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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084861
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20230613BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230613BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20230613BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20230613BHJP
   G02B 7/18 20210101ALI20230613BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20230613BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230613BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G03B17/02
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
G02B7/18
H04N5/225 400
H04N5/232 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199219
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 敬之
(72)【発明者】
【氏名】江川 智浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 元紀
【テーマコード(参考)】
2H043
2H044
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H043BA00
2H043BB00
2H043BC08
2H043CA02
2H043CD03
2H043CE00
2H044AJ04
2H044BE02
2H044BE09
2H100EE01
2K005AA06
2K005CA23
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA01
5C122EA41
5C122FB11
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE18
5C122HA82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】収容部に基板部を精度良く固定できる光学ユニットを提供すること。
【解決手段】光学ユニットは、可動部と、固定部とを有する。前記可動部は、光学要素を有する。前記固定部は、前記可動部を揺動可能に支持する。前記固定部は、基板部と、収容部とを有する。前記基板部は、前記可動部を揺動させるコイルが配置される。前記収容部は、前記基板部の少なくとも一部を収容する。前記収容部は、第1位置決め部を前記収容部の内側に有する。前記第1位置決め部は、前記基板部の位置を決める。前記第1位置決め部は、前記基板部の厚み方向に交差する方向に沿った両方向に前記基板部の位置を決める。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学要素を有する可動部と、
前記可動部を揺動可能に支持する固定部と
を有し、
前記固定部は、
前記可動部を揺動させるコイルが配置される基板部と、
前記基板部の少なくとも一部を収容する収容部と
を有し、
前記収容部は、前記基板部の位置を決める第1位置決め部を前記収容部の内側に有し、
前記第1位置決め部は、前記基板部の厚み方向に交差する方向に沿った両方向に前記基板部の位置を決める、光学ユニット。
【請求項2】
前記第1位置決め部は前記基板部を収容する窪みである、請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記可動部を支持する支持機構を更に有し、
前記収容部は、複数の壁部を更に有し、
前記複数の壁部のうちの1つの壁部は、前記支持機構が配置され、
前記複数の壁部のうちの他の1つの壁部は、前記基板部の少なくとも一部を支持し、
前記他の1つの壁部は、前記1つの壁部に接続される、請求項2に記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記光学要素は、第1方向の一方側に進行する光を前記第1方向に対して交差する第2方向の一方側に反射し、
前記複数の壁部は、
前記第1方向の一方側に配置される第1壁部と、
前記第2方向の他方側に配置される第2壁部と、
前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに対して交差する第3方向の一方側に配置される第3壁部と、
前記第3方向の他方側に配置される第4壁部と
を有する、請求項3に記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記基板部は、
前記第2壁部に支持される第1基板と、
前記第1基板から前記第2方向の一方側に向かって延び、前記第3壁部に支持される第2基板と、
前記第1基板から前記第2方向の一方側に向かって延び、前記第4壁部に支持される第3基板と
を有し
前記コイルは、
前記第1基板に配置される第1コイルと、
前記第2基板に配置される第2コイルと、
前記第3基板に配置される第3コイルと
を有する、請求項4に記載の光学ユニット。
【請求項6】
前記収容部は、
前記第3壁部から前記第2壁部に沿って伸びる第2位置決め部と、
前記第4壁部から前記第2壁部に沿って伸びる第3位置決め部と
を更に有し、
前記第2位置決め部は、前記第1基板と前記第2基板との位置を決め、
前記第3位置決め部は、前記第1基板と前記第3基板との位置を決める、請求項5に記載の光学ユニット。
【請求項7】
磁性体を更に有し、
前記可動部は、前記磁性体と引き合う磁石を有し、
前記収容部は、前記磁性体が配置される凹部を有し、
前記コイルは、前記磁石と前記磁性体との間に位置する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学ユニット。
