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特開2023-84999ベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084999
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20230613BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20230613BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230613BHJP
   H01B 7/40 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H02G3/30
H02G1/06
B60R16/02 623B
H01B7/40 308
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199438
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】戸澤 俊二
【テーマコード(参考)】
5G309
5G352
5G363
【Fターム(参考)】
5G309HA03
5G352CH03
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】追加の電線束の搭載が容易となるベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニットを提供する。
【解決手段】ベース60は、カバー70が固定されることにより、カバー70との間に、第1電線束30を収容するための第1領域R1及び第1電線束30とは異なる第2電線束40を収容するための第2領域R2を形成する。ベース60は、第1領域R1に面する第1底壁611と、第1底壁611と隣り合う第2底壁612であって第2領域R2に面する第2底壁612と、を有する底壁61と、底壁61から底壁61の板厚方向に延びる複数の第1案内軸62と、を備える。複数の第1案内軸62は、第1底壁611及び第2底壁612のうち、第1底壁611から延びる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーが固定されることにより、前記カバーとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するベースであって、
前記第1領域に面する第1底壁と、前記第1底壁と隣り合う第2底壁であって前記第2領域に面する第2底壁と、を有する底壁と、
前記底壁から前記底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を備え、
前記複数の第1案内軸は、前記第1底壁及び前記第2底壁のうち、前記第1底壁から延びるベース。
【請求項2】
前記底壁は、前記第1底壁及び前記第2底壁の境界に沿って延びる切り欠きを有する請求項1に記載のベース。
【請求項3】
ベースに固定されることにより、前記ベースとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するカバーであって、
前記第1領域に面する第1上壁と、前記第1上壁と隣り合う第2上壁であって前記第2領域に面する第2上壁と、を有する上壁と、
前記上壁から前記上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を備え、
前記複数の第2案内軸は、前記第1上壁及び前記第2上壁のうち、前記第2上壁から延びるカバー。
【請求項4】
前記ベースに係止する係止部を備える請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のカバーと、
前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策される前記第2電線束と、を備えるカバーユニット。
【請求項6】
第1底壁及び前記第1底壁と隣り合う第2底壁を有する底壁と、前記第1底壁から前記第1底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を有するベースと、
第1上壁及び前記第1上壁と隣り合う第2上壁を有する上壁と、前記第2上壁から前記第2上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を有するカバーと、
前記ベースの前記複数の第1案内軸の間に配策され、前記ベースの前記第1底壁及び前記カバーの前記第1上壁の間の第1領域に収容される第1電線束と、
