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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084763
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】電気化学反応セルスタックの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/247 20160101AFI20230613BHJP
   H01M 8/248 20160101ALI20230613BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20230613BHJP
   H01M 8/0247 20160101ALI20230613BHJP
   H01M 8/028 20160101ALI20230613BHJP
   C25B 13/02 20060101ALI20230613BHJP
   C25B 13/04 20210101ALI20230613BHJP
   C25B 9/77 20210101ALI20230613BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20230613BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20230613BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230613BHJP
【FI】
H01M8/247
H01M8/248
H01M8/0258
H01M8/0247
H01M8/028
C25B13/02 302
C25B13/04 302
C25B9/77
C25B9/23
C25B15/08 302
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199031
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】519322392
【氏名又は名称】森村SOFCテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】大橋 駿太
【テーマコード(参考)】
4K021
5H126
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021CA09
4K021DB04
4K021DB40
4K021DB43
4K021DB49
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA05
5H126AA08
5H126AA12
5H126AA13
5H126AA25
5H126BB06
5H126DD05
5H126EE11
5H126HH00
5H126JJ02
5H126JJ03
(57)【要約】
【課題】電気化学反応セルスタックにおけるガスシール性を向上させる。
【解決手段】本発明に係る電気化学反応セルスタックの製造方法は、用意工程と変形工程と締結工程とを備える。用意工程は、複数の単セルと第1部材と第2部材とを備える複合体であって、第1部材のうち、第2部材と対向する表面に突部が形成されており、かつ、第2部材は、永久変形する特性を有する複合体を用意する工程である。変形工程は、複合体に第1の方向の圧縮力を加えることにより、第1部材と第2部材との接触面積が大きくなるように、第2部材のうち、第1部材の突部と対向する表面を変形させる工程である。締結工程は、締結部材により複合体を第1の方向に締結する工程である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を含む単セルが前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、
前記空気極に面する空気室と、前記燃料極に面する燃料室と、の少なくとも一方である特定ガス室と前記特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定する第1部材と、
前記第1部材の前記第1の方向側に接触する第2部材であって、前記特定ガス室と前記特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定し、かつ、前記第1部材との境界が前記特定ガス室と前記流路との少なくとも一方に面する第2部材と、
前記電気化学反応ブロックを前記第1の方向に締結する締結部材と、を備える電気化学反応セルスタックの製造方法において、
複数の前記単セルと、前記第1部材と、前記第2部材と、を備える複合体であって、前記第1部材のうち、前記第2部材と対向する表面に突部が形成されており、かつ、前記第2部材は、永久変形する特性を有する複合体を用意する用意工程と、
前記複合体に前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第1部材と前記第2部材との接触面積が大きくなるように、前記第2部材のうち、前記第1部材の前記突部と対向する表面を変形させる変形工程と、
前記締結部材により前記複合体を前記第1の方向に締結する締結工程と、を備える電気化学反応セルスタックの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記変形工程は、前記締結工程を行う前に行う工程である、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記変形工程は、前記第2部材のうち、前記第1部材の前記突部と対向する表面の少なくとも一部において、前記第1の方向に、前記突部の前記第1の方向の最大幅の50%以上の長さだけ凹むようにする工程である、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記締結工程は、前記第1の方向視の位置が互いに異なる複数の前記締結部材により前記複合体を締結する工程であり、
いずれかの前記締結部材を第1締結部材とし、他のいずれかの前記締結部材を第2締結部材としたときに、
前記変形工程は、前記複合体のうち、少なくとも、前記第1の方向視において前記第1締結部材と前記第2締結部材とを結ぶ仮想直線の中点を含む特定領域に対し、前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第2部材の前記第1部材と対向する表面のうち、前記特定領域に位置する部分を変形させる工程である、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記用意工程は、前記第1部材と第3部材とを溶接する溶接工程であって、前記第1部材のうち、前記第1の方向視における特定部分に、レーザーを複数回当てることにより溶接ビードである前記突部が形成される溶接工程を含む工程であり、
