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特開2023-85277成人及び青年における低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085277
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】成人及び青年における低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/46 20060101AFI20230613BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230613BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 9/16 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 15/55 20060101ALN20230613BHJP
【FI】
A61K38/46 ZNA
A61P19/00
A61P43/00 111
C12N9/16 B
C12N15/55
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035689
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2019553247の分割
【原出願日】2018-03-29
(31)【優先権主張番号】62/643,953
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/502,255
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/480,213
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503102674
【氏名又は名称】アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーズリー,スコット,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】デンカー,アンドリュー,イー.
(72)【発明者】
【氏名】パン,ウェイ-ジアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】長期間にわたって成人及び青年患者の低ホスファターゼ症(HPP)を治療し、モニターするために使用することができる方法を提供する。
【解決手段】本開示は、例えば、血漿サンプル中の低下したピロリン酸塩(PPi)若しくはピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度、身体障害又は低下した歩行能力を示す患者(例えば、小児発症低ホスファターゼ症(HPP)罹患成人などのHPP罹患成人又はHPP罹患青年)のHPPを、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を患者に投与することによって治療する方法を特徴とする。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成人低ホスファターゼ症(HPP)の少なくとも1つの症状を有するとして特徴付けられる、約18歳以上の治療未経験の小児発症HPP患者のHPPを治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した少なくとも約1μMの統計学的に有意な減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び
(iii)6分間歩行試験(6MWT)によって評価される前記患者の歩行距離の、投与を受けていない前記患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加
のうち1つ以上をもたらす、方法。
【請求項2】
前記治療期間は、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年、又は前記患者の生涯、特に少なくとも6週間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者からの前記血漿サンプル中のPPi濃度の前記減少、前記患者からの前記血漿サンプル中のPLP濃度の前記減少、及び/又は前記患者の前記増加後の前記歩行距離は、前記治療期間中に持続される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記患者は、少なくとも約2μMのPPi血漿濃度の減少を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記sALPの投与前に、前記患者は、約6μMの血漿PPi濃度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記患者は、前記sALPの投与後、約2μM~約5μMの血漿PPi濃度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記PLP濃度の減少は、少なくとも約200ng/mlである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記sALPの投与前に、前記患者は、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記患者は、前記sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの血漿PLP濃度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1年の治療期間にわたる前記sALPの投与は、少なくとも100メートル以上の、前記6分間の歩行距離の増加をもたらす、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記sALPの投与前に、前記患者は、約350メートル以下の6分間の歩行距離を有するとして特徴付けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記患者は、前記sALPの投与後、約420メートル以上の6分間の歩行距離を示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記患者は、前記sALPの投与後、移動支援器具への低下した依存度を示す、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
移動支援器具は、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ及び装具からなる群から選択される少なくとも1つの器具である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者は、前記sALPの投与後、骨折の減少した発生率を経験する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
約13歳以上の患者の低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者のパーセント(%)予測ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者の前記%予測HHDスコアと比較した約5%以上の変化;
(ii)前記患者の下肢機能スケール(LEFS)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者のLEFSスコアと比較した約3以上の変化;及び
(iii)前記患者の簡易痛み質問紙票(BPI-SF)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者のBPI-SFスコアと比較した約-2以上の変化
のうち1つ以上をもたらす、方法。
【請求項17】
約13歳以上の患者の低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度の、前記sALPの投与を受けていない前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した約25%以上の減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の、前記sALPの投与を受けていない前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した約50%以上の減少;及び
(iii)前記sALPの投与を受けていない前記患者の6MWT値と比較した、前記患者の6MWT値の約80%の増加又は前記患者の予測6MWT値の約80%超の増加
のうち1つ以上をもたらす、方法。
【請求項18】
前記sALPは、1日、1週間又は1ヶ月に1回以上投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記sALPは、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記sALPは、週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記sALPは、約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量で投与され、且つその後、約6mg/kg/週の用量に増加される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記sALPは、約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALPの初期用量で投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上の治療期間後に増加される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記sALPは、約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週の用量で投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記sALPは、約2mg/kgを週3回、約3mg/kgを週2回、約3mg/kgを週1回又は約1mg/kgを週6回の用量で投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記sALPは、連日又は隔日で1日1回投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記sALPは、配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記sALPは、配列番号1のアミノ酸配列からなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記sALPは、成人HPPの少なくとも1つの症状を治療するのに治療上有効な量で投与される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記成人HPPの少なくとも1つの症状は、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎並びに偽骨折のうち1つ以上を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記患者は、前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さない、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記患者は、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年又は少なくとも10年以上にわたる前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さない、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者は、前記sALPの投与に対して忍容性を示す、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記忍容性は、注射部位紅斑、ヘモグロビンの減少、発熱、肺炎、上気道感染、中耳炎、嘔吐、便秘、下痢、歯の喪失、鼻咽頭炎、発疹、虫歯及び易刺激性からなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の欠如又は減少した発生率を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記sALPは、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与される、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、生理食塩水である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、約150mMの塩化ナトリウム及び約25mMのリン酸ナトリウムを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内に投与される、請求項35~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物は、皮下投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記sALPは、PEA、PPi及びPLPに対して生理学的に活性である、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記sALPは、骨における骨格石灰化を改善するのに触媒として適格である、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記sALPは、アルカリホスファターゼの可溶性細胞外ドメインである、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記患者は、ヒトである、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
成人低ホスファターゼ症(HPP)の少なくとも1つの症状を有するとして特徴付けられる、約18歳以上の治療未経験の小児発症HPP患者のHPPを治療するための、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)であって、ここでsALPは、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、特に6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で投与するために製剤化されており、前記患者への前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した少なくとも約1μMの統計学的に有意な減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び
(iii)6分間歩行試験(6MWT)によって評価される前記患者の歩行距離の、投与を受けていない前記患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加
のうち1つ以上をもたらすことを特徴とする、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)。
【請求項46】
前記治療期間は、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、又は前記患者の生涯、特に少なくとも6週間であることを特徴とする、請求項45に記載のsALP。
【請求項47】
前記患者からの前記血漿サンプル中のPPi濃度の前記減少、前記患者からの前記血漿サンプル中のPLP濃度の前記減少、及び/又は前記患者の前記増加後の前記歩行距離は、前記治療期間中に持続されることを特徴とする、請求項45又は46に記載のsALP。
【請求項48】
前記患者は、少なくとも約2μMのPPi血漿濃度の減少を有することを特徴とする、請求項45~47のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項49】
前記sALPの投与前に、前記患者は、約6μMの血漿PPi濃度を有することを特徴とする、請求項45~48のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項50】
前記患者は、前記sALPの投与後、約2μM~約5μMの血漿PPi濃度を有することを特徴とする、請求項45~49のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項51】
前記PLP濃度の減少は、少なくとも約200ng/mlであることを特徴とする、請求項45~50のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項52】
前記sALPの投与前に、前記患者は、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度を有することを特徴とする、請求項45~51のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項53】
前記患者は、前記sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの血漿PLP濃度を有することを特徴とする、請求項45~52のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項54】
前記sALPの投与前に、前記患者は、約350メートル以下の6分間の歩行距離を示すことを特徴とする、請求項45~53のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項55】
