(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085152
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230613BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199687
(22)【出願日】2021-12-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520376580
【氏名又は名称】株式会社datagusto
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】飯田 蔵土
(72)【発明者】
【氏名】パー 麻緒
(72)【発明者】
【氏名】中村 達哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】ユーザの権限を設定することができ、予測モデルに対するユーザによる不適切な処理の実行を抑制することが可能な情報処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。管理ステップでは、ユーザの権限に関する第1の情報と、コンテンツの内容に関する第2の情報とを含む参照情報を管理する。ここでコンテンツは、任意の対象を予測する予測モデルに関するコンテンツである。第1の特定ステップでは、参照情報に基づいて、ユーザの少なくとも1人である第1のユーザによるコンテンツに対する処理が実行可能か否かを特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
管理ステップでは、ユーザの権限に関する第1の情報と、コンテンツの内容に関する第2の情報とを含む参照情報を管理し、
ここで前記コンテンツは、任意の対象を予測する予測モデルに関するコンテンツであり、
第1の特定ステップでは、前記参照情報に基づいて、前記ユーザの少なくとも1人である第1のユーザによる前記コンテンツに対する処理が実行可能か否かを特定する。もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記コンテンツに対する前記処理とは、前記コンテンツの利用又は編集を含む、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記コンテンツとは、前記予測モデル、前記予測モデルを生成するためのテンプレート、又は前記予測モデルを生成するために使用されるデータセットを含む、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の情報とは、前記コンテンツの取り扱いの難易度を示す評価値を含む、もの。
【請求項5】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の情報とは、前記コンテンツの信頼性を示す評価値を含む、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の情報とは、前記コンテンツの機密性を示す評価値を含む、もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の情報とは、前記権限の段階を示す情報である権限レベルを含む、もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、前記処理の種類ごとに、前記第1の情報と前記第2の情報との対応関係を規定した情報である、もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、通知ステップをさらに実行するように構成され、
前記通知ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記第1の特定ステップで特定した内容を、前記第1のユーザが認識可能な態様で通知する、もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第1の受付ステップをさらに実行するように構成され、
前記第1の受付ステップでは、前記コンテンツに対する前記処理の要求を前記第1のユーザから受け付け、
前記第1の特定ステップでは、前記処理の要求と、前記参照情報とに基づいて、前記第1のユーザによる前記処理を許可するか否かを特定する、もの。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第2の受付ステップと、第2の特定ステップとをさらに実行するように構成され、
前記第2の受付ステップでは、前記第1のユーザからの前記要求に対する承認又は否認を、第2のユーザから受け付け、
ここで前記第2のユーザは、前記処理を実行可能な前記ユーザであり、
前記第2の特定ステップでは、前記承認又は否認に基づいて、前記第1のユーザによる前記処理を許可するか否かを特定する、もの。
