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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085065
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】床面の施工方法及び浮揚機
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/10 20060101AFI20230613BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230613BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20230613BHJP
   B64C 25/32 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
E04G21/10 Z
B64C39/02
B64D47/08
B64C25/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199541
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 和章
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172DA00
2E172HA03
(57)【要約】
【課題】画像センサの設置が容易な床面の施工方法と、その施工方法の実施に適する浮揚機を提供する。
【解決手段】床面2よりも上方に位置する構造物3に、浮力を生じさせる浮揚体9と画像センサ10と構造物3に着脱可能な吸着体12bと長尺体15とを有する浮揚機1を設置する設置ステップであって、浮揚状態の浮揚機1を長尺体15を介した操作によって移動し、吸着体12bを構造物3に吸着させることによって浮揚機1を設置するステップと、画像センサ10によって床面2の画像データを取得する取得ステップと、取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較結果に基づいて床面2の修正の要否を判断する判断ステップと、を有する床面の施工方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面よりも上方に位置する構造物に、浮力を生じさせる浮揚体と画像センサと前記構造物に着脱可能な吸着体と長尺体とを有する浮揚機を設置する設置ステップであって、浮揚状態の前記浮揚機を前記長尺体を介した操作によって移動し、前記吸着体を前記構造物に吸着させることによって前記浮揚機を設置するステップと、
前記画像センサによって前記床面の画像データを取得する取得ステップと、
取得した前記画像データと目標とする前記床面のデータとの比較結果に基づいて前記床面の修正の要否を判断する判断ステップと、を有する床面の施工方法。
【請求項2】
前記構造物が天井を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸着体が電磁石で構成され、前記構造物が磁性体で構成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記浮揚体が気球で構成される、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記浮揚体がプロペラで構成され、前記浮揚機が前記プロペラの下方に緩衝部材を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
取得した前記画像データと目標とする前記床面のデータとの比較により、目標に対する前記床面の高低差の分布状態を示す映像を、前記浮揚機が有するプロジェクタによって前記床面に投射する投射ステップを有し、
前記判断ステップが、前記床面に投射された前記映像に基づいて前記床面の修正の要否を判断する映像確認ステップを有する、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
浮力を生じさせる浮揚体と画像センサと構造物に着脱可能な吸着体と牽引操作可能な長尺体とを有する浮揚機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床面の施工方法及び浮揚機に関する。
【背景技術】
【0002】
画像センサによって床面の画像データを取得し、取得した画像データと目標とする床面のデータとの比較結果に基づいて床面の修正の要否を判断する床面の施工方法が知られている(例えば特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-151113号公報
【特許文献2】特開2020-176484号公報
【特許文献3】特開2020-193484号公報
【特許文献4】特開2017-181374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような床面の施工方法を実施する際は、画像センサを容易に設置できるのが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、画像センサの設置が容易な床面の施工方法と、その施工方法の実施に適する浮揚機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の床面の施工方法は、床面よりも上方に位置する構造物に、浮力を生じさせる浮揚体と画像センサと前記構造物に着脱可能な吸着体と長尺体とを有する浮揚機を設置する設置ステップであって、浮揚状態の前記浮揚機を前記長尺体を介した操作によって移動し、前記吸着体を前記構造物に吸着させることによって前記浮揚機を設置するステップと、前記画像センサによって前記床面の画像データを取得する取得ステップと、取得した前記画像データと目標とする前記床面のデータとの比較結果に基づいて前記床面の修正の要否を判断する判断ステップと、を有する方法である。
