(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085039
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20230613BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
G03G15/08 346
G03G21/18 121
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199493
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】丑久保 順一
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇輝
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AB03
2H077AB12
2H077AC04
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077GA02
2H077GA03
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA13
2H171FA14
2H171GA25
2H171HA33
2H171JA07
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171KA21
2H171KA25
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB16
2H171QB17
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC23
2H171SA04
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA07
(57)【要約】
【課題】画像形成装置外部に脱離された現像装置において、現像剤カートリッジが意図せず分離してしまうことを抑制した現像装置を提供する。
【解決手段】本発明が適用される現像装置は、現像装置本体と、現像装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤カートリッジと、現像装置本体に設けられ、操作部を備える第1レバー、および、第2レバーと、現像剤カートリッジに設けられ、第1レバーが備える第1係合部と第1の係合を形成する第1被係合部、および、第2レバーが備える第2係合部と第2の係合を形成する第2被係合部とを有する。そして、第1係合部は第1付勢部材の付勢力によって第1被係合部を付勢するとともに、操作部が第1の押圧力で操作された場合に、第1の係合が解除され、操作部が第1の押圧力より強い第2の押圧力で操作された場合に、第1レバーが第2レバーに押圧力を伝えて第2の係合を解除する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤担持体を備える現像装置本体と、
前記現像装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤カートリッジと、
前記現像装置本体に設けられ、操作部を備える第1レバー、および、第2レバーと、
前記現像剤カートリッジに設けられ、前記第1レバーが備える第1係合部と第1の係合を形成する第1被係合部、および、前記第2レバーが備える第2係合部と第2の係合を形成する第2被係合部と、
を有し、
前記第1係合部は、第1付勢部材の付勢力によって前記第1被係合部を付勢するとともに、
前記操作部が第1の押圧力で操作された場合に、前記第1の係合が解除され、
前記操作部が前記第1の押圧力より強い第2の押圧力で操作された場合に、前記第1レバーが前記第2レバーに押圧力を伝えて前記第2の係合を解除する
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記操作部への押圧力が第3の押圧力よりも小さい場合に、
前記第1係合部と前記第2係合部は離間し、
前記第3の押圧力で操作された場合に前記第1係合部と前記第2係合部が接触し、
前記第3の押圧力より大きな押圧力で操作された場合に、前記第1係合部が前記第2係合部に押圧力を伝えて前記第2レバーが従動する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1の係合における係合力は、前記第2の係合における係合力より強い
ことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1の係合が形成されている場合に、
前記第1付勢部材は、前記操作部を現像装置の外側に向けて第1の付勢力で付勢し、
前記第2の係合が形成されている場合に、
前記第2係合部は、前記第2レバーの弾性力によって第2の付勢力で前記第2被係合部を付勢し、
前記第2の付勢力は、前記第1の付勢力より弱い
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1の係合および前記第2の係合が形成され、前記現像剤カートリッジの脱離を規制する場合に、
前記第1被係合部は、
前記現像剤カートリッジの脱離方向側に露出し、前記第1係合部と当接する第1被係合面を備え、
前記第2被係合部は、
前記脱離方向側に露出し、前記第2係合部と当接する第2被係合面を備え、
前記装着方向と前記第1の方向によって形成される平面において、
前記第1の方向に対して前記現像装置の内側から前記第1被係合面が延在する角度は、
前記第1の方向に対して前記現像装置の内側から前記第2被係合面が延在する角度よりも小さい
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1の方向における前記第1被係合面の長さは、
前記第1の方向における前記第2被係合面の長さより小さい
ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置
【請求項7】
前記第1レバーは、
前記第1係合部が前記現像剤カートリッジの装着方向側に、前記操作部が前記現像剤カートリッジの脱離方向側に設けられ、
前記第2レバーは、
前記第2係合部が前記脱離方向側に設けられる
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像装置本体は、
