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特開2023-85027検査用光照射装置、及び、検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085027
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】検査用光照射装置、及び、検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199480
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】竹上 護
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB01
2G051AB02
2G051BA01
2G051BB03
2G051CB01
2G051CC17
(57)【要約】
【課題】検査用光照射装置の発光面を大きくしつつ、LEDの放熱を十分に行う。
【解決手段】平板状の導光板2と、導光板2の外側周面2cに沿って設けられ、複数のLED32及び配線基板31からなるLED搭載基板3とを備えており、LED32からの光が、導光板2の外側周面2cからその内部に入射して、導光板2の第1板面2aで反射し、導光板2の第2板面2bから外部に射出されてワークWに照射されるとともに、ワークWを、導光板2の第1板面2a側から導光板2を通じて、撮像装置200により撮像できるように構成されたものであって、LED搭載基板3に熱的に接続されるとともに、導光板2の厚み方向に沿って導光板2よりも外側に延びる放熱部材10をさらに備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の導光板と、前記導光板の外側周面に沿って設けられ、複数のLED及び配線基板からなるLED搭載基板とを備えており、前記LEDからの光が、前記導光板の前記外側周面からその内部に入射して、前記導光板の第1板面で拡散又は反射し、前記導光板の第2板面から外部に射出されてワークに照射されるとともに、前記ワークを、前記導光板の前記第1板面側から前記導光板を通じて、撮像装置により撮像できるように構成されたものであって、
前記LED搭載基板に熱的に接続されるとともに、前記導光板の厚み方向に沿って前記導光板よりも外側に延びる放熱部材をさらに備えている、検査用光照射装置。
【請求項2】
前記LED搭載基板は、配線基板の表面に前記複数のLEDを搭載したものであり、
前記LEDは、前記配線基板に搭載された状態で前記配線基板の幅方向に向かって光を射出するサイドビュー型のLEDである、請求項1に記載の検査用光照射装置。
【請求項3】
前記LED搭載基板は、前記配線基板が前記導光板の厚み方向において前記第1板面側に、前記LEDが前記導光板の厚み方向において前記第2板面側に位置するように設けられている、請求項1又は2に記載の検査用光照射装置。
【請求項4】
前記放熱部材は、前記LED搭載基板に対して前記導光板の厚み方向において前記第1板面側に延びている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の検査用光照射装置。
【請求項5】
前記LED搭載基板を支持する支持部材をさらに備え、
前記放熱部材は、前記支持部材により構成されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の検査用光照射装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の検査用光照射装置と、
前記導光板の前記第1板面側から前記導光板を通じて、前記ワークを撮像する撮像装置とを備える、検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の表面検査などのために光を照射する検査用光照射装置、及び、当該検査用光照射装置を用いた検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製品などの対象物(以下、ワークともいう。)に対し、その全方位から可及的に一様な光を照射して検査できるようにした光照射装置(以下、全方位光照射装置ともいう。)が知られている。このような全方位光照射装置は、ワークの検査部位に曲面や凸凹があってもそれによる影を作らず、例えばワーク表面の印字や色の違い等を浮き立たせることができるので、球体、R形状ワーク、半田部分などの検査に適している。
【0003】
こうした全方位光照射装置として、ドーム型のものが広く知られているが、高さ寸法がやや大きくなるため、近時では、特許文献1に示すように、平板状の導光板を用いて薄型にした平板型全方位光照射装置が開発されている。
