいてなされたものである。
【0067】
(全体概要)
図2は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が取り付けられた部屋の模式図である。本発明の装着型室内殺菌装置1は、部屋100の天井120に備わる照明装置用ソケット50に装着される。すなわち、装着型室内殺菌装置1は、部屋100の天井120に備わる。
図1での従来技術とは相違する。また、照明装置用ソケット50に装着型室内殺菌装置1が装着され、この装着型室内殺菌装置1に照明装置50が取り付けられる。すなわち、装着型室内殺菌装置1は、天井120(照明装置用ソケット50)と照明装置60との間に挟まれる(サンドイッチのように挟まれる)状態で、装着される。また、この状態で使用される。
【0068】
すなわち、装着型室内殺菌装置1は、
図2に示されるように、照明装置用ソケット50と照明装置60の間に装着される。装着型室内殺菌装置1は、天井120に備わると共に、照明装置用ソケット50と照明装置60との間に装着される。これにより、装着型室内殺菌装置1は、
図2のように、平面方向に向けて紫外線を照射できる。これにより、天井付近に集まりやすい細菌やウイルスなど(細菌など)を、確実に殺菌できる。また、天井付近で平面方向に照射し、天井120と照明装置60に挟まれた空間で照射方向が収束されるので、部屋100の人体300に紫外線が照射される懸念もない。
【0069】
このように、殺菌の確実性と人体300への影響回避とを両立できる。
【0070】
また、装着型室内殺菌装置1は、部屋100の天井120に備わる照明装置用ソケット50に装着可能である。部屋100の天井120には、ほぼ必ず照明装置用ソケット50が備わっている。一般家屋、集合住宅、オフィス、病院、各種施設、店舗、工場などの様々な施設の部屋には、ほぼ必ず照明装置用ソケット50がその天井120に備わっている。
【0071】
すなわち、装着型室内殺菌装置1は、ほぼすべての部屋100において装着可能である。加えて、照明装置用ソケット50には、照明装置60を取り付けるのが普通である。装着型室内殺菌装置1は、様々な部屋100の天井120と照明装置60との間に装着されて使用される。装着において、特別な工事を必要とせず、また、既存の設備や照明装置60などの機器を阻害することもない。
【0072】
このように、本発明の装着型室内殺菌装置1は、多くの場所に容易に装着でき、確実性の高い殺菌と人体300への安全性の確保とを両立できる。
【0073】
(装置概要)
図3は、本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置の斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態1における装着された装着型室内殺菌装置の斜視図である。
【0074】
装着型室内殺菌装置1は、上述したように部屋100の天井120に備わる照明装置用ソケット50に装着可能である。装着型室内殺菌装置1は、筐体2,紫外線照射部3、開口部4、装着部5,接続部6と、を備える。筐体2は、装着型室内殺菌装置1の全体外形を構成する。
図2や
図4のように、天井120と照明装置60との間に装着される際の外形を構成する。
【0075】
筐体2は、樹脂、金属、合金、あるいはこれらの組み合わせなどで形成されればよい。
【0076】
紫外線照射部3は、筐体2内部に備わり、紫外線を照射する。紫外線照射部3は、発光素子31を備えており、この発光素子31の発光により紫外線を照射する。このとき、発光素子31の設定や制御などにより、発光する波長を切り替えることができる。紫外線波長域の波長の光を、紫外線照射部3は、照射できる。必要に応じて、いわゆるUC-A、UV-B、UV-Cなどのいずれかを照射すればよい。
【0077】
紫外線照射部3は、略平面方向に紫外線を照射する。
図4は、この状態を示している。
図4に示されるように、紫外線照射部3は、
図4のように、平面方向に対して紫外線20を照射する。これは、紫外線照射部3の紫外線照射方向の制御により実現される。
【0078】
この結果、
図2のように、天井120付近において平面方向への紫外線20の照射ができる。また、
図2のように、天井120と照明装置60との間に挟まれていることで、その照射軸が収束されるようになる。この収束によっても、紫外線照射部3から照射される紫外線20は、
図2,
