(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084993
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】展示用スタンド
(51)【国際特許分類】
A47G 1/12 20060101AFI20230613BHJP
A47G 1/16 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A47G1/12
A47G1/16 N
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199432
(22)【出願日】2021-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日及びウェブサイトの掲載アドレス (ア)・掲載日:令和3年8月1日 ・掲載アドレス:https://www.bandai.co.jp/catalog/item.php?jan_cd=4549660633556000 (イ)・掲載日:令和3年8月1日 ・掲載アドレス:https://gashapon.jp/products/detail.html?jan_code=4549660633556000 (2) 公開日及び販売場所 ・公開日:令和3年8月1日 ・販売場所:全国に設置されているガシャポン筐体
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】小田 礼子
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BA02
3B111BD03
3B111BD04
3B111BE04
(57)【要約】
【課題】汎用性の高い展示用スタンドを提供する。
【解決手段】複数サイズの同種の缶バッジ50を展示可能な展示用スタンド1であって、缶バッジ50を収容可能な第1部品11と、第1部品11と連結可能な第2部品12と、を備え、第1部品11には、第1開口21が形成されている。そして、第1部品11の内部に収容可能な第3部品13をさらに備え、第3部品13には、第1部品11に収容される缶バッジ50とは異なるサイズの缶バッジ50を収容することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数サイズの同種の物品を展示可能な展示用スタンドであって、
物品を収容可能な第1部品と、
前記第1部品と連結可能な第2部品と、を備え、
前記第1部品には、第1開口が形成されている、展示用スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品の内部に収容可能な第3部品をさらに備え、
前記第3部品には、第2開口が形成されている、展示用スタンド。
【請求項3】
請求項2に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されていない状態において、第1サイズの前記物品を収容可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項4】
請求項3に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されている状態において、前記第1サイズよりも小さい第2サイズの前記物品を収容可能に構成され、前記第1サイズの前記物品を収容不可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項5】
請求項2~4の何れか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第1開口は、前記第2開口よりも小さいサイズに形成されている、展示用スタンド。
【請求項6】
請求項5に記載の展示用スタンドであって、
前記第2部品には、第3開口が形成され、
前記第3開口は、前記第1開口、及び前記第2開口よりも大きいサイズに形成されている、展示用スタンド。
【請求項7】
請求項2~6の何れか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第2部品は、前記第3部品が前記第1部品に収容されている状態において、前記第1部品と連結可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第2部品は、前記第1部品と連結されている状態において、前記第1部品の側部外周壁を覆うように構成されている、展示用スタンド。
【請求項9】
請求項2~8の何れか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品に収容されている前記物品を保護可能な第4部品をさらに備え、
前記第4部品は、前記第1部品と前記第2部品との連結状態において、前記第1部品と前記第2部品との間に挟持可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項10】
請求項9に記載の展示用スタンドであって、
