(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084987
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】シート処理装置
(51)【国際特許分類】
B42B 4/00 20060101AFI20230613BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20230613BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B42B4/00
B65H37/04 D
B65H9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199425
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】八高 辰朗
【テーマコード(参考)】
3F102
3F108
【Fターム(参考)】
3F102AA11
3F102AB01
3F102BA08
3F102BB02
3F102BB03
3F102BB04
3F102CA05
3F102DA05
3F102DA14
3F102EA14
3F102EB01
3F102FA03
3F108GA04
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】位置決め部材の調整が比較的容易なシート処理装置を提供する。
【解決手段】シート処理装置は、第1位置決め面を規定する第1位置決め部材であって、搬送方向Yに搬送されるシート束の第1側面に当接して第1側面を第1位置決め面に位置決めする第1位置決め部材と、第2位置決め面を規定する第2位置決め部材であって、シート束の第2側面に当接して第2側面を第2位置決め面に位置決めする第2位置決め部材と、搬送方向Yに対する第1位置決め面および第2位置決め面の角度を調整する駆動機構と、駆動機構を制御し、第1位置決め面および第2位置決め面の一方の角度の調整に関連して他方の角度を調整し、第1位置決め面と第2位置決め面との角度関係を、それらの角度調整前と同じにする制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置決め面を規定する第1位置決め部材であって、搬送方向に搬送されるシート束の第1側面に当接して前記第1側面を前記第1位置決め面に位置決めする第1位置決め部材と、
第2位置決め面を規定する第2位置決め部材であって、シート束の第2側面に当接して前記第2側面を前記第2位置決め面に位置決めする第2位置決め部材と、
前記搬送方向に対する前記第1位置決め面および前記第2位置決め面の角度を調整する駆動機構と、
前記駆動機構を制御し、前記第1位置決め面および前記第2位置決め面の一方の角度の調整に関連して他方の角度を調整し、前記第1位置決め面と前記第2位置決め面との角度関係を、それらの角度調整前と同じにする制御部と、
を備える、シート処理装置。
【請求項2】
前記第1、第2位置決め部材は、幅方向における両側のシート束の側面にそれぞれ当接する一対のサイドガイドである、請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記第1位置決め部材は、搬送されてくるシート束の先端に当接して所定箇所で停止させるストッパであり、
前記第2位置決め部材は、所定箇所に停止したシート束の後端に当接するバックストッパである、請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項4】
第1位置決め面を規定する第1位置決め部材であって、搬送方向における第1の箇所においてシート束の側面に当接して当該側面を第1位置決め面に位置決めする第1位置決め部材と、
第2位置決め面を規定する第2位置決め部材であって、搬送方向において前記第1箇所よりも下流側の第2の箇所においてシート束の側面に当接して当該側面を第2位置決め面に位置決めする第2位置決め部材と、
前記搬送方向に対する前記第1位置決め面および前記第2位置決め面の角度を調整する駆動機構と、
前記駆動機構を制御し、前記第1位置決め面および前記第2位置決め面の一方の角度の調整に関連して他方の角度を調整し、前記第1位置決め面と前記第2位置決め面との角度関係を、それらの角度調整前と同じにする制御部と、
を備える、シート処理装置。
【請求項5】
前記第1位置決め部材および前記第2位置決め部材は、シート束の互いに同じ側面に当接する、請求項4に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記第1の箇所は、シート束を綴じる綴じ部であり、
前記第2の箇所は、シート束を2つ折りする折部である、請求項4または5に記載のシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シート束を綴じ、綴じた箇所で2つ折りして冊子を作成するシート処理装置が開示されている。このシート処理装置では、綴じ部において、シートの束を、綴じストッパで停止させ、幅方向の両側をサイドガイドでガイドし、バックストッパ(バックジョガー)で後端を押し揃え綴じ位置に位置決めし、ステッチャで綴じる。綴じられたシート束は折り部に搬送される。折り部においては、シート束を、折りストッパで停止させ、必要に応じて幅方向の両側をサイドガイドでガイドし、バックストッパを後端に当接させて折り位置に位置決めし、綴じた箇所に折りナイフを当接させて2つ折りにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来のシート処理装置では、通常、サイドガイドは搬送方向に平行であり、ストッパおよびバックストッパは搬送方向に直交する幅方向に平行である。しかしながら、シートに印刷された画像の角度がわずかにずれていることや、シートが長方形でなく、四隅の角度が90°からわずかにずれていることもある。これらの場合、搬送方向や幅方向に平行なサイドガイド、ストッパおよびバックストッパで位置決めすると、シート束を綴じたり2つ折りしたりするラインの角度が、印刷画像に対してずれることになる。