少なくとも1年の治療期間にわたる前記sALPの投与は、少なくとも100メートル以上の、前記6分間の歩行距離の増加をもたらすことを特徴とする、請求項45~54のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項56】
前記患者は、前記sALPの投与後、約420メートル以上の、6分間の歩行距離を示すことを特徴とする、請求項45~55のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項57】
前記患者は、前記sALPの投与後、移動支援器具への低下した依存度を示すことを特徴とする、請求項45~56のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項58】
移動支援器具は、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ及び装具からなる群から選択される少なくとも1つの器具である、請求項57に記載のsALP。
【請求項59】
前記患者は、前記sALPの投与後、骨折の減少した発生率を経験することを特徴とする、請求項45~58のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項60】
1日、1週間又は1ヶ月に1回以上投与するために製剤化される、請求項45~59のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項61】
週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回投与するために製剤化される、請求項60に記載のsALP。
【請求項62】
週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与するために製剤化される、請求項45~61のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項63】
約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量で投与するために製剤化され、且つその後、約6mg/kg/週の用量に増加される、請求項45~62のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項64】
約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALPの初期用量で投与するために製剤化される、請求項63に記載のsALP。
【請求項65】
前記治療計画の前記初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上の治療期間後に増加されることを特徴とする、請求項63又は64に記載のsALP。
【請求項66】
約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週の用量で投与するために製剤化される、請求項45~65のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項67】
約2mg/kgを週3回、約3mg/kgを週2回、約3mg/kgを週3回又は約1mg/kgを週6回の用量で投与するために製剤化される、請求項45~66のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項68】
連日又は隔日で1日1回投与するために製剤化される、請求項67に記載のsALP。
【請求項69】
配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項45~68のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項70】
配列番号1のアミノ酸配列からなる、請求項69に記載のsALP。
【請求項71】
HPPの少なくとも1つの症状を治療するのに治療上有効な量で投与するために製剤化される、請求項45~70のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項72】
前記HPPの少なくとも1つの症状は、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎及びピロリン酸塩関節症のうち1つ以上を含む、請求項71に記載のsALP。
【請求項73】
前記患者は、前記sALPの投与後、異所性石灰化を示さないことを特徴とする、請求項45~72のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項74】
前記患者は、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年又は少なくとも10年以上にわたる前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さないことを特徴とする、請求項73に記載のsALP。
【請求項75】
前記患者は、前記sALPの投与に対して忍容性を示す、請求項45~74のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項76】
前記忍容性は、注射部位紅斑、ヘモグロビンの減少、発熱、肺炎、上気道感染、中耳炎、嘔吐、便秘、下痢、歯の喪失、鼻咽頭炎、発疹、虫歯及び易刺激性からなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の欠如又は減少した発生率を含む、請求項75に記載のsALP。
【請求項77】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与するために製剤化される、請求項45~76のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項78】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、生理食塩水である、請求項77に記載のsALP。
【請求項79】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムを含む、請求項78に記載のsALP。
【請求項80】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、約150mMの塩化ナトリウム及び約25mMのリン酸ナトリウムを含む、請求項79に記載のsALP。
【請求項81】
前記組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内投与のために製剤化される、請求項45~80のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項82】
前記組成物は、皮下投与のために製剤化される、請求項81に記載のsALP。
【請求項83】
PEA、PPi及びPLPに対して生理学的に活性である、請求項45~82のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項84】
骨における骨格石灰化を改善するのに触媒として適格である、請求項45~83のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項85】
アルカリホスファターゼの可溶性細胞外ドメインである、請求項45~84のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項86】
前記患者は、ヒトである、請求項45~85のいずれか一項に記載のsALP。
【請求項87】
前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度のベースラインからの最小二乗平均における統計学的に有意な変化;又は
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度のベースラインからの最小二乗平均における統計学的に有意な変化
の一方又は両方をもたらす、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記sALPの投与は、約2,000U×日/L~約7,000U×日/LのAUClastをもたらし、前記AUClastは、時間ゼロから、投与間隔における最後に観察された濃度の時間までの濃度-時間曲線下の面積に等しい、請求項1~44又は87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記sALPの投与は、約4,000U×日/L~約10,000U×日/LのAUCinfをもたらし、前記AUCinfは、時間ゼロから無限大までの濃度-時間曲線下の面積に等しい、請求項1~44、87又は88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記sALPの投与は、約3日~約8日のt1/2をもたらす、請求項1~44又は87~89のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法を特徴とする。
【背景技術】
【0002】
低ホスファターゼ症(HPP)は、稀な遺伝性骨格疾患であり、この疾患の最も重篤な形態について出生100,000人当たり1人の発生率を有する。この疾患は、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNALP)をコードする遺伝子の機能喪失型変異に起因する。HPPは、くる病から子宮内の骨石灰化のほとんど完全な欠如まで極めて広範囲の症状及び重症度を示す。
【0003】
HPPの症状は、患者によって異なり、患者の年齢によって異なる。ほとんどのHPP患者は、骨格変化、低身長、慢性痛、有痛性下肢、歩行障害及び早期の非外傷性歯喪失を示す。例えば、成人HPP患者によく見られる症状として、骨軟化症、低ミネラル化骨、血中及び/又は尿中の無機ピロリン酸(PPi)、ピリドキサール5’-リン酸塩(PLP)又はホスホエタノールアミン(PEA)の上昇、低石灰化、高カルシウム尿症、低身長、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎及びピロリン酸塩関節症を挙げることができる。青年HPP患者によく見られる症状として、PPi、PEA又はPLPの上昇した血中又は尿中濃度、骨軟化症、骨格変形、緊張低下、筋力低下、リウマチ合併症、関節炎、偽痛風、動揺歩行、歩行困難、骨痛、痛み、歯の早期喪失、低石灰化、肺形成不全、呼吸不全、痙攣、高カルシウム尿症、低身長及び成長遅延を挙げることができる。
【0004】
HPPに関連する身体的障害のために、HPPに苦しむ成人患者は、健康な対象と比較して歩行能力の低下を示すことが多い(Weinstein RS,Whyte MP,Arch Intern Med.1981;141(6):727-731)。成人のHPP患者は、ピロリン酸カルシウム沈着症(CPPD)、偽痛風、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎、脊椎粉砕骨折、転子下骨折、中足骨骨折及び/又は偽骨折を患い得る(Coe JD,et al.,J Bone Joint Surg Am.1986;68(7):981-990;Sutton,RAL,et al.,J Bone Miner Res.2012;27(5):987-994)。他の症状、例えばくる病、ラヒット肋骨、重度の低石灰化、発育不全、運動発達の遅延、不十分な体重増加、肺形成不全、呼吸不全、呼吸不全、頭蓋骨癒合症(頭蓋骨癒合症の合併症を含む)及び痙攣は、HPP罹患小児又は乳児に起こるが、HPP罹患成人には起こらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特にHPPの治療の有効性及び安全性、特に長期間の治療を伴う、HPPの成人及び青年型に関連する特定の生理学的及び身体的障害並びに歩行能力の低下は、未知である。従って、これらの患者が、身体的及び生理学的障害が減少した状態で生存することができ、適切なレベルの歩行能力を回復することができるように、長期間にわたって成人及び青年患者のHPPを治療し、モニターするために使用することができる方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)可溶性アルカリホスファターゼ(sALP;例えば、配列番号1)での治療のための、HPP罹患成人(例えば、約18歳以上のHPP罹患成人、例えば小児発症HPP罹患成人)及び/又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)を同定するための方法、及び(2)そのような患者のsALPによる治療が開示される。本明細書で定義される成人HPPの症状には、例えば、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化性関節周囲炎並びに偽骨折が含まれる。本明細書で定義される青年HPPの症状としては、例えば、PPi、PEA又はPLPの上昇した血中又は尿中濃度、骨軟化症、1つ以上の骨格変形、緊張低下、筋力低下、リウマチ合併症、関節炎、偽痛風、動揺歩行、歩行困難、骨痛、痛み、歯の早期喪失、低石灰化、肺形成不全、呼吸不全、痙攣、高カルシウム尿症、低身長並びに成長遅延を挙げることができる。
【0007】
sALP(例えば、配列番号1)を用いた治療の必要性又は有効性を評価するために有用な例示的な測定基準には、(1)血漿PPi及びPLP濃度、(2)6分間歩行試験(6MWT)、(3)Bruininks-Oseretskyの運動能力試験第2版(BOT-2)、(4)ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、(5)下肢機能スケール(LEFS)、並びに(6)簡易痛み質問紙票(BPI-SF)が含まれる。追加の試験及び測定基準には、Tinetti Performance Oriented Mobility Assessment(POMA;任意選択により修正)並びにGAITRITE(登録商標)(Clinical Image Retrieval System Inc.)などの時間空間歩行分析ソフトウェア及びハードウェアが含まれるであろう。本方法は、HPP患者にsALP(例えば、配列番号1)を使用して治療の有効性を評価するために、記載された測定基準(例えば、BOT-2、6MWT、血漿PPi及びPLP濃度、HHD、LEFS又はBPI-SF)の1つ以上を単独又は組み合わせて使用すること(そうした使用では、特定のスコア又は値に対する改善により、sALPがHPPの治療に有効であることが示される)をさらに含む。さらに、HPP患者からのサンプル(例えば、血漿サンプル)中のALPの活性レベルも、患者に対するsALP(例えば、配列番号1)の治療の有効性を評価するために単独で又はこれらの測定基準の1つ若しくはそれぞれと組み合わせて使用され得る。さらに、方法は、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年に投与するsALPの有効量を決定するためにsALP(例えば、配列番号1)投与の用量及び/又は頻度を変化させることをさらに含む。
【0008】
第1の態様は、成人HPPの症状を有するとして特徴付けられる、約18歳以上の小児発症HPP患者(例えば、ヒト)のHPPを治療する方法であって、sALP(例えば、配列番号1)を、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で患者に投与することを含む方法を特徴とする。好ましくは、成人患者は、sALPによる治療に関して未経験(すなわち治療未経験)である。具体的には、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列(例えば、アスフォターゼアルファ)を含む。sALP(例えば、配列番号1)の投与は、以下:(i)患者からの血漿サンプル中のPPi濃度の、約18歳以上の小児発症HPP未治療患者からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した約1μMの統計学的に有意な減少;(ii)患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の、約18歳以上の小児発症HPP未治療患者からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び(iii)6MWTによって評価される患者の歩行距離の、投与を受けていない患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加のうち1つ以上をもたらす。さらに、sALP(例えば、配列番号1)の投与後、サンプル(例えば、血漿サンプル)中のALPの活性の増加があり得る。
【0009】
本方法の結果、患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)からの血漿サンプル中のPPi濃度の減少、患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の減少及び/又は患者の歩行距離の増加は、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間中に持続される。
【0010】
