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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085187
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】車両用水素タンク支持システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/07 20060101AFI20230613BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20230613BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20230613BHJP
   F17C 13/08 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B60K15/07
B62D25/20 F
B60K15/063 B
F17C13/08 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127361
(22)【出願日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174904
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジホ
(72)【発明者】
【氏名】アン、スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジョンソプ
【テーマコード(参考)】
3D038
3D203
3E172
【Fターム(参考)】
3D038CA03
3D038CA14
3D038CA18
3D038CB01
3D038CC18
3D038CD01
3D038CD02
3D038CD10
3D203AA02
3D203BA14
3D203BB06
3D203BB12
3D203BB20
3D203BB22
3D203BB55
3D203CA25
3D203CA52
3D203CB09
3D203CB19
3D203DA09
3D203DA53
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB05
3E172BB13
3E172BD03
3E172DA90
3E172KA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の衝突性能を改善し、車両衝突時に水素タンクを安全に保護することができる、車両用水素タンク支持システムを提供する。
【解決手段】車両用水素タンク支持システムは、フロアと、前記フロアの両エッジに取り付けられた1対のサイドシルと、前記フロアに取り付けられ、水素タンクを支持するように構成された支持フレームと、を含む。前記支持フレームは、1対の縦メンバーと、前記1対の縦メンバーを連結する複数の横メンバーと、を含む。前記複数の横メンバーのうち少なくとも1つの横メンバーは、その両端から前記1対のサイドシルに向かって個別に延びた1対の延長部を有する。各延長部は、対応するサイドシルに個別に結合される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアと、
前記フロアの両エッジに取り付けられた1対のサイドシルと、
前記フロアに取り付けられ、水素タンクを支持するように構成された支持フレームと、
を含み、
前記支持フレームは、1対の縦メンバーと、前記1対の縦メンバーを連結する複数の横メンバーと、を含み、
前記複数の横メンバーのうち少なくとも1つの横メンバーは、その両端から前記1対のサイドシルに向かって個別に延びた1対の延長部を有し、
各延長部は、対応するサイドシルに個別に結合される、車両用水素タンク支持システム。
【請求項2】
各サイドシルは、車両の室内に向かう内側サイドシルと、車両の室外に向かう外側サイドシルと、を含み、
前記各延長部は、前記内側サイドシルに結合される、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項3】
第1パイプナットが前記サイドシルの内側サイドシルに固定され、第1取り付けボルトが前記第1パイプナットにネジ結合されることで、前記各延長部は、前記内側サイドシルに結合される、請求項2に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項4】
前記サイドシルは、その内側キャビティに取り付けられたサイドシル補強材をさらに含み、前記第1パイプナットの少なくとも一部は、前記サイドシル補強材に埋め込まれる、請求項3に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項5】
前記フロアの底面に付着された1対のフロア縦メンバーと、前記1対のフロア縦メンバーを連結する1対のフロア横メンバーと、をさらに含み、
各フロア縦メンバーは、車両の長さ方向に沿って延び、各縦メンバーは、対応する各フロア縦メンバーよりも車両の中心軸線に近接し、各フロア縦メンバーは、対応するサイドシルよりも車両の中心軸線に近接する、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項6】
各縦メンバーは、対応するフロア縦メンバーに向かって延びた取り付けブラケットをさらに含み、
前記取り付けブラケットは、前記フロア縦メンバーに結合される、請求項5に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項7】
第2パイプナットが前記フロア縦メンバーの内側キャビティに取り付けられ、第2取り付けボルトが前記第2パイプナットにネジ結合されることで、前記取り付けブラケットは、前記フロア縦メンバーに結合される、請求項6に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項8】