【0005】
この課題の解決のために、サイドガイド、ストッパおよびバックストッパの角度が調整可能なシート処理装置も開発されているが、綴じ部および折り部のサイドガイド、ストッパおよびバックストッパをそれぞれ調整しなければならず、すなわち位置決めのための多数の位置決め部材を調整しなければならず、手間がかかる。
【0006】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、位置決め部材の調整が比較的容易なシート処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のシート処理装置は、第1位置決め面を規定する第1位置決め部材であって、搬送方向に搬送されるシート束の第1側面に当接して第1側面を第1位置決め面に位置決めする第1位置決め部材と、第2位置決め面を規定する第2位置決め部材であって、シート束の第2側面に当接して第2側面を第2位置決め面に位置決めする第2位置決め部材と、搬送方向に対する第1位置決め面および第2位置決め面の角度を調整する駆動機構と、駆動機構を制御し、第1位置決め面および第2位置決め面の一方の角度の調整に関連して他方の角度を調整し、第1位置決め面と第2位置決め面との角度関係を、それらの角度調整前と同じにする制御部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様は、シート処理装置である。この装置は、第1位置決め面を規定する第1位置決め部材であって、搬送方向における第1の箇所においてシート束の側面に当接して当該側面を第1位置決め面に位置決めする第1位置決め部材と、第2位置決め面を規定する第2位置決め部材であって、搬送方向において第1箇所よりも下流側の第2の箇所においてシート束の側面に当接して当該側面を第2位置決め面に位置決めする第2位置決め部材と、搬送方向に対する第1位置決め面および第2位置決め面の角度を調整する駆動機構と、駆動機構を制御し、第1位置決め面および第2位置決め面の一方の角度の調整に関連して他方の角度を調整し、第1位置決め面と第2位置決め面との角度関係を、それらの角度調整前と同じにする制御部と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、位置決め部材の調整が比較的容易なシート処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る製本システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1の中綴じ折り装置および角背成形装置の側面図である。
【
図3】実施の形態に係る製本システムの制御装置を中心とする機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の中綴じ折り装置の綴じ部および折り部の位置決め部材を示す上面図である。
【
図5】
図1の中綴じ折り装置の綴じ部および折り部の位置決め部材を調整するための調整画面を示す図である。
【
図6】
図6(a)~(h)は、調整画面の各ボタンをタッチしたときの動作を説明する図である。
【
図7】
図1の中綴じ折り装置の綴じ部および折り部の位置決め部材の変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、実施の形態に係る製本システム10の全体構成を示すブロック図である。製本システム10は、文字や画像が印刷されたシートに後処理を施すシステムであり、シート供給装置100と、中綴じ折り装置(シート処理装置)200と、角背成形装置300と、断裁装置400と、スタッカ500と、制御装置600と、を備える。シートは、特に限定されないが、典型的には紙である。
【0014】
シート供給装置100は、シートを1枚ずつ供給する。中綴じ折り装置200は、シート供給装置100から供給されたシートに中綴じ折り処理を施す。具体的には中綴じ折り装置200は、シート供給装置100から1枚ずつ供給されるシートを重ねてシート束を作成し、シート束を例えば中央で綴じ、綴じた箇所で2つ折りして冊子を作成する。角背成形装置300は、中綴じ折り装置200が作成した冊子の背を角形に成形する。断裁装置400は、冊子の小口、天、地を断裁して切り揃えて冊子を完成させる。完成した冊子は、スタッカ500に積載される。制御装置600は、例えばPCなどの情報処理端末であり、製本システム10を統括的に制御する。
【0015】
図2は、中綴じ折り装置200および角背成形装置300を模式的に示す側面図である。シートは、中綴じ折り装置200および角背成形装置300の並び方向に搬送される。以降、シートが搬送される方向(
図1において右から左に向かう方向)を搬送方向Y、搬送方向Yと直交する方向(
図1において紙面に直交する方向)を幅方向Xと呼ぶ。また、幅方向Xについて、上流側から搬送方向Yに見て右側を幅方向Xにおける右側、左側を幅方向Xにおける左側と呼ぶ。また、シートおよび冊子について、搬送方向Yにおける下流側の端縁を先端、上流側の端縁を後端と呼ぶ。また、幅方向Xおよび搬送方向Yの両方に直交する方向を垂直方向Zという。
【0016】