前記現像剤カートリッジの装着方向と直交する第1の方向における少なくとも一端に、前記現像剤カートリッジの脱離方向側に延在し、前記第1レバー、および、前記第2レバーを保持する保持部を有し、
前記第1の係合部は、前記第1レバーの第1揺動支持部に対して前記現像剤カートリッジの装着方向側に設けられ、
前記第2の係合部は、前記第2レバーの第2揺動支持部に対して前記脱離方向側に設けられ、
前記操作部は、
前記第1レバーの前記第1揺動支持部に対して前記脱離方向側に設けられるとともに、
前記第1付勢部材の付勢力によって前記保持部から前記現像装置の外側に突出する
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像装置本体または前記現像装置の少なくとも一方に、第2付勢部材を有し、
前記第2付勢部材は、
前記現像装置本体に対して前記現像剤カートリッジを脱離する脱離方向に、前記現像剤カートリッジを付勢するとともに、
前記第2付勢部材の付勢力は、
前記第2の係合における係合力よりも弱い
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1~9に記載の現像装置が装着される画像形成装置であって、
前記現像装置本体は、
前記現像剤カートリッジの脱離方向側に延在し、前記装着方向の反対である脱離方向に延在し、前記第1レバー、および、前記第2レバーを保持する保持部を有するとともに、
前記画像形成装置は、
前記保持部に沿って設けられた筐体面
をさらに有し、
前記現像装置が前記画像形成装置に装着された場合に、
前記第1レバーの前記操作部は、前記画像形成装置の前記筐体面によって前記第1の押圧力で押圧される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記現像剤カートリッジは第3係合部を有し、
前記現像装置本体は、前記第3係合部と第3の係合を形成する第3被係合部を有し、
前記現像剤カートリッジを脱離する場合に、
前記第3の係合が形成されているときは、前記現像装置が前記画像形成装置から脱離され、
前記第3の係合が解除されているときは、前記現像剤カートリッジが前記画像形成装置から脱離される
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の現像剤カートリッジは、現像装置に供給する現像剤を収容し、画像形成装置の現像装置に対して着脱可能に構成されている。
【0003】
さらに、現像剤カートリッジが現像装置本体から分離し、画像形成装置から取り外し可能な現像装置の場合、現像剤カートリッジが現像装置本体から外れないようにするため、固定機構が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の現像装置では現像装置本体と現像剤カートリッジとが意図せずに分離し、プリンタ内外を汚すことがあった。
【0006】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、現像装置本体と現像剤カートリッジとが意図せず分離してしまうことを抑制した現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明が適用される現像装置は、現像装置本体と、現像装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤カートリッジと、現像装置本体に設けられ、操作部を備える第1レバー、および、第2レバーと、現像剤カートリッジに設けられ、第1レバーが備える第1係合部と第1の係合を形成する第1被係合部、および、第2レバーが備える第2係合部と第2の係合を形成する第2被係合部とを有する。そして、第1係合部は第1付勢部材の付勢力によって第1被係合部を付勢するとともに、操作部が第1の押圧力で操作された場合に、第1の係合が解除され、操作部が第1の押圧力より強い第2の押圧力で操作された場合に、第1レバーが第2レバーに押圧力を伝えて第2の係合を解除する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置の外部で現像装置が意図せず分離しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態におけるプリンタの概念図である。
【
図2】本発明の実施形態における現像装置11の外観斜視図および平面図である。
【
図3】本発明の実施の形態における現像装置11の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態における現像装置本体21の外観斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態における現像装置本体21の外観斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジ22の外観斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態におけるシャッタユニット41の外観斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態における現像装置11を水平面に置いた場合のシャッタレバーLvの操作による現像装置11の非固定時および固定時の図である。
【
図9】本発明の実施形態におけるZ軸の正方向から見たときのサイドプレートSL側のロック機構50Lの図である。
【
図10】本発明の実施形態におけるサイドプレートSL側の第1レバー51Lの外観斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態におけるロック機構50の拡大図である。
【
図12】本発明の実施形態におけるロック機構50の断面図である。
【
図13】本発明の実施形態における操作部51-3の表面frが第2の押圧力で押圧された場合の途中経過を表すロック機構50の断面図である。
【
図14】本発明の実施形態における操作部51-3の表面frが第2の押圧力で押圧された場合のロック機構50の断面図である。
【
図15】本発明の実施形態における操作部51-3の表面frが第2の押圧力で押圧された直後のロック機構50の断面図である。
【
図16】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジ22の着脱過程における現像装置11の断面図である。
