(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084824
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230613BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199152
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】519188640
【氏名又は名称】株式会社Tixplus
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 宗多朗
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】君塚 祐司
(72)【発明者】
【氏名】冨田 文則
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】イベントの円滑な振替を促進可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】イベント管理装置101は、第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、イベント情報に関連付けられ、複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第1イベントへの参加権を示す第1参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第2イベントへの参加権を示す第2参加情報と、が記憶される記憶部301と、管理ユーザから、第1参加情報と第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得部305と、レート情報に基づいて、参加ユーザの第1参加情報を参加ユーザの第2参加情報に変換する参加情報変換部306と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、
前記イベント情報に関連付けられ、前記複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第1イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第2イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、が記憶される記憶部と、
前記複数のイベントを管理する管理ユーザから、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得部と、
前記レート情報に基づいて、前記参加ユーザの前記第1参加情報を前記参加ユーザの前記第2参加情報に変換する参加情報変換部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1イベントと前記第2イベントとは、異なる日において開催されるイベントである、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1イベントと前記第2イベントとは、同じ日の異なる時間帯において開催されるイベントである、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記第1イベント及び前記第2イベントには、前記第1イベント及び前記第2イベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、
前記第1参加情報は、前記複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる前記参加ユーザの前記第1イベントへの参加権を示し、
前記第2参加情報は、前記複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる前記参加ユーザの前記第2イベントへの参加権を示し、
前記参加情報変換部は、共通する提供ユーザ間で、前記第1参加情報を前記第2参加情報に変換する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記第1イベント及び前記第2イベントには、前記第1イベント及び前記第2イベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、
前記第1参加情報は、前記複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる前記参加ユーザの前記第1イベントへの参加権を示し、
前記第2参加情報は、前記複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる前記参加ユーザの前記第2イベントへの参加権を示し、
前記参加情報変換部は、前記複数の提供ユーザのうち一部の提供ユーザに関連付けられる前記第1参加情報を、前記一部の提供ユーザに関連付けられる前記第2参加情報に変換する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記第1参加情報に基づく第1電子チケット及び前記第2参加情報に基づく第2電子チケットを前記参加ユーザのユーザ端末に表示するためのチケット情報を、前記ユーザ端末に送信するチケット情報送信部、をさらに備える、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価でない変換レートを示す、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価な変換レートを示す、情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、
前記イベント情報に関連付けられ、前記複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第1イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第2イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、を記憶部に記憶することと、
前記複数のイベントを管理する管理ユーザから、第1参加情報と前記第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得することと、
前記レート情報に基づいて、前記参加ユーザの前記第1参加情報を前記参加ユーザの前記第2参加情報に変換することと、を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、
前記イベント情報に関連付けられ、前記複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第1イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、
前記基本参加情報に基づいて前記参加ユーザに割り当てられ、前記第2イベントへの前記参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、に基づいて、
前記複数のイベントを管理する管理ユーザから、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得処理と、
