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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085220
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】電界発光表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/06 20060101AFI20230613BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20230613BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230613BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230613BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230613BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20230613BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230613BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20230613BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20230613BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230613BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H05B33/06
H05B33/22 Z
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/12 B
H05B33/10
H05B33/22 C
H05B33/22 A
G09F9/30 365
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187944
(22)【出願日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174585
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ガンヒョン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC12
3K107CC35
3K107CC45
3K107DD37
3K107DD38
3K107DD89
3K107DD92
3K107DD93
3K107EE03
3K107FF15
5C094AA05
5C094AA14
5C094BA27
5C094EA04
5C094FA02
5C094JA08
5G435AA01
5G435BB05
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】電界発光表示装置1000は、基板100と、基板100の上部の第1電極160と、基板100の上部に、第1電極160と同じ物質で形成される接続パターン162と、第1電極160および接続パターン162の端部を覆うバンクと、接続パターン162に対応するバンクの上部の補助バンク200と、第1電極160の上部の発光層180と、発光層180、バンクおよび補助バンク200の上部に位置し、接続パターン162に接触する第2電極190とを含み、補助バンク200は、その側面が逆傾斜となっており、発光層180は正孔補助層、発光物質層184および電子補助層を含み、電子補助層は、接続パターン162を露出する開口を有し、第2電極190は開口を介し、接続パターン162に接触する。
【効果】第2電極の抵抗を下げることができ、また、補助バンクにより第2電極と接続パターンを直接接触させ、電気的接触特性を向上させ得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上部の第1電極と、
前記基板の上部に、前記第1電極と同じ物質で形成される接続パターンと、
前記第1電極および前記接続パターンの端部を覆うバンクと、
前記バンクの上部の補助バンクと、
前記第1電極の上部の発光層と、
前記発光層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に位置し、前記接続パターンに接触する第2電極とを含み、
前記補助バンクは、その側面が逆傾斜となっており、
前記発光層は正孔補助層、発光物質層および電子補助層を含み、前記電子補助層は、前記接続パターンを露出する開口を有し、前記第2電極は前記開口を介し、前記接続パターンに接触する電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第2電極は、前記補助バンクの側面に接触する、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項3】
前記補助バンクの側面は、前記基板に対し、120度より大きく、150度より小さい逆傾斜角度を持つ、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項4】
前記補助バンクは、1.5μmより大きく、2.0μmより小さい厚さを持つ、請求項3に記載の電界発光表示装置。
【請求項5】
前記バンクは、前記接続パターンを露出するコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールと前記補助バンクとの間において前記バンクの上面が露出される、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記コンタクトホールと前記補助バンクとの間において露出された前記バンクの上面に接触する、請求項5に記載の電界発光表示装置。
【請求項7】
前記正孔補助層と前記発光物質層のそれぞれは、少なくとも一側面が前記バンクにより取り囲まれ、
前記電子補助層は、前記バンク、前記補助バンクおよび前記接続パターンの上部に位置し、前記補助バンクの上部の前記電子補助層は、前記バンクの上部の電子補助層および前記接続パターンの上部の電子補助層とは分離されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電界発光表示装置。
【請求項8】
前記基板と前記第1電極との間に少なくとも1つの薄膜トランジスタをさらに含み、前記第1電極は、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタと接続される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電界発光表示装置。
【請求項9】
前記バンクは、親水性の第1バンクと疎水性の第2バンクとを含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第1バンクと前記第2バンクは、一体に形成される、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項11】
一方向に沿って隣接する画素領域の発光層は、互いに一体として接続される、請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
基板の上部に第1電極および接続パターンを形成する段階と、
前記第1電極および前記接続パターンの上部にバンクを形成する段階と、
前記バンクの上部に位置する、逆傾斜した側壁を有する補助バンクを形成する段階と、
前記第1電極の上部に発光層を形成する段階と、
前記発光層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に、前記接続パターンに接触する第2電極を形成する段階とを含む
電界発光表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記発光層を形成する段階は、正孔補助層を形成する段階と、発光物質層を形成する段階と、電子補助層を形成する段階とを含み、
前記正孔補助層と前記発光物質層のそれぞれは、少なくとも一側面が前記バンクにより取り囲まれ、
前記電子補助層は、前記バンク、前記補助バンクおよび前記接続パターンの上部に位置し、前記補助バンクの上部の電子補助層は、前記バンクの上部の電子補助層および前記接続パターンの上部の電子補助層とは分離されている、請求項12に記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記電子補助層を形成する段階と前記第2電極を形成する段階との間に、有機溶剤により前記電子補助層の一部を除去し、前記接続パターンを露出する開口を形成する段階をさらに含み、
前記第2電極を形成する段階は、前記開口を介し、前記接続パターンに接触する前記第2電極を形成する段階を含む、請求項13に記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1電極と前記接続パターンは、同じ工程段階で同時に形成され、同じ物質からなる、請求項12に記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記発光層を形成する段階は、
発光物質層を形成する段階と、
前記発光物質層の上部に電荷補助層を形成する段階と、
前記電荷補助層内に開口を形成し、前記接続パターンを露出する段階とを含み、
前記第2電極を形成する段階は、前記開口内において前記接続パターンに接触する前記第2電極を形成する段階を含む、請求項12に記載の電界発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
基板の上部に位置し、物質層の第1部分を含む第1電極と、
前記基板の上部に位置し、前記物質層の第2部分を含む接続パターンと、
前記第1電極の少なくとも一部と前記接続パターンの少なくとも一部との間に位置するバンクと、
前記バンクの上部に位置し、逆傾斜した側面を有する補助バンクと、