【0007】
本発明の床面の施工方法は、上記構成において、前記構造物が天井を構成する方法であるのが好ましい。
【0008】
本発明の床面の施工方法は、上記構成において、前記吸着体が電磁石で構成され、前記構造物が磁性体で構成される方法であるのが好ましい。
【0009】
本発明の床面の施工方法は、上記構成において、前記浮揚体が気球で構成される方法であるのが好ましい。
【0010】
本発明の床面の施工方法は、上記構成において、前記浮揚体がプロペラで構成され、前記浮揚機が前記プロペラの下方に緩衝部材を有する方法であるのが好ましい。
【0011】
本発明の床面の施工方法は、上記構成において、取得した前記画像データと目標とする前記床面のデータとの比較により、目標に対する前記床面の高低差の分布状態を示す映像を、前記浮揚機が有するプロジェクタによって前記床面に投射する投射ステップを有し、前記判断ステップが、前記床面に投射された前記映像に基づいて前記床面の修正の要否を判断する映像確認ステップを有する方法であるのが好ましい。
【0012】
本発明の浮揚機は、浮力を生じさせる浮揚体と画像センサと構造物に着脱可能な吸着体と牽引操作可能な長尺体とを有する浮揚機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像センサの設置が容易な床面の施工方法と、その施工方法の実施に適する浮揚機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る床面の施工方法における設置ステップの開始時の状態を示す側面図である。
図2図1に示す設置ステップの開始時の状態を示す斜視図である。
図3図2に示す状態から浮揚機を移動し、浮揚機を天井に吸着させた時の状態を示す斜視図である。
図4図3に示す状態から伸縮ロッドを伸長させて浮揚機の設置が完了した時の状態を示す斜視図である。
図5図4に示す状態から取得ステップを経て行われる投射ステップを示す側面図である。
図6図5に示す投射ステップにより床面に投射される映像を示す上面図である。
図7図1図5に示す浮揚機の変形例を示す斜視図である。
図8図7に示す浮揚機を用いた設置ステップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0016】
図1図6に示すように、本発明の一実施形態に係る床面の施工方法は、本発明の一実施形態に係る浮揚機1を用いて建造物の屋内で行われる。建造物は、床面2と、床面2よりも上方に位置する構造物3としての天井4と、を有する。床面2は、コンクリート8の表面からなる。床面2を形成するコンクリート8の表面は、コンクリート8の打設後に、目標とする設計上の水平度又は傾斜度を実現するために通常、複数回にわたる均し修正作業を必要とする。本実施形態によれば、浮揚機1を用いることで、この均し修正作業の要否判断と、必要に応じて行う均し修正作業を容易に行うことができる。
【0017】
図5に示すように、天井4は、骨組5と鉄鋼製デッキ6で構成される。つまり、天井4の下面は磁性体で形成される。床7は、骨組5と鉄鋼製デッキ6の上に打設されるコンクリート8で構成される。
【0018】
図1図2に示すように、浮揚機1は、浮揚体9、画像センサ10、プロジェクタ11、吸着機12、制御装置13、ボディ14、長尺体15、アンテナ16及び操作装置17を有する。浮揚体9、画像センサ10、プロジェクタ11、吸着機12、制御装置13、長尺体15の一端及びアンテナ16は、ボディ14に保持される。長尺体15の他端は操作装置17に連なる。操作装置17は電池などの電源を内蔵する。長尺体15は、本実施形態では柔軟な電線であり、給電と通信を担う。
【0019】
浮揚体9は、本実施形態では気球である。気球に入れる気体は空気よりも軽ければ特に限定されず、例えばヘリウムである。浮揚体9は、内部の気体により、常時浮揚機1を上昇させる浮力を生じさせる。浮揚体9として気球を用いることにより、突然の落下の虞を低減し安全な作業を可能にすることができる。
【0020】
画像センサ10は、床面2を撮影して床面2の画像データを取得するカメラである。なお、画像センサ10はカメラに限らず、例えば3Dスキャナで構成してもよい。
【0021】
プロジェクタ11は、制御装置13によって指示された映像を床面2上に投射し、映し出すことができる。プロジェクタ11の種類は特に限定されず、例えば、液晶プロジェクタ、CRTプロジェクタ、DLPプロジェクタなどであってよい。
【0022】
吸着機12は、浮揚体9を取り囲む4か所でボディ14から上側に向けて延びる伸縮ロッド12aと、各々の伸縮ロッド12aの先端(上端)に連なる吸着体12bとしての電磁石と、で構成される。伸縮ロッド12aは制御装置13により、図示しない駆動機構を介して伸縮可能である。電磁石の電源オン/オフは制御装置13によって制御される。
【0023】
ボディ14は、浮揚体9、画像センサ10、プロジェクタ11、吸着機12、制御装置13、長尺体15の一端及びアンテナ16を保持できる程度の剛性を有する。ボディ14の形状と材質は特に限定されない。
【0024】