前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策され、前記ベースの前記第2底壁及び前記カバーの前記第2上壁の間の第2領域に収容される第2電線束と、を備える結束ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載されるワイヤハーネスが記載されている。このワイヤハーネスは、電線束と、電線束の分岐部位を結束する結束部品と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-59237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両に必要とされる電線束の種類及び数は、車両のグレードによる装備の差異及び選択されるオプション品の有無などによって異なる。車両には、装備の差異及びオプション品の有無に関わらず必要とされる必須の電線束が搭載されたり、装備の追加及びオプション品の選択によって必要とされる追加の電線束が搭載されたりする。このため、車両を製造する際には、必須の電線束に加え、製造する車両の装備及びオプション品に応じた追加の電線束を車両に搭載する必要がある。また、ユーザが所有する車両に新たな装備を追加する際には、新たな装備に応じた追加の電線束を車両に搭載する必要がある。本開示の目的は、追加の電線束の搭載が容易となるベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のベースは、カバーが固定されることにより、前記カバーとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するベースであって、前記第1領域に面する第1底壁と、前記第1底壁と隣り合う第2底壁であって前記第2領域に面する第2底壁と、を有する底壁と、前記底壁から前記底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を備え、前記複数の第1案内軸は、前記第1底壁及び前記第2底壁のうち、前記第1底壁から延びる。
【0006】
本開示のカバーは、ベースに固定されることにより、前記ベースとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するカバーであって、前記第1領域に面する第1上壁と、前記第1上壁と隣り合う第2上壁であって前記第2領域に面する第2上壁と、を有する上壁と、前記上壁から前記上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を備え、前記複数の第2案内軸は、前記第1上壁及び前記第2上壁のうち、前記第2上壁から延びる。
【0007】
本開示のカバーユニットは、上述したカバーと、前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策される前記第2電線束と、を備える。
本開示の結束ユニットは、第1底壁及び前記第1底壁と隣り合う第2底壁を有する底壁と、前記第1底壁から前記第1底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を有するベースと、第1上壁及び前記第1上壁と隣り合う第2上壁を有する上壁と、前記第2上壁から前記第2上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を有するカバーと、前記ベースの前記複数の第1案内軸の間に配策され、前記ベースの前記第1底壁及び前記カバーの前記第1上壁の間の第1領域に収容される第1電線束と、前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策され、前記ベースの前記第2底壁及び前記カバーの前記第2上壁の間の第2領域に収容される第2電線束と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、追加の電線束の搭載が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る車両の模式図である。
図2図2は、結束ユニットの斜視図である。
図3図3は、結束部品の分解斜視図である。
図4図4は、ベースの平面図である。
図5図5は、カバーの底面図である。
図6図6は、結束ユニットの分解斜視図である。
図7図7は、第2電線束を備えない結束ユニットの斜視図である。
図8図8は、変更例に係る結束ユニットの斜視図である。
図9図9は、変更例に係るベースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示のベースは、カバーが固定されることにより、前記カバーとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するベースであって、前記第1領域に面する第1底壁と、前記第1底壁と隣り合う第2底壁であって前記第2領域に面する第2底壁と、を有する底壁と、前記底壁から前記底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を備え、前記複数の第1案内軸は、前記第1底壁及び前記第2底壁のうち、前記第1底壁から延びる。
【0011】
ベースは、複数の第1案内軸の間で第1電線束を保持できる。この場合、ベースは、第1電線束と一体的に取り扱われる一方、第2電線束とは一体的に取り扱われない。そして、ベースにカバーが固定されると、第1電線束は第1領域に収容され、第1領域とは別の第2領域に第2電線束を収容することが可能となる。このため、第1電線束を必須の電線束とし、第2電線束を追加の電線束とすれば、必須の電線束及び追加の電線束を区別して配策することが可能となる。こうした点で、ベースは、追加の電線束の有無及び追加の電線束の仕様違いなどに対応できる。したがって、追加の電線束の搭載が容易となる。