前記第1電極の上部に位置する発光物質層と、
前記発光物質層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に位置する第2電極とを含む、電界発光表示装置。
【請求項18】
前記補助バンクは、逆テーパ状の絶縁物質構造を含み、
前記物質層は、導電物質層を含み、
前記バンクは、前記物質層の第1部分と前記物質層の第2部分との間に位置する、請求項17に記載の電界発光表示装置。
【請求項19】
前記導電物質層は、酸化インジウムスズを含む、請求項18に記載の電界発光表示装置。
【請求項20】
画素領域において前記発光物質層の上部に位置し、前記発光物質層に接触し、接触領域において前記接続パターンの上部に位置し、前記接続パターンに接触する電荷補助層と、
前記接触領域において前記電荷補助層内の開口をさらに含み、
前記第2電極は、前記接触領域において前記接続パターンに直接接続される、請求項17に記載の電界発光表示装置。
【請求項21】
前記電荷補助層は、電子注入層と電子輸送層のうち、1つを含む、請求項20に記載の電界発光表示装置。
【請求項22】
前記発光物質層と前記第2電極との間に位置する電荷補助層をさらに含む、請求項17に記載の電界発光表示装置。
【請求項23】
前記第2電極は、前記電荷補助層内の開口を介し、前記接続パターンに接触する、請求項22に記載の電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界発光表示装置、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル表示装置の1つである電界発光表示装置(Electroluminescent Display Device)は、自己発光型であるため、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)に比べ、視野角などに優れており、バックライトが不要であることから、軽量・薄型が可能である上に、消費電力の面でも有利である。
【0003】
また、電界発光表示装置は、直流低電圧による駆動が可能であり、応答速度が速く、構成要素が全て固体であるため、外部からの衝撃に強く、使用温度の範囲も広い。特に、製造コストが安価であるというメリットがある。
【0004】
電界発光表示装置は、赤・緑・青色の副画素で構成される複数の画素を含み、赤・緑・青色の副画素を選択的に発光させ、多様なカラー映像を表示する。
【0005】
赤・緑・青色の副画素は、それぞれ赤・緑・青色の発光層を含み、一般的に各発光層は、ファインメタルマスクを用いて発光物質を選択的に蒸着する真空熱蒸着(vacuum thermal evaporation)工程を経て形成される。
【0006】
ところが、かかる蒸着工程は、マスク準備などのため、製造コストが増加する。また、マスク製造におけるばらつき、たわみ、そして影の影響などにより、大面積および高解像度の表示装置への適用が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するために提示されたものであって、大面積および高解像度の電界発光表示装置、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明の電界発光表示装置は、基板と、前記基板の上部の第1電極と、前記基板の上部に、前記第1電極と同じ物質で形成される接続パターンと、前記第1電極および前記接続パターンの端部を覆うバンクと、前記バンクの上部の補助バンクと、前記第1電極の上部の発光層と、前記発光層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に位置し、前記接続パターンに接触する第2電極とを含み、前記補助バンクは、その側面が逆傾斜となっており、前記発光層は正孔補助層、発光物質層および電子補助層を含み、前記電子補助層は、前記接続パターンを露出する開口を有し、前記第2電極は前記開口を介し、前記接続パターンに接触する。
【0009】
前記第2電極は、前記補助バンクの側面に接触する。
【0010】
前記補助バンクの側面は、前記基板に対し、120度より大きく、150度より小さい逆傾斜角度を持つ。
【0011】
前記補助バンクは、1.5μmより大きく、2.0μmより小さい厚さを持つ。
【0012】
前記バンクは、前記接続パターンを露出するコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールと前記補助バンクとの間において前記バンクの上面が露出される。
【0013】
前記第2電極は、前記コンタクトホールと前記補助バンクとの間において露出された前記バンクの上面に接触する。
【0014】
前記正孔補助層と前記発光物質層のそれぞれは、少なくとも一側面が前記バンクにより取り囲まれ、前記電子補助層は、前記バンク、前記補助バンクおよび前記接続パターンの上部に位置し、前記補助バンクの上部の前記電子補助層は、前記バンクの上部の電子補助層および前記接続パターンの上部の電子補助層とは分離されている。
【0015】
本発明の電界発光表示装置は、前記基板と前記第1電極との間に少なくとも1つの薄膜トランジスタをさらに含み、前記第1電極は、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタと接続される。
【0016】
前記バンクは、親水性の第1バンクと疎水性の第2バンクを含む。
【0017】
前記第1バンクと前記第2バンクは、一体に形成される。
【0018】
一方向に沿って隣接する画素領域の発光層は、互いに接続され、一体に形成される。
【0019】
本発明の電界発光表示装置の製造方法は、基板の上部に第1電極および接続パターンを形成する段階と、前記第1電極および前記接続パターンの上部にバンクを形成する段階と、前記バンクの上部に、逆傾斜した側壁を有する補助バンクを形成する段階と、前記第1電極の上部に発光層を形成する段階と、前記発光層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に、前記接続パターンに接触する第2電極を形成する段階とを含む。
【0020】
前記発光層を形成する段階は、正孔補助層を形成する段階と、発光物質層を形成する段階と、電子補助層を形成する段階とを含み、前記正孔補助層と前記発光物質層のそれぞれは、少なくとも一側面が前記バンクにより取り囲まれ、前記電子補助層は、前記バンク、前記補助バンクおよび前記接続パターンの上部に位置し、前記補助バンクの上部の前記電子補助層は、前記バンクの上部の電子補助層および前記接続パターンの上部の電子補助層とは分離されている。
【0021】
本発明の電界発光表示装置の製造方法は、前記電子補助層を形成する段階と前記第2電極を形成する段階との間に、有機溶剤により前記電子補助層の一部を除去し、前記接続パターンを露出する開口を形成する段階をさらに含み、前記第2電極を形成する段階は、前記開口を介し、前記接続パターンに接触する前記第2電極を形成する段階を含む。
【0022】
前記第1電極と前記接続パターンは、同じ工程段階で同時に形成され、同じ物質からなる。
【0023】
前記発光層を形成する段階は、発光物質層を形成する段階と、前記発光物質層の上部に電荷補助層を形成する段階と、前記電荷補助層内に開口を形成し、前記接続パターンを露出する段階とを含み、前記第2電極を形成する段階は、前記開口内において前記接続パターンに接触する前記第2電極を形成する段階を含む。
【0024】
本発明のさらに他の電界発光表示装置は、基板の上部に位置し、物質層の第1部分を含む第1電極と、前記基板の上部に位置し、前記物質層の第2部分を含む接続パターンと、前記第1電極の少なくとも一部と前記接続パターンの少なくとも一部との間に位置するバンクと、前記バンクの上部に位置し、逆傾斜した側面を有する補助バンクと、前記第1電極の上部に位置する発光物質層と、前記発光物質層、前記バンクおよび前記補助バンクの上部に位置する第2電極とを含む。
【0025】
前記補助バンクは、逆テーパ状の絶縁物質構造を含み、前記物質層は、導電物質層を含み、前記バンクは、前記物質層の第1部分と前記物質層の第2部分との間に位置する。
【0026】
前記導電物質層は、酸化インジウムスズを含む。
【0027】
本発明のさらに他の電界発光表示装置は、画素領域において前記発光物質層の上部に位置し、前記発光物質層に接触し、接触領域において前記接続パターンの上部に位置し、前記接続パターンに接触する電荷補助層と、前記接触領域において前記電荷補助層内の開口をさらに含み、前記第2電極は、前記接触領域において前記接続パターンに直接接続される。
【0028】
前記電荷補助層は、電子注入層と電子輸送層のうち、1つを含む。
【0029】
本発明のさらに他の電界発光表示装置は、前記発光物質層と前記第2電極との間に位置する電荷補助層をさらに含む。
【0030】
前記第2電極は、前記電荷補助層内の開口を介し、前記接続パターンに接触する。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、各副画素の発光層の少なくとも一部を溶液工程により形成することで、マスクを省略し、製造コストを減らすことができ、大面積および高解像度の表示装置を実現することができる。
【0032】
また、同色の副画素同士の発光層が互いに接続され、一体に形成されるようにすることで、ノズル間における滴下量のばらつきを最小化することができ、各副画素に形成される発光層の厚さを均一にすることができる。その結果、ムラを防止し、表示装置の画質低下を防ぐことができる。
【0033】
さらに、接続パターンを介し、第2電極を補助電極に接続させることで、第2電極の抵抗を下げることができる。
【0034】
また、バンクの上部に、逆傾斜した側面を有する補助パターンを形成することで、第2電極と接続パターンを直接接触させ、第2電極と接続パターンとの間の電気的接触特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素領域を示す回路図である。
図2】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素を概略的に示す平面図である。
図3】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置を概略的に示す断面図である。