前記レート情報に基づいて、前記参加ユーザの前記第1参加情報を前記参加ユーザの前記第2参加情報に変換する参加情報変換処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なイベントにおいて、イベント参加者に対して発券された電子チケットを用いて、イベントへの参加を管理することが行われている。特許文献1には、電子チケットの購入者が、他の電子チケットとの関連性や優位性などの特徴を視覚的に区別することを可能とするプログラム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子チケットを用いて管理されるイベントの一つに、アーティスト、タレント、又はプロスポーツ選手等(以下アーティスト等という)とそのファンとの間の交流イベントがある。交流イベントは、例えば、アーティスト等とファンとの会話や写真撮影やアーティスト等からサインを受け取る等の形態で行われる。これらの交流イベントは、イベント会場においてアーティスト等とファンとが直接対面する形態のリアルイベントとして行われることが多い。
【0005】
リアルイベントは会場にアーティスト等とファンとが集まって開催されることが多く、例えば、自然災害や感染症対策のためにリアルイベントの中止又は内容の変更等をせざるを得ない場合がある。このように、イベントが中止又は内容変更となり、当初のイベント内容とは異なるイベントとなる場合、イベントの管理者にはイベントの振替等を行う必要が生じ得る。このような場合のイベントの再調整は管理者にとって作業負担の大きいものである。
【0006】
そこで、本発明は、イベントの円滑な振替を促進可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、イベント情報に関連付けられ、複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第1イベントへの参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第2イベントへの参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、が記憶される記憶部と、複数のイベントを管理する管理ユーザから、第1参加情報と第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得部と、レート情報に基づいて、参加ユーザの第1参加情報を参加ユーザの第2参加情報に変換する参加情報変換部と、を備える。
【0008】
上記態様において、第1イベントと第2イベントとは、異なる日において開催されるイベントであってもよい。
【0009】
上記態様において、第1イベントと第2イベントとは、同じ日の異なる時間帯において開催されるイベントであってもよい。
【0010】
上記態様において、情報処理装置では、第1イベント及び第2イベントには、第1イベント及び第2イベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、第1参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる参加ユーザの第1イベントへの参加権を示し、第2参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる参加ユーザの第2イベントへの参加権を示してもよく、参加情報変換部は、共通する提供ユーザ間で、第1参加情報を第2参加情報に変換してもよい。
【0011】
上記態様において、情報処理装置では、第1イベント及び第2イベントには、第1イベント及び第2イベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、第1参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる参加ユーザの第1イベントへの参加権を示し、第2参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる参加ユーザの第2イベントへの参加権を示してもよく、参加情報変換部は、複数の提供ユーザのうち一部の提供ユーザに関連付けられる第1参加情報を、一部の提供ユーザに関連付けられる第2参加情報に変換してもよい。
【0012】
上記態様において、情報処理装置は、第1参加情報に基づく第1電子チケット及び第2参加情報に基づく第2電子チケットを参加ユーザのユーザ端末に表示するためのチケット情報を、ユーザ端末に送信するチケット情報送信部、をさらに備えてもよい。
【0013】
上記態様において、情報処理装置では、レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価でない変換レートを示してもよい。また、情報処理装置では、レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価な変換レートを示してもよい。
【0014】
本発明の他の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、イベント情報に関連付けられ、複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第1イベントへの参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第2イベントへの参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、を記憶部に記憶することと、複数のイベントを管理する管理ユーザから、第1参加情報と第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得することと、レート情報に基づいて、参加ユーザの第1参加情報を参加ユーザの第2参加情報に変換することと、を含む。
【0015】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1開催態様で開催される第1イベントと、第2開催態様で開催される第2イベントとを含む複数のイベントを示すイベント情報と、イベント情報に関連付けられ、複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第1イベントへの参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第2イベントへの参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、に基づいて、複数のイベントを管理する管理ユーザから、第1参加情報と第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得処理と、レート情報に基づいて、参加ユーザの第1参加情報を参加ユーザの第2参加情報に変換する参加情報変換処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、イベントの円滑な振替を促進可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係るイベント管理システムの概略を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るイベント管理システムにおける参加情報の変換を説明する図である。
【