中綴じ折り装置200は、シート束を作成してシート束を綴じる綴じ部202と、綴じられたシート束を綴じた箇所で折りたたむ折り部204と、折りたたまれたシート束を角背成形装置300に排出する排出部206と、を備える。
【0017】
綴じ部202は、シートを下流側へ搬送する搬送機構210と、綴じストッパ212と、一対のサイドガイド214と、バックストッパ(バックジョガー)216と、綴じユニット218と、を含む。シート供給装置100から供給されるシートは、綴じストッパ212に当接して停止し、この位置でシートが積載されてシート束が作成される。
【0018】
一対のサイドガイド214は、シートひいてはシート束を幅方向Xに位置決めする。詳しくは、一対のサイドガイド214は、幅方向Xの間隔が調整可能であり、あらかじめシートの幅に応じた(例えばシート幅に等しい)間隔に調整される。シートは、一対のサイドガイド214の間を搬送されることで、綴じストッパ212に当接するまでに、一対のサイドガイド214によって幅方向Xに位置決めされる。
【0019】
バックストッパ216は、シート束の後端から上流側に少し離れた位置と、シート束に当接する位置との間を複数回往復させることにより、シート束を綴じストッパ212に複数回押し付ける。これにより、シート束の前後の端面が揃えられるとともに、シート束が前後方向に位置決めされる。
【0020】
綴じユニット218は、シート束を綴じる。綴じユニット218は、ステッチャ220と、クリンチャ222と、を含む。ステッチャ220がシート束に綴じ針を打ち込み、打ち込まれた針の針先をクリンチャ222が折り曲げる。シート束が綴じられると、綴じストッパ212が下降し、シート束は折り部204に搬送される。
【0021】
折り部204は、シート束を下流側へ搬送する搬送機構230,231と、折りストッパ232と、
図2では図示しない一対のサイドガイドと、バックストッパ236と、一対の折りローラ238と、折りナイフ240と、を含む。綴じ部202から搬送されてきたシート束は、折りストッパ232に当接して停止する。
【0022】
一対のサイドガイドは、シート束を幅方向Xに位置決めする。詳しくは、一対のサイドガイドは、幅方向Xの間隔が調整可能であり、あらかじめシートの幅に応じた(例えばシート幅に等しい)間隔に調整される。シート束は、一対のサイドガイドの間を搬送されることで、折りストッパ232に当接するまでに、一対のサイドガイドによって幅方向Xに位置決めされる。バックストッパ236は、シート束の後端に当接してシート束を折りストッパ232に押し付け、シート束を搬送方向Yに位置決めする。
【0023】
一対の折りローラ238は、軸方向が幅方向Xを向くように搬送方向Yに並設される。折りストッパ232およびバックストッパ236によって搬送方向Yに位置決めされた状態で折りナイフ240を一対の折りローラ238の間に上昇させると、シート束が一対の折りローラ238の間に巻き込まれる。一対の折りローラ238は、巻き込まれたシート束を、2つ折りして冊子の形にするとともに、排出部206に送る。
【0024】
排出部206は、上流側搬送機構242と、下流側搬送機構244と、を含む。つまり、排出部206は、2つの搬送機構を備える。下流側搬送機構244は、上流側搬送機構242の下流側に設けられる。上流側搬送機構242は、折り部204から送り込まれた冊子の形のシート束を下流側搬送機構244に搬送する。下流側搬送機構244は、上流側搬送機構242から送り込まれた冊子を、角背成形装置300において角背成形するための位置である角背成形位置まで搬送する。角背成形位置では、冊子の先端(すなわち背)は角背成形装置300に位置し、冊子の後端は中綴じ折り装置200に位置する。つまり、角背成形のために角背成形位置に停止している冊子の後端側は、下流側搬送機構244のベルトによって支持される。下流側搬送機構244は、角背成形が終了すると、角背成形位置にある冊子をさらに下流へ搬送する。
【0025】
上流側搬送機構242は、中綴じ折り装置200の図示しないメインモータから駆動を取得し、ベルトを常時周回駆動する。下流側搬送機構244は、上流側搬送機構242とは異なる駆動源、すなわち中綴じ折り装置200のメインモータとは異なる駆動源から駆動を取得し、あるいは中綴じ折り装置200のメインモータから電磁クラッチ等を介して駆動を取得し、ベルトを周回駆動する。したがって、上述のように上流側搬送機構242ではベルトを常時周回駆動させつつも、下流側搬送機構244では、角背成形のために冊子を停止させる間、ベルトを停止させることができる。
【0026】
角背成形装置300は、角背ストッパ302と、一対のクランパ304と、角背ローラ306と、下面ガイド308と、を含む。背を先端側にして、かつ、背の長手方向が幅方向Xに一致した状態で、中綴じ折り装置200から搬送されてくる。冊子は、背が角背ストッパ302に当接して停止する。一対のクランパ304は、停止した冊子の背の近傍を把持する。
【0027】
角背ローラ306は、鉛直軸まわりに回転可能、かつ、幅方向Xに移動可能に構成される。角背ストッパ302が角背ローラ306の移動に干渉しない退避位置に退避し、一対のクランパ304が冊子を把持した状態において、角背ローラ306を幅方向Xに移動させると、角背ローラ306に冊子の背が押圧され、冊子は角背に仕上げられる。冊子が角背に仕上げられた後、一対のクランパ304による把持が解除され、角背に仕上げられた冊子は断裁装置400に搬送される。
【0028】