【請求項8】
前記収容部は、前記収容部の内側と外側とを貫通する貫通孔を有し、
前記基板部は、少なくとも一部が前記貫通孔に配置される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによって静止画又は動画を撮影する際に手振れに起因して像ブレが生じることがある。そして、像ブレを抑制して鮮明な撮影を可能にするための手振れ補正装置が実用化されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、反射部材と、ホルダと、第1のハウジングと基板とを有する反射モジュールが記載されている。ホルダには、反射部材が取り付けられる。第1のハウジングは、ホルダを収容する。ホルダは、第1のハウジング内で第1の軸及び第2の軸に対して自由に回転する。また、ホルダと第1のハウジングとの対向面には、互いに磁気的に引き付けられる第1ヨークと磁石とがそれぞれ配置される。基板は、第1のハウジングの外側に位置する。基板には、コイルが実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0109660号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような反射モジュールでは、第1のハウジングのような収容部に対して基板部が位置決めされないため、収容部に対して基板部の位置が変わることがある。例えば、特許文献1のような反射モジュールは、第1のハウジングのような収容部に対して基板部が位置決めされないため、落下などの衝撃に応じて、収容部に対して基板部の位置が変わることがある。更に、例えば、特許文献1のような反射モジュールは、基板部が正確に取り付けられていないことがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、収容部に基板部を精度良く固定できる光学ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な光学ユニットは、可動部と、固定部とを有する。前記可動部は、光学要素を有する。前記固定部は、前記可動部を揺動可能に支持する。前記固定部は、基板部と、収容部とを有する。前記基板部は、前記可動部を揺動させるコイルが配置される。前記収容部は、前記基板部の少なくとも一部を収容する。前記収容部は、第1位置決め部を前記収容部の内側に有する。前記第1位置決め部は、前記基板部の位置を決める。前記第1位置決め部は、前記基板部の厚み方向に交差する方向に沿った両方向に前記基板部の位置を決める。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光学ユニットによれば、収容部に基板部を精度良く固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る光学ユニットを備えたスマートフォンを模式的に示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る光学ユニットを示す斜視図である。
図3】本実施形態に係る光学ユニットを可動部と固定部とに分解した分解斜視図である。
図4】本実施形態に係る光学ユニットの可動部の分解斜視図である。
図5】本実施形態に係る光学ユニットの固定部の分解斜視図である。
図6】本実施形態に係る光学ユニットの収容部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
本明細書では、理解の容易のため、互いに交差する第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを適宜記載している。また、本明細書では、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zは互いに直交しているが、直交していなくてもよい。また、第1方向の一方側を第1方向Xの一方側X1と記載し、第1方向の他方側を第1方向Xの他方側X2と記載する。また、第2方向の一方側を第2方向Yの一方側Y1と記載し、第2方向の他方側を第2方向Yの他方側Y2と記載する。また、第3方向の一方側を第3方向Zの一方側Z1と記載し、第3方向の他方側を第3方向Zの他方側Z2と記載する。また、便宜上、第1方向Xを上下方向として説明する場合がある。第1方向Xの一方側X1は下方向を示し、第1方向Xの他方側X2は上方向を示す。ただし、上下方向、上方向、及び下方向は、説明の便宜上定めるものであり、鉛直方向に一致する必要はない。また、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したに過ぎず、本発明に係る光学ユニット1の使用時及び組立時の向きを限定しない。
【0012】
なお、本明細書において、方位、線及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の効果を奏する程度の角度ずれがある状態を含み得ることは言うまでもない。
【0013】
まず、図1を参照して、光学ユニット1の用途の一例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光学ユニット1を備えたスマートフォン200を模式的に示す斜視図である。スマートフォン200は、光学ユニット1を有する。光学ユニット1は、入射した光を特定の方向に反射する。図1に示すように、光学ユニット1は、例えばスマートフォン200の光学部品として好適に用いられる。なお、光学ユニット1の用途は、スマートフォン200に限定されず、デジタルカメラ及びビデオカメラなどの種々の装置に使用できる。
【0014】
スマートフォン200は、光の入射するレンズ202を有する。スマートフォン200では、光学ユニット1は、レンズ202よりも内側に配置される。光Lがレンズ202を介してスマートフォン200の内部に入射すると、光Lは光学ユニット1によって進行方向が変更される。そして、光Lは、レンズユニット(図示せず)を介して撮像素子(図示せず)で撮像される。
【0015】
次に、図2から図5を参照して、光学ユニット1について説明する。図2は、本実施形態に係る光学ユニット1を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る光学ユニット1を可動部2と固定部3とに分解した分解斜視図である。図4は、本実施形態に係る光学ユニット1の可動部2の分解斜視図である。図5は、本実施形態に係る光学ユニット1の固定部3の分解斜視図である。