sALP(例えば、配列番号1)の投与前に、患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)は、約6μMまでの血漿PPi濃度(例えば、約3.5μM、約4μM、約4.5μM、約5μM若しくは約5.5μM又は約3.5μM~約6μMの範囲内の血漿PPi濃度)、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度(例えば、約200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、1000ng/ml、1100ng/ml、1200ng/ml若しくは1300ng/mlの血漿PLP濃度又は約200ng/ml~約1300ng/mlの範囲内の血漿PLP濃度及び/又は約350メートル以下の6分間の歩行距離(例えば、約50メートル、75メートル、100メートル、125メートル、150メートル、175メートル、200メートル、225メートル、250メートル、275メートル若しくは350メートルの6分間の歩行距離又は約50メートル~約350メートルの範囲内の6分間の歩行距離)を有するとして特徴付けられ得る。治療期間にわたるsALPの投与後、患者からの血漿サンプル中のPPi濃度の減少は、少なくとも約2μM(例えば、患者は、sALPの投与後、約2μM~約5μMの範囲の血漿PPi濃度を示す)であり得、患者からのサンプル中のPLP濃度の減少は、少なくとも約200ng/ml(例えば、患者は、sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの範囲の血漿PLP濃度を示す)であり、且つ/又は少なくとも100メートル以上の6分間の歩行距離の増加(例えば、患者は、sALPの投与後、約420メートル以上の6分間の歩行距離を示す)である。患者は、sALP(配列番号1)の投与後、移動支援器具(例えば、歩行器、車椅子、ブレース、松葉杖及び装具)への低下した依存度及び/又は骨折(例えば、脊椎粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)の減少した発生率も示し得る。患者はまた、例えば、血清カルシウム濃度が、健康な対象の範囲(例えば、約8.5~約10.2mg/dl)未満であり、血清リン酸塩濃度が、健康な対象の範囲(例えば、約2.5~約4.5mg/dl)未満であり、血清ビタミンD濃度が、健康な対象の範囲(例えば、約20ng/ml)未満であり、血清クレアチニンが、健康な対象の範囲(例えば、約0.6mg/dl~1.2mg/dl)超であり、且つ/又は副甲状腺ホルモン濃度が、健康な対象の範囲(例えば、約10~約65pg/ml)超であるため、sALPによる治療から除外され得る。
【0011】
第2の態様は、約13歳以上の患者(例えば、ヒト)のHPPを治療する方法であって、sALP(例えば、配列番号1)を、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは、6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で患者に投与する方法を特徴とする。患者は、sALPによる治療に関して未経験であり得る。具体的には、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列(例えば、アスフォターゼアルファ)を含む。sALP(例えば、配列番号1)の投与は、以下:(i)患者の%予測HHDスコアの、sALPによる治療前の患者の%予測HHDスコアと比較した約5%以上(例えば、約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%又は20%以上)の変化;(ii)患者のLEFSスコアの、sALPによる治療前の患者のLEFSスコアと比較した約3以上(例えば、約3、4、5、6、7、8、9又は10以上)の変化;及び(iii)患者のBPI-SFスコアの、sALPによる治療前の患者のBPI-SFスコアと比較した約-2以上(例えば、約-2、約-3、約-4、約-5、約-6又は約-7以上)の変化のうち1つ以上をもたらす。
【0012】
第1又は第2の態様では、sALP(例えば、配列番号1)は、1日、1週間、1ヶ月又は1年に1回以上(例えば、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回)投与され得る。特に、sALPは、週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与され得る。例えば、sALP(例えば、配列番号1)は、約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量(例えば、約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALP初期用量)で投与され、且つその後、約6mg/kg/週以上の用量(例えば、9mg/kg/週)に増加される。特に、初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上(例えば、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年超、例えば患者の生涯)の治療期間後に増加され得る。さらに、sALP(例えば、配列番号1)は、約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週以上(例えば、約9mg/kg/週)の用量で投与され得、例えば、sALPは、約2mg/kgの用量で週3回、約3mg/kgで週2回、約3mg/kgで週3回又は約1mg/kgの用量で週6回投与される。さらに、sALPは、連日又は隔日で1日1回投与され得る。さらに、sALP(例えば、配列番号1)は、成人HPP症状の少なくとも1つ(例えば、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血液及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折(例えば、脊椎粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎並びに偽骨折のうち1つ以上)を治療するのに治療上有効な量で投与され得る。
【0013】
第1又は第2の態様では、sALP(例えば、配列番号1)は、生理食塩水又は塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムなど、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与される。例えば、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤には、150mMの塩化ナトリウム及び25mMのリン酸ナトリウムが含まれる。さらに、医薬組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内に投与され得る。特に、医薬組成物は、皮下投与される。
【0014】
第3の態様は、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者(例えば、ヒト)の低ホスファターゼ症(HPP)を治療するための、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸(例えば、アスフォターゼアルファ)配列を含むsALPを特徴とする。特に、sALPは、少なくとも2週間、例えば少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で投与するために製剤化される。sALP(例えば、配列番号1)は、患者へのsALPの投与が、以下:(i)患者からの血漿サンプル中のPPi濃度の、約18歳以上の小児発症HPP未治療患者からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した約1μMの統計学的に有意な減少;(ii)患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の、約18歳以上の小児発症HPP未治療患者からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び(iii)6MWTによって評価される患者の歩行距離の、投与を受けていない患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加のうち1つ以上をもたらすことを特徴とする。
【0015】
第3の態様では、sALPは、患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)からの血漿サンプル中のPPi濃度の減少、患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の減少及び/又は患者の歩行距離の増加が少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間中に持続されることを特徴とし得る。
【0016】
第3の態様では、sALP(例えば、配列番号1)は、患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)がsALP投与前に約6μMの血漿PPi濃度、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度及び/又は約350メートル以下の6分間の歩行距離を示すことを特徴とし得る。特に、sALPは、患者の血漿サンプル中のPPi濃度の減少が少なくとも約2μM(例えば、患者は、sALPの投与後、約2μM~約5μMの血漿PPi濃度を示す)であり、患者のサンプル中のPLP濃度の減少が少なくとも約200ng/ml(例えば、患者は、sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの血漿PLP濃度を示す)であり、且つ/又は少なくとも1年の治療期間のsALPの投与が少なくとも100メートル以上の6分間の歩行距離の増加(例えば、患者は、sALPの投与後、約420メートル以上の6分間の歩行距離を示す)をもたらすことを特徴とし得る。患者は、sALP(配列番号1)の投与後、移動支援器具(例えば、歩行器、車椅子、ブレース、松葉杖及び装具)への低下した依存度及び/又は骨折(例えば、脊椎粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)の減少した発生率も示し得る。
【0017】
第3の態様では、sALP(例えば、配列番号1)は、1日、1週間、1ヶ月又は1年に1回以上(例えば、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回)投与するために製剤化され得る。特に、sALPは、週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与するために製剤化される。例えば、sALP(例えば、配列番号1)は、約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量(例えば、約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALP初期用量)で投与するために製剤化され、且つその後、約6mg/kg/週以上の用量(例えば、9mg/kg/週)に増加される。特に、初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上(例えば、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年超、例えば患者の生涯)の治療期間後に増加され得る。さらに、sALP(例えば、配列番号1)は、約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週以上(例えば、約9mg/kg/週)の用量で投与するために製剤化され得、例えば、sALPは、約2mg/kgの用量で週3回、約3mg/kgで週2回、約3mg/kgで週3回又は約1mg/kgの用量で週6回投与するために製剤化される。さらに、sALPは、連日又は隔日で1日1回投与するために製剤化され得る。さらに、sALP(例えば、配列番号1)は、成人HPP症状の少なくとも1つ(例えば、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血液及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折(例えば、脊椎粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎並びに偽骨折のうち1つ以上)を治療するのに治療上有効な量で投与するために製剤化され得る。
【0018】
第3の態様では、sALP(例えば、配列番号1)は、生理食塩水又は塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムなど、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与するために製剤化され得る。例えば、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤には、150mMの塩化ナトリウム及び25mMのリン酸ナトリウムが含まれる。さらに、医薬組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内投与するために製剤化され得る。特に、医薬組成物は、皮下投与するために製剤化される。
【0019】
上記のいずれの態様でも、患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)は、周産期、幼児期又は小児期HPPの症状、例えばくる病、ラヒット肋骨、重度の低石灰化、発育不全、運動発達遅延、不十分な体重増加、肺形成不全、呼吸不全、呼吸不全、頭蓋骨癒合症(頭蓋骨癒合症の合併症を含む)及び痙攣などの存在に基づいて診断されなかった患者であり得る
【0020】
上記のいずれの態様でも、患者は、ヒトである。患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者)は、sALP(例えば、配列番号1)の投与後、異所性石灰化を示さなくなり得る。例えば、患者は、sALPの投与後、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年又は少なくとも10年以上、例えば患者の生涯にわたって異所性石灰化を示さない。さらに、患者(例えば、約13歳以上のHPP患者、このような患者は、約18歳以上の小児発症HPP治療未経験患者を含む)は、注射部位紅斑、ヘモグロビンの減少、発熱、肺炎、上気道感染、中耳炎、嘔吐、便秘、下痢、歯の喪失、鼻咽頭炎、発疹、虫歯及び易刺激性からなる群から選択される有害事象の欠如又は減少した発生率など、sALP(例えば、配列番号1)の投与に対して許容性を示し得る。
【0021】
上記のいずれの態様でも、sALP(例えば、配列番号1)は、配列番号1のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。例えば、sALP(例えば、配列番号1)は、PEA、PPi及びPLPに対して生理学的に活性であり、骨の骨格石灰化を改善するための触媒として適格であり、且つ/又はアルカリホスファターゼの可溶性細胞外ドメインである。
【0022】
上記のいずれの態様でも、sALPの投与は、患者からの血漿サンプル中のPPi及び/又はPLP濃度のベースラインからの最小二乗平均における統計学的に有意な変化をもたらし得る。sALPの投与は、約2,000U×日/L~約7,000U×日/LのAUClastをもたらし得、AUClastは、時間ゼロから、投与間隔における最後の観察された濃度の時間までの濃度-時間曲線下の面積に等しい。sALPの投与は、約4,000U×日/L~約10,000U×日/LのAUCinfをもたらし得、AUCinfは、時間ゼロから無限大までの濃度-時間曲線下の面積に等しい。sALPの投与は、約3日~約8日のt1/2をもたらし得る。
【0023】
定義
本明細書では、「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、別段の指示がない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。さらに、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確に別に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0024】
本明細書では、「約」は、記載された値の±10%、好ましくは記載された値の±5%又はより好ましくは記載された値の±2%の量を指す。
【0025】
本明細書では、「少なくとも」は、記載された値の≦10%、好ましくは記載された値の≦5%又はより好ましくは記載された値の≦2%の量を指す。
【0026】
「アスフォターゼアルファ」とは、HPPの治療のために製剤化されたヒトTNALP(hTNALP)融合タンパク質を意味する。アスフォターゼアルファ(STRENSIQ(登録商標)、Alexion Pharmaceuticals、Inc.)は、2つの同一のポリペプチド鎖を有する可溶性糖タンパク質を含む融合タンパク質であり、各ポリペプチド鎖は、配列番号1の1~726のアミノ酸残基を含む。各ポリペプチド鎖の構造は、hTNALPの触媒ドメイン、ヒト免疫グロブリンG1のFcドメイン及び骨標的ドメインとして使用されるデカ-アスパラギン酸ペプチド(構造hTNALP-Fc-D10)を含む。2つのポリペプチド鎖は、2つのジスルフィド結合によって共有結合している。アスフォターゼアルファは、STRENSIQ(登録商標)の商品名において、米国、ヨーロッパ、日本、カナダ、イスラエル、オーストラリア及び韓国を含む世界中で承認されている。
【0027】
本明細書では、「平均」は、データセットの平均又は中央値を表す数値を指す。データセットの平均は、セット内の値の合計をそれらの数で割ることによって計算される。日付セットの中央値は、奇数のリスト内の中央の値を決定することにより、又は偶数のリスト内の中央の2つのデータ値の平均をとることにより計算される。
【0028】
本明細書では、用語「骨標的部分」は、骨標的部分が、約10-6M~約10-15M(例えば、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、10-14M又は10-15M)である、骨マトリックスに対する高いインビボ結合親和性を有するように、十分な親和性を骨マトリックスに対して有する長さ1~50アミノ酸残基のアミノ酸配列をいう。
【0029】
本明細書で互換的に使用される用語「簡易痛み質問紙票」及び「BPI-SF」は、患者、特にHPP患者(例えば、約13歳以上の患者)の痛みを測定する方法を指す。BPI-SFは、Cleeland&Ryan(Ann Acad Med Singapore,23(2),129-138;1994)に記載されている自己報告式痛み測定であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。BPI-SFは、痛みの重症度及び日常機能に対する痛みの影響を評価するために設計された質問票である。BPI-SFは、アンケート実施の24時間前の痛みの重症度(4項目)及び痛みの干渉度(7項目)を評価するために数値評価スケールを利用する11項目からなる。BPI-SF質問票では、痛みの強さ及び痛みが患者(例えば、約13歳以上のHPP患者)の日常機能を妨げる程度に関する情報を0(痛みなし)~10(疼痛又は痛みにより引き起こされる重大な干渉)の数値評価尺度で提供し、スコアが低いほど生活の質の改善及び痛みの軽減を示す。例えば、HPP青年及び成人のBPI-SFスコアは、11の痛み評価を複合化したものである。