図4図3のA1領域を拡大して示す断面図である。
図5a】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5b】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5c】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5d】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5e】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5f】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図5g】本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照し、本発明の実施例に係る電界発光表示装置について詳細に説明する。
【0037】
本発明の実施例にかかる電界発光表示装置は、映像を表示するため、複数の画素(pixel)を含む。各画素は、赤・緑・青色の副画素(sub pixel)を含み、各副画素に対応する画素領域は、図1に示すような構成を有することができる。
【0038】
図1は、本発明の実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素領域を示す回路図である。
【0039】
図1に示すように、本発明の電界発光表示装置は、互いに交差して画素領域Pを画定するゲート配線GLおよびデータ配線DLを含み、各画素領域Pにはスイッチング薄膜トランジスタTsと駆動薄膜トランジスタTd、ストレージキャパシタCst、そして発光ダイオードDeが形成される。
【0040】
さらに詳細に説明すると、スイッチング薄膜トランジスタTsのゲート電極はゲート配線GLに接続され、ソース電極はデータ配線DLに接続される。駆動薄膜トランジスタTdのゲート電極は、スイッチング薄膜トランジスタTsのドレイン電極に接続され、ソース電極は高電位電圧VDD(例えば、1.5Vまたは3.3V)に接続される。発光ダイオードDeのアノードは駆動薄膜トランジスタTdのドレイン電極に接続され、カソードは低電位電圧VSS(例えば、0V)に接続される。ストレージキャパシタCstは、駆動薄膜トランジスタTdのゲート電極およびドレイン電極に接続される。
【0041】
かかる電界発光表示装置が映像を表示する動作について説明すると、ゲート配線GLを介して印加されたゲート信号に応じ、スイッチング薄膜トランジスタTsがオンする。このとき、データ配線DLに印加されたデータ信号がスイッチング薄膜トランジスタTsを介し、駆動薄膜トランジスタTdのゲート電極およびストレージキャパシタCstの一電極に印加される。
【0042】
駆動薄膜トランジスタTdは、データ信号に応じてオンし、発光ダイオードDeを流れる電流を制御し、映像を表示する。発光ダイオードDeは、駆動薄膜トランジスタTdを介して供給される高電位電圧VDDの電流により発光する。
【0043】
すなわち、発光ダイオードDeを流れる電流の量はデータ信号の大きさに比例し、発光ダイオードDeからの光の強度は、発光ダイオードDeを流れる電流の量に比例するため、画素領域Pはデータ信号の大きさに応じて異なる階調を表示し、その結果、電界発光表示装置は、映像を表示する。
【0044】
ストレージキャパシタCstは、データ信号に対応する電荷を1フレームの間に維持し、発光ダイオードDeを流れる電流の量を一定にすることで、発光ダイオードDeが表示する階調を一定に維持させる役割を果たす。
【0045】
一方、画素領域Pには、スイッチング薄膜トランジスタTsおよび駆動薄膜トランジスタTd、そしてストレージキャパシタCstの他に、別の薄膜トランジスタとキャパシタをさらに設けることができる。
【0046】
電界発光表示装置では、データ信号が駆動薄膜トランジスタTdのゲート電極に印加され、発光ダイオードDeが発光し、階調を表示する相対的に長時間、駆動薄膜トランジスタTdがオン状態を維持するが、このようなデータ信号の長時間印加により、駆動薄膜トランジスタTdは劣化し得る。そのため、駆動薄膜トランジスタTdの移動度(mobility)および/または閾値電圧(threshold voltage:Vth)が変わり、電界発光表示装置の画素領域Pは、同じデータ信号に対し、異なる階調を表示することになり、その結果、輝度のばらつきが生じ、電界発光表示装置の画質が低下する。
【0047】
したがって、かかる駆動薄膜トランジスタTdの移動度、および/または閾値電圧の変化を補償するため、各画素領域Pに電圧変化を感知するための少なくとも1つのセンシング薄膜トランジスタ、および/またはキャパシタをさらに設けることができる。センシング薄膜トランジスタ、および/またはキャパシタは、基準電圧を印加し、センシング電圧を出力するための基準配線に接続することができる。
【0048】
本発明の実施例に係る電界発光表示装置における発光ダイオードDeは、第1電極、発光層、および第2電極を含む。第1電極、発光層、および第2電極は、基板上に順次形成することができ、スイッチング薄膜トランジスタTs、駆動薄膜トランジスタTd、およびストレージキャパシタCstは、基板と第1電極との間に形成することができる。このような本発明の実施例に係る電界発光表示装置は、発光ダイオードDeの発光層からの光が基板とは反対方向、すなわち、第2電極を介し、外部へ出射するトップエミッション型であり得る。トップエミッション型は、同じ面積のボトムエミッション型に比べ、より広い発光領域を有し得るため、輝度を向上させ、消費電力を低下させることができる。
【0049】
ところが、光を透過させるため、第2電極は、金属物質で比較的に薄い厚さに形成するか、または透明導電性物質で形成しなければならない。そのため、第2電極の抵抗が増加し、それにより電圧が降下して輝度のばらつきが生じ得る。
【0050】
したがって、本発明は、第2電極の抵抗を低下させるべく、第2電極を補助電極と電気的に接続させる。このとき、第2電極と補助電極は、接続パターンを介し、電気的に接続されるが、接続パターンと第2電極との間の接触抵抗を減らし、電気的接触特性を向上させるため、接続パターンと第2電極との間の有機膜を除去する。
【0051】
第1実施例
図2は、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素を概略的に示す平面図であって、バンクの構成を中心に示している。
【0052】
図2に示すように、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素は、赤・緑・青色の副画素R、G、Bを含む。赤・緑・青色の副画素R、G、Bのそれぞれは、図1に示す画素領域Pの回路構成を有することができる。
【0053】
赤・緑・青色の副画素R、G、Bは、図面上の横方向である第1方向(X軸方向)に沿って順次位置し、第1方向(X軸方向)に垂直な第2方向(Y軸方向)に沿って、同色の副画素R、G、Bが位置する。ここで、赤・緑・青色の副画素R、G、Bは、角のある矩形になっているが、これに限定されるものではなく、角が丸みを帯びた矩形や楕円形など、様々な形状を有することができる。
【0054】
ここで、赤・緑・青色の副画素R、G、Bは、それぞれの面積が同一であってもよく、互いに異なってもよい。赤・緑・青色の副画素R、G、Bの面積は、各副画素に設けられた発光ダイオードの寿命を考慮し、決定される。例えば、緑色の副画素Gの面積は、赤色の副画素Rの面積より大きく、青色の副画素Bの面積より小さくてもよい。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。
【0055】
かかる赤・緑・青色の副画素R、G、Bは、バンク172、174によって画定することができる。バンク172、174は、親水性の第1バンク172と疎水性の第2バンク174を含むことができる。
【0056】
より詳細に説明すると、第1バンク172は、隣接する同色の副画素R、G、Bの間、および隣接する異色の副画素R、G、Bの間に位置する。かかる第1バンク172は各副画素R、G、Bを取り囲むよう、形成することができる。
【0057】
あるいは、第1バンク172は、隣接する異色の副画素R、G、Bの間において省略してもよい。すなわち、第1バンク172は、第1方向(X軸方向)に延伸し、第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する同色の副画素R、G、Bの間のみに位置してもよい。
【0058】
次に、第1バンク172の上部に第2バンク174が形成される。第2バンク174は、同色の副画素R、G、B列に対応して開口部174aを有し、第1方向(X軸方向)に沿って隣接する異色の副画素R、G、Bの間に位置する。
【0059】
したがって、開口部174aは第2方向(Y軸方向)に沿って延伸し、第2方向(Y軸方向)の長さは第1方向(X軸方向)の長さ、すなわち、幅より長い。かかる開口部174aは、第1方向(X軸方向)に平行な短辺と、第2方向(Y軸方向)に平行な長辺を有する。このとき、第1方向(X軸方向)に沿って隣接する異色の副画素R、G、Bの間において、第2バンク174は、第1バンク172よりその幅が狭くてもよい。
【0060】
また、第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する同色の副画素R、G、Bの間において、第2バンク174は、第1方向(X軸方向)に沿って延伸した延長部174cを有することができる。例えば、延長部174cは、第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する赤色の副画素R間に位置し、第1バンク172と重なってもよい。延長部174cの位置はこれに制限されるものではなく、第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する緑色の副画素G間、または第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する青色の副画素B間に位置してもよい。
【0061】