【
図17】本発明の実施形態におけるプリンタ10に装着された場合の現像装置10の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。この場合、現像装置11、および画像形成装置としてのプリンタ10について説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタ10の概念図である。プリンタ10は、プリンタ10の筐体Cs、現像装置11、LEDヘッド12、転写ローラ13、定着器14によって構成され、画像形成を行う装置である。筐体Csの下方に媒体収容部としての給紙カセット15が配設される。給紙カセット15に、媒体としての用紙Pが積載されて収容される。そして、給紙カセット15に隣接させて給紙ローラ16を含む給紙機構が配設され、給紙ローラ16によって用紙Pを1枚ずつ分離させた後、用紙Pは媒体搬送路としての用紙搬送路に給紙される。給紙機構によってRt1方向に給紙された用紙Pは、画像形成部Qに供給される。ここで画像形成部Qは、現像装置11、LEDヘッド12及び転写ローラ13によって構成され、画像形成部Qによって画像の形成が行われる。
【0012】
なお、図において水平方向をX軸とし、
図1に示すように後述の画像形成部Qの下流側から定着器14に向けて用紙が搬送される方向を正方向とする。そして鉛直上方をZ軸の正方向とし、X軸とZ軸の双方に垂直な紙面の幅方向(主走査方向)であり、X軸の負方向側からプリンタ10を見たときの右側をY軸の正方向とする。また、以下においてはY軸方向を第1の方向とも呼称している。
【0013】
LEDヘッド12は、現像装置11が備える感光体ドラム31よりも上方に対向するように配設される。現像装置11は、Y軸方向を長手方向として延在しており、筐体Csに対して挿抜自在に配設される。LEDヘッド12は、印刷データに基づいて感光体ドラム31の表面を露光して静電潜像を形成する。
【0014】
ここで、感光体ドラム31は、アルミニウム製の金属パイプから成る導電性支持体に、光導電層として電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層することによって形成された有機系感光体である。
【0015】
そして、転写ローラ13は感光体ドラム31よりも下方に対向するように配設される。感光体ドラム31と転写ローラ13の間に供給された用紙Pに、感光体ドラム31に形成されたトナー像が転写ローラ13によって転写される。
【0016】
その後、用紙Pは、用紙搬送路をRt2方向に搬送されて定着器14に送られる。定着器14において、加熱ローラ19によって加熱された用紙P上のトナー像は、加圧ローラ20によって加圧されて用紙Pに定着し、用紙Pに画像が形成される。
【0017】
定着器14から排出された用紙Pは、搬送部材としての搬送ローラ17によってRt3方向に搬送され、排紙ローラ18によって筐体Cs外に排出される。
【0018】
図2-aは本発明の実施形態における現像装置11の外観斜視図であり、
図2-bは本発明の実施形態における現像装置11の平面図である。現像装置11は、現像装置本体21と、現像装置本体21に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジ22を備える。現像装置本体21は、トナーカートリッジ22から現像剤としての未使用のトナー(以下、単に「トナー」という。)の補給を受け付ける。ユーザーによってトナーカートリッジ22のX軸負方向側に設けられた把持部X1、X2が把持され、プリンタ10に対して現像装置11の挿抜が行われれる。また、トナーカートリッジ22は現像装置本体21に対して着脱可能であり、着脱時にも同様に把持部X1、X2がユーザーによって把持される。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態における現像装置11の断面図である。
【0020】
トナーカートリッジ22は、トナーを収容するトナー収容部Rm1と、廃棄現像剤としての廃トナーを収容する廃トナー収容部Rm2と、シャッタユニット41とを内部に備えるアウターフレームFr1を有する。トナー収容部Rm1の底部に、本実施形態においてはアウターフレームFr1の低部に、排出口としてのトナー排出口h1が形成されており、シャッタユニット41はシャッタレバーLv(
図2)の操作によってトナー排出口h1の開閉を行う。また、廃トナー収容室Rm2には、廃トナーを回収するための回収スパイラル39が回転自在に配設される。ここで、トナー収容部Rm1およびシャッタユニット41の内部にはそれぞれ撹拌部材Mx1、Mx2が回転自在に設けられている。
【0021】
現像装置本体21は、Y軸方向に延在させて形成され、画像形成プロセスを行うための各要素を内部に備えるベースフレームFr2を有する。ベースフレームFr2は、トナーカートリッジ22のトナー排出口h1から排出されたトナーの補給を受け付ける補給口としてのトナー補給口h3を有し、トナー補給口h3から補給されたトナーを貯蔵する現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵部Rm3を備える。
【0022】
ここで、現像装置本体21の内部に収容される各要素とは、感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を一様に帯電させる帯電ローラ32、トナーを保持する現像ローラ33、現像ローラ33にトナーを供給する供給ローラ34、現像ローラ33上に供給されたトナーを均一に薄層化する現像ブレード35、クリーニングユニット36を構成するクリーニングブレード37およびクリーニングブレード37で掻き取られた廃トナーを搬送するためのスパイラル38を含む。また、トナー貯蔵部Rm3内にトナーを攪拌する、撹拌部材Mx3-1、Mx3-2が配設される。
【0023】
また、感光体ドラム31、帯電ローラ32、現像ローラ33、供給ローラ34等は、画像形成用の駆動部としての図示されない駆動モータ(ドラムモータ)に接続され、駆動モータが駆動されることによって回転させられる。
【0024】
図4および
図5は本発明の実施形態における現像装置本体21の外観斜視図である。
図4は現像装置本体21をX軸負方向側から見たときの右側端部を拡大した図面を含み、
図5は左側端部を拡大した図面を含む。
【0025】