【0016】
図2及び図3に示すように、光学ユニット1は、可動部2と、固定部3と、揺動機構5と、支持機構7とを少なくとも有する。
【0017】
可動部2は、固定部3に支持される。可動部2は、光学要素10を有する。
【0018】
図4に示すように、光学要素10は、光の進行方向を変える。光学要素10は、第1方向Xの一方側X1に進行する光Lを、第1方向Xと交差する第2方向Yの一方側Y1に反射する。光学要素10は、プリズムからなる。プリズムは、空気よりも屈折率の高い透明な材料から形成される。なお、光学要素10は、例えば、板状の鏡であってもよい。本実施形態では、光学要素10は、略三角柱形状を有する。
【0019】
具体的には、光学要素10は、光入射面11と、光出射面12と、反射面13と、一対の側面14とを有する。光入射面11には、光Lが入射される。光出射面12は、光入射面11に接続する。光出射面12は、光入射面11に対して垂直に配置される。反射面13は、光入射面11及び光出射面12に接続する。反射面13は、光入射面11及び光出射面12のそれぞれに対して約45度傾斜する。反射面13は、第1方向Xの一方側X1に進行する光Lを、第1方向Xと交差する第2方向Yの一方側Y1に反射する。すなわち、光学要素10は、第1方向Xの一方側X1に進行する光Lを、第1方向Xと交差する第2方向Yの一方側Y1に反射する。一対の側面14は、光入射面11、光出射面12及び反射面13に接続する。
【0020】
固定部3は、可動部2を揺動可能に支持する。固定部3は、揺動軸線A2を中心として揺動可能に、可動部2を支持する。具体的には、固定部3は、支持機構7を介して可動部2を揺動可能に支持する。固定部3は、基板部80と、収容部60とを有する。
【0021】
基板部80は、可動部2を揺動させるコイル52が配置される。具体的には、基板部80は、第2方向Yの一方側Y1の側にコイル52が配置される。基板部80は、コイル52に対して、所定のタイミングで電力を供給する。基板部80は、例えばポリイミド基板からなる。基板部80は、可撓性を有する。具体的には、基板部80は、FPC(Flexible Printed Circuit)である。
【0022】
収容部60は、基板部80の少なくとも一部を収容する。つまり、収容部60の内側には、基板部80が位置する。換言すると、収容部60は、基板部80の第2方向Yの他方側Y2を覆う。また、収容部60の内側には、可動部2が位置する。すなわち、収容部60は、可動部2を介して、間接的に光学要素10を支持する。
【0023】
本実施形態の収容部60は、第1位置決め部65を有する。第1位置決め部65は、基板部80の位置を決める。第1位置決め部65は、収容部60の内側に位置する。第1位置決め部65は、基板部80の厚み方向に交差する方向に沿った両方向に基板部80の位置を決める。したがって、収容部60に対して、基板部80の位置が変わることを抑制できる。この結果、収容部60に基板部80を精度良く固定できる。また、例えば、光学ユニット1に対して衝撃が加わったとしても、基板部80は第1位置決め部65に位置するため、収容部60に対して基板部80の位置が変わることを抑制できる。更に、第1位置決め部65を目印にして、基板部80を収容部60に配置できる。よって基板部80を正確に取り付けることが可能となる。
【0024】
本実施形態の第1位置決め部65は、窪みである。つまり、基板部80は窪みに収容される。したがって、基板部80は窪みによって移動が制限される。この結果、収容部60に基板部80を更に精度良く固定できる。
【0025】
また、基板部80の位置が変わることに起因して、コイル52の位置が設計者の意図した位置から変わることを抑制できる。つまり、可動部2の揺動機能を設計者が望む性能とすることが可能となる。よって、複数の光学ユニット1を製造する際に、製造時の誤差に起因して光学ユニット1ごとに可動部2の揺動機能に差がでることを抑制できる。
【0026】
また、光学ユニット1を製造する作業者は、第1位置決め部65を目印にして、基板部80を収容部60の内側に位置させることができる。つまり、第1位置決め部65は、作業者に対して、収容部60の内側に基板部80を位置させるように促すことができる。
【0027】
また、図3に示すように、収容部60は、揺動軸線A1と交差する揺動軸線A2を中心として揺動可能に、可動部2を支持する。また、収容部60は、第1方向Xに可動部2を支持する。したがって、光学要素10の第1方向Xの位置が変化することを抑制できるため、反射光(光学要素10から出射する光L)の第1方向Xの位置が変化することを抑制できる。
【0028】
また、図5に示すように、収容部60は、凹部H1を有する。凹部H1は、例えば、窪みであってもよいし貫通孔であってもよい。本実施形態では、凹部H1は矩形の貫通孔である。
【0029】
揺動機構5は可動部2を揺動する。図2及び図3に示すように、揺動機構5は、磁石51とコイル52と磁性体84とを有する。
【0030】
磁石51は、コイル52と対向する。磁石51は、可動部2に配置される。磁石51は、磁性体84と引き合う。
【0031】
磁性体84は、磁石51に対向する。コイル52に通電しない状態において、磁石51及び磁性体84の間には引力が生じる。よって、可動部2は、揺動軸線A1を中心とする回転方向及び揺動軸線A2を中心とする回転方向において、基準位置に配置される。磁性体84は、収容部60の凹部に配置される。つまり、収容部60は磁性体84が配置される凹部を有する。
【0032】
コイル52は、磁石51と対向する。コイル52は、固定部3に配置される。したがって、コイル52に電流を流した際に生じる磁場に起因して、磁石51に力が作用する。そして、可動部2は、固定部3に対して揺動する。よって、磁石51及びコイル52を用いた簡素な構成で可動部2を揺動できる。本実施形態では、磁石51は、可動部2に配置される。コイル52は、固定部3に配置される。コイル52を固定部3に配置することによって、コイル52は固定部3に対して揺動しない。したがって、コイル52を例えば可動部2に配置する場合と比較して、コイル52に対して容易に配線できる。
【0033】
また、コイル52は、磁性体84に対向する。本実施形態では、コイル52は、磁石51と磁性体84との間に位置する。収容部60の凹部H1に配置された磁性体84は、第1方向Xの移動と第2方向Yの移動とが抑制される。したがって、磁性体84の位置ずれを抑制できる。この結果、可動部2が揺動軸線A1を中心とする回転方向及び揺動軸線A2を中心とする回転方向に揺動しても、可動部2を精度良く基準位置に戻すことが可能となる。