一方、第1バンク172と第2バンク174は、延長部174cに対応し、それぞれ第1補助コンタクトホール172b、第2補助コンタクトホール174bを有する。
【0062】
図2に示していないが、かかる第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bが形成された延長部174cに対応し、補助電極および接続パターンが形成され、接続パターンは、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bを介し、露出される。したがって、発光ダイオードの第2電極は、接続パターンを介して補助電極と電気的に接続される。
【0063】
また、第2バンク174の上部、すなわち、延長部174cの上部には、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bに対応し、補助バンク200が形成される。補助バンク200は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bを取り囲み、第2バンク174の上面を露出させる。
【0064】
かかる補助バンク200はリング状であって、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bと実質的に同じ平面形状を有する。すなわち、図2に示すように、平面視において、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bが矩形状である場合、補助バンク200は矩形のリング状である。
【0065】
あるいは、平面視において、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bが円形状である場合、補助バンク200は円形のリング状である。
【0066】
本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置は、補助バンク200を利用し、接続パターンと第2電極との間の有機膜を除去することで、第2電極と接続パターンを直接接触させ、接続パターンと第2電極との間の電気的接触特性を向上させることができる。
【0067】
かかる本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の構成について図面を参照し、詳細に説明する。
【0068】
図3は、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置を概略的に示す断面図であって、図2のI‐I’線に沿った断面を示す。図2を共に参照し、説明する。
【0069】
図3に示すように、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000において、基板100の上部には、金属のような第1導電性物質からなる遮光パターン112および第1補助電極114が形成される。基板100はガラス基板であってもよく、プラスチック基板であってもよい。例えば、プラスチック基板としてポリイミドを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0070】
遮光パターン112および第1補助電極114は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはこれらの合金のうち、少なくとも1つを用いて、単層、または多層に形成することができる。例えば、遮光パターン112および第1補助電極114は、モリブデン・チタン合金(MoTi)の下部層と、銅(Cu)の上部層を含む二層構造にすることができ、上部層が下部層より厚くてもよい。
【0071】
一方、第1補助電極114は、基板100に平行な平面において、第1方向(X軸方向)および/または第2方向(Y軸方向)に延伸することができる。例えば、第1補助電極114を第1方向(X軸方向)に沿って延伸し、第1方向(X軸方向)に沿って配列された複数の画素領域に対応するよう形成することができる。また、第1補助電極114を第1方向(X軸方向)と交差する第2方向(Y軸方向)に沿って延伸し、第2方向(Y軸方向)に沿って配列された複数の画素領域に対応するよう形成することができる。あるいは、第1補助電極114を、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)に沿って延伸し、格子構造にすることもできる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。
【0072】
遮光パターン112および第1補助電極114の上部に、バッファー層120が実質的に基板100の全面に形成される。バッファー層120は、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)のような無機絶縁物質から、単層、または多層に形成することができる。
【0073】
ここで、バッファー層120は、遮光パターン112の上部にバッファーホール120aを有し、遮光パターン112の上面はバッファーホール120aを介し、部分的に露出される。
【0074】
バッファー層120の上部には、パターニングされた半導体層122およびキャパシタ電極124が形成される。半導体層122およびキャパシタ電極124は、遮光パターン112の上部に互いに離間して位置する。遮光パターン112は半導体層122に入射する光を遮断し、半導体層122が光によって劣化することを防止する。
【0075】
半導体層122およびキャパシタ電極124は多結晶シリコンからなり、半導体層122の両端部およびキャパシタ電極124に不純物がドープされることがある。あるいは、半導体層122およびキャパシタ電極124は、酸化物半導体物質からなってもよい。
【0076】
半導体層122の上部には、絶縁物質からなるゲート絶縁膜130および金属のような第2導電性物質からなるゲート電極132が順次形成される。ゲート絶縁膜130およびゲート電極132は、半導体層122の中央に対応して位置する。
【0077】
ゲート絶縁膜130は、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)のような無機絶縁物質から形成することができる。半導体層122が酸化物半導体物質からなる場合、ゲート絶縁膜130は、酸化シリコンSiOから形成することが好ましい。
【0078】
また、ゲート電極132は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはこれらの合金のうち、少なくとも1つを用いて、単層、または多層に形成することができる。例えば、ゲート電極132は、モリブデン・チタン合金(MoTi)の下部層と、銅(Cu)の上部層を含む二層構造にすることができ、上部層が下部層より厚くてもよい。
【0079】
図3に示すように、ゲート絶縁膜130は、ゲート電極132と同じ形状にパターニングすることができる。このとき、ゲート絶縁膜130の幅がゲート電極132の幅より広くてもよい。その結果、ゲート絶縁膜130の上面端部が露出され得る。あるいは、ゲート絶縁膜130の幅はゲート電極132の幅と同じであってもよい。
【0080】
または、ゲート絶縁膜130はパターニングされず、実質的に基板100の全面に形成されてもよい。
【0081】
一方、ゲート電極132と同じ層において同じ物質により、ゲート配線(不図示)をさらに形成することができる。ゲート配線は、第1方向(X軸方向)に延伸して形成することができ、第1補助電極114が第1方向(X軸方向)に延伸した場合、ゲート配線と第1補助電極114は、互いに平行になり得る。
【0082】
実質的に基板100の全面に亘り、絶縁物質からなる層間絶縁膜140がゲート電極132の上部に形成される。層間絶縁膜140は、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)のような無機絶縁物質から形成することができる。あるいは、層間絶縁膜140は、フォトアクリルやベンゾシクロブテンのような有機絶縁物質で形成することもできる。
【0083】
層間絶縁膜140は、第1、第2、第3、第4コンタクトホール140a、140b、140c、140dを有する。第1コンタクトホール140aと第2コンタクトホール140bは、半導体層122の両端部をそれぞれ露出させる。第3コンタクトホール140cは、遮光パターン112の上面の一部を露出させ、バッファーホール120a内に位置する。あるいは、バッファーホール120aが省略され、第3コンタクトホール140cが、層間絶縁膜140のみならず、バッファー層120内にも形成され、遮光パターン112の上面の一部を露出させることもできる。第4コンタクトホール140dは、層間絶縁膜140のみならず、バッファー層120内にも形成され、第1補助電極114の上面の一部を露出させる。
【0084】
層間絶縁膜140の上部には、金属のような第3導電性物質からなるソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146が形成される。ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、またはこれらの合金のうち、少なくとも1つを用いて、単層、または多層に形成することができる。例えば、ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146は、モリブデン・チタン合金(MoTi)の下部層と、銅(Cu)の上部層を含む二層構造にすることができ、上部層が下部層より厚くてもよい。あるいは、ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146は三層構造にすることもできる。
【0085】
ソース電極142とドレイン電極144は、それぞれ第1コンタクトホール140a、第2コンタクトホール140bを介し、半導体層122の両端部に接触する。また、ドレイン電極144は、第3コンタクトホール140cを介して遮光パターン112に接触し、キャパシタ電極124と重なる。キャパシタ電極124は、遮光パターン112およびドレイン電極144と重なり、ストレージキャパシタを構成する。
【0086】