前記第4部品は、透明なシート体を成している、展示用スタンド。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の展示用スタンドであって、
前記第2部品には、第3開口が形成され、
前記第4部品は、前記第1部品と前記第2部品により挟持されている状態において、前記第3開口の全てを覆うように構成されている、展示用スタンド。
【請求項12】
請求項2~11のいずれか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第2部品は、前記第1部品に連結するときに、前記第1部品に対し所定角度、回動可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項13】
請求項12に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、前記第2部品に対して重ね合わせるように押し込まれた着脱可能な第1状態と、前記第1状態から所定角度回動し離脱不可能な第2状態と、をとり得るように構成されている、展示用スタンド。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その外周面において、複数の突部が形成され、
前記第2部品は、内周側面に着脱方向にある第1溝と、前記第1溝と交差方向に延びて連続する第2溝と、からなるL字状の複数の溝部が形成され、
前記突部は、前記溝部に係合可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項15】
請求項2~14のいずれか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品、及び前記第2部品を支持する支持部品をさらに備え、
前記支持部品は、前記第1部品、及び前記第2部品を立ち状態に保持する支持状態と、立ち状態に支持しない非支持状態と、をとり得る、展示用スタンド。
【請求項16】
請求項15に記載の展示用スタンドであって、
前記支持部品は、前記支持状態において、前記第1部品、及び前記第2部品を傾斜させて支持可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項17】
請求項15に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品と前記第2部品の組み立て状態の外周面は、直立状態にて載置可能な載置面を成すように構成されている、展示用スタンド。
【請求項18】
請求項15に記載の展示用スタンドであって、
前記第1開口は、前記非支持状態において、その一部が前記支持部品により覆われるように構成されている、展示用スタンド。
【請求項19】
請求項2~18の何れか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品、前記第2部品、及び前記第3部品は、平面視において円形型形状を成している、展示用スタンド。
【請求項20】
請求項2~19の何れか一項に記載の展示用スタンドであって、
前記物品は、取付ピンを備えた缶バッジである、展示用スタンド。
【請求項21】
請求項20に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されていない状態において、第1サイズの前記物品を収容可能に構成されており、
前記第1部品は、その内部に前記第1サイズの前記物品が収容されている状態において、前記第1開口内に前記物品の取付ピンが位置するように構成されている、展示用スタンド。
【請求項22】
請求項21に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されている状態において、前記第1サイズよりも小さい第2サイズの前記物品を収容可能に構成され、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品、及び前記第2サイズの前記物品が収容されている状態において、前記第2開口内、又は第1開口内及び前記第2開口内に前記物品の取付ピンが位置するように構成されている、展示用スタンド。
【請求項23】
請求項20に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されていない状態において、第1サイズの前記物品を収容可能に構成されており、
前記第1部品には、前記第1部品の後方側に向かって凹む凹状の平面部が構成され、前記第1開口は、前記平面部に設けられ、前記第1部品の内部に前記第1サイズの前記物品が収容されている状態において、前記物品の取付ピンが前記平面部に対面可能に構成されている、展示用スタンド。
【請求項24】
請求項23に記載の展示用スタンドであって、
前記第1部品は、その内部に前記第3部品が収容されている状態において、前記第1サイズよりも小さい第2サイズの前記物品を収容可能に構成され、