【請求項12】
方法であって、
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
将来の様々な事象を予測するため、予測モデルを生成する情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数の店舗の売上に基づいて、商品の需要予測モデルを生成する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザの権限を設定することができず、予測モデルに対してユーザによる不適切な処理が行われる可能性があった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、ユーザの権限を設定することができ、予測モデルに対するユーザによる不適切な処理の実行を抑制することが可能な情報処理システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。管理ステップでは、ユーザの権限に関する第1の情報と、コンテンツの内容に関する第2の情報とを含む参照情報を管理する。ここでコンテンツは、任意の対象を予測する予測モデルに関するコンテンツである。第1の特定ステップでは、参照情報に基づいて、ユーザの少なくとも1人である第1のユーザによるコンテンツに対する処理が実行可能か否かを特定する。
【0007】
このような態様によれば、ユーザの権限を設定することができ、予測モデルに対するユーザによる不適切な処理の実行を抑制することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】第1の情報IF1の一例である、ユーザ管理テーブルT1の概要図である。
【
図7】第2の情報IF2の一例である、コンテンツ管理テーブルT2の概要図である。
【
図8】参照情報IF3の一例である、権限管理テーブルT3(T4)の概要図である。
【
図9】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図10】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2及びユーザ端末3を備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は、情報処理装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<情報処理装置2>
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末3>
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0020】
表示部34は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0021】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
本節では、情報処理装置2における制御部23の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部が実行されうる。
【0023】
図4は、情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部23は、管理部231と、特定部232と、通知部233と、受付部234と、表示制御部235とを備える。以下、各機能部について説明する。
【0024】
管理部231は、種々の情報の管理をするように構成される。例えば、管理部231は、記憶部22に記憶された種々のデータの管理をするように構成されてよい。一例として、管理部231は、管理ステップを実行する。管理部231は、管理ステップとして、参照情報IF3を管理してよい。
【0025】
特定部232は、種々の情報の特定をするように構成される。一例として、特定部232は、第1の特定ステップ及び第2の特定ステップを実行する。特定部232は、種々の情報の一例として、特定のユーザによる特定の処理が実行可能か否かという情報を特定してよい。
【0026】
通知部233は、ユーザに対して種々の通知をするように構成される。例えば、通知部233は、通知ステップを実行する。通知部233は、通知ステップとして、特定のユーザに対して種々の情報を通知してよい。
【0027】
受付部234は、情報処理に必要な種々の情報を受け付けるように構成される。一例として、受付部234は第1の受付ステップ、第2の受付ステップ、及び第3の受付ステップを実行する。例えば、受付部234は、記憶部22に記憶された種々の情報を読み出して受け付けてもよいし、外部の機器からネットワーク及び通信部21を経由して種々の情報を受け付けてもよい。
【0028】