一方、第2補助電極146は第1補助電極114と重なり、第4コンタクトホール140dを介し、第1補助電極114に接触する。このような第2補助電極146は第2方向(Y軸方向)に沿って延伸し、第2方向(Y軸方向)に沿って配列された複数の画素領域に対応するよう形成することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。
【0087】
また、層間絶縁膜140の上部には、第3導電性物質からなるデータ配線(不図示)および高電位配線(不図示)をさらに形成することができる。データ配線および高電位配線は、第2方向(Y軸方向)に沿って延伸するように形成することができる。その結果、データ配線、高電位配線、および第2補助電極146は、互いに平行であり得る。
【0088】
半導体層122、ゲート電極132、そしてソース電極142およびドレイン電極144は、薄膜トランジスタTを構成する。ここで、薄膜トランジスタTは、半導体層122の一側面、すなわち、半導体層122の上部にゲート電極132、ソース電極142およびドレイン電極144が位置するコプラナー構造であり得る。
【0089】
あるいは、薄膜トランジスタTは、半導体層の下部にゲート電極が位置し、半導体層の上部にソース電極およびドレイン電極が位置する逆スタガード構造であってもよい。この場合、半導体層は、酸化物半導体物質、または非晶質シリコンから形成することができる。
【0090】
ここで、薄膜トランジスタTは、図1の駆動薄膜トランジスタTdに相当し、図に示していないが、かかる薄膜トランジスタTと同じ構成のスイッチング薄膜トランジスタ(図1のTs)をさらに形成することができる。
【0091】
実質的に基板100の全面に亘り、絶縁物質からなる保護層150が、ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146の上部に形成される。保護層150は、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)のような無機絶縁物質から形成することができる。
【0092】
次に、実質的に基板100の全面に亘り、絶縁物質からなるオーバーコート層155が保護層150の上部に形成される。オーバーコート層155はフォトアクリルやベンゾシクロブテンのような有機絶縁物質で形成することができる。かかるオーバーコート層155は下部膜による段差を解消し、実質的に平坦な上面を有する。
【0093】
ここで、保護層150とオーバーコート層155のうち、一方を省略することができる。例えば、保護層150を省略することができるが、これに限定されるものではない。
【0094】
オーバーコート層155は、保護層150と共にドレイン電極144を露出するドレインコンタクトホール155aを有する。また、オーバーコート層155は、保護層150と共に第2補助電極146を露出する第5コンタクトホール155bを有する。
【0095】
オーバーコート層155の上部には、比較的に高い仕事関数を有する第1電極160が形成される。第1電極160は、ドレインコンタクトホール155aを介し、ドレイン電極144に接触する。
【0096】
第1電極160は、第1層160aおよび第2層160bを含み、第2層160bは第1層160aと基板100との間、より詳細には第1層160aとオーバーコート層155との間に位置する。
【0097】
第1層160aは、比較的に高い仕事関数を有する導電性物質からなり、例えば、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)や酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide:IZO)のような透明導電性物質で形成することができる。第2層160bは、比較的に高い反射率を有する金属物質からなり、例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)で形成することができる。かかる第1層160aの仕事関数は、第2層160bの仕事関数より高い。
【0098】
ここで、第2層160bは、第1層160aより厚くてもよい。例えば、第2層160bの厚さは80nm~100nmであり、第1層160aの厚さは10nm~80nmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0099】
また、第1電極160は、第2層160bとオーバーコート層155との間に第3層160cをさらに含むことができる。すなわち、第1電極160を三層構造にすることができる。
【0100】
例えば、第3層160cは、ITOやIZOのような透明導電性物質で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0101】
かかる第3層160cの厚さは、第2層160bの厚さより小さく、第1層160aの厚さより小さいか等しくあり得る。例えば、第3層160cの厚さは10nmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0102】
かかる第3層160cは、第2層160bとオーバーコート層155との間の接着特性を改善するためのものであって、省略することもできる。その結果、第1電極160は二層構造を有することができる。
【0103】
また、オーバーコート層155の上部に、第1電極160と同じ物質からなる接続パターン162が形成される。したがって、接続パターン162は、第1、第2、第3層162a、162b、162cを含むことができる。このとき、第2層162bは、第1層162aと第3層162cとの間に位置し、第3層162cは、第2層162bと基板100との間、より詳細には第2層162bとオーバーコート層155との間に位置する。接続パターン162は、第5コンタクトホール155bを介し、第2補助電極146に接触する。
【0104】
一方、前述したように、第1電極160の第3層160cが省略され、第1電極160が二層構造となる場合、接続パターン162の第3層162cも省略され、接続パターン162は二層構造となる。
【0105】
第1電極160の上部には、絶縁物質からなるバンク172、174が形成される。バンク172、174は、親水性の第1バンク172と疎水性の第2バンク174を含む。
【0106】
さらに詳細に説明すると、第1バンク172は、第1電極160の端部と重なって第1電極160の端部を覆い、第1電極160の中央部を露出させる。かかる第1バンク172は、第1電極160の端部に接触する。また、第1バンク172は、接続パターン162の上部にも形成され、接続パターン162の端部を覆い、接続パターン162の中央部を露出する第1補助コンタクトホール172bを有する。
【0107】
かかる第1バンク172は、親水性を示す物質、例えば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)のような無機絶縁物質から形成することができる。あるいは、第1バンク172は、ポリイミドで形成することもできる。
【0108】
第1バンク172の上部には、第2バンク174が形成される。このとき、第2バンク174の少なくとも上面は疎水性であり、第2バンク174の側面は疎水性、または親水性であり得る。
【0109】
第2バンク174は、第1電極160の中央部を露出する開口部174aを有する。前述した通り、第2バンク174は、隣接する異色の副画素間に形成し、第2バンク174の開口部174aは、同色の副画素列に対応して形成することができる。
【0110】
第2バンク174は、第1バンク172よりその幅が狭く、第1バンク172の上部に位置し、第1バンク172の端部を露出させる。また、第2バンク174は、第1バンク172より厚くてもよい。例えば、第2バンク174の厚さは1μm~2μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0111】
一方、前述したように、隣接する異色の副画素間において、第1バンク172を省略することができる。この場合、第2バンク174は、第1電極160の端部と重なり、接触することができる。
【0112】
かかる第2バンク174は、疎水性の有機絶縁物質で形成することができる。あるいは、第2バンク174は、親水性の有機絶縁物質で形成し、疎水性処理を施すこともできる。
【0113】
また、第2バンク174は、第1補助コンタクトホール172bに対応して第2補助コンタクトホール174bを有し、接続パターン162は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bを介し、露出される。ここで、第2補助コンタクトホール174bの面積および幅が、第1補助コンタクトホール172bの面積および幅より広くてもよい。
【0114】
一方、図に示していない第1電極160の他端の上部には、第1バンク172のみを配置することができる。
【0115】
また、図3には、第1バンク172と第2バンク174とが異なる物質で分離形成されているが、親水性の第1バンク172と疎水性の第2バンク174を同一物質で一体に形成することもできる。例えば、上面が疎水性を示す有機層を基板100の全面に形成した後、透過部と遮断部、そして半透過部を含むハーフトーンマスクを使用し、パターニングすることで、幅と厚さが互いに異なる第1バンク172および第2バンク174を形成することもできる。
【0116】
接続パターン162に対応する第2バンク174の上部には補助バンク200が形成される。補助バンク200はその側面が逆傾斜となっており、補助バンク200と第2補助コンタクトホール174bとの間において第2バンク174の上面が露出される。かかる補助バンク200について、後述する。
【0117】
次に、露出された第1電極160、第2バンク174および補助バンク200の上部には発光層180が形成される。発光層180は、第1電極160の上部に順次位置する第1電荷補助層182と、発光物質層184、そして第2電荷補助層186を含むことができる。発光物質層184は、赤・緑・青色の発光物質のうち、いずれか1つからなり得るが、これに限定されるものではない。かかる発光物質は、燐光化合物、または蛍光化合物のような有機発光物質であってもよく、量子ドットのような無機発光物質であってもよい。
【0118】
