(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084769
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】施療ユニット及びそれを備えたマッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20230613BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A61H7/00 323Q
A61H23/02 357
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199045
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 毅
【テーマコード(参考)】
4C074
4C100
【Fターム(参考)】
4C074AA04
4C074CC17
4C074FF09
4C074GG03
4C074HH02
4C100AD16
4C100CA06
4C100CA07
4C100DA04
4C100DA05
4C100DA06
4C100EA12
(57)【要約】
【課題】人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を提供する。
【解決手段】施療ユニットは、揉み玉と、駆動機構と、衝撃ユニットと、を備える。揉み玉は、被施療者を押圧可能である。駆動機構は、揉み玉を駆動する。衝撃ユニットは、揉み玉に衝撃を与える。衝撃ユニットは、ロッド部と、アクチュエータ部と、を有する。ロッド部は、軸方向に移動可能である。アクチュエータ部は、ロッド部を軸方向に駆動して揉み玉を打撃する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者を押圧可能な揉み玉と、
前記揉み玉を駆動する駆動機構と、
前記揉み玉に衝撃を与える衝撃ユニットと、
を備え、
前記衝撃ユニットは、
軸方向に移動可能なロッド部と、
前記ロッド部を軸方向に駆動して前記揉み玉を打撃するアクチュエータ部と、
を有する、施療ユニット。
【請求項2】
前記ロッド部は、
軸方向に延びて前記アクチュエータ部の駆動により一端が前記揉み玉又は前記揉み玉に取り付けられた部材に衝突する柱部と、
前記柱部に取り付けられる錘部と、
を有する、請求項1に記載の施療ユニット。
【請求項3】
前記アクチュエータ部は、前記揉み玉が押圧する被施療者の施療部位に向けて、前記揉み玉を前記ロッド部で打撃する、請求項1又は請求項2に記載の施療ユニット。
【請求項4】
前記ロッド部及び前記アクチュエータ部がソレノイドを構成する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の施療ユニット。
【請求項5】
前記ロッド部及び前記アクチュエータ部が流体シリンダを構成する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の施療ユニット。
【請求項6】
前記アクチュエータ部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記ロッド部を周期的に進退させるとともに、前記ロッド部が進退する振幅及び周期のうちの少なくとも一方を調節する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の施療ユニット。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の施療ユニットを備える、マッサージ機。
【請求項8】
前記被施療者の臀部を支持する座部と、
前記座部の後端部に接続され、前記被施療者の胴部及び首部を支持する背凭れ部と、
をさらに備え、
前記施療ユニットは、前記背凭れ部に配置され、
前記揉み玉は、前記被施療者の胴部及び首部のどちらかを押圧可能である、請求項7に記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記背凭れ部は、前記施療ユニットを前記背凭れ部の長手方向に移動可能に支持するガイド部を有する、請求項8に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部をさらに備え、
前記施療ユニットは、前記座部に配置され、
前記揉み玉は、前記被施療者の臀部及び大腿部の少なくとも一方を押圧可能である、請求項7に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者を施療する施療ユニット及びそれを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施療子(揉み玉)によって揉み(人体を挟む方向に動作)などの押圧施療を行うマッサージ機が知られている。また、施療子にバイブレータ及びヒーターなどを組み込むことで、上述の施療に振動及び温熱の刺激を組み合わせた施療ができるマッサージ機もある。
【0003】
なお、本発明に関連する従来技術の一例として、特許文献1は、前後に出没入可能な施療子が施療ユニットに設けられたマッサージ機を開示している。このマッサージ機は、施療子の突出によって揉捏・指圧などを行い、これにより、機械式施療で人の拇指による揉捏・指圧を再現することを試みている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、様々な施療方式が実現されているが、そのバリエーションは上述の施療方式に尽きず、更なるバリエーションが求められている。また、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした施療方式についても検討する余地がある。
