(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085172
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】モータロータ冷却システム
(51)【国際特許分類】
H02K 1/32 20060101AFI20230613BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H02K1/32 B
H02K9/19 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078720
(22)【出願日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202111490581.8
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】呉 一鳴
(72)【発明者】
【氏名】蔡 憲旻
(72)【発明者】
【氏名】周 沐賢
(72)【発明者】
【氏名】鄭 哲明
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601CC05
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
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5H609QQ12
5H609QQ14
5H609RR26
5H609RR36
5H609RR42
(57)【要約】
【課題】モータロータ冷却システムを提供する。
【解決手段】モータロータ冷却システムは、ロータ構造、第1の端板及び第2の端板を含む。ロータ構造は、ロータ珪素鋼板、磁石及び回転軸を含んで構成される。第1の端板は、ロータ珪素鋼板の第1の端部に設けられ、少なくとも1つの第1形状の油溝及び第2形状の油溝が凹設される。第2の端板は、ロータ珪素鋼板の第2の端部に設けられ、第1形状の油溝及び第2形状の油溝が凹設される。第1の端板の第1形状の油溝は、磁石スロットを介して第2の端板の第2形状の油溝に連通されて第1の冷却油路を形成する。第1の端板の第2形状の油溝は、磁石スロットを介して第2の端板の第1形状の油溝に連通されて第2の冷却油路を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ珪素鋼板、磁石及び回転軸を含んで構成され、前記回転軸内に回転軸油路が設けられ、且つ前記回転軸油路に連通される回転軸給油口と回転軸油出口が前記回転軸に更に設けられ、前記ロータ珪素鋼板に前記磁石を収容するための磁石スロットが設けられるロータ構造と、
前記ロータ珪素鋼板の第1の端部に設けられ、少なくとも1つの第1形状の油溝及び第2形状の油溝が凹設され、前記第1形状の油溝に連通される少なくとも1つの第1の油出口を有する第1の端板と、
前記ロータ珪素鋼板の第2の端部に設けられ、少なくとも1つの前記第1形状の油溝及び前記第2形状の油溝が凹設され、前記第1形状の油溝に連通される少なくとも1つの第2の油出口を有する第2の端板と、
前記第1の端板の前記第1形状の油溝は前記磁石スロットを介して前記第2の端板の前記第2形状の油溝に連通されて第1の冷却油路を形成し、前記第1の端板の前記第2形状の油溝は前記磁石スロットを介して前記第2の端板の前記第1形状の油溝に連通されて第2の冷却油路を形成するモータロータ冷却システム。
【請求項2】
前記第1の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状と前記第2の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状とは、実質的に同じである請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項3】
前記回転軸油出口は、前記第1の端板の前記第2形状の油溝に連通される請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項4】
前記回転軸油出口は、前記第2の端板の前記第2形状の油溝に連通される請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項5】
前記第1の端板は2つの前記第1の油出口を有し、前記第2の端板は2つの前記第2の油出口を有し、2つの前記第1の油出口の間の結線は2つの前記第2の油出口の間の結線に垂直である請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項6】
前記第1の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状と前記第2の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状とは、鏡像対称となる請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項7】
前記ロータ珪素鋼板は、前記ロータ珪素鋼板の前記第1の端部と前記第2の端部との間に延伸される軸方向溝を更に含み、前記軸方向溝と前記回転軸との間に軸方向油路通路が形成される請求項6に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項8】
前記回転軸油出口は、前記第1の端板と前記第2の端板との間に位置し、前記軸方向油路通路を介して前記第1の端板の前記第2形状の油溝又は前記第2の端板の前記第2形状の油溝に連通される請求項7に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項9】
前記第1の端板の前記第1の油出口の位置と前記第2の端板の前記第2の油出口の位置とは、180度ずれる請求項6に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項10】