前記変形工程は、少なくとも、前記第1の方向視において前記複合体のうち、前記特定部分と重なる部分に前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第2部材のうち、前記特定部分と対向する部分を変形させる工程である、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、電気化学反応セルスタックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCは、一般に、燃料電池スタックの形態で利用される。燃料電池スタックは、燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という。)を有する燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という。)が所定の方向(以下、「第1の方向」という。)に複数並べて配置された集合体である発電ブロックを備える。単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを備える。
【0003】
燃料電池スタックは、さらに、セパレータと空気極側フレームとを備える(例えば、特許文献1参照)。セパレータは、空気極に面する空間である空気室と、燃料極に面する空間である燃料室とを区画する部材であり、例えば金属により形成される。従って、セパレータは、空気室(および燃料室)を画定していると言える。空気極側フレームは、空気室を画定する部材であり、例えばマイカにより形成される。空気極側フレームは、セパレータの第1の方向側に接触しており、これにより、セパレータと空気極側フレームとの間のガスシール性が確保される。
【0004】
燃料電池スタックは、さらに締結部材(ボルトおよびナット)を備える。この締結部材によって、発電ブロック(ひいては燃料電池スタック)は第1の方向に締結されている。
【0005】
上述した燃料電池スタックは、複数の単セルとセパレータと空気極側フレームとを備える複合体を用意し、締結部材によって当該複合体を第1の方向に締結することにより製造される。締結部材によって当該複合体を第1の方向に締結することにより、セパレータのうち、空気極側フレームと対向する表面と空気極側フレームとが接触していない部分の面積が小さくなる。これにより、セパレータと空気極側フレームとの境界におけるガスシール性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-3795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の燃料電池スタックの製造過程において用意する複合体(複数の単セルとセパレータと空気極側フレームとを備える複合体)のセパレータのうち、空気極側フレームと対向する表面(以下、「空気極側表面」という。)に突部が形成されていることがある。例えば、セパレータのうち、空気極側表面とは反対の表面に、燃料電池スタックを構成する他の部材(例えば燃料極側フレーム)を溶接する際に、セパレータの空気極側表面に突部(溶接ビード)が形成される。このようにセパレータの空気極側表面に突部が形成されていると、締結部材によって複合体を第1の方向に締結した後においても、セパレータの空気極側表面と空気極側フレームとが接触していない部分の面積が十分に小さくならないことがある。そのため、上記従来の製造方法では、セパレータと空気極側フレームとの境界におけるガスシール性を十分に確保することができないおそれがある。
【0008】
なお、このような課題は、セパレータを、空気室と燃料室との少なくとも一方である特定ガス室と、特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定する第1部材に置き換えた構成においても共通の課題である。また、このような課題は、空気極側フレームを、第1部材の第1の方向側に接触する第2部材であって、特定ガス室と特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定し、かつ、第1部材との境界が特定ガス室と流路との少なくとも一方に面する第2部材に置き換えた構成においても共通の課題である。また、このような課題は、締結部材がボルトおよびナット以外の締結部材である構成においても共通の課題である。また、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)を構成する電解セル単位にも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解セルとをまとめて、電気化学反応単セルといい、燃料電池発電単位と電解セル単位とをまとめて、電気化学反応単位という。
【0009】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0011】
(1)本明細書に開示される電気化学反応セルスタックの製造方法は、電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を含む単セルが前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、前記空気極に面する空気室と、前記燃料極に面する燃料室と、の少なくとも一方である特定ガス室と前記特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定する第1部材と、前記第1部材の前記第1の方向側に接触する第2部材であって、前記特定ガス室と前記特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定し、かつ、前記第1部材との境界が前記特定ガス室と前記流路との少なくとも一方に面する第2部材と、前記電気化学反応ブロックを前記第1の方向に締結する締結部材と、を備える電気化学反応セルスタックの製造方法において、複数の前記単セルと、前記第1部材と、前記第2部材と、を備える複合体であって、前記第1部材のうち、前記第2部材と対向する表面に突部が形成されており、かつ、前記第2部材は、永久変形する特性を有する複合体を用意する用意工程と、前記複合体に前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第1部材と前記第2部材との接触面積が大きくなるように、前記第2部材のうち、前記第1部材の前記突部と対向する表面を変形させる変形工程と、前記締結部材により前記複合体を前記第1の方向に締結する締結工程と、を備える。
【0012】
変形工程を備えていない従来の製造方法においては、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面に突部が形成されていると、締結部材によって複合体をZ軸方向に締結した後においても、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積が十分に小さくならないことがある。そのため、上記従来の製造方法では、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を十分に確保することができないおそれがある。