第1電荷補助層182は、正孔補助層(Hole Auxiliary Layer)であり得る。そして、正孔補助層は、正孔注入層(Hole Injecting Layer:HIL)と正孔輸送層(Hole Transporting Layer:HTL)のうち、少なくとも1つを含むことができる。また、第2電荷補助層186は、電子補助層(Electron Auxiliary Layer)であり得る。そして、電子補助層は、電子注入層(Electron Injecting Layer:EIL)と電子輸送層(Electron Transporting Layer:ETL)のうち、少なくとも1つを含むことができる。かかる第1電荷補助層182および第2電荷補助層186は、有機膜を含む。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。
【0119】
ここで、第1電荷補助層182と発光物質層184のそれぞれは、溶液工程により形成することができる。したがって、工程を単純化し、大面積および高解像度の表示装置を提供することができる。溶液工程には、スピンコート法やインクジェットプリント法、スクリーンプリント法を利用することができるが、これに限定されるものではない。かかる第1電荷補助層182と発光物質層184は、開口部174a内にのみ形成され、第1電荷補助層182と発光物質層184のそれぞれは、少なくとも一側面を第1バンク172および第2バンク174により取り囲むことができる。
【0120】
前述した通り、第2バンク174の開口部174aは、同色の副画素列に対応して形成されるため、異なるノズルを介し、同色の副画素列に対応する各画素領域に滴下した溶液は互いに繋がる。該溶液を乾燥させ、第1電荷補助層182および発光物質層184を形成する。その結果、第1電荷補助層182と発光物質層184のそれぞれは、同色の副画素列に対応する隣接する画素領域において互いに接続され、一体に形成される。したがって、ノズル間における滴下量のばらつきを最小化し、各画素領域に形成される薄膜の厚さを均一にすることができる。
【0121】
溶液が乾燥するとき、第2バンク174に隣接する部分と、他の部分とでは溶媒の蒸発速度に差がある。すなわち、第2バンク174付近の方が他の部分に比べ、溶媒の蒸発速度が速く、その結果、第2バンク174に隣接する部分において、第1電荷補助層182および発光物質層184の高さは、第2バンク174に近づくほど高くなる。
【0122】
一方、第2電荷補助層186は、熱蒸着工程により形成することができる。したがって、第2電荷補助層186は、実質的に基板100の全面に形成することができる。すなわち、第2電荷補助層186は、開口部174a内だけではなく、第2バンク174の上部にも形成することができ、接続パターン162の上部にも形成することができる。このとき、接続パターン162の上部の第2電荷補助層186は、接続パターン162を露出する開口186aを有し、その開口186aは、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b内に位置する。第2電荷補助層186の開口186aは、補助バンク200を利用して形成される。
【0123】
開口186aは、図4に示すように、接触領域に形成される。接触領域において第2補助電極146、接続パターン162、そして第2電極は互いに電気的に接触する。また、一部の実施例において、第2電荷補助層186は、図4に示すように、かかる接触領域において接続パターン162に物理的にも直接接触する。一方、第2電荷補助層186は、補助バンク200の上部にも形成される。補助バンク200の上部の第2電荷補助層186は、第2バンク174の上部の第2電荷補助層186および接続パターン162の上部の第2電荷補助層186とは分離されている。このとき、補助バンク200の側面および補助バンク200に隣接する第2バンク174の上面には第2電荷補助層186が形成されない。これについて後述する。
【0124】
続いて、発光層180の上部には、比較的に低い仕事関数を有する導電性物質からなる第2電極190が実質的に基板100の全面に形成される。具体的に第2電極190は、第2電荷補助層186の上部に形成され、第2電荷補助層186が形成されない第2バンク174の上面および補助バンク200の側面にも形成される。その結果、第2電極190は、第2バンク174の上面および補助バンク200の側面に接触する。
【0125】
ここで、第2電極190は、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはこれらの合金で形成することができる。このとき、第2電極190は、発光層180からの光が透過できるよう、その厚さが相対的に薄い。例えば、第2電極190の厚さは、5nm~10nmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0126】
あるいは、第2電極190は、酸化インジウムガリウム(Indium Gallium Oxide:IGO)やIZOのような透明導電性物質で形成することもできる。
【0127】
かかる第2電極190は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bを介し、接続パターン162と電気的に接続される。したがって、第2電極190は、接続パターン162を介し、第1補助電極114および第2補助電極146と電気的に接続される。
【0128】
このとき、第2電極190と接続パターン162との間には第2電荷補助層186が位置するが、有機膜を含む第2電荷補助層186は絶縁特性を持ち、抵抗として作用するため、第2電極190と接続パターン162との間の接触特性が低下し得る。
【0129】
しかしながら、本発明では、接続パターン162を露出する開口186aを第2電荷補助層186に形成することで、第2電極190が開口186aを介し、接続パターン162に直接接触するため、第2電極190と接続パターン162との間の接触特性を向上させることができる。
【0130】
第1電極160、発光層180、および第2電極190は、発光ダイオードDeを構成する。ここで、第1電極160はアノードとして働き、第2電極190はカソードとして働くことができるが、これに限定されるものではない。
【0131】
前述したように、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000は、発光ダイオードDeの発光層180からの光が基板100とは反対方向、すなわち、第2電極190を通して外部へ出射するトップエミッション型であり得る。
【0132】
このとき、各画素領域の発光ダイオードDeは、放出する光の波長に応じ、マイクロキャビティ効果に該当する素子の厚さを有することができ、その結果、光効率を高めることができる。
【0133】
一方、図に示していないが、実質的に基板100の全面に亘り、第2電極190の上部にキャッピング層を形成することができる。キャッピング層は、比較的に屈折率の高い絶縁物質で形成することができる。キャッピング層に沿って移動する光の波長が表面プラズマ共振により増幅するため、ピークの強度が増加し、トップエミッション型の電界発光表示装置における光効率を向上させることができる。例えば、キャッピング層は、有機膜や無機膜の単一膜にしてもよく、有機無機積層膜にしてもよい。
【0134】
このように、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000では、発光層180の一部を溶液工程により形成することで、ファインメタルマスクを省略し、製造コストを低減することができ、大面積および高解像度の表示装置を実現することができる。
【0135】
また、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000は、トップエミッション型を採用することで、輝度を向上させ、消費電力を減らすことができる。ここで、第2電極190は、光を透過させるため、比較的に薄い厚さに形成される。あるいは、透明導電性物質で形成される。その結果、その抵抗が高くなるが、接続パターン162を介し、第2電極190を第1補助電極114および第2補助電極146と接続させることにより、第2電極190の抵抗を低下させることができる。
【0136】
このとき、補助バンク200を利用して第2電荷補助層186に開口186aを形成し、第2電極190を接続パターン162に直接接触させることで、第2電極190と接続パターン162との間の接触特性を向上させることができる。
【0137】
一方、第1補助電極114と第2補助電極146のうち、一方を省略することもできる。
【0138】
かかる本発明の第1実施例に係る補助バンク200、第2電荷補助層186および第2電極190の構成について、図4を参照し、詳細に説明する。
【0139】
図4は、図3のA1領域を拡大して示す断面図である。
【0140】
図4に示すように、接続パターン162に対応する第2バンク174の上部には、補助バンク200が形成される。補助バンク200は絶縁物質からなり、例えば、ポリイミド系やアクリル系のレジストからなり得る。
【0141】
かかる補助バンク200は、第2電荷補助層186に開口186aを形成する際に用いられるものであって、第2電荷補助層186を断線させ、疎水性の第2バンク174の上面を露出させ、第2電極190は繋がるようにしなければならない。
【0142】
このとき、露出される第2バンク174の上面の幅w1は、5μm~8μmであることが好ましく、そのため、補助バンク200は所定の厚さおよび逆傾斜した側面を有する。すなわち、補助バンク200の上面は、その下面より幅が広く、面積が大きい。また、補助バンク200の側面は、基板(図3の100)の平行な面に対し、90度より大きい逆傾斜角度a1を有する。したがって、補助バンク200は、円錐のように下方に行くほど細くなり、下端でさらに小さくなる。
【0143】
補助バンク200の厚さが厚いほど、また逆傾斜角度a1が大きいほど、カバレジ特性が低く、膜が断線し得る。
【0144】
一般的に、蒸着材料の蒸着速度が速いほどカバレジ特性が低く、蒸着材料の厚さが小さいほどカバレジ特性が低いが、有機膜を含む第2電荷補助層186は、金属や透明導電性物質からなる第2電極190よりカバレジ特性が低い。
【0145】