前記第1の端板に少なくとも1つの第3形状の油溝が更に凹設され、前記第2の端板に少なくとも1つの前記第3形状の油溝が更に凹設され、前記第1の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝、第3形状の油溝からなる全体形状と前記第2の端板の前記第1形状の油溝、第2形状の油溝、第3形状の油溝からなる全体形状とは、鏡像対称となる請求項6に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項11】
前記回転軸は内軸と外軸を含み、前記回転軸油出口は前記外軸に位置する請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項12】
前記磁石スロットの断面積は、前記磁石の断面積よりも大きい請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【請求項13】
前記磁石スロットの前記磁石を収容していない部分は、前記ロータ珪素鋼板内の冷却油路として用いられる請求項1に記載のモータロータ冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータロータ構造に関し、特に、モータロータ冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用モータは、ロータ珪素鋼板とその回転軸との隙間によって、冷却油路を構築する。しかしながら、このような従来の冷却油路には、冷却効果が低く、及び温度分布が不均一であるという欠点がある。これに鑑みて、モータメーカーは、冷却油路を改善し、モータの性能をより効果的に向上させることのできる方法を積極的に探している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、先行の技術問題を解決したモータロータ冷却システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例によると、モータロータ冷却システムは、ロータ構造、第1の端板及び第2の端板を含む。ロータ構造は、ロータ珪素鋼板、磁石及び回転軸を含んで構成される。回転軸内に回転軸油路が設けられ、且つ回転軸油路に連通された回転軸給油口と回転軸油出口が回転軸に更に設けられる。ロータ珪素鋼板に、磁石を収容するための磁石スロットが設けられる。第1の端板は、ロータ珪素鋼板の第1の端部に設けられ、少なくとも1つの第1形状の油溝及び第2形状の油溝が凹設される。第1の端板は、第1形状の油溝に連通される少なくとも1つの第1の油出口を有する。第2の端板は、ロータ珪素鋼板の第2の端部に設けられ、少なくとも1つの第1形状の油溝及び第2形状の油溝が凹設される。第2の端板は、第1形状の油溝に連通される少なくとも1つの第2の油出口を有する。第1の端板の第1形状の油溝は、磁石スロットを介して第2の端板の第2形状の油溝に連通されて第1の冷却油路を形成する。第1の端板の第2形状の油溝は、磁石スロットを介して第2の端板の第1形状の油溝に連通されて第2の冷却油路を形成する。
【発明の効果】
【0005】
以上をまとめると、本発明のモータロータ冷却システムでは、第1の端板、第2の端板における異なる形状の油溝とロータ珪素鋼板を貫通する複数の磁石スロットにより複数の異なる冷却油路を形成することで、モータロータ全体がより効率的且つより均一に冷却される。
【0006】
以下、実施形態によって上記の説明を詳しく記述し、本発明の技術的アプローチに更なる解釈を提供する。
【0007】
下記図面の説明は、本発明の上記及び他の目的、特徴、メリット、実施例をより分かりやすくするためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す分解図である。
【
図2】本発明の実施例によるモータロータ冷却システムを示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例によるロータ珪素鋼板を示す端面図である。
【
図4】本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す流体模式図である。
【
図6】本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムの第1の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)である。
【
図7】本発明の第1の実施例によるロータ珪素鋼板の第1の端部を示す端面図である。
【
図8】本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムの第2の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)である。
【
図9】本発明の第1の実施例によるロータ珪素鋼板の第2の端部を示す端面図である。
【
図10】本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す分解図である。
【
図11】本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す断面図である。
【
図12】本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す流体模式図である。
【
図13】本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムの第1の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)である。
【
図14】本発明の第2の実施例によるロータ珪素鋼板の第1の端部を示す端面図である。
【
図15】本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムの第2の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)である。
【