【0012】
[2]上記ベースにおいて、前記底壁は、前記第1底壁及び前記第2底壁の境界に沿って延びる切り欠きを有することが好ましい。
ベースは、切り欠きに荷重を作用させることにより、第1底壁及び第2底壁に分断される。このため、追加の電線束が不要な場合には、ベースから第2底壁を取り除くことで、ベースの大きさを小さくすることができる。このように、第1電線束のみが必要な場合と第1電線束及び第2電線束の双方が必要な場合とで、ベースは大きさを調整できる。
【0013】
[3]本開示のカバーは、ベースに固定されることにより、前記ベースとの間に、第1電線束を収容するための第1領域及び前記第1電線束とは異なる第2電線束を収容するための第2領域を形成するカバーであって、前記第1領域に面する第1上壁と、前記第1上壁と隣り合う第2上壁であって前記第2領域に面する第2上壁と、を有する上壁と、前記上壁から前記上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を備え、前記複数の第2案内軸は、前記第1上壁及び前記第2上壁のうち、前記第2上壁から延びる。
【0014】
カバーは、複数の第2案内軸の間で第2電線束を保持できる。この場合、カバーは、第2電線束と一体的に取り扱われる一方、第1電線束とは一体的に取り扱われない。そして、ベースにカバーが固定されると、第2電線束は第2領域に収容され、第2領域とは別の第1領域に第1電線束を収容することが可能となる。このため、第1電線束を必須の電線束とし、第2電線束を追加の電線束とすれば、必須の電線束及び追加の電線束を区別して配策することが可能となる。こうした点で、カバーは、追加の電線束の有無及び追加の電線束の仕様違いなどに対応できる。したがって、追加の電線束の搭載が容易となる。
【0015】
[4]上記カバーは、前記ベースに係止する係止部を備えることが好ましい。
係止部がベースに係止することにより、カバーはベースに固定される。つまり、カバーは、ベースに固定される際に、ねじなどの締結部材を必要としない。
【0016】
[5]本開示のカバーユニットは、上述したカバーと、前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策される前記第2電線束と、を備える。
カバーユニットは、上述したカバーと同等の作用効果を得ることができる。また、カバーユニットは、カバーと第2電線束とを一体に扱うことができる。
【0017】
[6]本開示の結束ユニットは、第1底壁及び前記第1底壁と隣り合う第2底壁を有する底壁と、前記第1底壁から前記第1底壁の板厚方向に延びる複数の第1案内軸と、を有するベースと、第1上壁及び前記第1上壁と隣り合う第2上壁を有する上壁と、前記第2上壁から前記第2上壁の板厚方向に延びる複数の第2案内軸と、を有するカバーと、前記ベースの前記複数の第1案内軸の間に配策され、前記ベースの第1底壁及び前記カバーの第1上壁の間の第1領域に収容される第1電線束と、前記カバーの前記複数の第2案内軸の間に配策され、前記ベースの第2底壁及び前記カバーの第2上壁の間の第2領域に収容される第2電線束と、を備える。
【0018】
結束ユニットは、上述したベース及びカバーと同等の作用効果を得ることができる。また、結束ユニットは、ベースと第1電線束とを一体に扱ったり、カバーと第2電線束とを一体に扱ったりできる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のベース、カバー、カバーユニット及び結束ユニットを、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各図面において、各部分の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。
【0020】
<車両10>
図1に示すように、車両10は、複数の電装品20と、第1電線束30と、第2電線束40と、結束部品50と、を備える。
【0021】
<電装品20>
電装品20は、例えば、バッテリ、モータジェネレータ、エアコンディショナ、スライドドアアクチュエータ、バックドアアクチュエータ、ウィンドウレギュレータ、ウインカー及びこれらを制御するECUなどである。電装品20は、車両10のグレード及びオプション品の選択に関わらず車両10に必須の必須電装品21と、車両10のグレード及びオプション品の選択に応じて追加される追加電装品22と、を有する。
【0022】
<第1電線束30>
図1及び図2に示すように、第1電線束30は、電力を供給したり信号を送受信したりする複数の被覆電線を含んで構成されている。第1電線束30を構成する電線は、必須電装品21に接続されている。第1電線束30は、幹線31と、幹線31から分岐する複数の枝線32と、を有する。本実施形態では、1つの幹線31から3つの枝線32が分岐している。第1電線束30の幹線31及び複数の枝線32は、粘着テープなどによりまとめられていることが好ましい。
【0023】
<第2電線束40>