前記フロアの上面に取り付けられた複数のシートスライドレールをさらに含み、各縦メンバーは、シートスライドレールに垂直に整列する、請求項5に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項9】
前記1対の縦メンバーは、前記複数のフロア横メンバーのうち少なくとも1つのフロア横メンバーに結合される、請求項8に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフロア横メンバーの内側キャビティに取り付けられた第3パイプナットをさらに含み、
上側ボルトが前記シートスライドレールを貫通し、前記上側ボルトのネジ部が前記第3パイプナットの上側雌ネジ部にネジ結合され、
下側ボルトが前記縦メンバーおよび前記少なくとも1つのフロア横メンバーを貫通し、前記下側ボルトのネジ部が前記第3パイプナットの下側雌ネジ部にネジ結合される、請求項9に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項11】
前記複数の横メンバーは、前記複数のフロア横メンバーのうち一部のフロア横メンバーに対して個別に整列する、請求項5に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項12】
前記フロアの両エッジに取り付けられた1対のセンターピラーをさらに含み、
前記複数の横メンバーのうち少なくとも1つの横メンバーは、前記1対のセンターピラーに整列するように構成される、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項13】
前記水素タンクは、その両端に提供された1対の取り付けネックを有し、
各縦メンバーは、水素タンクの各端部を支持する支持ブロックを有し、
前記支持ブロックは、前記水素タンクの各取り付けネックを収容するキャビティを有する、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項14】
前記複数の横メンバーは、複数の垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、各垂直メンバーは、車両の高さ方向に沿って延びる、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項15】
前記複数の横メンバーは、車両の前方端と最も近接した第1前方側横メンバーと、前記第1前方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第2前方側横メンバーと、前記第2前方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第1後方側横メンバーと、前記第1後方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第2後方側横メンバーと、を含む、請求項1に記載の車両用水素タンク支持システム。
【請求項16】
前記第1前方側横メンバーは、1対の第1前方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、
前記第2前方側横メンバーは、1対の第2前方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、
前記第1後方側横メンバーは、1対の第1後方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、
前記第2後方側横メンバーは、1対の第2後方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結されるように構成される、請求項15に記載の車両用水素タンク支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用水素タンク支持システムに関し、より詳しくは、車両の衝突性能を改善し、水素タンクを安全に保護することができる、車両用水素タンク支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境および石油資源の枯渇に対する危機認識が高まるにつれ、環境に優しい自動車である電気自動車(Electric Vehicle)に対する研究開発が浮上している。電気自動車としては、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、BEV(Battery Electric Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)などが挙げられる。
【0003】
燃料電池電気自動車(FCEV)は、水素を用いて電気を発電する燃料電池スタック(fuel cell stack)と、水素を貯蔵する水素タンクと、回生ブレーキ(regenarative brake)により生成された電気エネルギーを貯蔵する電池パックと、を含む。
【0004】
燃料電池電気自動車は、航続距離(AER)の増大のために、大容量の水素タンクが必須に求められている。燃料電池電気自動車の長い航続距離(AER)を確保するために、水素タンクは、車両の幅方向に沿って延びた円筒形状を有する。しかし、水素タンクの容量を確保するために水素タンクの長さが相対的に長くなる場合、水素タンクの各端部とそれに対応する車体のサイド構造との間の側面衝突空間が相対的に狭小になり得る。そこで、車両の側面衝突時に水素タンクの損傷の可能性が高くなり得る。
【0005】