【0013】
これに対し、本製造方法においては、変形工程を備えており、変形工程により、第2部材のうち、第1部材との境界に位置する部分を変形させる。そのため、本製造方法によれば、上記従来の製造方法と比較して、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0014】
(2)上記電気化学反応セルスタックの製造方法において、前記変形工程は、前記締結工程を行う前に行う工程である構成としてもよい。本製造方法によれば、変形工程が締結工程以降に行われる方法と比較して、より効果的に、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0015】
(3)上記電気化学反応セルスタックの製造方法において、前記変形工程は、前記第2部材のうち、前記第1部材の前記突部と対向する表面の少なくとも一部において、前記第1の方向に、前記突部の前記第1の方向の最大幅の50%以上の長さだけ凹むようにする工程である構成としてもよい。本製造方法によれば、突部のZ軸方向の最大幅の50%未満の長さだけ凹むように変形させる方法と比較して、より効果的に、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0016】
(4)上記電気化学反応セルスタックの製造方法において、前記締結工程は、前記第1の方向視の位置が互いに異なる複数の前記締結部材により前記複合体を締結する工程であり、いずれかの前記締結部材を第1締結部材とし、他のいずれかの前記締結部材を第2締結部材としたときに、前記変形工程は、前記複合体のうち、少なくとも、前記第1の方向視において前記第1締結部材と前記第2締結部材とを結ぶ仮想直線の中点を含む特定領域に対し、前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第2部材の前記第1部材と対向する表面のうち、前記特定領域に位置する部分を変形させる工程である構成としてもよい。本製造方法によれば、突部のZ軸方向の最大幅の50%未満の長さだけ凹むように変形させる方法と比較して、より効果的に、第1部材と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0017】
(5)上記電気化学反応セルスタックの製造方法において、前記用意工程は、前記第1部材と第3部材とを溶接する溶接工程であって、前記第1部材のうち、前記第1の方向視における特定部分に、レーザーを複数回当てることにより溶接ビードである前記突部が形成される溶接工程を含む工程であり、前記変形工程は、少なくとも、前記第1の方向視において前記複合体のうち、前記特定部分と重なる部分に前記第1の方向の圧縮力を加えることにより、前記第2部材のうち、前記特定部分と対向する部分を変形させる工程である構成としてもよい。
【0018】
ところで、第1部材の特定部分に形成される突部の高さは、他の部分に形成される突部の高さと比較して高くなりやすい。そのため、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積が大きくなりやすい。
【0019】
本製造方法においては、変形工程において、第1部材の突部の高さが高くなりやすい複合体の特定部分にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、複合体の特定部分を変形させる。そのため、特に効果的に、第1部材のうち、第2部材の突部と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0020】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、複数の電気化学反応単位を備える電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。
図2図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。
図3図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。
図4図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。
図5図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図6】本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を示すフローチャートである。
図7】本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を概略的に示す説明図である。
図8】本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.実施形態:
A-1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
【0023】
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態ではZ軸方向(上下方向))に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、Z軸方向(上下方向)に並べて配置された複数の発電単位102から構成される集合体(以下、「発電ブロック103」という)を上下から挟むように配置されている。一対の絶縁シート26は一対のエンドプレート104,106を上下から挟むように配置されている。上側のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、下側のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。なお、上記配列方向(Z軸方向、上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向の一例である。発電ブロック103は、特許請求の範囲における電気化学反応ブロックの一例である。
【0024】
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、一対のエンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、Z軸方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士がZ軸方向に連通して、上側のエンドプレート104から下側のエンドプレート106にわたってZ軸方向に延びる貫通孔108を構成している。以下の説明では、貫通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、貫通孔108と呼ぶ場合がある。
【0025】
各貫通孔108にはZ軸方向に延びるボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、発電ブロック103(ひいては燃料電池スタック100)はZ軸方向に締結されている。以下において、ボルト22と、当該ボルト22の両側に嵌められたナット24とからなる組合せを、「締結部材FM」(FMA、FMB、…、FMH)という。
