(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085006
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ポール
(51)【国際特許分類】
H04B 7/15 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
H04B7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199447
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】多田 雅樹
【テーマコード(参考)】
5K072
【Fターム(参考)】
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB04
5K072BB17
5K072BB25
5K072DD16
5K072GG01
5K072GG12
5K072GG13
5K072GG14
5K072HH01
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、ポール本体に収容された無線通信機器の通信性能の向上を図ることである。
【解決手段】ポールP1は、筒状であって地面に立てられるポール本体1と、ポール本体1に設けられた開口部10を塞ぐ蓋体2と、ポール本体1に収容される無線通信機器3と、を備える。無線通信機器3は、電波の送信及び受信の少なくとも一方を行うアンテナ30を有する。無線通信機器3は、アンテナ30を介して電波を通信媒体とする無線信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。蓋体2は、電波を透過可能に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状であって地面に立てられるポール本体と、
前記ポール本体に設けられた開口部を塞ぐ蓋体と、
前記ポール本体に収容される無線通信機器と、
を備え、
前記無線通信機器は、電波の送信及び受信の少なくとも一方を行うアンテナを有し、前記アンテナを介して前記電波を通信媒体とする無線信号の送信及び受信の少なくとも一方を行い、
前記蓋体は、前記電波を透過可能に形成されている、
ポール。
【請求項2】
前記蓋体は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されている、
請求項1記載のポール。
【請求項3】
前記蓋体は、前記ポール本体に対して着脱可能に取り付けられる、
請求項1又は2記載のポール。
【請求項4】
前記無線通信機器は、前記ポール本体の軸方向と交差する方向から見て、前記開口部と前記アンテナが重なるように前記ポール本体に収容される、
請求項1-3のいずれか1項に記載のポール。
【請求項5】
前記アンテナは、前記蓋体に取り付けられる、
請求項1-4のいずれか1項に記載のポール。
【請求項6】
前記蓋体の前記開口部と対向する面に金属製の補強部材が設けられ、
前記補強部材の一部は、前記蓋体から見て前記アンテナの後方に配置される、
請求項1-5のいずれか1項に記載のポール。
【請求項7】
前記ポール本体に支持される照明器具を更に備える、
請求項1-6のいずれか1項に記載のポール。
【請求項8】
前記無線通信機器が受信する前記無線信号に含まれる情報を、音又は光の少なくとも一方の媒体を通じて出力する出力機器を更に備える、
請求項1-7のいずれか1項に記載のポール。
【請求項9】
前記無線信号に含まれる情報を取得する取得部を更に備え、
前記無線通信機器は、前記取得部が取得する前記情報を含む前記無線信号を前記アンテナを介して送信する、
請求項1-8のいずれか1項に記載のポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポールに関し、より詳細には、照明器具などの機器の設置に用いられるポールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載のポールを例示する。特許文献1記載のポール(以下、従来例という。)は、地面に立てられたポール本体と、ポール本体に収容されるアンテナユニットと、を備えている。アンテナユニットは、アンテナを有し、例えば、放送電波をアンテナから送信する。ポール本体には開口が設けられている。ポール本体の開口は、ポール本体に着脱可能に取り付けられる蓋部によって閉じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ポール本体に収容された無線通信機器の通信性能の向上を図ることができるポールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るポールは、筒状であって地面に立てられるポール本体と、前記ポール本体に設けられた開口部を塞ぐ蓋体と、前記ポール本体に収容される無線通信機器と、を備える。前記無線通信機器は、電波の送信及び受信の少なくとも一方を行うアンテナを有する。前記無線通信機器は、前記アンテナを介して前記電波を通信媒体とする無線信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。前記蓋体は、前記電波を透過可能に形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示のポールは、ポール本体に収容された無線通信機器の通信性能の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係るポールの概略の構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係るポールの正面図である。