図1及び図2に示すように、第2電線束40は、電力を供給したり信号を送受信したりする複数の被覆電線を含んで構成されている。第2電線束40を構成する電線は、追加電装品22に接続されている。第2電線束40は、粘着テープなどによりまとめられていることが好ましい。本実施形態において、第2電線束40は分岐していないが、他の実施形態において、第2電線束40は分岐していてもよい。
【0024】
<結束部品50>
図2及び図3に示すように、結束部品50は、ベース60と、ベース60を覆うカバー70と、を備える。本実施形態において、ベース60とカバー70とは、何れも熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品である。以降の説明では、ベース60とカバー70とが積層する方向を上下方向という。
【0025】
<ベース60>
図3及び図4に示すように、ベース60は、矩形板状をなす底壁61と、底壁61の上面から延びる複数の第1案内軸62及び複数の係合軸63と、底壁61の側面から延びる延設部64と、底壁61の側面に位置する複数の凹部65と、を有する。
【0026】
底壁61は、平面視において長方形状をなしている。底壁61は、平面視において正方形状をなす第1底壁611と、平面視において長方形状をなす第2底壁612と、を有する。第1底壁611及び第2底壁612は板厚方向を同方向とした状態で隣り合っている。底壁61の短辺の延びる方向において、第1底壁611の長さは第2底壁612の長さと等しく、底壁61の長辺の延びる方向において、第1底壁611の長さは第2底壁612の長さよりも長くなっている。図中では、説明理解の容易のために、第1底壁611及び第2底壁612の間に境界線を記載しているが、現実には境界線は不要である。
【0027】
底壁61には、底壁61の外縁に沿って複数のマークMが設けられている。本実施形態では、底壁61を平面視したときの第1底壁611の3辺に沿って3つずつマークMが設けられている。複数のマークMは、重複のない文字及び記号などの組み合わせであればよい。マークMは、ベース60の成形時に形成してもよいし、ベース60の成形後に印刷及びレーザ加工などで後から形成してもよい。また、マークMは、文字及び記号が記載されたラベルを貼付することで形成してもよい。
【0028】
複数の第1案内軸62は、第1底壁611の四隅から離れた部分から上方に延びている。複数の第1案内軸62の延びる方向は、第1底壁611の板厚方向となっている。複数の第1案内軸62は、互いに間隔をあけた状態で規則的に整列している。本実施形態では、12個の第1案内軸62が第1底壁611から延びているが、第1案内軸62の数は適宜に変更可能である。第1案内軸62は、いわゆるテーパ軸である。このため、第1案内軸62は、先端から基端に向かうにつれて次第に太くなっている。第1案内軸62の先端は、丸みを帯びている。言い換えれば、第1案内軸62の先端は、半球状をなしている。
【0029】
複数の係合軸63は、第1底壁611の四隅に近い部分から上方に延びている。複数の係合軸63の延びる方向は、複数の第1案内軸62に沿う方向であって、第1底壁611の板厚方向となっている。複数の係合軸63は、互いに間隔をあけた状態で整列している。本実施形態では、4個の係合軸63が第1底壁611から延びているが、係合軸63の数は適宜に変更可能である。係合軸63は、円柱状をなしている。係合軸63の長さは第1案内軸62の長さよりも長く、係合軸63の外径は第1案内軸62の基端部の外径よりも大きくなっている。
【0030】
ベース60の第1底壁611の平面視において、複数の第1案内軸62及び複数の係合軸63は、複数行かつ複数列に規則的に整列している。ベース60の第1底壁611において、複数の第1案内軸62及び複数の係合軸63のうち隣り合う軸の間は、第1電線束30の枝線32を配策するための配策経路となっている。上述したベース60のマークMは、底壁61の外縁に沿って位置する配策経路と関連付けられている。本実施形態では、底壁61を平面視したときの第1底壁611の3辺に沿って、配策経路が3つずつ存在するとともに、当該配策経路を特定するマークMが3つずつ設けられている。したがって、マークMを用いて、ベース60に対する第1電線束30の入口及び出口を指定することにより、第1電線束30をどのような配策経路でベース60に配策するかを指定できる。その一方で、第2底壁612の上面からは、第1案内軸62も係合軸63も延びていない。つまり、第2底壁612の上面は、平坦な面となっている。この点で、第2底壁612には、配策経路が存在していない。
【0031】
延設部64は、底壁61を平面視したときの2つの長辺のうちの一方の長辺に対応する部分から延びている。詳しくは、延設部64は、第1底壁611の「L2」のマークMがある部分から延びている。延設部64は、矩形板状をなしている。延設部64の板厚方向は、底壁61の板厚方向と同方向である。他の実施形態において、延設部64は、底壁61の他のマークMがある部分から延びていてもよい。この場合、延設部64の数は2以上であってもよい。
【0032】
複数の凹部65は、第2底壁612に設けられている。複数の凹部65は、第2底壁612を平面視したときの長辺となる部分に間隔をあけて2つ位置している。複数の凹部65は、第2底壁612の底面から上面に向かって凹んでいる。