図16】本発明の第1の実施例によるロータ珪素鋼板の第2の端部を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の記述をより詳細化し充実させるためには、添付図面及び以下に述べられる各種の実施例を参考とすることができ、図面において同じ番号は、同じ又は類似の要素(素子)を示す。また、本発明への不要な制限を避けるために、公知されている要素と手順は実施例中には記載しない。実施形態と特許請求の範囲において、本文には冠詞に対して特別に限定しない限り、「一」と「前記」は、単一又は複数をまとめて指すことができる。
【0010】
図1及び
図2を参照すると、
図1は本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す分解図であり、
図2は本発明の実施例によるモータロータ冷却システムを示す斜視図である。
図1のモータロータ冷却システム100aを組み合わせると、
図2のモータロータ冷却システム100が得られる。モータロータ冷却システム100aは、ロータ構造110、第1の端板106及び第2の端板108等の要素を含んで構成される。ロータ構造110は、ロータ珪素鋼板112、磁石114及び回転軸104を含んで構成される。磁石114は、軸方向ADに沿ってロータ珪素鋼板112内に埋め込まれる。第1の端板106はロータ珪素鋼板112の第1の端部112aに設けられ、第2の端板108はロータ珪素鋼板112の第2の端部112bに設けられる。回転軸104は、内軸104aと外軸104bから構成され、ロータ珪素鋼板112の軸孔112c、第1の端板106の軸孔106g及び第2の端板108の軸孔108gに穿設される。
【0011】
図3を参照すると、
図3は本発明の実施例によるロータ珪素鋼板の第1の端部面又は第2の端部面を示す端面図である。ロータ珪素鋼板112に、磁石114を収容するための、軸方向に沿った磁石スロット113が設けられる。磁石スロット113は、大きいサイズの磁石114aを収容するための大きいサイズの磁石スロット113aと、小さいサイズの磁石114bを収容するための小さいサイズの磁石スロット113bと、を含む。磁石スロット113の断面積が磁石114の断面積よりも大きいので、ロータ珪素鋼板内を横切る冷却油路として使用することのできる、磁石を収容していない一部の磁石スロット(例えば、磁石スロット113c)がある。磁石スロット113cに流れる冷却流体は、磁石114とロータ珪素鋼板112の内壁に直接接触することができる。本発明の実施例において、軸孔に比較的に近い磁石スロット113cによって、磁石スロット113cにおける冷却流体が積層されたロータ珪素鋼板のスリットから漏れにくいようにする。
【0012】
図4、
図5を同時に参照すると、
図4は本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す断面図であり、
図5は本発明の第1の実施例によるモータロータ冷却システムを示す流体模式図であり、この図面では、流体の流動形態を強調表示するように、ロータ珪素鋼板、磁石と第1の端板、第2の端板の何れも除去される。回転軸104内に回転軸油路があり、例えば、回転軸油路109aは内軸104aの内部にあり、回転軸油路109bは内軸104aと外軸104bとの間に位置する。冷却システムの流体(例えば、冷却油)は、回転軸給油口105aから回転軸油路109aに入ると、内軸104aの貫通孔104a1及び貫通孔104a2を介して回転軸油路109bに入ってから、回転軸油出口105bを介して外軸104bから流出する。次に、転軸油出口105bを介して排出された流体は、
図5における矢印方向に沿って第1の端板、第2の端板及び磁石スロットを流れて、第1の冷却油路107aと第2の冷却油路107bを形成する。
【0013】
図5~
図9を同時に参照すると、
図6、
図8はそれぞれ本発明の第1の実施例による第1の端板、第2の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)であり、
図7、
図9はそれぞれ本発明の第1の実施例によるロータ珪素鋼板の第1の端部、第2の端部を示す端面図である。第1の端板106は、ロータ珪素鋼板112の第1の端部112aに設けられることに用いられ、少なくとも1つの第1形状の油溝106a及び第2形状の油溝106bが凹設される。第1の端板106は、第1形状の油溝106aに連通された少なくとも1つの第1の油出口106cを有する。第2の端板108は、ロータ珪素鋼板112の第2の端部112bに設けられることに用いられ、少なくとも1つの第1形状の油溝108a及び第2形状の油溝108bが凹設され、第1形状の油溝108aに連通された少なくとも1つの第2の油出口108cを有する。第1の冷却油路107aは、回転軸油出口105bから順次に第2形状の油溝108b、磁石スロット113c、第1形状の油溝106a及び第1の油出口106cに連通される。第2の冷却油路107bは、回転軸油出口105bから順次に第2形状の油溝106b、磁石スロット113c、第1形状の油溝108a及び第2の油出口108cに連通される。本発明の第1の実施例において、第1の端板106の第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状は、第2の端板108の第1形状の油溝、第2形状の油溝からなる全体形状と実質的に同じである。本発明の第1の実施例において、第1の端板106は2つの第1の油出口106cを有し、第2の端板108は2つの第2の油出口108cを有し、2つの第1の油出口106cの間の結線L1は、2つの第2の油出口108cの間の結線L2に垂直である。本発明の第1の実施例において、モータロータ冷却システム100aには、合計で2つの第1の冷却油路107aと2つの第2の冷却油路107bが形成されるので、モータロータはより効率的且つより均一に冷却される。
【0014】
図2、
図10を同時に参照すると、
図10は本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す分解図である。
図10のモータロータ冷却システム100bを組み合わせると、