下面ガイド308は、板状の部材であり、軸方向に延在する回動軸310を中心に回動可能である。この回動軸310は、角背ストッパ302や角背ローラ306の下流側に配置された一対の搬送ローラ320の下側の搬送ローラ320のローラ軸を兼ねる。下面ガイド308は、角背成形する際には、角背ローラ306に接触しないように角背ローラ306が移動する空間から退避した姿勢(実線の姿勢)をとる。また、下面ガイド308は、冊子を搬送する際には、主表面308aによって冊子の下面を支持するために、当該空間に進入した姿勢(破線の姿勢)をとる。これにより、角背ローラ306が移動するための空間に冊子が引っかかって詰まるのを抑止できる。
【0029】
下面ガイド308に代えて、角背ローラ306の幅方向Xにおける両サイドに、搬送される冊子の下面と平行なガイド面を有するガイド板を設けてもよい。このガイド板は角背ローラ306に対する相対位置が固定されており、したがって角背ローラ306とともに幅方向Xに移動可能である。また、ガイド板は、幅方向Xの寸法が冊子よりも短く構成され、角背ローラ306の位置に関わらず装置の外側にはみ出すことがない。ガイド板は、冊子を搬送する際には、冊子の下面の幅方向Xの一部を支持する。
【0030】
図3は、製本システム10の制御装置600を中心とする機能構成を示すブロック図である。制御装置600の各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0031】
制御装置600は、メイン制御部602と、シート供給制御部604と、綴じ制御部606と、折り制御部608と、排出制御部610と、角背制御部612と、断裁制御部614と、を備える。
【0032】
メイン制御部602は、製本システム10を統括的に制御する。メイン制御部602は、例えば、製本処理のジョブの定義について入力を受け付ける。メイン制御部602は、所定のジョブ管理画面を所定のディスプレイに表示し、ジョブ管理画面を介してジョブの定義についての入力を受け付けてもよい。ジョブの定義には、例えば、製本する冊子数、冊子に含まれるシートのサイズ(冊子の背のサイズ)が含まれる。シート供給制御部604、中綴じ折り制御部605、角背制御部612、断裁制御部614はそれぞれ、ジョブの定義に基づいて、シート供給装置100、中綴じ折り装置200、角背成形装置300、断裁装置400を制御する。
【0033】
中綴じ折り装置200の綴じ部202は、綴じストッパ212をシートを停止位置と退避位置との間で移動させたり平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させたりする綴じストッパ駆動機構252と、一対のサイドガイド214を平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させるサイドガイド駆動機構254と、バックストッパ216をシート束の後端から上流側に少し離れた位置とシート束に当接する位置との間を複数回往復させたり平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させたりするバックストッパ駆動機構256と、綴じユニット218にシート束を綴じさせる綴じユニット駆動機構258と、をさらに備える。綴じ部202の各駆動機構は、例えばモータを含んで構成され、中綴じ折り制御部605によって制御される。
【0034】
折り部204は、折りストッパ232を平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させる折りストッパ駆動機構262と、一対のサイドガイド234を平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させるサイドガイド駆動機構264と、バックストッパ236をシート束に当接する当接位置と退避位置との間で移動させたり平面視で時計回りおよび反時計回りに回動させたりするバックストッパ駆動機構266と、一対の折りローラ238を回転駆動する折ローラ駆動機構268と、折りナイフ240を一対の折りローラ238の間に上昇させたりそこから加工させたりする折りナイフ駆動機構270と、をさらに備える。折り部204の各駆動機構は、例えばモータを含んで構成され、中綴じ折り制御部605によって制御される。
【0035】
以上が製本システム10の基本構成である。
【0036】
変形例として、製本システム10は、シート供給装置100に代えて、シートに文字や画像を印刷するプリンタを備え、プリンタから1枚ずつシートを給紙してもよい。
【0037】
つづいて、中綴じ折り装置200についてさらに詳細に説明する。
図4は、綴じ部202および折り部204の位置決め部材を示す上面図である。
【0038】
綴じストッパ212は、綴じ部前側位置決め面272を規定する。この例では、綴じストッパ212の上流側を向いた平坦面212aであって垂直方向Zに平行な平坦面212aが、綴じ部前側位置決め面272を規定する。シート束の先端側の面がこの平坦面212aに当接することで、シート束の先端側が綴じ部前側位置決め面272の位置に位置決めされる。
【0039】
バックストッパ216は、綴じ部後ろ側位置決め面274を規定する。この例では、バックストッパ216の下流側を向いた平坦面216aであって垂直方向Zに平行な平坦面216aが、綴じ部後ろ側位置決め面274を規定する。シート束の後端側の面がこの平坦面216aに当接することで、シート束の後端側が綴じ部後ろ側位置決め面274の位置に位置決めされる。
【0040】
一対のサイドガイド214のうちの幅方向Xにおける右側のサイドガイド214_1は、綴じ部右側位置決め面276を規定する。この例では、サイドガイド214_1の左側を向いた平坦面214_1aであって垂直方向Zに平行な平坦面214_1aが、綴じ部右側位置決め面276を規定する。シート束の右側の面がこの平坦面214_1aに当接することで、シート束の右側が綴じ部右側位置決め面276の位置に位置決めされる。