【
図3】
図3は、同上のポールの要部の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のポールの要部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上のポールにおける蓋体、補強部材、及び無線通信機器の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上のポールの要部の断面図である。
【
図7】
図7は、同上のポールの回路ブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るポールの変形例1の要部の断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るポールの変形例2の正面図である。
【
図10】
図10は、同上の変形例2のポールの回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態に係るポールP1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0009】
(1)概要
実施形態に係るポールP1は、筒状であって地面に立てられるポール本体1と、ポール本体1に設けられた開口部10を塞ぐ蓋体2と、ポール本体1に収容される無線通信機器3と、を備える(
図1参照)。無線通信機器3は、電波の送信及び受信の少なくとも一方を行うアンテナ30を有する。無線通信機器3は、アンテナ30を介して電波を通信媒体とする無線信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。蓋体2は、電波を透過可能に形成されている。
【0010】
一般に、屋外に設置されるポール本体1は、強度及び耐久性を考慮して鋼管などの金属材料で形成される。つまり、ポール本体1は電気の良導体で形成されているため、ポール本体1に収容した無線通信機器3のアンテナ30から送信される電波を透過させることが難しい。
【0011】
そこで、実施形態に係るポールP1は、ポール本体1に開口部10を設けるとともに、電波を透過可能に形成された蓋体2で開口部10を塞いでいる。ゆえに、実施形態に係るポールP1は、無線通信機器3のアンテナ30から放射される電波を開口部10及び蓋体2を通してポール本体1の外に送信することができる。あるいは、実施形態に係るポールP1は、無線通信機器3と通信可能な外部の通信機から送信される電波を、開口部10及び蓋体2を通してアンテナ30に受信させることができる。しかも、実施形態に係るポールP1は、蓋体2が電波を透過可能であるため、蓋体2を通過する際の電波の減衰を抑制することができる。その結果、実施形態に係るポールP1は、ポール本体1に収容された無線通信機器3の通信性能の向上を図ることができる。
【0012】
(2)詳細
実施形態に係るポールP1(以下、ポールP1と略す。)は、ポール本体1、蓋体2、無線通信機器3の他に、補強部材4を備えている。ポールP1は、照明器具5、電源ユニット8、及びジョイントユニット9を更に備えている(
図2-
図6参照)。
【0013】
(2-1)ポール本体
ポール本体1は、鋼管などの金属材料によって筒状に形成されている。ポール本体1は、軸方向の一端部(下端部)を地中に埋めるようにして地面に立てられる(
図2参照)。また、ポール本体1の下部(地面から1m~1.5mの高さの位置)に開口部10が設けられている(
図4参照)。開口部10は、4つの角が丸められた4角形(以下、角丸4角形と呼ぶ。)に形成されている。なお、ポール本体1は、開口部10を挟んで上下に隣り合う位置にねじ穴11が1つずつ設けられている(
図4参照)。
【0014】
(2-2)無線通信機器
無線通信機器3は、アンテナ30と、無線通信ユニット31と、を有する(
図4及び
図5参照)。アンテナ30は、例えば、合成樹脂によって円筒状に形成されたケース内にアンテナ素子(例えば、モノポールアンテナ又はダイポールアンテナ)が収容されて構成されている。
【0015】
無線通信ユニット31は、送信回路及び受信回路の少なくとも一方と、交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を送信回路及び受信回路に供給する電源回路と、を有している。無線通信ユニット31は、アンテナ30を通して無線信号を受信し、受信した無線信号を復調及び復号して制御データなどを取得する。制御データは、例えば、電源ユニット8に対して、照明器具5の点灯・消灯・調光などを行わせるためのデータ(コマンド)である。あるいは、無線通信ユニット31は、公衆無線LANのアクセスポイントの機能を有し、アンテナ30を通して無線LANの電波を送受信するように構成されてもよい。
【0016】
(2-3)蓋体
蓋体2は、短幅に沿って湾曲した角丸4角形の板状に形成されている(
図4及び
図5参照)。蓋体2は、電波を透過させる材料、すなわち、電気絶縁性を有する材料で形成されている。一例として、蓋体2は、ポリカーボネート樹脂、FRP(fiberglass reinforced plastic)などの合成樹脂で形成される。ただし、蓋体2は、合成樹脂以外の電気絶縁性を有する材料、例えば、セラミックス、木材などでも構わない。なお、蓋体2は、長手方向の両端における短幅方向の中央に、それぞれ円形のねじ挿通穴20が1つずつ設けられている(