一方、燃料電池電気自動車は、セダン、SUVだけでなく、MPV(multi purpose vehicle)などのように多様な車種に適用されている。一方、MPVなどのような車種は、全高およびフロアの高さが相対的に高く、乗員および貨物の乗下車を容易にするようにフロアの各エッジにステップが提供される。ステップは、フロアから下部に向かって陥没し、サイドシルは、ステップの下端に結合される。このように、サイドシルがフロアおよびステップとの間の高さの差によりフロアから車両の高さ方向に沿って離隔することで、車両の衝突発生時、サイドシルは、その衝突エネルギーにより、自体的に変形せず、フロアに向かって回転し得る。そこで、車両のサイドにおけるその衝突エネルギーの吸収が不可能であるため、車両の衝突性能が十分に確保できない。したがって、水素タンクを保護するためには、水素タンクの長さが相対的に短くなり得、これにより、水素タンクの容量を十分に確保し難いという短所があった。
【0006】
この背景技術部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進するために作成されたものであって、該技術が属する分野における通常の知識を有する者に周知の従来技術ではない事項を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のようなことを考慮して導き出されたものであり、水素タンクを支持する支持フレームを車両のサイドシルに直接的に連結されることで車両の剛性、強度などを強化することができ、車両の衝突性能を改善し、車両衝突時に水素タンクを安全に保護することができる、車両用水素タンク支持システムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するための本発明の実施形態に係る車両用水素タンク支持システムは、フロアと、前記フロアの両エッジに取り付けられた1対のサイドシルと、前記フロアに取り付けられ、水素タンクを支持するように構成された支持フレームと、を含むことができる。前記支持フレームは、1対の縦メンバーと、前記1対の縦メンバーを連結する複数の横メンバーと、を含むことができる。前記複数の横メンバーのうち少なくとも1つの横メンバーは、その両端から前記1対のサイドシルに向かって個別に延びた1対の延長部を有することができる。各延長部は、対応するサイドシルに個別に結合されることができる。
【0009】
このように、支持フレームの少なくとも1つの横メンバーの各延長部が対応するサイドシルに結合されることで、支持フレームは、1対のサイドシルに堅固に結合されることができ、これにより、水素タンクは、車体に対して堅固に支持されることができる。特に、少なくとも1つの横メンバーが1対のサイドシルを車両の幅方向に沿って堅固に支持することで、サイドシルの変形および車体の変形を抑制することができ、サイドシルが水素タンクを打撃しないため、水素タンクおよびそれに連結されたバルブ、配管などが損傷するのを防止することができる。
【0010】
各サイドシルは、車両の室内に向かう内側サイドシルと、車両の室外に向かう外側サイドシルと、を含むことができる。前記各延長部は、前記内側サイドシルに結合されることができる。
【0011】
第1パイプナットが前記サイドシルの内側サイドシルに固定され、第1取り付けボルトが前記第1パイプナットにネジ結合されることで、前記各延長部は、前記内側サイドシルに結合されることができる。
【0012】
このように、少なくとも1つの横メンバーの延長部が取り付けボルトおよびパイプナットを介してサイドシルの内側サイドシルに結合されることで、内側サイドシルは、それ自体の強度および剛性が強化されることができ、そこで、内側サイドシルは、高強度領域であってもよい。そして、サイドシルの外側サイドシルは、少なくとも1つの横メンバーの延長部と直接的に連結されないため、外側サイドシルは、低強度領域であってもよい。すなわち、サイドシルは、第1パイプナットを基準に、高強度領域と低強度領域に区分することができる。そこで、車両の側面衝突時、サイドシルの低強度領域に該当する外側サイドシルは、衝突エネルギーにより容易に変形することでその衝突エネルギーを吸収することができ、サイドシルの高強度領域に該当する内側サイドシルは、前方側横メンバーの延長部に結合されることでその変形が最大限抑制されることができ、そこで、水素タンクが損傷するのを防止することができる。
【0013】
前記サイドシルは、その内側キャビティに取り付けられたサイドシル補強材をさらに含み、前記第1パイプナットの少なくとも一部は、前記サイドシル補強材に埋め込まれることができる。
【0014】
このように、第1パイプナットの少なくとも一部がサイドシル補強材に埋め込まれることで、第1パイプナットの支持剛性が大幅に強化できるため、少なくとも1つの横メンバーの各延長部は、サイドシルにさらに堅固に結合されることができる。
【0015】
前記フロアの底面に付着された1対のフロア縦メンバーと、前記1対のフロア縦メンバーを連結する複数のフロア横メンバーと、を含むことができる。各フロア縦メンバーは、車両の長さ方向に沿って延びることができ、前記1対の縦メンバーは、前記1対のフロア縦メンバーの間に位置することができ、前記1対のフロア縦メンバーは、前記1対のサイドシルの間に位置することができる。
【0016】
前記各縦メンバーは、対応するフロア縦メンバーに向かって延びた取り付けブラケットをさらに含むことができ、前記取り付けブラケットは、前記フロア縦メンバーに結合されることができる。
【0017】
第2パイプナットが前記フロア縦メンバーの内側キャビティに取り付けられ、第2取り付けボルトが前記第2パイプナットにネジ結合されることで、前記取り付けブラケットは、前記フロア縦メンバーに結合されることができる。
【0018】
このように、支持フレームの縦メンバーが取り付けブラケットを介してフロア縦メンバーに堅固に結合されることで、支持フレームは、車体側に堅固に結合されることができる。これにより、水素タンクの支持剛性および車体の剛性および強度などを強化することができる。
【0019】