図3】本実施形態に係るイベント管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るイベントグループ情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る対面イベント情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るオンラインイベント情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るチケット情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るイベント管理システムにおける処理を説明する図である。
【
図10】本実施形態に係る変換処理のフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る変換処理の一例を説明する図である。
【
図12】本実施形態に係る変換処理の他の一例を説明する図である。
【
図13】本実施形態に係るチケット表示画面生成処理の一例を説明する図である。
【
図14】本実施形態に係るチケット表示画面の一例である。
【
図15】本実施形態に係るチケット表示画面の他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0019】
(1.概要)
図1には、本実施形態に係るイベント管理システム10の概略図が示される。イベント管理システム10は、イベント管理装置101、管理ユーザ端末、参加ユーザ端末103a、103b・・・103n、及び販売管理装置104を備える。なお、特に区別の必要がない場合、参加ユーザ端末103a~103nを参加ユーザ端末103という。
【0020】
イベント管理装置101は、所定のプログラムを実行することによって、後述する処理を行い、イベントを管理するサーバ等の情報処理装置である。イベント管理装置101は、例えば、アーティスト等とファンとの交流イベント等の管理を行う。
【0021】
管理ユーザ端末102は、イベントの管理を行う管理ユーザが操作するコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置である。
【0022】
参加ユーザ端末103は、イベントに参加するユーザが操作するコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置である。ユーザは、イベント管理装置101から配信される電子チケットを参加ユーザ端末103で受け取り、電子チケットによってイベントに参加する権利を確認できる。
【0023】
販売管理装置104は、イベントに参加するユーザが、イベントへの参加権利を購入する必要がある場合に、参加権利の販売を管理するサーバ等の情報処理装置である。
【0024】
イベント管理装置101は、管理ユーザ端末102、参加ユーザ端末103、及び販売管理装置104とネットワークNを通じて通信可能に接続される。
【0025】
図2を参照して、イベント管理装置101によるイベント管理の概要を説明する。イベントは、イベントに参加する参加ユーザ、イベントにおいて会話、写真撮影、又はサイン等、イベントの具体的な内容を提供する提供ユーザ、及びイベントの管理を行う管理ユーザが関与することで開催される。例えば、提供ユーザはアーティスト等であり、参加ユーザはそのファンである。提供ユーザは、複数のメンバーが所属するグループ(例えば、アイドルグループ等の音楽グループ又はプロスポーツチーム等)に関するイベントである場合、イベントには複数の提供ユーザが参加する。より具体的には、個々の提供ユーザは、音楽グループのメンバーやプロスポーツチームの選手等である。なお、提供ユーザは、ソロシンガーやソロで活動するアスリート等の単独のアーティスト等であってもよい。また、参加ユーザは、複数の参加ユーザがイベントに参加する。
【0026】
ここでは、複数の参加ユーザのうちの1人である参加ユーザAと、複数の提供ユーザのうちの1人である提供ユーザXとの間の交流イベントを例に説明する。
【0027】
参加ユーザAと提供ユーザXとの交流イベントは、イベント会場において参加ユーザと提供ユーザとが直接対面する対面形式のイベント(リアルイベント又は対面イベント)又はインターネット等を通じて接続された端末を介して会話や写真撮影等を行うオンライン形式のイベント(オンラインイベント)を含む。
【0028】
対面形式とオンライン形式のいずれの形式のイベントであるかは、例えば、イベントの申し込み時に参加ユーザへ案内され、参加ユーザはイベント開催に先立ってイベントへの参加申込を行う。イベントへの申し込みは、例えば、販売管理装置104を通じた参加権利の購入によって行われる。購入時には、イベント日時及び提供ユーザが参加ユーザによって選択される。なお、イベント日時のみを参加ユーザが選択し、提供ユーザは、管理ユーザが管理ユーザ端末102や販売管理装置104を通じてランダムに割り当てるようにしてもよい。また、提供ユーザが1人である場合は、提供ユーザの選択がなされないようにしてもよい。
【0029】
イベント管理装置101は、イベントへの参加権利を示す基本参加情報を参加ユーザに関連付けて記憶している。基本参加情報とは、例えば販売管理装置104を通じて、各参加ユーザが購入した参加権利の数を示す情報である。
【0030】
ステップ(A)において、管理ユーザは、対面形式のイベントへの参加権利を示す第1参加情報と、オンライン形式のイベントへの参加権利を示す第2参加情報との間の価値の相違を示すレート情報を、イベント管理装置101に送信する。例えば、レート情報は、対面形式のイベントとオンライン形式のイベントとを比較した場合、アーティスト等がファンに提供する価値は、対面形式のイベントの方がオンライン形式のイベントより高いことに起因する情報である。ここでは、管理ユーザは、対面形式とオンライン形式のイベントとの変換レートが(対面):(オンライン)=1:3となるようにレート情報を送信する。なお、レート情報は上述の例に限定されず、例えば、対面とオンラインとの変換レートは、2:3であってもよい。また、レート情報は、変換レートが(対面):(オンライン)=1:1であることを示す情報であってもよい。つまり、変換レートは、等価でないレートであってもよく、等価なレートであってもよい。
【0031】
レート情報は、具体的には、対面形式のイベントに参加するために必要な基本参加権利数の情報と、オンライン形式のイベントに参加するために必要な基本参加権利数の情報として表現される。例えば、レート情報は、第1参加情報で示されるイベントに1回参加するためには、基本参加権利が3つ必要であり、第2参加情報で示されるイベントに1回参加するためには、基本参加権利が1つ必要であることを示す情報としてイベント管理装置101に送信される。これにより、変換レートを(対面):(オンライン)=1:3とできる。
【0032】
第1参加情報及び第2参加情報は、基本参加情報に基づいて、参加ユーザに割り当てられて記憶される。当初の第1参加情報及び第2参加情報は、例えば、販売管理装置104や管理ユーザ端末102によって予め生成されて、イベント管理装置101に記憶される。第1参加情報及び第2参加情報の割り当ては、参加ユーザAの基本参加情報と参加ユーザによって選択されたイベント日時及び提供ユーザとに基づいて行われてもよい。
【0033】