【0041】
一対のサイドガイド214のうちの幅方向Xにおける左側のサイドガイド214_2は、綴じ部左側位置決め面278を規定する。この例では、サイドガイド214_2の右側を向いた平坦面214_2aであって垂直方向Zに平行な平坦面214_2aが、綴じ部左側位置決め面278を規定する。シート束の左側の面がこの平坦面214_2aに当接することで、シート束の左側が綴じ部左側位置決め面278の位置に位置決めされる。
【0042】
折りストッパ232は、折り部前側位置決め面282を規定する。この例では、折りストッパ232の上流側を向いた平坦面232aであって垂直方向Zに平行な平坦面232aが、折り前側位置決め面282を規定する。シート束の先端側の面がこの平坦面232aに当接することで、シート束の先端側が折り部前側位置決め面282の位置に位置決めされる。
【0043】
バックストッパ236は、折り部後ろ側位置決め面284を規定する。この例では、バックストッパ236の下流側を向いた平坦面236aであって垂直方向Zに平行な平坦面236aが、折り部後ろ側位置決め面284を規定する。シート束の後端側の面がこの平坦面236aに当接することで、シート束の後端側が折り部後ろ側位置決め面284の位置に位置決めされる。
【0044】
一対のサイドガイド234のうちの幅方向Xにおける右側のサイドガイド234_1は、折り部右側位置決め面286を規定する。この例では、サイドガイド234_1の左側を向いた平坦面234_1aであって垂直方向Zに平行な平坦面234_1aが、折り部右側位置決め面286を規定する。シート束の右側の面がこの平坦面234_1aに当接することで、シート束の右側が折り部右側位置決め面286の位置に位置決めされる。
【0045】
一対のサイドガイド234のうちの幅方向Xにおける左側のサイドガイド234_2は、折り部左側位置決め面288を規定する。この例では、サイドガイド234_2の右側を向いた平坦面234_2aであって垂直方向Zに平行な平坦面234_2aが、折り部左側位置決め面288を規定する。シート束の左側の面がこの平坦面234_2aに当接することで、シート束の左側は折り部左側位置決め面288の位置に位置決めされる。
【0046】
中綴じ折り制御部605は、ストッパ駆動機構252、バックストッパ駆動機構256およびサイドガイド駆動機構254を制御して、綴じストッパ212、バックストッパ216および一対のサイドガイド214をそれぞれ平面視で時計回り方向または反時計回り方向に回動させ、綴じ部202の位置決め面272,274,276,278の搬送方向Yや幅方向Xに対する角度を調整する。
【0047】
また、中綴じ折り制御部605は、折りストッパ駆動機構262、バックストッパ駆動機構266およびサイドガイド駆動機構264を制御して、折りストッパ232、バックストッパ236および一対のサイドガイド234をそれぞれ平面視で時計回り方向または反時計回り方向に回動させ、折り部204の位置決め面282,284,286,288の搬送方向Yや幅方向Xに対する角度を調整する。
【0048】
中綴じ折り制御部605は、例えばジョブを開始するとき、また例えばユーザから指示を受けたとき、綴じ部202および折り部204の各駆動機構を制御して、前側および後ろ側位置決め面272,274,282,284を幅方向Xに平行にし、右側および左側位置決め面276,278,286,288を搬送方向Yに平行にする。
【0049】
上述のように幅方向Xまたは搬送方向Yに平行にされた各位置決め面の角度を、ユーザは必要に応じて微調整する。微調整が必要な場合とは、例えば、シートに印刷された画像の角度がシートの輪郭に対してわずかにずれている場合や、シートが長方形でなく平行四辺形であり、四隅の角度が90°からわずかにずれている場合である。中綴じ折り制御部605は、ユーザからの微調整の指示にしたがって、詳しくは
図5を参照して後述するように、各位置決め面の角度を微調整する。中綴じ折り制御部605は特に、一の位置決め面の角度の調整に関連して、他の位置決め面の角度を調整し、両者の角度関係を調整前後で同じにする。「関連して」とは、一の位置決め面の角度の調整と同時に他の位置決め面の角度が調整されたり、一の位置決め面の角度が調整されると、それを契機として、遅滞なく、あるいは所定の時間をあけて、他の位置決め面の角度が調整されることを意味する。
【0050】
図5は、中綴じ折り装置200の綴じ部202および折り部204の位置決め部材を調整するための調整画面700を示す図である。調整画面700は、綴じ部調整領域702と、折り部調整領域704と、連携設定領域706と、を含む。
【0051】
綴じ部調整領域702は、幅方向Xに対するストッパ212,216の角度を表示する綴じストッパ角度表示部710と、搬送方向Yに対するサイドガイド214_1,214_2の角度を表示する綴じサイドガイド角度表示部712と、綴じ部202の位置決め部材を示す綴じ部模式
図714と、綴じストッパ時計回りボタン716と、綴じストッパ反時計回りボタン718と、綴じサイドガイド時計回りボタン720と、綴じサイドガイド反時計回りボタン722と、を含む。
【0052】
折り部調整領域704は、搬送方向Yに対するストッパ232,236の角度を表示する折りストッパ角度表示部730と、搬送方向Yに対するサイドガイド234_1,234_2の角度を表示する折りサイドガイド角度表示部732と、折り部204の位置決め部材を示す折り部模式
図734と、折りストッパ時計回りボタン736と、折りストッパ反時計回りボタン738と、折りサイドガイド時計回りボタン740と、折りサイドガイド反時計回りボタン742と、を含む。
