(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085161
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】回転式物干し器具
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
D06F57/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021213377
(22)【出願日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】518121079
【氏名又は名称】伊佐 弘代
(72)【発明者】
【氏名】伊佐 弘代
(57)【要約】
【課題】従来、洗濯用物干し器具において、洗濯後の被乾燥物は通風ないし日照のある側だけ乾燥が早く、他の側は生乾きというような現象が起こりうる。物干し器具を回転させる仕組みを備え、また回転翼を備えつつもコンパクトに収納できる回転式物干し器具が求められている。
【解決手段】洗濯ばさみを複数備えた物干し部の上端中央部に、平置きした風車状の回転翼を設置し、さらに回転翼を覆う保護カゴ部と、回転自在度を高めるために回転金具を備えた吊下部材と、を有する回転式物干し器具を提供するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯ばさみを複数備えた物干し部の上端中央部に、平置きした風車状の回転翼を設置し、さらに回転翼を覆う保護カゴ部と、回転自在度を高めるために回転金具を備えた吊下部材と、を有する回転式物干し器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は風を利用して回転し洗濯物を早く乾燥させる物干し器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般にこの種の洗濯用物干し器具において、洗濯後の被乾燥物は通風ないし日照のある側だけ乾燥が早く、他の側は生乾きというような現象が起こりうる。
【先行技術文献】
【0003】
これに対し、放射状に洗濯物干し吊杆を数本設けた円盤上端部に回転翼を設けた回転式物干し具が提案されている。ところが、同回転式物干し具では、放射状に洗濯物を干す点において、円盤の中心部近くの洗濯物は通風を得にくく乾燥が遅いという欠点があり、また上部の回転翼が物干し具に対して大きくなっており収納に不便であった。
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の先行技術の課題を考慮し、円形以外の形状の物干し器具を回転させる仕組みを備え、また回転翼を備えつつもコンパクトに収納できる回転式物干し器具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、洗濯ばさみを複数備えた物干し部の上端中央部に、平置した風車状の回転翼を設置し、さらに回転翼を覆う保護カゴ部と、回転自在度を高めるために回転金具を備えた吊下部材と、を設けた回転式物干し器具を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって洗濯物を風力で回転させて均等にしかも早く乾燥させ、一方で効率的に収納することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、その構造を図面に基づいて説明すれば、その一部に回転金具3を備えた吊下部材2を、洗濯ばさみ9を複数備えた物干し部8の上方部にワイヤー4により係合し、物干し部8の上端中央部に平置した風車状の回転翼6を係留部材7により設置し、さらに保護カゴ部5を回転翼6上部に覆うように設置することにより、吊下部材2を軸にして本発明に係る物干し器具全体1が自在に回動するようにしたものである。
【0010】
吊下部材2は樹脂ないし金属の素材により成形されたフック状のものであり、一般家庭の物干し竿等に係止できる。また吊下部材2の一部には回転金具3を使用し物干し器具全体1が回動する際にその回転効率を高めておく。吊下部材2は物干し部8の上方部に金属や樹脂のひも状ないし鎖状のワイヤー4により係合し、風等により揺動する状態としておく。
【0011】
一方、物干し部8は複数の洗濯ばさみ9を備えて被洗濯物を干すことができ、洗濯ばさみ9の配置は物干し部の中心から放射状に外に向かう配置でも、ロの字状の配置でも、碁盤の目状の配置でも構わない。物干し部8の上端中央部には、平置した風車状の回転翼6を係留部材7により設置する。回転翼6は軽量化のため樹脂により成形され、水平方向の風を受け横回転する、4枚以上の翼を有する風車状の形状とする。なお、回転翼6は物干し部8の外縁部まで可能な限り翼を拡大しておくことにより、回転効率を高めることができる。
【0012】
さらに物干し器具全体1の収納の際、吊下部材2と回転翼6が干渉し回転翼の破損を防止するため、金属ないし樹脂でアミ状の保護カゴ部5を形成し、回転翼6上部を覆うように設置することにより、通風の際に回転翼6が風を受けることを妨げず、収納の際に回転翼6と吊下部材2とが干渉しない構造を実現している。
【0013】
本発明は以上の構造であるから、空気流のあるところに吊下部材2を係止すると、回転翼6は風によって押されて回転し、同時に回転翼6と一体となった物干し部8は回転する。この場合、回転翼6は風を受けて強制的にM方向への回転を助長する作用をする。
【0014】
したがって、物干し部8の洗濯ばさみ9に洗濯後の被乾燥物を掛け、空気流のあるところに干せば、風力の作用によって本発明の物干し器具全体1は回転を生じ、その結果、洗濯ばさみに吊着された被乾燥物も同時に回転し、個々の被乾燥物に空気が強制的かつ均等に送風されて乾燥効果が高まり、また陽の回りに合わせて常に日光を直射させることもできるという利点があるので、特に日照日の少ない地域および季節において本発明は顕著な効果をあらわすものであり、かつ自然的動力を利用するものであるため、経済的で実用的な効果の大きな物干し器具となるものである。
【符号の説明】
【0015】
1 物干し器具全体
2 吊下部材
3 回転金具
4 ワイヤー
5 保護カゴ部
6 回転翼
7 係留部材
8 物干し部
9 洗濯ばさみ
M 回転方向