【0034】
支持機構7は、可動部2を支持する。支持機構7は、可動部2を揺動可能に支持する。支持機構7は、可動部2と固定部3との間に位置する。支持機構7については、図5を参照して後述する。
【0035】
引き続き、図2図5を参照して、光学ユニット1を更に詳しく説明する。図4に示すように、可動部2は、ホルダ20と、支持体30と、予圧部40とを更に有する。
【0036】
ホルダ20は、光学要素10を保持する。ホルダ20は、例えば樹脂からなる。ホルダ20は、ホルダ本体21と、一対の側面部22とを有する。
【0037】
ホルダ本体21は、第3方向Zに延びる。ホルダ本体21は、光学要素10を支持する。ホルダ本体21は、光学要素10の反射面13に面し、一対の側面部22に接続される。ホルダ本体21は、光Lの入射方向に対して約45度傾斜した傾斜面であり、傾斜面の略全域にわたって光学要素10の反射面13と接触する。光Lの入射方向は、第1方向Xの一方側X1に向かう方向である。
【0038】
一対の側面部22は、ホルダ本体21から第3方向Zと交差する交差方向に延びる。交差方向は、例えば、第1方向X及び第2方向Yを含む。一対の側面部22は、ホルダ本体21の第3方向Zの両端に配置される。一対の側面部22は、第3方向Zに互いに対称な形状を有する。側面部22は、対向側面22aと、軸上凹部22bと、制限凹部22cとを有する。
【0039】
対向側面22aは、一対の側面部22のそれぞれに配置される。対向側面22aは、予圧部40に対向する。
【0040】
軸上凹部22bは、対向側面22aに配置される。軸上凹部22bは、揺動軸線A1上においてホルダ20の内側に向かって窪む。軸上凹部22bは、予圧部40の軸上凸部45の少なくとも一部を収容する。軸上凹部22bは、凹状の球面の少なくとも一部を有する。
【0041】
制限凹部22cは、予圧部40が側面部22に沿って所定距離以上移動することを制限する。より具体的には、制限凹部22cは、第3方向Zにおいてホルダ20の内側に向かって窪む。制限凹部22cは、本実施形態では、例えば4つ設けられている。制限凹部22cの数は、1つであってもよいが、複数であることが好ましい。
【0042】
支持体30は、ホルダ20を支持する。具体的には、図2に示すように、支持体30は、揺動軸線A2と交差する揺動軸線A1を中心として揺動可能に、光学要素10を保持したホルダ20を支持する。揺動軸線A1は、第1方向X及び第2方向Yに対して交差する第3方向Zに沿って延びる軸線である。また、支持体30は、揺動軸線A2を中心として揺動可能に、固定部3に支持される。揺動軸線A2は、第1方向Xに沿って延びる軸線である。
【0043】
つまり、ホルダ20は支持体30に対して揺動可能であり、支持体30は収容部60に対して揺動可能である。したがって、揺動軸線A1及び揺動軸線A2のそれぞれを中心として光学要素10を揺動できるため、揺動軸線A1及び揺動軸線A2のそれぞれを中心として光学要素10の姿勢を補正できる。よって、2つの方向において像ブレを抑制できる。その結果、1つの揺動軸線のみを中心として光学要素10を揺動させる場合に比べて、補正精度を向上できる。なお、揺動軸線A1は、ピッチング軸とも呼ばれる。揺動軸線A2は、ロール軸とも呼ばれる。
【0044】
したがって、第1方向X及び第2方向Yと交差する揺動軸線A1を中心として光学要素10を揺動できる。また、第1方向Xに沿って延びる揺動軸線A2を中心として光学要素10を揺動できる。よって、光学要素10の姿勢を適切に補正できる。また、第1方向X及び第2方向Yは、光Lの進行方向に沿った方向である。つまり、光の進行方向である第1方向X及び第2方向Yと交差する揺動軸線A1を中心として光学要素10を揺動できる。したがって、光学要素10の姿勢をより適切に補正できる。
【0045】
また、支持体30は、第3方向Zにホルダ20を支持する。したがって、支持体30を、第3方向Zに沿って延びる揺動軸線A1を中心として容易に揺動できる。具体的には、本実施形態では、支持体30は、予圧部40を介して第3方向Zにホルダ20を支持する。
【0046】
支持体30は、支持本体31と、一対の側面部32とを有する。
【0047】
支持本体31は、一対の側面部32を接続する。支持本体31は、ホルダ20に対して第1方向Xに対向する。
【0048】
支持本体31は、収容穴303aと、磁性体152とを有する。収容穴303aは、磁性体152を収容する。磁性体152は、収容穴303aに配置される。磁性体152は、磁性体からなる板状の部材である。
【0049】
一対の側面部32は、支持本体31の第3方向Zの両端に配置される。一対の側面部32は、第3方向Zに互いに対称な形状を有する。側面部32は、内側面32aを有する。内側面32aは、ホルダ20に対して第3方向Zに対向する。一対の側面部32は、揺動軸線A1の軸線方向においてホルダ20の両側に配置される。一対の側面部32は、第3方向Zに互いに対称な形状を有する。側面部32は、収容凹部32fを有する。収容凹部32fは、第3方向Zの外側を向く。収容凹部32fは、揺動機構5の磁石51の少なくとも一部を収容する。
【0050】
予圧部40は、ホルダ20と支持体30とを接続する。予圧部40は、弾性変形可能である。また、予圧部40は、ホルダ20及び支持体30の少なくとも一方に配置される。予圧部40は、ホルダ20及び支持体30の少なくとも他方に対して、揺動軸線A1の軸線方向に予圧を付与する。したがって、ホルダ20が支持体30に対して揺動軸線A1の軸線方向に位置ズレすることを抑制できる。また、各部材の寸法に製造誤差が生じた場合であっても、揺動軸線A1の軸線方向にがたつき等が生じることを抑制できる。言い換えると、例えば、揺動軸線A1の軸線方向にホルダ20の位置が変位することを抑制できる。揺動軸線A1の軸線方向は、第3方向Zに沿った方向である。なお、本明細書において「予圧を付与する」とは、予め荷重を与えることを意味する。
【0051】
予圧部40は、ホルダ20と支持体30との間に配置される。予圧部40は、ホルダ20に対して揺動軸線A1の軸線方向に予圧を付与する。本実施形態では、各予圧部40は、単一の部材である。予圧部40は、1枚の板部材を折り曲げることによって形成されている。予圧部40は、本実施形態では板バネである。予圧部40は、支持体30に配置される。
【0052】