例えば、第2電荷補助層186の厚さは、20nm~25nmであり得る。また、第2電極190の厚さは、10nm~15nmであり得る。
【0146】
したがって、第2電荷補助層186を断線させ、第2電極190は繋がるように形成するため、補助バンク200の厚さは1.5μmより大きく、2.0μmより小さいことが好ましい。補助バンク200の厚さが1.5μm以下であると、第2電荷補助層186が断線しないため、第2バンク174の上面を露出させることができない。また、補助バンク200の厚さが2.0m以上であると、第2電極190が断線し、第2電極190に電圧を供給することができなくなる。
【0147】
また、補助バンク200の逆傾斜角度a1は、120度より大きく、150度より小さいことが好ましい。逆傾斜角度a1が120度以下であると、第2電荷補助層186が断線しないため、第2バンク174の上面を露出させることができない。また、逆傾斜角度a1が150度以上であると、第2電極190が断線し、第2電極190に電圧を供給することができなくなる。
【0148】
一方、第1バンク172および第2バンク174は、正傾斜角度の側面を有することができる。すなわち、第1バンク172および第2バンク174の側面は、基板(図3の100)の平行な面に対し、90度より小さい傾斜角を有する。
【0149】
かかる補助バンク200の側面には、実質的に第2電荷補助層186が形成されないため、補助バンク200の上部に形成される第2電荷補助層186は、接続パターン162の上部に形成される第2電荷補助層186とは断線した状態となり、第2バンク174の上面を露出させる。ここで、第2電荷補助層186は、補助バンク200の側面において上側一部にのみ形成される。
【0150】
一方、第2電荷補助層186は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b内に接続パターン162を露出する開口186aを有するが、かかる開口186aは、補助バンク200および露出される第2バンク174を利用し、形成される。
【0151】
続いて、実質的に基板(図3の100)の全面に亘り、第2電荷補助層186の上部には第2電極190が形成される。第2電極190は、補助バンク200の側面および第2バンク174の上面にも形成され、補助バンク200の側面および第2バンク174の上面に接触する。このとき、補助バンク200の側面において、第2電極190の厚さは下部に行くほど、すなわち、第2バンク174に近づくほど薄くなり得る。
【0152】
かかる第2電極190は、開口186aを介して露出された接続パターン162に直接接触する。その結果、第2電極190と接続パターン162との間の接触特性を向上させることができる。
【0153】
かかる本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000の製造方法について図面を参照し、詳細に説明する。
【0154】
図5aないし図5gは、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置の製造過程を概略的に示す断面図であり、図2のI‐I’線に対応する。
【0155】
図5aに示すように、基板100の上部に第1導電性物質を蒸着し、第1マスク工程によりパターニングすることで、遮光パターン112および第1補助電極114を形成する。
【0156】
次に、遮光パターン112および第1補助電極114の上部に無機絶縁物質を蒸着し、実質的に基板100の全面にバッファー層120を形成し、第2マスク工程によりバッファー層120をパターニングすることで、遮光パターン112の上面を部分的に露出するバッファーホール120aを形成する。
【0157】
次に、バッファー層120の上部に半導体物質を蒸着し、第3マスク工程によりパターニングすることで、半導体層122およびキャパシタ電極124を形成する。半導体層122およびキャパシタ電極124は、遮光パターン112の上部に互いに離間して位置する。
【0158】
ここで、半導体物質は多結晶シリコンであり、半導体層122の両端部およびキャパシタ電極124に不純物をドープする段階を行うことができる。あるいは、半導体物質は、酸化物半導体物質であってもよい。
【0159】
次に、半導体層122およびキャパシタ電極124の上部に、無機絶縁物質および第2導電性物質を順次蒸着し、第4マスク工程によりパターニングすることで、ゲート絶縁膜130およびゲート電極132を形成する。ゲート絶縁膜130およびゲート電極132は、半導体層122の中央に対応して位置する。
【0160】
続いて、ゲート電極132および第1パッド電極134の上部に無機絶縁物質を蒸着、または有機絶縁物質を塗布し、実質的に基板100の全面に層間絶縁膜140を形成し、第5マスク工程によりパターニングすることで、第1、第2、第3、第4コンタクトホール140a、140b、140c、140dを形成する。このとき、バッファー層120を選択的に除去することができる。
【0161】
第1コンタクトホール140aと第2コンタクトホール140bは、半導体層122の両端部をそれぞれ露出させ、第3コンタクトホール140cは、バッファーホール120aに対応し、遮光パターン112の上面の一部を露出させる。ここで、バッファーホール120aは省略され得る。また、第3コンタクトホール140cは、層間絶縁膜140のみならず、バッファー層120内にも形成され、遮光パターン112の上面の一部を露出させることもできる。この場合、第2マスク工程は省略される。また、第4コンタクトホール140dは、層間絶縁膜140のみならず、バッファー層120内にも形成され、第1補助電極114の上面の一部を露出させる。
【0162】
次に、層間絶縁膜140の上部に第3導電性物質を蒸着し、第6マスク工程によりパターニングすることで、ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146を形成する。
【0163】
ソース電極142とドレイン電極144は、それぞれ第1コンタクトホール140aと第2コンタクトホール140bを介し、半導体層122の両端部に接触する。また、ドレイン電極144は、第3コンタクトホール140cを介し、遮光パターン112に接触し、キャパシタ電極124と重なる。
【0164】
一方、第2補助電極146は、第4コンタクトホール140dを介し、第1補助電極114に接触する。
【0165】
次に、ソース電極142およびドレイン電極144、そして第2補助電極146の上部に無機絶縁物質を蒸着して保護層150を形成し、保護層150の上部に有機絶縁物質を塗布してオーバーコート層155を形成する。続いて、第7マスク工程によりオーバーコート層155および保護層150をパターニングし、ドレインコンタクトホール155aおよび第5コンタクトホール155bを形成する。
【0166】
ドレインコンタクトホール155aはドレイン電極144の一部を露出させ、第5コンタクトホール155bは第2補助電極146の一部を露出させる。
【0167】
ここで、保護層150およびオーバーコート層155は、同じマスク工程によりパターニングすることになっているが、互いに別のマスク工程によりパターニングすることもできる。
【0168】
次に、オーバーコート層155の上部に第1、第2、第3導電層(不図示)を順次蒸着し、第8マスク工程によりパターニングすることで、第1電極160および接続パターン162を形成する。
【0169】
ここで、第1導電層および第3導電層は、ITOやIZOからなり得る。また、第2導電層は銀(Ag)やアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)からなり得る。
【0170】
第1電極160と接続パターン162のそれぞれは、第1層160a、162a、第2層160b、162b、そして第3層160c、162cを含む。第2層160b、162bが第1層160a、162aと第3層160c、162cとの間に位置し、第3層160c、162cが第2層160b、162bとオーバーコート層155との間に位置する。
【0171】
第1電極160はドレインコンタクトホール155aを介し、ドレイン電極144に接触し、接続パターン162は、第5コンタクトホール155bを介し、第2補助電極146に接触する。
【0172】
次に、第1電極160および接続パターン162の上部に絶縁物質を蒸着、または塗布し、1回、または2回のマスク工程によりパターニングすることで、第1電極および接続パターン162を露出するバンク172、174を形成する。バンク172、174は、親水性の第1バンク172と疎水性の第2バンク174を含む。
【0173】
第1バンク172は第1電極160の端部を覆いながら第1電極160の中央部を露出させ、第2バンク174は第1電極160の中央部を露出する開口部174aを有する。また、第1バンク172と第2バンク174は、それぞれ接続パターン162を露出する第1補助コンタクトホール172bと第2補助コンタクトホール174bを有する。
【0174】
第1バンク172は親水性を示し、第2バンク174の少なくとも上面は疎水性を示す。
【0175】
次に、図5bに示すように、接続パターン162に対応する第2バンク174の上部に絶縁物質からなる補助バンク200を形成する。補助バンク200は第2補助コンタクトホール174bと離間し、第2補助コンタクトホール174bを取り囲み、その側面は逆傾斜となっている。場合により、補助バンク200は、逆テーパ状の1つ以上の絶縁物質構造を含むことができる。補助バンク200と第2補助コンタクトホール174bとの間において、疎水性の第2バンク174の上面が露出される。補助バンク200は親水性を有することができる。
【0176】
補助バンク200と第2補助コンタクトホール174bとの間において露出される第2バンク174の上面の幅(図4のw1)は、5μm~8μmであることが好ましく、補助バンク200の厚さは、1.5μmより大きく、2.0μmより小さいことが好ましく、補助バンク200の側面の逆傾斜角度(図4のa1)は、120度より大きく、150より小さいことが好ましい。
【0177】