このとき、第1参加情報及び第2参加情報は、基本参加情報の参加権利の数に応じて割り当てられる。例えば、上述のレート情報に基づく場合、基本参加権利数が9である参加ユーザは、提供ユーザXについて、第1参加情報で示される対面形式のイベントに申し込みを行ったとする。このとき、当該イベントへの参加可能回数は3回として、第1参加情報が割り当てられる。また、参加ユーザは、提供ユーザXについて、第2参加情報で示されるオンライン形式のイベントに申し込まなかったとする。このとき、提供ユーザXについてオンライン形式のイベントへの参加可能回数が0回であるとして第2参加情報が割り当てられる。
【0034】
ステップ(B)において、参加ユーザAは、イベント管理装置101から、第1参加情報及び第2参加情報に基づいて生成される電子チケットETを自身の端末D1によって受け取る。
【0035】
ステップ(C)において、参加ユーザAは、電子チケットETによって自身の参加権利を証明し、交流イベントに参加する。例えば、参加ユーザAは、参加ユーザAの対面形式のイベントへの参加可能回数が3回であることに基づいて生成された電子チケットETを用いて、提供ユーザXとの交流イベントに3回参加することができる。
【0036】
ここで、仮に、自然災害や感染症対策あるいは提供ユーザの体調不良等の要因によって、第1参加情報で示される対面形式のイベントが中止されたとする。
【0037】
この場合、管理ユーザはイベント管理装置101に対して、参加情報の変換要求を送信する。ステップ(D)において、イベント管理装置101は、レート情報に基づいて、対面形式のイベントへの第1参加情報をオンライン形式のイベントへの第2参加情報に変換する。
【0038】
図2の例では、提供ユーザXについて、対面形式3回分の参加権利を示す第1参加情報が、提供ユーザXについて、オンライン形式9回分の参加権利を示す第2参加情報に変換される。第2参加情報で示されるイベントは、参加予定であった第1参加情報で示されるイベントとは別の日程又は時間帯において開催される、
【0039】
参加ユーザAはステップ(B)と同様に、第2参加情報に基づく電子チケットをイベント管理装置101から受け取る。参加ユーザAは、電子チケットETによって自身の参加権利を証明し、交流イベントに参加する。オンライン形式のイベントの場合、参加ユーザAが使用する端末D2と提供ユーザXが使用する端末D3との通信によって交流が行われることになる。このとき、参加ユーザAが使用する端末D2は、電子チケットの受取に使用した端末D1と同じ端末であってもよい。
【0040】
このように、イベントが中止又は内容変更等となった場合であっても、レート情報に基づいて各参加ユーザの第1参加情報及び第2参加情報を変更することによって、イベントの管理者は容易にイベントの振替等を行うことが可能となる。
【0041】
(2.イベント管理装置の構成)
図3には、イベント管理装置101のブロック図が示される。イベント管理装置101は、物理的構成として、制御に必要な処理を行うCPU(Central Processing Unit)、記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、あるいはHDD(Hard Disk Drive)、各種通信を行う通信装置を備える。
【0042】
イベント管理装置101は、機能的構成として、記憶部301、通信部302、ユーザ管理部303、イベント管理部304、レート情報取得部305、参加情報変換部306、及びチケット情報送信部307を有する。イベント管理装置101の各部は、例えば、RAMやROM等の記憶領域を用いたり、記憶領域に記憶されたプログラムをCPUが実行したりすることにより実現される。
【0043】
記憶部301は、イベント管理装置101における各種処理に必要なプログラムや情報が記憶される記憶領域である。記憶部301は、ユーザデータベース3011、イベントデータベース3012、及びチケットデータベース3013を有する。
【0044】
図4には、ユーザデータベース3011に記憶される情報の一例が示される。ユーザデータベース3011には、参加ユーザ情報、提供ユーザ情報、及び管理ユーザ情報が記憶されている。
【0045】
参加ユーザ情報は、「参加ユーザ名」及び「参加ユーザID」の項目を有する。「参加ユーザ名」の項目には、イベントに参加する参加ユーザの名前が記憶される。「参加ユーザID」の項目には、参加ユーザを識別するための情報が記憶される。例えば、「参加ユーザ名」が参加ユーザA1である参加ユーザに対して、「参加ユーザID」としてF001が関連付けられて記憶される。
【0046】
提供ユーザ情報は、「提供ユーザ名」及び「提供ユーザID」の項目を有する。「提供ユーザ名」の項目には、イベントを提供する提供ユーザの名前が記憶される。「提供ユーザID」の項目には、提供ユーザを識別するための情報が記憶される。例えば、「提供ユーザ名」が提供ユーザX1である提供ユーザに対して、「提供ユーザID」としてM001が関連付けられて記憶される。
【0047】
管理ユーザ情報は、「管理ユーザ名」及び「管理ユーザID」の項目を有する。「管理ユーザ名」の項目には、イベントを管理する管理ユーザの名前が記憶される。「管理ユーザID」の項目には、管理ユーザを識別するための情報が記憶される。例えば、「管理ユーザ名」が管理ユーザP1である管理ユーザに対して、「管理ユーザID」としてAD001が関連付けられて記憶される。
【0048】
なお、ユーザデータベース3011に記憶される参加ユーザ情報、提供ユーザ情報、及び管理ユーザ情報の項目は
図4で示した例に限定されず、参加ユーザ、提供ユーザ、及び管理ユーザのそれぞれに関する属性の様々な項目を設けることができる。例えば、参加ユーザ情報に「ニックネーム」の項目を設け、参加ユーザが設定するニックネームが記憶されてもよい。また、提供ユーザ情報に「所属グループ」の項目を設け、提供ユーザがグループとして活動を行う場合に、そのグループを示す情報が記憶されてもよい。あるいは、管理ユーザ情報に「所属先」の項目を設け、管理ユーザの所属先が記憶されてもよい。
【0049】
イベントデータベース3012には、イベントグループ情報、対面イベント情報、及びオンラインイベント情報が記憶される。
図5には、イベントデータベース3012に記憶される情報の1つであるイベントグループ情報の一例が示される。イベントグループ情報とは、例えば、異なる日程において開催される複数のイベントをまとめて管理するための情報である。
【0050】
イベントグループ情報は、「イベントグループ名」、「イベントグループID」、「イベント期間」、「イベント名」、及び「イベントID」の項目を有する。
【0051】
「イベントグループ名」の項目には、イベントグループの名前が記憶される。イベントグループ名とは例えば、アーティストの楽曲発売、タレントの本や写真集の発売、プロスポーツチームのキャンプ期間に開催される一連のイベントをまとめて指す名称である。「イベントグループID」の項目には、イベントグループを識別するための情報が記憶される。
【0052】
「イベント期間」の項目には、一連のイベントが開催される期間として最初のイベントの開催日から最後のイベントの開催日の期間が記憶される。「イベント名」の項目には、イベントグループそれぞれに含まれるイベントの名前が記憶される。「イベントID」の項目には、各イベントを識別するための情報が記憶される。
【0053】