予圧部40は、ホルダ20側に位置する第1面部41と、支持体30側に位置する第2面部42と、第1面部41及び第2面部42を接続する湾曲部43とを有する。したがって、予圧部40を揺動軸線A1の軸線方向に容易に変形できる。その結果、湾曲部43のたわみにより弾性力が生じるため、簡素な構成で、ホルダ20に対して軸線方向に容易に予圧を付与できる。
【0053】
また、本実施形態では、予圧部40は一対設けられている。つまり、光学ユニット1は、予圧部40を一対有する。一対の予圧部40は、ホルダ20に対して揺動軸線A1の軸線方向の両側に配置される。したがって、予圧部40をホルダ20の片側のみに配置する場合に比べて、ホルダ20をより安定して支持できる。
【0054】
また、予圧部40は、軸上凸部45と、突出部46と、取付部47とを有する。
【0055】
軸上凸部45は、ホルダ20に向かって突出する。具体的には、軸上凸部45は、ホルダ20の軸上凹部22bに接触する。更に具体的には、一対の予圧部40の軸上凸部45は、ホルダ20の一対の軸上凹部22bにそれぞれ接触する。ホルダ20は、軸上凸部45と接触する2つの接点で予圧部40によって、揺動軸線A1の軸線方向の両側から支持される。したがって、ホルダ20は、2つの接点を通過する揺動軸線A1を中心として揺動可能である。
【0056】
突出部46は、第1面部41及び第2面部42の一方に配置されるとともに、ホルダ20及び支持体30の一方に向かって突出する。本実施形態では、突出部46は、軸上凸部45と同様、第1面部41に配置される。突出部46は、揺動軸線A1に沿った方向において、ホルダ20に向かって突出する。突出部46は、制限凹部22cに対応して設けられる。突出部46は、各予圧部40に例えば4つ設けられる。突出部46の一部は、制限凹部22cに収容される。突出部46は、軸上凸部45を囲うように配置される。言い換えると、軸上凸部45は、4つの突出部46を含む領域の内部に配置される。なお、突出部46の数は、例えば、1つ~3つ、又は、5つ以上であってもよい。また、突出部46は、第1面部41の端部を折り曲げることによって形成されている。
【0057】
取付部47は、例えば第2面部42に配置される。取付部47は、第2面部42の上端に配置される。取付部47は、支持体30の側面部32の上端に取り付けられる。取付部47は、例えば、側面部32の上端を第1方向Xに挟み込むことにより、側面部32に取り付けられる。なお、予圧部40は、取付部47を有しなくてもよく、例えば、接着剤等を用いて支持体30に固定されてもよい。
【0058】
引き続き、図2図5を参照して、収容部60を更に詳しく説明する。図5に示すように、収容部60は、複数の壁部Wを更に有する。複数の壁部Wのうちの1つの壁部は、後述する支持機構7が配置される。また、複数の壁部Wのうちの他の1つの壁部Wは、基板部80の少なくとも一部を支持する。他の1つの壁部Wは、1つの壁部Wに接続される。したがって、収容部60を簡素な構成としつつも、基板部80を固定できる。この結果、簡素な構成で可動部2を揺動可能に支持できる。
【0059】
また、図5に示すように、複数の壁部Wは、支持本体61と、第1側面部62と、背面部63と、第2側面部64とを含む。
【0060】
支持本体61は、第1方向Xの一方側X1に配置される。支持本体61は、「第1壁部」の一例に相当する。支持本体61は、第1収容凹部61bと、少なくとも2つの第2収容凹部61cとを有する。本実施形態では、支持本体61は、1つの第1収容凹部61bと、2つの第2収容凹部61cとを有する。なお、本実施形態では、収容部60が第1収容凹部61b及び第2収容凹部61cを有する例について説明するが、可動部2及び固定部3の一方が、可動部2及び固定部3の他方とは反対方向に窪む第1収容凹部及び第2収容凹部を有してもよい。また、例えば、可動部2及び固定部3の一方が第1収容凹部を有し、可動部2及び固定部3の他方が第2収容凹部を有してもよい。
【0061】
支持本体61は、支持体30の下面に対して第1方向Xに対向する。第1収容凹部61b及び第2収容凹部61cは、第1方向Xにおいて可動部2とは反対方向に窪む。つまり、第1収容凹部61b及び第2収容凹部61cは、第1方向Xの一方側X1に窪む。第1収容凹部61bは、支持体30の第1凹部31fに対して第1方向Xに対向する。第1収容凹部61bは、支持機構7の一部を収容する。また、支持本体61には、磁石151pと磁石151qが配置される。
【0062】
背面部63は、支持本体61の第2方向Yの他方側Y2の端部に配置される。背面部63は、「第2壁部」の一例に相当する。
【0063】
背面部63は、磁性体84が配置される収容穴63aを有する。収容穴63aは、「凹部」の一例に相当する。収容穴63aは、背面部63を厚み方向に貫通する。つまり、収容穴63aは、背面部63を第2方向Yに貫通する。
【0064】
第1側面部62は、支持本体61の第3方向Zの一方側Z1に配置される。第1側面部62は、「第3壁部」の一例に相当する。第1側面部62は、第2側面部64と互いに対称な形状を有する。第1側面部62は、第3方向Zの一方側Z1で支持本体61と背面部63とに接続される。
【0065】
第1側面部62は、磁性体84が配置される収容穴62aを有する。収容穴62aは、「凹部」の一例に相当する。収容穴62aは、第1側面部62を厚み方向に貫通する。つまり、収容穴62aは、第1側面部62を第3方向Zに貫通する。
【0066】
第2側面部64は、支持本体61の第3方向Zの他方側Z2に配置される。第2側面部64は、「第4壁部」の一例に相当する。第2側面部64は、第1側面部62と対向する。したがって、可動部2を揺動可能に支持しつつ、支持本体61と背面部63と第1側面部62と第2側面部64とで基板部80を支持できる。この結果、基板部80の位置がずれることを抑制できる。
【0067】
第2側面部64は、収容穴64aと貫通孔67とを有する。収容穴64aは、磁性体84が配置される収容穴64aは、「凹部」の一例に相当する。収容穴64aは、第2側面部64を厚み方向に貫通する。つまり、収容穴64aは、第2側面部64を第3方向Zに貫通する。
【0068】
貫通孔67は、収容部60の内側と外側とを貫通する。具体的には、第2側面部64を厚み方向に貫通する。つまり、貫通孔67は、第2側面部64を第3方向Zに貫通する。
【0069】
引き続き、図2図5を参照して、基板部80を更に詳しく説明する。図5に示すように、基板部80は、接続端子82と、基板本体81と、接続部85とを有する。
【0070】