【0033】
ベース60は、車体のフレーム及びパネルなどに固定される部位である。ベース60は、車体のフレーム及びパネルなどに設けられた孔に係合する係合部を備えてもよい。この場合、ベース60は、上記係合部を上記孔に係合させることにより、車体に固定される。なお、ベース60は、結束バンド及び粘着テープなどで車体に固定することも可能である。
【0034】
<カバー70>
図3及び図5に示すように、カバー70は、矩形板状をなす上壁71と、上壁71を板厚方向に貫通する複数の係合孔72と、上壁71の下面から延びる複数の第2案内軸73と、上壁71の側面から延びる複数の係止部74と、を有する。
【0035】
上壁71は、平面視において長方形状をなしている。上壁71は、平面視において正方形状をなす第1上壁711と、平面視において長方形状をなす第2上壁712と、を有する。第1上壁711及び第2上壁712は、板厚方向を同方向とした状態で隣り合っている。上壁71の短辺の延びる方向において、第1上壁711の長さは第2上壁712の長さと等しく、上壁71の長辺の延びる方向において、第1上壁711の長さは第2上壁712の長さよりも長くなっている。第1上壁711は、ベース60の第1底壁611に対応する形状をなし、第2上壁712は、ベース60の第2底壁612に対応する形状をなしている。図中では、説明理解の容易のために、第1上壁711及び第2上壁712の間に境界線を記載しているが、現実には境界線は不要である。
【0036】
複数の係合孔72は、第1上壁711の四隅に近い部分に4つ設けられている。第1上壁711における複数の係合孔72の形成位置及び形成数は、ベース60の第1底壁611における係合軸63の形成位置及び形成数と対応している。係合孔72の内径は、ベース60の係合軸63の外径と同程度となっている。
【0037】
第2上壁712には、上壁71の外縁に沿って複数のマークMが設けられている。本実施形態では、第2上壁712を底面視したときの第2上壁712の2つの短辺に沿って1つずつマークMが設けられ、第2上壁712の1つの長辺に沿って3つのマークMが設けられている。マークMは、ベース60のマークMと同等のものであればよい。
【0038】
複数の第2案内軸73は、第2上壁712から下方に延びている。複数の第2案内軸73の延びる方向は、第2上壁712の板厚方向となっている。複数の第2案内軸73は、互いに間隔をあけた状態で規則的に整列している。本実施形態では、8個の第2案内軸73が第2上壁712から延びているが、第2案内軸73の数は適宜に変更可能である。第2案内軸73は、いわゆるテーパ軸である。このため、第2案内軸73は、先端から基端に向かうにつれて次第に太くなっている。第2案内軸73の先端は、丸みを帯びている。詳しくは、第2案内軸73の先端は、半球状をなしている。
【0039】
カバー70の第2上壁712の底面視において、複数の第2案内軸73は、複数行かつ複数列に規則的に整列している。カバー70の第2上壁712において、隣り合う2つの第2案内軸73の間は、第2電線束40を配策するための配策経路となっている。上述したカバー70のマークMは、上壁71の外縁に沿って位置する配策経路と関連付けられている。本実施形態では、上壁71を底面視したときの第2上壁712の2つの短辺に沿って、配策経路が1つずつ存在するとともに、当該配策経路を特定するマークMが1つずつ設けられている。また、上壁71を底面視したときの第2上壁712の1つの長辺に沿って、配策経路が3つ存在するとともに、当該配策経路を特定するマークMが3つ設けられている。したがって、マークMを用いて、カバー70に対する第2電線束40の入口及び出口を指定することにより、第2電線束40をどのような配策経路でカバー70に配策するかを指定できる。その一方で、第1上壁711の下面からは、第2案内軸73が延びていない。つまり、第1上壁711の下面は、平坦な面となっている。この点で、第1上壁711には、配策経路が存在していない。
【0040】
複数の係止部74は、第2上壁712から下方に延びている。複数の係止部74の延びる方向は、第2上壁712の板厚方向となっている。複数の係止部74は、第2上壁712を平面視したときの長辺となる部分に間隔をあけて2つ位置している。係止部74は、先端が爪状をなしている。係止部74の長さは、第2案内軸73の長さよりも長くなっている。
【0041】
以降の説明では、第1電線束30と第2電線束40と結束部品50とを含んで「結束ユニット100」という。また、第1電線束30とベース60とを含んで「ベースユニット110」といい、第2電線束40とカバー70とを含んで「カバーユニット120」という。この点で、結束ユニット100は、ベースユニット110とカバーユニット120とを備えているといえる。
【0042】
<本実施形態の作用>
ベースユニット110の製造方法について説明する。