【0006】
本発明は、上記の状況を鑑みて、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一の態様による施療ユニットは、揉み玉と、駆動機構と、衝撃ユニットと、を備える。前記揉み玉は、被施療者を押圧可能である。前記駆動機構は、前記揉み玉を駆動する。前記衝撃ユニットは、前記揉み玉に衝撃を与える。前記衝撃ユニットは、ロッド部と、アクチュエータ部と、を有する。前記ロッド部は、軸方向に移動可能である。前記アクチュエータ部は、前記ロッド部を軸方向に駆動して前記揉み玉を打撃する。
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一の態様によるマッサージ機は、上記の施療ユニットを備える。
【0009】
本発明の更なる特徴や利点は、以下に示す実施形態によって一層明らかにされる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の施療ユニット、マッサージ機によれば、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る椅子式マッサージ機の構成例を示す概略的な斜視図
【
図2】椅子式マッサージ機の動作を制御する制御系を示すブロック図
【
図3】第1実施形態に係る椅子式マッサージ機に搭載される施療ユニットの構成例を示す概略的な斜視図
【
図4】第1実施形態に係る椅子式マッサージ機に搭載される施療ユニットに設けた衝撃ユニットの構成例を示す概念的な断面図
【
図5】衝撃ユニットの第1変形例を示す概念的な断面図
【
図6】衝撃ユニットの第2変形例を示す概念的な断面図
【
図7】第2実施形態に係る椅子式マッサージ機の構成例を示す概略的な斜視図
【
図8】第2実施形態に係る椅子式マッサージ機に搭載される施療ユニットの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.第1実施形態>
以下に、
図1を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、椅子式マッサージ機100の構成例を示す概略的な斜視図である。また、以下では、椅子式マッサージ機100を「マッサージ機100」と称することがある。
【0013】
なお、以下の説明において、後述する背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て前側(正面側)を「前側」といい、背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て後側(背面側)を「後側」という。また、背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て上側(頭側)を「上側」といい、背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て下側(脚側)を「下側」という。また、背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て右側を「右側」といい、背凭れ部102が倒れていない状態のマッサージ機100に着座した被施療者Uから見て左側を「左側」という。
【0014】
<1-1.マッサージ機100>
マッサージ機100は、座部101と、背凭れ部102と、左右一対のベース部104と、左右一対の肘掛け部105と、オットマン106と、施療ユニット200と、を備える。
【0015】
施療ユニット200は、後述する揉み玉201の押圧による押圧施療のほか、後述する衝撃ユニット202によって揉み玉201が押圧する被施療者の施療部位に強い衝撃を伝える打撃施療を実施できる。本実施形態では、施療ユニット200は、背凭れ部102に配置されて、被施療者Uの胴部及び首部を施療可能である。マッサージ機100は、施療ユニット200を搭載することにより、後述するように、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を被施療者Uに提供することができる。
【0016】
座部101は、被施療者Uの臀部及び太腿部を支持する。
【0017】
背凭れ部102は、座部101の後端部に支持され、被施療者Uの頭、胴部(たとえば肩部、腰部、及び背中)及び首部などを支持する。背凭れ部102は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸(図示省略)を中心にして回転可能である。背凭れ部102は、リクライニング回転軸を中心とする回転により、後側に倒したり前側に起き上がったりすることが可能である。
【0018】
背凭れ部102は、左右一対のガイド部1021を有する。ガイド部1021は、背凭れ部102の長手方向に沿って延びて、施療ユニット200を該長手方向に移動可能に支持する。つまり、施療ユニット200は、ガイド部1021によって案内されて、背凭れ部102の長手方向に昇降可能である。こうすれば、マッサージ機100は、施療ユニット200の移動により、着座する被施療者Uの背中及び首部など施療部位に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。
【0019】