前記フロアの上面に取り付けられた複数のシートスライドレールをさらに含み、前記各縦メンバーは、シートスライドレールに垂直に整列することができる。
【0020】
前記1対の縦メンバーは、前記複数のフロア横メンバーのうち少なくとも1つのフロア横メンバーに結合されることができる。
【0021】
前記少なくとも1つのフロア横メンバーの内側キャビティに取り付けられた第3パイプナットをさらに含み、上側ボルトが前記シートスライドレールを貫通し、前記上側ボルトのネジ部が前記第3パイプナットの上側雌ネジ部にネジ結合され、下側ボルトが前記縦メンバーおよび前記少なくとも1つのフロア横メンバーを貫通し、前記下側ボルトのネジ部が前記第3パイプナットの下側雌ネジ部にネジ結合されることができる。
【0022】
このように、縦メンバーがフロア横メンバー、第3パイプナット、およびボルトを介してシートスライドレールとともにフロアに取り付けられることで、支持フレームは、車体に非常に堅固に取り付けられることができ、これにより、車体の剛性が大幅に強化されることができる。
【0023】
前記フロアの両エッジに取り付けられた1対のセンターピラーをさらに含み、前記複数の横メンバーのうち少なくとも1つの横メンバーは、前記1対のセンターピラーに整列するように構成されることができる。
【0024】
前記複数の横メンバーは、前記複数のフロア横メンバーのうち一部のフロア横メンバーに対して個別に整列するように構成されることができる。
【0025】
前記水素タンクは、その両端に提供された1対の取り付けネックを有し、前記各縦メンバーは、水素タンクの各端部を支持する支持ブロックを有し、前記支持ブロックは、前記水素タンクの各取り付けネックを収容するキャビティを有することができる。
【0026】
前記複数の横メンバーは、複数の垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結されることができる。各垂直メンバーは、車両の高さ方向に沿って延びることができる。
【0027】
ここで、複数の横メンバーは、各垂直メンバーの長さに対応して1対の縦メンバー下に位置することができる。
【0028】
前記複数の横メンバーは、車両の前方端と最も近接した第1前方側横メンバーと、前記第1前方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第2前方側横メンバーと、前記第2前方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第1後方側横メンバーと、前記第1後方側横メンバーから車両の後方に向かって離隔した第2後方側横メンバーと、を含むことができる。
【0029】
前記第1前方側横メンバーは、1対の第1前方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、前記第2前方側横メンバーは、1対の第2前方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、前記第1後方側横メンバーは、1対の第1後方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結され、前記第2後方側横メンバーは、1対の第2後方側垂直メンバーを介して前記1対の縦メンバーに連結されるように構成されることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、水素タンクを支持する支持フレームを車両のサイドシルに直接的に連結されることで車両の剛性、強度などを強化することができ、車両の衝突性能を改善し、車両衝突時に水素タンクを安全に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係る車両用水素タンク支持システムが車両のフロアの底面に取り付けられていることを示した底面図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両用水素タンク支持システムにおいて、水素タンクが支持フレームに取り付けられていることを示した斜視図である。
図3図2における水素タンクが支持フレームから分離していることを示した図である。
図4図1のA部分を拡大した図である。
図5図4のB部分を拡大した図である。
図6図4のC-C線に沿って示した図である。
図7図4のD-D線に沿って示した図である。
図8図7の変形実施形態を示した図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る図である。
図10】本発明のまた他の実施形態に係る図である。
図11図10に示された車体の底面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付する際に、同一の構成要素に対しては、他の図面上に表示されるときにも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0033】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されることはない。また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る車両用水素タンク支持システムは、車体の底に配置されたフロア1と、フロア1に取り付けられた支持フレーム10と、を含むことができる。
【0035】
図1を参照すると、フロア1は、車両の底の全体にわたって平坦なフラットフロアであってもよい。1対のフロア縦メンバー2は、締結具、溶接などによりフロア1の底面に付着されることができ、1対のフロア縦メンバー2は、車両の幅方向に沿って離隔することができ、各フロア縦メンバー2は、車両の長さ方向に沿って延びることができる。複数のフロア横メンバー4は、締結具、溶接などによりフロア1の底面に付着されることができ、複数のフロア横メンバー4は、車両の長さ方向に沿って離隔することができ、各フロア横メンバー4は、車両の幅方向に沿って延びることができる。各フロア横メンバー4の両端部が締結具、溶接などにより1対のフロア縦メンバー2に個別に結合されることで、複数のフロア横メンバー4は、1対のフロア縦メンバー2を連結することができ、これにより、1対のフロア縦メンバー2および複数のフロア横メンバー4は、ラダーフレーム(ladder frame)を形成することができる。