【0004】
この種の平板型全方位光照射装置は、平板状の導光板と、この導光板の外側周面に沿って設けられ、複数のLEDを有するLED搭載基板と、このLED搭載基板を収容するとともに導光板の周縁部を支持する枠体とを備えている。また、導光板の一方の板面には、多数の微細な拡散反射部が互いに隙間を空けて設けられている。
【0005】
この平板型全方位光照射装置では、LEDからの光が、導光板の外側周面からその内部に入射して、導光板の一方の板面で反射し、導光板の他方の板面から外部に射出されてワークに照射されるとともに、ワークを、導光板の一方の板面側から導光板を通じて、撮像装置により撮像できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-85808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の光照射装置では、撮像装置とワークとの距離を近づけるために平板型としていることから、導光板の厚み方向に対して寸法を大きくすることは避けなくてはならないという先入観がある。そのため、LED配線基板の裏面に密着する熱伝導体等の放熱部材は、導光板の平面方向に沿って外側(LEDの発光面に対して垂直)に延ばすことで、光照射装置の放熱性を向上することが考えられている。
【0008】
しかしながら、上記のように放熱部材を設けた場合には、導光板の周縁部を支持する枠体の幅寸法(導光板の平面方向に沿った寸法)が大きくなってしまい、光照射装置における非発光面のサイズが大きくなってしまう。そうすると、光照射装置の平面視における外形サイズに制約がある場合には、枠体の幅寸法が大きくなることから、導光板の発光面のサイズが小さくなってしまう。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、検査用光照射装置の発光面を大きくしつつ、LEDの放熱を十分に行うことをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明に係る検査用光照射装置は、平板状の導光板と、前記導光板の外側周面に沿って設けられ、複数のLED及び配線基板からなるLED搭載基板とを備えており、前記LEDからの光が、前記導光板の前記外側周面からその内部に入射して、前記導光板の第1板面で反射し、前記導光板の第2板面から外部に射出されてワークに照射されるとともに、前記ワークを、前記導光板の前記第1板面側から前記導光板を通じて、撮像装置により撮像できるように構成されたものであって、前記LED搭載基板に熱的に接続されるとともに、前記導光板の厚み方向に沿って前記導光板よりも外側に延びる放熱部材をさらに備えていることを特徴とする。
【0011】
このような検査用光照射装置であれば、LED搭載基板に熱的に接続された放熱部材を、導光板の厚み方向に沿って前記導光板よりも外側に延びる構成としているので、検査用光照射装置の放熱性を向上させるためには、放熱部材を導光板の厚み方向に沿って延ばせば良く、導光板の平面方向に沿って延ばす必要がない。その結果、検査用光照射装置の平面視における外形サイズに制約がある場合であっても、検査用光照射装置の非発光面を小さくして検査用光照射装置の発光面を大きくしつつ、LEDの放熱を十分に行うことができる。
【0012】
前記LED搭載基板は、配線基板の表面に前記複数のLEDを搭載したものであり、前記LEDは、前記配線基板に搭載された状態で前記配線基板の幅方向に向かって光を射出するサイドビュー型のLEDであることが望ましい。
この構成であれば、配線基板の厚み方向が導光板の厚み方向と同じとなり、配線基板の裏面に放熱部材を熱的に接続することによって、放熱部材を導光板の厚み方向に沿って延ばすことができる。その結果、配線基板の裏面からの熱をその熱伝導方向に対する断面積を大きく維持したまま移動させることができるので、効率的に放熱を行うことができる。
【0013】
具体的なLED搭載基板の配置態様としては、前記LED搭載基板は、前記配線基板が前記導光板の厚み方向において前記第1板面側に、前記LEDが前記導光板の厚み方向において前記第2板面側に位置するように設けられていることが望ましい。
この構成であれば、配線基板が導光板の厚み方向において第1板面側に位置しているので、当該配線基板の裏面に熱的に接続される放熱部材も導光板の厚み方向において第1板面側に延びることになる。つまり、放熱部材は、撮像装置側に延びることになり、導光板をワークに近づけることができる。また、放熱部材がワークの搬送を邪魔することなく、検査用光照射装置を設置することができる。その結果、本発明の検査用光照射装置を用いた検査システムを小型化することができる。
さらに、放熱部材がワークとは反対側に設けられることになり、ワークにLEDからの熱が伝わりにくくなる。その結果、ワークの温度特性の影響を受けて検査精度が悪化したり、検査中にワークの品質が低下するリスクを軽減できる。