表示制御部235は、ユーザ端末3の表示部34に種々の情報を表示させるように構成される。具体的には、表示制御部235は、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えば表示部34等に視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。
【0029】
3.1.情報処理の概要
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理システム1において実行される情報処理の流れの概要を説明する。
図5は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【0030】
一態様において、情報処理システム1において提供されるサービスは、ユーザがコンテンツを利用、作成、若しくは編集することができるエディタであってもよく、作成したコンテンツを他のユーザと共有することができるプラットフォームであってもよく、又はこれら両方の機能を有していてもよい。ここでコンテンツとは、任意の対象を予測する予測モデルに関するコンテンツである。コンテンツは、予測モデルに関するものであれば内容に制限はなく、例えば、予測モデル、予測モデルを生成するためのテンプレート、予測モデルを生成するために使用されるデータセット、予測モデルの使用によって得られた予測結果、又は、予測モデルの作成若しくは活用に関する教材であってよい。好ましくは、コンテンツとは、予測モデル、予測モデルを生成するためのテンプレート、又は予測モデルを生成するために使用されるデータセットを含む。これらについては、後に詳述する。
【0031】
ユーザは、ユーザ端末3の入力部35を介し、コンテンツに対して様々な処理を行うことができる。コンテンツに対する処理とは、具体例には例えば、閲覧、利用、編集、更新、複製、印刷、自己のユーザ端末3へのダウンロード、転送、他のユーザとの共有等であってよい。すなわち、コンテンツに対する処理とは、コンテンツの利用又は編集を含む。以下の実施形態では、一例として、ユーザのうちの1人である第1のユーザがテンプレートを利用しようとする場面を用いて説明を行う。ここでのテンプレートの利用とは、テンプレートを用いて予測モデルを新規作成する処理のことを指す。
【0032】
まず、管理部231は、参照情報IF3を管理する(アクティビティA001)。参照情報IF3は、ユーザの権限に関する第1の情報IF1と、コンテンツの内容に関する第2の情報IF2とを含む。第1の情報IF1、第2の情報IF2、及び参照情報IF3については、後に詳述する。
【0033】
次に、受付部234は、第1の受付ステップとして、コンテンツに対する処理の要求を第1のユーザから受け付ける(アクティビティA002)。具体的には、受付部234は、ネットワークと通信部21とを介し、テンプレート利用の要求を第1のユーザのユーザ端末3から受け付ける。
【0034】
次に、受付部234は、記憶部22から参照情報IF3を読み出して受け付ける(アクティビティA003)。
【0035】
次に、特定部232は、アクティビティA002で受け付けた第1のユーザによる要求と、参照情報IF3とに基づき、第1のユーザによるテンプレートの利用が可能、又は不可能であるという情報を特定する(アクティビティA004)。すなわち、特定部232は、第1の特定ステップとして、処理の要求と、参照情報IF3とに基づいて、第1のユーザによる処理を許可するか否かを特定する。
【0036】
特定部232が、第1のユーザによるテンプレートの利用が可能であるという情報を特定した場合には、通知部233が、利用の許可を第1のユーザに通知する(アクティビティA005)。一方、特定部232が、第1のユーザによるテンプレートの利用が不可能であるという情報を特定した場合には、通知部233が、利用の拒否を第1のユーザに通知する(アクティビティA008)。
【0037】
すなわち、通知部233は、第1のユーザに対し、特定部232が特定した内容を、第1のユーザが認識可能な態様で通知する。これにより、要求を受けた処理が実行可能か否かを第1のユーザに認識させることができ、よりユーザフレンドリーな態様を実現することができる。好ましくは、表示制御部235は、特定部232が特定した内容を、第1のユーザのユーザ端末3の表示部34に表示させる。これにより、通知内容を第1のユーザにより認識させやすい態様を実現することができる。
【0038】
まず、第1のユーザの利用が可能と特定された場合の処理を先に説明する。アクティビティA005の次に、受付部234は、記憶部22からテンプレートを読み出して受け付ける(アクティビティA006)。
【0039】
次に、表示制御部235は、アクティビティA006で受け付けたテンプレートに基づいて生成された予測モデルに関する情報を表示し、処理を終了する(アクティビティA007)。
【0040】
他方、第1のユーザの利用が不可能と特定された場合の処理を説明する。アクティビティA008の次に、受付部234は、第3の受付ステップとして、第1のユーザからテンプレートの利用の承認依頼を受け付ける(アクティビティA009)。