現像装置本体21は、ベースフレームFr2のY軸方向における一端と他端それぞれに形成されたサイドプレートSL、SRを備える。サイドプレートSL、SRの内側に、それぞれトナーカートリッジ22の着脱を案内する着脱ガイドGmL、GmRが形成される。着脱ガイドGmL、GmRは、Y軸方向における現像装置本体21の内側から外側に向けてへこんだ凹部であり、トナーカートリッジ22の着脱方向dirに延在する。着脱ガイドGmL、GmRは対称構造をとる。
【0026】
なお、Y軸方向における現像装置本体21の内側は、例えばサイドプレートSL側においてはY軸の正方向側を意味し、サイドプレートSR側においてはY軸の負方向側を意味する。
【0027】
以下においては現像装置本体21に対してトナーカートリッジ22を装着する方向を装着方向dir1、脱離する方向を脱離方向dir2とする。
【0028】
サイドプレートSL、SRの内側には、着脱ガイドGmL、GmRよりも装着方向dir1側に、サイドプレートSL、SRからY軸方向において現像装置本体21の内側に突出するポスト21-1L、21-1Rが設けられる。なお、
図4および
図5には21-1Rのみが図示される。
【0029】
本発明の実施形態において、現像装置本体21は、Y軸方向の両端にトナーカートリッジ22のアウターフレームFr1を脱離方向dir2側に付勢する第1スプリング71R、71Lをそれぞれ有する。なお、
図4および
図5には第1スプリング71Rのみが図示されている。
【0030】
サイドプレートSL、SRは、着脱方向dirに対して直交する第1の方向(本発明においてはY軸方向)における現像装置11の外側において、ベースフレームFr2から脱離方向dir2側にそれぞれ延在している。サイドプレートSLには、現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の位置を固定する第1レバー51Lおよび第2レバー52Lが、サイドプレートSLに対して揺動自在に設けられる。サイドプレートSR側は対称構造をとっており、第1レバー51Rおよび第2レバー52RはサイドプレートSRに対して揺動自在に設けられる。サイドプレートSL、SRは、第1レバー51および第2レバー52を保持する保持部としての役割を担う。
【0031】
図6は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジ22の外観斜視図である。本実施形態においてトナーカートリッジ22は、Y軸方向に延在する有底のアウターフレームFr1、アウターフレームFr1のY軸方向における一端と他端をそれぞれ覆うサイドカバーScL、ScRによって構成される。シャッタレバーLvは、サイドカバーScLとアウターフレームFr1の間に設けられており、シャッタレバーLvがアウターフレームFr1に対し揺動自在に配設される。サイドカバーScL、ScRの側面には、Y軸方向においてトナーカートリッジ22の外側に向けて突出する被着脱ガイド22-1R、22-1Lがそれぞれに設けられる。なお、
図6には非着脱ガイド22-1Lのみが図示される。
【0032】
被着脱ガイド22-1R、22-1Lは、トナーカートリッジ22の着脱時にそれぞれ着脱ガイドGmL、GmR内を移動する。これによりトナーカートリッジ22は着脱ガイドGmL、GmRによって着脱方向dirに移動を案内される。加えて、被着脱ガイド22-1L、22-1Rは、現像装置11がプリンタ10の外部にある場合に、トナーカートリッジ22が現像装置本体21に対して装着されたとき、第1レバー51と係合する第1被係合部としての第1凹部61と、第2レバー52と係合する第2被係合部としての第2凹部62とを備える。以下において、第1レバー51と第1凹部61の係合を第1の係合、第2レバー52と第2凹部62の係合を第2の係合と呼ぶ。具体的な構造については後述する。
【0033】
図7は本発明の実施形態におけるシャッタユニット41の外観斜視図である。シャッタユニット41はシャッタ部材41-1とレバー部材41-2によって構成される。シャッタ部材41-1とレバー部材41-2はそれぞれに設けられたピニオンギア41-4、41-5が噛み合っている。レバー部材41-2はシャッタレバーLvを備える。シャッタ部材41-1は、シャッタレバーLvの操作によってシャッタ部材41-1がY軸周りに回転軸ax1を中心として回動自在にY軸方向に延在して配設される。
【0034】
図7は
図3に示すようにトナー排出口h1(
図3)がシャッタ開口部h2と重ならない、シャッタ部材41-1が閉位置にある状態を表す。シャッタ部材41-1が閉位置にあるとき、
図3に示すようにシャッタ部材41-1がトナー排出口h1(
図3)を閉鎖し、トナー収容部Rm1(
図3)からトナー貯蔵部Rm3(
図3)へのトナーの補給を止めることができる。
【0035】
シャッタ部材41-1が閉位置にある状態から、シャッタレバーLvがR1方向に押されてレバー部材41-2がY軸の負方向側から見たとき反時計回りに回転するように操作されると、ピニオンギア41-4、41-5を通じて力がシャッタ部材41-1に伝わり、シャッタ部材41-1がY軸の負方向側から見たとき時計回りに回転する。これにより、トナー排出口h1(
図3)がシャッタ開口部h2と重なる開位置に移動し、トナー収容部Rm1(
図3)からトナー貯蔵部Rm3(
図3)へのトナーの補給が可能となる。
【0036】
反対に、シャッタユニット41が開位置にある状態から、シャッタレバーLvがR2方向に押されてレバー部材41-2が時計回りに回転するように操作されると、シャッタ部材41-1は開位置まで移動する。
【0037】
さらに、シャッタ部材41-1のY軸方向の両端には、U字部材41-6L、41-6Rがそれぞれ設けられる。U字部材1-6L、41-6Rは、現像装置本体21に対してトナーカートリッジ22が装着された場合に、ポスト21-1R、21-1L(
図4)とそれぞれ係合する。具体的な動作については後程
図8を用いて説明する。
【0038】
以上の構成を用いて
図3を参照しながら、現像装置11内部のトナーの移動および画像形成の動作を説明する。
【0039】
前述の通り、
図3に示すようにシャッタ部材41-1が閉位置にある状態から、トナー排出口h1がシャッタ開口部h2(
図7)と重なる開位置に移動させられると、トナー収容部Rm1内に収容されるトナーはシャッタユニット41に形成されたシャッタ開口部h2を通じてトナー排出口h1から排出され、トナー補給口h3を通じてトナー貯蔵部Rm3にトナーが補給される。