ガイド部1021は、施療ユニット200とともに、背凭れ部102のクッション部分の内部に配置される。本実施形態では、背凭れ部102の長手方向は、左右方向と垂直である。たとえば、左右一対のガイド部1021は、ガイドレール及びラック(符号省略)を有する。ラックは、施療ユニット200のピニオンギヤ(図示省略)と噛み合う複数の歯を有する。これらの歯は、ラックが延びる方向に並ぶ。ピニオンギヤの回転駆動により、施療ユニット200は、ガイドレールに案内されながら、ガイド部1021に沿って移動できる。
【0020】
ベース部104は、座部101の左右方向の両側に立設して設けられ、肘掛け部105を支持する。
【0021】
肘掛け部105は被施療者Uの前腕部及び手を支持する。左右一対の肘掛け部105は、互いに左右対称の形状である。
【0022】
オットマン106は、座部101の前端部に回転可能に支持され、被施療者Uの下腿部及び足部を収容する。オットマン106は、座部101の前端部の下側において左右方向に沿って延びる回転軸(図示省略)を中心にして回転可能である。オットマン106には、たとえば、膨縮により被施療者Uの下腿部を施療するエアバッグ(図示省略)が配置される。
【0023】
<1-2,マッサージ機100の制御系>
次に、
図2を参照して、マッサージ機100の制御系の構成例を説明する。
図2は、マッサージ機100の動作を制御する制御系を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、マッサージ機100は、操作部1071と、記憶部1072と、制御部108と、アクチュエータ群1091と、ポンプ1092と、電磁弁群1093と、をさらに備える。
【0025】
操作部1071は、被施療者Uが施療パターンの選択、施療の強弱調節、後述する着座位置の調整指示などを行うための入力装置である。操作部1071はコード線を介して制御部108に接続される。操作部1071は、被施療者Uなどの操作入力を受け付け、該操作入力に基づく信号を制御部108に出力する。操作部1071は、スタンド(符号省略)に対して装着及び取り外しが可能である。スタンドは、座部101の左側に配置された肘掛け部105に固定される。
【0026】
記憶部1072は、電力供給が停止しても記憶した情報を保持する非一過性の記憶媒体である。記憶部1072は、たとえば、制御部108がマッサージ機100の動作を制御するために必要なプログラム及びデータを記憶している。
【0027】
制御部108は、たとえば座部101の下側に配置され、操作部1071から出力される信号などに基づいて、マッサージ機100の各部を制御する。たとえば、制御部108は、アクチュエータ群1091、ポンプ1092、及び電磁弁群1093を制御する。さらに、制御部108は、施療ユニット200(たとえば後述する駆動機構204及びアクチュエータ部3)を制御する。
【0028】
アクチュエータ群1091は、複数のアクチュエータを含む。たとえば、アクチュエータ群1091は、背凭れ部102を回転させる背凭れ部用アクチュエータと、オットマン106を回転させるオットマン用アクチュエータとを含む。このほか、アクチュエータ群1091は、衝撃ユニット202のアクチュエータ部3(後述する
図4参照)などを含む。
【0029】
電磁弁群1093は、複数の電磁弁を含む。複数の電磁弁のうちの一部は、ポンプ1092と、マッサージ機100に設けられるエアバッグ群との間に設けられ、両者間の連通/遮断を切り替える。また、複数の電磁弁のうちの他の一部は、エアバッグ群と、外部との間に設けられ、両者間の連通/遮断を切り替える。
【0030】
たとえば、一部の電磁弁によりポンプ1092とエアバッグとが連通すると、ポンプ1092から電磁弁を介してエアバッグに空気などの流体が供給される。これにより、エアバッグが膨張する。一方、他の一部の電磁弁の動作により外部とエアバッグとが連通すると、エアバッグ内の流体が電磁弁を介して外部に開放される。これにより、エアバッグ内の流体が開放され、エアバッグが収縮する。また、各々の電磁弁の動作により、エアバッグがポンプ1092とも外部とも連通しなくなると、エアバッグ内の流体量が保持される。
【0031】
このほか、電磁弁群1093は、衝撃ユニット202の後述する排出口316,318に取り付けられる電磁弁などを含む(後述する
図5及び
図6参照)。
【0032】
<1-3.施療ユニット200の構成>
次に、
図1及び
図3を参照して、施療ユニット200の構成を説明する。
図3は、施療ユニット200の構成例を示す概略的な斜視図である。
【0033】
施療ユニット200は、左右一対の揉み玉201と、左右一対の衝撃ユニット202と、左右一対のアーム部203と、駆動機構204と、筐体205と、を備える。
【0034】
揉み玉201は、被施療者Uを押圧可能な施療子である。
【0035】
衝撃ユニット202は、揉み玉201に取り付けられ、揉み玉201に衝撃を与える。
【0036】
左右一対のアーム部203はそれぞれ、各々の揉み玉201と、揉み玉201に取り付けられた衝撃ユニット202と、を支持する。アーム部203の前端部には、揉み玉201及び衝撃ユニット202が取り付けられる。アーム部203の後端部は、駆動機構204に接続される。
【0037】
駆動機構204は、アーム部203とともに、揉み玉201を駆動する。たとえば、駆動機構204は、揉み玉201を前後方向、左右方向に移動させる。これにより、揉み玉201を被施療者Uの所定の施療部位を施療可能な位置に移動させることができる。また、駆動機構204は、揉み玉201を前後方向、左右方向において進退可能に移動させる。これにより、施療ユニット200は、施療部位を揉み玉201で押圧施療できる。
【0038】
筐体205は、駆動機構204を収容する。
【0039】
本実施形態では前述の如く、施療ユニット200は、背凭れ部102に配置される(