図4及び
図5参照)。
【0017】
(2-4)補強部材
補強部材4は、ベース板40と、支持部41と、アンテナカバー42と、を有している(
図4及び
図5参照)。ベース板40は、金属材料によって、短幅に沿って湾曲した角丸4角形の板状に形成されている。ベース板40には4角形の窓400が設けられている。窓400は、ベース板40の長手方向の中央から上でベース板40を厚み方向に貫通している。また、ベース板40は、長手方向の両端における短幅方向の中央に、それぞれ円形のねじ挿通穴401が1つずつ設けられている。さらに、ベース板40の凹面における下部から雄ねじ部402が突出している(
図5及び
図6参照)。雄ねじ部402は、溶接などの適宜の方法でベース板40に固定されている。
【0018】
支持部41は、4角形状の底板410と、底板410の3つの辺から上向きに突出する3つの側板411と、底板410の残り1つの辺から下向きに突出する固定板412と、を有している(
図5及び
図6参照)。固定板412には、円形のねじ挿通穴が設けられている。なお、底板410、3つの側板411及び固定板412は、金属板が曲げ加工されることで一体に形成されている。支持部41は、固定板412のねじ挿通穴に挿通された雄ねじ部402にナット43が締め付けられることによってベース板40の凹面の下部に取り付けられる(
図5及び
図6参照)。支持部41は、底板410の上に無線通信機器3が載せられることによって無線通信機器3を支持する(
図4及び
図6参照)。なお、支持部41に支持された無線通信機器3のアンテナ30は、ベース板40の窓400と対向する(
図4参照)。
【0019】
アンテナカバー42は、4角形の1つの辺が弧状となる形状に形成された天板420と、天板420の残り3つの辺から下向きに突出する3つの側板421と、を有している(
図5及び
図6参照)。天板420と3つの側板421は、金属板が曲げ加工されることで一体に形成されている。アンテナカバー42は、ベース板40の凹面側から窓400を囲うように、ねじ止め又は溶接などの適宜の方法でベース板40に取り付けられる(
図5参照)。アンテナカバー42は、支持部41に支持された無線通信機器3のアンテナ30を囲っている(
図6参照)。つまり、補強部材4の一部であるアンテナカバー42は、蓋体2から見てアンテナ30の後方に配置される。
【0020】
(2-5)照明器具
照明器具5は、ポール本体1の上端に取り付けられる(
図2参照)。照明器具5は、例えば、LEDを光源とする道路灯、街路灯、又は防犯灯である。なお、照明器具5は、ポール本体1から側方に突出するアームに取り付けられても構わない。
【0021】
(2-6)電源ユニット
電源ユニット8は、ポール本体1に収容される(
図4参照)。電源ユニット8は、地中に埋められた電源ケーブルと電気的に接続され、電源ケーブルを通して電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して照明器具5に給電するように構成されている。なお、電源ケーブルは、地中に埋められたポール本体1の下部に設けられる引込口12からポール本体1内に引き込まれる(
図2参照)。ただし、電源ユニット8は、照明器具5に内蔵されても構わない。
【0022】
(2-7)ジョイントユニット
ジョイントユニット9は、ポール本体1に収容される。ジョイントユニット9は、配線遮断器を有し、外部の電力系統G1と電源ユニット8及び無線通信機器3を電気的に接続する電路の途中に挿入される(
図7参照)。すなわち、ジョイントユニット9は、配線遮断器のハンドル操作によって無線通信機器3及び電源ユニット8を電力系統G1から電気的に切り離すことができる。さらに、ジョイントユニット9は、電力系統G1から無線通信機器3及び電源ユニット8に異常な電流(例えば、短絡電流、過負荷電流、漏えい電流など)が流れたときに無線通信機器3及び電源ユニット8を電力系統G1から強制的に切り離すことができる。
【0023】
(2-8)ポールの組立て
次に、地面に立てられたポール本体1に無線通信機器3を収容してポールP1を組立てる手順を説明する。
【0024】
組立てを行う作業者は、ポール本体1から取り外した蓋体2(補強部材4)に、無線通信ユニット31が支持部41に挿入され、アンテナ30が開口部400とアンテナカバー42の間に位置するように取り付けられている無線通信機器3の無線通信ユニット31と、ポール本体1に収容されているジョイントユニット9と、を電線で電気的に接続する。さらに、作業者は、無線通信ユニット31の出力線(コマンドを送信するための信号線)を電源ユニット8に電気的に接続する。
【0025】
続いて、作業者は、支持部41とアンテナカバー42をポール本体1の開口部10に挿入するようにして、補強部材4をポール本体1に被せる。さらに、作業者は、補強部材4の上に蓋体2を重ねた状態で、蓋体2の2つのねじ挿通穴20とベース板40の2つのねじ挿通穴401に取付ねじ44を1本ずつねじ込む。
【0026】
以上の手順でポールP1の組立てが完了する。
【0027】
(3)実施形態に係るポールの利点
上述のように構成されるポールP1は、ポール本体1の開口部10を、電波を透過可能に形成された蓋体2で塞いでいる。そのため、ポールP1は、無線通信機器3のアンテナ30から放射される電波を開口部10及び蓋体2を通してポール本体1の外に送信することができる。同じく、ポールP1は、無線通信機器3と通信可能な外部の通信機から送信される電波を、開口部10及び蓋体2を通してアンテナ30に受信させることができる。したがって、ポールP1は、雨水を含む異物が開口部10を通してポール本体1内に侵入することを蓋体2によって防ぎつつ、蓋体2による電波の減衰を抑制して無線通信機器3の通信性能の向上を図ることができる。
