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特開2023-84940口座振替管理装置、口座振替管理方法、及び口座振替管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084940
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】口座振替管理装置、口座振替管理方法、及び口座振替管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230613BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20230613BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199348
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】卯月 法晴
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L055BB25
(57)【要約】
【課題】マンションの所定費目を滞納している入居者から当該入居者の口座に資金がある分だけ引落を行うことが可能な口座振替管理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施の形態に係る口座振替管理装置は、対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、請求データ、又は請求データ及び回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成手段と、前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成手段と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、対象のマンションの入居者の所定費目の口座振替を管理するための口座振替管理装置であって、
前記制御部は、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成手段と、
前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成手段と、
を備え、
前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、
前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、
前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、
前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする口座振替管理装置。
【請求項2】
前記マスタで部屋番号の請求区分が単月請求に設定されている場合には、
前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額であり、
前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の引落金額を前記今回請求額としたレコードを含む前記引落依頼データを作成し、
口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする請求項1に記載の口座振替管理装置。
【請求項3】
前記マスタで部屋番号の請求区分が累積請求に設定されている場合には、
前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、
前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の請求年月の引落金額を前記合算した金額としたレコードを含む前記引落依頼データを作成し、
前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額を前記合算した金額としたレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の口座振替管理装置。
【請求項4】
前記所定費目は、管理費、修繕積立金、駐車場費を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の口座振替管理装置。
【請求項5】
前記マンションは、分譲マンション、賃貸マンションを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の口座振替管理装置。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行される口座振替管理方法であって、
前記制御部は、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成工程と、
前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成工程と、
を含み、
前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、
前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、
前記引落依頼データ作成工程では、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、
前記口座振替ファイル作成工程では、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする口座振替管理方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための口座振替管理プログラムであって、
前記制御部は、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、
対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成工程と、
前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成工程と、
をコンピュータで実行するための口座振替管理プログラムであり、