【0041】
次に、受付部234は、第2の受付ステップとして、第1のユーザからの要求に対する承認又は否認を、第2のユーザから受け付ける(アクティビティA010)。具体例には、受付部234は、ネットワークと通信部21を介し、第2のユーザのユーザ端末3から承認又は否認を受け付ける。ここで第2のユーザとは、第1のユーザから利用の要求があったテンプレートの利用権限を有するユーザである。すなわち、第2のユーザは、第1のユーザによって要求された処理を実行可能なユーザである。
【0042】
受付部234が、第2のユーザによる承認を受け付けた場合、特定部232は、第1のユーザによるテンプレートの利用が可能であるという情報を特定する(アクティビティA011)。一方、受付部234が、第2のユーザによる否認を受け付けた場合、特定部232は、第1のユーザによるテンプレートの利用が不可能であるという情報を特定する(アクティビティA012)。すなわち、特定部232は、第2の特定ステップとして、アクティビティA009で受け付けた承認又は否認に基づいて、第1のユーザによる処理、すなわちテンプレートの利用を許可するか否かを特定する。
【0043】
これにより、処理を実行する権限を持たないと特定されたユーザであっても、承認を得ることで処理を実行可能な態様を実現することができる。すなわち、コンテンツの保護とユーザの利便性を両立した情報処理システム1を提供することができる。
【0044】
まず、第1のユーザの利用が承認された場合の処理を先に説明する。アクティビティA011の次に、アクティビティA005の処理へと進み、通知部233が、利用の許可を第1のユーザに通知する。その後の処理は上記と同様のため、省略する。
【0045】
他方、第1のユーザの利用が否認された場合の処理を説明する。アクティビティA012の次に、通知部233は、利用の拒否を第1のユーザに通知し、処理が完了する(アクティビティA013)。
【0046】
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理システム1における各ステップを備える。管理ステップでは、ユーザの権限に関する第1の情報IF1と、コンテンツの内容に関する第2の情報IF2とを含む参照情報IF3を管理する。ここでコンテンツは、任意の対象を予測する予測モデルに関するコンテンツである。特定ステップでは、第1の特定ステップとして、参照情報IF3に基づいて、ユーザの少なくとも1人である第1のユーザによるコンテンツに対する処理が実行可能か否かを特定する。
【0047】
3.2.情報処理の詳細
続いて、前述した情報処理の詳細について説明する。
【0048】
(予測モデル)
予測モデルとは、様々な事象を予測するためのモデルであって、複数のデータを所定の手法によって分析することによって生成されたものをいう。予測の対象には、特に制限はなく、例えば、確率、金額、数量等を予測するものであってもよく、物事の成否、有無等を予測するものであってもよい。好ましくは、予測モデルは、機械学習の手法を用いて生成された学習済みモデルである。
【0049】
(テンプレート)
テンプレートとは、予測モデルの生成に使用するデータに関する情報と、予測モデルを生成するためのデータの処理方法とを予め定めた情報を指す。具体的には例えば、テンプレートは、予測モデルの生成に使用するデータの項目、データを処理するためのアルゴリズム、及び予測モデルに関する情報を表示するための図表の種類や構造等を特定する情報を含んで良い。
【0050】
好ましくは、テンプレートとは、機械学習に使用する学習データに関する情報と、学習済みモデルを生成するためのデータの処理方法等とを予め定めた情報を指す。具体的には例えば、テンプレートは、学習用データにおけるデータ項目に関する情報、機械学習の手法に関する情報(例えば、データを処理するためのアルゴリズム等)、学習済みモデルに関する情報を表示するための図表の種類や構造等を特定する情報等を含んで良い。これにより、ユーザが、機械学習の手法を用いて学習させた予測モデルを容易に作成することが可能な態様を実現することができる。
【0051】
(データセット)
データセットとは、予測モデルの生成に使用されるデータの集合のことをいう。データセットは、項目名及び複数のデータを含む。項目名は、複数のデータを総称するタイトルであってよい。複数のデータは、具体的には、業種、職種、役職、都道府県、商品種別、性別、曜日等を示すカテゴリ変数、又は従業員数、商品の売上数、売上金額、位置情報、西暦、日付、時刻等を示す量的変数であってよい。データセットは、例えばcsv形式として受け付けることができる。好ましくは、データセットは、機械学習に使用する複数のデータの集合、いわゆる教師データであってよい。
【0052】