図4のように平面方向に照射される。
【0079】
開口部4は、筐体2に備わる開口した部分である。開口部4は、紫外線照射部3からの紫外線を、筐体2の平面方向周囲に出力させる。紫外線照射部3そのものの照射方向の制御に加えて、開口部4の開口範囲の制御によって、紫外線照射部3は、平面方向周囲への紫外線20の照射を行える。
【0080】
開口部4は、平面方向に紫外線20の照射を収束させるように、部屋100の上下方向に対しての開口量や開口角度を持っていてもよい。上下方向の開口量や開口角度を制御することは、紫外線20の照射方向を平面方向に収束させることに繋がる。
【0081】
また、開口部4は、部屋100の平面方向に対しての開口量や開口角度を制御することでもよい。これにより、平面方向の全体に渡って紫外線20を照射するようにもできるし、平面方向の一部に紫外線20を照射することもできる。紫外線照射部3の構成により、紫外線照射部3は、平面方向周囲の360度全体に紫外線20を照射することもできる。このとき、開口部4の開口により、360度全体への照射をできるようにしたり、一部のみに照射をできるようにしたりできる。
【0082】
装着部5は、筐体2を照明装置用ソケット50に装着する。部屋100の天井120には、一般的には照明装置用ソケット50が備わっている。装着部5は、この照明装置用ソケット50に装着可能である。装着部5は、筐体2に備わっているので、装着部5が照明装置用ソケット50に装着されることで、筐体2が天井120に装着される。すなわち、装着型室内殺菌装置1は、天井120に装着される。
【0083】
接続部6は、筐体2に照明装置60を接続できる。接続部6も筐体2に備わっており、これにより筐体2の上部には照明装置用ソケット50が装着され、筐体2の下部には照明装置60が接続される。このようにして、装着型室内殺菌装置1は、天井120と照明装置60とに挟まれる形態となる。
【0084】
また、接続部6が照明装置60を接続して、照明装置用ソケット50から照明装置60に電力供給を可能とする(装着部5を介して)。これにより、部屋100においては、通常のように照明装置60を取り付けた状態にできる。これに加えて、照明装置60と天井120との間に、装着型室内殺菌装置1を備えることができる。
【0085】
結果として、
図5のように、部屋100内部において天井120付近の平面方向に対して、紫外線20を照射する状態を実現できる。
図5は、装着型室内殺菌装置が紫外線を照射している状態を示す模式図である。
【0086】
また、上述したように、装着型室内殺菌装置1は、装着位置から平面方向に紫外線20を照射する。また、天井120と照明装置60とに挟まれているので、人体300のある下方に照射されることはない。このため、
図6のように、上方を含む平面方向への紫外線照射とすることもできる(下方には照射されない)。
【0087】
これにより、天井120付近に舞い上がる空気やほこりなどに含まれる細菌やウイルスなどを殺菌することが、効率よくできる。勿論、下方への照射は制限されるので、人体300への影響は生じない。
【0088】
図6は、本発明の実施の形態1における装着型紫外線装置による紫外線照射を示す模式図である。
図6のように、平面方向と上方とを含む方向への紫外線20の照射がなされる。なお、上述した平面方向への照射は、平面方向に限定する意図ではなく、
図6のように、平面方向と上方とを含む照射と解釈されてもよい。
【0089】
次に各部について説明する。
【0090】
(装着部)
図7は、本発明の実施の形態1における照明装置用ソケットへの装着を示す模式図である。部屋100の天井120には、一般的に照明装置用ソケット50が備わっている。この照明装置用ソケット50は、規格によってその形状や構造が決まっていることが多い。物理的な装着をさせる嵌合部と、電気的な接続をさせる電気嵌合部とを備えている。
【0091】
装着部5は、この照明装置用ソケット50へ装着される。装着部5は、物理的嵌合と電気的な嵌合の両方により、装着される。装着部5の装着により、照明装置用ソケット50に筐体2を物理的に取り付け固定する。また、電気的な接続もされるので、装着部5は、照明装置用ソケット50から紫外線照射部3への電力供給を可能とする。
【0092】
装着部5は、照明装置用ソケット50へ照明装置を装着する場合と同じ構造を持っている。この同じ構造により、装着部5は、装着型室内殺菌装置1を物理的および電気的に装着できる。
【0093】
