(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085201
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】光学照準器
(51)【国際特許分類】
F41G 1/38 20060101AFI20230613BHJP
G02B 23/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
F41G1/38
G02B23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165496
(22)【出願日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】17/545,382
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
2.SWIFT
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4.MATLAB
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(71)【出願人】
【識別番号】512002367
【氏名又は名称】トリジコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIJICON,INC.
【住所又は居所原語表記】49385 Shafer Avenue, Wixom,Michigan 48393 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ジェレマイア・マウリシオ
【テーマコード(参考)】
2H039
【Fターム(参考)】
2H039AB63
2H039AB68
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1の焦点面レチクルを第2の焦点面ディスターブドレチクルで複製(複写、再現)する光学照準器を提供する。
【解決手段】光学照準器は、レンズアセンブリ、デジタルレチクルディスプレイ、倍率調整器、及びコントローラを有する。倍率調整器は、ユーザによって調整されるように構成されている。コントローラは、リアルタイム倍率に基づいてデジタルレチクルディスプレイ上にレチクルを表示するように構成され、また倍率調整器の位置に基づいてリアルタイム倍率を決定するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリと、
デジタルレチクルディスプレイと、
ユーザによって調整されるように構成されている倍率調整器と、及び
リアルタイム倍率に基づいて前記デジタルレチクルディスプレイ上にレチクルを表示するように構成されているコントローラとを備え、前記コントローラは、前記倍率調整器の位置に基づいて前記リアルタイム倍率を決定するように構成されている、光学照準器。
【請求項2】
前記レチクルは、一次照準点および二次照準点を有する、請求項1に記載の光学照準器。
【請求項3】
前記コントローラは、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記一次照準点の倍率を制御するように構成されている、請求項2に記載の光学照準器。
【請求項4】
前記コントローラは、前記二次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されている、請求項3に記載の光学照準器。
【請求項5】
前記コントローラは、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記二次照準点の倍率を制御するように構成されている、請求項3に記載の光学照準器。
【請求項6】
前記コントローラは、前記一次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されている、請求項2に記載の光学照準器。
【請求項7】
前記コントローラは、前記二次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されている、請求項6に記載の光学照準器。
【請求項8】
前記コントローラは、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記二次照準点の倍率を制御するように構成されている、請求項6に記載の光学照準器。
【請求項9】
前記一次照準点は、水平十字線および垂直十字線を含んでおり、また前記二次照準点は円形照準点である、請求項2に記載の光学照準器。
【請求項10】
前記倍率調整器は、調整リング、少なくとも1つのボタン、またはダイヤルである、請求項1に記載の光学照準器。
【請求項11】
レチクルディスプレイを調整する方法であって、
コントローラによって、倍率調整器の動作を検出し、
前記倍率調整器の動作を検出することにより、前記コントローラによって、リアルタイム倍率を決定し、
前記リアルタイム倍率に基づいて、前記コントローラによって、レチクルの倍率を決定し、及び
前記レチクルをデジタルディスプレイに表示する、方法。
【請求項12】
前記レチクルは、一次照準点および二次照準点を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラによって、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記一次照準点の倍率を制御することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラによって、前記二次照準点の倍率が一定となるように制御することを更に備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラによって、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記二次照準点の倍率を制御することを更に備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラによって、前記一次照準点の倍率が一定となるように制御することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラによって、前記二次照準点の倍率が一定となるように制御することを更