図5cに示すように、開口部174aを介して露出された第1電極160の上部に第1溶液を滴下し、乾燥させ、第1電荷補助層182を形成する。第1電荷補助層182の少なくとも一側面は第2バンク174により取り囲まれ、第1溶液が乾燥するとき、第2バンク174に隣接する部分と、その他の部分における溶媒の蒸発速度差により、第2バンク174に隣接する部分において、第2バンク174に近づくほど第1電荷補助層182の高さが高くなる。かかる第1電荷補助層182は、正孔注入層(HIL)および/または正孔輸送層(HTL)を含むことができる。
【0178】
続いて、第1電荷補助層182の上部に第2溶液を滴下し、乾燥させ、発光物質層184を形成する。発光物質層184の少なくとも一側面は、第2バンク174により取り囲まれ、第2溶液が乾燥するとき、第2バンク174に隣接する部分と、その他の部分における溶媒の蒸発速度差により、第2バンク174に隣接する部分において、第2バンク174に近づくほど発光物質層184の高さが高くなる。
【0179】
次に、図5dに示すように、発光物質層184の上部に有機物質、および/または無機物質を蒸着し、第2電荷補助層186を形成する。第2電荷補助層186は、実質的に基板100の全面に形成される。したがって、第2電荷補助層186は、第2バンク174の上部と接続パターン162の上部、そして補助バンク200の上部にも形成される。このとき、側面が逆傾斜となっている補助バンク200により、実質的に補助バンク200の側面および補助バンク200に隣接する第2バンク174の上面には第2電荷補助層186が形成されないため、補助バンク200と第2補助コンタクトホール174bとの間の第2バンク174の上面が露出され、補助バンク200の上部の第2電荷補助層186は、接続パターン162の上部の第2電荷補助層186と断線する。かかる第2電荷補助層186は、電荷注入層(electron injecting layer:EIL)、および/または電子輸送層(electron transporting layer:ETL)を含むことができる。
【0180】
第1電荷補助層182、発光物質層184、および第2電荷補助層186は、発光層180を構成する。
【0181】
次に、図5eに示すように、噴射装置213を利用し、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b内に有機溶剤212を塗布する。この有機溶剤212は、第2電荷補助層186の有機膜を溶解し、部分的に除去するためのものであって、ベンゼン環を含むエーテル系、またはエステル系であり得る。
【0182】
このとき、露出される第2バンク174の上面が疎水性を示すため、塗布した有機溶剤212は実質的に第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b内の第2電荷補助層186の上部にのみ位置することになる。
【0183】
もし、補助バンク200がなければ、第2バンク174の上面は第2電荷補助層186により覆われるが、第2電荷補助層186は親水性を示すため、有機溶剤212は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b内の第2電荷補助層186の上部にのみ位置するように塗布することができない。すなわち、有機溶剤212は、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174b以外の領域にまで塗布され、第2電荷補助層186を部分的に除去することができない。これは、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bの面積が相対的に小さい高解像度の表示装置においてさらに問題となる。
【0184】
次に、図5fに示すように、有機溶剤(図5eの212)を乾燥させることで、第2電荷補助層186を部分的に除去し、接続パターン162を露出する開口186aを形成する。
【0185】
このとき、コーヒーステイン効果、またはコーヒーリング効果により、実質的に第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bの中央に開口186aを形成することができる。コーヒーステイン効果、またはコーヒーリング効果とは、凸状の球形をした液体が乾燥するとき、縁部と中央部では蒸発速度が異なるため、中央部より縁部で蒸発がさらに速く進み、粒子が縁部に蓄積する現象である。有機溶剤(図5eの212)で溶解された第2電荷補助層186の粒子は、コーヒーステイン効果、またはコーヒーリング効果により、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bの縁部に蓄積し、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bの中央部には蓄積しない。したがって、開口186aは、実質的に第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bの中央に形成される。
【0186】
次に、図5gに示すように、開口186aを有する第2電荷補助層186の上部に金属のような導電性物質を蒸着し、第2電極190を形成する。第2電極190は、実質的に基板100の全面に形成される。したがって、第2電極190は、補助バンク200の上部にも形成され、補助バンク200の側面にも形成される。
【0187】
また、第2電極190は、接続パターン162の上部にも形成され、第1補助コンタクトホール172bおよび第2補助コンタクトホール174bを介し、接続パターン162と電気的に接続される。このとき、接続パターン162は、第2電荷補助層186の開口186aを介して露出されるので、第2電極190は開口186aを介し、接続パターン162に直接接触する。
【0188】
第1電極160、発光層180、および第2電極190は、発光ダイオードDeを構成する。ここで、第1電極160はアノードとして働き、第2電極190はカソードとして働くことができる。
【0189】
前述した通り、本発明の第1実施例に係る電界発光表示装置1000では、第2バンク174の上部に、逆傾斜した側面を有する補助バンク200を形成し、第2バンク174の上面を露出させ、有機溶剤212を用いて接続パターン162の上部の第2電荷補助層186を部分的に除去し、第2電極190と接続パターン162を直接接触させることで、第2電極190と接続パターン162との間の電気的接触特性を改善させることができる。
【0190】
本発明の第1実施例では、補助バンク200が第1バンク172および第2バンク174を含む二重バンク構造に適用した構成について説明したが、本発明の補助バンク200は単一バンク構造に適用することもできる。
【0191】
第2実施例
図6は、本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置における1つの画素を概略的に示す平面図であって、バンクの構成を中心に示す。図7は、本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置を概略的に示す断面図であって、図6のII‐II’線に対応する断面を示す。本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置は、バンクの構造を除けば、実質的に第1実施例の構造と同一である。同一構成には同一符号を付し、その説明は省略、または簡略にする。
【0192】
図6および図7に示すように、本発明の第2実施例に係る電界発光表示装置2000において、バンク374は、第1方向(X軸方向)に沿って隣接する異色の副画素R、G、Bの間、および第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する同色の副画素R、G、Bの間に形成され、赤・緑・青色の副画素R、G、Bのそれぞれに対応する開口部374aを有する。
【0193】
バンク374は、第1電極160の端部を覆い、開口部374aを介して第1電極160の中央部を露出させる。
【0194】
また、バンク374は、接続パターン162の端部を覆い、接続パターン162の中央部を露出する補助コンタクトホール374bを有する。補助コンタクトホール374bは、第2方向(Y軸方向)に沿って隣接する赤色の副画素R間に形成することができる。
【0195】
かかるバンク374は、少なくともその上面3741が疎水性を示し、側面は疎水性を示してもよく、親水性を示してもよい。また、バンク374の厚さは、1μm~2μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0196】
補助コンタクトホール374bに対応し、バンク374の上部には補助バンク200が形成される。補助バンク200は補助コンタクトホール374bにより取り囲まれ、疎水性のバンク374の上面3741を露出させる。かかる補助バンク200は、その側面が逆傾斜となっている。
【0197】
このとき、補助バンク200と補助コンタクトホール374bとの間において露出されるバンク374の上面3741の幅は、5μm~8μmであることが好ましい。また、補助バンク200の厚さは、1.5μmより大きく、2.0μmより小さいことが好ましく、補助バンク200の側面は、120度より大きく、150度より小さい逆傾斜角度を有することが好ましい。
【0198】
以上、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の通常の技術者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的な思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正、および変更可能であることを理解できるであろう。
【符号の説明】
【0199】
R、G、B…赤・緑・青色の副画素、100…基板、160…第1電極、162…接続パターン、172…第1バンク、174…第2バンク、174a…開口部、172b…第1補助コンタクトホール、174b…第2補助コンタクトホール、174c…延長部、180…発光層、182…第1電荷補助層、184…発光物質層、186…第2電荷補助層、186a…開口、190…第2電極、De…発光ダイオード、200…補助バンク
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図6
図7