図1参照)。揉み玉201は、被施療者Uの胴部及び首部のどちらかを押圧可能である。こうすれば、マッサージ機100は、着座する被施療者Uの胴部(背中、腰など)又は首部に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。
【0040】
<1-3-1.衝撃ユニット202>
次に、
図4を参照して、衝撃ユニット202の構成を説明する。
図4は、衝撃ユニット202の構成例を示す概念的な断面図である。
図4は、中心軸CAを含む平面で切断した衝撃ユニット202の仮想的な断面構造を示す。
【0041】
衝撃ユニット202は、ハウジング1と、ロッド部2と、アクチュエータ部3と、を有する。
【0042】
ハウジング1は、ロッド部2及びアクチュエータ部3を内部に収容する。
【0043】
ロッド部2は、揉み玉201に対して進退可能である。揉み玉201に対してロッド部2が進退する方向を「軸方向D」と称する。また、軸方向Dのうち、ロッド部2が揉み玉201から遠ざかる向きを「軸方向一方D1」と称し、ロッド部2が揉み玉201に近付く向きを「軸方向他方D2」と称する。
【0044】
ロッド部2は、揉み玉201よりも軸方向一方D1に配置され、軸方向Dに移動可能である。アクチュエータ部3は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部に配置される。アクチュエータ部3は、ロッド部2を軸方向Dに駆動して揉み玉を打撃する。
【0045】
こうすれば、たとえば、施療ユニット200は、揉み玉201が被施療者Uを押圧した状態で、揉み玉201をロッド部2で打撃できる。これにより、施療ユニット200は、打撃による衝撃を揉み玉201に与え、衝撃ユニット202から揉み玉201に与えられる衝撃を揉み玉201が押圧する被施療者Uの施療部位に伝達できる。このとき、揉み玉201には、錘部22の慣性力に応じた強い衝撃が加わる。そのため、施療ユニット200は、強い衝撃を上述の施療部位に伝達できる。従って、施療ユニット200は、上述の施療部位に対して、押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を同時に行うことができる。よって、施療ユニット200は、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を被施療者Uに提供することができる。なお、柱部21と錘部22とが一体の場合にロッド部2の重量を大きくすることで同様に揉み玉201に強い衝撃を加えることができる。
【0046】
ロッド部2は、柱部21と、錘部22と、を有する。柱部21は、軸方向Dに延び、詳細には、軸方向Dと平行な中心軸CAに沿って延びる柱状である。後述するように、アクチュエータ部3の駆動により、柱部21の一端は、揉み玉201、又は揉み玉210に取り付けられた部材(後述する固定コア部32など)に衝突する。本実施形態では、柱部21の一端は、固定コア部32に衝突する。錘部22は、柱部21に取り付けられる。たとえば、錘部22は、金属製である。錘部22の重量は、柱部21よりも大きい。本実施形態では、錘部22は、柱部21とは別体である。但し、この例示に限定されず、錘部22は、柱部21と一体であってもよい。
【0047】
アクチュエータ部3は、柱部21を軸方向Dにおいて進退可能に駆動する。そして、アクチュエータ部3は、揉み玉201、又は、揉み玉201に取り付けられた部材に柱部21を衝突させる。これにより、施療ユニット200は、揉み玉201に対して打撃による衝撃を直接又は間接に与えることができる。
【0048】
好ましくは、アクチュエータ部3は、揉み玉201が押圧する被施療者Uの施療部位に向けて、揉み玉201をロッド部2で打撃する。本実施形態では、軸方向他方D2が施療部位に向かう方向である。アクチュエータ部3は、軸方向他方D2に向かってロッド部2を移動させる。打撃方向(衝撃の伝わる方向)は、揉み玉201が施療部位を押圧する方向と一致する。こうすれば、施療ユニット200は、上述の施療部位に向かって衝撃を与えることができる。従って、施療ユニット200は、衝撃による施療効果を向上できる。
【0049】
アクチュエータ部3は、前述の如く、制御部108により制御される。好ましくは、制御部108は、ロッド部2を周期的に進退させる。さらに好ましくは、制御部108は、ロッド部2が進退する振幅及び周期のうちの少なくとも一方を調節する。
【0050】
こうすれば、施療ユニット200は、衝撃による多彩な施療効果を被施療者Uに提供できる。
【0051】
たとえば、制御部108は、周期的に進退するロッド部2の軸方向Dにおける振幅を調節することにより、施療部位に伝達される衝撃の強さを変化させることができる。たとえば、制御部108は、ロッド部2が進退する振幅(軸方向幅)をより小さくすることにより、衝撃を弱めることができる。また、制御部108は、上述の振幅(軸方向幅)をより大きくすることにより、衝撃を強めることができる。
【0052】
また、制御部108は、ロッド部2が軸方向Dに進退する周期を調節することにより、衝撃による施療パターンを変化させることができる。
【0053】
なお、上述の例示は、アクチュエータ部3が手動操作される構成を排除しない。たとえば、アクチュエータ部3は、操作部1071が受け付ける操作入力などに基づいて動作してもよい。また、上述の例示は、ロッド部2が周期的に進退しない構成を排除しないし、ロッド部2の振幅及び周期の両方が調節できない構成も排除しない。
【0054】
図4では、ロッド部2及びアクチュエータ部3がソレノイドを構成する。
【0055】