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラによって、前記リアルタイム倍率に対応するように、前記二次照準点の倍率を制御することを更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記倍率調整器は、調整リング、少なくとも1つのボタン、またはダイヤルである、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記リアルタイム倍率を決定することは、前記倍率調整器のリアルタイム位置を決定すること、及び前記倍率調整器の前記リアルタイム位置に基づいて前記リアルタイム倍率を決定することを有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学照準器(オプティカルサイト)に関し、より具体的には、第1の焦点面レチクルを第2の焦点面ディスターブド(disturbed)レチクルで複製(複写、再現)する光学照準器に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、必ずしも従来技術ではない、本開示に関する背景情報を提示する。
【0003】
光学照準器は、少なくとも1つのレンズを含むものである。光学系の焦点距離は、レンズと焦点との間の距離として測定される。凸レンズは正の焦点距離を生成し、一方、凹レンズは負の焦点距離を生成する。これにより、光学照準器が、対物レンズアセンブリ、リレーアセンブリ、およびアイピース(接眼レンズ、対眼レンズ)を含む場合は、光学照準器は、対物焦点距離、リレー焦点距離、および接眼レンズ焦点距離も含む。光学照準器の全体の焦点距離は、サブシステムの焦点距離の合計である。
【0004】
焦点を通り、そしてレンズを通る軸に沿った平面が、焦点面である。第1の焦点面において、レチクルは、倍率範囲全体に亘って、その範囲に対応する。第2の焦点面において、レチクルは、倍率範囲全体に亘って一定のままである。シースルータイプのデイオプティック(Day Optic)においては、レチクルは、光学レンズ上で照らされるか、または暗くなり、また光学の倍率で拡大される場合とされない場合がある。デジタル光学においては、レチクルは、一般に、表示されるターゲット画像と倍率を一致させるように表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本節では、本開示の全体的な概要が提供されるが、本開示の範囲全体又は全ての特徴が包括的に開示されるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による例示的な光学照準器は、レンズアセンブリ、デジタルレチクルディスプレイ、倍率調整器、およびコントローラを含むものである。倍率調整器は、ユーザによって調整されるように構成されている。コントローラは、リアルタイム倍率に基づいてデジタルレチクルディスプレイ上にレチクルを表示するように構成され、また倍率調整器の位置に基づいてリアルタイム倍率を決定するように構成されている。
【0007】
レチクルは、一次照準点および二次照準点を含んでいてもよい。
【0008】
コントローラは、リアルタイム倍率に対応するように、一次照準点の倍率を制御するように構成されてもよい。
【0009】
コントローラは、二次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されてもよい。
【0010】
コントローラは、リアルタイム倍率に対応するように、二次照準点の倍率を制御するように構成されてもよい。
【0011】
コントローラは、一次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されてもよい。
【0012】
コントローラは、二次照準点の倍率が一定となるように制御するように構成されてもよい。
【0013】
コントローラは、リアルタイム倍率に対応するように、二次照準点の倍率を制御するように構成されてもよい。
【0014】
一次照準点は、水平十字線および垂直十字線を含んでもよく、また二次照準点は円形照準点である。
【0015】
倍率調整器は、調整リング、少なくとも1つのボタン、またはダイヤルであってもよい。
【0016】
本開示によるレチクルディスプレイを調整するための例示的な方法は、コントローラによって倍率調整器の動き(動作、変化)を検出すること、倍率調整器の動きを検出することに基づいて、コントローラによってリアルタイム倍率を決定すること、リアルタイム倍率に基づいて、コントローラによってレチクルの倍率を決定すること、およびレチクルをデジタルディスプレイに表示することを含むものである。
【0017】
レチクルは、一次照準点および二次照準点を含んでいてもよい。
【0018】
例示的な方法は、コントローラによって、リアルタイム倍率に対応するように一次照準点の倍率を制御することをさらに含んでいてもよい。
【0019】
例示的な方法は、コントローラによって、二次照準点の倍率が一定となるように制御することをさらに含んでいてもよい。
【0020】
例示的な方法は、コントローラによって、リアルタイム倍率に対応するように二次照準点の倍率を制御することをさらに含んでいてもよい。
【0021】
例示的な方法は、コントローラによって、一次照準点の倍率が一定となるように制御することをさらに含んでいてもよい。
【0022】
例示的な方法は、コントローラによって、二次照準点の倍率が一定となるように制御することをさらに含んでいてもよい。
【0023】
例示的な方法は、コントローラによって、リアルタイム倍率に対応するように二次照準点の倍率を制御することをさらに含んでいてもよい。
【0024】
倍率調整器は、調整リング、少なくとも1つのボタン、またはダイヤルであってもよい。
【0025】
リアルタイム倍率を決定することは、倍率調整器のリアルタイム位置を決定することと、そして倍率調整器のリアルタイム位置に基づいて、リアルタイム倍率を決定することとを含んでいてもよい。
【0026】
更なる適用分野は本明細書に提示される記載から明らかとなるであろう。本概要における記載及び特定の例は、例示または説明の目的のためだけに意図されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0027】