コンテンツが予測モデル、テンプレート、データセットを含む態様とすることで、ユーザによる予測モデル等の不適切な編集等の処理を抑制することができる。これにより、取り扱いに専門的な知識が必要なコンテンツであっても、専門知識のないユーザからの不適切な処理を抑制しつつ、ユーザが他のユーザと共有可能な態様を実現することができる。
【0053】
(第1の情報IF1)
図6は、第1の情報IF1の一例である、ユーザ管理テーブルT1の概要図である。管理部231は、ユーザ管理テーブルT1によって、ユーザの権限に関する情報を管理してよい。
図6に示すように、ユーザ管理テーブルT1は、ユーザID情報T11、氏名T12、部署T13、役職T14、雇用形態T15、権限レベルT16等の情報を含んでよい。好ましくは、第1の情報IF1とは、権限の段階を示す情報である権限レベルT16を含む。権限レベルT16を各ユーザに割り当てることで、より容易に権限の設定が可能な態様を実現することができる。
【0054】
権限レベルT16は、権限の種別を定義可能な情報であれば形式に制限はないが、例えば、
図6に示すように数字で段階を示す情報であってよい。権限レベルT16は、ユーザによって自由に設定が可能であってよい。権限レベルT16は、例えば、ユーザごとに設定されてもよく、部署等の複数ユーザのグループごとに設定されてもよい。権限レベルT16は、例えば、役職T14や雇用形態T15といった、ユーザの属性に基づいて決定されてもよく、コンテンツを適切に使用するためにユーザが有する知識のレベルに基づいて決定されてもよい。
【0055】
(第2の情報IF2)
図7は、第2の情報IF2の一例である、コンテンツ管理テーブルT2の概要図である。管理部231は、コンテンツ管理テーブルT2によって、コンテンツの内容に関する情報を管理してよい。
図7に示すように、コンテンツ管理テーブルT2は、コンテンツID情報T21、種類T22、作成日T23、最終更新日T24、コンテンツレベルT25、作成者T26、ラベルT27等の情報を含んでよい。
【0056】
コンテンツレベルT25は、コンテンツに対する何らかの評価値であってよく、プラットフォーム上で共有されるコンテンツに付される評価値であってよい。コンテンツレベルT25は、コンテンツの評価値を定義可能な情報であれば形式に制限はないが、例えば、
図7に示すように数字で段階を示す情報であってよい。
【0057】
好ましくは、コンテンツレベルT25は、コンテンツの取り扱いの難易度を示す評価値である。例えば、コンテンツID『D00301』のデータセットは、データの前処理が完了しており、機械学習の知識がないユーザであってもすぐに使用可能であるため、取り扱い難易度の低い『コンテンツレベル1』に設定されている。一方、コンテンツID『D00302』のデータセットは、データの前処理が必要であるため、取り扱い難易度の高い『コンテンツレベル3』に設定されている。上記を換言すると、第2の情報IF2は、コンテンツの取り扱いの難易度を示す評価値を含む。
【0058】
また、好ましくは、コンテンツレベルT25は、コンテンツの信頼性を示す評価値である。例えば、コンテンツID『T00201』のテンプレートは、サービス提供者が用意した公式テンプレートであり、信頼性が高く、専門知識のないユーザであっても安心して使用可能であるため、『コンテンツレベル1』に設定されている。また、例えば、行政機関によって公開されたオープンデータ等、出処が明らかで信頼性の高いデータセットが『コンテンツレベル1』に設定されてもよい。上記を換言すると、第2の情報IF2は、コンテンツの信頼性を示す評価値を含む。
【0059】
また、好ましくは、コンテンツレベルT25は、コンテンツの機密性を示す評価値である。例えば、組織内の営業秘密を含むような機密性や秘匿性の高いコンテンツは、コンテンツレベルT25が高く設定されてよい。そして、権限レベルT16を役職T14に対応させ、ユーザの役職T14に応じて機密情報の閲覧権限を付与するといった態様であってもよい。上記を換言すると、第2の情報IF2は、コンテンツの機密性を示す評価値を含む。
【0060】
このような態様によれば、コンテンツの取り扱い難易度や信頼性等に基づいて、コンテンツに評価値を設定することができる。また、コンテンツを評価値ごとに分類することができる。これにより、共有されたコンテンツの取り扱い難易度等を、ユーザが客観的に認識可能な態様を実現することができる。
【0061】
コンテンツレベルT25は、ユーザによって手動で設定されてもよく、所定のルールに基づいた情報処理によって設定されてもよい。手動で設定される場合には、コンテンツレベルT25は、例えば、そのコンテンツを作成したユーザによって自由に設定されてよく、好ましくは、管理者権限を有するユーザによって設定されてよい。これにより、コンテンツレベルT25のカスタマイズの柔軟性と、管理の容易さとを両立可能な態様を実現することができる。
【0062】