たとえば、ロッド部2の少なくとも一部は、磁性体から成る。本実施形態では、柱部21の少なくとも一部が磁性体で構成される。また、錘部22は、柱部21の軸方向一方D1の端部に配置される。但し、この例示は、錘部22の配置が柱部21の軸方向一方D1の端部ではない構成を排除しない。たとえば、錘部22は、柱部21の軸方向他方D2の端部に配置される。この際、好ましくは、錘部22は、磁性体から成る。
【0056】
アクチュエータ部3は、ケース部31と、固定コア部32と、コイル部33と、通電部34と、付勢部材35と、を有する。
【0057】
ケース部31は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部に配置される。ケース部31は、柱部21の少なくとも軸方向他方D2側の部分と、固定コア部32と、コイル部33と、を収容する。
【0058】
ケース部31は、筒部311と、蓋部312,313と、を有する。筒部311は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部から軸方向一方D1に延びる筒状である。筒部311の軸方向一方D1側には、柱部21が挿通される。蓋部312は、筒部311の軸方向一方D1の端部から径方向内方に広がる。軸方向Dから見て、蓋部312の中央には、ロッド部2が挿通される開口(符号省略)が配置される。蓋部313は、筒部311の軸方向他方D2の端部から径方向内方に広がる。なお、蓋部313は、省略されてもよい。
【0059】
固定コア部32は、磁性体から成る。固定コア部32は、ロッド部2よりも軸方向他方D2に配置されて、揉み玉201に取り付けられる。詳細には、固定コア部32は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部に固定される。
【0060】
本実施形態では、ハウジング1、筒部311、蓋部312,313、及び固定コア部32は一体である。但し、この例示に限定されず、これらのうちの少なくとも一部は、他の一部と別体であってもよい。
【0061】
コイル部33は、筒部311の径方向内側面に配置される。コイル部33は、ロッド部2及び固定コア部32を囲む。詳細には、コイル部33は、中心軸CAを中心にしてロッド部2の少なくとも一部(たとえば、ロッド部2の磁性体から成る部分)及び固定コア部32を囲む。ロッド部2の磁性体から成る部分、及び固定コア部32は、コイル部33の通電により発生する磁界に応じて磁化し、互いに引き付け合う。これにより、ロッド部2は、軸方向他方D2に移動する。なお、磁界が消えると、両者の磁化は解除される。
【0062】
通電部34は、コイル部33に通電可能である。通電部34は、制御部108により制御される。通電部34は、電源を内蔵してもよいし、衝撃ユニット202の外部から電力供給を受けてもよい。
【0063】
付勢部材35は、軸方向Dにおいて高い弾性を有し、軸方向一方D1に向けてロッド部2を付勢する。なお、軸方向一方D1は、軸方向Dの揉み玉201とは反対側の向きである。詳細には、付勢部材35の軸方向一方D1の端部は、ロッド部2に接続され、本実施形態では錘部22に接続される。付勢部材35の軸方向他方D2の端部は、ケース部31の軸方向一方D1の端部に接続される。
【0064】
付勢部材35は、
図4では、柱部21を囲むスプリングコイルである。但し、付勢部材35は、
図4の例示に限定されない。たとえば、付勢部材35は、板バネであってもよいし、ゴムなどの弾性部材であってもよい。
【0065】
図4の構成によれば、アクチュエータ部3にソレノイドアクチュエータを採用できる。たとえば、アクチュエータ部3は、コイル部33の通電をONにすることによって、ロッド部2の磁性体から成る部分と固定コア部32とを磁化する。これにより、アクチュエータ部3は、固定コア部32に向かってロッド部2を軸方向他方D2(つまり揉み玉201側)に移動させる。これにより、アクチュエータ部3は、たとえば、揉み玉201に取り付けられた固定コア部32をロッド部2で打撃できる。また、ロッド部2(たとえば錘部22)でケース部31を打撃できるようにしてもよい。
【0066】
一方、アクチュエータ部3は、コイル部33の通電をOFFにすることによって、ロッド部2及び固定コア部32の磁化を解除できる。この際、付勢部材35は、磁化されていないロッド部2を軸方向一方D1(つまり揉み玉201とは反対側)に移動させる。
【0067】
従って、アクチュエータ部3は、コイル部33の通電のON/OFFを切り替えることにより、ロッド部2を軸方向Dにおいて進退可能に駆動できる。
【0068】
なお、ロッド部2を軸方向一方D1に移動させる手段は、付勢部材35に限定されない。たとえば、付勢部材35に代えて、ロッド部2を軸方向一方D1に移動させるためのソレノイド機構が配置されてもよい。該ソレノイド機構は、ロッド部2を軸方向他方D2に移動させるためのソレノイド機構(
図4参照)と同様に構成できる。
【0069】
<1-3-2.衝撃ユニット202の変形例>
次に、
図5及び
図6を参照して、衝撃ユニット202の変形例を説明する。
図5は、衝撃ユニット202の第1変形例を示す概念的な断面図である。
図6は、衝撃ユニット202の第2変形例を示す概念的な断面図である。なお、
図5及び
図6は、中心軸CAを含む平面で切断した衝撃ユニット202の仮想的な断面構造を示す。
【0070】
<1-3-2-1.第1変形例>
まず、
図5を参照して、衝撃ユニット202の第1変形例を説明する。ここでは、
図4と異なる衝撃ユニット202の構成を説明する。また、
図4と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0071】
図5では、ロッド部2及びアクチュエータ部3は流体シリンダ(たとえばエアシリンダ)を構成する。