本明細書に記載されている図面は、選択された実施形態(実施例)の例示または説明のみを目的としており、可能な実施態様の全てではなく、そして図面は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本開示による例示的な光学照準器の概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示による別の例示的な光学照準器の概略図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示による別の例示的な光学照準器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【0030】
以下に、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより詳細に説明する。
【0031】
例示的な実施形態は、本開示が綿密なものとなるように、かつその範囲を当業者に十分に伝えるように提示される。特定の構成部材、装置、及び方法の例のような多くの具体的な内容は、本開示の実施形態の完全な理解を与えるために記載される。具体的な内容は必ずしも使用(記載)しなくてもよいこと、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具現することができること、及び例示的な実施形態は本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態では、既知のプロセス、既知の装置構造、及び既知の技術は、詳細には説明しない。
【0032】
本明細書において用いられている専門用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書において用いられる場合、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことをはっきりと示していない限り、複数形も含むことを意図し得るものである。用語「備える(comprises、comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は包括的なものであり、したがって、述べられている特徴、整数、ステップ、動作(操作)、要素及び/又は構成部材の存在を明示しているものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作(操作)、要素、構成部材及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではない。本明細書に記載の方法ステップ、プロセス、及び動作(操作)は、実施順序として具体的に明記されていない限り、ここで説明又は例示されている特定の順序で必ず実施されるものと解釈するべきではない。付加的又は代替的なステップを用いることができることも理解するべきである。
【0033】
或る要素又は層が、他の要素又は層「の上にある(に接している)(on)」、「に係合される(engaged to)」、「に接続される(connected to)」、又は「に連結される(coupled to)」、ものと言及されている場合、或る要素又は層は、他の要素又は層の直接上にある、直接係合される、直接接続される、若しくは直接連結される、場合もあり、又は間に介在する要素又は層が存在する場合もある。対照的に、或る要素が別の要素又は層「の直接上にある」、「に直接係合される」、「に直接接続される」、又は「に直接連結される」、ものと言及されている場合、間に介在する要素又は層は存在しなくてもよいものである。要素間の関係を説明するために用いられている他の語句も同様に(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接した」対「直接隣接した」等)解釈するべきである。本明細書において用いられる場合、用語「及び/又は」は、関連の列挙されたもののうちの1つ又は複数のあらゆる全ての組み合わせを含むものである。
【0034】
種々の要素、構成部材、領域、層、及び/又はセクションを説明するために、第1の、第2の、第3の等の用語を本明細書において用いることができるが、これらの要素、構成部材、領域、層、及び/又はセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、或る要素、構成部材、領域、層、又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためだけに用いることができる。本明細書において用いられる場合の「第1の」、「第2の」、及び他の数詞的な用語等の用語は、文脈によってはっきりと示されていない限り、或るシーケンス又は順序を示唆するものではない。したがって、以下に説明する第1の要素、構成部材、領域、層、又はセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく第2の要素、構成部材、領域、層、又はセクションと呼ぶことができるであろう。
【0035】
「内」、「外」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等のような、空間的に相対的な用語は、図面に示されているように、或る要素又は特徴部の、別の要素(複数の場合もある)又は特徴部(複数の場合もある)に対する関係を説明するための記載を容易にするために、本明細書において用いることができる。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加え、使用時又は動作時の装置の異なる向きを含むことを意図することができる。例えば、図面の装置を逆さにした場合、他の要素又は特徴部の「下方」又は「下」として記載されている要素は、他の要素又は特徴部の「上方」の向きになる。したがって、「下方」という例示的な用語は上方及び下方の向きの双方を含むことができる。装置は別様の向きにある(90度又は他の向きで回転されている)こともでき、本明細書において用いる空間的に相対的な記述はそれに従って解釈することができる。
【0036】
図1を参照すると、光学照準器10は、例えば、対物レンズアセンブリ14、リレーレンズアセンブリ18、接眼レンズアセンブリ22、またはこれらの組み合わせを含む、1つまたは複数のレンズアセンブリを含んでもよい。対物レンズアセンブリ14、リレーレンズアセンブリ18、および接眼レンズアセンブリ22は、ハウジング26内に支持されていてもよい。
【0037】