【0053】
連携設定領域706は、綴じ部202のストッパ212,216と一対のサイドガイド214とを関連して角度調整するときに選択するチェックボックス750と、折り部204のストッパ232,236と一対のサイドガイド234とを関連して角度調整するときに選択するチェックボックス752と、綴じ部202のストッパ212,216と折り部204のストッパ232,236とを関連して角度調整するときに選択するチェックボックス754と、綴じ部202の一対のサイドガイド214と折り部204の一対のサイドガイド234とを関連して角度調整するときに選択するチェックボックス754と、を含む。
【0054】
図6(a)~(h)は、調整画面700の各ボタンをタッチしたときの動作を説明する図である。
図6(a)~(h)はそれぞれ、綴じ部202および折り部204の位置決め部材を示す上面図である。
図6(a)~(h)では、ボタンをタッチすることにより回動する位置決め部材にハッチングを付している。
図5に加えて
図6を参照して、調整画面の各ボタンをタッチしたときの動作を説明する。なお以下では、時計回りボタン716,720,736,740をタッチしたときの動作を説明する。反時計回りボタン718,722,738,742をタッチしたときの動作は、以下の説明における「時計回り」を「反時計回り」に読み替えればよい。
【0055】
まず、連携設定領域706のいずれのチェックボックスも選択されていない場合について説明する。
【0056】
綴じストッパ時計回りボタン716をタッチすると、
図6(a)に示すように、綴じストッパ212およびバックストッパ216が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面272,274が互いに平行を保つように、綴じストッパ212およびバックストッパ216が同時に時計回り方向に回動する。また例えばタッチしている間、綴じストッパ212およびバックストッパ216のうちの一方が時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、綴じストッパ212およびバックストッパ216のうちの他方が時計回り方向に回動し、綴じストッパ212およびバックストッパ216の位置決め面272,274が互いに平行となる。いずれにせよ、綴じストッパ212とバックストッパ216は、それらを回動させる前と同じく互いが平行になる。
【0057】
綴じサイドガイド時計回りボタン720をクリックすると、
図6(b)に示すように、一対のサイドガイド214が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面276,278が互いに平行を保つように、一対のサイドガイド214が同時に時計回り方向に回動する。また例えばタッチしている間、一対のサイドガイド214のうちの一方が時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、一対のサイドガイド214のうちの他方が時計回り方向に回動し、一対のサイドガイド214の位置決め面276,278が互いに平行となる。いずれにせよ、一対のサイドガイド214は、それらを回動させる前と同じく互いが平行になる。
【0058】
折りストッパ時計回りボタン736をタッチすると、
図6(c)に示すように、折りストッパ232およびバックストッパ236が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面282,284が互いに平行を保つように、折りストッパ232およびバックストッパ236が同時に時計回り方向に回動する。また例えばタッチしている間、折りストッパ232およびバックストッパ236のうちの一方が時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、折りストッパ232およびバックストッパ236のうちの他方が時計回り方向に回動し、折りストッパ232およびバックストッパ236の位置決め面282,284が互いに平行となる。いずれにせよ、折りストッパ232およびバックストッパ236は、それらを回動させる前と同じく互いが平行になる。
【0059】
折りサイドガイド時計回りボタン740をクリックすると、
図6(d)に示すように、一対のサイドガイド234が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面286,288が互いに平行を保つように、一対のサイドガイド234が同時に時計回り方向に回動する。また例えばタッチしている間、一対のサイドガイド234のうちの一方が時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、一対のサイドガイド234のうちの他方が時計回り方向に回動し、一対のサイドガイド234の位置決め面286,288が互いに平行となる。いずれにせよ、一対のサイドガイド214は、それらを回動させる前と同じく互いが平行になる。
【0060】
次に、連携設定領域706のチェックボックス750が選択されている場合について説明する。
【0061】
綴じストッパ時計回りボタン716または綴じサイドガイド時計回りボタン720をタッチすると、