コンテンツレベルT25は、例えば、そのコンテンツを作成した作成者T26の情報に基づいて設定されてよい。具体的には例えば、組織内のユーザによって作成されたコンテンツが、『コンテンツレベル1』に設定され、組織外のユーザによって作成されたコンテンツが、『コンテンツレベル3』に設定される処理が行われてもよい。又は、コンテンツの作成者T26であるユーザの権限レベルT16に基づいて、コンテンツレベルT25が決定されてもよい。さらに、ホワイトリストに登録されているユーザや組織によって作成されたコンテンツが、信頼性の高いコンテンツとして『コンテンツレベル1』に設定される処理が行われてもよい。
【0063】
ラベルT27は、コンテンツを分類するために付される情報であってよい。例えば、コンテンツの用途、利用される分野、出典、重要度、作成の進捗度等によって、コンテンツを分類するための情報であってよい。ラベルT27は、コンテンツレベルT25と同様に、ユーザによって手動で設定されてもよく、所定のルールに基づいた情報処理によって設定されてもよい。
【0064】
(参照情報IF3)
参照情報IF3とは、ユーザの権限に関する第1の情報IF1と、コンテンツの内容に関する第2の情報IF2との対応関係を規定したルックアップテーブルである。具体的には例えば、ユーザ管理テーブルT1に含まれる情報と、コンテンツ管理テーブルT2に含まれる情報との対応関係を規定したルックアップテーブルであってよい。
【0065】
このような態様によれば、ユーザに関する情報と、コンテンツに関する情報とを対応付けた、詳細な権限管理が可能な情報処理システム1を提供することができる。特に、ユーザの権限レベルT16とコンテンツレベルT25とを対応付けることで、例えば、利用のために高度な知識を有するコンテンツには、専門知識を有するユーザのみからの処理を許可するといった、詳細な権限設定の運用が可能となる。これにより、取り扱いにデータサイエンスの知識が必要な予測モデル等のコンテンツであっても、複数のユーザ同士が安心して共有可能な態様を実現することができる。
【0066】
管理部231は、例えば利用、編集等の処理の種類ごとに、第1の情報IF1と第2の情報IF2との対応関係を管理してよい。管理部231は、例えば予測モデル、テンプレート等のコンテンツの内容ごとに、上記の対応関係を管理してよい。好ましくは、参照情報IF3は、処理の種類ごとに、第1の情報IF1と第2の情報IF2との対応関係を規定した情報である。これにより、より細かな権限設定が可能な情報処理システム1を提供することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0067】
図8は、参照情報IF3の一例である、権限管理テーブルT3(T4)の概要図である。
図8に示すように、権限管理テーブルT3(T4)は、権限レベルT31(T41)、コンテンツレベルT32(T42)、権限情報T33(T43)を含んでよい。例えば、管理部231は、権限管理テーブルT3によって、コンテンツの利用における権限を管理し、権限管理テーブルT4によって、コンテンツの編集における権限を管理する。
【0068】
図8の例において、権限レベルT31(T41)は、ユーザ管理テーブルT1の権限レベルT16に対応しており、コンテンツレベルT32(T42)は、コンテンツ管理テーブルT2のコンテンツレベルT25に対応している。権限情報T33(T43)には、権限レベルT31(T41)と、コンテンツレベルT32(T42)との対応関係が規定されている。
図8の権限情報T33の例を参照して説明すると、『権限レベル1』のユーザは、『コンテンツレベル1』のコンテンツを承認不要で利用することができる。一方、『権限レベル1』のユーザは、『コンテンツレベル2』のコンテンツを利用するには、『権限レベル2』以上のユーザの承認が必要となる。
【0069】
以下、
図6及び
図7に示したユーザ及びコンテンツを用いて説明する。『若山文子』は、『権限レベル1』のユーザなので、『コンテンツレベル1』のコンテンツを承認なしで利用することができる。具体的には、『若山文子』は、コンテンツID『T00201』のテンプレート及びコンテンツID『D00301』のデータセットを承認なしで利用することができる。一方で、『若山文子』は、『コンテンツレベル1』のコンテンツの編集をするためには、『権限レベル2』以上のユーザの承認が必要である。具体的には、『若山文子』は、コンテンツIDの『T00201』のテンプレートを編集するためには、『木田昌』、『岩本千鶴子』、又は『伊沢慎一郎』の承認を得る必要がある。
【0070】
上記の実施形態では、権限レベルT31(T41)とコンテンツレベルT32(T42)との対応関係が規定されている例について説明したが、管理部231は、これらとは別の情報を対応づけた参照情報IF3を管理してもよい。例えば、参照情報IF3は、部署T13又は役職T14等のユーザの属性と、ラベルT27等のコンテンツの分類情報とを関連付ける情報であってもよい。具体的には例えば、営業部に所属するユーザは、営業及びマーケティング用途のコンテンツを利用でき、金融用途のコンテンツを利用できないように権限を設定することが可能であってよい。