対物レンズアセンブリ14は、1つまたは複数の凸レンズ、1つまたは複数の凹レンズ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。対物レンズアセンブリ14は、望遠対物であってもよく、また一般的に光学照準器10の端部に近接して配置されてもよい。例えば、対物レンズアセンブリ14は、適切な接着剤によって一緒に固定された略ダブレット凸レンズと略凹凸レンズを有する平凸ダブレットレンズと平凸シングルレンズを含んでもよい。あるいは、対物レンズアセンブリ14は、レンズの任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0038】
リレーレンズアセンブリ18は、1つまたは複数の凸レンズ、1つまたは複数の凹レンズ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。リレーレンズアセンブリ18は、対物レンズアセンブリ14と接眼レンズアセンブリ22との間に配置されてもよい。リレーレンズアセンブリ18のレンズは、光学照準器10の倍率を調整するために、ハウジング26、対物レンズアセンブリ14、および接眼レンズアセンブリ22に対して移動してもよい。リレーレンズアセンブリ18の移動は、ハウジング26上の調整リング30によって、ハウジング26上のボタンなどのユーザ入力によって、ハウジング26上のダイヤルによって、または他の任意の方法で制御されてもよい。
【0039】
接眼レンズアセンブリ22は、1つまたは複数の凸レンズ、1つまたは複数の凹レンズ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。接眼レンズアセンブリ22は、一般に、対物レンズアセンブリ14から光学照準器10の反対側の端部に配置されてもよく、また両凸のシングルまたは実質的にダブレット凸型レンズであり得るアイピースレンズ、およびダブレット接眼レンズを含んでもよい。ダブレット凸型レンズは、適切な接着剤によって互いに固定された略ダブレット凸レンズと略ダブレット凹レンズとを含んでいてもよい。あるいは、接眼レンズアセンブリ22は、レンズの任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0040】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、光学照準器10は、リレーレンズアセンブリ18の代わりに、またはリレーレンズアセンブリ18に加えてカメラ34を追加的に含んでもよい。カメラ34は、対物レンズアセンブリ14に隣接して、及び/又はリレーレンズアセンブリ18に隣接して配置されてもよい。カメラ34は、処理されてユーザに提供されるターゲットシーンのデジタルビデオ画像を取り込んでもよい。ターゲットシーンは、対物レンズアセンブリ14に隣接するハウジング26の端部にある開口部36を介して取り込まれたシーンであってもよい。画像は、カメラ34によって連続的に取り込まれ、接眼レンズアセンブリ22に隣接して配置されるデジタルディスプレイなどのディスプレイ38を介して、ユーザにストリーミングされてもよい。
【0041】
例えば、ターゲットシーンからの光は、ハウジング26の端部の開口部36に入射し、対物レンズアセンブリ14およびリレーレンズアセンブリ18を通過し、そしてカメラ34によって取り込まれてもよい(
図2A参照)。あるいは、ターゲットシーンからの光は、開口部36に入射し、対物レンズアセンブリ14を通過し、そしてカメラ34によって取り込まれてもよい(
図2B参照)。そして、画像は、カメラ34またはコントローラ(後述)によって処理され、及び/又はディスプレイ38に提供されてもよい。例えば、画像は、カメラ34の光学ズーム及び/又はデジタルズーム機能によって提供された、ターゲットシーンのズーム(拡大)画像であってもよい。
【0042】
カメラ34は、様々なタイプのカメラのうちの1つであってもよい。カメラは、様々な波長の光を検出する、カメラセンサを含んでもよく、またはカメラセンサであってもよい。例えば、カメラ34は、可視光、赤外スペクトル波長、熱スペクトル波長、ハイパースペクトル波長、及び/又は用途において適切であり得る別のタイプのカメラの画像を取り込んでもよい。このように、高解像度デジタル画像、赤外線画像、熱画像、及び/又は任意の所望のスペクトルの他のタイプの画像が取り込まれてもよい。
【0043】
ディスプレイ38は、デジタルディスプレイなどの様々なタイプのディスプレイの1つであってもよい。例えば、ディスプレイは、液晶表示(LCD)画面などの画面、または他の表示画面を含んでもよい。ディスプレイ38は、カメラ34から、ターゲットシーンの処理されたズーム画像を受け取って(受信して)もよい。このように、ディスプレイ38は、高解像度デジタル画像、赤外線画像、熱画像、及び/又は任意の所望のスペクトルの他のタイプの画像をユーザに提供してもよい。
【0044】
図3および
図4を参照すると、レチクル300(300a、300b)は、リレーレンズアセンブリ18の前または後のレンズ304上、またはディスプレイ38上に表示されてもよい。光学照準器10をゼロに合わせる(照準を合わせる)とき(零点規正)、または環境条件を考慮してレチクル300の位置を調整するときに、リレーレンズアセンブリ18は、レチクル300の位置を調整するために使用される。リレーレンズアセンブリ18は、光学照準器10のハウジング内に配置されたメインチューブによって運ばれてもよく、そして旋回点を中心にメインチューブを回転させることによって、光学照準器のハウジングに対してメインチューブと共に移動させてもよい。
【0045】
あるいは、前述したように、レチクル300(300a、300b)は、ディスプレイ38によって表示されてもよい。照準を合わせるため、環境条件を考慮するため、推定の弾道降下及び/又は弾道経路を考慮するため、一次照準点および二次の、または精密な、照準点を提供するため、などのために、ディスプレイ38またはコントローラ(後述)は、レチクル300の位置を調整してもよい。ディスプレイ38は、ターゲットのデジタル画像と共に、ディスプレイ画面上にレチクル300のデジタル画像を提供してもよい。
【0046】
図3に示すように、レチクル300は、MOA(ミニット・オブ・アングル)レチクル300aであってもよく、例えば、ここで、100ヤードの距離において、ダッシュ間の距離は、ターゲットにおける1.047インチの高さを意味するものである。あるいは、例えば、