ベースユニット110の製造方法は、ベース60に第1電線束30を配策する第1配策工程を備える。図6に示すように、第1配策工程は、第1電線束30の複数の枝線32をベース60の第1底壁611の配策経路に配策する工程である。第1配策工程において、3つの枝線32のうち、第1の枝線は「L1」と「U2」とを通るように配策され、第2の枝線は「L2」と「R2」とを通るように配策され、第3の枝線は「L3」と「R3」とを通るように配策される。また、第1電線束30の幹線31は、ベース60の延設部64に沿って配策される。そして、第1電線束30の幹線31は、粘着テープなどによってベース60の延設部64に固定される。こうして、第1電線束30は、ベース60と一体化される。つまり、ベースユニット110の製造が完了する。
【0043】
カバーユニット120の製造方法について説明する。
カバーユニット120の製造方法は、カバー70に第2電線束40を配策する第2配策工程を備える。図6に示すように、第2配策工程は、第2電線束40をカバー70の第2上壁712の配策経路に配索する工程である。第2配索工程において、第2電線束40は、「X1」と「Z1」とを通るように配索される。また、第2電線束40は、粘着テープなどによって第2上壁712に固定される。こうして、第2電線束40は、カバー70と一体化される。つまり、カバーユニット120の製造が完了する。
【0044】
結束ユニット100の製造方法について説明する。
結束ユニット100の製造方法は、ベースユニット110にカバーユニット120を固定する固定工程を備える。図6及び図2に示すように、固定工程は、ベース60の底壁61とカバー70の上壁71との間に間隔をあけた状態で、カバー70をベース60に固定する工程である。
【0045】
固定工程において、ベース60の複数の係合軸63は、カバー70の複数の係合孔72にそれぞれ挿入される。このとき、複数の係合軸63を複数の係合孔72にそれぞれ嵌合させてもよいし、複数の係合軸63と複数の係合孔72とをそれぞれ接着してもよい。また、固定工程において、カバー70の複数の係止部74は、一時的に弾性変形することにより、ベース60の複数の凹部65にそれぞれ係止する。
【0046】
固定工程が完了すると、ベース60の第1底壁611とカバー70の第1上壁711とが対向し、ベース60の第2底壁612及びカバー70の第2上壁712が対向する。また、ベース60の複数の第1案内軸62がカバー70の第1上壁711に接し、カバー70の複数の第2案内軸73がベース60の第2底壁612に接する。
【0047】
その結果、図2に示すように、ベース60の第1底壁611及びカバー70の第1上壁711の間には、第1電線束30を収容するための第1領域R1が形成される。また、ベース60の第2底壁612及びカバー70の第2上壁712の間には、第2電線束40を収容するための第2領域R2が形成される。つまり、ベース60に固定された第1電線束30は、第1領域R1に収容され、カバー70に固定された第2電線束40は、第2領域R2に収容される。こうして、結束部品50は、第1電線束30と第2電線束40とを異なる領域に収容した状態で、第1電線束30と第2電線束40とを結束する。つまり、結束ユニット100の製造が完了する。
【0048】
このように製造された結束ユニット100は、車両10の製造時において、ベース60が車体を向いた状態で、車体のフレーム又はパネルなどに固定される。
<本実施形態の効果>
(1)ベース60は、複数の第1案内軸62の間で第1電線束30を保持できる。この場合、ベース60は、第1電線束30と一体的に取り扱われる。一方、カバー70は、複数の第2案内軸73の間で第2電線束40を保持できる。この場合、カバー70は、第2電線束40と一体的に取り扱われる。
【0049】
そして、ベース60にカバー70が固定されると、第1電線束30は第1領域R1に収容され、第2電線束40は第1領域R1と隣り合う第2領域R2に収容される。このため、必須の電線束としての第1電線束30及び追加の電線束としての第2電線束40を区別して配策することが可能となる。こうした点で、ベース60及びカバー70は、追加の電線束の有無及び追加の電線束の仕様違いなどに対応できる。したがって、追加の電線束の搭載が容易となる。
【0050】
(2)結束ユニット100において、必須の電線束としての第1電線束30を備えるベースユニット110及び追加の電線束としての第2電線束40を備えるカバーユニット120は、別体に構成されている。このため、共通のベースユニット110に仕様違いのカバーユニット120を組み合わせることで、追加電装品22の異なる車両10向けの結束ユニット100を容易に生産することが可能となる。また、共通のベースユニット110について、効率の良い大量生産が可能となる。
【0051】
(3)結束ユニット100において、ベースユニット110は、必須の電線束としての第1電線束30を備える。言い換えれば、追加の電線束としての第2電線束40は、カバー70に設けられている。このため、図7に示すように、結束ユニット100のカバーユニット120をカバー70Aに置換することにより、第2電線束40を備えない結束ユニット100Aを構成できる。つまり、追加電装品22を備える車両10向きの結束ユニット100と、追加電装品22を備えない車両10向きの結束ユニット100Aと、において、ベースユニット110を共用できる。なお、結束ユニット100Aにおいて、カバー70Aの上壁71Aは、第1上壁711を有するが、第2上壁712を有しない。このため、結束ユニット100Aにおいて、ベース60の第2底壁612は露出する。なお、結束ユニット100から第2電線束40を省略することによっても、第2電線束40を備えない結束ユニットを構成できる。