【0071】
(テンプレート検索画面)
図9は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。例えば、ユーザは、表示制御部235によって操作画面4に表示されるテンプレートの中から、任意のテンプレートを検索し、選択することができる。このような態様によれば、機械学習の専門知識がないユーザであっても、予測したい事象に応じてテンプレートを選択し、目的に沿った学習済みモデルを作成することができる。
【0072】
図9の例では、操作画面4には、複数のテンプレート表示エリア41が含まれる。テンプレート表示エリア41には、テンプレート名42、承認ステータス表示エリア43、テンプレート説明情報44、及びデータ項目名45が含まれる。例えば、『商品の販売数予測(店舗)』というテンプレートは、承認ステータス表示エリア43に利用承認が不要であることが示されている。また、テンプレート説明情報44として、店舗における商品販売数を予測する学習済みモデルを作成するためのテンプレートであることが示されている。そして、データ項目名45として、ユーザが準備することが推奨されるデータとして『販売単価、販売数実績、天気、気温』等が表示されている。
【0073】
承認ステータス表示エリア43には例えば、承認の有無、又は承認の状態に関する情報が表示されてよい。例えば、ユーザによるコンテンツの利用に承認が必要か否か、又はユーザが他のユーザから承認を受けたか否か等が表示されてよい。又は、例えば、ユーザによる承認依頼が否認されて利用不可となった状態、又は利用が禁止されている状態であること等が表示されてもよい。管理部231は、各コンテンツと、各ユーザの承認の状態とを関連付けた情報を管理してよい。
【0074】
一態様において、承認ステータス表示エリア43には、承認の状態に関する情報等の代わりに、コンテンツレベルT25が表示されてもよい。このような態様によれば、コンテンツを選択するための指標をユーザに提供することができる。
【0075】
(通知画面)
図10は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。例えば、アクティビティA008において通知画面5が表示されることにより、第1のユーザに利用の拒否が通知されてもよい。
図10の例に示すように、通知画面5は、通知内容51、承認依頼先検索エリア52、承認依頼先表示エリア53、及び操作ボタン54を含んで良い。例えば、承認依頼先検索エリア52を介して、第1のユーザが承認依頼先を検索可能な態様としてもよい。受付部234が第1のユーザから承認依頼先のユーザの選択を受け付けた後、表示制御部235が承認依頼先表示エリア53にユーザ名等を表示してもよい。
図10の例では、第1のユーザによって『承認依頼』という操作ボタン54がクリック等で入力されることにより、受付部234が『木田昌』への承認依頼を受け付ける。
【0076】
4.その他
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0077】
実施形態の一態様は、プログラムであってよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理システム1における各ステップを実行させる。このようなプログラムが、ネットワークとは切り離されたスタンドアロンのコンピュータにおいて、オフラインで実行可能に構成されてもよい。かかる場合、情報処理装置2と、ユーザ端末3とが同一の情報処理装置として実施されてもよい。
【0078】
上記の実施形態では、受付部234が第1の受け付けステップとして第1のユーザから利用の要求を受け付け、特定部232が第1の特定ステップとして利用を許可するか否かを特定する態様について説明したが、第1の受け付けステップは、省略されてもよい。すなわち、特定部232は、第1のユーザからの要求を受け付けることなく、第1のユーザによる処理が実行可能か否かを特定してよい。
【0079】
一態様において、アクティビティA004で特定部232が利用不可という情報を特定した場合に、アクティビティA013の処理へと進んでもよい。すなわち、第1のユーザから承認依頼を受け付けることなく、通知部233が利用の拒否を通知し、処理を終了してもよい。
【0080】
一態様において、管理部231は、参照情報IF3とは別に権限を規定した情報を、さらに管理してもよい。例えば、組織内のユーザが作成したコンテンツには権限管理テーブルT3(T4)の規定を適用し、かつ、組織外のユーザが作成したコンテンツには異なる権限の規定を設定してもよい。具体的には例えば、組織外のユーザが作成したコンテンツは、ユーザによる閲覧のみを可能とし、編集又はダウンロードを一切禁止する態様としてもよい。
【0081】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0082】