前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、
前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、
前記引落依頼データ作成工程では、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、
前記口座振替ファイル作成工程では、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする口座振替管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座振替管理装置、口座振替管理方法、及び口座振替管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、マンション管理業者は、管理組合業務を代行し管理費・修繕積立金を各区分所有者から集金をしてマンション管理を行っている。区分所有者から徴収する方法としては振込・口座振替(口座引落)などの方法がある。従来のマンションの管理システムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-351958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、マンションの所定費目(例えば、管理費)を滞納している入居者から当該入居者の口座に資金がある分だけ引落を行う方法に関して、何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、マンションの所定費目を滞納している入居者から当該入居者の口座に資金がある分だけ引落を行うことが可能な口座振替管理装置、口座振替管理方法、及び口座振替管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備え、対象のマンションの入居者の所定費目の口座振替を管理するための口座振替管理装置であって、前記制御部は、対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、にアクセス可能に構成されており、前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成手段と、前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成手段と、を備え、前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記マスタで部屋番号の請求区分が単月請求に設定されている場合には、前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額であり、
前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の引落金額を前記今回請求額としたレコードを含む前記引落依頼データを作成し、口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記マスタで部屋番号の請求区分が累積請求に設定されている場合には、前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、前記引落依頼データ作成手段は、前記請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の請求年月の引落金額を前記合算した金額としたレコードを含む前記引落依頼データを作成し、前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額を前記合算した金額としたレコードを含む前記データレコードを作成することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記所定費目は、管理費、修繕積立金、駐車場費を含むことにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記マンションは、分譲マンション、賃貸マンションを含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される口座振替管理方法であって、前記制御部は、対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成工程と、前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成工程と、を含み、前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、前記引落依頼データ作成工程では、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための口座振替管理プログラムであって、前記制御部は、対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録したマスタと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、請求年月、回収予定金額、入金消込金額を含む回収予定データと、対象のマンションについて、部屋番号毎に、当月の請求年月について、前記マスタの請求区分に従った今回請求額を含む請求データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、前記マスタの部屋番号毎の請求区分に従って、前記請求データ、又は前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成工程と、前記引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成工程と、をコンピュータで実行するための口座振替管理プログラムであり、前記マスタで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、前記請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に前記回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、前記引落依頼データ作成工程では、前記請求データ及び前記回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、前記口座振替ファイル作成手段は、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マンションの所定費目を滞納している入居者から当該入居者の口座に資金がある分だけ引落を行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、累積請求、単月請求、単月複数請求の3パターンの引落方法の例を説明するための図である。