制御装置13はコンピュータで構成され、画像センサ10、プロジェクタ11及び吸着機12に有線又は無線で接続される。また、制御装置13は、長尺体15(電線)を介して操作装置17に接続され、作業者による操作装置17への入力に応じて画像センサ10、プロジェクタ11及び吸着機12を制御する。
【0025】
操作装置17は、入力操作を受ける図示しない操作部を有する。操作部の方式は特に限定されず、ボタン式、ダイヤル式、ジョイスティック式又はこれらの任意の組み合わせなどであってよい。
【0026】
本実施形態では長尺部材としての電線を作業者が持って適宜牽引することで容易に、浮揚機1の高さや方向を変えたり、水平方向に移動させたりすることができるため、浮揚体9を移動するための操作は上記のような牽引操作に任せ、その他の、画像センサ10、プロジェクタ11及び吸着機12のための入力操作を操作装置17の操作部で行えばよい。したがって、操作部の構成を簡略化でき、また、熟練の操作技能を不要とすることができる。
【0027】
制御装置13はアンテナ16に接続され、アンテナ16を介して基地局18と相互に無線通信可能である。基地局18は、天井4を構成する骨組5に設置される。なお、基地局18の設置場所はこれに限らず、他の構造物3に設置してもよい。また、建造物の屋外に設置された基地局18を利用してもよい。基地局18は、建造物の3Dモデルデータに管理情報などのデータを追加したBIM(Building Information Modeling)モデルと連携する情報処理システムに接続される。情報処理システムは、画像処理などを行うことができる。
【0028】
アンテナ16の形状は特に限定されず、例えば制御装置13に内蔵する構成としてもよい。
【0029】
本実施形態に係る床面の施工方法は、床面2を形成するコンクリート8の打設後に、設置ステップ、取得ステップ、投射ステップ及び判断ステップをこの順に行う。なお、設置ステップを、床面2を形成するコンクリート8の打設前に行ってもよい。
【0030】
設置ステップは、床面2よりも上方に位置する構造物3としての天井4に、浮揚状態の浮揚機1を長尺体15を介した操作によって移動し、吸着体12bを天井4に吸着させることによって浮揚機1を設置するステップである。
【0031】
設置ステップではまず、作業者が操作装置17と長尺体15を持って移動し、長尺体15を操作することで浮揚機1を天井4付近の適切な位置に移動する。その後、作業者が操作装置17を介して電磁石を電源オンさせると、図3に示すように、電磁石の吸着力によって電磁石が天井4の下面に吸着する。
【0032】
また電磁石が操作されると、制御装置13は浮揚機1の位置及び向きを検知する。この検知手段は特に限定されず、例えば、浮揚機1にGPS受信機を設け、GPS受信機によって浮揚機1の位置及び向きを基地局18を介して検知する構成としてもよい。或いは、画像センサ10で床面2や周囲の構造物3の画像を取得し、情報処理システムに送ることで浮揚機1の位置及び向きを算出する構成としてもよい。
【0033】
制御装置13は浮揚機1の位置及び向きを検知すると、図4に示すように、画像センサ10とプロジェクタ11が適切な高さになるように伸縮ロッド12aの長さを調節する。
【0034】
取得ステップは、画像センサ10によって床面2の画像データを取得するステップである。画像センサ10は、実際に形成された床面2を撮影し、その画像データを取得する。
【0035】
投射ステップは、取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較により、図5図6に示すように、目標に対する床面2の高低差の分布状態を示す映像を、プロジェクタ11によって床面2に投射するステップである。例えば、目標に対する高低差が許容範囲内である領域は緑色、高すぎる領域は赤色(高さに応じて適宜色の濃さを分ける)、低すぎる領域は青色(高さに応じて適宜色の濃さを分ける)で示す。図6では緑色の領域をドット状の網掛けで示し、赤色の領域を斜線で示し、青色の領域をクロスハッチングで示す。このように、目標に対する床面2の高低差の分布状態を色分けで示すことができる。なお、色分け以外によって示す構成としてもよい。取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較は情報処理システムが行い、映像データを生成し、制御装置13に送信する。
【0036】
判断ステップは、取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較結果に基づいて床面2の修正の要否を作業者が判断するステップである。本実施形態では判断ステップとして、映像確認ステップを行う。
【0037】
映像確認ステップは、床面2に投射された映像に基づいて床面2の修正の要否を作業者が判断するステップである。作業者は色分けされた床面2を一目見るだけで、床面2の修正の要否及びどのように修正すればよいかを判断することができる。作業者はその判断に応じて適宜床面2の修正作業を行う。
【0038】
上記のように本実施形態では、牽引操作可能な長尺体15を有する浮揚機1を用いることにより、熟練の操作技術を有さない一般的な作業者によって床面2の施工を行うことができる。また、天井4のある屋内で用いることにより、風による浮揚機1への影響を考慮する必要がないため、簡易な構成の浮揚機1で実施が可能である。また屋内での実施であることにより、届け出や飛行計画を簡素化することができる。
【0039】