【0030】
本明細書では、「Bruininks-Oseretskyの運動能力試験第2版」又は「BOT-2」という用語は、患者、例えば小児発症HPP罹患成人などのHPP罹患成人のための、粗大及び微細運動能力を標準化した試験の第2版を指す。Bruininks,R.H.(2005).“Bruininks-Oseretsky Test of Motor Proficiency,(BOT-2)”.Minneapolis,MN:Pearson Assessment(この全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。BOT-2を個々に実施して、一連の患者の粗大及び微細運動スキルを評価する。BOT-2は、例えば、HPP患者(例えば、HPP罹患成人、例えば小児発症HPP罹患成人)の身体障害及び可動域制限を評価するために使用することができる。BOT-2は、以下の例示的な領域における複合BOT-2スコアを提供する:強度、走行速度及び機敏性、微細運動の精度、微細運動の統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調。例えば、BOT-2強度の合計スコアは、患者に起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位、腕立て伏せを行わせることによって決定することができる。走行速度及び機敏性の合計スコアは、患者に平均台を跨がせるか、又はシャトルラン、両脚サイドホップ若しくは片脚サイドホップを実行させることによって決定することができる。BOT-2強度の合計スコア並びにBOT-2の走行速度及び機敏性合計スコアの両方は、0~25の範囲であり、約10~25のスコアは、健康な対象を代表すると考えられる。強度並びに走行速度及び機敏性の規準スコアは、15+/-5である。成人スコアは、規準化されず(スケーリングされたスコアを使用しない)、従って、より高いポイント値は、より良好なパフォーマンスを表す。平均スコア又は中央値スコアのいずれかを使用し得るが、より小さいサンプルサイズ又はより小さいデータセットには中央値スコアが好ましい。
【0031】
本明細書では、「触媒として適格な」という用語は、骨石灰化阻害剤の無機ピロリン酸(PPi)を加水分解して無機リン酸塩(Pi)を提供し、それによってPPiの細胞外濃度を低下させるsALPを指す。従って、触媒として適格なsALPは、PPiの濃度を調節することによって骨の骨格石灰化を改善する。
【0032】
「細胞外ドメイン」とは、天然タンパク質、例えばアルカリホスファターゼの任意の機能的細胞外部分を意味する。特に、細胞外ドメインは、シグナルペプチドを欠いている。
【0033】
「Fc」とは、免疫グロブリン重鎖のCH2及びCH3ドメインを含む、免疫グロブリンの断片結晶化可能領域、例えばIgG-1、IgG-2、IgG-3、IgG-3又はIgG-4を意味する。Fcは、Fab及びFc領域を接合するヒンジ領域の任意の部分も含み得る。Fcは、ヒトを含む任意の哺乳動物のものであり得、翻訳後修飾され得る(例えば、グリコシル化によって)。非限定的な例では、Fcは、配列番号20のアミノ酸配列を有するヒトIgG-1の断片結晶化可能領域であり得る。
【0034】
「断片」とは、好ましくは、参照核酸分子又はポリペプチドの完全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれを超えて含有するポリペプチド又は核酸分子の一部を意味する。断片は、例えば、ポリペプチドの完全長まで10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、400、500、600、700又はそれを超えるアミノ酸残基を含み得る。例示的なsALP断片は、ALP(例えば、配列番号2~6)のアミノ酸残基18~498、18~499、18~500、18~501、18~502、18~503、18~504、18~505、18~506、18~507、18~508、18~509、18~510、18~511又は18~512を有し、さらなるC末端部分及び/又はN末端部分を含み得る。
【0035】
本明細書で互換的に使用される「ハンドヘルドダイナモメトリー」及び「HHD」という用語は、対象、特に約13歳以上のHPP罹患対象の握力及び筋力を測定する方法を指す。ダイナモメータは、HPP罹患対象のグリップ強度、膝屈曲、膝伸展、股関節屈曲、股関節伸展及び股関節外転を評価するために使用することができる。例えば、約13歳以上のHPP罹患対象の膝屈曲及び伸展並びに股関節屈曲、伸展及び外転は、例えば、MICROFET2TMダイナモメータを使用して測定することができる一方、対象のグリップ強度は、例えば、JAMAR(登録商標)グリップダイナモメーターを使用して測定することができる。具体的には、管理者は、ダイナモメータを静止状態に保持し、対象は、ダイナモメータに対して最大の力を加える。最大力データをポンドで収集し、後にニュートン(N)に変換される。次いで、肢の長さを使用してN-メートルでトルク値が計算される。その後、トルク値は、例えば、ほぼ同じ年齢、同じ性別及び/又は同じ身長の健常対象の値と比較し、パーセンテージ値で表して対象のHHDスコアを生成することができる。
【0036】
本明細書では、「低ホスファターゼ症」又は「HPP」という用語は、ALPL(アルカリホスファターゼ、肝臓/骨/腎臓)遺伝子の1つ以上の機能喪失変異(これは、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNALP)をコードする)によって引き起こされる稀な遺伝性骨格障害を指す。HPPは、乳児HPP、小児HPP、周産期HPP(例えば、良性周産期HPP又は致死性周産期HPP)、歯科-HPP、青年期HPP又は成人HPPとしてさらに特徴付けられ得る。例えば、「成人HPP」は、18歳以上のHPP患者である。「青年期HPP」は、約13歳~約17歳のHPP患者である。本明細書では、「成人HPP」という用語は、以下の症状のうち1つ以上の存在によって特徴付けられる状態又は表現型を指す:無機ピロリン酸(PPi)、ホスホエタノールアミン(PEA)又はピリドキサール5’-リン酸(PLP)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折(例えば、椎骨粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化性関節周囲炎並びに偽骨折。本明細書では、「青年期HPP」という用語は、以下の症状のうち1つ以上の存在によって特徴付けられる状態又は表現型を指す:PPi、PEA又はPLPの上昇した血中又は尿中濃度、骨軟化症、1つ以上の骨格変形、緊張低下、筋力低下、リウマチ合併症、関節炎、偽痛風、動揺歩行、歩行困難、骨痛、痛み、歯の早期喪失、低石灰化、肺形成不全、呼吸不全、痙攣、高カルシウム尿症、低身長並びに成長遅延。
【0037】
本明細書で互換的に使用される用語「下肢機能スケール」及び「LEFS」は、患者、特にHPP患者(例えば、約13歳以上の患者)の下肢の機能障害を測定する方法を指す。LEFSは、Binkley et al.(Phys Ther.79:371-83,1999)に記載がある自己報告尺度であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。LEFSの合計スコアは、0~80の範囲であり、より高いスコアは、より良好な下肢機能の指標である。約9点のLEFSスコアの変化は、臨床的に意味のある変化と考えられる。免許を有する理学療法士は、インタビュー形式でHPP患者(例えば、約13歳以上のHPP患者)にLEFSを実施することができる。より高いLEFSスコアは、移動運動(例えば、浴から出るか又はベッドで転がる)、歩行運動(例えば、平坦でない地面を歩くか又は走る)、階段を登ること及びしゃがむことを含む、下肢機能の改善の指標である。LEFSは、HPP患者の一方又は両方の下肢の機能障害を評価するために使用することができ、患者を経時的に監視し、アスフォターゼアルファ治療の有効性を評価する能力を含む。
【0038】
「治療未経験(naive)患者」又は「治療未経験(naive)対象」とは、sALP(例えば、TNALP、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)などのアルカリホスファターゼ又はアルカリホスファターゼ活性を有するポリペプチドによる治療を以前に受けていない小児発症HPP患者又は対象を意味する。
【0039】
「小児発症低ホスファターゼ症」及び「小児発症HPP」という用語は、対象が約18歳前にHPPを発症することを指す。
【0040】
用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、互換的に使用され、本明細書で記載されるように、天然に存在するか又は天然に存在しないポリペプチド又はペプチドの全て又は一部を構成する、2つ以上の天然又は非天然アミノ酸残基の任意の鎖を翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はリン酸化)にかかわらず指す。
【0041】
「薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤」とは、それぞれ対象(例えば、ヒト)に対して生理学的に許容されるが、それが投与される医薬組成物の治療特性を保持する担体、希釈剤又は賦形剤を意味する。1つの例示的な薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、生理食塩水である。例えば、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、塩化ナトリウム(例えば、150mM塩化ナトリウム)及びリン酸ナトリウム(例えば、25mMリン酸ナトリウム)を含むことができる。他の生理学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤及びそれらの製剤は、当業者に公知である。
【0042】
「医薬組成物」とは、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を用いて製剤化された、本明細書に記載のポリペプチド(例えば、アスフォターゼアルファなどのsALPを含む組成物)を含む組成物を意味する。医薬組成物は、患者の疾患又は事象の治療又は予防のための治療計画の一部として、政府の規制当局の承認を得て製造又は販売され得る。医薬組成物は、例えば、皮下投与、静脈内投与(例えば、粒子状塞栓を含まない無菌溶液として及び静脈内使用に適した溶媒系で)、経口投与(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ゲルキャップ又はシロップ)又は本明細書に記載の任意の他の製剤(例えば、単位剤形)のために製剤化することができる。
【0043】
本明細書では、「身体障害」という用語は、例えば、歩行能力、機能的耐久力及び患者(例えば、小児発症HPP罹患成人などのHPP罹患成人)の日常生活(ADL)の活動能力を制限又は排除することがある、HPPに関連する骨脆弱及び筋力低下などの生理学的状態を指す。特に、身体障害は、ADLを行う患者の能力を制限又は排除し得、ADLは、健康な対象であれば支援を必要とせずに毎日実施している機能的運動又は移動(例えば、歩行)、入浴及びシャワー、身支度、自己栄養並びに個人的な衛生及びグルーミングなどの日常的な活動である。本明細書に記載のように、治療組成物(例えば、アスフォターゼアルファなどのsALPを含む組成物)は、HPP表現型に関連する身体障害の重症度及び/又は頻度を減少させ、且つ/又は患者の歩行能力(例えば、6分間にわたって患者が歩いた距離から決定される歩行能力)を増加させるために患者(例えば、小児発症HPP罹患成人などのHPP罹患成人)に投与することができる。
【0044】
本明細書では、「生理学的に活性な」という用語は、ホスホエタノールアミン(PEA)、無機ピロリン酸(PPi)及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)を加水分解してPiを生成し、それによってPEA、PPi及びPLPの細胞外濃度を低下させるsALP(例えば、配列番号1)を指す。
【0045】
用語「sALP」、「可溶性アルカリホスファターゼ」及び「アルカリホスファターゼの細胞外ドメイン」は、互換的に使用され、可溶性の非膜結合アルカリホスファターゼ又はそのドメイン、生物学的に活性な断片若しくは生物学的に活性な変異体を指す。sALPには、例えば、C末端糖脂質アンカーを欠くアルカリホスファターゼ(GPIシグナル配列、例えばヒトTNALP(配列番号2、3、4、5又は6)のアミノ酸残基18~502を含むか又はそれからなるポリペプチド)が含まれる。特に、TNALPは、例えば、配列番号1のアミノ酸残基1~485を含むか又はそれからなるポリペプチド、例えばアスフォターゼアルファ又は配列番号1のアミノ酸残基1~485に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体を含み得る。sALPは、例えば、アカゲザルTNALP(配列番号7)、ラットTNALP(配列番号8)、イヌTNALP(配列番号9)、ブタTNALP(配列番号10)、マウスTNALP(配列番号11)、ウシTNALP(配列番号12~14)又はネコTNALP(配列番号15)などのヒトTNALPの哺乳動物オーソログをさらに含む。sALPは、ヒトPALP(例えば、配列番号16又は17のアミノ酸残基18~502を含むか又はそれからなるポリペプチド)、GCALP(例えば、配列番号18のアミノ酸残基18~502を含むか又はそれからなるポリペプチド)及びIALP(例えば、配列番号19のアミノ酸残基18~502を含むか又はそれからなるポリペプチド)の可溶性の非膜結合形態並びにアルカリホスファターゼ活性、例えばPPiを加水分解する能力を保持するそのさらなる変異体及び類似体も含む。特に、sALPは、N末端シグナルペプチド(例えば、配列番号2~6、8、11~13又は15のaa1~17又は配列番号7のaa1~~25)を欠く。
【0046】
「sALPポリペプチド」とは、構造A-sALP-Bを有するポリペプチドを意味し、ここで、sALPは、本明細書で定義されているものであり、A及びBの各々は、存在しないか、又は少なくとも1つのアミノ酸のアミノ酸配列である(例えば、本明細書に記載の任意のsALP融合ポリペプチド(例えば、配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)。
【0047】
「シグナルペプチド」とは、ポリペプチドを分泌経路(例えば、細胞外空間)に向ける、ポリペプチドN末端の短いペプチド(5~30アミノ酸長)を意味する。シグナルペプチドは、典型的にはポリペプチドの分泌中に切断される。シグナル配列は、ポリペプチドを細胞内コンパートメント又はオルガネラ、例えばゴルジ装置に向け得る。シグナル配列は、ポリペプチドを細胞の特定領域に標的化する既知の機能を有するペプチドに対する相同性又は生物学的活性によって同定され得る。当業者は、容易に入手可能なソフトウェア(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group,University of Wisconsin Biotechnology Center,1710 University Avenue,Madison,Wis.53705、BLAST又はPILEUP/PRETTYBOXプログラム)を使用してシグナルペプチドを同定することができる。シグナルペプチドは、例えば、配列番号2~6のアミノ酸残基1~17又は配列番号7のアミノ酸残基1~25と実質的に同一であるものであり得る。
【0048】
本明細書では、ポリペプチド又は核酸配列が参照配列に対して「少なくともX%の配列同一性」を有すると言及され、及び「X」が実数である場合、配列が最適に整列される場合、ポリペプチド又は核酸中の少なくともXパーセントのアミノ酸残基又はヌクレオチドが参照配列のそれと同一であることを意味する。配列の最適なアラインメントは、当業者の技術の範囲内にある様々な方法、例えばSmith Watermanアライメントアルゴリズム(Smith et al,J.Mol.Biol.147:195-7,1981)及びBLAST(Basic Local Alignment Search Tool;Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-10,1990)で決定することができる。これら及び他のアラインメントアルゴリズムは、GeneMatcher Plus(Schwarz and Dayhoff,Atlas of Protein Sequence and Structure,Dayhoff,M.O.,Ed.pp 353-358,1979)に組み込まれている「Best Fit」(Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics,482-489,1981)、BLAST、BLAST-2、BLAST-P、BLAST-N、BLAST-X、WU-BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、CLUSTAL、Megalign(DNASTAR)又はアラインメントのための他のソフトウェア/ハードウェアなど、一般公開されているコンピュータソフトウェアにより使用できる。さらに、当業者は、比較される配列の長さにわたって最適なアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0049】
用語「患者」又は「対象」は、ヒト又はウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ若しくはネコなどの非ヒト哺乳動物を含む哺乳動物を指すが、これらに限定されない。特に関心があるのは、ヒト患者である。
【0050】
本明細書では、「非経口投与」、「非経口的な投与」及び他の文法的に均等な語句は、通常、注射による経腸投与及び局所投与以外の投与様式を指し、限定されないが、皮下、皮内、静脈内、鼻腔内、眼内、肺内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、肺内、腹腔内、経気管、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外、脳内、頭蓋内、頸動脈内及び胸骨内への注射及び注入を含む。