図2図2は、本実施の形態の口座振替ファイル作成方法の概略を説明するための図である。
図3図3は、本実施の形態に係る口座振替管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、物件マスタの構成例を示す図である。
図5図5は、組合マスタの構成例を示す図である。
図6図6は、区分所有者(入居者)マスタの構成例を示す図である。
図7図7は、物件別口座マスタの構成例を示す図である。
図8図8は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図9図9は、引落依頼データ作成処理及び口座ファイル作成処理のフローを示す図である。
図10図10は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図11図11は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図12図12は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図13図13は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図14図14は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、マンション管理業者は、管理組合業務を代行し管理費・修繕積立金・駐車場費等を各区分所有者から集金をしてマンション管理を行っている。区分所有者から徴収する方法としては振込・口座振替(口座引落)などの方法がある。
【0017】
区分所有者が口座振替で管理費を滞納した場合は、一般的に行われる業務運用としては、以下の2パターンがある。(1)累積請求:滞納額を含めた累計額を引落依頼する。(2)単月請求:翌月に該当月の管理費分のみを引落依頼し、滞納額については督促状を発行して振込してもらう。
【0018】
しかしながら、この2パターンには以下のような問題がある。(1)累積請求の場合は、滞納額が大きくなればなるほど口座振替が成功する可能性が低くなるという問題がある。(2)単月請求の場合は、滞納者が振込を行うとは限らないという問題がある。
【0019】
そこで、本実施の形態では、管理費の滞納者の口座から引き落としできる可能性を増やすために、「単月複数請求」という方法を採用する。「単月複数請求」は、過去の未収金額と当月の請求額を月毎に分けて請求する方法である。例えば、毎月¥20,000の引落を依頼している区分所有者が滞納した場合、翌月の引落額は、¥20,000(前月分)と¥20,000(当月分)の依頼を合算ではなく同時に行う。
【0020】
図1は、累積請求、単月請求、単月複数請求の3パターンの引落方法の例を説明するための図である。図1では、毎月¥20,000の引落を依頼している場合に、¥20,000を2ヶ月滞納した場合の当月の引落額の例を示している。
【0021】
累計請求の場合は、過去の未収金額と当月の請求額の合計金額の¥60,000(=¥20,000×3)を請求する。単月請求の場合は、当月の請求金額の¥20,000のみを請求し、滞納額の¥40,000は催告状を発行して、振込してもらう。
【0022】
単月複数請求の場合は、過去の未収金額と当月の請求額を月毎に分けて、当月に、¥20,000(前々月分)、¥20,000(前月分)、¥20,000(当月分)を請求する。この場合、手数料が請求毎に発生する。
【0023】
上述したように、マンション管理組合と契約している管理会社は何ヶ月滞納しているかで督促状を発行しているが、単月複数請求を採用することで、例えば、3か月滞納している区分所有者から1、2か月分でも取れると督促状を出力する必要が無くなり、業務効率化につながる。また、単月複数請求を採用することで、管理組合側も滞納がある状況は望ましくなく滞納している区分所有者からは滞納額を取れるだけ取りたいという想いに答えることができる。
【0024】
図2は、本実施の形態の口座振替ファイル作成方法の概略を説明するための図であり、口座振替データの例を示す図である。口座振替データは、ヘッダレコード(1行)、データレコード(N行)、トレーラーレコード(1行)、エンドレコード(1行)で構成されている。ヘッダレコード(1行)は、自分の口座の情報などが記述される。データレコード(N行)は、相手先の口座情報・引落依頼金額が記述される。このデータレコードに同じ引落先で複数引落依頼を作成することによって、単月複数請求が可能となる。トレーラーレコード(1行)は、データレコードの合計件数・合計金額などが記述される。エンドレコード(1行)は、データの終わりを示す行である。
【0025】
図2に示す例では、ヘッダレコード「A銀行口座」、データレコード「○○さんから¥20,000(前々月分)、○○さんから¥20,000(前月分)、○○さんから¥20,000(当月分)」、トレーラーレコード「合計件数:3件、合計金額¥60,000」、エンドレコード「9」となっている。
【0026】
以下の例では、分譲マンションの入居者(区分所有者)について管理費(修繕積立金、駐車場費等を含む)の口座振替を行う場合を例として説明するが、本発明の口座振替管理装置は、分譲マンションに限らず、例えば、賃貸マンションで賃料や共益費等を滞納している入居者から口座引落を行う場合等にも適用可能である。
【0027】
[2.構成]
図3は、本実施の形態に係る口座振替管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。図3において、口座振替管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。口座振替管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、口座振替管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、口座振替管理装置100とサーバ200やEB(Electronic Banking)サービス400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0031】