図5の例では、「イベントグループ名」が、イベントグループEG1であるイベントに対して、「イベントグループID」としてEG001が割り当てられている。イベントグループEG1の「イベント期間」は、2021/8/1~2022/2/13である。個々の「イベント名」として、「リアルイベントR1」、「オンラインイベントON1」、「ハイブリッドイベントHV1」が記憶され、それぞれに「イベントID」として、EV001,EV002,EV003が割り当てられている。なお、ハイブリッドイベントとは、対面形式のイベントとオンライン形式のイベントとが同日に開催される形式のイベントである。
【0054】
図6には、対面イベント情報の一例が示される。対面イベント情報は、対面形式で開催される各イベントの詳細を示す情報である。
【0055】
対面イベント情報は、「イベント名」、「イベントID」、「イベント日」、「時間帯名」、「時間帯ID」、「イベント開催態様」、「イベント詳細」、「必要参加権利数」、「提供ユーザ名」、及び「提供ユーザID」の項目を有する。
【0056】
「イベント名」、「イベントID」の項目には、イベントグループ情報に記憶されるイベント名及びイベントIDと同様の情報が記憶される。
【0057】
「イベント日」の項目には、イベントが開催される日付を示す情報が記憶される。「時間帯名」の項目には、あるイベントの中で実際のイベントが開催される時間帯を示す情報が記憶される。「時間帯ID」の項目には、時間帯を識別するための情報が記憶される。
【0058】
「イベント開催態様」の項目には、各時間帯で開催されるイベントの開催態様を示す情報が記憶される。対面イベント情報においては、「イベント開催態様」はどれも対面として記憶される。「イベント詳細」の項目には、各時間帯で開催されるイベントの詳細を示す情報が記憶される。例えば、「イベント詳細」の項目には、「トーク」、「2ショット」、又は「サイン」等、イベントで提供される行為の具体的な内容が記憶される。
【0059】
「必要参加権利数」の項目には、各イベントに参加するために必要な基本参加権利の数を示す情報が記憶される。「必要参加権利数」は、管理ユーザによって入力されて記憶される。「必要参加権利数」は、時間帯ごとの個々のイベントに対して設定されてもよく、イベント開催態様又はイベント詳細に応じて設定されてもよい。つまり、イベント開催態様が対面である場合は、一律して必要参加権利数が3であるように設定されてよい。また、イベント詳細がトークである場合は必要参加権利数が3であり、2ショットである場合は必要参加権利数が5であるように、イベント詳細に応じて一律して設定されてもよい。また、提供ユーザ別に必要参加権利数を設定してもよい。
【0060】
「提供ユーザ名」、「提供ユーザID」の項目には、各時間帯のイベントを提供する複数の提供ユーザ及びそのIDがそれぞれ関連付けられている。
【0061】
図6の例では、「イベント名」が、リアルイベントR1、「イベントID」がEV001であるイベントに対して、「イベント日」として2021/8/1が記憶される。「時間帯名」として、リアルイベントR1の各時間帯として時間帯A1、時間帯B1等が、「時間帯ID」T001,T002等が関連付けられて記憶される。
【0062】
時間帯A1のイベントの「イベント開催態様」として、「対面」が記憶され、その「イベント詳細」は「トーク」であることが記録される。また、時間帯A1のイベントの「必要参加権利数」が3であることが記憶される。
【0063】
時間帯A1の対面形式のトークイベントを提供するユーザとして、「提供ユーザ」、「提供ユーザID」の項目には、提供ユーザX1、提供ユーザX2等及び各提供ユーザのIDが記憶される。つまり、時間帯A1に開催される対面形式のトークイベントは、提供ユーザX1が提供する交流イベント、提供ユーザX2が提供する交流イベントが含まれることが示される。ハイブリッドイベントHV1についても同様である。
【0064】
図7には、オンラインイベント情報の一例が示される。オンラインイベント情報は、オンライン形式で開催される各イベントの詳細を示す情報である。オンラインイベント情報は、対面イベント情報と同様の項目を有する。対面イベント情報とオンラインイベント情報とは、「イベント日」、「イベント開催態様」、又は「必要参加権利数」などが異なる。
【0065】
例えば、オンラインイベントON1は、「イベント日」が2021/12/5であり、「イベント開催態様」がオンラインである。また、「イベント詳細」が、時間帯A2では「トーク」、時間帯B2では「2ショット」として記憶されている。また、「必要参加権利数」は時間帯A2のイベントは「1」、時間帯B2のイベントは「2」として記憶されている。また、「イベント詳細」が、時間帯C2では「グループトーク」として記憶されている。ここで、グループトークとは、複数の提供ユーザと同時にトークを行う形式のイベントを指す。
図7では、提供ユーザX1、提供ユーザX2、及び提供ユーザX3と同時に話すイベントが例として示される。時間帯C2のイベントの「必要参加権利数」は、対面形式のイベントにおける「必要参加権利数」と等価の「3」として記憶されている。
【0066】
また、対面形式及びオンライン形式のいずれも含むハイブリッドイベントHV1は、対面イベント情報とオンラインイベント情報のいずれにおいても記憶されている。なお、対面イベント情報とオンラインイベント情報とは、まとめられた1つのイベント情報として管理されてもよい。また、対面イベント情報とオンラインイベント情報のそれぞれの項目は、例示したものに限られず、任意の項目を設け、イベントに関する情報を記憶することができる。例えば、トークイベントの一回あたりの時間や2ショットイベントの一回あたりの時間あるいは撮影枚数等の情報が記憶されてもよい。
【0067】
図8には、チケットデータベース3013に記憶されるチケット情報の一例が示される。チケット情報は、「参加ユーザID」、「基本参加権利数」、「割当済み基本参加権利数」、「イベントグループID」、「イベント名」、「時間帯名」、「イベント開催態様」、「イベント詳細」、「提供ユーザ名」、「必要参加権利数」、「参加チケットID」、「チケット枚数」、及び「チケット使用状況」の項目を有する。
【0068】
「参加ユーザID」、「イベントグループID」、「イベント名」、「時間帯名」、「イベント開催態様」、「イベント詳細」、「提供ユーザ名」、及び「必要参加権利数」の項目は、イベントデータベース3012に記憶されるイベント情報の項目と同様の情報が記憶される。
【0069】
「基本参加権利数」の項目には、あるイベントグループのイベントに対して参加ユーザが保有する基本参加権利の数を示す情報(基本参加情報)が記憶される。基本参加権利数は、例えば販売管理装置104から、各参加ユーザが購入した参加権利の数を示す情報である。
【0070】
「割当済み基本参加権利数」の項目には、後述する参加チケットが割り当てられた基本参加権利数を示す情報が記憶される。
【0071】
「参加チケットID」の項目には、参加ユーザがイベントに参加するための権利を示す参加チケットを識別するための情報が記憶される。「チケット枚数」の項目には、各チケットの枚数が記憶される。チケットの枚数とは、参加ユーザが各イベントに参加することが可能な回数である。「チケット使用状況」の項目には、チケットがイベントの参加に使用されたか否かを示す情報が記憶される。「参加チケットID」及び「チケット枚数」の項目に記憶される情報が、第1参加情報又は第2参加情報となる。
【0072】