図6(e)に示すように、綴じストッパ212、バックストッパ216および一対のサイドガイド214が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面272,274,276,278が互いに回動前の角度関係を保つように、綴じストッパ212、バックストッパ216および一対のサイドガイド214が同時に時計回り方向に回動する。また例えば、綴じストッパ時計回りボタン716をタッチしている間、位置決め面272,274が互いに平行を保つように綴じストッパ212およびバックストッパ216が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面276,278が互いに平行を保つように一対のサイドガイド214が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面272,274,276,278の角度関係が回動前後で同じになる。また例えば、綴じサイドガイド時計回りボタン720をタッチしている間、位置決め面276,278が互いに平行を保つように一対のサイドガイド214が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面272,274が互いに平行を保つように綴じストッパ212およびバックストッパ216が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面272,274,276,278の角度関係が回動前後で同じになる。
【0062】
次に、連携設定領域706のチェックボックス752が選択されている場合について説明する。
【0063】
折りストッパ時計回りボタン736または折りサイドガイド時計回りボタン740をタッチすると、
図6(f)に示すように、折りストッパ232、バックストッパ236および一対のサイドガイド234が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面282,284,286,288が互いに回動前の角度関係を保つように、折りストッパ232、バックストッパ236および一対のサイドガイド234が同時に時計回り方向に回動する。また例えば、折りストッパ時計回りボタン736をタッチしている間、位置決め面282,284が互いに平行を保つように折りストッパ232およびバックストッパ236が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面286,288が互いに平行を保つように一対のサイドガイド234が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面282,284,286,288の角度関係が回動前後で同じになる。また例えば、折りサイドガイド時計回りボタン740をタッチしている間、位置決め面286,288が互いに平行を保つように一対のサイドガイド234が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面282,284が互いに平行を保つように綴じストッパ232およびバックストッパ236が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面282,284,286,288の角度関係が回動前後で同じになる。
【0064】
次に、連携設定領域706のチェックボックス754が選択されている場合について説明する。
【0065】
綴じストッパ時計回りボタン716または折りストッパ時計回りボタン736をタッチすると、
図6(g)に示すように、綴じストッパ212、バックストッパ216、折りストッパ232およびバックストッパ236が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面272,274,282,284が互いに回動前の角度関係(例えば平行)を保つように、綴じストッパ212、バックストッパ216、折りストッパ232およびバックストッパ236が同時に時計回り方向に回動する。また例えば、綴じストッパ時計回りボタン716をタッチしている間、位置決め面272,274が互いに平行を保つように綴じストッパ212およびバックストッパ216が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面282,284が互いに平行を保つように折りストッパ232およびバックストッパ236が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面272,274,282,284が回動前と同じく互いに平行になる。また例えば、折りストッパ時計回りボタン736をタッチしている間、位置決め面282,284が互いに平行を保つように折りストッパ232およびバックストッパ236が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面272,274が互いに平行を保つように折りストッパ212およびバックストッパ216が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面272,274,282,284が回動前と同じく互いに平行になる。
【0066】
次に、連携設定領域706のチェックボックス756が選択されている場合について説明する。
【0067】
綴じサイドガイド時計回りボタン720または折りサイドガイド時計回りボタン740をタッチすると、