【0051】
本明細書では、「6分間歩行試験」及び「6MWT」は、患者(例えば、小児発症HPP罹患成人などのHPP罹患成人)の歩行能力、特に患者が各脚を順番に持ち上げて下ろす能力を評価するための標準化された試験を指す。参照により全体が本明細書に組み込まれるAmerican Thoracic Society statement:guidelines for the six-minute walk test(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine,166(1):111-7,2002)を参照されたい。6MWTは、患者が6分間に平坦な硬い表面上を歩く距離(例えば、メートル単位)から決定される。その後、6MWT距離を、ベースラインでの患者の6MWT距離、未治療対象(例えば、ほぼ同年齢、同身長及び/又は同性の未治療対象)の6MWT距離又は健康な対象(例えば、ほぼ同年齢、同身長及び/又は同性の健康な対象)の6MWT距離と比較し、パーセンテージとして表して、6MWT値を決定することができる。
【0052】
「治療有効量」とは、成人HPPの少なくとも1つの症状(例えば、PPi、PLP及びPEAの上昇した血中又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎並びに偽骨折)を実質的に改善、治療、予防、遅延、抑制又は停止するのに十分な量の、本明細書に記載のポリペプチド(例えば、配列番号1などのsALP)又は核酸分子を意味する。本明細書に記載の組成物の治療有効量は、治療される障害の重症度並びに患者の状態、体重及び全身状態に依存し得、このような因子を考慮して当業者により決定することができる。本明細書に記載の組成物の治療有効量は、単回用量で又はある期間にわたって投与される複数回用量で患者に投与することができる。
【0053】
「治療すること」、「治療する」又は「治療」とは、例えば、医薬組成物(例えば、配列番号1などのsALP)を投与することにより、成人HPPの治癒、改善、安定化、可能性の低減又は予防を意図した患者の医学的管理及び/又は成人HPP患者若しくはその疑いのある患者の管理を意味する。この用語は、能動的治療、すなわち疾患、病的状態、障害又は事象の改善に特に向けられる治療又は治癒に関連する治療を含み、原因治療、すなわち関連する疾患、病的状態、障害又は事象の原因の除去に向けられる治療も含む。さらに、この用語は、緩和治療、すなわち疾患、病的状態、障害又は事象の治癒ではなく、少なくとも1つの症状の軽減又は改善のために設計された治療;対症療法、すなわち関連する疾患、病的状態、障害又は事象の全身症状に向けられた治療;予防的治療、すなわち関連する疾患、病的状態、障害又は事象の進行を、例えば依然として病気ではないが、特定の疾患、病的状態、障害又は事象に敏感であるか又はそうでなければリスクがある患者において最小限にするか又は部分的に若しくは完全に阻害することに向けられた治療;及び支持療法、すなわち関連する疾患、病的状態、障害又は事象の改善に向けた別の特定の治療を補足するために用いられる治療を含む。
【0054】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1A図1A-1Bは成人小児発症低ホスファターゼ(HPP)患者の血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi;図1A)及びピリドキサール5’-リン酸(PLP;図1B)濃度の、アスフォターゼアルファ治療による、ベースラインから6ヶ月までの中央値の変化を示すグラフである。データは、中央値(最小値、最大値)として示す。P値は、統合アスフォターゼ-アルファ治療群(アスフォターゼアルファ0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日の用量を投与された成人HPP患者)を未治療対照群と比較する。血漿PPi及びPLP濃度について評価した治療患者及び未治療対照対象の数(n)が示されている。
図1B図1の続きである。
図2図2は6年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された小児発症HPP成人患者の血漿サンプル中のPPi濃度の中央値を示すグラフである。18歳以上の健康対象のPPi濃度の正常上限値と正常下限値とが示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。プロトコール修正によりアスフォターゼアルファを6mg/kg/週の用量に増加させた治療期間が示されている。6ヵ月時点でのベースラインからの血漿中のPPi濃度の中央値の変化について、P<0.0001である。
図3図3は6年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された小児発症HPP成人患者の血漿サンプル中のPLP濃度の中央値を示すグラフである。18歳超の健康対象のPLP濃度の正常上限値と正常下限値とが示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。プロトコール修正によりアスフォターゼアルファを6mg/kg/週の用量に増加させた治療期間が示されている。6ヵ月時点でのベースラインからの血漿中のPPi濃度の中央値の変化について、P<0.0001である。
図4図4は6年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された小児発症HPP成人患者の6人分間歩行試験(6MWT)距離の予測中央値パーセントを示すグラフである。各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び6年)の中央値、最小値、最大値及びn値が示されている。灰色の領域は、健康であり、年齢が一致し、身長が一致する同格者の6MWT距離の正常な範囲を表す。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。プロトコール修正によりアスフォターゼアルファを6mg/kg/週の用量に増加させた治療期間が示されている。プロトコールを6mg/kg/週に修正する前に、0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日のアスフォターゼアルファを投与されたHPP患者を全治療期間にわたって統合した。
図5図5は6年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された小児発症HPP成人患者についての、Bruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)の走行速度及び機敏性試験の合計スコアの中央値を示すグラフである。各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び6年)の中央値、最小値、最大値及びn値が示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。ベースラインのために、プロトコールを6mg/kg/週に修正する前に、0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日のアスフォターゼアルファを投与されたHPP患者を全治療期間にわたって統合した。
図6図6は6年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された小児発症HPP成人患者についての、BOT-2強度試験の合計スコアの中央値を示すグラフである。各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び6年)の中央値、最小値、最大値及びn値が示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。ベースラインのために、プロトコールを6mg/kg/週に修正する前に、0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日のアスフォターゼアルファを投与されたHPP患者を全治療期間にわたって統合した。
図7図7はアスフォターゼアルファによる治療の初期フェーズ(ベースラインから)から6ヶ月まで及びアスフォターゼアルファによる治療の延長フェーズ(治療の6ヶ月から治療の5年以上まで)を含む5年の期間にわたり、HPP罹患青年及び成人にアスフォターゼアルファを投与する試験設計を示す概略図である。アスフォターゼアルファの用量は、体重変化のために3ヶ月毎に調整した。治験責任医師がメディカルモニターとの相談後に80mgを超える用量を承認しない限り、アスフォターゼアルファの最大用量は、80mgであった。アスフォターゼアルファの用量は、プロトコール修正によって全ての患者で増加した。延長フェーズ中、全ての患者は、最初に0.5mg/kg/週のアスフォターゼアルファを約6ヶ月~1年間毎日投与され、その後、6日/週で1mg/kgに変更された。
図8図8は試験の異なる段階(スクリーニング、無作為化、アスフォターゼアルファ治療のベースラインから6ヶ月までの一次治療期間、アスフォターゼ治療の6ヶ月から1年までの非盲検延長期間及びアスフォターゼアルファの用量が1mg/kg/日に増加され、試験の5年まで6日/週で投与された期間)の青年及び成人HPP患者の数を示す概略図である。
図9図9A-Bはアスフォターゼアルファによる治療のベースラインから6ヶ月までの、青年及び成人HPP患者からの血漿サンプル中ピリドキサール5’-リン酸(PLP;図9A)及び無機ピロリン酸(PPi;図9B)の濃度の中央値変化を示すグラフである。データは、中央値(最小値、最大値)として示す。P値は、統合アスフォターゼ-アルファ治療群(アスフォターゼアルファ0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日の用量を投与された成人及び青年HPP患者)を未治療対照群と比較する。血漿PPi及びPLP濃度について評価した治療患者及び未治療対照対象の数(n)が示されている。
図10A図10A-10Bはアスフォターゼアルファを5年の治療期間にわたって投与された青年及び成人HPP患者の、血漿試料中のPLP(図10A)及びPPi(図10B)の濃度の中央値を示すグラフである。健康対象のPPi及びPLP濃度の正常上限及び正常下限も示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。プロトコール修正によりアスフォターゼアルファを6mg/kg/週の用量に増加させた治療期間が示されている。
図10B図10の続きである。
図11図11A-11Bはアスフォターゼアルファを5年の治療期間にわたって投与された青年及び成人HPP患者が6MWTで歩いた距離の中央値(図11A)及び6MWT距離のパーセント予測中央値(図11B)を示すグラフである。各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年及び5年)の中央値、最小値、最大値及びn値が示されている。灰色の領域は、健康であり、年齢が一致し、身長が一致する同格者の6MWT距離の正常な範囲を表す。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。プロトコール修正によりアスフォターゼアルファを6mg/kg/週の用量に増加させた治療期間が示されている。
図12図12A-12BはHPP罹患青年におけるスクリーニング時及びベースラインでの6MWT歩行距離(図12A)及び小児発症HPPの成人(図12B)間の相関を示すグラフである。
図13図13は5年の治療期間にわたってアスフォターゼアルファを投与された青年及び成人HPP患者の、BOT-2走行速度及び機敏性試験の合計スコアの中央値及びBOT-2強度試験の合計スコアの中央値のベースラインからの変化を示すグラフである。各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年及び5年)の中央値、最小値、最大値及びn値が示されている。対照群は、統合治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。ベースラインのために、プロトコールを6mg/kg/週に修正する前に、0.3mg/kg/日及び0.5mg/kg/日のアスフォターゼアルファを投与されたHPP患者を全治療期間にわたって統合した。
図14図14は第2aフェーズの臨床試験中、様々な濃度でアスフォターゼアルファを投与される患者の投与スケジュールを示す概略図である。
図15図15は第2aフェーズの臨床試験中、ベースラインから第9週の第3回投与前までのPPiの最小二乗平均(LSM)の変化間で観察された有意差を示すグラフである。
図16図16は第2aフェーズの臨床試験中、ベースラインから第9週の第3回投与前までのPLPのLSMの変化間で観察された有意差を示すグラフである。
図17A図17A-17Bは各投与コホート(図17A)の投薬スケジュール並びに薬物動態、薬力学及び免疫原性評価のスケジュール(図17B)を示す概略図である。
図17B図17の続きである。
図18図18A-18Bは1日目の初回投与後(図18A)及び61日目の反復投与事象後(図18B)の、各日の各投与コホート(0.5mg/kg 3×/週、2mg/kg 3×/週及び2mg/kg 3×/週)におけるアスフォターゼアルファ活性(U/L)の個々のPKプロファイルを示すグラフである。
図19図19A-19Cは1日目の初回投与後(図20A)、15日目~61日目の反復投与事象後(図19B)及び61日目の反復投与事象後(図19C)の、各日の各投与コホートにおけるアスフォターゼアルファ活性(U/L)のPKプロファイルの平均±SDを示すグラフである。
図20図20A-20Bは1日目の各日の初期投与後(図20A)及び61日目の反復投与事象後(図20B)の、各投与コホートにおける平均±SD用量正規化したアスフォターゼアルファ活性(U/L)を示すグラフである。
図21図21はアスフォターゼアルファCavg,ss曝露四分位数によるベースライン(CBL)PPiからの61日目の変化を示すグラフである。CBL PPi値の中央値は、ボックスの中央の線によって示される。ボックスは、四分位数間範囲(IQR)を示す。ウィスカーは、1.5*IQRを表す。外れ値は、ウィスカーの外側に黒丸印で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明者らは、アスフォターゼアルファ(配列番号1、STRENSIQ(登録商標)、Alexion Pharmaceuticals,Inc.)が、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人などの約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)において、長期間(少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年超、例えば患者の生涯にわたって)、低ホスファターゼ症(HPP)、その症状及びそれに関連する身体的障害を治療するために効果的に使用できることを発見した。特に、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、身体的障害(例えば、骨又は筋肉の脆弱)、健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、性別及び/又は身長のHPPに罹患していない対象)と比較した歩行能力の低下、健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は身長のHPPに罹患していない対象)と比較したサンプル(例えば、血漿サンプル)中のアルカリホスファターゼ(ALP)濃度の低下、健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は身長のHPPに罹患していない対象)と比較した握力及び筋力の低下、健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は身長のHPPに罹患していない対象)と比較した下肢の障害の減少又は健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は身長のHPPに罹患していない対象)と比較した痛みの増加を示すHPP罹患成人又は青年を治療するために投与することができる。さらに、HPP罹患成人又は青年は、アスフォターゼアルファ(配列番号1)による治療を以前に受けたことがない治療未経験患者であり得る。
【0057】
HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)であって、未治療のHPP罹患成人又は青年の血漿試料中のPPi又はPLP濃度と比較して、HPP罹患成人又は青年の血漿試料中の無機ピロリン酸(PPi)又はピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の上昇を示す患者にアスフォターゼアルファ(配列番号1)を投与する方法が記載される。sALPの投与前に、HPP患者は、約6μMまでの血漿PPi濃度及び/又は1300ng/mlまでのPLP濃度を有するとして特徴付けられ得る。さらに、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)にアスフォターゼアルファ(配列番号1)を投与する方法であって、HPP罹患成人の歩行能力の改善をもたらす方法が記載される。例えば、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、歩行能力が低下したHPP罹患成人又は青年であって、sALPの投与前に6分間の歩行距離が約350メートル以下であると特徴付けられる患者に投与することができる。例えば、HPP罹患成人は、sALPの投与後、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ及び装具のような移動支援器具への依存度が低下する。
【0058】