装着部5は、装着型室内殺菌装置1と一体であればよいが、使用者による装着を容易とするために、筐体2との取り外しが可能であることでもよい。
【0094】
(接続部)
図8は、本発明の実施の形態1における接続部による照明装置の接続を示す模式図である。
【0095】
接続部6は、照明装置60を筐体2に接続する(装着型室内殺菌装置1に接続する)。接続部6は、照明装置用ソケット50と同様の構造を有しており、照明装置60を物理的に接続すると共に電気的にも接続する。すなわち、接続部6は、照明装置用ソケット50の代用の機能を果たす。接続部6は、照明装置60を筐体2に物理的に接続して、結果として、天井120に接続したのと同じ状態にする。
【0096】
加えて、接続部6は、照明装置用ソケット50から照明装置60への電力供給を可能とする。すなわち、照明装置用ソケット50は、装着型室内殺菌装置1(紫外線照射部3)および照明装置60に電力を供給する。この供給により、
図4のような装着後において、装着型室内殺菌装置1は紫外線を外周に照射し、照明装置60は照明としての機能を実現する。
【0097】
装着型室内殺菌装置1は、照明装置用ソケット50から接続部6を介した照明装置60への電力供給を可能とする電力伝達部を更に備えることも好適である。電力伝達部が、照明装置60へ電力を供給して照明装置60が点灯できる。
【0098】
このように、照明装置用ソケット50は、室内殺菌装置1(紫外線照射部3)および照明装置60を動作させるための電力を供給できる。照明装置用ソケット50を通じて、装着および接続される装着型室内殺菌装置1と照明装置60とのそれぞれが動作可能となる。
【0099】
装着と接続の結果、
図6のように、筐体2は、天井120と照明装置60とに挟まれる位置に装着される。すなわち、サンドイッチ状態となる。このサンドイッチ状態になることで、
図9のような紫外線20の照射を実現できる。
図9は、本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置1による紫外線照射を示す模式図である。
図9のように、天井付近において、周囲に向けて紫外線20を照射する。天井120と照明装置60とに挟まれていることで、部屋100の下方には照射されない。結果として、人体300への影響を防止できる。
【0100】
(紫外線照射部)
紫外線照射部3は、紫外線を照射する。発光素子31を備えており、所定の波長域の紫外線を照射する。上述したように、必要や仕様に応じて、紫外線の中での帯域を変更してもよい。
【0101】
紫外線照射部3は、部屋100の略平面方向に向いた四方に備わることも好適である。
図3では、四方に発光素子31が備わっており、四方に紫外線を照射可能である。発光素子31は、電熱光源、蛍光灯光源、発光ダイオードなどの様々なものが使用されればよい。また、
図3のように、複数の発光素子31が備わることでもよいし、
図9のように単体の発光素子31が備わることでもよい。
【0102】
発光素子31が複数であることで、紫外線20の照射量や照射方向をより大きく制御することができる。発光素子31が単体であることで、コストを低減させることもできる。これらは、仕様や目的に合わせて選択されればよい。
【0103】
このようにして、開口部4からの紫外線20は、筐体2が設置された天井120の高さにおいて、略平面方向に向けて出力される。また、開口部4から出力される紫外線は、天井120と照明装置60とによって、照射軸が収束させられる。この収束により、紫外線20は、下方に照射されず、部屋100の人体300への照射や影響を防止できる。
【0104】
筐体2の直径は、照明装置60の直径より小さい。
図10は、この状態を示している。
図10は、本発明の実施の形態1における装着型室内殺菌装置と照明装置との関係を示す説明図である。
図10に示されるように、装着型室内殺菌装置1の外形を作る筐体2の直径は、照明装置60の直径よりも小さい。このような大きさの関係を有することで、装着型室内殺菌装置1からの紫外線20の照射は、人体300に当たらないようにできる。
【0105】
また、部屋100に装着型室内殺菌装置1が取り付けられていても、部屋100の住人や利用者に対して目立たなくなる。目立たないことで、室内の雰囲気や見た目をすっきりとさせることができる。室内の雰囲気やデザインへの悪影響を与えない。これは、
図1のような壁に設置する場合に比べて、極めて高いメリットである。