【0072】
たとえば、ロッド部2は、鍔部23をさらに有する。鍔部23は、柱部21の径方向外側面から径方向外方に広がる。
【0073】
アクチュエータ部3は、ケース部31を有する。ケース部31は、揉み玉201に取り付けられる。ケース部31は、筒部311と、蓋部312,313と、内フランジ部314と、供給口315と、排出口316と、を有する。
【0074】
筒部311は、軸方向に延びる筒状であって、柱部21の一部(たとえば軸方向他方D2側の部分)と鍔部23とを収容する。
【0075】
蓋部312は、筒部311の軸方向一方D1の端部から、柱部21に向かって径方向内方に広がる。蓋部312は、径方向において柱部21と筒部311の軸方向一方D1の端部との間を覆う。なお、蓋部312に対して、柱部21は、軸方向Dに進退可能である。蓋部312の径方向内端部と柱部21との間には、好ましくは、空間S1を封止する封止部材(図示省略)が配置される。空間S1は、ケース部31の内部空間の一部であり、鍔部23、筒部311、及び蓋部312とで囲まれている。
【0076】
揉み玉201に近い方の蓋部313は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部に配置され、筒部311の軸方向他方D2の端部を覆う。なお、蓋部313は、省略されてもよい。
【0077】
内フランジ部314は、筒部311の内周面から径方向内方に突出し、周方向に延びる。内フランジ部314は、鍔部23よりも軸方向一方D1に配置され、鍔部23と軸方向に対向する。内フランジ部314は、ケース部31に対する柱部21の抜けを防止する。
【0078】
また、ケース部31は、供給口315と、排出口316と、をさらに有する。供給口315及び排出口316は、鍔部23及び内フランジ部314よりも軸方向一方D1に配置される。
【0079】
供給口315は、鍔部23と筒部311と蓋部312とで囲まれた空間S1に流体Fを供給可能である。たとえば、流体Fは、空気である。供給口315は、ポンプ1092に接続され、ポンプ1092から流体Fの供給を受けることができる。なお、流体Fは、空気以外の気体であってもよいし、液体であってもよい。また、供給口315は、ポンプ1092以外の流体供給部から、制御部108の制御により流体Fの供給を受けてもよい。
【0080】
排出口316は、空間S1内の流体Fを排出可能である。たとえば、アクチュエータ部3は、制御部108の制御に応じて、排出口316に取り付けられた電磁弁(符号省略)のON/OFFを切り替える。排出口316は、その電磁弁のON/OFFに応じて開閉される。
【0081】
また、アクチュエータ部3は、付勢部材35をさらに有する。付勢部材35は、軸方向に高い弾性を有し、軸方向一方D1に向けてロッド部2を付勢する。なお、軸方向一方D1は、軸方向Dの揉み玉201とは反対側の向きである。詳細には、付勢部材35の軸方向一方D1の端部は、ロッド部2に接続され、本実施形態では錘部22に接続される。付勢部材35の軸方向他方D2の端部は、ケース部31の軸方向一方D1の端部に接続される。
【0082】
付勢部材35は、
図5では、柱部21を囲むスプリングコイルである。但し、付勢部材35は、
図5の例示に限定されない。たとえば、付勢部材35は、板バネであってもよいし、ゴムなどの弾性部材であってもよい。
【0083】
図5によれば、アクチュエータ部3に流体シリンダを採用できる。たとえば、アクチュエータ部3は、ケース部31内の上記の空間S1に流体Fを供給し、空間S1内の流体Fの圧力を上昇させる。これにより、アクチュエータ部3は、ロッド部2を軸方向他方D2(つまり揉み玉201側)に移動させる。従って、アクチュエータ部3は、たとえば、揉み玉201に取り付けられたケース部31の一部をロッド部2で打撃できる。
【0084】
一方、アクチュエータ部3は、排出口316の電磁弁を開けて、ケース部31内の上記の空間S1内の流体Fを排出口316を介して排出する。これにより、空間S1内の流体Fの圧力が降下する。そして、付勢部材35は、ロッド部2を軸方向一方D1(つまり揉み玉201とは反対側)に移動させる。
【0085】
従って、アクチュエータ部3は、上記の空間S1に対する流体Fの供給/排出をそれぞれ切り替えることにより、ロッド部2を軸方向Dにおいて進退可能に駆動できる。
【0086】
なお、ロッド部2を軸方向一方D1に移動させる手段は、付勢部材35に限定されない。たとえば、
図5の構成において、ロッド部2を軸方向一方D1に移動させるための流体シリンダ機構が配置されてもよい(
図6参照)。
【0087】
<1-3-2-2.第2変形例>
図6を参照して、衝撃ユニット202の第2変形例を説明する。ここでは、
図4及び
図5と異なる衝撃ユニット202の構成を説明する。また、
図4及び
図5と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0088】
図6では、ケース部31は、供給口317及び排出口318をさらに有する。供給口317及び排出口318は、鍔部23よりも軸方向他方D2に配置される。
【0089】
供給口317は、空間S2に流体Fを供給可能である 。なお、空間S2は、ケース部31の内部空間の他の一部であり、鍔部23、筒部311、及び蓋部313(或いは揉み玉201の軸方向一方D1の端部)で囲まれている。たとえば、供給口317は、ポンプ1092に接続され、ポンプ1092から流体Fの供給を受けることができる。
【0090】
排出口318は、空間S2内の流体Fを排出可能である。たとえば、アクチュエータ部3は、制御部108の制御に応じて、排出口318に取り付けられた電磁弁(符号省略)のON/OFFを切り替える。排出口318は、その電磁弁のON/OFFに応じて開閉される。