【0026】
各ボルト22の軸部の外径は各貫通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各貫通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿入された貫通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿入された貫通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166(空気極114に面する空間)から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。なお、空気室166は、特許請求の範囲における特定ガス室の一例である。
【0027】
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22G)と、そのボルト22Gが挿入された貫通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22C)と、そのボルト22Cが挿入された貫通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176(燃料極116に面する空間)から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
【0028】
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、金属により形成されており、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図2に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図3に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Gの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Cの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
【0029】
図2および図3に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成する上側のエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成する下側のエンドプレート106の下側表面との間には、例えばガラス材料が結晶化して形成された絶縁シート26が介在している。ただし、ガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24と下側のエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26には、上述した各貫通孔108やガス通路部材27の本体部28の孔に連通する孔が形成されている。絶縁シート26により、絶縁シート26を挟んで配列方向に互いに隣り合う2つの導電性部材(例えば、ナット24と上側のエンドプレート104)が電気的に絶縁され、かつ、2つの導電性部材間のガスシール性が確保される。
【0030】
(エンドプレート104,106の構成)
各エンドプレート(上側のエンドプレート104、下側のエンドプレート106)は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
【0031】
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
【0032】
図4および図5に示すように、発電の最小単位である発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150と、を備えている。燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入される貫通孔108に対応する孔が形成されている。なお、上述したように発電単位102はZ軸方向に複数並べて配置されているため、単セル110もZ軸方向に複数並べて配置されていると言える。
【0033】
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。そのため、あるインターコネクタ150は、ある発電単位102における空気室166に面し、かつ、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における燃料室176(燃料極116に面する空間)に面する。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
【0034】
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極114および燃料極116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
【0035】
電解質層112は、矩形の平板形状部材であり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、矩形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、矩形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
【0036】
セパレータ120は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、例えば燃料極側フレーム140の形成材料と同じ材料により形成されている。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120は、空気室166(の一部)を画定している。セパレータ120により、空気室166と燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。さらに、セパレータ120には、上記各貫通孔108に対応する位置に、該セパレータ120をZ軸方向に貫通する孔120Aが形成されている。該孔120Aの内径は、他の層における貫通孔108(下記の孔130Aを除く)の内径より大きい。セパレータ120は、特許請求の範囲における第1部材の一例である。
【0037】