【0014】
上述したLED搭載基板の配置態様に関わらず、前記放熱部材は、前記LED搭載基板に対して前記導光板の厚み方向において前記第1板面側に延びていることが望ましい。
この構成であれば、放熱部材は撮像装置側に延びることになり、導光板をワークに近づけることができる。また、放熱部材がワークの搬送を邪魔することなく、検査用光照射装置を設置することができる。その結果、本発明の検査用光照射装置を用いた検査システムを小型化することができる。
さらに、放熱部材がワークとは反対側に設けられることになり、ワークにLEDからの熱が伝わりにくくなる。その結果、ワークの温度特性の影響を受けて検査精度が悪化したり、検査中にワークの品質が低下するリスクを軽減できる。
【0015】
本発明の検査用光照射装置は、前記LED搭載基板を支持する支持部材をさらに備えている。
この構成において、部品点数を削減するためには、前記放熱部材は、前記支持部材により構成されていることが望ましい。
【0016】
また、本発明に係る検査システムは、上記の検査用光照射装置と、前記導光板の前記第1板面側から前記導光板を通じて、前記ワークを撮像する撮像装置とを備えていることを特徴とする。
この検査システムであれば、検査用光照射装置の平面視における外形サイズを小さくしつつ、LEDの放熱を十分に行うことができる。また、放熱部材が撮像装置側に延びる構成であるため、導光板をワークに近づけても、放熱部材が邪魔にならない。したがって、撮像装置とワークとの距離を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
このように構成した本発明によれば、検査用光照射装置の発光面を大きくしつつ、LEDの放熱を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る検査用光照射装置を用いた検査システムを示す模式図である。
図2】同実施形態の検査用光照射装置の分解斜視断面図である。
図3】同実施形態の導光板の第1板面側から見た平面図である。
図4】同実施形態の検査用光照射装置の拡大斜視断面図である。
図5】変形実施形態の検査用光照射装置の拡大斜視断面図である。
図6】変形実施形態の検査用光照射装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る検査用光照射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0020】
<1.装置構成>
本実施形態の検査用光照射装置100は、図1に示すように、全体として薄い平板状をなすものであり、検査の対象物であるワークWに対し、そのほぼ全方位(ほぼ180°全天方向)から可及的に一様な光を照射することによって、ワークWの表面の曲面や多少の凸凹などによる影をキャンセルする機能を有している。
【0021】
より具体的に説明すると、この検査用光照射装置100は、図1及び図2に示すように、平板状をなす導光板2と、導光板2の外側周面2cに沿って設けられ、複数のLED32が搭載されたLED搭載基板3と、LED搭載基板3を収容するとともに導光板2の周縁部を支持する枠体4とを備えている。
【0022】
なお、本実施形態の検査用光照射装置100は、図1に示すように、ワークWの所定照射領域に光を照射して、撮像装置200で所定照射領域を撮像し、得られた画像データを画像処理装置300に取り込んで、傷等の有無の自動表面検査を行う製品検査システムZ等に用いられる。
【0023】
以下、検査用光照射装置100の各部について説明する。
【0024】
導光板2は、例えば等厚で円形状をなす樹脂製(例えばPMMA製)の透明板である。導光板2において、互いに対向する平行な板面のうちの一方の板面(以下、第1板面)2aには光を拡散又は反射させる拡散反射部5が形成されており(図3参照)、他方の板面(以下、第2板面)2bは平滑化されて鏡面状態とされている。ここで、第1板面2aが撮像装置200に対向する面となり、第2板面2bがワークWに対向する面となる。
【0025】
拡散反射部5は、導光板2内に入射した光を第2板面2bに向けて拡散又は反射させるものであり、例えば第1板面2aに形成された多数の微細な凹部である。なお、本明細書でいう「拡散」とは、例えば球面等で反射することにより光が拡がる態様も含むものである。
【0026】
具体的に拡散反射部5は、図3に示すように、例えば導光板2の第1板面2aに穿たれた部分凹球状のものであり、例えば、複数の拡散反射部5は、正方格子点上に規則正しく整列されている。なお、拡散反射部5の形状や配置はこれに限らず、種々の態様に変更することができる。
【0027】