接続端子82は、基板本体81に配置される。接続端子82は、図示しないホール素子の端子に電気的に接続される。なお、1つのホール素子に対して例えば4つの接続端子82が配置される。
【0071】
基板本体81は、第1基板81aと、第2基板81bと、第3基板81cとを有する。第1基板81aは、第2基板81bと第3基板81cとの間に位置する。第1基板81aは、第2方向Yの他方側Y2に位置する。第1基板81aは、第3方向Zに沿って延びる。第1基板81aは、後述する第1コイル52aに電力を供給する。
【0072】
第2基板81bは、第1基板81aに対して、第3基板81cよりも第3方向Zの一方側Z1に位置する。第2基板81bは、第1基板81aから第2方向Yの一方側Y1に沿って延びる。つまり、第2基板81bは、第3方向Zに沿って延びる第1基板81aに対して第2方向Yの一方側Y1に屈曲する。第2基板81bは、後述する第2コイル52bに電力を供給する。
【0073】
第3基板81cは、第1基板81aに対して、第2基板81bよりも第3方向Zの他方側Z2に位置する。第3基板81cは、第1基板81aから第2方向Yの一方側Y1に沿って延びる。つまり、第3基板81cは、第3方向Zに沿って延びる第1基板81aに対して第2方向Yの一方側Y1に屈曲する。第3基板81cは、第2基板81bと対向する。第3基板81cは、後述する第3コイル52cに電力を供給する。
【0074】
本実施形態では、第1基板81aは、背面部63に支持される。第2基板81bは、第1側面部62に支持される。第3基板81cは、第2側面部64に支持される。したがって、第2基板81bが第1側面部62の側に広がることを抑制でき、第3基板81cが第2側面部64の側に広がることを抑制できる。この結果、設計者が所望する位置から第2コイル52bと第3コイル52cとの位置が変わることを抑制できる。
【0075】
また、本実施形態では、第1基板81aは背面部63に支持され、第2基板81bは第1側面部62に支持され、第3基板81cは第2側面部64に支持される。よって、第1基板81a、第2基板81b、及び、第3基板81cのそれぞれが撓むことを抑制できる。従来の光学のユニットでは、一般にFPCが撓むことを抑制するために補強板と呼ばれる金属や樹脂製の薄い板が取り付けられる。ここで、本実施形態の光学ユニット1は従来の光学ユニットとは異なり、FPC上に補強板を取り付けることを省略できる。つまり、第1基板81a、第2基板81b、及び、第3基板81cのそれぞれに補強板を配置しなくてもよい。よって、基板部80を製造する際に、第1基板81a、第2基板81b、及び、第3基板81cのそれぞれに補強板を配置する工程を省略できる。
【0076】
また、図5に示すように、基板本体81は、第1切欠き領域88と、第2切欠き領域89とを含む。第1切欠き領域88は、第1コイル52aと第2コイル52bとの間に位置する。第2切欠き領域89は、第1コイル52aと第3コイル52cとの間に位置する。第1切欠き領域88と第2切欠き領域89とは、基板本体81の第1方向Xの一方側X1に位置する。したがって、基板本体81の第1方向Xの一方側X1と基板本体81の第1方向Xの他方側X2との形状を異ならせることができる。この結果、第1切欠き領域88と第2切欠き領域89とを目印にして、収容部60の第1位置決め部65に基板部80を配置できる。
【0077】
接続部85は、図示しない配線に接続される。接続部85は、配線を介して電力が供給される。接続部85は、第1基板81aと第2基板81bと第3基板81cとに電力を供給する。接続部85は、第3基板81cに位置する。具体的には、接続部85は第3基板81cの第1方向Xの一方側X1に位置する。
【0078】
接続部85は、貫通孔67に配置される。接続部85は、「貫通孔67に配置される少なくとも一部」の一例に相当する。基板部80を第1位置決め部65に位置させる際に接続部85は貫通孔67に配置される。したがって、接続部85は収容部60の外部に位置する。この結果、接続部85を配線に接続することが容易となる。つまり、光学ユニット1への配線の取り回しが容易となる。
【0079】
引き続き、図5を参照して、光学ユニット1の支持機構7を説明する。支持機構7は、第1凸部71と、複数の第2凸部72とを有する。第1凸部71は、可動部2及び固定部3に向かって突出する。具体的には、第1凸部71は、支持体30及び収容部60に向かって突出する。つまり、可動部2及び固定部3は、第1凸部71に接触する。第1凸部71の一部は、第1収容凹部61bに収容される。第1凸部71は、揺動軸線A2上に配置される。したがって、可動部2は、第1凸部71を中心として揺動する。よって、可動部2と固定部3との接触位置から揺動中心までの長さを小さくできる。可動部2を揺動させる際に必要な力は、接触位置から揺動中心までの長さと摩擦力との積であるので、第1凸部71を揺動軸線A2上に配置することによって、可動部2を揺動させる際に必要な力を低減できる。つまり、光学ユニット1の駆動に必要な力を低減できる。なお、第1凸部71の材質は、特に限定されるものではないが、第1凸部71は、例えばセラミック、樹脂又は金属により形成される。
【0080】
また、第1凸部71が揺動軸線A2上に配置されることによって、可動部2と固定部3との接触位置は、第1凸部71に対して移動しない。したがって、例えば、可動部2が揺動する際に可動部2及び固定部3の他方が第1凸部71に対して摺動する場合に比べて、可動部2及び固定部3の他方と第1凸部71との間の摩擦力を小さくできる。また、光軸L10と揺動軸線A2とが重なって配置されるため、可動部2を揺動させた際に光軸L10が揺動軸線A2からずれることを抑制できる。
【0081】
また、本実施形態では、第1凸部71は固定部3に配置される。したがって、可動部2が揺動する際に第1凸部71が回転することを抑制できる。よって、第1凸部71によって可動部2を安定して支持できる。その結果、可動部2の揺動が安定する。
【0082】
複数の第2凸部72は、可動部2及び固定部3に向かって突出する。具体的には、複数の第2凸部72は、支持体30及び収容部60に向かって突出する。第2凸部72の一部は、第2収容凹部61cに収容される。複数の第2凸部72は、揺動軸線A2から離隔した位置に配置される。複数の第2凸部72は、可動部2及び固定部3に接触する。
【0083】