身体障害を示す、Bruininks-Oseretskyの運動能力試験第2版(BOT-2)の走行速度及び機敏性試験又は筋力の合計スコア(例えば、筋力、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調のうち1つ以上のBOT-2スコア領域において約7未満のBOT-2スコア)を有するHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)にアスフォターゼアルファ(配列番号1)を投与する方法も記載される。例えば、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、BOT-2走行速度及び機敏性が約6未満のHPP罹患成人に投与することができる。さらに、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、BOT-2強度スコアが約12未満のHPP罹患成人に投与することができる。
【0059】
握力及び筋力の低下を示すハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)スコア(例えば、約10、20、30、40又は50などの約50未満のHDDスコア)、下肢における機能障害の低下を示す下肢機能スケール(LEFS)スコア(例えば、約10、20、30又は40などの40未満のLEFSスコア)及び/又は痛みを示す簡易痛み質問紙票(BPI-SF)(例えば、約10、約15、約20、約25若しくは約30又はそれを超えるなどの約10超のスコア)を有するHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)にアスフォターゼアルファ(配列番号1)を投与する方法も記載されている。
【0060】
これらの方法のいずれかにより、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年に対し、長期間、例えば少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年より長い期間、例えば患者の生涯にわたって)投与され得る。さらに、アスフォターゼアルファを使用した、本明細書に記載の結果を考慮すると、他のsALP(配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体など)を使用して、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)を、長期間、例えば少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年より長い期間、例えば患者の生涯にわたって)治療し得る。
【0061】
治療方法
HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPPを罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)を治療するための方法が本明細書で提供される。HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALP、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチドなどのsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファなど)を年齢の範囲、例えば約18歳~約20歳、約20歳~約25歳、約25歳~約30歳、約30歳~約35歳、約35歳~約40歳、約40歳~約45歳、約45歳~約50歳、約50歳~約55歳、約60歳~約65歳、約20歳~約30歳、約30~約40歳、約40~約50歳、約50~約60歳、約60~約70歳、約20~約65歳、約30~約65歳又は65歳超にわたって投与することによって治療することができる。
【0062】
成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又は青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALP、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファなどのsALP融合ポリペプチドなど)の投与前にHPPと診断されることがある。HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年は、例えば、HPPに罹患していない成人と比較して身体障害及び歩行能力障害を示すことができる。
【0063】
さらに、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALP、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファなどのsALP融合ポリペプチドなど)による治療を以前に受けたことがない治療未経験患者であり得る。この方法は、少なくとも1年(例えば、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年より長い期間、例えば患者の生涯)の治療期間にわたってsALPを投与するなど、sALP(例えば、配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド改変体、例えばアスフォターゼアルファなどのsALP融合ポリペプチドなどのTNALP)をHPP罹患成人又はHPP罹患青年に投与することを含む。
【0064】
特に、アスフォターゼアルファなどのsALPは、約6μMまでの血漿PPi濃度(例えば、約3.5μM、約4.5μM、約5μM又は約5.5μM)、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度(例えば、約200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、1000ng/ml、1100ng/ml、1200ng/ml、1300ng/mlの血漿PLP濃度)、約350メートル未満の6分間の歩行距離(例えば、約50メートル、75メートル、100メートル、125メートル、150メートル、175メートル、200メートル、225メートル、250メートル、275メートル又は350メートルの6分間の歩行距離)、約6.0未満のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコア、約12未満のBOT-2合計強度スコア、予測HHDスコアの約80%未満のHHDスコア(例えば、予測HHDスコアの約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%又は訳75%)、約40未満のLEFSスコア(例えば、約10、約20、約30又は約40未満のLEFSスコア)並びに/又は約12未満のBPI-SFスコア(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10未満のBPI-SFスコア)を有することが以前に決定されたHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)に治療期間にわたって投与することができる。さらに、HPP罹患成人又は青年の血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア、LEFSスコア並びにBPI-SFスコアをそれぞれ患者のベースラインでの血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア、LEFSスコア並びにBPI-SFスコアと比較して、sALPによる治療後の成人又は青年への効果を評価することができる。
【0065】
さらに、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア並びにBPI-SFスコアを健康な患者の血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア、LEFSスコア並びにBPI-SFスコアと比較して、sALP(例えば、アスフォターゼアルファ)を投与された成人又は青年への治療効果を決定することができる。特に、sALPは、少なくとも1年(例えば、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年超、例えば患者の生涯)の治療期間にわたって投与することができる。或いは、この方法は、sALPによる治療の成人又は青年への効果を評価するために、本明細書に記載のアスフォターゼアルファなどのsALPを投与する前に血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア、LEFSスコア並びにBPI-SFスコアを決定することを含むことができる。
【0066】
さらに、記載された測定基準(例えば、血漿PPi濃度、血漿PLP濃度、6分間の歩行距離、BOT-2強度スコア、BOT-2走行速度及び機敏性スコア、HHDスコア、LEFSスコア並びにBPI-SFスコア)の各々は、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPPを有する成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)においてsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を使用した治療の有効性を評価するために単独で又は任意の組み合わせで使用することができ、試験した測定基準のある値又はスコアに対する改善を用いて、sALPを用いたHPP患者における治療効果を示すことができる。
【0067】
成人及び青年の低ホスファターゼ症
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又は青年HPP患者(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)にわたり、sALP(TNALP、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファなど)で治療することができる。特に、アスフォターゼアルファ(STRENSIQ(登録商標))は、本明細書に記載のように、成人患者(例えば、治療未経験患者)の小児発症HPPを治療するために投与することができる。従って、本方法は、本明細書に記載のHPPの症状のうち1つ以上又は全てを軽減するのに有用であり、特にsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年)の治療期間にわたって投与するときに有用である。特に、治療期間は、少なくとも6週間である。
【0068】
例えば、本方法は、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折(例えば、椎骨粉砕骨折、転子下骨折又は中足骨骨折)、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化性関節周囲炎並びに偽骨折を含むが、これらに限定されない成人HPPの症状を治療するのに有用である。この方法は、以下に限定されないが、PPi、PEA又はPLPの上昇した血中又は尿中濃度、骨軟化症、1つ以上の骨格変形、緊張低下、筋力低下、リウマチ合併症、関節炎、偽痛風、動揺歩行、歩行困難、骨痛、痛み、歯の早期喪失、低石灰化、肺形成不全、呼吸不全、痙攣、高カルシウム尿症、低身長及び成長遅延が含まれる青年期HPPの症状を治療するのにも有用である。
【0069】
sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を使用する治療の必要性又は効力を評価するために有用な例示的な測定基準には、(1)血漿PPi及び/又はPLP濃度、(2)6分間歩行試験(6MWT)、(3)Bruininks-Oseretskyの運動能力試験第2版(BOT-2)、(4)ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、(5)下肢機能スケール(LEFS)、及び(6)簡易痛み質問紙票(BPI-SF)が含まれ、これらは、以下でさらに詳細に説明される。
【0070】
血漿無機ピロリン酸(PPi)及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、患者の血漿又は尿サンプルなどのサンプル中のPPi及び/又はPLP濃度を決定することにより、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療が必要と同定することができる。血漿試料或いは尿試料中のPPi及びPLP濃度を定量するために、当業者に知られている任意の方法を使用することができ、これらは、Whyte et al.,1995(J.Clin.Invest.95(4):1440-1445)に詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。血漿又は尿サンプル中のPPi濃度を定量する方法は、Cheung et al.,1977(Anal.Biochem.83:61-63)、Cook et al.,1978(Anal.Biochem.91:557-565及びJohnson et al,1968(Anal.Biochem.26:137-145)にも記載があり、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。特に、血漿試料中のPPi及びPLP濃度は、患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)に対するALP活性の評価に使用することができる。
【0071】
健康な対象(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は同じ身長の健康な対象)と比較して、HPP患者は、典型的には、PPi及びPLPの上昇した血漿中濃度、例えば約6μMまでのPPi濃度(例えば、約3.5μM、約4μM、約4.5μM、約5μM又は約5.5μM)及び/又は約1300ng/mlまでのPLP濃度(例えば、約200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、700ng/ml、800ng/ml、900ng/ml、1000ng/ml、1100ng/ml、1200ng/ml又は1300ng/mlの血漿中のPLP濃度)を示す。健康な成人の血漿PPi濃度の正常下限は、約1μMであり、正常上限は、約5.9μMである。健康な成人の血漿PLP濃度の正常下限は、約10ng/ml未満であり、正常上限は、約60ng/mlである。健康な青年の血漿PPi濃度の正常下限は、約0.75μM未満であり、正常上限は、約4.78μMである。健康な青年の血漿PLP濃度の正常下限は、約5.74ng/ml未満であり、正常上限は、約61.15ng/mlである。
【0072】
血漿中のPPi及び/又はPLP濃度が高いHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、例えばsALPを少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたって投与することにより治療することができる。例えば、約6μMまでのPPi濃度を有するHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、治療期間中にsALPで治療することができる。同様に、約1300ng/mlまでのPLP濃度を有するHPP患者は、治療期間中にsALPで治療することができる。
【0073】
この方法は、患者のサンプル(例えば、血漿サンプル)中のPPi及び/又はPLP濃度の統計学的に有意な減少をもたらす。例えば、sALPでの治療は、未治療のHPP患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP対象)のサンプル(例えば、血漿サンプル)中のPPi濃度と比較して患者のサンプル(例えば、血漿サンプル)中のPPi濃度を約1μM、約1.5μM、約2μM、約2.5μM若しくは約3μM又は約25%以上(例えば、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%若しくは60%超)減少させる。従って、sALPの投与後、患者は、例えば、約2μM~約5μM、約3μM~約5μM、約2μM~約4μM又は約2μM~約3μMの血漿中のPPi濃度を示す。
【0074】
同様に、sALPによる治療は、未治療のHPP患者(例えば、約18歳以上の小児発症HPP対象)のサンプル(例えば、血漿サンプル)中のPLP濃度と比較して患者のサンプル(例えば、血漿サンプル)中のPLP濃度を約100ng/ml、125ng/ml、150ng/ml、175ng/ml、200ng/ml、225ng/ml又は250ng/ml若しくは50%以上(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは95%超)減少させる。従って、sALPの投与後、患者は、例えば、約2ng/ml~約150ng/ml、約4ng/ml~約100ng/ml、約10ng/ml~約75ng/ml又は約1ng/ml~約50ng/mlの血漿中のPLP濃度を示す。
【0075】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の血漿中のPPi及び/又はPLP濃度の減少は、sALPの投与期間を通して持続することができる。例えば、血漿中のPPi濃度は、約25%減少し、sALPによる治療中、減少した血漿PPi濃度の±10%に留まり、且つ/又は血漿中のPLP濃度は、約50%減少し、sALPによる治療中、減少した血漿PLP濃度の±10%に留まる。
【0076】
或いは、sALPの投与によってもHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の血漿サンプル中のPPi濃度が約25%以上減少しない場合、sALP投与の用量及び/又は頻度は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)に対するsALP有効量を決定するために変更することができる。同様に、sALPの投与によっても患者の血漿サンプル中のPLP濃度が約50%以上減少しない場合、sALP投与の用量及び/又は頻度は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)に対するALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALPの用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0077】