例えば、参加ユーザIDがF001のユーザは、イベントグループIDがEG001のイベントに参加するための基本参加権利を「24」有する。イベントグループIDがEG001のイベントグループの、リアルイベントR1、オンラインイベントON1、及びハイブリッドイベントHV1の各イベントに対して、「参加チケットID」及び「参加チケット枚数」が割り当てられる。このとき、参加ユーザIDがF001のユーザが保有する基本参加権利は全て割り当てられているため、「割当済み基本参加権利数」の項目には、24権利のうち24権利が割当済みであることを示す情報が、「24/24」のように記憶される。
【0073】
例えば、F001のユーザは、リアルイベントR1について、時間帯A1,時間帯B1のそれぞれの時間帯で、提供ユーザX1が提供する対面形式のトークイベントへの参加チケットを、それぞれ5枚と3枚有することが記録される。また、オンラインイベントON1及びハイブリッドイベントHV1については参加チケットを有しないことが記憶される。
【0074】
各イベント及び各イベントにおける提供ユーザの選択は、例えば、販売管理装置104を通じた参加権利の購入時に、イベント日時及び提供ユーザが参加ユーザによって選択されることで行われる。
【0075】
なお、チケット枚数は、参加回数を示すことに加えて、参加可能時間を示す情報である。例えば、参加ユーザの1枚のチケット当たりのトーク可能な時間が、管理ユーザによって予め設定されることがある。この場合、参加ユーザは1回のトークイベントへの参加に複数枚の参加チケットを使用することができる。これにより、参加ユーザは、一度に使用する枚数に応じてトーク時間の長さを変更することができる。
【0076】
通信部302は、イベント管理装置101と管理ユーザ端末102、参加ユーザ端末103、及び販売管理装置104との間の通信の制御を行う。
【0077】
ユーザ管理部303は、参加ユーザ、提供ユーザ、管理ユーザの登録及び認証を行い、イベント管理装置101へのアクセスを管理する。ユーザ管理部303は、ユーザデータベース3011の情報の更新も行う。
【0078】
イベント管理部304は、イベントデータベース3012の情報の更新及びチケットデータベースの更新、又はイベントの開催中に、チケット情報の「チケット使用状況」の更新処理等を行う。
【0079】
レート情報取得部305は、管理ユーザから、対面イベントとオンラインイベントとの間の変換レートを示すレート情報を取得する。レート情報は、具体的には、対面イベント情報における「必要参加権利数」の情報と、オンラインイベント情報における「必要参加権利数」の情報として送信される。
【0080】
参加情報変換部306は、管理ユーザからの変換要求を取得した際に、レート情報に基づいて、チケット情報における、対面イベントへの参加情報とオンラインイベントへの参加情報を相互に変換する。変換の詳細については後述する。
【0081】
チケット情報送信部307は、チケットデータベース3013を参照し、参加ユーザ端末103に、参加ユーザに関連付けられた参加情報を電子チケットとして送信する。例えば、チケット情報送信部307は、対面イベント情報に基づく電子チケットとオンラインイベント情報に基づく電子チケットとを参加ユーザ端末103に表示するための情報をそれぞれ生成し、参加ユーザ端末103に送信する。
【0082】
(3.イベント管理システム10における処理)
図9を参照して、イベント管理システム10における処理について説明する。
【0083】
ステップS901において、管理ユーザ端末102は、イベントグループ情報をイベント管理装置101に送信する。
【0084】
ステップS902において、イベント管理部304は、イベントグループ情報をイベントデータベース3012に記憶する。
【0085】
ステップS903において、管理ユーザ端末102は、対面イベント情報及びオンラインイベント情報をイベント管理装置101に送信する。なお、このとき、管理ユーザ端末102は、「必要参加権利数」の項目以外の対面イベント情報及びオンラインイベント情報を送信する。
【0086】
ステップS904において、イベント管理部304は、対面イベント情報及びオンラインイベント情報をイベントデータベース3012に記憶する。
【0087】
ステップS905において、管理ユーザ端末102は、レート情報をイベント管理装置101に送信する。
【0088】
ステップS906において、レート情報取得部305は、レート情報に基づいて、対面イベント情報及びオンラインイベント情報を更新する。具体的には、レート情報取得部305は、対面イベント情報における「必要参加権利数」の情報と、オンラインイベント情報における「必要参加権利数」の情報とを更新する。なお、レート情報の送信及び記憶はステップS903、S904での処理に含まれて行われてもよい。
【0089】
ここまでの処理によって、
図5から
図7を参照して説明したイベント情報がイベント管理装置101に記憶される。
【0090】
ステップS907において、参加ユーザは、参加ユーザ端末103を通じて、参加ユーザID、購入情報、及び選択情報を販売管理装置に送信する。ここで購入情報とは、販売管理装置104が販売する各イベントへの基本参加権利を購入するための情報であり、例えば、基本参加権利の購入数を示す情報である。また、選択情報は、あるイベントグループの各イベントの日付、イベントの時間帯、及び各時間帯のイベントの提供ユーザを選択するための情報である。
【0091】
ステップS908において、販売管理装置104は、参加ユーザと、購入情報に基づく基本参加情報とを関連付ける。
【0092】
ステップS909において、販売管理装置104は、参加ユーザID,各参加ユーザの基本参加情報、及び各参加ユーザの選択情報を管理ユーザ端末102に送信する。
【0093】
ステップS910において、管理ユーザ端末102は、参加ユーザID、各参加ユーザの基本参加情報、及び各参加ユーザの選択情報をイベント管理装置101に送信する。なお、ステップS909において、販売管理装置104は、参加ユーザID,各参加ユーザの基本参加情報、及び各参加ユーザの選択情報をイベント管理装置101に送信し、ステップS310の処理は省略されるようにしてもよい。
【0094】
ステップS911において、イベント管理部304は、基本参加情報及び選択情報に基づいて、対面形式又はオンライン形式のイベントへの参加情報を参加ユーザに割り当てる。具体的には、イベント管理部304は、
図8を参照して説明したチケット情報をチケットデータベース3013に記憶する。このときのチケット情報は、参加情報の変換がなされる前の初期状態のチケット情報である。
【0095】
ステップS912において、管理ユーザ端末102は、参加情報の変換要求をイベント管理装置101に送信する。
【0096】
ステップS913において、参加情報変換部306は、参加情報の変換処理を行う。
【0097】
ステップS914において、参加ユーザ端末103は、イベント管理装置101にチケット表示要求を送信する。
【0098】
ステップS915において、イベント管理装置101は、変換された参加情報に基づいて、チケット表示処理を行う。チケット表示処理については後述する。
【0099】
(4.変換処理)
図10のフローチャート及び
図11,
図12を参照して、参加情報変換部306による変換処理について説明する。ここでは、変換要求が取得された後の処理を説明する。
【0100】
変換要求は、例えば、変換元となるイベント及び変換先となるイベントを識別する情報を含む。変換要求は、例えばイベント単位での変換の場合、変換元のイベントIDと変換先のイベントIDを含む。また、変換情報は、イベントの一部の時間帯単位での変換の場合、変換元のイベントID及び時間帯IDと、変換先のイベントID及び時間帯IDを含み得る。また、変換情報は、提供ユーザ単位での変換の場合、変換元のイベントID、時間帯ID、及び提供ユーザIDと、変換先のイベントID、時間帯ID、及び提供ユーザIDを含み得る。