【0028】
また、ポールP1は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で蓋体2が形成されることにより、蓋体2の形状の自由度が高く、かつ、製造コストの上昇を抑えることができる。なお、蓋体2は、透光性を有する合成樹脂材料で形成されてもよい。その場合、蓋体2を通してポール本体1の内部を確認することができるので、ポール本体1に収容されている無線通信機器3の状態をポール本体1の外から容易に確認することができる。
【0029】
さらに、ポールP1は、ポール本体1に対して蓋体2(及び補強部材4)が着脱可能に取り付けられるので、ポール本体1に収容されている無線通信機器3などのメンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0030】
ここで、ポールP1は、ポール本体1の軸方向と交差する方向(水平方向)から見て、開口部10とアンテナ30が重なるように無線通信機器3をポール本体1に収容している(
図6参照)。そのため、ポールP1は、蓋体2による電波の減衰を更に抑制して無線通信機器3の通信性能の更なる向上を図ることができる。
【0031】
ところで、合成樹脂製の蓋体2のみでポール本体1の開口部10を塞ぐ構造の場合、金属製のポール本体1に比べて蓋体2の機械的な強度が低いため、外部からの衝撃などを受けて蓋体2が破損する可能性がある。
【0032】
そこで、ポールP1は、蓋体2の開口部10と対向する面(凹面)に金属製の補強部材4を設けることにより、蓋体2の機械的な強度を高めている。しかも、ポールP1は、補強部材4の一部(アンテナカバー42)を、蓋体2から見てアンテナ30の後方に配置しているので、金属製の補強部材4による電波の減衰を抑制することができる。
【0033】
(4)変形例
次に、実施形態に係るポールP1の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例の構成は、上述した実施形態の構成と共通であるので、実施形態の構成と共通する構成要素には同一の符号を付して適宜説明及び図示を省略する場合がある。
【0034】
(4-1)変形例1
変形例1のポールP1は、
図8に示すように、アンテナ30を含む無線通信機器3が、補強部材4ではなく、蓋体2に取り付けられている。
【0035】
変形例1のポールP1において、無線通信機器3は、蓋体2に取り付けられた支持部41に支持されている。
【0036】
しかして、変形例1のポールP1は、ポール本体1から蓋体2を取り外すことによって、無線通信機器3を蓋体2と一緒にポール本体1の開口部10の外に取り出すことができる。その結果、変形例1のポールP1は、メンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0037】
(4-2)変形例2
変形例2のポールP1は、無線通信機器3が受信する無線信号に含まれる情報を、音又は光の少なくとも一方の媒体を通じて出力する出力機器を更に備えている。出力機器は、例えば、スピーカ6である。ただし、出力機器は、スピーカ6に限定されず、電光掲示板などの光を媒体として情報を出力する機器であっても構わない。
【0038】
また、変形例2のポールP1は、出力機器に加えて、無線信号に含まれる情報を取得する取得部を更に備えている。取得部は、例えば、静止画又は動画の撮影が可能なカメラ7である。ただし、取得部は、カメラ7に限定されず、人感センタなどのセンサであっても構わない。
【0039】
スピーカ6及びカメラ7は、
図9に示すようにポール本体1から水平方向に突出するアーム13に取り付けられる。スピーカ6及びカメラ7は、いずれも無線通信機器3と電気的に接続される(
図10参照)。スピーカ6は、無線通信機器3から出力される音響信号に応じて音を出力する。カメラ7は、ポールP1の周囲を撮影し、撮影した画像(静止画又は動画)のデータを無線通信機器3に出力する。
【0040】
無線通信機器3は、カメラ7から受け取ったデータを符号化及び変調し、変調して無線信号をアンテナ30を介して送信する。無線通信機器3から送信される画像のデータは、受信先の設備で再生される。なお、このような画像は、例えば、防犯及び防災のために利用される。
【0041】
しかして、変形例2のポールP1は、スピーカ6のような出力機器、又はカメラ7のような取得部を更に備えるので、出力機器及び取得部をポールP1と別の場所に設置する場合に比べて、設置作業及びメンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0042】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係るポール(P1)は、筒状であって地面に立てられるポール本体(1)と、ポール本体(1)に設けられた開口部(10)を塞ぐ蓋体(2)と、ポール本体(1)に収容される無線通信機器(3)と、を備える。無線通信機器(3)は、電波の送信及び受信の少なくとも一方を行うアンテナ(30)を有する。無線通信機器(3)は、アンテナ(30)を介して電波を通信媒体とする無線信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。蓋体(2)は、電波を透過可能に形成されている。