記憶部106は、物件マスタ106aと、組合マスタ106bと、区分所有者(入居者)マスタ106cと、物件別口座マスタ106dと、データファイル106eと、を備えている。図4は、物件マスタ106aの構成例を示す図である。図5は、組合マスタ106bの構成例を示す図である。図6は、区分所有者(入居者)マスタ106cの構成例を示す図である。図7は、物件別口座マスタ106dの構成例を示す図である。
【0032】
物件マスタ106aは、図4に示すように、物件コード、物件名を関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。
【0033】
組合マスタ106bは、図5に示すように、物件コード、組合コード、組合名のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0034】
区分所有者(入居者)マスタ106cは、図6に示すように、物件コード、部屋番号、区分所有者名、部屋タイプ、請求区分、各費目(例えば、管理費、修繕積立金、駐車場費等)の金額(不図示)、口座情報(不図示)等のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0035】
物件別口座マスタ106dは、図7に示すように、物件コード、口座コード、銀行コード、支店コード、区分、口座番号のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0036】
データファイル106eは、回収予定データ、請求データ、引落依頼作成ワーク、引落依頼データ(引落依頼ヘッダデータ、引落依頼明細データ)、口座振替ファイル等の各種データを格納するためのファイルである。
【0037】
回収予定データは、請求年月、物件コード、部屋番号、費目、回収予定金額、入金消込済金額を含んでいてもよい。
【0038】
請求データは、請求年月、物件コード、部屋番号、今回請求額を含んでいてもよい。
【0039】
引落依頼作成ワークは、請求年月、物件コード、部屋番号、本来の請求年月である対象年月、引落金額を含んでいてもよい。
【0040】
引落依頼データは、引落依頼ヘッダデータと引落依頼明細データで構成されている。引落依頼ヘッダデータは、引落依頼GUID、請求年月、物件コード、取引口座、振替件数、振替金額のデータを含んでいてもよい。引落依頼明細データは、明細GUID、ヘッダGUID、物件コード、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額のデータを含んでいてもよい。
【0041】
口座振替ファイルは、ヘッダレコード(1行)、データレコード(N行)、トレーラーレコード(1行)、エンドレコード(1行)で構成されていてもよい。
【0042】
図3に戻り、制御部102は、口座振替管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0043】
制御部102は、記憶部106に格納されている、物件マスタ106a、組合マスタ106b、区分所有者(入居者)マスタ106c、物件別口座マスタ106d、及びデータファイル106e等にアクセス可能に構成されている。なお、物件マスタ106a、組合マスタ106b、区分所有者(入居者)マスタ106c、物件別口座マスタ106d、及びデータファイル106eは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0044】
制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、請求仮締処理部102bと、引落依頼データ作成部102cと、口座振替ファイル作成部102dと、振替処理部102eと、画面表示制御部102fと、を備えている。
【0045】
マスタメンテ部102aは、不図示のマスタメンテ画面上のオペレータの操作等に応じて、物件マスタ106a、組合マスタ106b、区分所有者(入居者)マスタ106c、物件別口座マスタ106dに対して、データの入力・追加・変更・更新等の設定を行うためのものである。
【0046】
請求仮締処理部102bは、回収予定データ及び請求データの作成や更新を行って、データファイル106eに登録・更新する。
【0047】
引落依頼データ作成部102cは、区分所有者(入居者)マスタ106cを参照して、対象の物件及び対象の部屋番号の請求区分に従って、請求データ、又は請求データ及び回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成して、データファイル106eに登録する。
【0048】
口座振替ファイル作成部102dは、引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成して、データファイル106eに登録する。
【0049】
区分所有者(入居者)マスタ106cで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、引落依頼データ作成部102cは、請求データ及び回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、口座振替ファイル作成部102dは、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含むデータレコードを作成することにしてもよい。
【0050】
また、区分所有者(入居者)マスタ106cで部屋番号の請求区分が単月請求に設定されている場合には、請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額であり、引落依頼データ作成部102cは、請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の引落金額を前記今回請求額としたレコードを含む前記引落依頼データを作成し、口座振替ファイル作成部102dは、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額のレコードを含むデータレコードを作成してもよい。
【0051】
また、区分所有者(入居者)マスタ106cで部屋番号の請求区分が累積請求に設定されている場合には、請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、引落依頼データ作成部102cは、請求データに基づいて、当該部屋番号について、当月の請求年月の引落金額を合算した金額としたレコードを含む引落依頼データを作成し、口座振替ファイル作成部102dは、当該部屋番号の口座について、当月の引落金額を合算した金額としたレコードを含むデータレコードを作成してもよい。