【0106】
また、ほとんどの部屋100には、照明装置用ソケット50が備わっており、どんな部屋100にでも、装着型室内殺菌装置1を取り付け可能である。壁や天井などにねじ孔を開けたり、電気コードを這わせたりなどの工事や電気工事を必要としない。ほとんどの部屋100に、装着型室内殺菌装置1を取り付けることが容易である。
【0107】
照明装置60と共に使用できるので、装着型室内殺菌装置1が、邪魔になることはない。また、照明装置用ソケット50を介して、装着型室内殺菌装置1と照明装置60に必要な電力が供給される。このため両方の機器を使用できる。当然に余分な電気工事などを必要としない。照明装置60は、装着型室内殺菌装置1を介して電力供給を受けるので、天井120の照明装置用ソケット50に取り付けるのと変わらずに照明装置60を普通と同じように使用できる。
【0108】
更に、既述したように、天井120と照明装置60に挟まれることで、紫外線20を平面方向に照射できる。これにより、下方の人体300への影響も防止できる。
【0109】
このように、実施の形態1における装着型室内殺菌装置1は、照明装置60を取り付けるのと併せて取り付け可能であり、照明装置60を使いながら装着型室内殺菌装置1も使用できる。部屋100においては、空気の対流により、上方に細菌やウイルスが移動しやすい。このような部屋100の上方が紫外線照射されることにより、殺菌が効率よく行われる。このように、多くの部屋100において、紫外線照射が常態的に行われる。これにより、殺菌が常態的に行われ、部屋100の清浄が維持される。
【0110】
(実施の形態2)
【0111】
次に実施の形態2について説明する。
【0112】
(紫外線照射部の起動)
【0113】
装着型室内殺菌装置1は、照明装置用ソケット50から電力供給を受ける。このため、照明装置60とは独立して動作することができる。この場合には、リモコンやスイッチなどにより、装着型室内殺菌装置1は起動される。具体的には、紫外線照射部3が起動される。同様に、リモコンやスイッチなどにより、装着型室内殺菌装置1は、停止される。すなわち、紫外線照射部3が停止される。
【0114】
また、仕様によっては、装着型室内殺菌装置1のリモコンやスイッチなどには、紫外線照射部3による照射量(出力レベル)や照射方向を切り替える機能が備わっていることもよい。この場合には、使用者によって、照射量や照射方向を切り替えることができる。
【0115】
このように、装着型室内殺菌装置1においては、紫外線照射部3の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つの操作が、照明装置60への操舵とは独立していることは好適である。独立していることで、照明装置60の不使用時であっても、紫外線照射が継続でき、部屋100の殺菌維持を行える。
【0116】
また、照明装置60の使用を必要としない場合、照明装置60が故障している場合などにおいても、装着型室内殺菌装置1を独立して使用可能とできる。装着型室内殺菌装置を独立して使用したい使用者にとって便利である。
【0117】
なお、装着型室内殺菌装置1のリモコンやスイッチは、独立した動作を操作可能であるが、照明装置60のリモコンなどに含まれていてもよい。すなわち、照明装置60のリモコンに、照明装置60の起動や停止のスイッチに加えて、装着型室内殺菌装置1の起動や停止のスイッチが含まれている。
【0118】
逆に、装着型室内殺菌装置1が、照明装置60に連動する態様であってもよい。紫外線照射部3の起動、停止および出力レベル変更の少なくとも一つが、照明装置60のこれらの操作に連動することも好適である。例えば、照明装置60の操作リモコンや操作スイッチは、紫外線照射部3に対する操作を兼ねている。
【0119】
すなわち、照明装置60を起動するのに連動して紫外線照射部3が紫外線照射を開始する。逆に、照明装置60を停止するのに連動して、紫外線照射部3の紫外線照射が停止する。例えば、照明装置60のリモコンやスイッチを操作して、照明装置60を起動させると、これに連動して装着型室内殺菌装置1が起動する。すなわち、紫外線照射部3による紫外線照射が開始される。
【0120】
逆に、照明装置60のリモコンやスイッチを操作して、照明装置60を停止させると、これに連動して紫外線照射部3による紫外線照射が停止する。
【0121】