【0091】
図6において、アクチュエータ部3は、ケース部31内の空間S1内での流体Fの圧力を空間S2内よりも大きくする。たとえば、アクチュエータ部3は、空間S1に流体Fを供給し、空間S2内の流体Fを排出口318を介して排出する。これにより、アクチュエータ部3は、ロッド部2を軸方向他方D2(つまり揉み玉201側)に移動させ、揉み玉201に取り付けられたケース部31の一部(たとえば蓋部313)をロッド部2で打撃できる。或いは、蓋部313が省略される場合、アクチュエータ部3は、揉み玉201の軸方向一方D1の端部をロッド部2で打撃できる。
【0092】
一方、ロッド部2を軸方向一方D1(つまり揉み玉201と反対側)に移動させる場合、アクチュエータ部3は、空間S2内での流体Fの圧力を空間S1内よりも大きくする。たとえば、アクチュエータ部3は、空間S1内の流体Fを排出口316を介して排出し、空間S2に流体Fを供給する。
【0093】
<2.第2実施形態>
次に、
図7及び
図8を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図7は、施療ユニット200の他の配置例を示す図である。
図8は、座部101に配置される施療ユニット200の構成例を示す概略的な斜視図である。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0094】
第2実施形態では、施療ユニット200は、座部101に配置される。揉み玉201は、被施療者Uの臀部及び大腿部の少なくとも一方を押圧可能である。揉み玉201及び衝撃ユニット202を支持するアーム部203は、左右方向に延びる回転軸RAを中心とする周方向に回転可能である。駆動機構204は、回転軸RAを中心としてアーム部203を回転させることにより、揉み玉201を上下方向に進退可能に駆動する。たとえば、駆動機構204は、左側から右側を見て反時計周りにアーム部203を回転させることにより、揉み玉201を上側に移動させる。また、駆動機構204は、左側から右側を見て時計周りにアーム部203を回転させることにより、揉み玉201を下側に移動させる。これらにより、施療ユニット200は、臀部,大腿部などの施療部位を揉み玉201で上下方向に押圧施療できる。
【0095】
図7及び
図8では、マッサージ機100は、着座する被施療者Uの臀部及び大腿部の少なくとも一方の施療部位に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。また、揉み玉201には、着座する被施療者Uの自重により、施療部位(つまり、臀部、大腿部)が強く押し付けられる。従って、マッサージ機100は、より強い衝撃を施療部位に伝達できる。よって、衝撃による施療効果が向上する。
【0096】
なお、第2実施形態のマッサージ機100には、第1実施形態の背凭れ部102に配置される施療ユニット200(
図3参照)がさらに配置されてもよい。
【0097】
<3.備考>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0098】
<4.まとめ>
上述の実施形態によれば、施療ユニット200は、被施療者Uを押圧可能な揉み玉201と、揉み玉201を駆動する駆動機構204と、揉み玉201に衝撃を与える衝撃ユニット202と、を備え、衝撃ユニット202は、軸方向Dに移動可能なロッド部2と、ロッド部2を軸方向Dに駆動して揉み玉201を打撃するアクチュエータ部3と、を有する構成とされる。
【0099】
この構成によれば、たとえば、施療ユニット200は、揉み玉201が被施療者Uを押圧した状態で、揉み玉201をロッド部2で打撃できる。これにより、施療ユニット200は、打撃による衝撃を揉み玉201に与え、衝撃ユニット202から揉み玉201に与えられる衝撃を揉み玉201が押圧する被施療者Uの施療部位に伝達できる。このとき、揉み玉201には、錘部22の慣性力に応じた強い衝撃が加わる。そのため、施療ユニット200は、強い衝撃を上述の施療部位に伝達できる。従って、施療ユニット200は、上述の施療部位に対して、押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を同時に行うことができる。よって、施療ユニット200は、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を被施療者Uに提供することができる。
【0100】
上記の施療ユニット200は、ロッド部2は、軸方向Dに延びてアクチュエータ部3の駆動により一端が揉み玉201又は揉み玉201に取り付けられた部材に衝突する柱部21と、柱部21に取り付けられる錘部22と、を有する構成であってもよい。
【0101】
この構成によれば、施療ユニット200は、揉み玉201に対して打撃による衝撃を直接又は間接に与えることができる。
【0102】
上記の施療ユニット200は、アクチュエータ部3は、揉み玉201が押圧する被施療者Uの施療部位に向けて、揉み玉201をロッド部2で打撃する構成であってもよい。
【0103】
この構成によれば、施療ユニット200は、上述の施療部位に向かって衝撃を与えることができる。従って、施療ユニット200は、衝撃による施療効果を向上できる。
【0104】
上記の施療ユニット200は、ロッド部2及びアクチュエータ部3がソレノイドを構成する構成であってもよい。たとえば、上記の施療ユニット200は、ロッド部2の少なくとも一部は、磁性体から成り、アクチュエータ部3は、磁性体から成り、揉み玉201に取り付けられる固定コア部32と、ロッド部2及び固定コア部32を囲むコイル部33と、コイル部33に通電可能な通電部34と、を有する。