第1凸部71及び複数の第2凸部72は、揺動軸線A2と交差する同一平面上に配置される。したがって、同一平面上に配置される第1凸部71及び複数の第2凸部72によって、可動部2を支持できる。その結果、可動部2を安定して支持できる。また、第2凸部72の材質は、特に限定されるものではないが、第2凸部72は、例えばセラミック、樹脂又は金属により形成される。
【0084】
また、第2凸部72の位置は、一定である。言い換えると、第2凸部72は、可動部2及び固定部3の一方に対して移動しない。本実施形態では、第2凸部72は、固定部3に対して移動しない。言い換えると、本実施形態では、可動部2が揺動した場合も、固定部3に対する第2凸部72の位置は、一定である。したがって、可動部2をより安定して支持できる。
【0085】
また、本実施形態では、第2凸部72の数は、2つである。したがって、3つの凸部(第1凸部71及び第2凸部72)で可動部2を支持するため、4つ以上の凸部によって可動部2を支持する場合に比べて、可動部2をより安定して支持できる。また、本実施形態では、3点で可動部2に対して点接触するため、可動部2を更に安定して支持できる。
【0086】
引き続き、図5を参照して、第1位置決め部65を更に詳しく説明する。図5に示すように、第1位置決め部65は、背面位置決め部65aと、第1側面位置決め部65bと、第2側面位置決め部65cとを有する。
【0087】
背面位置決め部65aは、背面部63に位置する。背面位置決め部65aは、背面部63の厚み方向に窪む。背面位置決め部65aは、第1基板81aの位置を決める。具体的には、背面位置決め部65aは、背面部63を第2方向Yの他方側Y2に窪む穴である。
【0088】
つまり、第1基板81aは、背面位置決め部65aに収容される。換言すると、背面位置決め部65aは第1基板81aを支持する。また、背面位置決め部65aは、背面位置決め部65aを超えて第1基板81aが第1方向Xの一方側X1と第1方向Xの他方側X2とに移動することを抑制できる。また、背面位置決め部65aは、第1基板81aが第2方向Yの他方側Y2に移動することを抑制する。
【0089】
第1側面位置決め部65bは、第1側面部62に位置する。第1側面位置決め部65bは、第1側面部62の厚み方向に窪む。第1側面位置決め部65bは、第2基板81bの位置を決める。つまり、第1側面位置決め部65bは、第1側面部62を第3方向Zの一方側Z1に窪む穴である。
【0090】
つまり、第2基板81bは、第1側面位置決め部65bに収容される。換言すると、第1側面位置決め部65bは第2基板81bを支持する。また、第1側面位置決め部65bは、第1側面位置決め部65bを超えて第2基板81bが第1方向Xの一方側X1と第1方向Xの他方側X2とに移動することを抑制できる。また、第1側面位置決め部65bは、第1側面位置決め部65bを超えて第2基板81bが第2方向Yの一方側Y1に移動することに抑制できる。また、第1側面位置決め部65bは、第2基板81bが第3方向Zの一方側Z1に移動することを抑制する。
【0091】
第1側面位置決め部65bと背面位置決め部65aとは、第1側面位置決め部65bを超えて第1基板81aが第3方向Zの一方側Z1に移動することを抑制できる。背面位置決め部65aと第1側面位置決め部65bとは、背面位置決め部65aを超えて第2基板81bが第2方向Yの他方側Y2に移動することを抑制できる。
【0092】
第2側面位置決め部65cは、第2側面部64に位置する。第2側面位置決め部65cは、第3基板81cの位置を決める。第2側面位置決め部65cは、第2側面部64の厚み方向に窪む。第2側面位置決め部65cは、第3基板81cの位置を決める。つまり、第2側面位置決め部65cは、第2側面部64を第3方向Zの他方側Z2に窪む穴である。
【0093】
つまり、第3基板81cは、第2側面位置決め部65cに収容される。換言すると、第2側面位置決め部65cは第3基板81cを支持する。よって、第2側面位置決め部65cは、第3基板81cが第3方向Zの他方側Z2に移動することを抑制する。
【0094】
また、第2側面位置決め部65cは、第2側面位置決め部65cを超えて第3基板81cが第1方向Xの一方側X1と第1方向Xの他方側X2とに移動することを抑制できる。更に、第2側面位置決め部65cは、第2側面位置決め部65cを超えて第3基板81cが第2方向Yの一方側Y1に移動することを抑制できる。
【0095】
また、第2側面位置決め部65cと背面位置決め部65aとは、第2側面位置決め部65cを超えて第1基板81aが第3方向Zの他方側Z2に移動することを抑制できる。更に、第2側面位置決め部65cと背面位置決め部65aとは、背面位置決め部65aを超えて第3基板81cが第2方向Yの他方側Y2に移動することを抑制できる。
【0096】
引き続き、図2図5を参照して、光学ユニット1の揺動機構5を詳しく説明する。
【0097】
図2に示すように、揺動機構5は、揺動軸線A1を中心としてホルダ20を支持体30に対して揺動する。また、揺動機構5は、揺動軸線A2を中心として支持体30を収容部60に対して揺動する。したがって、2つの揺動軸線(揺動軸線A1及び揺動軸線A2)のそれぞれを中心として光学要素10を容易に揺動できる。
【0098】
図2に示すように、揺動機構5の磁石51は、第1磁石51aと、第2磁石51bと、第3磁石51cとを含む。
【0099】
第1磁石51aは、ホルダ20及び収容部60の一方に配置される。本実施形態では、第1磁石51aは、ホルダ20に配置される。具体的には、第1磁石51aは、ホルダ20の背面21bに配置される。すなわち、第1磁石51aは、ホルダ20のうち第2方向Yの他方側Y2の端部20aに配置される。第1磁石51aは、n極からなるn極部と、s極からなるs極部とを有する。第1磁石51aは、第1方向Xに分極されている。
【0100】
第2磁石51bは、可動部2又は固定部3に配置される。本実施形態では、第2磁石51bは、支持体30及び収容部60の一方に配置される。具体的には、第2磁石51bは、支持体30の側面部32の収容凹部32fに配置される。すなわち、第2磁石51bは、第3方向Zの一方側Z1に配置される。第2磁石51bは、n極からなるn極部と、s極からなるs極部とを有する。第2磁石51bは、第1方向Xと交差する第2方向Yに分極されている。したがって、光の入射方向に沿った揺動軸線A2を中心として、可動部2を揺動できる。
【0101】