空気極側フレーム130は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材である。空気極側フレーム130は、永久変形する特性(本実施形態では可塑性)を有する絶縁体(マイカ等)により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気室166(の一部)を構成する。すなわち、空気極側フレーム130は、力により変形したとき、その力を除いてもその変形がもとに戻らないで残る性質を有している。また、空気極側フレーム130は、空気室166(の一部)を画定していると言える。空気極側フレーム130は、セパレータ120のZ軸方向(より詳細にはZ軸正方向)側に接触している。なお、Z軸正方向側は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側であると言える。より詳細には、空気極側フレーム130は、セパレータ120におけるZ軸正方向側の表面(後述する空気極側表面126)の周縁部と、インターコネクタ150におけるZ軸負方向側(空気極114に対向する側)の表面の周縁部とに接触している。すなわち、空気極側フレーム130は、セパレータ120とインターコネクタ150とにより挟持されている。そのため、空気極側フレーム130によって、空気室166のシール(コンプレッションシール)が実現される。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。換言すれば、空気極側フレーム130は、酸化剤ガス供給連通孔132および酸化剤ガス排出連通孔133(の一部)を画定している。さらに、空気極側フレーム130には、上記各貫通孔108に対応する位置に、該空気極側フレーム130をZ軸方向に貫通する孔130Aが形成されている。該孔130Aの内径は、他の層における貫通孔108(上記の孔120Aを除く)の内径より大きい。空気極側フレーム130は、特許請求の範囲における第2部材の一例である。酸化剤ガス供給連通孔132および酸化剤ガス排出連通孔133はそれぞれ、特許請求の範囲における特定ガス室に繋がる流路の一例である。
【0038】
セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bは、空気室166、酸化剤ガス供給連通孔132、および酸化剤ガス排出連通孔133に面している。
【0039】
燃料極側フレーム140は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120におけるZ軸負方向側(電解質層112に対向する側)の表面(後述する燃料極側表面125)の周縁部と、インターコネクタ150におけるZ軸正方向側(燃料極116に対向する側)の表面の周縁部とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
【0040】
燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116におけるZ軸負方向側(電解質層112に対向する側とは反対側)の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150におけるZ軸正方向側(燃料極116に対向する側)の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106の表面に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150との電気的接続が良好に維持される。
【0041】
空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114におけるZ軸正方向側(電解質層112に対向する側とは反対側)の表面と、インターコネクタ150におけるZ軸負方向側(空気極114に対向する側)の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102の空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104の表面に接触している。このように、空気極側集電体134は、空気極114とインターコネクタ150(または上側のエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。
【0042】
A-2.燃料電池スタック100の動作:
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
【0043】
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、出力端子として機能する一対のエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
【0044】
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2および図4に示すように、酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3および図5に示すように、燃料ガス排出連通孔143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
【0045】
A-3.燃料電池スタック100の製造方法:
図6は、本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を示すフローチャートである。図7および図8は、本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を概略的に示す説明図である。
【0046】
本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法は、例えば以下の通りである。なお、以下では、本製造方法において特有な部分のみを詳細に説明し、その他の部分については、例えば特開2020-113504号公報に記載の方法を採用すればよいため、詳細な説明は基本的に省略する。
【0047】
(複合体200の用意)
図7に示すように、複数の単セル110とセパレータ120と空気極側フレーム130とを備える複合体200を用意する(図6のS11)。空気極側フレーム130としては、上述したように、永久変形する特性を有するもの(マイカ等)を採用する。本実施形態では、複合体200は、単セル110とセパレータ120と空気極側フレーム130等を備える部材(以下、「接合前発電単位」という。)107がZ軸方向に複数並べて配置された積層体である。なお、図7では、複合体200のうち、互いに隣接する2つの接合前発電単位107のYZ断面構成が示されており、その他の部分の図示は省略されている。S11の工程は、特許請求の範囲における用意工程の一例である。以下、S11の工程を「用意工程S11」という。
【0048】