【0036】
図1を参照すると、1対のサイドシル6は、フロア1の両エッジに付着されることができ、各サイドシル6は、車両の長さ方向に沿って延びることができる。フロア1に対して直交する方向から眺めるとき、1対のフロア縦メンバー2は、1対のサイドシル6の間に位置することができ、各フロア縦メンバー2は、対応するサイドシル6よりも車両の中心縦軸線に近接することができる。
【0037】
図7を参照すると、ステップ3は、各フロア1の各エッジに取り付けられることができ、ステップ3は、フロア1の各エッジから下部に向かって陥没することができる。ステップ3は、垂直壁3aを有することができ、ステップ3の垂直壁3aは、締結具、溶接などによりフロア1の各エッジに固定されることができる。各サイドシル6は、ステップ3下に位置することができ、各サイドシル6は、連結メンバー7を介してステップ3に連結されることができる。すなわち、サイドシル6がステップ3下に位置することにより、サイドシル6は、フロア1下に位置することができる。連結メンバー7は、垂直に延びることができ、各サイドシル6の内側サイドシル61の室内側壁61aは、締結具、溶接などにより連結メンバー7の下部に固定されることができる。補強材8は、連結メンバー7およびサイドシル6を連結するように構成されることができ、補強材8は、連結メンバー7に付着される第1フランジ8aと、サイドシル6に付着される第2フランジ8bと、を有することができる。第1フランジ8aは、連結メンバー7に符合するように垂直に延びることができ、第1フランジ8aは、締結具、溶接などにより連結メンバー7に固定されることができる。第2フランジ8bは、サイドシル6の内側サイドシル61の上部壁61bに符合するように水平に延びることができ、第2フランジ8bは、締結具、溶接などによりサイドシル6の内側サイドシル61の上部壁61bに固定されることができる。
【0038】
支持フレーム10は、フロア1下に配置されることができ、支持フレーム10は、1つ以上の水素タンク5を支持するように構成されることができる。具体的に、図2図4を参照すると、支持フレーム10は、1対の縦メンバー11と、1対の縦メンバー11を連結する複数の横メンバー21、22、23、24と、を含むことができる。図3を参照すると、水素タンク5は、車両の幅方向に沿って延びた円筒形状であってもよく、水素タンク5は、その両端部に提供された1対の取り付けネック(mounting neck)5aを有することができる。各取り付けネック5aは、円筒形状を有してもよく、各取り付けネック5aの直径は、水素タンク5の円筒部の直径よりも小さくてもよい。
【0039】
各縦メンバー11は、車両の長さ方向に沿って延びることができ、1対の縦メンバー11は、車両の幅方向に沿って離隔することができる。図3を参照すると、各縦メンバー11は、各水素タンク5の各端部を支持する支持ブロック16を有することができ、複数の支持ブロック16は、各縦メンバー11に提供されることができ、複数の支持ブロック16は、各縦メンバー11の長さ方向に沿って離隔することができる。各支持ブロック16は、縦メンバー11からその下方に向かって突出することができ、各支持ブロック16は、キャビティ16aを有することができる。各水素タンク5の取り付けネック5aが各支持ブロック16のキャビティ16aに収容されることができ、特にキャビティ16aは、取り付けネック5aに符合する形状を有することができる。一例によると、キャビティ16aは、取り付けネック5aの外径と同一の内径を有することができる。例えば、支持フレーム10が3個の水素タンク5を支持する場合、各縦メンバー11は、各水素タンク5を支持するように3個の支持ブロック16を有することができる。
【0040】
複数の横メンバー21、22、23、24は、水素タンク5の個数よりも1個多い個数で構成されることができる。図3および図4を参照すると、支持フレーム10が3個の水素タンク5を支持する場合、支持フレーム10は、4個の横メンバー21、22、23、24を有することができる。そこで、各水素タンク5は、隣接した2個の横メンバー21、22、23、24の間に位置することができる。
【0041】
複数の横メンバー21、22、23、24は、複数の垂直メンバー12a、12b、12c、12dを介して1対の縦メンバー11に連結されるように構成されることができ、各垂直メンバー12a、12b、12c、12dは、車両の高さ方向に沿って延びることができる。1対の垂直メンバー12a、12b、12c、12dは、各横メンバー21、22、23、24を1対の縦メンバー11に個別に連結することができる。複数の横メンバー21、22、23、24は、各垂直メンバー12の長さに対応する距離だけ1対の縦メンバー11よりも下方に位置することができる。
【0042】
複数の横メンバー21、22、23、24のうち少なくとも1つの横メンバーは、1対のサイドシル6に向かって対称的に延びた1対の延長部を有することができる。
【0043】
図3および図4を参照すると、複数の横メンバー21、22、23、24は、第1前方側横メンバー21、第2前方側横メンバー22、第1後方側横メンバー23、および第2後方側横メンバー24を含むことができる。第1前方側横メンバー21は、車両の前方端と最も近接することができ、第2前方側横メンバー22は、第1前方側横メンバー21から車両の後方に向かって離隔することができる。第1後方側横メンバー23は、第2前方側横メンバー22から車両の後方に向かって離隔することができ、第2後方側横メンバー24は、第1後方側横メンバー23から車両の後方に向かって離隔することができる。第2後方側横メンバー24は、車両の後方端と最も近接することができる。