第3磁石51cは、可動部2又は固定部3に配置される。本実施形態では、第3磁石51cは、支持体30及び収容部60の一方に配置される。具体的には、第3磁石51cは、支持体30の側面部32の収容凹部32fに配置される。本実施形態では、第3磁石51cは、第3方向Zの他方側Z2に配置される。第3磁石51cは、n極からなるn極部と、s極からなるs極部とを有する。第3磁石51cは、第1方向Xと交差する第2方向Yに分極されている。したがって、光の入射方向に沿った揺動軸線A2を中心として、可動部2を揺動できる。
【0102】
図3に示すように、揺動機構5のコイル52は、第1コイル52aと、第2コイル52bと、第3コイル52cとを含む。
【0103】
第1コイル52aは、第1磁石51aに対して第2方向Yに対向する。本実施形態では、第1コイル52aは、第1基板81aに配置される。第1コイル52aが配置された第1基板81aは、背面位置決め部65aに配置される。よって、第1コイル52aが収容部60に対して揺動することを抑制できる。
【0104】
第1コイル52aに通電することによって、第1コイル52aの周辺に磁場が生じる。そして、第1磁石51aには磁場に起因する力が作用する。その結果、ホルダ20及び光学要素10は、揺動軸線A1を中心として、支持体30及び収容部60に対して揺動する。
【0105】
第2コイル52bは、第2磁石51bに対向する。具体的には、第2コイル52bは、第2磁石51bに対して第3方向Zの一方側Z1に対向する。本実施形態では、第2コイル52bは、第2基板81bに配置される。第2コイル52bが配置された第2基板81bは、第1側面位置決め部65bに配置される。よって、第2コイル52bは収容部60に対して揺動することを抑制できる。
【0106】
第3コイル52cは、第3磁石51cに対向する。具体的には、第3コイル52cは、第3磁石51cに対して第3方向Zの他方側Z2に対向する。本実施形態では、第3コイル52cは、第3基板81cに配置される。第3コイル52cが配置された第3基板81cは、第2側面位置決め部65cに配置される。よって、第3コイル52cは収容部60に対して揺動することを抑制できる。
【0107】
第2コイル52bと第3コイル52cとが通電することによって、第2コイル52bの周辺と第3コイル52cの周辺とに磁場が生じる。そして、第2磁石51bと第3磁石51cとには磁場に起因する力が作用する。その結果、支持体30、ホルダ20及び光学要素10は、揺動軸線A2を中心として、収容部60に対して揺動する。
【0108】
図5に示すように、揺動機構5の磁性体84は、第1磁性体84aと、第2磁性体84bと、第3磁性体84cとを含む。
【0109】
第1磁性体84aは、第1磁石51aに対向する。第1磁性体84aは、背面部63の収容穴63aに配置される。第1コイル52aに通電しない状態において、第1磁石51a及び第1磁性体84aの間には引力が生じる。よって、可動部2は、揺動軸線A1を中心とする回転方向において、基準位置に配置される。また、第1磁石51a及び第1磁性体84aの間に引力が生じることによって、第2方向Yの一方側Y1にホルダ20が抜け出ることを抑制できる。
【0110】
第2磁性体84bは、第2磁石51bに対向する。第2磁性体84bは、第1側面部62の収容穴62aに配置される。第2コイル52bに通電しない状態において、第2磁石51b及び第2磁性体84bの間には引力が生じる。よって、可動部2は、揺動軸線A2を中心とする回転方向において、基準位置に配置される。
【0111】
第3磁性体84cは、第3磁石51cに対向する。第3磁性体84cは、第2側面部64の収容穴64aに配置される。第3コイル52cに通電しない状態において、第3磁石51c及び第3磁性体84cの間には引力が生じる。よって、可動部2は、揺動軸線A2を中心とする回転方向において、基準位置に配置される。
【0112】
次に、図6を参照して本実施形態に係る収容部60を更に詳しく説明する。図6は、本実施形態に係る光学ユニット1の収容部60を示す図である。本実施形態の収容部60は、第2位置決め部68と、第3位置決め部69とを有する。
【0113】
第2位置決め部68は、第1側面部62から背面部63に沿って伸びる。つまり、第2位置決め部68は、第3方向Zの他方側Z2に向かって伸びる。第2位置決め部68は、第1基板81aと第2基板81bとの位置を決める。
【0114】
第3位置決め部69は、第2側面部64から背面部63に沿って伸びる。つまり、第3位置決め部69は、第3方向Zの一方側Z1に向かって伸びる。第3位置決め部69は、第1基板81aと第3基板81cとの位置を決める。したがって、第2位置決め部68と第3位置決め部69とによって、第1基板81aが位置決めされる。そして、第2位置決め部68によって第2基板81bが位置決めされる。更に、第3位置決め部69によって第3基板81cが位置決めされる。この結果、基板部80を更に精度良く収容部60に配置できる。
【0115】
また、基板部80が収容部60に収容される場合、第2位置決め部68は図5に示す第1切欠き領域88に位置する。したがって、第2位置決め部68は、第3方向Zへの基板部80の移動と第2方向Yへの基板部80の移動を抑制できる。また、基板部80が収容部60に収容される場合、第3位置決め部69は図5に示す第2切欠き領域89に位置する。したがって、第3位置決め部69は、第3方向Zへの基板部80の移動と第2方向Yへの基板部80の移動を抑制できる。この結果、基板部80を高精度に位置決めできる。
【0116】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0117】
例えば、上記した実施形態では、磁性体84を凹部H1に配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、磁性体84は、基板部80に配置されてもよい。なお、磁性体84は凹部H1に収容される。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、光学ユニットを提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0119】
1 :光学ユニット
2 :可動部
3 :固定部
7 :支持機構
10 :光学要素
51 :磁石
52 :コイル
60 :収容部
65 :第1位置決め部
67 :貫通孔
68 :第2位置決め部
69 :第3位置決め部
80 :基板部
81a :第1基板
81b :第2基板
81c :第3基板
84 :磁性体
H1 :凹部
L :光
W :壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6