本実施形態の複合体200は、以下のように作製することができる。まず、図7に示すように、例えば特開2020-113504号公報に記載の方法により作製した単セル、セパレータ120、および空気極側フレーム130をZ軸方向に複数並べて配置させる。次に、セパレータ120のうち、燃料極側フレーム140に対向する表面(以下、「燃料極側表面」という。)125と、燃料極側フレーム140とを溶接する。具体的には、Z軸方向視におけるセパレータ120の外周123に沿ってセパレータ120のうち、空気極側フレーム130に対向する表面(以下、「空気側表面」という。)126(および燃料極側フレーム140の表面)にレーザーを当てていき、最終的にセパレータ120の外周123の全周にわたってレーザーを当てる。これにより、図8に示すように、セパレータ120の空気極側表面126のうち、Z軸方向においてセパレータ120の外周123の略全周にわたって、突部(溶接ビード)126Pが形成される。なお、図7では、突部126Pの構成(形状や個数)が簡略的に示されており図8では、突部126Pの形状についての図示は省略されている。突部126Pの高さ(Z軸方向の幅)は、例えば、10μm以上であり、100μm以下である。なお、セパレータ120の外周123の全周にわたってレーザーを当て終わる際等に、意図せずにセパレータ120のうち、既にレーザーを当てた部分(以下、「特定部分」という。)に再度レーザーが当たることが多い。一例として、レーザーの当て始めの部分である特定部分122(図8参照)に、レーザーが複数回当たることがある。特定部分122に形成される突部126Pは、レーザーが複数回当てられることにより形成されるものであると言える。なお、セパレータ120の特定部分122に形成される突部126Pの高さは、他の部分に形成される突部126Pの高さと比較して高くなりやすい。
【0049】
(空気極側フレーム130の表面135の変形)
次に、複合体200にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積が大きくなるように、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135を変形(永久変形)させる(図6のS12)。S12の工程は、特許請求の範囲における変形工程の一例である。以下、S12の工程を「変形工程S12」という。
【0050】
具体的には、図7および図8に示すように、複合体200を、空気極側フレーム130の表面135がセパレータ120の突部126Pと対向するようにし、プレス装置等の加圧機構(図示せず)を用いて、複合体200のうち、Z軸方向視において空気極側フレーム130の上記表面(空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面)135が位置する部分周辺にZ軸方向の圧縮力を加える。より具体的には、本実施形態では、後述するS13の工程で備え付ける複数の締結部材FM(ボルト22およびナット24)の位置を考慮した位置に圧縮力を加える。すなわち、図8に示すように、複合体200のうち、少なくとも、Z軸方向視において隣り合う2つの締結部材FM(例えば、締結部材FMAと締結部材FMB)を結ぶ仮想直線VLの中点Mを含む特定領域SF(SF1、…、SF8)に対し、Z軸方向の圧縮力を加える。なお、Z軸方向視において空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135の全域(本実施形態では、Z軸方向視におけるセパレータ120の外周123の全域)に圧縮力を加えるようにしてもよい。また、Z軸方向の一方の圧縮力を加える(例えば、複合体200を台に置き、治具により下方に加圧する)としてもよいが、Z軸方向の双方向の圧縮力を加える(例えば、複合体200をZ軸方向の両側から加圧する)としてもよい。
【0051】
上記のように複合体200にZ軸方向の圧縮力を加え、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135(より詳細には、特定領域SFに位置する部分136)を変形させる(凹ませる)ことにより、セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積が大きくなるようにする。
【0052】
セパレータ120と空気極側フレーム130との境界B(図7等参照)におけるガスシール性を向上させるためには、セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積がより大きくなるほど好ましく、本工程(変形工程S12)の前後において、セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積が10%以上向上することが特に好ましく、当該接触面積が20%以上向上することが更に好ましい。
【0053】
本実施形態の変形工程S12では、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135の少なくとも一部において、Z軸方向に、突部126PのZ軸方向の最大幅の50%以上の長さだけ凹むようにする。
【0054】
空気極側フレーム130の上記表面135(より詳細には、空気極側フレーム130の上記表面135のうち、セパレータ120の突部126Pに接触する位置)に形成される凹部の深さは、例えば、5μm以上であり、50μm以下である。
【0055】
セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積が大きくなりやすいように、複合体200にZ軸方向の圧縮力を加える際に、所定温度(例えば、50℃以上であり、1000℃以下である)で加熱することにより複合体200を軟化させてもよい。
【0056】
なお、変形工程S12により、セパレータ120の突部126Pが変形する(潰れる)こともある。従って、本製造方法を経て完成した燃料電池スタック100においては、セパレータ120に突部126Pが存在していることもあれば、セパレータ120に突部126Pが存在していないこともある。
【0057】
上述した本実施形態の製造方法は、いずれかの締結部材FM(ボルト22およびナット24)を第1締結部材(例えば締結部材FMA)とし、他のいずれかの締結部材FMを第2締結部材(例えば締結部材FMB)としたときに、複合体200のうち、少なくとも、Z軸方向視において第1締結部材と第2締結部材とを結ぶ仮想直線VLの中点Mを含む特定領域SF(SF1、…、SF8)に対し、Z軸方向の圧縮力を加えることにより、特定領域SFに位置する空気極側フレーム130のセパレータ120と対向する表面135を変形させる、という条件を満たしていると言える。
【0058】
(締結部材FMによる複合体200の締結)
次に、締結部材FM(ボルト22およびナット24)により複合体200をZ軸方向に締結する(図6のS13)。本実施形態では、図8に示すように、複数(具体的には8つ)の締結部材(FMA、FMB、…、FMH)が、セパレータ120の外周123に沿って互いに離隔しつつ並ぶようにする。以下、S13の工程を「締結工程S13」という。
【0059】
(残りの工程)
次に、複合体200をZ軸方向に加圧しつつ接合部124を硬化させる工程や、残りの組み立て等の工程を行うことにより(図6のS14)、上述した構成の燃料電池スタック100の製造が完了する。
【0060】