LED搭載基板3は、図1及び図2に示すように、導光板2の外側周面2cを取り囲む円環状の配線基板31の表面に、複数のLED32を配線基板31の周方向に沿って実装したものである。ここでは、複数のLED32が、一列に所定ピッチで、より具体的には、等ピッチで配置されている。
【0028】
LED32は、例えば表面実装型のものであり、発光色のラインナップとしては、白色、赤色、青色など、複数色が取り揃えられているが、ここでは白色のものを用いている。より具体的にLED32は、配線基板31に搭載された状態で配線基板31の幅方向に向かって、つまり、配線基板31の径方向内側に向かって、光を射出するサイドビュー型のLEDである。複数のLED32は、配線基板31に光が当たって光をロスしないように、また、LED32と導光板2の外側周面2cとの距離を可及的に近づけて光の利用効率を向上させるために、配線基板31の径方向内側端部に設けられている。
【0029】
枠体4は、図1図2及び図4に示すように、円形枠状をなすものであり、LED搭載基板3を支持する円環状の支持部材41と、当該支持部材41に取り付けられて支持部材41とともに導光板2の周縁部を挟持する円環状のケース部材42とを有している。
【0030】
支持部材41は、図4に示すように、導光板2が載置されて導光板2の周縁部を支持する内側段部41aと、当該内側段部41aの径方向外側に形成され、LED搭載基板3が載置されてLED搭載基板3を支持する外側段部41bとを有する。
【0031】
内側段部41aに導光板2を載置することにより、導光板2の周縁部における第1板面2aが支持部材41により覆われる。内側段部41aに導光板2を載置し、外側段部41bにLED搭載基板3を載置することによって、導光板2とLED搭載基板3とが位置決めされる。そして、LED搭載基板3に搭載されたLED32の発光面が導光板2の外側周面2cに臨む構成となる。このような構成により、LED32から射出された光が、導光板2の外側周面2cからその内部に入射する。なお、支持部材41の外側段部41bの上面とLED搭載基板3の裏面との間には、粘弾性を有する熱伝導体6が設けられている。また、導光板2、LED搭載基板3及び/又は支持部材41の熱膨張収縮を吸収するために、内側段部41aと導光板2との間、及び/又は、外側段部41bとLED搭載基板3との間にクリアランスを設けても良い。
【0032】
また、ケース部材42は、支持部材41の外側周面にねじ等により固定されるものであり、支持部材41に固定されることによって、LED搭載基板3を覆うとともに、支持部材41との間で導光板2を挟持するものである。ケース部材42を支持部材41に固定することにより、導光板2の周縁部における第2板面2bがケース部材42により覆われる。本実施形態では、導光板2の第2板面2b上を覆うカバー板7がスペーサ8を介して設けられており、ケース部材42は、カバー板7及びスペーサ8を介して導光板2の周縁部を挟持する。
【0033】
本実施形態では、支持部材41の外形サイズは、LED搭載基板3の外形サイズよりも、ケース部材42の厚み分程度(例えば1mm程度)しか大きくならないように構成されている。具体的には、図4に示すように、支持部材41の外側周面には、ケース部材42を取り付けるための取付段部41cが形成されており、当該取付段部41cは、撮像方向に直交する方向において、LED搭載基板3の外側周面の近傍まで形成されている。また、取付段部41cの撮像方向に直交する深さ寸法は、ケース部材42の取付用円筒部421の厚み寸法と実質的に同じとしてある。この構成により、LED搭載基板3の外側は、ケース部材42の取付用円筒部421の厚み分程度しか大きくならず、検査用光照射装置100の非発光面の面積を小さくすることができる。
【0034】
このような構成の検査用光照射装置100においては、LED32から射出された光は、導光板2の外側周面2cから入射し、導光板2の対向する板面間で繰り返し全反射しながら内部を進行する。そして、その光の多くは、進行中に拡散反射部5に当たり、そこで拡散又は反射して、導光板2の第2板面2bから外側に射出される。より具体的には、上述したように、導光板2の周縁部が枠体4により覆われていることから、導光板2の第2板面2bにおける枠体4の内側から光が射出される。これにより、第2板面2bが発光面となる。
【0035】
<2.放熱部材10の構成>
そして、本実施形態の検査用光照射装置100は、図1図2及び図4に示すように、LED搭載基板3に熱的に接続されるとともに、導光板2の厚み方向(撮像装置200の撮像方向)に沿って導光板2よりも外側に延びる放熱部材10をさらに備えている。
【0036】
本実施形態の放熱部材10は、LED32により生じる熱を外部に放出するものであり、支持部材41により構成され、円環状をなすものである。支持部材41により構成される放熱部材10は、LED搭載基板3に対して導光板2の厚み方向において第1板面2a側に延びている。なお、支持部材41により構成された放熱部材10は、撮像装置200の撮像用の窓枠を兼ねることになる。