前記第1部品の内部に前記第3部品、及び前記第2サイズの前記物品が収容されている状態において、前記物品の取付ピンが前記平面部に対面可能に構成されている、展示用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絵などの展示物品を展示するものとして、額ぶちがある。これは、一般に、外枠、内枠、及び保護板などにより構成される。例えば、特許文献1においては、額ぶちは、背板及び装飾枠を有する外枠、舌板が形成された環状の押さえ板の内枠、展示物品の前面を覆う保護板および舌板等に係合して各部品が外れないように係止する係止ピンを備えて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、係止ピンにより各構成部材を係止する構造である。このことから、その取り外しや組立操作が細かく面倒である。また、この額ぶちの使用形態は、壁等に引っ掛けて設置することを前提としているため、展示形態が特定されるだけではなく、展示物品についても絵画や写真など薄い展示物品に制限され、興趣性が乏しいという課題がある。また、展示物品のサイズについても1つに制限され使用形態の汎用性に課題があった。
【0005】
本発明は、物品を複数の展示形態で展示可能で興趣性に優れ、且つ複数のサイズの展示物を展示可能な汎用性の高い展示用スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る展示用スタンドは、複数サイズの同種の物品を展示可能な展示用スタンドであって、物品を収容可能な第1部品と、前記第1部品と連結可能な第2部品と、を備え、前記第1部品には、第1開口が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り扱いが容易で汎用性の高い展示用スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の展示用スタンドの斜視図である。
【
図3】
図1に示す展示用スタンドの分解斜視図である。
【
図4】展示用スタンドを直立状態で載置面に置いた時の拡大正面図である。
【
図5】展示用スタンドにおいて、第2サイズの缶バッジを収容した状態の断面図である。
【
図6】
図5に示す展示用スタンドの分解斜視図である。
【
図7】後フレームと前フレームとの連結構造を説明するための背面側の拡大斜視図である。
【
図8】後フレームの突部と前フレームの溝との係合動作を説明するための概略図であり、(a)は、前フレームと後フレームの重ね合わせ初期動作時の状態を示し、(b)は、前フレームと後フレームの回転動作時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である展示用スタンドについて、図面を参照して説明する。
図1は、展示用スタンドの斜視図である。
図2は、
図1におけるA-A線における縦断面図である。
図3は、
図1に示す展示用スタンドの分解斜視図である。
【0010】
図1~
図3に示すように、展示用スタンド1は、外観が正面視で円形状であって、第1部品である後フレーム11と、第2部品である前フレーム12と、が組み合わされている。展示用スタンド1は、前後フレーム11,12が組み合わされた状態で形成される空間に、例えば、平面視で円形状の缶バッジ50(
図3参照)などの物品を収容して展示する。すなわち、前後フレーム11,12は、後述するように、着脱が可能な構成を備えており、後フレーム11の後面には、第5部品である支え脚15を備え、前後フレーム11,12を載置面60上に傾斜させて支持することができる(
図1参照)。
【0011】
ここで、本実施形態の展示用スタンド1は、後述するように、大きい第1サイズの缶バッジ51(50)と、第1サイズよりも小さい第2サイズの缶バッジ52(50)と、の両方を収容可能に構成されている。
【0012】
なお、以下の説明では、
図1~
図3に、第1サイズの缶バッジ51を収容する場合を記載し、
図5及び
図6に、第2サイズの缶バッジ52(50)を収容する場合について記載する。また、
図2及び
図5の断面図においては、缶バッジ50については側面図として示してある。また、缶バッジ50の表面には、キャラクタC等が適宜描かれており、裏面側に安全ピンなどの取付ピン55が設けられており、缶バッジ50は、衣服等に取付けて楽しむことができる。
【0013】
後フレーム11は、
図2及び
図3に示すように、円筒状の側部外周壁11bと、側部外周壁11bの内側に直角に連結された縁側内面11cと、縁側内面11cに対して後フレーム11の後方側に向かって凹むように段差を有し且つ縁側内面11cに平行な平面部である内側内面11dと、を備えている。後フレーム11は、側部外周壁11bが缶バッジ51の外周縁を囲むように構成され、縁側内面11c及び内側内面11dが第1サイズの缶バッジ51の裏面に対応する。すなわち、缶バッジ51は、側部外周壁11bの内周面と縁側内面11cとによって外周及び後方が位置規制される。なお、側部外周壁11bの外周面には、前フレーム12との連結に供する一対の突部18(一方のみ図示)が円周方向の180度反対側の位置に配置されている。また、内側内面11dには、例えば、楕円形状の第1開口である後開口21が形成されている。
【0014】