A-4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100は、発電ブロック103と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、締結部材FM(ボルト22およびナット24)とを備える。発電ブロック103は、電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向(上下方向)に互いに対向する空気極114および燃料極116とを含む単セル110がZ軸方向に複数並べて配置された集合体である。セパレータ120は、空気室166を画定する部材である。空気極側フレーム130は、セパレータ120のZ軸方向(より詳細にはZ軸正方向)側に接触している部材である。空気極側フレーム130は、酸化剤ガス供給連通孔132および酸化剤ガス排出連通孔133を画定している。空気極側フレーム130は、セパレータ120との境界Bが空気室166、酸化剤ガス供給連通孔132、および酸化剤ガス排出連通孔133に面している。締結部材FMは、発電ブロック103をZ軸方向に締結している。
【0061】
本実施形態の燃料電池スタック100の製造方法は、用意工程S11と、変形工程S12と、締結工程S13とを備える。用意工程S11は、複合体200を用意する工程である。複合体200は、複数の単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130とを備える部材である。セパレータ120のうち、空気極側フレーム130と対向する表面126に突部126Pが形成されている部材である。空気極側フレーム130は、永久変形する特性を有する。変形工程S12は、複合体200にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、セパレータ120と空気極側フレーム130との接触面積が大きくなるように、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135を変形させる工程である。締結工程S13は、締結部材FMにより複合体200をZ軸方向に締結する工程である。
【0062】
変形工程S12を備えていない従来の製造方法においては、セパレータ120の空気極側表面126に突部が形成されていると、締結部材FMによって複合体200をZ軸方向に締結した後においても、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積が十分に小さくならないことがある。そのため、上記従来の製造方法では、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を十分に確保することができないおそれがある。
【0063】
これに対し、本製造方法においては、変形工程S12を備えており、変形工程S12により、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120との境界Bに位置する部分を変形させる。そのため、本製造方法によれば、上記従来の製造方法と比較して、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を向上させることができる。
【0064】
なお、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性の観点から、変形工程S12において複合体200に加えるZ軸方向の圧縮力(面圧)は、大きいほど好ましく、例えば、締結工程S13において締結部材FMにより複合体200が締結されるときの圧縮力(面圧)以上であることが特に好ましい。
【0065】
本製造方法では、変形工程S12は、締結工程S13を行う前に行う工程である。そのため、本製造方法によれば、変形工程S12が締結工程S13以降に行われる方法と比較して、より効果的に、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を向上させることができる。
【0066】
本製造方法では、変形工程S12は、空気極側フレーム130のうち、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の突部126Pと対向する表面135の少なくとも一部において、Z軸方向に、突部126PのZ軸方向の最大幅の50%以上の長さだけ凹むようにする工程である。そのため、本製造方法によれば、突部126PのZ軸方向の最大幅の50%未満の長さだけ凹むように変形させる方法と比較して、より効果的に、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を向上させることができる。
【0067】
本製造方法では、締結工程S13は、Z軸方向視の位置が互いに異なる複数の締結部材FMにより複合体200を締結する工程である。いずれかの締結部材FMを第1締結部材(例えば締結部材FMA)とし、他のいずれかの締結部材FMを第2締結部材(例えば締結部材FMB)としたときに、変形工程S12は、複合体200のうち、少なくとも、Z軸方向視において第1締結部材と第2締結部材とを結ぶ仮想直線VLの中点Mを含む特定領域SF(SF1、…、SF8)に対し、Z軸方向の圧縮力を加えることにより、空気極側フレーム130のセパレータ120と対向する表面135のうち、特定領域SFに位置する部分136を変形させる工程である。そのため、本製造方法によれば、突部126PのZ軸方向の最大幅の50%未満の長さだけ凹むように変形させる方法と比較して、より効果的に、セパレータ120と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、より効果的に、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を向上させることができる。
【0068】
本製造方法は、用意工程S11は、セパレータ120と燃料極側フレーム140とを溶接する溶接工程を含む工程である。この溶接工程では、セパレータ120のうち、Z軸方向視における特定部分122に、レーザーを複数回当てることにより溶接ビードである突部126Pが形成される。変形工程S12は、少なくとも、Z軸方向視において複合体200のうち、セパレータ120の特定部分122と重なる部分にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、空気極側フレーム130のうち、セパレータ120の特定部分122と対向する部分136を変形させる工程である。
【0069】
ところで、セパレータ120の特定部分122に形成される突部126Pの高さは、他の部分に形成される突部126Pの高さと比較して高くなりやすい。そのため、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積が大きくなりやすい。
【0070】
本製造方法においては、変形工程S12において、セパレータ120の突部126Pの高さが高くなりやすい複合体200の特定部分122にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、複合体200の特定部分122を変形させる。そのため、特に効果的に、セパレータ120の空気極側表面126と空気極側フレーム130とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、セパレータ120と空気極側フレーム130との境界Bにおけるガスシール性を向上させることができる。