【0043】
第1の態様に係るポール(P1)は、蓋体(2)が電波を透過可能であるため、蓋体(2)を通過する際の電波の減衰を抑制することができる。その結果、第1の態様に係るポール(P1)は、ポール本体(1)に収容された無線通信機器(3)の通信性能の向上を図ることができる。
【0044】
本開示の第2の態様に係るポール(P1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係るポール(P1)において、蓋体(2)は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料で形成されていることが好ましい。
【0045】
第2の態様に係るポール(P1)は、蓋体(2)の形状の自由度が高く、かつ、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0046】
本開示の第3の態様に係るポール(P1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係るポール(P1)において、蓋体(2)は、ポール本体(1)に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。
【0047】
第3の態様に係るポール(P1)は、ポール本体(1)に収容されている無線通信機器(3)などのメンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0048】
本開示の第4の態様に係るポール(P1)は、第1-第3のいずれかの態様と組合せにより実現され得る。第4の態様に係るポール(P1)において、無線通信機器(3)は、ポール本体(1)の軸方向と交差する方向から見て、開口部(10)とアンテナ(30)が重なるようにポール本体(1)に収容されることが好ましい。
【0049】
第4の態様に係るポール(P1)は、蓋体(2)による電波の減衰を更に抑制して無線通信機器(3)の通信性能の更なる向上を図ることができる。
【0050】
本開示の第5の態様に係るポール(P1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係るポール(P1)において、アンテナ(30)は、蓋体(2)に取り付けられることが好ましい。
【0051】
第5の態様に係るポール(P1)は、ポール本体(1)から蓋体(2)を取り外すことによって、無線通信機器(3)を蓋体(2)と一緒にポール本体(1)の開口部(10)の外に取り出すことができる。その結果、第5の態様に係るポール(P1)は、メンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0052】
本開示の第6の態様に係るポール(P1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係るポール(P1)において、蓋体(2)の開口部(10)と対向する面に金属製の補強部材(4)が設けられることが好ましい。補強部材(4)の一部(アンテナカバー42)は、蓋体(2)から見てアンテナ(30)の後方に配置されることが好ましい。
【0053】
第6の態様に係るポール(P1)は、補強部材(4)にて蓋体(2)の機械的な強度を高めつつ、補強部材(4)の一部を、蓋体(2)から見てアンテナ(30)の後方に配置することで補強部材(4)による電波の減衰を抑制することができる。
【0054】
本開示の第7の態様に係るポール(P1)は、第1-第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係るポール(P1)は、ポール本体(1)に支持される照明器具(5)を更に備えることが好ましい。
【0055】
第7の態様に係るポール(P1)は、ポール本体(1)に照明器具(5)を支持させることで照明用ポールとして使用可能になる。
【0056】
本開示の第8の態様に係るポール(P1)は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係るポール(P1)は、無線通信機器(3)が受信する無線信号に含まれる情報を、音又は光の少なくとも一方の媒体を通じて出力する出力機器(スピーカ6)を更に備えることが好ましい。
【0057】
第8の態様に係るポール(P1)は、出力機器をポール(P1)と別の場所に設置する場合に比べて、設置作業及びメンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【0058】
本開示の第9の態様に係るポール(P1)は、第1-第8のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係るポール(P1)は、無線信号に含まれる情報を取得する取得部(カメラ7)を更に備えることが好ましい。無線通信機器(3)は、取得部が取得する情報を含む無線信号をアンテナ(30)を介して送信することが好ましい。
【0059】
第9の態様に係るポール(P1)は、取得部をポール(P1)と別の場所に設置する場合に比べて、設置作業及びメンテンナンス作業の作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0060】
P1 ポール
1 ポール本体
2 蓋体
3 無線通信機器
4 補強部材
5 照明器具
6 スピーカ(出力機器)
7 カメラ(取得部)
10 開口部
30 アンテナ
42 アンテナカバー(補強部材の一部)