【0044】
複数の垂直メンバー12a、12b、12c、12dは、第1前方側横メンバー21および1対の縦メンバー11を連結する1対の第1前方側垂直メンバー12aと、第2前方側横メンバー22および1対の縦メンバー11を連結する1対の第2前方側垂直メンバー12bと、第1後方側横メンバー23および1対の縦メンバー11を連結する1対の第1後方側垂直メンバー12cと、第2後方側横メンバー24および1対の縦メンバー11を連結する1対の第2後方側垂直メンバー12dと、を含むことができる。
【0045】
1対の第1前方側垂直メンバー12aは、1対の縦メンバー11の間の間隔に対応する距離だけ車両の幅方向に沿って離隔することができ、1対の第2前方側垂直メンバー12bは、1対の縦メンバー11の間の間隔に対応する距離だけ車両の幅方向に沿って離隔することができ、1対の第1後方側垂直メンバー12cは、1対の縦メンバー11の間の間隔に対応する距離だけ車両の幅方向に沿って離隔することができ、1対の第2後方側垂直メンバー12dは、1対の縦メンバー11の間の間隔に対応するように車両の幅方向に沿って離隔することができる。
【0046】
各第1前方側垂直メンバー12aの上端は、締結具、溶接などにより、対応する縦メンバー11の底面に直接的に固定されることができ、各第1前方側垂直メンバー12aの下端は、締結具、溶接などにより、対応する第1前方側横メンバー21の上面に固定されることができる。第1前方側横メンバー21は、1対の第1前方側垂直メンバー12aを介して1対の縦メンバー11に連結されることができる。
【0047】
各第2前方側垂直メンバー12bの上端は、締結具、溶接などにより、対応する縦メンバー11の底面に直接的に固定されることができ、各第2前方側垂直メンバー12bの下端は、締結具、溶接などにより、対応する第2前方側横メンバー22の上面に固定されることができる。第2前方側横メンバー22は、1対の第2前方側垂直メンバー12bを介して1対の縦メンバー11に連結されることができる。
【0048】
各第1後方側垂直メンバー12cの上端は、締結具、溶接などにより、対応する縦メンバー11の底面に直接的に固定されることができ、各第1後方側垂直メンバー12cの下端は、締結具、溶接などにより、対応する第1後方側横メンバー23の上面に固定されることができる。第1後方側横メンバー23は、1対の第1後方側垂直メンバー12cを介して1対の縦メンバー11に連結されることができる。
【0049】
各第2後方側垂直メンバー12dの上端は、締結具、溶接などにより、対応する縦メンバー11の底面に直接的に固定されることができ、各第2後方側垂直メンバー12dの下端は、締結具、溶接などにより、対応する第2後方側横メンバー24の上面に固定されることができる。第2後方側横メンバー24は、1対の第2後方側垂直メンバー12dを介して1対の縦メンバー11に連結されることができる。
【0050】
図3および図4を参照すると、第1前方側横メンバー21は、1対の第1前方側垂直メンバー12aから1対のサイドシル6に向かって延びた1対の第1延長部21aを有することができる。図4を参照すると、各第1延長部21aの端部は、締結具、溶接などにより、対応するサイドシル6に固定されることができる。
【0051】
図3および図4を参照すると、第2前方側横メンバー22は、1対の第2前方側垂直メンバー12bから1対のサイドシル6に向かって延びた1対の第2延長部22aを有することができる。図4を参照すると、各第2延長部22aの端部は、締結具、溶接などにより、対応するサイドシル6に固定されることができる。
【0052】
このように、少なくとも1つの横メンバー21、22の各延長部21a、22aが対応するサイドシル6に結合されることで、支持フレーム10は、1対のサイドシル6に堅固に結合されることができ、これにより、水素タンク5は、車体に対して堅固に支持されることができる。特に、少なくとも1つの横メンバー21、22が1対のサイドシル6を車両の幅方向に沿って堅固に支持することで、サイドシル6の変形および車体の変形を抑制することができ、サイドシル6が水素タンク5を打撃しないため、水素タンク5およびそれに連結されたバルブ、配管などが損傷するのを防止することができる。
【0053】
第1前方側横メンバー21および第2前方側横メンバー22は、車両の前方と近接することにより、車両の乗員室の運転席の真下に位置することができる。これにより、第1前方側横メンバー21の第1延長部21aと第2前方側横メンバー22の第2延長部22aが1対のサイドシル6に結合されることで、運転席の安全性が大幅に改善されることができる。
【0054】
図6を参照すると、複数の横メンバー21、22、23、24は、複数のフロア横メンバー4のうち一部のフロア横メンバー4に垂直軸線Xに沿って個別に整列するように構成されることができる。具体的に、第1前方側横メンバー21は、第1前方側横メンバー21上に位置したフロア横メンバー4に垂直軸線Xに沿って整列することができ、第2前方側横メンバー22は、第2前方側横メンバー22上に位置したフロア横メンバー4に垂直軸線Xに沿って整列することができ、第1後方側横メンバー23は、第1後方側横メンバー23上に位置したフロア横メンバー4に垂直軸線Xに沿って整列することができ、第2後方側横メンバー24は、第2後方側横メンバー24上に位置したフロア横メンバー4に垂直軸線Xに沿って整列することができる。
【0055】
図7および図8に示すように、燃料電池車両がMPV(multi purpose vehicle)に適用される場合、各サイドシル6の高さがフロア1の高さよりも相対的に低いため、車両の側面衝突時に衝突荷重がサイドシル6に印加される際に、サイドシル6は、モーメントによりフロア1の各エッジに対して回転し得る。これに対し、支持フレーム10の一部の横メンバー21、22の延長部21a、22aが対応するサイドシル6と直接的に結合されることで、サイドシル6を車両の幅方向に沿って安定的に支持することができ、これにより、水素タンク5およびそれに連結されたバルブ、配管などの損傷を確実に防止することができる。