【0040】
図3において、駆動モータによって現像ローラ33及び供給ローラ34が反時計回りに回転させられると、供給ローラ34によって摩擦帯電させられたトナーが現像ローラ33に供給される。その後、現像ローラ33に供給されたトナーが、現像ローラ33の回転に伴って現像ローラ33と現像ブレード35との接触部に送られ、現像ブレード35によって薄層化される。
【0041】
感光体ドラム31は該駆動モータによって
図3において時計回りに回転させられ、帯電ローラ32は連れ回りで反時計回りに回転させられる。その後、感光体ドラム31の表面が帯電ローラ32によって一様に帯電させられると、感光体ドラム31は、LEDヘッド12(
図1)によって露光されて表面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像に現像ローラ33上のトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成される。その後、感光体ドラム31上のトナー像は転写ローラ13(
図1)によって用紙Pに転写される。
【0042】
トナー像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留したトナーは、感光体ドラム31の回転に伴ってクリーニングブレード37によって掻き取られ、クリーニングユニット36内の底部に落下し、スパイラル38の回転により廃トナーとして廃トナー収容室Rm2に回収される。
【0043】
図8は本発明の実施形態における現像装置11を水平面に置いた場合のシャッタレバーLvの操作による現像装置11の非固定時および固定時の図である。具体的には、
図2-bにおけるA-A矢視図である。
図8-aはトナーカートリッジ22が現像装置本体21に対して分離可能な状態を表す。このとき、シャッタ部材41-1(
図7)は閉位置にある。
図8-bはトナーカートリッジ22が現像装置本体21に対して固定された状態を表す。このとき、シャッタ部材41-1(
図7)は開位置にある。現像装置11または現像装置本体21が水平面に置かれた場合、サイドプレートSR、SLの双方に設けられた脚21-2R、21-2Lが転倒を防ぐため、
図8のように安定して載置することができる。このとき着脱方向dirは略水平方向になるように脚21-2R、21-2Lの長さが調節されている。なお、
図8においてはサイドプレートSR側のみが図示されている。サイドプレートSL側は対称構造をとる。
【0044】
図8-aは、トナーカートリッジ22が現像装置本体21に装着され、サイドプレートSL、SRにそれぞれ設けられたポスト21-1L、21-1Rが、U字部材41-6L、41-6Rに設けられた係合固定溝41-3L、41-3Rにそれぞれ収まった状態を示す。その後、シャッタレバーLv(
図7)を操作することでシャッタ部材41-1(
図7)を閉位置から開位置まで回動させ、U字部材41-6L、41-6Rとポスト21-1L、21-1Rのそれぞれを係合させた図が
図8-bである。
図8-bにおいて、着脱方向dirと係合固定溝41-3Rの延在する方向が交差するため、現像装置本体21にトナーカートリッジ22からトナーを供給可能な状態でトナーカートリッジ22と現像装置本体21の相対位置が固定できる。以下においては、U字部材41-6L、41-6Rとポスト21-1L、21-1Rのそれぞれの係合を第3の係合と呼ぶ。
【0045】
一方、
図8-bに示すように、第3の係合によってトナーカートリッジ22が現像装置本体21に対して固定された状態から、シャッタレバーLv(
図7)を操作することでポスト21-1L、21-1Rが係合固定溝41-3L、41-3Rに収まった状態でシャッタ部材41-1(
図7)を閉位置まで回動させると
図8-aの状態になる。すると、着脱方向dirと係合固定溝の延在する方向が略平行になるため、現像装置本体21にトナーカートリッジ22からトナーを供給不可な状態でトナーカートリッジ22を現像装置本体21から脱離させることができる。すなわち第3の係合が解除される。
【0046】
以上のように、上記シャッタレバーLvの操作によって、第3の係合が形成された状態でトナーカートリッジ22が把持され、前記脱離方向に引き抜かれると、現像装置11がプリンタ10に対して脱離される。
【0047】
一方で、上記シャッタレバーLvの操作によって、第3の係合が解除された状態でトナーカートリッジ22を把持して引き抜く場合、トナーカートリッジ22のみが現像装置本体21に対して脱離される。
【0048】
図9は本発明の実施形態におけるZ軸の正方向から見たときのサイドプレートSL側のロック機構50Lの図である。
図10-aおよび
図10-bはともに本発明の実施形態におけるサイドプレートSL側の第1レバー51Lの外観斜視図である。なお、ロック機構50Lは、第1レバー51L、第2レバー52L、第1被係合部61L、第2被係合部62L、および後述の第2スプリング72Lによって構成される。また、サイドプレートSR側は対称構造をとるため、以下の
図9~
図17の説明および図面においてはロック機構50Lの係合状態について、左と右を区別する符号R、Lを一部省略して説明する。
【0049】
図9および
図10を用いてロック機構50について説明する。前述の通り、現像装置本体21のサイドプレートSLには、第1レバー51および第2レバー52が設けられる。本発明の実施形態において、第1レバー51はサイドプレートSLに対して取り付けられる
図10に示す樹脂製の部材であり、第2レバー52はサイドプレートSLと一体形成された樹脂製の部材である。
【0050】
まずは、第1レバー51、第1凹部61および第1の係合について説明する。
【0051】
第1レバー51は、第1揺動支持部としての軸部51-1を中心としてサイドプレートSLに対して揺動自在に設けられる。具体的には、軸部51-1はZ軸方向に離間して2つ設けられた孔を備える部分であり、Z軸正方向側を51-1U、負方向側を51-1Dとしたとき、軸部51-1U、51-1Dのそれぞれに設けられる孔に、サイドプレートSLに設けられた図示しないZ軸の正方向に延在したポストが挿入されることで揺動自在に支持される。軸部51-1に対して脱離方向dir2側に操作部51-3を備え、装着方向dir1側に第1凹部61と係合する第1係合部としての第1凸部51-2を備える。