【0052】
(4)カバー70がベース60に固定される状況では、カバー70の複数の係合孔72にベース60の複数の係合軸63が挿入され、カバー70の複数の係止部74がベース60の複数の凹部65に係止する。つまり、カバー70は、ベース60に固定される際に、ねじなどの締結部材を必要としない。
【0053】
(5)複数の第1案内軸62の先端及び複数の第2案内軸73の先端は、丸みを帯びている。このため、結束ユニット100は、第1電線束30及び第2電線束40が複数の第1案内軸62及び複数の第2案内軸73の先端に接触することがあっても、第1電線束30及び第2電線束40が傷付くことを抑制できる。
【0054】
(6)複数の第1案内軸62及び複数の第2案内軸73は、先端から基端にかけて次第に太くなる。このため、結束ユニット100は、複数の第1案内軸62及び複数の第2案内軸73の基端付近の強度を高めることができる。
【0055】
(7)ベース60は、延設部64に這わせた第1電線束30の幹線31を粘着テープ又は結束バンドなどで、延設部64に固定することが可能である。こうして、ベース60は、ベース60に対する第1電線束30の姿勢を安定化できる。
【0056】
(8)追加電装品22を備えない車両10を製造する際には、第2電線束40を省略した結束ユニットを車体に固定するとよい。これによれば、車両10のディーラーなどで、車両10に追加電装品22を追加する場合に、追加電装品22の追加によって必要となる第2電線束40を第2領域R2に収容することが可能となる。なお、第2電線束40が追加されることを前提とする場合には、ベース60に対してカバー70を着脱しやすく構成するとよい。
【0057】
(9)追加電装品22を備えない車両10を製造する際には、図7に示す結束ユニット100Aを車体に固定するとよい。これによれば、車両10のディーラーなどで、車両10に追加電装品22を追加する場合に、カバー70Aをカバーユニット120に交換するだけで、追加電装品22の追加によって必要となる第2電線束40を容易に追加できる。なお、第2電線束40が追加されることを前提とする場合には、ベース60に対してカバー70Aを外しやすく構成するとよい。
【0058】
(10)結束ユニット100において、第1電線束30及び第2電線束40が上下方向と交差する方向に並んでいる。このため、結束部品50は、上下方向における薄型化を実現できる。
【0059】
(11)結束ユニット100は、第1電線束30の複数の枝線32を異なる方向に分岐させることができる。このため、結束ユニット100は、異なる位置に搭載される複数の電装品20に向けて、複数の枝線32を配策しやすくできる。
【0060】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0061】
図8に示すように、変更例に係る結束ユニット100Bは、第1電線束30と、結束部品50Bと、を備える。図8及び図9に示すように、結束部品50Bは、ベース60Bと、カバー70Aと、を有する。第1電線束30とカバー70Aとは、上記実施形態と同様の構成である。図9に示すように、ベース60Bの底壁61Bは、第1底壁611と、第2底壁612と、第1底壁611及び第2底壁612の境界に沿って延びる切り欠き613と、を有する。切り欠き613は、底壁61Bの上面及び下面の双方の面に設けられている。このため、第1底壁611及び第2底壁612の境界部分の板厚は、他の部分の板厚よりも薄くなっている。本実施形態において、切り欠き613の延びる方向から見たときの切り欠き613の断面形状は、三角形状であるが、切り欠き613の断面形状は、半円状であってもよいし、矩形状であってもよい。
【0062】
ベース60Bは、切り欠き613に曲げ荷重を作用させることにより、第1底壁611及び第2底壁612に分断される。このため、図8に示すように、第2電線束40を配策する必要のない場合には、ベース60Bから第2底壁612を取り除くことで、ベース60Bの大きさを小さくすることができる。このように、ベース60Bは、第1電線束30のみが配策される場合と第1電線束30及び第2電線束40の双方が配策される場合とで大きさを調整できる。なお、図8に示すように、ベース60Bから第2底壁612を取り除いた場合、ベース60Bには破断面614が形成される。ベース60Bが射出成形による樹脂成形品である場合、破断面614の表面粗さは、金型によって形成される面の表面粗さよりも粗面となる。
【0063】
・上記変更例において、切り欠き613は、第1底壁611及び第2底壁612の境界の延びる方向に対して連続的に形成されているが、当該方向に対して不連続に形成されていてもよい。
【0064】
・第2電線束40は、少なくとも1本の電線を有していればよい。
・ベース60の底壁61の形状は、適宜に変更することができる。例えば、底壁61は、円板状をなしていてもよいし、多角形の板状をなしていてもよい。この場合、カバー70の上壁71は、ベース60の底壁61に対応する形状であることが好ましい。
【0065】