図6(h)に示すように、一対のサイドガイド214および一対のサイドガイド234が平面視で時計回り方向に回動する。例えばタッチしている間、位置決め面276,278,286,288が互いに回動前の角度関係(例えば平行)を保つように、一対のサイドガイド214および一対のサイドガイド234が同時に時計回り方向に回動する。また例えば、綴じサイドガイド時計回りボタン720をタッチしている間、位置決め面276,278が互いに平行を保つように一対のサイドガイド214が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面286,288が互いに平行を保つように一対のサイドガイド234が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面276,278,286,288が回動前と同じく互いに平行になる。また例えば、折りサイドガイド時計回りボタン740をタッチしている間、位置決め面286,288が互いに平行を保つように一対のサイドガイド234が例えば同時に時計回り方向に回動し、その後、遅滞なくあるいは所定の時間をあけて、位置決め面276,288が互いに平行を保つように一対のサイドガイド214が例えば同時に時計回り方向に回動し、位置決め面276,278,286,288が回動前と同じく互いに平行になる。
【0068】
以上が調整画面700の各ボタンをタッチしたときの動作である。
【0069】
調整画面700は、各ボタンをタッチしたときに回動する位置決め部材がひと目で分かるように表示されてもよい。例えば、各ボタンと、そのボタンをタッチしたときに回動する位置決め部材が同じ色で表示されてもよい。
【0070】
綴じ部模式
図714、折り部模式
図734には、例えば1つ前のシート束が綴じ部202、折り部204に位置決めされたときに真上から撮影された画像が表示されてもよい。この場合ユーザは、画像を参考にして調整できる。
【0071】
以上の中綴じ折り装置200の効果を説明する。
【0072】
シートが長方形ではなく厳密には平行四辺形である場合、綴じストッパ212およびバックストッパ216の両方の角度、あるいは、一対のサイドガイド214の両方の角度を調整する必要がある。また、シートは長方形であるもののシートに印刷された画像の角度がシートの輪郭に対してわずかにずれている場合、シートを傾けて位置決めする必要があり、この場合、綴じストッパ212、バックストッパ216および一対のサイドガイド214のすべての角度を調整する必要がある。また、綴じ部202の位置決め部材に必要な調整は、通常、折り部204の位置決め部材にも必要である。例えば、シートが平行四辺形であるために綴じ部202の一対のサイドガイド214の角度を調整する必要がある場合、折り部204の一対のサイドガイド214の角度の調整も必要となる。これらのように、位置決め部材の角度調整が必要となる状況では、通常、ひとつの位置決め部材を角度調整するだけでは足りず、複数の位置決め部材を角度調整する必要があり、手間がかかる。これに対し本実施の形態によれば、ひとつの位置決め部材の角度調整に関連して、ユーザの選択に対応する他の位置決め部材も角度調整され、それらの角度関係は調整前後で同じになる。これにより、位置決め部材をひとつずつ調整する必要がなく、角度調整の手間を低減できる。
【0073】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0074】
(変形例1)
実施の形態では、綴じ部202の位置決め部材と折り部204の位置決め部材との互いに関連した角度調整について、綴じストッパ212、バックジョガー216、折りストッパ232およびバックストッパ236が互いに関連して角度調整される場合と、サイドガイド214_1、サイドガイド214_2、サイドガイド234_1およびサイドガイド234_2が互いに関連して角度調整される場合について説明したが、これには限定されない。例えば、互いに対応する位置決め部材とだけ関連して角度調整されてもよい。具体的には、綴じストッパ212および折りストッパ232が互いに関連して角度調整され、バックジョガー216およびバックストッパ236はそれらに関連して角度調整されなくてもよい。また、バックジョガー216およびバックストッパ236が互いに関連して角度調整され、綴じストッパ212および折りストッパ232はそれらに関連して角度調整されなくてもよい。また、サイドガイド214_1およびサイドガイド234_1が互いに関連して角度調整され、サイドガイド214_2およびサイドガイド234_2はそれらに関連して角度調整されなくてもよい。また、サイドガイド214_2およびサイドガイド234_2が互いに関連して角度調整され、サイドガイド214_1およびサイドガイド234_1はそれらに関連して角度調整されなくてもよい。この場合、シートが例えば台形である場合の位置決め部材の角度調整の手間が低減できる。
【0075】
(変形例2)
実施の形態では、いずれの位置決め部材も平坦面が位置決め面を規定する場合について説明したが、これには限定されない。
図7は、綴じ部202および折り部204の位置決め部材の変形例を示す上面図である。この変形例では、綴じストッパ212および折りストッパ232はそれぞれ、鉛直方向に延びる2本の円柱によって構成される。この場合、綴じストッパ212である2本の円柱の外接面が綴じ部前側位置決め面272である。また、折りストッパ232である2本の円柱の外接面が折り部前側位置決め面282である。
【0076】
シート上面に印刷されるトンボマークを検出し、このトンボマークに基づいて、位置決め部材の角度を調整してもよい。例えば、あらかじめシートの輪郭に合わせて位置決め部材の角度を調整する。そして、互いに直行するラインで構成されるトンボマークの一方を基準に、あらかじめ調整された角度関係を保持したまま、搬送方向Yに対する位置決め部材の角度を調整する。シートの連続処理中に、この自動調整を連続処理を停止させることなく行うことによって生産性が向上する。
【0077】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0078】
10 製本システム、 200 中綴じ折り装置、 202 綴じ部、 204 折り部、 600 制御装置。