【0052】
所定費目は、管理費、修繕積立金を含むことにしてもよい。
【0053】
振替処理部102eは、口座振替ファイルをEBサービス400に送信して、口座振替を依頼する。EBサービス400では、受信した口座振替ファイルに基づいて口座振替を行い、口座振替結果を振替処理部102eに送信する。請求仮締処理部102bは、この口座振替結果に基づいて、回収予定データの消込を行う。
【0054】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面や各種入力画面)の表示や入力の受付を制御する。
【0055】
[3.具体例]
図3図14を参照して、本実施の形態における口座振替管理装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0056】
(3-1.全体の処理)
図8は、本実施の形態における口座振替管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。図9は、引落依頼データ作成処理及び口座ファイル作成処理のフローを示す図である。
【0057】
図8を参照して、本実施の形態における口座振替管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。図8において、マスタメンテ部102aは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102aは、不図示のマスタメンテ画面上のオペレータの操作等に応じて、物件マスタ106a、組合マスタ106b、区分所有者(入居者)マスタ106c、物件別口座マスタ106dのデータを設定する。
【0058】
請求仮締処理部102bは、請求仮締処理を実行する(ステップS2)。具体的には、請求仮締処理では、請求仮締処理部102bは、回収予定データ及び請求データの作成や更新を行って、データファイル106eに登録・更新する。
【0059】
引落依頼データ作成部102cは、引落依頼データ作成処理を実行する(ステップS3)。具体的には、引落依頼データ作成処理では、引落依頼データ作成部102cは、区分所有者(入居者)マスタ106cを参照して、対象の物件及び対象の部屋番号の請求区分に従って、請求データ、又は請求データ及び回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成して、データファイル106eに登録する。
【0060】
口座振替ファイル作成部102dは、口座振替データ作成処理を実行する(ステップS4)。具体的には、口座振替データ作成処理では、口座振替ファイル作成部102dは、引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成して、データファイル106eに登録する。
【0061】
図9を参照して、引落依頼データ作成処理及び口座振替ファイル作成処理を詳細に説明する。図9において、引落依頼データ作成部102cは、区分所有者(入居者)マスタ106cを参照して、対象の物件及び対象の部屋番号の請求区分が「単月請求or累積請求」であるか否かを判断する(ステップS11)。「単月請求or累積請求」である場合は、引落依頼データ作成部102cは、データファイル106eの請求データに基づいて、引落依頼作成ワークを作成して、データファイル106eに登録する(ステップS16)。
【0062】
「単月請求or累積請求」でない場合は、引落依頼データ作成部102cは、区分所有者(入居者)マスタ106cを参照して、対象の物件及び対象の部屋番号の請求区分が「単月複数請求」であるか否かを判断する(ステップS12)。「単月複数請求」である場合は、引落依頼データ作成部102cは、データファイル106eの請求データ及び回収予定データに基づいて、引落依頼作成ワークを作成して、データファイル106eに格納する(ステップS17)。
【0063】
つづいて、引落依頼データ作成部102cは、引落依頼作成ワークに基づいて、引落依頼データの引落依頼ヘッダデータと引落依頼明細データを作成して、データファイル106eに格納する(ステップS13、S14)。
【0064】
口座振替ファイル作成部102dは、引落依頼データ(引落依頼ヘッダデータ、引落依頼明細データ)に基づいて、口座振替ファイルを作成して、データファイル106eに格納する(ステップS15)。
【0065】
(3-2.サンプルデータ)
図10図14は、本実施の形態における口座振替管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図10図14を参照して、本実施の形態における口座振替管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0066】
(S1:マスタメンテ処理)
図10を参照して、マスタメンテ処理を説明する。マスタメンテ部102aは、不図示のマスタメンテ画面上のオペレータの操作等に応じて、物件マスタ106a、組合マスタ106b、区分所有者(入居者)マスタ106c、物件別口座マスタ106dのデータを設定する。
【0067】
図10(A)は、物件マスタ106aのデータ例を示す図である。図10(A)に示す物件マスタ106aの例では、1行目は、物件コード「A」、物件名「Aマンション」となっている。
【0068】
図10(B)は、組合マスタ106bのデータ例を示す図である。図10(B)に示す組合マスタ106bの例では、1行目は、物件コード「A」、組合コード「A00」、組合名「Aマンション管理組合」となっている。
【0069】
図10(C)は、区分所有者(入居者)マスタ106cのデータ例を示す図である。図10(C)に示す区分所有者(入居者)マスタ106cの例では、1行目は、物件コード「A」、「部屋番号404」、区分所有者名「404入居者」、部屋タイプ「A」、請求区分「単月請求」、2行目は、物件コード「A」、「部屋番号405」、区分所有者名「405入居者」、部屋タイプ「A」、請求区分「累積請求」、3行目は、物件コード「A」、「部屋番号406」、区分所有者名「406入居者」、部屋タイプ「A」、請求区分「単月複数請求」となっている。なお、区分所有者(入居者)マスタ106cには部屋番号毎に管理費と修繕積立金が登録されており(不図示)、回収予定データを作成する場合に参照される。また、区分所有者(入居者)マスタ106cには、部屋番号毎の口座情報(不図示)が登録されており、振替依頼データを作成する場合に参照される。