図4に示すように、レチクル300は、MILS(Mil(ミリラジアン))レチクル300bであってもよい。MILSレチクル300bにおいては、100ヤードにおいて、ドット間の距離は、ターゲットにおける3.6インチの高さを意味するものである。
【0047】
図5および
図6に示すように、第1の焦点面ディスプレイ400は、倍率に基づいてズームインまたはズームアウトするレチクル404を含み、それによりレチクル404が倍率範囲全体に亘って、その範囲に対応する。
図5において、ディスプレイ400は、低倍率(例えば、倍率1倍)で示されている。低倍率のレチクル404は、非常に小さく、かつ細く(薄く)見えるため、読み取りと活用が困難になることがある。
図6において、ディスプレイ400は、高倍率(例えば、倍率6倍)で示されている。高倍率のレチクル404は、非常に大きく見え、またターゲットと重なり合ったり、ターゲットを覆い隠すことがあり、ターゲットを見ることが困難になることがある。
【0048】
図7および
図8に示すように、第2の焦点面ディスプレイ500は、倍率が増減する際に一定のままとなるレチクル504を含む。
図7において、ディスプレイ500は、低倍率(例えば、倍率1倍)で示されている。
図8において、ディスプレイ500は、高倍率(例えば、倍率6倍)で示されている。レチクル504は、倍率範囲全体に亘って一定のままであるため、レチクル504は、それぞれの所定の設定において、固有の弾道降下の推定値を必要としてもよい。
【0049】
ここで
図9を参照すると、光学照準器10は、ディスターブド(disturbed)レチクル600を、変倍システムに統合してもよい。第1の焦点面レチクルは、第2の焦点面ディスターブドレチクルによって複製(複写、再現)されてもよい。ディスターブドレチクル600は、視界に1つまたは2つの照準点を提供してもよい。一次照準点604は、ボアサイト上にあるか、またはレチクル600の中心照準点である。一次照準点604は、一次垂直十字線608と一次水平十字線612との間の交点によって定義されてもよい。一次照準点604は、最初にターゲット追跡をしたり、経路および弾道降下を得るために、しばしば使用される。経路および弾道降下の計算が完了した後、推定される弾丸着弾点を示すために二次照準点616が表示される。二次照準点616は、環境条件、推定経路、推定弾道降下などを考慮してもよい。二次照準点616は、発射前に武器操作者の照準を正確にする(精密化する)ために使用される。
【0050】
図10を参照すると、二次照準点616は、レチクル504と同様に、倍率が増減する際に一定のままである、第2の焦点面レチクルであってもよい。一次照準点604は、レチクル404と同様に、倍率範囲全体に亘って、その範囲に対応する、第1の焦点面レチクルであってもよい。あるいは、一次照準点604および二次照準点616は、両方とも、レチクル504と同様に、倍率が増減する際に一定のままである、第2の焦点面レチクルであってもよい。
【0051】
図11を参照すると、光学照準器10は、レンズ調整機構704とコミュニケーションをとるコントローラ700を含んでもよい。レンズ調整機構704は、光学照準器10の倍率を変更するためにユーザによってなされる調整を決定してもよい。調整機構704は、リレーアセンブリ18の動きを測定するセンサ、カメラ34の倍率を測定するセンサ、ダイヤルの回転を測定するセンサ、ハウジング26上の調整リング30の回転を測定するセンサ、ボタンなどのユーザ入力の操作を検出するセンサ、などであってもよい。調整機構704は、調整リング30の位置、ダイヤルの位置、カメラ34の倍率、またはユーザ入力を提供してもよい。
【0052】
コントローラ700は、本明細書に記載される機能を実行するためのプログラミングおよびメモリ708を含む制御モジュールまたは制御回路であってもよい。コントローラ700は、調整機構704の位置を受け取って(受信して)もよく、そしてリアルタイム倍率を決定してもよい。例えば、レンズ調整機構704が調整リング30である場合、レンズ調整機構704は、レンズ調整機構704の調整位置をコントローラ700に送って(送信して)もよい。コントローラ700は、記憶されたマップまたはチャート(メモリ708に記憶された)に従って、調整位置をマグニチュード(大きさ)と相互に関連させてもよい。相互に関連させたマグニチュードは、リアルタイムマグニチュードである。
【0053】
一旦、コントローラ700がリアルタイムマグニチュードを確立すると、コントローラ700は、光学照準器10のマグニチュードと相互に関連するようにレチクルサイズを調整してもよい。例えば、コントローラ700は、メモリ708に記憶されたマップまたはチャートに従って、レチクルサイズをリアルタイムマグニチュードと相互に関連するようにしてもよい。
【0054】
コントローラ700は、リアルタイムマグニチュードから決定されたレチクルサイズを表示するために、レチクルディスプレイ712とコミュニケーションをとってもよい。レチクルディスプレイ712は、一次垂直十字線608と一次水平十字線612との間の交点において、一次照準点604を照らしてもよく、二次照準点616を照らしてもよく、またはリアルタイムマグニチュードから決定されるレチクルサイズに従ってこれらの組み合わせを照らしてもよい。レチクルディスプレイ712は、デジタルディスプレイ38にデジタルレチクルを表示してもよい。
【0055】
例えば、コントローラ700は、第1の焦点面レチクルを、第2の焦点面ディスターブドレチクルで複製(複写、再現)してもよい。コントローラ700は、デジタルレチクルをリアルタイムマグニチュード(すなわち、ズーム移動)で調整することで、レチクルを第1の焦点面変倍スコープのように動作させてもよい。
【0056】
例えば、コントローラ700は、レチクルディスプレイ712を制御して、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612を、第1の焦点面ディスプレイ400として表示してもよい。コントローラ700は、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612を制御することで、倍率に基づいてズームインまたはズームアウトしてもよい、それにより、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612は、倍率範囲全体に亘って、その範囲に対応する。
【0057】