なお、本実施形態では吸着機12は電磁石を有するが、吸着体12bは電磁石に限らず、例えば永久磁石でもよい。吸着体12bとして永久磁石を用いる場合、例えば、吸着機12は、上下方向に延びる筒部材と、駆動装置によって筒部材内から上方に突出したり筒部材内に引き込まれたりすることができる永久磁石と、を有する構成としてもよい。また、吸着体12bは磁石に限らず、真空装置によって構成してもよい。また、吸着機12は伸縮ロッド12aを有する構成に限らない。
【0040】
本実施形態では浮揚体9が気球で構成されるが、図7図8に示す変形例のように、浮揚体9をプロペラで構成し、浮揚機1をプロペラの下方に緩衝部材19を有する構成としてもよい。プロペラは、操作装置17への入力により電源オンになっている状態では、常時浮揚機1を上昇させる浮力を生じさせる。干渉部材は例えばドーナツ状の弾性中空体からなり、ボディ14としての機能を兼ねる。万が一プロペラの動作不良などにより浮揚機1が落下した場合の安全性を緩衝部材19によって高めることができる。なお干渉部材を設けない構成としてもよい。
【0041】
また、本変形例の浮揚機1は、長尺体15として、内部に電線を有する棒体を有する。したがって、作業者は、操作装置17と長尺体15を持ち、長尺体15を牽引操作したり押し出し操作したりすることで、長尺体15を介して即時に浮揚機1を移動することができる。なお、本変形例でも長尺体15として柔軟な電線を用いてもよい。また、前記の実施形態において長尺体15として電線に代えて、内部に電線を有する棒体を用いてもよい。
【0042】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0043】
したがって、前述した実施形態の床面の施工方法は、床面2よりも上方に位置する構造物3に、浮力を生じさせる浮揚体9と画像センサ10と構造物3に着脱可能な吸着体12bと長尺体15とを有する浮揚機1を設置する設置ステップであって、浮揚状態の浮揚機1を長尺体15を介した操作によって移動し、吸着体12bを構造物3に吸着させることによって浮揚機1を設置するステップと、画像センサ10によって床面2の画像データを取得する取得ステップと、取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較結果に基づいて床面2の修正の要否を判断する判断ステップと、を有する方法である限り変更可能である。
【0044】
例えば、前述した実施形態の床面の施工方法は、投射ステップに代えて例えば、目標に対する床面2の高低差の分布状態を示す映像をタブレット、ノートパソコン、スマートフォンなどの携帯端末や、ゴーグルなどのウェラブル端末に表示させる表示ステップを有してもよい。その場合、判断ステップは、端末に表示された映像に基づいて床面2の修正の要否を判断する端末映像確認ステップを有してもよい。また浮揚機1はプロジェクタ11を有する構成に限らない。浮揚機1に設ける吸着体12bの数は4つに限らず適宜設定できる。吸着体12bは天井4に限らず例えば、構造物3としての側壁に着脱可能に構成してもよい。天井4は骨組5と鉄鋼製デッキ6で構成される構造に限らない。前述した実施形態の床面の施工方法は、建造物の屋内の床面2を施工する方法に限らない。前述した実施形態において作業者が実施する工程をロボットに実施させてもよい。
【0045】
また判断ステップで用いる取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較結果は、目標に対する床面2の高低差の分布状態に限らず、例えば、取得した画像データに含まれる墨出し作業によって床面2上に形成された表示のデータと、目標とする床面2上の表示のデータとの比較結果であってもよい。つまり、判断ステップで判断する床面2の修正の要否は、床面2の高さの修正の要否に限らず、床面2上の表示の修正の要否であってもよい。
【0046】
なお、前述した実施形態の床面の施工方法は、上記構成において、構造物3が天井4を構成する方法であるのが好ましい。
【0047】
前述した実施形態の床面の施工方法は、上記構成において、吸着体12bが電磁石で構成され、構造物3が磁性体で構成される方法であるのが好ましい。
【0048】
前述した実施形態の床面の施工方法は、上記構成において、浮揚体9が気球で構成される方法であるのが好ましい。
【0049】
前述した実施形態の床面の施工方法は、上記構成において、浮揚体9がプロペラで構成され、浮揚機1がプロペラの下方に緩衝部材19を有する方法であるのが好ましい。
【0050】
前述した実施形態の床面の施工方法は、上記構成において、取得した画像データと目標とする床面2のデータとの比較により、目標に対する床面2の高低差の分布状態を示す映像を、浮揚機1が有するプロジェクタ11によって床面2に投射する投射ステップを有し、判断ステップが、床面2に投射された映像に基づいて床面2の修正の要否を判断する映像確認ステップを有する方法であるのが好ましい。
【0051】
前述した実施形態で用いる浮揚機1は、浮力を生じさせる浮揚体9と画像センサ10と構造物3に着脱可能な吸着体12bと牽引操作可能な長尺体とを有する浮揚機であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0052】
1 浮揚機
2 床面
3 構造物
4 天井
5 骨組
6 鉄鋼製デッキ
7 床
8 コンクリート
9 浮揚体
10 画像センサ
11 プロジェクタ
12 吸着機
12a 伸縮ロッド
12b 吸着体
13 制御装置
14 ボディ
15 長尺体
16 アンテナ
17 操作装置
18 基地局
19 緩衝部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8