上記の実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、参照情報IF3、テンプレート、予測モデル、データセット等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0083】
上記の実施形態では、参照情報IF3がルックアップテーブルであるものとして説明したが、参照情報IF3は、ルックアップテーブルに限らず、データベースであってもよく、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよく、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。具体的には、コンテンツの内容と、複数のユーザとのアクセス可否とを学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0084】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記コンテンツに対する前記処理とは、前記コンテンツの利用又は編集を含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記コンテンツとは、前記予測モデル、前記予測モデルを生成するためのテンプレート、又は前記予測モデルを生成するために使用されるデータセットを含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の情報とは、前記コンテンツの取り扱いの難易度を示す評価値を含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の情報とは、前記コンテンツの信頼性を示す評価値を含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の情報とは、前記コンテンツの機密性を示す評価値を含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の情報とは、前記権限の段階を示す情報である権限レベルを含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、前記処理の種類ごとに、前記第1の情報と前記第2の情報との対応関係を規定した情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、通知ステップをさらに実行するように構成され、前記通知ステップでは、前記第1のユーザに対し、前記第1の特定ステップで特定した内容を、前記第1のユーザが認識可能な態様で通知する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第1の受付ステップをさらに実行するように構成され、前記第1の受付ステップでは、前記コンテンツに対する前記処理の要求を前記第1のユーザから受け付け、前記第1の特定ステップでは、前記処理の要求と、前記参照情報とに基づいて、前記第1のユーザによる前記処理を許可するか否かを特定する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2の受付ステップと、第2の特定ステップとをさらに実行するように構成され、前記第2の受付ステップでは、前記第1のユーザからの前記要求に対する承認又は否認を、第2のユーザから受け付け、ここで前記第2のユーザは、前記処理を実行可能な前記ユーザであり、前記第2の特定ステップでは、前記承認又は否認に基づいて、前記第1のユーザによる前記処理を許可するか否かを特定する、もの。
方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0085】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :管理部
232 :特定部
233 :通知部
234 :受付部
235 :表示制御部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
4 :操作画面
41 :テンプレート表示エリア
42 :テンプレート名
43 :承認ステータス表示エリア
44 :テンプレート説明情報
45 :データ項目名
5 :通知画面
51 :通知内容
52 :承認依頼先検索エリア
53 :承認依頼先表示エリア
54 :操作ボタン
IF1 :第1の情報
IF2 :第2の情報
IF3 :参照情報
T1 :ユーザ管理テーブル
T11 :ユーザID情報
T12 :氏名
T13 :部署
T14 :役職
T15 :雇用形態
T16 :権限レベル
T2 :コンテンツ管理テーブル
T21 :コンテンツID情報
T22 :種類
T23 :作成日
T24 :最終更新日
T25 :コンテンツレベル
T26 :作成者
T27 :ラベル
T3(T4) :権限管理テーブル
T31(T41) :権限レベル
T32(T42) :コンテンツレベル
T33(T43) :権限情報