【0037】
ここで、LED搭載基板3は、配線基板31が導光板2の厚み方向において第1板面2a側に、LED32が導光板2の厚み方向において第2板面2b側に位置するように設けられており、配線基板31の裏面に熱的に接続される放熱部材10(支持部材41)は導光板2の厚み方向において第1板面2a側に延びることになる。つまり、放熱部材10(支持部材41)は、撮像装置200側に延びることになり、導光板2をワークWに近づけることができる。このような構成により、放熱部材10は、LED32からの熱を撮像装置200側の開放空間に放熱することになる。
【0038】
上記の検査用光照射装置100において、導光板2の第2板面2bがワークWを向くように配置して、第2板面2bから射出される拡散光によりワークWを照明する。このようにして照明されたワークWを、導光板2を挟んで逆側から、すなわち導光板2の第1板面2a側から撮像装置200によって撮像する。ここで、放熱部材10は、撮像装置200側に延びており、撮像装置200を取り囲むように配置されることになる。つまり、放熱部材10の内側に撮像装置200の先端部を配置することができ、撮像装置200を導光板2に近づける場合に、放熱部材10が邪魔にはならない。
【0039】
<3.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の検査用光照射装置100によれば、LED搭載基板3に熱的に接続された放熱部材10を、導光板2の厚み方向に沿って前記導光板2よりも外側に延びる構成としているので、検査用光照射装置100の放熱性を向上させるためには、放熱部材10を導光板2の厚み方向に沿って延ばせば良く、導光板2の平面方向に沿って延ばす必要がない。その結果、検査用光照射装置100の平面視における外形サイズに制約がある場合であっても、検査用光照射装置100の非発光面を小さくして検査用光照射装置100の発光面を大きくしつつ、LED32の放熱を十分に行うことができる。
【0040】
<4.その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0041】
例えば、前記実施形態のLED32はサイドビュー型のLEDであり、LED搭載基板3は、導光板2と平行に設けられる構成であったが、図5に示すように、配線基板31に垂直な方向に光を射出するLED32であっても良い。
【0042】
この場合、LED搭載基板3の配線基板31は、その板面が導光板2の外側周面2cに対向するように配置される。放熱部材10となる支持部材41は、導光板2の厚さ方向に延びる構成は前記実施形態と同様である。
【0043】
また、図6に示すように、LED搭載基板3に搭載されたLED32が導光板2の厚み方向(配線基板31の厚み方向)に光を射出する構成において、当該LED32から射出された光を反射ミラー11で反射させて、導光板2の外側周面2cに入射するようにしても良い。なお、図6では、反射ミラー11をLED32の光射出方向に対して45度傾けた構成であるが、LED32及び導光板2の相対位置に応じて反射ミラー11の配置態様は適宜変更可能である。
【0044】
前記実施形態の導光板2は平面視において円形状をなすものであったが、平面視において矩形状をなすものであっても良い。この場合、LED搭載基板3は、導光板2の4辺それぞれに対応して設けられ、導光板2の各側面に向けて光を射出する構成となる。また、導光板2は、平面視において、三角形状、五角形状又は六角形状等の多角形状であっても良い。
【0045】
また、前記実施形態の放熱部材10は、支持部材41と一体形成されたものであったが、支持部材41とは別体としても良い。この場合、放熱部材10は、支持部材41に直接又は熱伝導体を介して接続されることになる。この構成であれば、支持部材41を汎用部品としつつ、LED32の発熱量に合わせて放熱部材10を適宜変更することができる。
【0046】
さらに、放熱部材10は、前記実施形態のように中実のものであっても良いし、複数の放熱フィンからなる構成としても良い。
【0047】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
Z ・・・検査システム
W ・・・ワーク
100・・・検査用光照射装置
200・・・撮像装置
2 ・・・導光板
2a ・・・第1板面
2b ・・・第2板面
2c ・・・外側周面
3 ・・・LED搭載基板
31 ・・・配線基板
32 ・・・LED
41 ・・・支持部材
10 ・・・放熱部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6