後フレーム11の内部に缶バッジ51が収容されている状態(
図2参照)において、後開口21内に缶バッジ51の取付ピン55が位置している。なお、取付ピン55は、例えば、缶バッジ51の裏面の取付基部56に対して回動可能に設けられている。したがって、取付ピン55は、缶バッジ51の裏面から少し離れるように開いた状態(
図2に示す状態)においては、図示の如く、その一部が後開口21内に位置する。また、取付ピン55が図示のものよりも大きい場合や取付基部56が図示のものよりも大きい場合でも、後開口21により取付ピン55等を受容することができる。
【0015】
また、取付ピン55は、折り畳まれた状態では内側内面11dよりも内側に位置することができる。したがって、
図2の想像線(二点鎖線)にて示すように、取付ピン55が後開口21に対応しない位置に設けられた場合には、内側内面11dが取付ピン55に対面するようにして缶バッジ51を収容する。このように、取付ピン55の取り付け位置が、後開口21に対応するか否かに関係なく缶バッジ51を収容できる。
【0016】
支え脚15は、開閉可能に設けられている。例えば、支え脚15は、その上端部に設けられた支軸15a(
図7参照)が後フレーム11の裏面に突設された取付部11gに対し回動可能に取り付けられている。したがって、支え脚15は、図示の如く開いた状態で、前後フレーム11,12を傾斜した立ち状態での支持状態と、下端部15bを後フレーム11の裏面に接するように畳んだ状態(非支持状態)と、をとり得る構造となっている。
【0017】
前フレーム12は、第3開口である円形の前開口23が形成され前フレーム前面12aと、前フレーム前面12aの外周縁から後方に延びるカバー側面12bと、を有し、断面形状が略L字状をなしている。前フレーム12は、その外面には装飾が施されている。例えば、前フレーム前面12aには、例えば、細かい凹凸の装飾が施されており、カバー側面12bには、円筒面の一部を繰り返すような凸部12fの装飾が施されている。前開口23は、缶バッジ50の図柄が良く見えるように大きく形成されている。
【0018】
前フレーム12は、後フレーム11と連結されている状態において、後フレーム11の側部外周壁11bをカバー側面12bが覆い、且つ前フレーム前面12aが後フレーム11の前端縁11aを覆っている(
図2参照)。したがって、前フレーム12は、缶バッジ51が収容された状態では、バッジ外縁領域を額縁のように飾っている。なお、前開口23は、後開口21よりも大きく形成されている。
【0019】
前開口23は、後フレーム11と連結されている状態において、第4部品である透明な光透過性シート14により閉じられる。すなわち、光透過性シート14は、後フレーム11の前端縁11aと前フレーム12の前内面12eとの間に挟持(
図2参照)されて前開口23の全てを覆っている。したがって、缶バッジ51の前面は、光透過性シート14によりキャラクタCなどの図柄が見える状態で覆われ保護される。
【0020】
図4は、展示用スタンド1を直立状態で載置面60に置いた時の拡大正面図である。
前述したように、支え脚15が畳まれた状態では、支持状態で載置面60に置くことはできない。しかし、
図4に示すように、カバー側面12bを載置面60に接するようにすることで、直立した状態で載置することができる。
【0021】
これは、カバー側面12bの外面の凸部12fが形成されていることで、この場合、カバー側面12bの2つの凸部12fが平坦な載置面60に接する2つの接触線L(図示では点状)を含む仮想平面(載置面60と一致する平面)を形成する。これによって、載置面60に直立状態での載置が可能となる。
【0022】
また、支え脚15が畳まれた状態においては、後フレーム11の後開口21は、支え脚15によって楕円形の中央領域が閉じられる(
図7参照)。このように後開口21が閉じられることで、缶バッジ50の保護機能が高められる。また、支え脚15の両脇には、後開口21の一部が形成されている。この支え脚15の両脇の開口部分は、例えば、支え脚15を開くときに、指先をかけ易い構造となる。
【0023】
図5は、展示用スタンド1において、第2サイズの缶バッジ52を収容した状態の断面図である。
図6は、
図5に示す展示用スタンド1の分解斜視図である。
【0024】
図5及び
図6に示す構成においては、
図2に示した構成に加えて、後フレーム11の内部に収容可能な第3部品の中フレーム13をさらに備えている。中フレーム13は、外周壁13bと、後壁13cと、を有し、後フレーム11の内側に丁度収まる大きさに構成されている。外周壁13bは、第2サイズの缶バッジ52の外周縁を囲み、後壁13cは、缶バッジ52の裏面の外縁部分に対応して缶バッジ52を位置規制する。また、後壁13cは、その内周縁13gが後フレーム11の縁側内面11cの内側(段差部分)に対応するように後方に突出している。この内周縁13gにより第2開口である中開口22の後方開口22bが形成されている。また、内周縁13gよりも大径の外周壁13bにより中開口22の前方開口22aが形成されている。このように、この中開口22は、前後方向において開口サイズ異なるように段差を有する開口であり、後開口21よりも大きく構成され、前開口23よりも小さく構成されている。また、中フレーム13の外周前縁13aは、後フレーム11に収容されて状態で後フレーム11の前端縁11aの位置よりも若干低く(前方側に突出しないように)なっているか、ほぼ同等の位置となるように構成されている。したがって、前フレーム12と後フレーム11とは、中フレーム13を収容した状態、すなわち、缶バッジ52を収容した状態においても、連結することができる。