例えば、コントローラ700は、レチクルディスプレイ712を制御して、二次照準点616を、第1の焦点面ディスプレイ400として、および第1の焦点面ディスターブドレチクルとして、表示してもよい。コントローラ700は、二次照準点616を制御することで、倍率に基づいてズームインまたはズームアウトしてもよい、それにより、二次照準点が倍率範囲全体に亘って、その範囲に対応する。
【0058】
あるいは、コントローラ700は、上述のように、レチクルディスプレイ712を制御して、第1の焦点面ディスプレイ400として、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612を表示してもよく、そして第2の焦点面ディスプレイ500および第2の焦点面ディスターブドレチクルとして、二次照準点616を表示してもよい。コントローラ700は、二次照準点616を制御して、倍率範囲全体に亘って一定としてもよい、それにより、倍率が増減する際に、二次照準点616が一定のままとなる。
【0059】
あるいは、コントローラ700は、前述したように、レチクルディスプレイ712を制御して、第1の焦点面ディスプレイ400として二次照準点616を表示し、そして第2の焦点面ディスプレイ500として、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612を表示してもよい。コントローラ700は、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612を制御して、倍率範囲全体に亘って一定としてもよく、それにより、倍率が増減する際に、一次照準点604、一次垂直十字線608、および一次水平十字線612の倍率を一定のままとする。
【0060】
ここで
図12を参照すると、光学照準器10にレチクルを表示するための方法800が図示されている。方法800は804から開始される。808において、光学照準器10は、倍率調整が検出されたか否かを判定する。例えば、光学照準器10のコントローラ700は、光学照準器10の倍率を変更するために、ユーザによってなされた調整を決定するためのレンズ調整機構704からの出力を受け取って(受信して)もよい。例えば、調整機構704は、調整リング30の位置、ダイヤルの位置、カメラ34の倍率、またはユーザ入力を提供する、センサ、ボタン、または別のユーザ入力であってもよい。
【0061】
もしも倍率調整が検出されない場合は、方法800は808に戻る。もしも倍率調整が808で検出された場合は、方法800は812に進む。調整機構704の位置が、812で決定される。例えば、コントローラ700が、調整機構704の位置を受け取って(受信して)もよい。調整機構704の位置は、調整リング30の位置、ダイヤルの位置、ユーザ入力などの形態であってもよい。
【0062】
816において、リアルタイム倍率が決定される。例えば、コントローラ700は、調整機構704の調整位置から、リアルタイム倍率を決定してもよい。リアルタイムマグニチュードは、記憶されたマップまたはチャートに従って、調整位置をマグニチュードと相互に関連させることによって決定されてもよい。
【0063】
820において、レチクルサイズが決定されてもよい。例えば、コントローラ700は、リアルタイムマグニチュードからレチクルサイズを決定してもよい。例えば、コントローラ700は、記憶されたマップまたはチャートに従って、レチクルサイズをリアルタイムマグニチュードと相互に関連させてもよい。
【0064】
824において、レチクルが表示される。例えば、レチクルは、レチクルディスプレイ712上に照らされてもよい。レチクルディスプレイ712は、一次垂直十字線608と一次水平十字線612との間の交点で一次照準点604を照らしてもよく、二次照準点616を照らしてもよく、またはレチクルサイズに従ってこれらの組み合わせを照らしてもよい。例えば、レチクルディスプレイ712は、デジタルディスプレイ38上にデジタルレチクルを表示してもよい。
【0065】
例えば、コントローラ700は、第1の焦点面レチクルを、第2の焦点面ディスターブドレチクルで複製(複写、再現)してもよい。コントローラ700は、デジタルレチクルをリアルタイムマグニチュード(すなわち、ズーム移動)で調整することで、レチクルを第1の焦点面変倍スコープのように動作させてもよい。
【0066】
828において、方法800は終了する。
【0067】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、また、本開示、その適用、または使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、本図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を検討することにより、他の変更が明らかになるため、本開示の真の範囲は、限定されるべきではない。本明細書および特許請求の範囲において、方法内の1つまたは複数のステップは、本開示の原則(本質)を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよい。同様に、非一時的なコンピュータ読取可能媒体に記憶された1つまたは複数の命令は、本開示の原則(本質)を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよい。別段の指摘がない限り、命令または方法ステップの番号付けまたはその他のラベル付けは、固定された順序を示すためではなく、便宜上参照のために行われる。
【0068】
さらに、本実施例のそれぞれは、特定の特徴を有するものとして上に記載されているが、本開示の任意の実施例に関して記載されているこれらの特徴のいずれか1つまたは複数は、たとえその組み合わせが、明確に説明されていないとしても、任意の他の実施例の特徴中で、及び/またはそれと組み合わすことによって、実施されることができる。言い換えれば、記述された実施例は、相互に排他的ではなく、そして、1つまたは複数の実施例の相互の順序の変更は、本開示の範囲内である。
【0069】
要素間(たとえば、モジュール間、回路要素間、半導体層の間など)の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「結合」、「隣接」、「隣」、「上」、「上方」、「下」、及び「配置」などのさまざまな用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に説明されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上述の開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得る、しかし、また、その関係は、1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)第1の要素と第2の要素の間に存在する間接的な関係でもあり得る。