図10に示すax2が第1レバー51の揺動の軸中心である。軸部51-1はZ軸方向において離間して設けられ、その間が着脱ガイドGmの一部を形成する。操作部51-3において現像装置11の外側、すなわち、ユーザーからの押圧による操作を受け付ける面を表面frとしたとき、裏面baは第2スプリング72によって現像装置11の外側に向かって付勢される。操作部51-3の裏面baには、第2スプリング72を保持する第2スプリング保持部51-5を備える。操作部51-3は、第2スプリング72の付勢力によってサイドプレートSLの外側に突出する。
【0052】
第1凹部61は、第1凸部51-2よりも装着方向dir1側に設けられ、着脱方向dirにおいて第1凸部51-2に対して対向する第1被係合面61-1と、第1凸部51-2が第2スプリング72の付勢力によって回転する角度を規制する第1規制面61-2とを備えるY軸方向にへこんだ凹部である。
【0053】
第1の係合は、第1凸部51-2と第1被係合面61-1が着脱方向dirにおいて対向した状態を表す。第1の係合が形成された状態においては、第1凸部51-2が第1被係合面61-1に当接することで現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の脱離を阻害する。
【0054】
つづいて、第2レバー52、第2凹部62および第2の係合について説明する。
【0055】
第2レバー52は、サイドプレートSLの第2揺動支持部としての延在元52-1から脱離方向dir2側に延在し、サイドプレートSLに対して揺動自在に設けられる。延在元52-2の脱離方向dir2側には、第2凹部62と係合する第2係合部としての第2凸部52-2を備える。
【0056】
第2凹部62は、第2凸部52-2よりも装着方向dir1側に設けられ、着脱方向dirにおいて第2凸部52-2に対して対向する第2被係合面62-1と、第2凸部52-2が揺動する角度を規制する第2規制面62-2とを備えるY軸方向にへこんだ凹部である。
【0057】
第2の係合は、第2凸部52-2と第2被係合面62-1が着脱方向dirにおいて対向した状態を表す。第2の係合が形成された状態においては、第2凸部52-2が第2被係合部62-1に当接することで現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の脱離を阻害する。
【0058】
さらに、第1凸部51-2は切り欠き部51-4を有するため、第1の係合が形成されている場合に第1レバー51と第2レバー52がY軸方向において離間する。
【0059】
図11は本発明の実施形態におけるロック機構50の拡大図である。
【0060】
本発明の実施形態において、第1被係合面61-1及び第2被係合面62-1が、
図9におけるXY平面において現像装置11の内側(サイドプレートSL側においてはY軸の正方向側)から延在する角度は、Y軸方向に対して、ともに装着方向dir1側に傾斜している。そして、例えばサイドプレートSL側において、第1被係合面61-1がY軸の負方向に対して傾斜する角度θ1は、第2被係合面62-1がY軸の負方向に対して傾斜するθ2よりも6度小さい。加えて、第2被係合面62-1のY軸方向における長さは、第1被係合面61-1のY軸方向における長さより小さい。以上の構成によって、第1の係合における係合力よりも第2の係合における係合力のほうが弱く構成される。
【0061】
図12は本発明の実施形態におけるロック機構50の断面図であり、第1の係合および第2の係合がともに形成された状態を表す。具体的には、
図8-aにおけるB-B矢視断面図である。なお、
図12~
図15、
図17は何れも
図8-aにおけるB-B矢視断面図に対応する。
【0062】
前述の通り、第1の係合が形成された状態においては、第1被係合面61-1が第1凸部51-2と着脱方向dirにおいて対向するため、ユーザーがトナーカートリッジ22を脱離方向dir2側に引き抜き脱離しようとした場合、第1被係合面61-1が凸部51-2に当接して脱離を規制する。トナーカートリッジ22が現像装置本体21に装着された場合に、操作部51-3の表面frが押圧力を受けていないとき、裏面baが第2スプリング72(
図9)によって付勢されるため、第1レバー51は回動して第1凸部51-2は第1規制面61-2に当接した状態を維持する。これにより、第1被係合面61-1が第1凸部51-2と着脱方向dirにおいて対向する、第1の係合が形成された状態が維持される。したがって、一定以上の押圧力が操作部51-3の表面frにかからない限り、第1の係合を維持することができる。以下においては、第1の係合が解除される表面frへの押圧力を第1の押圧力と呼び、第2スプリング72(
図9)の操作部51-3への付勢力によって、第1凸部51―2が第1凹部61を付勢する付勢力を第1の付勢力と呼ぶ。
【0063】
第2レバー52は、自身の弾性力によってその形状を保つ。これにより、第2の係合を形成する場合、第2凸部52-2は第2凹部62を付勢する。以下においてはこの付勢力を第2の付勢力と呼ぶ。第2被係合面62-1が第2凸部52-2と着脱方向dirにおいて対向し、第2の係合が形成された状態において第2被係合面62-1は第2凸部52-2と当接する。これにより、第2の係合が維持されるため、トナーカートリッジ22の脱離を規制することができる。
【0064】
ここで、第2凸部52-2が第2凹部62を付勢する第2の付勢力は、第2レバー52自身の弾性力によって付勢するため、第1凸部51―2が第1凹部61を付勢する第1の付勢力より弱く構成されている。
【0065】
さらに、プリンタ10の外部においてトナーカートリッジ22が現像装置本体21に対して、第1スプリング71(
図4)の付勢力に抗して装着されるため、このとき第2凸部52-2が第2規制面62-2に当接して第2の係合が形成されるとともに、第1凸部51-2が第1規制面61-2に当接することで、第1の係合および第2の係合がともに形成される。このとき
図9に示す通り、第2凸部52-2は第2被係合面62-1に当接してトナーカートリッジ22の脱離を規制する。したがって、第2の係合が形成されることで現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の位置決めが行われる。
【0066】
第2の係合によって位置決めがされることで、
図12に示すように第1凸部51―2は第1被係合面61-1に当接しない。これにより、第1レバー51と第1被係合面61-1の摩擦によって操作部51-3の操作性の悪化を回避している。