【0025】
中フレーム13は、その外周前縁13aには、例えば、周方向に180度の間隔で設けられた一対の前縁凸部13dや所定間隔で複数の前縁切欠き13eが設けられている。また、後壁13cには、裏面側に突出した突条13fが形成されている。中フレーム13の組み込み状態においては、前縁凸部13dは、後フレーム11の前端縁11aに形成された前縁凹部11eに嵌合し、前縁切欠き13eは、後フレーム11の側部外周壁11bの内側に形成されたリブ11fと嵌合する。更に、突条13fは、後フレーム11の縁側内面11cに形成された溝11kに嵌合する。これらの凹凸構造の嵌合によって、中フレーム13は、後フレーム11に所定の向きで固定される。
【0026】
中フレーム13内に第2サイズの缶バッジ52が収容されている状態(
図5参照)において、後開口21、及び中開口22内(実際には中開口22の後方開口22b内)に缶バッジ52の取付ピン55が位置している。なお、取付ピン55が畳まれた状態では、中開口22内(実際には中開口22の後方開口22b内)に位置することができる。例えば、取付ピン55の取り付け位置が二点鎖線にて示す位置の場合、取付ピン55は、中開口22内で内側内面11dに対応して収容される。
【0027】
図7は、後フレーム11と前フレーム12との連結構造を説明するための拡大斜視図である。
前フレーム12の内周側面12cには、
図7に示すように、一対の溝部28が対面するように設けられている。溝部28は、後フレーム11の一対の突部18と嵌合して前後フレーム11,12同士を連結固定する。溝部28は、
図7に示すように、後フレーム11の突部18が着脱される方向(図中のX方向)において開放された第1溝28aと、第1溝28aと交差方向(図中のY方向)に延びて連続する第2溝28bと、からなるL字状を成している。第2溝28bの溝部側壁28cには、係止凸28dが設けられている。また、第1溝28aと第2溝28bとが連続する角部には、大きく面取りされた溝傾斜面28e(
図8参照)が形成されている。
【0028】
図8は、後フレーム11の突部18と前フレーム12の溝部28との係合動作を説明するための概略図であり、(a)は、前フレーム12と後フレーム11の重ね合わせ動作時の状態を示し、(b)は、前フレーム12と後フレーム11の回転動作時の状態を示す。
【0029】
前後フレーム11,12を重ね合わせるときは、
図8(a)に示すように、先ず、突部18を溝部28の第1溝28aに対応させ、後フレーム11を前フレーム12の中に押し込む(
図7の矢印X方向に押し込む)。この状態は、突部18が第1溝28aに嵌っているだけで着脱が可能なフリーの第1状態である。その後、前フレーム12と後フレーム11とを相対回転(後フレーム11を
図7の矢印Y方向に回転)させる。このことで、
図8(b)に示すように、突部18が第2溝28bの奥(図中右側)へ移動する。なお、突部18が第2溝28bに入るときは、溝傾斜面28eは、突部18が第2溝28bに入り込むときの誘い込みの傾斜として機能する。この回転によって、突部18が溝部28から離脱不可能な第2状態となる。
【0030】
そして、所定角度の回転がなされると、突部18は、その突部傾斜面18aが係止凸28dに当接しながら係止凸28dを乗り越えて、突部18の回転方向における後端面18bが係止凸28dよりも奥に入り込み当該係止凸28dに係合する。この係止凸28dと後端面18bとが係合することで、突部18は第2溝28b内に留まるように係止される。なお、突部傾斜面18aは、突部18が第2溝28bの奥に向って回転(係合時の回転)されるときに、係止凸28dを乗り越えやすい方向に傾斜している。なお、突部18が係止凸28dを乗り越えた時には、例えば、「カチャ」というクリック音を出し、係合が完了したことが判る。なお、前後フレーム11,12を取り外すときには、図示とは逆回転させて取り外す。
【0031】
以上述べたように、本実施形態の展示用スタンド1によれば、後開口21が形成されていることで、展示用スタンド1内に装着された缶バッジ50を、例えば、缶バッジ50を外すときに缶バッジ50の裏面を押すことができ、缶バッジ50の取り外しがし易い。更に、缶バッジ50の取付ピン55が裏面側に突出している構造でも、後開口21内に取付ピン55を対応させることができ、使い勝手が良い。
【0032】
また、本実施形態の展示用スタンド1では、中フレーム13を、後フレーム11の内部に収容可能に構成されているので、後フレーム11に収まる第1サイズの缶バッジ51を収容して展示ができ、更に、中フレーム13を使用したときは、第1サイズの缶バッジ51よりも小さい第2サイズの缶バッジ52を収容して展示することができる。