【0070】
「A、B、及びCの少なくとも1つ」という句は、非排他的論理「OR」を使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、また、その句は、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。「セット(set)」という用語は、必ずしも空の(何もない)セット(empty set)を除外するものではない。言い換えれば、状況によっては、「セット」はゼロ要素であることがある。空でないセット(non-empty set)という用語は、空のセットの除外を指し示すために使われてもよい。言い換えれば、空でないセットには常に1つまたは複数の要素がある。サブセットという用語は、必ずしも適切なサブセットを必要としない。言い換えれば、第1のセットの「サブセット」は、第1のセットと同一の広がりを有する(等しい)と解釈されることができる。さらに、「サブセット」という用語は、必ずしも空のセットを除外するものではなく、状況によっては「サブセット」はゼロの要素であることがある。
【0071】
図面において、矢印で示されている矢の方向は、一般に、イラストに関係する情報(データや指示など)の流れを示すものである。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換する場合で、要素Aから要素Bに送信される情報がイラストに関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことができる。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aに送信される他の情報がないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、情報の要求または受信確認を要素Aに送信することができる。
【0072】
本出願において、以下の定義を含むものである。「モジュール」という用語は、「コントローラ」という用語または「回路」という用語に置き換えることができる。本出願において、「コントローラ」という用語を「モジュール」という用語に置き換えることができる。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサハードウェア(共有、専用、またはグループ)、プロセッサハードウェアによって実行されるコードを保存するメモリハードウェア(共有、専用、またはグループ)、記載された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、または、システムオンチップなどにおける上記の一部または全部の組み合わせ、を指すか、その一部であるか、またはそれを含む場合がある。
【0073】
モジュールは、1つまたは複数のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線または無線のインターフェースを実装することができる。LANの例としては、米国電気電子学会(IEEE)標準802.11-2020(WIFIワイヤレスネットワーク標準としても知られる)及びIEEE標準802.3-2018(ETHERNET有線ネットワーク標準としても知られる)がある。WPANの例としては、IEEE標準802.15.4(ZigBee AllianceによるZIGBEE(登録商標)標準を含む)及びBluetooth Special Interest Group(SIG)によるブルートゥース(登録商標)(BLUETOOTH(登録商標))無線通信網標準(Bluetooth SIGによる、Core Specification versions 3.0、4.0、4.1、4.2、5.0、及び5.1を含む)がある。
【0074】
モジュールは、インターフェース回路を使用して他のモジュールと通信することができる。本開示においてのモジュールは、論理的に他のモジュールと直接通信するように示されている場合もあるが、様々な実施において、モジュールは、実際には通信システムを介して通信することができる。通信システムには、例えば、ハブ、スイッチ、ルーター、及びゲートウェイなどの物理的及び/または仮想ネットワーク機器が含まれる。いくつかの実装形態では、通信システムは、例えば、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続するか、またはそれと交差(それを通過)する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)や仮想プライベートネットワーク(VPNs)を含む技術を使用して、インターネットまたはポイントツーポイント専用回線を介して相互に接続された複数のLANを含むことができる。
【0075】
様々な実装形態において、モジュールの機能は、通信システムを経由して接続されている複数のモジュール間で分散されることができる。例えば、複数のモジュールは、負荷分散システムによって分配された同じ機能を実装することができる。さらに別の例では、モジュールの機能は、サーバー(遠隔またはクラウドとしても知られる)モジュールとクライアント(またはユーザ)モジュールとの間で分割されてもよい。例えば、クライアントモジュールは、クライアントデバイスで実行され、かつサーバーモジュールとネットワーク通信をすることにより実行される、ネイティブまたはウェブアプリケーションを含んでもよいものである。
【0076】
モジュールの幾つかまたはすべてのハードウェア機能は、例えば、IEEE標準1364-2005(一般に「Verilog」と呼ばれる)やIEEE標準1076-2008(一般に「VHDL」と呼ばれる)などのハードウェア記述言語を使用して、規定されることができる。ハードウェア記述言語は、ハードウェア回路を製造及び/またはプログラムするために使用されることができる。いくつかの実装形態では、モジュールの幾つかまたはすべての機能は、後述のコードとハードウェア記述の両方を含むIEEE 1666-2005(一般に「SystemC」と呼ばれる)などの言語によって規定されることができる。