6分間歩行試験(6MWT)
HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、6MWTを使用して、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療が必要と同定することができる。特に、6MWTは、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の歩行能力を評価して、成人又は青年の6MWT値を生成するために使用することができる。
【0078】
6MWTは、平坦で直線の硬い表面を有する囲まれた廊下(例えば、長さ約30メートルの)を使用して屋内又は屋外で実施することができる。ストップウォッチ又は他のタイマを使用して時間を追跡することができ、機械式カウンタ又は他の装置を使用して、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)が歩く距離(例えば、メートル単位で)を決定することができる。例えば、廊下の長さは、HPP患者が歩いたメートル数を決定するために3メートル毎にマークすることができ、30メートルの折り返し点及びスタートラインもマークする。次いで、6分間に患者が歩いた距離を、例えばほぼ同じ年齢、同性及び/又は同じ身長の未治療の対象が歩く予測メートル数と比較し、パーセンテージ値として表して、患者の6MWT値を生成することができる。患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の6MWT値を患者のベースラインの6MWT値と比較することができる。さらに、HPP罹患成人又は青年の6MWT値を健康な患者の6MWT値と比較することができる。
【0079】
予測6MWT値の約80%未満の6MWTであるHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、例えばsALPを少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたって投与することにより治療することができる。例えば、予測6MWT値の約80%未満の6MWT(例えば、予測6MWT値の約50%、約55%、約60%、約65%、約70%又は約75%)であるHPP患者は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたって治療することができる。
【0080】
この方法は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の6MWT値の改善をもたらすことができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、患者の予測6MWT値の約80%以上(例えば、予測6MWT値の約82%、約84%、約86%、約88%、約90%、約92%、約94%、約96%、約98%又はそれを超える値)への6MWT値の増加をもたらすことができる。
【0081】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の6MWT値の増加は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。例えば、6MWT値は、患者の予測6MWT値の約80%を超えるまで増加し、sALP(例えば、アスフォターゼアルファ)による治療中、増加した6MWT値の±10%のままである。
【0082】
同様に、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の歩行能力の改善は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPの投与期間中に持続することができる。例えば、HPP患者は、sALPによる治療中、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ又は装具などの移動支援器具への依存度が低下する。
【0083】
或いは、sALPを投与しても予測6MWT値(例えば、ほぼ同じ年齢、同性及び/又は身長のHPP罹患未治療対象の)の80%を超える6MWT値の増加をもたらさない場合、sALP投与の用量及び/又は頻度は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のためのsALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0084】
Bruininks-Oseretskyの運動能力試験
第2版(BOT-2) HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、BOT-2走行速度及び機敏性並びにBOT-2強度試験を使用して、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療が必要と同定することができる。特に、BOT-2速度及び機敏性並びにBOT-2強度試験は、HPP罹患成人の身体障害及び可動域制限を評価し、成人のBOT-2速度及び機敏性の合計スコア及び/又はBOT-2強度の合計スコアを生成することができる。
【0085】
BOT-2は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の身体障害を評価するための一連の試験を含み、これは、例えば、試験を含むキットを用いて実施することができる。BOT-2は、以下の領域における複合BOT-2スコアを提供する:強さ、走行速度及び機敏性、微細運動の精度、微細運動の統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調。例えば、成人又は青年HPP患者は、起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位及び/又は腕立て伏せを行って、BOT-2強度スコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、平均台を跨ぎ、且つ/又はシャトルラン、両脚サイドホップ及び/若しくは片脚サイドホップを行って、BOT-2走行速度及び機敏性スコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、円を切り取り、且つ/又は点を結んで、BOT-2微細運動精度スコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、星をコピーし、且つ又は正方形をコピーして、BOT-2微細運動統合スコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、ペニー貨を転写し、カードを並べ替え、且つ/又はブロックを一列に並べて、手先の器用さスコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、その足及び指でタップし、且つ/又はジャンピングジャックを行って、BOT-2両側性協調スコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、ライン上を前方に歩き、且つ/又は平均台の上に片脚で立って、BOT-2バランススコアを決定することができ;成人又は青年HPP患者は、標的にボールを投げ、且つ/又はトスされたボールを捕球して、BOT-2上肢協調スコアを決定することができる。BOT-2スコアは、評価された各領域の加法的合計である。さらに、患者の身体的習熟度を評価するために使用されるBOT-2スコアは、生の加法的スコア又は基準スコアであり得る。
【0086】
HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、記載された領域(強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調)の1つ以上の試験を行って、成人又は青年の身体的障害を示すBOT-2スコアを生成することができるであろう。各BOT-2領域(強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調)内で、HPP罹患成人又は青年は、1つ以上の試験を行って、成人又は青年のBOT-2スコアを決定すること、例えば成人又は青年は起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位、腕立て伏せのうち1つ以上を行ってBOT-2強度スコアを決定することができるであろう。必要に応じて、単一の試験(例えば、起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位、腕立て伏せの群から選択される1つの試験)のみを行って、HPP罹患成人又は青年のBOT-2スコア(例えば、BOT-2強度スコア)を決定することができる。
【0087】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBOT-2スコア(強度、走行速度及び機動性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調)の各々は、HPPに罹患していない患者(例えば、約18歳以上のHPPに罹患していない成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBOT-2スコアと比較して例えばBOT-2スコアの標準偏差を決定することができる。HPP罹患患者のBOT-2スコア(例えば、強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調)のそれぞれを他のHPP患者(例えば、ほぼ同じ年齢、身長及び/又は性別のHPP患者)のBOT-2スコアと比較して、例えばHPP患者のBOT-2スコアを決定することができる。
【0088】
BOT-2スコア(例えば、強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調スコア)は、約0~約25以下の範囲であり、約10を超えるスコアは、健康な対象(例えば、HPPに罹患していない患者)を代表すると考えられる。約10未満のBOT-2スコア(例えば、強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調スコア)を有する患者は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたってsALPを投与することによって治療することができる。
【0089】
例えば、BOT-2走行速度及び機敏性スコアが10未満(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10)のHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたって治療することができる。同様に、BOT-2強度スコアが12未満(例えば、約0、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13又は約14)のHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、その後、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたって治療することができる。
【0090】
これらの方法は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBOT-2スコア(例えば、強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び/又は上肢協調スコア)の改善をもたらす。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、BOT-2強度スコアを、約10~約20又はそれを超える値(例えば、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24又は約25)に増加させることができる。さらに、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、BOT-2走行速度及び機敏性スコアを、約9~約20又はそれを超える値(例えば、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24又は約25)に増加させることができる。
【0091】
BOT-2スコア(例えば、強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び/又は上肢協調スコア)の増加は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。同様に、身体障害の減少は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。
【0092】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBOT-2スコア(強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調スコア)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を使用した治療の有効性を評価するために単独で又は組み合わせて使用することができ、特定の試験スコアに対する改善は、sALPがHPPに関連する身体障害を治療するのに有効であることを示す。例えば、sALPをHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)に投与するとき、患者の以前のBOT-2走行速度及び機敏性スコアが約7未満であった場合、BOT-2走行速度及び機敏性スコアが約9以上に増加する場合、sALPは、例えば、HPPに関連する身体障害を治療するのに有効であると考えられる。或いは、治療前のBOT-2走行速度及び機敏性スコアを超える少なくとも2点以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9又は10点)の増加は、有効性があることを示す(例えば、1年を超える治療期間に持続的な高スコアと対になる場合)。
【0093】
さらに、各BOT-2領域(強度、走行速度及び機敏性、微細運動精度、微細運動統合、手先の器用さ、両側性協調、バランス及び上肢協調)内において、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、1つ以上の試験を行って、患者のBOT-2スコアを決定することができるであろう。例えば、HPP罹患成人又は青年は、起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位、腕立て伏せのうち1つ以上を行って、BOT-2強度スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができるであろう。HPP罹患成人又は青年は、平均台、シャトルラン、両脚サイドホップ及び/又は片脚サイドホップのうち1つ以上を行って、BOT-2走行速度及び機敏性スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができるであろう。HPP罹患成人又は青年は、円を切り取り、且つ/又は点を結んで、BOT-2微細運動精度スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができる。HPP罹患成人又は青年は、星をコピーし、且つ/又は正方形をコピーして、BOT-2微細運動統合スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができる。HPP罹患成人又は青年は、ペニー貨の転写、カードの並べ替え及びブロックの一列配置のうち1つ以上を行って、BOT-2手先の器用さスコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができるであろう。HPP罹患成人又は青年は、その足及び指でタップし、且つ/又はジャンピングジャックを行って、BOT-2両側性協調スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができる。HPP罹患成人又は青年は、ライン上を前方に歩き、且つ/又は平均台の上に片脚で立って、BOT-2バランススコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができる。HPP罹患成人又は青年は、標的にボールを投げ、且つ/又はトスされたボールを捕球して、BOT-2上肢協調スコアを決定し、sALP投与の治療有効性を評価することができる。
【0094】
或いは、sALPを投与してもBOT-2走行速度及び機敏性で約9を超えるスコアの増加(例えば、sALPによる治療前のBOT-2走行速度及び機敏性スコアよりも少なくとも2~10ポイント(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9又は10ポイント)の増加)をもたらさない場合、sALP投与の用量及び/又は頻度は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のsALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0095】
ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の握力及び筋力は、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)を用いて評価することができる。例えば、HPP患者の膝屈曲及び伸展並びに股関節屈曲、伸展及び外転は、例えば、MICROFET2(商標)ダイナモメータを使用して測定することができ、HPP患者の握力は、例えば、JAMAR(登録商標)握力ダイナモメータを使用して測定することができる。具体的には、管理者は、ダイナモメータを静止状態に保持し、患者は、ダイナモメータに最大の力を加える。最大力データをポンドで収集し、後にニュートン(N)に変換される。次いで、肢の長さを使用してN-メートルでトルク値が計算される。その後、トルク値は、例えば、ほぼ同じ年齢、同じ性別及び/又は同じ身長の健常対象のトルク値と比較され、パーセンテージ値で表して対象のHHDスコアを生成することができる。
【0096】