このように、照明装置60の操作に装着型室内殺菌装置1の動作が連動することも好適である。使用者にとって、照明装置60を操作することだけで、装着型室内殺菌装置1の起動や停止を成業できるからである。これにより、装着型室内殺菌装置1の動作を容易かつ確実に把握できる。
【0122】
使用者は、装着型室内殺菌装置1を動作させるのを、照明装置60の操作によって行える。すなわち、照明装置60が点灯している間は装着型室内殺菌装置1が動作しているという判断をすることができる。
【0123】
以上のように、使用者にとっての便利、仕様、部屋100の使用態様などに応じて、装着型室内殺菌装置1の動作が照明装置と独立していてもよいし、連動していてもよい。
【0124】
(測定部)
【0125】
図11は、本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置1が取り付けられた部屋の模式図である。
図11の部屋100においては、壁110に紫外線強度を測定する測定部8が備わっている。
図12は、本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置の内部ブロック図である。
【0126】
測定部8は、部屋100内部の所定位置の紫外線強度を測定する。
図11では、紫外線照射を受ける壁110に備わっており、この位置での紫外線強度を測定する。また、装着型室内殺菌装置1は、照射制御部9を更に備える。照射制御部9は、紫外線照射部3の照射能力を制御する。
【0127】
照射制御部9は、測定部8での測定結果に基づいて、紫外線照射部3の照射能力を制御する。測定部8での測定結果において、紫外線強度が強すぎる場合には、照射制御部9は、紫外線照射部3の照射能力を低下させる。逆に、測定結果において紫外線強度が弱すぎる場合には、照射制御部9は、紫外線照射部3の照射能力を上昇させる。
【0128】
このように、測定部8の測定結果に基づいて、紫外線照射部3での紫外線強度を制御することで、殺菌能力の適切な維持を図ることができる。部屋100全体での殺菌能力が適切に維持される。
【0129】
測定部8は、
図11では壁110に取り付けられているが、それ以外の場所に設置されてもよい。
【0130】
(照明部)
図13は、本発明の実施の形態2における装着型室内殺菌装置の模式図である。紫外線20が照射されるが、紫外線は目で視認することができない。その波長域のためである。このため、使用者にとっては紫外線20が照射されているかを把握することが難しい。また、人体300に照射されることが無いかを確認することも難しい。
【0131】
装着型室内殺菌装置1は、紫外線の照射に合わせた可視光を照射する照明部10を更に備えることも好適である。照明部10は、紫外線照射部3の動作と連動して、可視光21を照射する。
図13では、紫外線20に合わせて可視光21が照射されている状態が示されている。
【0132】
なお、紫外線20は、実際には目で視認できないが、本明細書の図面では、理解のために光があるように示している。
【0133】
可視光21が紫外線20に連動して照射されることで、使用者は紫外線20が照射されていることを把握できる。また、照射範囲も把握でき、自身の安全性が確保されていることも把握できる。
【0134】
また、照明装置60が取り付けられない場合に対応して、照明部10は、照明装置60の代わりに部屋100を照らすこともよい。この場合には、紫外線20とは別個に部屋を可視光で照らして、照明装置60の代わりを実行する。
【0135】
このように照明部10が備わることでの、紫外線照射の確認や照明装置60の機能の兼用などが実現でき、利便性が高まる。
【0136】
また、部屋100に空気の対流を生じさせる空気循環装置を更に備えることも好適である。これにより、部屋100内部の空気が対流して上方に移動する。この移動によって、紫外線が照射される領域に、細菌やウイルスが集まることになり、部屋100全体の殺菌が確実になる。特に、連続的に殺菌出来て、清浄な状態が維持されやすくなる。
【0137】
なお、実施の形態1~2で説明された装着型室内殺菌装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0138】
1 装着型室内殺菌装置
2 筐体
3 紫外線照射部
31 発光素子
4 開口部
5 装着部
6 接続部
8 測定部
9 照射制御部
10 照明部
50 照明装置用ソケット
60 照明装置
100 部屋
110 壁
120 天井
300 人体