【0067】
さらに、第1凸部51-2は切り欠き部51-4を有するため、第1の係合が形成されている場合に第1凸部51-2と第2凸部52-2が離間する。これにより、一定以上の押圧力が操作部51-3の表面frにかかり、第1レバー51が回転して第1の係合が解除された後に第1凸部51-2と第2凸部52-2が当接する。そのため、第1凸部51-2と第2凸部52-2が当接しない限り第1レバー51から第2レバー52に押圧力が伝わらないため、第1の係合が解除されても第2の係合を維持することができる。以下においては、第1の係合および第2の係合がともに解除される表面frへの押圧力を第2の押圧力と呼ぶ。
【0068】
また、第2の係合における係合力は、第1スプリング71(
図4)の付勢力より強く構成される。そのために、第2規制面62-2のY軸方向における長さが調節される。これにより、第1スプリング71によって第2の係合が解除されないため、トナーカートリッジ22を装着した後に手を放しても、第2の係合が形成された状態が維持される。これにより、トナーカートリッジ22を現像装置本体22に装着する際に、例えば片手で把持部X1、X2(
図2)を把持して装着方向dir1側に押し込みながら、もう一方の手でシャッタレバーLvを操作する必要がないため、操作性が向上する。
【0069】
図13は本発明の実施形態における操作部51-3の表面frが第2の押圧力で押圧された場合の途中経過を表すロック機構50の断面図である。
【0070】
操作部51-3の表面frに押圧力が加わることで第2スプリング72(
図9)の付勢力に抗して第1レバー51が回動する。そして
図13に示すように、第1レバー51の第1凸部51-2が第2レバー52に接触する。以下においては、第1の係合が解除されるとともに、第1凸部51-2が第2レバー52に接触するために必要な表面frへの最小の押圧力を第3の押圧力と呼ぶ。第3の押圧力よりも強い押圧力が表面frに加わると、第1凸部51-2と第2レバー52が接触しているため、さらに第1レバー51が回転することで第1凸部51-2と第2凸部52-2が当接し、第2レバー52に力を伝えて第2レバー52が従動を始める。
【0071】
前述のように、第1凸部51-2と第2レバー52は切り欠き部51-4が設けられることで離間しており、かつ離間している状態においては第2の係合が形成される。そのため、第3の押圧力よりも強い第2の押圧力で操作部51-3の表面frが押圧されない限り、第2の係合は解除されない。そのため、ユーザーによる操作だけでなく、例えば物が操作部51-3の表面frにぶつかり押圧力が加わった場合などに、意図せず現像装置本体21とトナーカートリッジ22が分離しにくくなる。
【0072】
図14は本発明の実施形態における操作部51-3の表面fr(
図12)が第2の押圧力で押圧された場合のロック機構50の断面図であり、
図15は本発明の実施形態における操作部51-3(
図12)の表面frが第2の押圧力で押圧された直後のロック機構50の断面図である。
【0073】
操作部51-3が第2の押圧力で押圧された場合、前述の通り、第1凸部51-2から第2凸部52-2に力が伝わり、第2レバー52が第1レバー51に従動し始める。そして、第2レバー52が回動して第1の係合および第2の係合がともに解除された状態が
図14である。
図14では第1の係合および第2の係合がともに解除されるため、第1スプリング71(
図4)によってトナーカートリッジ22が脱離方向dir2側に付勢され、
図15に示すようにトナーカートリッジ22が脱離方向dir2側に飛び出す。これにより、操作部51-3を押圧しながらトナーカートリッジ22を引く必要がなくなるため、トナーカートリッジ22の脱離が容易になる。
【0074】
また、トナーカートリッジ22を現像装置本体21に装着する場合、
図15→
図13→
図12の順に状態が遷移する。その際に、トナーカートリッジ22に設けられた被着脱ガイド22-1の装着方向dir1側に設けられた傾斜面22-2(
図15)が、第1レバー51が備える傾斜面51-21(
図15)を押圧するため、第2スプリング72(
図9)の押圧力に抗して第1レバー51を揺動させ、第1レバー51はトナーカートリッジ22の装着を阻害しない。加えて、前述の通り第2レバー52は第1レバー51に従動するため、第2レバー52もトナーカートリッジ22の装着を阻害しない。さらに本実施形態においては、第2レバー52の脱離方向dir2側に、装着方向dir1に向かうほど現像装置本体21の内側に傾斜する傾斜面52-21(
図15)を備えるため、第2レバー52がトナーカートリッジ22の装着を阻害しにくくなっている。
【0075】
図16は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジ22の着脱過程における現像装置11の断面図である。具体的には、現像装置11をプリンタ10から脱離して水平面に載置した場合の
図2-bにおけるA―A矢視断面図である。
図16-aは前述したようにシャッタレバーLvの操作によってシャッタ部材41-1が閉位置にある場合の断面図である。
【0076】
図16-bは操作部51-3が第2の押圧力で押圧された直後の断面図であり、
図15の状態を側面から見た断面図である。
図16-cはユーザーによって把持部X1、X2が把持されトナーカートリッジが脱離されたときの図である。
【0077】
図16-aの状態においては、操作部51-3の表面fr(
図12)に押圧力がかかっていないため、ロック機構50は
図12の状態となる。したがって、第2の係合によって現像装置本体21に対してトナーカートリッジ22が位置決めされるとともに、第1の係合によって強く係合しているため、現像装置本体21とトナーカートリッジ22が分離しない。
図16-aの状態から、
図10、
図11、
図12を用いて説明したように、操作部51-3の表面fr(
図12)が第2の押圧力で押圧されると、第1の係合と第2の係合がともに解除され、第1スプリング71の付勢力によってトナーカートリッジ22が
図16-bのように脱離方向に飛び出す。その状態からユーザーが把持部X1、X2を把持して脱離方向に引き抜くと、
図16-cのようにトナーカートリッジは脱離される。
【0078】
反対に
図16-cの状態から
図16-bの状態まで、トナーカートリッジ22が装着方向dir1に移動させられると、