【0071】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0072】
上記実施形態では締結部材FMはボルト22およびナット24であるが、締結部材FMは発電ブロック103をZ軸方向に締結する部材であれば、ボルト22およびナット24以外のものであってもよい。
【0073】
上記実施形態では、複合体200は、単セル110とセパレータ120と空気極側フレーム130等を備える部材(以下、「接合前発電単位」という。)107がZ軸方向に複数並べて配置された積層体であるが、複合体200は、複数の単セル110とセパレータ120と空気極側フレーム130とを備える部材であれば、その構成が特に限定されるものではない。
【0074】
上記実施形態では、変形工程S12は、締結工程S13を行う前に行うとしているが、変形工程S12は締結工程S13以降に行うとしてもよい。
【0075】
セパレータ120以外の第1部材であって、空気室166と燃料室176との少なくとも一方である特定ガス室と特定ガス室に繋がる流路との少なくとも一方を画定する第1部材と、第1部材のZ軸方向側に接触する第2部材であって、空気室166と空気室166に繋がる流路との少なくとも一方を画定し、かつ、第1部材との境界が空気室166と流路との少なくとも一方に面する第2部材と、を備える燃料電池スタックの製造方法において、複合体200にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、第1部材と第2部材との接触面積が大きくなるように、第2部材のうち、第1部材の突部と対向する表面を変形させる変形工程を備える、としてもよい。この製造方法においても、上記従来の製造方法と比較して、第1部材のうち、第2部材と対向する表面と第2部材とが接触していない部分の面積を小さくすることができ、ひいては、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【0076】
第1部材や第2部材の構成(材質、形状など)は種々変更可能である。例えば、第1部材のうち、第2部材と対向する表面に形成される突部の構成(形状、個数、位置、など)は種々変更可能である。また、上記実施形態では当該突部は溶接ビードであるが、当該突部が溶接ビード以外の突部であってもよい。また、締結部材FMの個数や位置なども種々変更可能である。
【0077】
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。
【0078】
また、上記実施形態では、各ボルト22の軸部の外周面と各貫通孔108の内周面との間の空間を各マニホールドとして利用しているが、これに代えて、各ボルト22の軸部に軸方向の孔を形成し、その孔を各マニホールドとして利用してもよい。また、各マニホールドを各ボルト22が挿入される各貫通孔108とは別に設けてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合には、1つのインターコネクタ150が隣接する2つの発電単位102に共有されるとしているが、このような場合でも、2つの発電単位102がそれぞれのインターコネクタ150を備えてもよい。また、上記実施形態では、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ150や、最も下に位置する発電単位102の下側のインターコネクタ150は省略されているが、これらのインターコネクタ150を省略せずに設けてもよい。
【0080】
また、上記実施形態において、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
【0082】
また、上記実施形態において、都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスFGを得るとしているが、LPガスや灯油、メタノール、ガソリン等の他の原料から燃料ガスFGを得るとしてもよいし、燃料ガスFGとして純水素を利用してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解セル単位や、複数の電解セル単位を備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016-81813号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、貫通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、貫通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様に、複合体にZ軸方向の圧縮力を加えることにより、第1部材と第2部材との接触面積が大きくなるように、第2部材のうち、第1部材の突部と対向する表面を変形させる変形工程を備える製造方法とすれば、第1部材と第2部材との境界におけるガスシール性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0084】
24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:(ガス通路部材の)本体部 29:(ガス通路部材の)分岐部 100:燃料電池スタック 102:発電単位 103:発電ブロック 104,106:エンドプレート 107:接合前発電単位 108:貫通孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 120A:(セパレータの)孔 121:(セパレータの)孔 122:(セパレータの)特定部分 123:(セパレータの)外周 124:(セパレータ120と電解質層112とを接合する)接合部 125:(セパレータの)燃料極側表面 126:(セパレータの)空気極側表面 126P:(セパレータの)突部 130:空気極側フレーム 130A:(空気極側フレームの)孔 131:(空気極側フレームの)孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 135:(空気極側フレームの)表面 136:(空気極側フレームの)部分 140:燃料極側フレーム 141:(燃料極側フレームの)孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:(燃料極側集電体の)電極対向部 146:(燃料極側集電体の)インターコネクタ対向部 147:(燃料極側集電体の)連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 200:複合体 FG:燃料ガス FM(FMA、…、FMH):締結部材 FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス SF:特定領域
図1
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