【0070】
図10(D)は、物件別口座マスタ106dのデータ例を示す図である。図10(D)に示す物件別口座マスタ106dの例では、1行目は、物件コード「A」、口座コード「A01」、銀行コード「0001」、支店コード「001」、区分「普通」、口座番号「1234567」となっている。
【0071】
(S2:請求仮締処理)
図11を参照して、請求仮締処理を説明する。区分所有者への管理費・修繕積立金は毎月請求される設定となっている。請求仮締処理部102bは、まず、対象の物件の各部屋番号毎に、請求年月毎に発生する請求内容を回収予定データとして作成する。請求仮締処理部102bは、回収予定データに基づいて、区分所有者(入居者)マスタ106cの対象の物件の各部屋番号の請求区分「単月請求、累積請求、単月複数請求」に応じて、請求データを作成する。
【0072】
単月請求の場合は、当月分(例えば、2015/06)のみ請求データ作成する。累計請求の場合は、当月分と過去未収月分の全てを合算した請求データを作成する。単月複数請求の場合は、累積請求と同様に、当月分と過去未収月分の全てを合算した請求データを作成する。
【0073】
図11(A)は、回収予定データのデータ例を示す図である。図11(A)に示す回収予定データの例では、物件コード「A」について、部屋番号「404」は、費目「管理費」の回収予定金額「¥15,000」と費目「修繕積立金」の回収予定金額「¥5,000」については、請求年月「2015/04」は入金済み、請求年月「2015/05」は未入金、請求年月「2015/06」は今月請求分となっている。
【0074】
部屋番号「405」は、費目「管理費」の回収予定金額「¥15,000」と費目「修繕積立金」の回収予定金額「¥5,000」については、請求年月「2015/04」は入金済み、請求年月「2015/05」は未入金、請求年月「2015/06」は今月請求分となっている。
【0075】
部屋番号「406」は、費目「管理費」の回収予定金額「¥15,000」と費目「修繕積立金」の回収予定金額「¥5,000」については、請求年月「2015/04」は未入金、請求年月「2015/05」は未入金、請求年月「2015/06」は今月請求分となっている。
【0076】
図11(B)は、請求データのデータ例を示す図である。図11(B)に示す請求データの例では、部屋番号「404」については、区分所有者(入居者)マスタ106cの請求区分で「単月請求」が設定されているので、請求年月「2015/06」の今回請求額は、「¥20,000」となる。
【0077】
部屋番号「405」については、区分所有者(入居者)マスタ106cの請求区分で「累積請求」が設定されているので、請求年月「2015/06」の今回請求額は、「¥40,000(=請求年月「2015/06」の回収予定金額「¥20,000」+請求年月「2015/05」の回収予定金額「¥20,000」)となる。
【0078】
部屋番号「406」については、区分所有者(入居者)マスタ106cの請求区分で「単月複数請求」が設定されているので、請求年月「2015/06」の今回請求額は、「¥60,000(=請求年月「2015/06」の回収予定金額「¥20,000」+請求年月「2015/04」の回収予定金額「¥20,000」+請求年月「2015/05」の回収予定金額「¥20,000」)となる。
【0079】
(S3:引落依頼データ作成処理)
図12及び図13を参照して、引落依頼データ作成処理を説明する。引落依頼データ作成部102cは、区分所有者(入居者)マスタ106cを参照して、対象の物件及び対象の部屋番号の請求区分を判断し、「単月請求、累積請求」である場合は、請求データに基づいて、引落依頼作成ワークを作成し、「単月複数請求」である場合は、請求データ及び回収予定データに基づいて、引落依頼作成ワークを作成する。次に、引落依頼データ作成部102cは、引落依頼作成ワークに基づいて、引落依頼データの引落依頼ヘッダデータと引落依頼明細データを作成する。
【0080】
図12(A)は、単月請求・累積請求の場合の引落依頼作成ワークのデータ例を示す図である。図12(D)は、単月請求・累積請求の場合の引落依頼作成ワークを作成するための図11(B)の請求データの該当部分を示す図である。
【0081】
図12(A)に示す例では、1行目は、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、部屋番号「404」、対象年月「NULL」、引落金額「¥20,000」、2行目は、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、部屋番号「405」、対象年月「NULL」、引落金額「¥40,000」となっている。
【0082】
図12(B)は、単月複数請求の場合の引落依頼作成ワークのデータ例を示す図である。図12(E)は、単月複数累積請求の場合の引落依頼作成ワークを作成するための図11(B)の請求データの該当部分を示す図である。図12(F)は、単月複数累積請求の場合の引落依頼作成ワークを作成するための図11(A)の回収予定データの該当部分を示す図である。
【0083】
図12(B)に示す例では、1行目は、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、部屋番号「406」、対象年月「2015/04」、引落金額「¥20,000」、2行目は、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、部屋番号「406」、対象年月「2015/05」、引落金額「¥20,000」、3行目は、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、部屋番号「406」、対象年月「2015/06」、引落金額「¥20,000」となっている。
【0084】
図12(A)と12(B)を纏めて、最終的に図12(C)に示すような引落依頼作成ワークが作成される。
【0085】
図13(A)は、引落依頼データの引落依頼ヘッダデータのデータ例を示す図である。図13(A)に示す引落依頼ヘッダデータの例では、引落依頼GUID「1」、請求年月「2015/06」、物件コード「A」、取引口座「A01」、振替件数「5」、振替金額「¥120,000」となっている。取引口座のデータは、物件別口座マスタ106dから取得する。
【0086】