【0077】
上述で使用されたコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/またはマイクロコードを含むことができ、また、それは、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサハードウェアは、複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを実行する単一のマイクロプロセッサを包含するものである。グループプロセッサハードウェアは、1つまたは複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを実行する、追加のマイクロプロセッサと組み合わされたマイクロプロセッサを包含するものである。複数のマイクロプロセッサと言及する時は、個別のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のマイクロプロセッサの複数のコア、単一のマイクロプロセッサの複数のスレッド、または上述の組み合わせ、を含むものである。
【0078】
メモリハードウェアは、データをコードと一緒に、またはコードから分離して(コードとは別に)、保存することもできる。共有メモリハードウェアは、複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを保存する単一のメモリデバイスを含む。共有メモリハードウェアの1つの例は、マイクロプロセッサダイ上またはその近くにあるレベル1キャッシュであってもよく、それは複数のモジュールからのコードを保存することができる。共有メモリハードウェアの別の例は、複数のモジュールからのコードを保存することができるソリッドステートドライブ(SSD)などの永続的ストレージであってもよい。グループメモリハードウェアは、他のメモリデバイスと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを保存するメモリデバイスを含むものである。グループメモリハードウェアの1つの例は、複数の物理デバイスにまたがる特定のモジュールのコードを保存することができる、ストレージエリアネットワーク(SAN)である。グループメモリハードウェアの別の例は、特定のモジュールのコードを幾つかのサーバーを組み合わせて保存する1セットの一連のサーバーのうちの、各サーバーのランダムアクセスメモリである。
【0079】
メモリハードウェアという用語は、コンピュータ読取可能媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ読取可能媒体という用語は、媒体(搬送波上など)を通って伝搬する一時的な電気信号または電磁信号を包含するものではない。従って、コンピュータ読取可能媒体という用語は、有形で非一時的であると見なされるものである。非一時的なコンピュータ読取可能媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリデバイス(フラッシュメモリデバイス、消去可能なプログラム可能な読取専用メモリデバイス、またはマスク読取専用メモリデバイスなど)、揮発性メモリデバイス(静的ランダムアクセスメモリデバイスまたは動的ランダムアクセスメモリデバイスなど)、磁気記憶メディア(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、及び光記憶メディア(CD、DVD、またはブルーレイディスクなど)である。
【0080】
本出願で説明される装置および方法は、コンピュータプログラムに具体化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって、部分的または完全に実施されることができる。そのような装置と方法は、電子化(コンピュータ化された)装置および電子化(コンピュータ化された)方法として記載されてもよい。上述の機能ブロック及びフローチャート要素は、ソフトウェア仕様として機能し、熟練した技術者またはプログラマーの定型業務によって、コンピュータプログラムに変換することができる。
【0081】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ読取可能媒体に記憶されているプロセッサ実行可能命令を含んでいる。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、またはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと情報を交換する基本的な入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと情報を交換するデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーションシステム、ユーザーアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
【0082】
コンピュータプログラムは、次のものを含むことができる: (i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(JavaScriptオブジェクト表記)などの解析される説明文、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行用のソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行用のソースコードなど。単なる例として、ソースコードは、次に挙げる言語の構文を使用して記述できる: C,C++,C#,Objective-C,Swift,Haskell,Go,SQL,R,Lisp,Java(登録商標),Fortran,Perl,Pascal,Curl,OCaml,Javascript(登録商標),HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision),Ada,ASP(Active Server Pages),PHP(PHP: Hypertext Preprocessor),Scala,Eiffel,Smalltalk,Erlang,Ruby,Flash(登録商標),Visual Basic(登録商標),Lua,MATLAB,SIMULINK,及びPython(登録商標)。
【外国語明細書】