【0105】
この構成によれば、アクチュエータ部3にソレノイドアクチュエータを採用できる。たとえば、アクチュエータ部3は、コイル部33の通電をONにすることによって、ロッド部2の磁性体から成る部分と固定コア部32とを磁化する。これにより、アクチュエータ部3は、固定コア部32に向かってロッド部2を軸方向他方D2(つまり揉み玉201側)に移動させる。これにより、アクチュエータ部3は、たとえば、揉み玉201に取り付けられた固定コア部32をロッド部2で打撃できる。
【0106】
上記の施療ユニット200は、ロッド部2及びアクチュエータ部3が流体シリンダを構成する構成であってもよい。たとえば、上記の施療ユニット200は、ロッド部2は、柱部21の径方向外側面から径方向外方に広がる鍔部23をさらに有し、アクチュエータ部3は、揉み玉201に取り付けられるケース部31を有し、ケース部31は、軸方向Dに延びる筒状であって柱部21の一部と鍔部23とを収容する筒部311と、径方向において柱部21と筒部311の軸方向一方D1の端部との間を覆う蓋部312と、鍔部23と筒部311と蓋部312とで囲まれた空間S1に流体Fを供給可能な供給口315と、を有する構成であってもよい。
【0107】
この構成によれば、アクチュエータ部3に流体シリンダを採用できる。たとえば、アクチュエータ部3は、ケース部31内の上記の空間S1に流体Fを供給し、空間S1内の流体Fの圧力を上昇させる。これにより、アクチュエータ部3は、ロッド部2を軸方向他方D2(つまり揉み玉201側)に移動させる。従って、アクチュエータ部3は、たとえば、揉み玉201に取り付けられたケース部31の一部をロッド部2で打撃できる。
【0108】
上記の施療ユニット200は、アクチュエータ部3を制御する制御部108をさらに備え、制御部108は、ロッド部2を周期的に進退させるとともに、ロッド部2が進退する振幅及び周期のうちの少なくとも一方を調節する構成であってもよい。
【0109】
この構成によれば、施療ユニット200は、衝撃による多彩な施療効果を被施療者Uに提供できる。たとえば、制御部108は、周期的に進退するロッド部2の軸方向における振幅を調節することにより、施療部位に伝達される衝撃の強さを変化させることができる。たとえば、制御部108は、ロッド部2が進退する振幅(軸方向幅)をより小さくすることにより、衝撃を弱めることができる。また、制御部108は、ロッド部2が進退する振幅(軸方向幅)をより大きくすることにより、衝撃を強めることができる。また、制御部108は、ロッド部2が軸方向Dに進退する周期を調節することにより、衝撃による施療パターンを変化させることができる。
【0110】
上述の実施形態によれば、マッサージ機100は、上記の施療ユニット200を備える構成とされる。
【0111】
この構成によれば、マッサージ機100は、施療ユニット200を搭載することにより、人の手では実現できない機械式施療の強みを生かした新たな施療を被施療者Uに提供することができる。
【0112】
上記のマッサージ機100は、被施療者Uの臀部を支持する座部101と、座部101の後端部に接続され、被施療者Uの胴部及び首部を支持する背凭れ部102と、をさらに備え、施療ユニット200は、背凭れ部102に配置され、揉み玉201は、被施療者Uの胴部及び首部のどちらかを押圧可能である構成であってもよい。
【0113】
この構成によれば、マッサージ機100は、着座する被施療者Uの胴部(背中、腰など)又は首部に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。
【0114】
上記のマッサージ機100は、背凭れ部102は、施療ユニット200を背凭れ部102の長手方向に移動可能に支持するガイド部1021を有する構成であってもよい。
【0115】
この構成によれば、マッサージ機100は、施療ユニット200の移動により、着座する被施療者Uの背中及び首部などの施療部位に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。
【0116】
上記のマッサージ機100は、被施療者Uの臀部及び大腿部を支持する座部101をさらに備え、施療ユニット200は、座部101に配置され、揉み玉201は、被施療者Uの臀部及び大腿部の少なくとも一方を押圧可能である構成であってもよい。
【0117】
この構成によれば、マッサージ機100は、着座する被施療者Uの臀部及び大腿部の少なくとも一方の施療部位に押圧及び強い衝撃からなる二重の施療を行うことができる。また、揉み玉201には、着座する被施療者Uの自重により、施療部位(つまり、臀部、大腿部)が強く押し付けられる。従って、マッサージ機100は、より強い衝撃を施療部位に伝達できる。よって、衝撃による施療効果が向上する。
【符号の説明】
【0118】
100 (椅子式)マッサージ機
101 座部
102 背凭れ部
1021 ガイド部
104 ベース部
105 肘掛け部
106 オットマン
1071 操作部
1072 記憶部
108 制御部
1091 アクチュエータ群
1092 エアポンプ
1093 電磁弁群
200 施療ユニット
201 揉み玉
202 衝撃ユニット
203 アーム部
204 駆動機構
205 筐体
1 ハウジング
2 ロッド部
21 柱部
22 錘部
23 鍔部
3 アクチュエータ部
31 ケース部
311 筒部
312,313 蓋部
314 内フランジ部
315,317 供給孔
316,318 排出孔
32 固定コア部
33 コイル部
34 通電部
35 付勢部材
F 流体
S1,S2 空間
CA 中心軸
RA 回転軸