【0101】
ここでは、
図11(a)のチケット情報が、
図11(b)のチケット情報に更新される変換を例に説明する。この場合の変換は、リアルイベントR1における提供ユーザX1のイベントへの参加情報(チケット)をオンラインイベントON1における提供ユーザX1のイベントへの参加情報(チケット)に変換するものである。より具体的には、時間帯A1及び時間帯B1において提供ユーザX1に関連付けられたチケットについて、時間帯A1のチケットを時間帯A2のチケットに変換し、時間帯B1のチケットを時間帯B2のチケットに変換するものである。
【0102】
ステップS1001において、参加情報変換部306は、イベントデータベース3012における、変換元のイベント及び変換先のイベントのイベント情報を参照する。
【0103】
ステップS1002において、参加情報変換部306は、イベント情報に基づいて、チケットデータベース3013における、変換元のイベントの参加チケットを有する参加ユーザを含むチケット情報を抽出する。抽出されたチケット情報の一例が
図11(a)に示される。
【0104】
ステップS1003において、参加情報変換部306は、参照された参加チケットが対応する、変換元のイベント情報の第1必要参加権利数及び変換先の個別イベント情報の第2必要参加権利数を取得する。
【0105】
図11(a)の場合、参加情報変換部306は、時間帯A1から時間帯A2への変換では、第1必要参加権利数として「3」、第2必要参加権利数として「1」を取得する。また、参加情報変換部306は、時間帯B1から時間帯B2への変換では、第1必要参加権利数として「3」、第2必要参加権利数として「2」を取得する。
【0106】
ステップS1004において、参加情報変換部306は、第1必要参加権利数及び第2必要参加権利数に基づいて、変換元と変換先との間の換算率を算出する。換算率は、具体的には、第1必要参加権利数を第2必要参加権利数で除算することによって算出される。
【0107】
図11(a)では、時間帯A1から時間帯A2への変換では、換算率3(=3÷1)が算出される。また、時間帯B1から時間帯B2への変換では、換算率1.5(=3÷2)が算出される。
【0108】
ステップS1005において、参加情報変換部306は、変換元の参加チケットの枚数に換算率を乗じ、変換先の参加チケットの枚数を示す情報を生成する。
【0109】
図11(a)では、時間帯A1から時間帯A2への変換では、参加チケット枚数「5」に、換算率3が乗算されることで、変換後のチケット枚数「15」が算出される。また、時間帯B1から時間帯B2への変換では、参加チケット枚数「3」に換算率1.5が乗算されることで、変換後のチケット枚数4.5が算出される。
【0110】
変換後のチケット枚数に小数点以下の端数が含まれる場合、参加情報変換部306は、変換後のチケット枚数の端数を切り捨て、変換後のチケット枚数を4とする。この場合、参加情報変換部306は、端数0.5に相当する基本参加権利を割当済みでないものとして、割当済み基本参加権利数を更新する。具体的には、端数を換算率で除算して算出された値に、変換前のイベントの必要参加権利数を乗じることで、割当済みでない基本参加権利数を算出する。例えば、換算率1.5、端数0.5の場合、割当済みでない状態にされる基本参加権利数は1(=0.5÷1.5×3)である。この場合、参加情報変換部306は、割当済み基本参加権利数を「33/33」から「32/33」に更新する。また、参加情報変換部306は、時間帯B1の参加チケット枚数を0としてチケット情報を更新する。なお、端数を切り上げた変換が行われるようにしてもよい。
【0111】
ステップS1006において、参加情報変換部306は、チケット情報を更新する。例えば、
図11(a)に示されるチケット情報が
図11(b)に示されるチケット情報に更新される。参加情報の変換は、変換の前後において、基本参加権利数を変化させることなく行われている。よって、基本参加権利数の変更による、基本参加権利数の購入費用の返金等を回避しつつ、参加情報の変換が行われている。よって、イベント管理者は、イベント中止などに伴って生じる返金リスクを低下させつつ、イベントを開催することが可能となる。
【0112】
なお、変換レートが、参加権利の等価な変換が行われるよう設定されている場合も、同様に変換を行うことができる。例えば、第1必要参加権利数と第2必要参加権利数とが等しい値として「3」として設定されてもよい。この場合、変換前のイベントに割り当てられた基本参加権利から、余りの基本参加権利を生じることなく、変換後のイベントに基本参加権利を割り当てることができる。基本参加権利に余りを生じさせることなく変換が行われるので、イベント管理者は、変換前のイベントに割り当てられた基本参加権利の全てを変換するようにイベントの変換(振替)を行うことが可能となる。よって、イベント管理者は、イベント中止などに伴って生じる返金リスクを低下させることに加えて、余りの基本参加権利に対する調整等を行う負担を低減しつつ、イベントを開催することが可能となる。
【0113】
なお、
図11の例では、リアルイベントR1の時間帯A1において、提供ユーザX1に関連付けられたチケット情報が更新され、提供ユーザX2に関連付けられたチケット情報は更新されていない。参加情報変換部306は、このように、同日同時間帯のイベントであっても一部の提供ユーザに関するイベント間での変換を行うことができる。また、参加情報変換部306は、変換要求の内容に応じて、提供ユーザX2に関連付けられたチケット情報をも更新するようにしてもよい。つまり、参加情報変換部306は、ある開催日のイベントの全ての参加情報を、別日のイベントの参加情報とするような変換を行うこともできる。また、イベント情報に別のイベントを追加した上で、追加されたイベントへの参加情報に変換するようにもできる。
【0114】
参加情報変換部306は、変換要求の内容に応じて、
図11の例とは異なる形式で参加情報の変換を行うこともできる。
図12(a)のチケット情報が、
図12(b)のチケット情報に更新される変換を例に説明する。この場合の変換は、ハイブリッドイベントHV1の時間帯B3における提供ユーザX1のチケットをハイブリッドイベントHV1の時間帯A3における提供ユーザX1のチケットに変換するものである。この場合も、参加情報変換部306が、
図10の処理によってチケット情報を更新する。
【0115】
図12の例は、対面イベントが様々な事情により中止になった場合に、同日のうちにイベントの振替を可能とするようなチケット情報の更新を示すものである。この場合も、変換は基本参加権利数を変化させることなく行われ、かつ同日中に振替が完了するようにできる。よって、イベント管理者は、返金リスクの低下に加えて、別途の会場手配が必要となるリスクを低下させつつ、イベントを開催することが可能となる。
【0116】
(5.チケット表示処理)
図13から
図15を参照して、チケット情報送信部307によるチケット表示処理について説明する。
【0117】
ステップS1301において、チケット情報送信部307は、参加ユーザ端末103からチケット表示要求を取得する。
【0118】
ステップS1302において、チケット情報送信部307は、参加ユーザのユーザIDに基づいて、チケットデータベース3013を探索する。
【0119】