図2のモータロータ冷却システム100が得られる。モータロータ冷却システム100bとモータロータ冷却システム100aは、何れもロータ構造110、第1の端板106及び第2の端板108等の要素を含んで構成され、組み合わされた外観に明確な差異はないが、両者が主に内部の冷却油路の設計で異なっている。以下、モータロータ冷却システム100bの冷却油路の設計について詳しく説明する。
【0015】
図11、
図12を同時に参照すると、
図11は本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す断面図であり、
図12は本発明の第2の実施例によるモータロータ冷却システムを示す流体模式図であり、この図面では、流体の流動形態を強調表示するように、ロータ珪素鋼板、磁石と第1の端板、第2の端板の何れも除去される。回転軸104内に回転軸油路があり、回転軸油路109aは内軸104aの内部にあり、回転軸油路109bは内軸104aと外軸104bとの間に位置する。冷却システムの流体(例えば、冷却油)は、回転軸給油口105aから回転軸油路109aに入ると、内軸104aの貫通孔104a1及び貫通孔104a2を介して回転軸油路109bに入ってから、回転軸油出口105cを介して外軸104bから流出する。ロータ珪素鋼板112は、軸方向溝112dを更に含み、軸方向溝112dが軸方向ADに沿ってロータ珪素鋼板112の第1の端部112aと第2の端部112bとの間に延伸する。軸方向溝112dと外軸104bとの間に、軸方向油路通路109cが形成される。回転軸油路109bは、回転軸油出口105cを介して軸方向油路通路109cに連通される。次に、回転軸油出口105cを介して排出された流体は、
図12における矢印方向に沿って第1の端板、第2の端板及び磁石スロットを流れて、第1の冷却油路107cと第2の冷却油路107dを形成する。
【0016】
図12~
図16を同時に参照すると、
図13、
図15は、それぞれ本発明の第2の実施例の第1の端板、第2の端板を示す平面図(ロータ珪素鋼板から見た図)であり、
図14、
図16はそれぞれ本発明の第2の実施例によるロータ珪素鋼板の第1の端部、第2の端部を示す端面図である。第1の端板106は、ロータ珪素鋼板112の第1の端部112aに設けられることに用いられ、第1形状の油溝106d、第2形状の油溝106e及び少なくとも1つの第3形状の油溝106hが凹設される。第1の端板106は、第1形状の油溝106dに連通される少なくとも1つの第1の油出口106fを有する。第2形状の油溝106eは、軸方向溝112dに連通される。第2の端板108は、ロータ珪素鋼板112の第2の端部112bに設けられることに用いられ、第1形状の油溝108d、第2形状の油溝108e及び少なくとも1つの第3形状の油溝108hが凹設され、第1形状の油溝108dに連通される少なくとも1つの第2の油出口108fを有する。第2形状の油溝108eは、軸方向溝112dに連通される。第1の冷却油路107cは、回転軸油出口105cから順次に第2形状の油溝106e、磁石スロット113c、第3形状の油溝108h、磁石スロット113c、第3形状の油溝106h、磁石スロット113c、第3形状の油溝108h、磁石スロット113c、第1形状の油溝106d及び第2の油出口106fに連通される。第2の冷却油路107dは、回転軸油出口105cから順次に第2形状の油溝108e、磁石スロット113c、第3形状の油溝106h、磁石スロット113c、第3形状の油溝108h、磁石スロット113c、第3形状の油溝106h、磁石スロット113c、第1形状の油溝108d及び第2の油出口108fに連通される。本発明の第2の実施例において、第1の端板106の第1形状の油溝、第2形状の油溝及び/又は第3形状の油溝からなる全体形状と第2の端板108の第1形状の油溝、第2形状の油溝及び/又は第3形状の油溝からなる全体形状とは、互いに鏡像対称となる。本発明の第2の実施例において、第1の端板106と第2の端板108がロータ珪素鋼板の両端に組み込まれると、第1の端板106の第1の油出口106fの位置と第2の端板108の第2の油出口108fの位置とは180度ずれる(
図12参照)。本発明の第2の実施例において、モータロータ冷却システム100bには、合計で1つの第1の冷却油路107cと1つの第2の冷却油路107dが形成されるので、モータロータはより効率的且つより均一に冷却される。
【0017】
本発明のモータロータ冷却システムでは、第1の端板、第2の端板における異なる形状の油溝とロータ珪素鋼板を貫通する複数の磁石スロットにより複数の異なる冷却油路を形成することで、モータロータ全体がより効率的且つより均一に冷却される。
【0018】
本発明は、実施例により前述の通りに開示されたが、実施例が本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本開示内容の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0019】
100 モータロータ冷却システム
100a モータロータ冷却システム
100b モータロータ冷却システム
104 回転軸
104a 内軸
104a1 貫通孔
104a2 貫通孔
104b 外軸
105a 回転軸給油口
105b 回転軸油出口
105c 回転軸油出口
106 第1の端板
106a 第1形状の油溝
106b 第2形状の油溝
106c 第1の油出口
106d 第1形状の油溝
106e 第2形状の油溝
106f 第1の油出口
106g 軸孔
106h 第3形状の油溝
107a 第1の冷却油路
107b 第2の冷却油路
107c 第1の冷却油路
107d 第2の冷却油路
108 第2の端板
108a 第1形状の油溝
108b 第2形状の油溝
108c 第2の油出口
108d 第1形状の油溝
108e 第2形状の油溝
108f 第2の油出口
108g 軸孔
108h 第3形状の油溝
109a 回転軸油路
109b 回転軸油路
109c 軸方向油路通路
110 ロータ構造
112 ロータ珪素鋼板
112a 第1の端部
112b 第2の端部
112d 軸方向溝
112c 軸孔
113 磁石スロット
113a 磁石スロット
113b 磁石スロット
113c 磁石スロット
114 磁石
114a 磁石
114b 磁石
AD 軸方向