【0056】
図3を参照すると、1対の第1後方側垂直メンバー12cが第1後方側横メンバー23の両端部に固定されることができ、1対の第2後方側垂直メンバー12dが第2後方側横メンバー24の両端部に固定されることができる。
【0057】
図4を参照すると、1対の縦メンバー11の間の間隔は、1対のフロア縦メンバー2の間の間隔よりも相対的に狭くてもよく、そこで、1対の縦メンバー11は、フロア1に対して直交する方向に眺めるとき、1対のフロア縦メンバー2の間に位置することができ、各縦メンバー11は、対応するフロア縦メンバー2よりも車両の中心軸線に近接することができる。
【0058】
図7を参照すると、第1パイプナット63は、各サイドシル6の内側キャビティに固定的に取り付けられることができ、取り付け穴65は、各延長部21a、22aの端部に提供されることができ、取り付け穴65は、第1パイプナット63のネジ穴(threaded hole)に整列することができる。第1取り付けボルト66が各延長部21a、22aの取り付け穴65および第1パイプナット63のネジ穴を通過し、第1取り付けボルト66の雄ネジ部(external thread)が第1パイプナット63の雌ネジ部(internal thread)にネジ結合されることで、各前方側横メンバー21、22の各延長部21a、22aは、第1取り付けボルト66および第1パイプナット63を介してサイドシル6に堅固に結合されることができる。
【0059】
図7を参照すると、各サイドシル6は、車両の室内に向かう内側サイドシル61と、車両の室外に向かう外側サイドシル62と、を含むことができる。内側サイドシル61および外側サイドシル62は、内側キャビティを限定することができる。
【0060】
内側サイドシル61は、車両の室内に向かう室内側壁61aと、上部に向かう上部壁61bと、下部に向かう底壁61eと、を含むことができる。室内側壁61aは、垂直に延びることができ、上部壁61bは、室内側壁61aの上端から車両の室外に向かって水平に延びることができ、底壁61eは、室内側壁61aの下端から車両の室外に向かって水平に延びることができる。上側フランジ61cは、上部壁61bから垂直上向きに延びることができ、下側フランジ61dは、底壁61eから垂直下向きに延びることができる。
【0061】
外側サイドシル62は、車両の室外に向かう室外側壁62aと、下部に向かう底壁62bと、を含むことができる。室外側壁62aは、垂直に延びることができ、底壁62bは、室外側壁62aの下端から車両の室内に向かって水平に延びることができる。上側フランジ62cは、室外側壁62aの上端から垂直上向きに延びることができ、下側フランジ62dは、底壁62bから垂直下向きに延びることができる。
【0062】
内側サイドシル61の下側フランジ61dが外側サイドシル62の下側フランジ62dに結合されることで、内側サイドシル61の底壁61eは、外側サイドシル62の底壁62bに水平に整列することができる。内側サイドシル61の上側フランジ61cが外側サイドシル62の上側フランジ62cに結合されることで、内側サイドシル61の上部壁61bは、内側サイドシル61の底壁61eおよび外側サイドシル62の底壁62bの上に位置することができる。
【0063】
図7を参照すると、第1パイプナット63は、内側サイドシル61に固定的に取り付けられることができ、第1パイプナット63は、内側サイドシル61の底壁61eに固定されることができる。特に、第1パイプナット63は、内側サイドシル61の下側フランジ61dに隣接して配置されることができる。第1パイプナット63がサイドシル6の内側サイドシル61に固定されることで、前方側横メンバー21、22の延長部21a、22aは、第1取り付けボルト66および第1パイプナット63により、対応するサイドシル6の内側サイドシル61に結合されることができる。このように、前方側横メンバー21、22の延長部21a、22aがサイドシル6の内側サイドシル61に結合されることで、内側サイドシル61は、それ自体の強度および剛性が強化されることができ、そこで、内側サイドシル61は、高強度領域a1であってもよい。そして、サイドシル6の外側サイドシル62は、前方側横メンバー21、22の延長部21a、22aと直接的に連結されないため、外側サイドシル62は、低強度領域a2であってもよい。すなわち、サイドシル6は、第1パイプナット63または内側サイドシル61の下側フランジ61dを基準に、高強度領域a1と低強度領域a2に区分することができる。そこで、車両の側面衝突時、サイドシル6の低強度領域a2に該当する外側サイドシル62は、衝突エネルギーにより容易に変形することでその衝突エネルギーを吸収することができ、サイドシル6の高強度領域a1に該当する内側サイドシル61は、前方側横メンバー21、22の延長部21a、22aに結合されることでその変形が最大限抑制されることができ、そこで、水素タンク5が損傷するのを防止することができる。
【0064】
図8を参照すると、サイドシル6は、その内側キャビティに取り付けられたサイドシル補強材68をさらに含むことができる。サイドシル補強材68は、ブラケット(図示せず)などを介して各サイドシル6の内側キャビティに固定的に取り付けられることができ、サイドシル補強材68は、サイドシル6の長さ方向に沿って延びることができる。例えば、サイドシル補強材68は、アルミニウムまたはアルミニウム合金材質の押出材であってもよい。第1パイプナット63の少なくとも一部がサイドシル補強材68に埋め込まれることができ、これにより、第1パイプナット63の支持剛性が大幅に強化できるため、一部の横メンバー21、22の各延長部21a、22aは、サイドシル6にさらに堅固に結合されることができる。