ステップS1303において、チケット情報送信部307は、探索の結果発見されたチケット情報に基づいて、電子チケットを示すチケット画面を参加ユーザ端末103に表示するための画面表示情報を生成する。
【0120】
ステップS1304において、チケット情報送信部307は、画面表示情報を参加ユーザ端末103に送信する。
【0121】
図14には、
図11を参照して説明した変換が行われた場合の、変換前のチケット画面1401Aと変換後のチケット画面1401Bとが示される。
【0122】
チケット画面は、イベントごと、かつ時間帯ごとの電子チケットを区別可能に表示する。当初はチケット画面1401Aを参照して自身の電子チケットを管理していたユーザは、更新されたチケット画面1401Bを参照することで、自身の電子チケットの振替が行われたことを知ることが可能となる。
【0123】
図15には、
図12を参照して説明した変換が行われた場合の、変換前のチケット画面1501Aと変換後のチケット画面1501Bとが示される。この場合も、ユーザは、チケット画面1501A及びチケット画面1501Bを参照し、自身の電子チケットの振替が行われたことを知ることが可能となる。
【0124】
(6.本実施形態のまとめ)
以上本発明の実施形態について説明した。本実施形態に係るイベント管理装置101は、対面形式(第1開催態様)で開催される対面イベント(第1イベント)と、オンライン形式(第2開催態様)で開催されるオンラインイベント(第2イベント)とを含む複数のイベントを示すイベント情報と、イベント情報に関連付けられ、複数のイベントの少なくとも1つへの参加ユーザの参加権を示す基本参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第1イベントへの参加ユーザの参加権を示す第1参加情報と、基本参加情報に基づいて参加ユーザに割り当てられ、第2イベントへの参加ユーザの参加権を示す第2参加情報と、が記憶される記憶部301と、複数のイベントを管理する管理ユーザから、第1参加情報と第2参加情報との間の変換レートを示すレート情報を取得するレート情報取得部305と、レート情報に基づいて、参加ユーザの第1参加情報を参加ユーザの第2参加情報に変換する参加情報変換部306と、を備える。
【0125】
この態様によれば、記憶部301に記憶された対面イベントへの参加情報が、変換レートを示すレート情報に基づいて、オンラインイベントに対する参加情報に変換される。これにより、対面イベントに振替の必要が生じた場合、第1参加情報を、オンラインで開催される第2イベントの第2参加情報に変換することができる。変換に際して、レート情報を用いることで、リアルイベントとオンラインイベントのように交流イベントにおいてアーティスト等がファンに提供する価値が異なる場合や、提供する価値が同等な場合といった、イベント間の提供価値の異同に応じて、第1参加情報に応じた返金処理及び第2イベントへの再申込というような手順を経ずに、振替を行うことが可能となる。よって、イベントの円滑な振替が促進される。なお、イベントの開催態様の変換は、対面からオンラインへの変換に限られず、オンラインから対面への変換であってもよい。この場合、第1イベントがオンライン形式で開催されるイベントとなり、第2イベントが対面形式で開催されるイベントとなる。
【0126】
本実施形態に係るイベント管理装置101では、対面形式のイベントとオンライン形式イベントとは、異なる日において開催されるイベントであってもよい。また、本実施形態に係るイベント管理装置101では、対面形式のイベントとオンライン形式のイベントとは、同じ日の異なる時間帯において開催されるイベントであってもよい。このように、変換元のイベントと変換先のイベントを、異なる開催日間で変換可能とする又は同じ日の異なる時間帯間で変換可能とすることで、イベント管理ユーザが選択する振替先の選択肢を増やすことができる。適切な振替先を状況に応じて選択可能とすることによって、イベントの円滑な振替が促進される。
【0127】
本実施形態に係るイベント管理装置101では、対面イベント及びオンラインイベントには、対面イベント及びオンラインイベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、対面イベントへの参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる対面イベントへの参加権を示し、オンラインイベントへの参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられるオンラインイベントへの参加権を示し、参加情報変換部306は、共通する提供ユーザ間で、対面イベントへの参加情報をオンラインイベントへの情報に変換してもよい。
【0128】
変換前後で提供ユーザを共通にすることで、変換された参加情報に関する参加権を有する参加ユーザが納得感を持って変換を受容することができる。よって、イベント管理ユーザは、参加ユーザの希望を満たすようにしつつ、イベントの振替を行うことができるので、振替をより行いやすくなる。よって、イベントの円滑な振替が促進される。
【0129】
本実施形態に係るイベント管理装置101では、対面イベント及びオンラインイベントには、対面イベント及びオンラインイベントを提供する複数の提供ユーザが関連付けられ、対面イベントへの参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられる対面イベントへの参加権を示し、オンラインイベントへの参加情報は、複数の提供ユーザのそれぞれに関連付けられるオンラインイベントへの参加権を示し、参加情報変換部306は、複数の提供ユーザのうち一部の提供ユーザに関連付けられる対面イベントへの参加情報を、一部の提供ユーザに関連付けられるオンラインイベントへの参加情報に変換してもよい。
【0130】
このように、変換元のイベントと変換先のイベントを一部の提供ユーザについてのイベントとすることで、振替の必要が生じた提供ユーザについてのみ、変換が行われるようにできる。よって、適切な振替元及び振替先を提供ユーザの状況に応じて選択可能とすることによって、イベントの円滑な振替が促進される。
【0131】
本実施形態に係るイベント管理装置101は、対面イベントへの参加情報に基づく第1電子チケット及びオンラインイベントへの参加情報に基づく第2電子チケットを参加ユーザの参加ユーザ端末103に表示するためのチケット情報を、参加ユーザ端末103に送信するチケット情報送信部307、をさらに備えてもよい。これにより、ユーザは、自身の電子チケットの振替が行われたことを、参加ユーザ端末103に表示されるチケット情報によって知ることが可能となる。
【0132】
本実施形態に係るイベント管理装置101では、レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価でない変換レートを示してもよい。また、本実施形態に係るイベント管理装置101では、レート情報は、前記第1参加情報と前記第2参加情報との間の等価な変換レートを示してもよい。
【0133】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0134】
10…イベント管理システム、101…イベント管理装置、102…管理ユーザ端末、103…参加ユーザ端末、104…販売管理装置、301…記憶部、302…通信部、303…ユーザ管理部、304…イベント管理部、305…レート情報取得部、306…参加情報変換部、307…チケット情報送信部