図13(B)は、引落依頼データの引落依頼明細データのデータ例を示す図である。図13(B)に示す引落依頼データの引落依頼明細データの例では、1行目は、明細GUID「1」、ヘッダGUID「1」、物件コード「A」、部屋番号「404」、口座情報「~」、対象年月「NULL」、引落金額「¥20,000」、2行目は、明細GUID「2」、ヘッダGUID「1」、物件コード「A」、部屋番号「405」、口座情報「~」、対象年月「NULL」、引落金額「¥40,000」となっている。各部屋番号の口座情報は、区分所有者(入居者)マスタ106cから取得する。
【0087】
3行目は、明細GUID「3」、ヘッダGUID「1」、物件コード「A」、部屋番号「406」、口座情報「~」、対象年月「2015/04」、引落金額「¥20,000」、4行目は、明細GUID「4」、ヘッダGUID「1」、物件コード「A」、部屋番号「406」、口座情報「~」、対象年月「2015/05」、引落金額「¥20,000」、6行目は、明細GUID「5」、ヘッダGUID「1」、物件コード「A」、部屋番号「406」、口座情報「~」、対象年月「2015/06」、引落金額「¥20,000」となっている。
【0088】
(S4:口座振替ファイル作成処理)
図13及び図14を参照して、口座振替ファイル作成処理を説明する。口座振替ファイル作成部102dは、引落依頼データに基づいて、口座振替ファイルを作成する。
【0089】
図14(A)は、口座振替ファイルの例を示す図である。口座振替ファイルは、全銀協のフォーマットを使用することができる。図14(A)に示す口座振替ファイルの例では、ヘッダレコード「取引口座A01」、データレコード「部屋番号404の口座から¥20,000の引落依頼、部屋番号405の口座から¥40,000の引落依頼、部屋番号406の口座から2015/04分の¥20,000の引落依頼、部屋番号406の口座から2015/05分の¥20,000の引落依頼、部屋番号406の口座から2015/06分の¥20,000の引落依頼」、トレーラーレコード「合計件数:5件、合計金額¥140,000」、エンドレコード「9」となっている。
【0090】
単月複数請求の場合、全銀協の口座振替ファイル内のデータレコードのダミー項目にて対象年月を管理する。図14(B)は、データレコードのダミー項目の例を示す図である。口座振替処理実施後、戻ってくる口座振替ファイル内の「振替結果コード」にて「0:正常」であれば、ダミーに記載した対象年月の回収予定データを消込完了とする。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態によれば、対象のマンションについて、部屋番号毎に、単月複数請求を含む請求区分を登録した区分所有者(入居者)マスタ106cと、区分所有者(入居者)マスタ106cの部屋番号毎の請求区分に従って、請求データ、又は請求データ及び回収予定データに基づいて、当月の請求年月について、部屋番号、口座情報、対象年月、引落金額を含む引落依頼データを作成する引落依頼データ作成部102cと、引落依頼データに基づいて、各部屋番号の口座の引落金額のデータレコードを含む口座振替ファイルを作成する口座振替ファイル作成部102dと、を備え、区分所有者(入居者)マスタ106cで部屋番号の請求区分が単月複数請求に設定されている場合には、請求データの今回請求額は、当月の請求年月の請求金額に回収予定データの過去未収月分の金額を合算した金額であり、引落依頼データ作成部102cは、請求データ及び回収予定データに基づいて、当該部屋番号について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記引落依頼データを作成し、口座振替ファイル作成部102dは、当該部屋番号の口座について、過去未収月毎の引落金額のレコードと、当月の引落金額のレコードを含む前記データレコードを作成することとしたので、マンションの所定費目を滞納している入居者から当該入居者の口座に資金がある分だけ引落を行うことが可能となる。
【0092】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0095】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0096】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0097】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0098】
また、口座振替管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0099】
例えば、口座振替管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて口座振替管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0100】
また、このコンピュータプログラムは、口座振替管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0101】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0102】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0103】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0104】
また、口座振替管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、口座振替管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0105】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0106】
100 口座振替管理装置
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b 請求仮締処理部
102c 引落依頼データ作成部
102d 口座振替ファイル作成部
102e 振替処理部
102f 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
400 EBサービス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14