【0065】
図4および図5を参照すると、各縦メンバー11は、各縦メンバー11からそれに隣接した各フロア縦メンバー2に向かって延びた取り付けブラケット17をさらに含むことができ、取り付けブラケット17は、対応する各フロア縦メンバー2に結合されることができる。一例によると、取り付けブラケット17および縦メンバー11は単一体を形成することができる。
【0066】
本発明の実施形態によると、複数の取り付けブラケット17が支持フレーム10の各縦メンバー11からそれに隣接した各フロア縦メンバー2に向かって延びることができる。
【0067】
図7を参照すると、取り付けブラケット17は、取り付け穴17aを有することができ、第2パイプナット71は、フロア縦メンバー2の内側キャビティに固定的に取り付けられることができ、取り付けブラケット17の取り付け穴17aは、第2パイプナット71のネジ穴(threaded hole)に整列することができる。第2取り付けボルト72が取り付けブラケット17の取り付け穴17aおよび第2パイプナット71を通過し、第2取り付けボルト72の雄ネジ部が第2パイプナット71の雌ネジ部にネジ結合されることで、縦メンバー11の取り付けブラケット17は、対応するフロア縦メンバー2に堅固に結合されることができる。
【0068】
このように、1対の縦メンバー11が複数の取り付けブラケット17を介して1対のフロア縦メンバー2に堅固に結合されることで、支持フレーム10は、車体側に堅固に結合されることができる。これにより、水素タンク5を支持する支持フレーム10の支持剛性および車体の剛性および強度などを強化することができる。
【0069】
図9を参照すると、複数のシートスライドレール81は、フロア1の上面に取り付けられることができ、複数のシートスライドレール81は、車両シートの移動をガイドするように構成されることができ、そこで、車両シートの位置が調節されることができる。各シートスライドレール81は、車両の長さ方向に沿って延びることができる。1対の縦メンバー11は、2個のシートスライドレール81に対して個別に整列することができ、各縦メンバー11は、対応するシートスライドレール81に対して垂直に整列することができる。
【0070】
1対の縦メンバー11は、締結具、溶接などにより、複数のフロア横メンバー4のうち少なくとも一部のフロア横メンバー4に結合されることができる。一部のフロア横メンバー4は、その内側キャビティに固定的に取り付けられた第3パイプナット83を有することができる。上側ボルト82が各シートスライドレール81を貫通し、上側ボルト82のネジ部が第3パイプナット83の上側雌ネジ部にネジ結合されることができる。すなわち、各シートスライドレール81は、上側ボルト82および第3パイプナット83を介して一部のフロア横メンバー4に連結されることができる。下側ボルト84が縦メンバー11およびフロア横メンバー4を貫通し、下側ボルト84のネジ部が第3パイプナット83の下側雌ネジ部にネジ結合されることができる。すなわち、各縦メンバー11は、下側ボルト84および第3パイプナット83を介して一部のフロア横メンバー4に連結されることができる。特に、支持フレーム10の各縦メンバー11は、第3パイプナット83の長さ方向の軸線に沿って、対応するシートスライドレール81に整列し連結されることができる。
【0071】
このように、縦メンバー11がフロア横メンバー4、第3パイプナット83、およびボルト82、84を介してシートスライドレール81とともにフロア1に取り付けられることで、支持フレーム10は、車体に非常に堅固に取り付けられることができ、これにより、車体の剛性が大幅に強化されることができる。
【0072】
図10および図11を参照すると、1対のセンターピラー9がフロア1の両エッジから車両の高さ方向に沿って延びることができる。複数の横メンバー21、22、23、24のうち少なくとも1つの横メンバーは、1対のセンターピラー9に整列することができる。具体的に、第1前方側横メンバー21が1対のセンターピラー9に整列するように構成されることができ、1対の第1延長部21aが1対のサイドシル6に個別に結合されることで、各第1延長部21aの端部は、対応するセンターピラー9の下端に整列することができる。このように、第1前方側横メンバー21が1対のセンターピラー9に整列することで、第1前方側横メンバー21上に整列したフロア横メンバー4も、1対のセンターピラー9に整列することができる。このように、第1前方側横メンバー21が1対のセンターピラー9に整列することで、支持フレーム10は、車体のセンターピラー9とともに環状構造(loop structure)を形成することができ、これにより、車体の剛性を強化することができる。
【0073】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能である。
【0074】
したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0075】
1:フロア
2:フロア縦メンバー
3:ステップ
4:フロア横メンバー
5:水素タンク
5a:取り付けネック
6:サイドシル
7:連結メンバー
8:補強材
9:センターピラー
10:支持フレーム
11:縦メンバー
12a:第1前方側垂直メンバー
12b:第2前方側垂直メンバー
12c:第1後方側垂直メンバー
12d:第2後方側垂直メンバー
16:支持ブロック
16a:キャビティ
21:第1前方側横メンバー
21a:第1延長部
22:第2前方側横メンバー
22a:第2延長部
23:第1後方側横メンバー
24:第2後方側横メンバー
61:内側サイドシル
62:外側サイドシル
63:第1パイプナット
66:第1取り付けボルト
71:第2パイプナット
72:第2取り付けボルト
81:シートスライドレール
83:第3パイプナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11