図16-bにおいて第1スプリング71がトナーカートリッジ22のアウターフレームFr1に当接する。その後、さらにトナーカートリッジ22が装着方向dir1に第1スプリング71の付勢力に抗して押し込まれると、第1スプリング71が圧縮しトナーカートリッジ22が装着される。
【0079】
図17は本発明の実施形態におけるプリンタ10に装着された場合の現像装置10の断面図である。プリンタ10の筐体Cs(
図1)は、現像装置11が装着された場合にサイドプレートSLに沿うように設けられる筐体面Cs-1を有する。そのため、操作部51-3は筐体面Cs-1によって第1の係合が解除される第3の押圧力で押圧される。これにより、プリンタ10に装着された場合に、ロック機構50は第1の係合が解除され、第2の係合が形成された状態になる。
【0080】
なお、本実施形態においては、第3の押圧力より弱い第1の押圧力で第1の係合は解除されるが、第3の押圧力で第1の係合が解除されるように、Y軸方向における第1レバー51の厚さや第1被係合面61-1の長さを調節してもよい。また、本実施形態に限らず、プリンタ10に現像装置11が装着された場合に操作部51-3の表面frが第1の押圧力で押圧されるように筐体面Sc-1を設けてもよい。すなわち、現像装置11がプリンタ10に装着された場合に、筐体面Sc-1によって第1の係合が解除され、第2の係合が形成された状態となっていればよい。
【0081】
従来、第3の係合によって現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の位置を固定していたが、シャッタレバーLvが正しく操作されなかった場合、固定が不十分なまま現像装置11がプリンタ10に対して取り外され、その後、プリンタ10の外部で現像装置21とトナーカートリッジ22が分離するなど、プリンタ10の外部におけるロック機能が不十分であるという問題があった。そこで本発明の実施形態では、前述の通り、Y軸方向の両端に現像装置本体21に対するトナーカートリッジ22の位置を固定するロック機構50R、50Lをそれぞれ設けた。これにより、現像装置11がプリンタ10の外部に取り外された場合、ロック機構50L、50Rによるロックがかかるため、意図しない現像装置11の分離をしにくくすることができる。
【0082】
加えて、プリンタ10に装着されている場合には、ユーザーの操作性を損なうことなく従来の操作でトナーカートリッジ22を着脱することができる。具体的には、プリンタ内部に現像装置11が装着されている場合に、シャッタレバーLvの操作によって第3の係合が形成され、トナーカートリッジ22と現像装置本体21の相対位置が固定された状態でトナーカートリッジ22が把持されて前記脱離方向に引き抜かれると、現像装置11がプリンタ10に対して脱離される。脱離された後は、操作部51-3に押圧力がかかっていないため、第1スプリング72の付勢力によって
図9に示すように第1の係合が形成される。これにより、操作部51-3の表面frに加わる押圧力が第2の押圧力よりも小さければ、第1の係合が解除されても第2の係合が形成されるため、現像装置11が意図せず分離しにくくなる。
【0083】
一方で、シャッタレバーLv(
図2)の操作によって第3の係合が解除された状態でトナーカートリッジ22が引き抜かれた場合、前述の通り第1の係合が解除されており、かつ第2の係合における係合力は第1の係合における係合力よりも弱く構成されているため、トナーカートリッジ22の引き抜きに伴って第2の係合が解除され、トナーカートリッジ22のみを現像装置本体21に対して脱離できる。
【0084】
なお、本発明の実施形態においては、
図2に示すように第1の方向が現像装置11の長手方向であるため、Y軸方向における現像装置11の両端にロック機構50R、50Lをそれぞれ設けたが、その実施形態に限定されない。例えば、第1の方向における一端にのみ設けてもよい。
【0085】
また、第1スプリング71(
図4)は、本実施形態においては現像装置本体21においてY軸方向の両端に設けられているが、例えば中間に単数または複数配置してもよい。現像装置本体21側ではなく、トナーカートリッジ22側に設けるなど、適宜変更してもよい。また、第1スプリングの位置に応じて付勢力を異ならせてもよい。
【0086】
また、本発明の実施形態において第2レバー52は第1レバー51より装着方向dir1側に設けられているが、これに限定されない。第1レバー51が第2レバー52より装着方向dir1側に設けてもよい。
【0087】
なお、本発明の実施形態において、第1スプリング71は第2付勢部材、第2スプリング72は第1付勢部材としての役割を担う。また、U字部材41-6L、41-6Rは第3係合部、ポスト21-1L、21-1Rは第3被係合部としての役割を担う。
【0088】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置における、現像剤カートリッジに適用できる。
【符号の説明】
【0089】
10…プリンタ、Cs…プリンタの筐体、Cs-1…筐体面、11…現像装置、12…LEDヘッド、13…転写ローラ、14…定着器
21…現像装置本体、Fr2…ベースフレーム、SL、SR…サイドプレート、GmL,GmR…着脱ガイド、Rm3…トナー貯蔵部、h3…補給口、21-1L、21-1R…ポスト
22…トナーカートリッジ、Fr1…アウターフレーム、ScL、ScR…サイドカバー、Rm1…トナー収容部、h1…トナー排出口、22-1L、22-1R…被着脱ガイド
41…シャッタユニット、41-1…シャッタ部材、41-2…レバー部材、41-3…係合固定溝、Lv…シャッタレバー、h2…シャッタ開口部、41-4・41-5…ピニオンギア、41-6…U持部材(第3係合部)
31…感光体ドラム、32…帯電ローラ、33…現像ローラ、34…供給ローラ、35…現像ブレード、36…クリーニングユニット
50L、50R…ロック機構
51…第1レバー、51-1…軸部(第1揺動支持部)、51-2…第1凸部(第1係合部)、51-3…操作部、51-4…切り欠き部、51-5…付勢部材保持部
52…第2レバー、52-1…延在元(第2揺動支持部)、52-2…第2凸部(第2係合部)、52-21…傾斜面
61…第1凹部(第1被係合部)、61-1…第1被係合面、61-2…第1規制面
62…第2凹部(第2被係合部)、62-1…第2被係合面、62-2…第2規制面
71L、71R…第2スプリング(第2付勢部材)、72L、72R…第1スプリング(第1付勢部材)