・ベース60の底壁61は、第1底壁611及び第2底壁612の境界で屈曲していてもよい。例えば、第1底壁611及び第2底壁612の間をなす角度は、結束部品50の固定対象である車体のフレーム及びパネルに応じた角度としてもよい。
【0066】
・ベース60において、第1底壁611から第1案内軸62の延びる方向は、第1底壁611の板厚方向に対して傾いていてもよい。第1底壁611から第1底壁611の板厚方向に延びる第1案内軸62は、上記のように第1底壁611の板厚方向に対して傾いて延びる態様を含むものとする。係合軸63についても同様である。さらに、カバー70における第2案内軸73についても、第2上壁712との関係で同様である。
【0067】
・ベース60は、延設部64を備えなくてもよい。この場合、ベース60の第1底壁611に第1電線束30を粘着テープなどで貼り付けることが好ましい。一方、カバー70は、第2電線束40を固定する目的で、ベース60の延設部64に相当する構成を備えてもよい。
【0068】
・ベース60は、凹部65を備えなくてもよい。この場合、カバー70の係止部74は、ベース60の第2底壁612の底面に係止できるように構成することが好ましい。
・ベース60の第1案内軸62及びカバー70の第2案内軸73は、角柱状をなしていてもよい。ベース60の第1案内軸62及びカバー70の第2案内軸73は、軸方向において断面形状が一定であってもよい。ベース60の第1案内軸62及びカバー70の第2案内軸73は、先端が平面状をなしていてもよい。
【0069】
・ベース60の係合軸63は、角柱状をなしていてもよい。この場合、カバー70の係合孔72は、ベース60の係合軸63に応じた形状であることが好ましい。
・カバー70において、上壁71は、第1上壁711及び第2上壁712の境界に沿って延びる切り欠きを有していてもよい。言い換えれば、上壁71は、底壁61Bと同様に、第1上壁711及び第2上壁712に分断可能に構成してもよい。これによれば、第1電線束30のみが配策される場合と第1電線束30及び第2電線束40の双方が配策される場合とでカバー70の大きさを調整できる。
【0070】
・ベース60とカバー70との間に第1領域R1及び第2領域R2を形成した状態で、ベース60にカバー70を固定できるのであれば、両者の固定態様は適宜に変更可能である。例えば、ベース60は、第2底壁612から延びる係合軸63を有していてもよいし、カバー70は、係止部74の代わりに、第2上壁712に係合孔72を有していてもよい。この場合、ベース60の第1底壁611及び第2底壁612から延びる複数の係合軸63を、カバー70の第1上壁711及び第2上壁712の複数の係合孔72にそれぞれ嵌合させることで、ベース60にカバー70が固定される。また、ベース60に係合孔72に相当する構成を設け、カバー70に係合軸63に相当する構成を設けてもよい。また、ベース60とカバー70とは、ねじなどの締結部材を用いて固定されていてもよい。
【0071】
・ベース60は、カバー70との間に第1領域R1及び第2領域R2を形成できれば、適宜に形状を変更可能である。同様に、カバー70は、ベース60との間に第1領域R1及び第2領域R2を形成できれば、適宜に形状を変更可能である。
【0072】
・ベース60とカバー70とは、金属材料などの樹脂材料以外の材料によって構成してもよい。
・結束ユニット100,100A,100Bの搭載対象は、車両10に限らない。結束ユニット100,100A,100Bの搭載対象は、電化製品であってもよいし、工場の設備であってもよいし、航空機などの他の輸送機器であってもよいし、住宅などであってもよい。
【0073】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0074】
<付記>
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
・前記複数の第1案内軸の先端及び前記複数の第2案内軸の先端は、丸みを帯びていることが好ましい。結束ユニットは、第1電線束及び第2電線束が複数の第1案内軸及び複数の第2案内軸の先端に接触することがあっても、第1電線束及び第2電線束が傷付くことを抑制できる。
【0075】
・前記複数の第1案内軸及び前記複数の第2案内軸は、先端から基端にかけて次第に太くなることが好ましい。結束ユニットは、複数の第1案内軸及び複数の第2案内軸の基端付近の強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0076】
R1 第1領域
R2 第2領域
10 車両
20 電装品
21 必須電装品
22 追加電装品
30 第1電線束
31 幹線
32 枝線
40 第2電線束
50,50B 結束部品
60,60B ベース
61,61B 底壁
611 第1底壁
612 第2底壁
613 切り欠き
614 破断面
62 第1案内軸
63 係合軸
64 延設部
65 凹部
70,70A カバー
71,71A 上壁
711 第1上壁
712 第2上壁
72 係合孔
73 第2案内軸
74 係止部
100,100A,100B 結束ユニット
110,110A ベースユニット
120 カバーユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9