【0033】
また、本実施形態の展示用スタンド1では、最も前方寄りの前フレーム12の前開口23の開口サイズが大きく構成されているので、缶バッジ50の図柄(キャラクタ)をよく見ることができる。
【0034】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、後開口21は、中開口22よりも小さいサイズに形成されているので、缶バッジ50の後方側を必要以上に大きく開放されず確実に保持できる。
【0035】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、中フレーム13は、凹凸嵌合等により後フレーム11に連結可能に構成されているので、中フレーム13を使用するときに後フレーム11に対して位置規制することができ、組み込み性を良くすることができる。
【0036】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、前フレーム12が後フレーム11の側部外周壁11bを覆うカバー側面12bを備えているので、側方から見たときに、後フレーム11が見えない綺麗な形態にすることができる。
【0037】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、前フレーム12と後フレーム11の間に設けた光透過性シート14により、展示状態において缶バッジ50を保護すると共に綺麗に見ることができる。
【0038】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、前フレーム12の前内面12eと後フレーム11の前端縁11aとの間で光透過性シートを確りと挟持・保持することができる。また、中フレーム13の外周前縁13aは、中フレーム13が装着された状態で、前フレーム12の前内面12e内側に位置するように構成されているので、中フレーム13が前方側から見えず外観が綺麗に展示できる。
【0039】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、前後フレーム11,12同士連結は、突部18とL字状の溝部28とによる嵌合構造によるので、押込み操作と該押込み操作に連続する回動操作により容易に行うことができ、しかも連結が離脱不可能に確実に行われる。
【0040】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、支え脚15は、開閉動作できるので、前後フレーム11,12を支持状態に保持する形態と、折り畳んだ非支持状態を取ることができ使い勝手が良い。また、折り畳んだ非支持状態では、カバー側面12bに形成される仮想平面を使用できるので、前フレーム12のカバー側面12bを使った直立状態とすることができる。更に、直立状態では、上下左右の向きは自在に変えることができので、向きを変化させて楽しむことができる。
【0041】
また、本実施形態の展示用スタンド1においては、支え脚15は折り畳まれた状態では、後開口21の一部を塞ぐようにするので、缶バッジ50の保護をより確実にでき、更に、支え脚15を折り畳んだ状態では、支え脚15の両側に後開口21の一部が開いているので、例えば、支え脚15を開くときに後開口21に指を入れて支え脚15を操作し易くできる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、物品については、円形状の缶バッジ50としたが、必ずしも円形に限るものではない。
【0043】
また、上記実施形態においては、缶バッジ50においては、裏面側に取付ピン55が設けられたものについて説明したが、例えば、取付ピン55以外にクリップ部材を設けたもの、さらには、クリップ部材と取付ピン55とが併設された構造のものでもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、光透過性シート14は、透明シートとしたが、必ずしも透明に限るものではなく、光が透過するものであれば、色が付けられたもの、図柄が付けられた構成でもよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、カバー側面12bは、2つの凸部12fが平坦な載置面60に接する辺にて仮想平面を形成するようにしたが、必ずしもこの構成限るものではなく、適宜突起構造によって仮想平面(3点以上の点による仮想平面)を構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 展示用スタンド
11 後フレーム(第1部品)
11b 側部外周壁
11d 内側内面(平面部)
12 前フレーム(第2部品)
13 中フレーム(第3部品)
14 光透過性シート(第4部品)
15 支え脚(支持部品)
18 突部
21 後開口(第1開口)
22 中開口(第2開口)
23 前開口(第3開口)
28 溝部
28a 第1溝
28b 第2溝
50 缶バッジ(物品)
51 サイズの大きい缶バッジ
52 サイズの小さい缶バッジ
55 取付ピン
60 載置面