予測HHDスコアの約80%未満のHHDスコア(例えば、ほぼ同じ年齢、同じ性別及び/又は同じ身長の正常な対象と比較して)を有するHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)で治療することができる。例えば、予測HHDスコアの約80%未満のHHDを有するHPP患者は、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたってsALPにより治療することができる。
【0097】
これらの方法は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のHHDスコアの改善をもたらすことができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、患者の予測HHDスコアの約5%以上のHHDスコアの増加(例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%又は約50%の増加)をもたらすことができる。
【0098】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のHHDスコアの増加は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又はHPP患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたる、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。例えば、HHDスコアは、予測されたHHDスコアの約5%以上増加し、sALPでの治療中、増加したHHDスコアの±10%のままである。或いは、sALPを投与しても、HHDスコアにおいて、予測されるHHDスコア(例えば、ほぼ同じ年齢、同じ性別及び/又は身長のHPP患者の)の約5%以上の増加がもたらされない場合、sALP投与の用量及び/又は頻度は、HPP患者のためのsALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALPの用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0099】
下肢機能スケール(LEFS)
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の下肢機能障害の減少は、下肢機能スケール(LEFS)を用いて評価することができる。LEFSは、HPP患者の一方又は両方の下肢の機能障害を評価するために使用することができ、患者を経時的に監視し、アスフォターゼアルファ治療の有効性を評価する能力を含む。免許を有する理学療法士は、インタビュー形式でHPP患者(例えば、約13歳以上のHPP患者)にLEFSを実施することができる。
【0100】
LEFSスコアが約40未満(例えば、約10、約15、約20、約25、約30、約35又は約40のLEFSスコア)のHPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により治療することができる。例えば、LEFSスコアが約40未満(例えば、約10、約15、約20、約25、約30、約35又は約40のLEFSスコア)のHPP患者は、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたってsALPにより治療することができる。
【0101】
これらの方法は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のLEFSスコアの改善をもたらすことができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、LEFSスコアの約3以上(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10)の増加をもたらすことができる。
【0102】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のLEFSスコアの増加は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又はHPP患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたる、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。例えば、LEFSスコアは、約3以上(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10)増加することができ、sALPでの治療中、増加したLEFSスコアの±10%のままである。或いは、sALPを投与しても約3以上(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10)のLEFSスコアの増加をもたらさない場合、sALPの用量及び/又は頻度は、HPP患者のためのsALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALPの用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0103】
簡易痛み質問紙票(BPI-SF)
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の痛みは、簡易痛み質問紙票(BPI-SF)を用いて評価することができる。BPI-SFは、痛みの重症度及び日常機能に対する痛みの影響を評価するために設計された質問票である。BPI-SFは、アンケート実施の24時間前の痛みの重症度(4項目)及び痛みの干渉度(7項目)を評価するために数値評価スケールを利用する11項目からなる。BPI-SF質問票では、痛みの強さ及び痛みがHPP患者(例えば、約13歳以上のHPP患者)の日常機能を妨げる程度に関する情報を0(痛みなし)~10(疼痛又は痛みにより引き起こされる重大な干渉)の数値評価尺度で提供し、スコアが低いほど生活の質の改善及び痛みの軽減を示す。例えば、HPP青年及び成人のBPI-SFスコアは、11の痛み評価を複合化したものである。
【0104】
BPI-SFスコアが約10を超える(例えば、約10、約15、約20、約25、約30以上のBPI-SFスコア)HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)は、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)により治療することができる。例えば、BPI-SFスコアが約10を超える(例えば、約10、約15、約20、約25又は約30以上のBPI-SFスコア)HPP患者は、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたってsALPにより治療することができる。
【0105】
これらの方法は、HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBPI-SFスコアの改善をもたらすことができる。例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)による治療、例えば少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又は患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたるsALPによる治療は、BPI-SFスコアの約2以上(例えば、約2、約3、約4、約5、約6又は約7以上)の減少をもたらすことができる。
【0106】
HPP患者(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)のBPI-SFスコアの減少は、例えば、少なくとも2週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年又はHPP患者の生涯、特に少なくとも6週間)の治療期間にわたる、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の投与期間中に持続することができる。例えば、BPI-SFスコアは、約-2以上(例えば、約-2、約-3、約-4、約-5、約-6又は約-7以上)減少し、sALPによる治療中、減少したBPI-SFスコアの±10%に留まる。
【0107】
或いは、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を投与しても約-2以上(例えば、約-2、約-3、約-4、約-5、約-6又は約-7以上)のBPI-SFスコアの減少をもたらさない場合、sALPの用量及び/又は頻度は、HPP患者のためのsALPの有効量を決定するために変更することができる。例えば、sALPの用量は、例えば、約2.1mg/kg/週又は約3.5mg/kg/週から約6mg/kg/週又は約9mg/kg/週に増加させることができる。
【0108】
アルカリホスファターゼ
アスフォターゼアルファは、HPPの治療のために製剤化されたヒトTNALP(hTNALP;配列番号1)融合ポリペプチドである。特に、アスフォターゼアルファ(配列番号1)は、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人又は約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の低ホスファターゼ症(HPP)、その症状及びそれに関連する身体的障害を長期間(例えば、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又は10年を超える期間、例えば患者の生涯)にわたって治療するために効果的に使用することができる。
【0109】
本明細書に記載の結果を考慮すると、治療方法は、特定のアルカリホスファターゼ(ALP)又はALPをコードする核酸配列の投与に限定されない。アルカリホスファターゼは、リン酸塩部分の切断(例えば、ピロリン酸塩PPiの加水分解)を触媒する酵素の群を包含する。4つの公知の哺乳動物アルカリホスファターゼ(ALP)のアイソザイムが存在する:組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNALP;以下にさらに詳細に記載される)、胎盤アルカリホスファターゼ(PLALP)(例えば、アクセッション番号P05187、NP_112603及びNP_001623)、生殖細胞アルカリホスファターゼ(GALP)(例えば、アクセッション番号P10696)及び腸アルカリホスファターゼ(IALP)(例えば、アクセッション番号P09923及びNP_001622)。上述の例示的なALPに加えて、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPPを罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者を治療するために、ALPと同一又は類似の触媒部位構造及び/又は酵素活性を有する任意のポリペプチドを使用することができる(例えば、本明細書で定義されるsALP又はsALP融合ポリペプチドとして)。sALPを含む骨送達複合体は、国際公開第2005/103263号パンフレット及び国際公開第2008/138131号パンフレットにさらに詳細に説明されている。
【0110】
本明細書に記載の方法に従って使用することができるTNALPは、例えば、ヒトTNALP(アクセッション番号NP_000469、AAI10910、AAH90861、AAH66116、AAH21289及びAAI26166;アカゲザルTNALP(アクセッション番号XP_01109717);ラットTNALP(アクセッション番号NP_037191);イヌTNALP(アクセッシ番号AAF64516);ブタTNALP(アクセッション番号AAN64273、マウス(アクセッション番号NP_031457、ウシTNALP(アクセッション番号NP_789828、NP_776412、AAM8209及びAAC33858並びにネコTNALP(アクセッション番号NP_001036028)を含む。特に、TNALPは、HPP罹患成人など(例えば、約18歳以上のHPP罹患成人、例えば小児発症HPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)の、HPP患者の治療に使用されるヒトTNALPであり得る(例えば、配列番号1、アスフォターゼアルファ;参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,763,712号明細書及び同第7,960,529号明細書を参照されたい)。TNALPは、上記TNALPのポリペプチド又は核酸配列に対して少なくとも約95%の配列同一性を示すものでもあり得る。
【0111】
可溶性アルカリホスファターゼ
本明細書に記載の方法で使用することができるALPは、本明細書に記載の可溶性(例えば、細胞外又は非膜結合)形態の任意のアルカリホスファターゼを含む。sALPは、例えば、ヒト組織非特異的アルカリホスファターゼ(ヒトTNALP(hTNALP))の可溶性形態であり得る。この方法は、特定のsALPに限定されず、例えばホスホエタノールアミン(PEA)、無機ピロリン酸(PPi)及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)に対して生理学的に活性である任意のsALPを含むことができる。特に、sALPは、骨における骨格石灰化を改善するのに触媒として適格なものである。本方法は、本明細書に記載されるsALPをコードする核酸をさらに含み、これは、本明細書に記載の状態、例えばHPP、例えばHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPPを有する青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)を治療するために使用することができる。
【0112】
TNALPは、C末端の糖脂質部分によって固定された膜結合タンパク質である(Swiss-Prot、P05186)。この糖脂質アンカー(GPI)は、翻訳後、疎水性C末端の除去後に加えられ、一時的な膜アンカーとして及びGPI添加のシグナルとしての両方の役割を果たす。GPIアンカーは、細胞膜に位置するが、TNALPの残りの部分は、細胞外にある。特に、TNALP(例えば、ヒトTNALP(hTNALP))は、疎水性C末端配列(アラニン)の最初のアミノ酸を終止コドンで置換するように操作することができ、それにより、TNALPの天然の固定形態の全てのアミノ酸残基を含有し、GPI膜アンカーを欠く操作されたhTNALPを産生する。当業者は、GPI膜アンカーの位置が、ALPが異なれば変化し、例えばポリペプチドのC末端上の最後の10、12、14、16、18、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50又はそれより多くのアミノ酸残基を含むことができることを理解する。組換えsTNALPは、例えば、アミノ酸1~502(分泌の場合には18~502)、アミノ酸1~501(分泌の場合には18~501)、アミノ酸1~504(分泌の場合には18~504)、アミノ酸1~505(分泌の場合には18~505)又はアミノ酸1~502を含むことができる。従って、天然ALPのC末端は、ALP活性に影響を及ぼすことなく、特定のアミノ酸によって切断することができる。
【0113】
C末端GPIアンカーに加えて、TNALPは、N末端シグナルペプチド配列も有する。N末端シグナルペプチドは、合成されると、合成されたタンパク質上に存在するが、ERへの転座後にTNALPから切断される。sALPは、分泌型(すなわちN末端シグナルを欠く)及び非分泌型(すなわちN末端シグナルを有する)の両方を含む。当業者は、N末端シグナルペプチドの位置が、アルカリホスファターゼが異なれば変化し、例えばポリペプチドのN末端上の最初の5、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、27、30又はそれより多くのアミノ酸残基を含むことができることを理解する。当業者は、例えば、Bendtsen et al.(J.Mol.Biol.340(4):783-795,2004)で記述され、ウェブ上www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/で入手可能なものなど、適切なコンピューターアルゴリズムにより、シグナル配列切断部位の位置を予測することができる。
【0114】
これらの方法は、ALPアイソザイム(例えば、TNALP、PALP、GCALP、IALPなど)の細胞外ドメインに由来するsALPコンセンサス配列を使用して実施することもできる。従って、上記sTNALPと同様に、本開示は、好ましくは、ALPの細胞外ドメインを含む、他の可溶性ヒトALPアイソザイム、すなわちペプチドシグナルを有さないものも提供する。sALPは、ヒトALPアイソザイムのALP細胞外ドメイン及び哺乳動物TNALPオーソログ(ヒト、マウス、ラット、ウシ、ネコ及びイヌ)由来のコンセンサス配列又は哺乳動物TNALPオーソログ(ヒト、マウス、ラット、ウシ、ネコ及びイヌ)のみのALP細胞外ドメイン由来のコンセンサスを満たすポリペプチド配列も含む。sALPは、これらのTNALPオーソログ又はヒトALPアイソザイムの種々の組み合わせにも由来する、類似のコンセンサス配列を満たすものも含む。そのようなコンセンサス配列は、例えば、国際公開第2008/138131号パンフレットで与えられている。
【0115】
本方法のsALPは、上記sALPの野生型配列だけでなく、これらのアルカリホスファターゼ(例えば、配列番号1~24;例えば、配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)に対して少なくとも50%(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれを超える)の配列同一性を有する任意のポリペプチドを含むことができる。ALP配列に導入することができる変異の例は、米国特許出願公開第2013/0323244号明細書に記載があり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。sALPは、任意選択により、任意の適切な1つ又は複数のアミノ酸残基の位置でグリコシル化することができる。さらに、sALPは、本明細書に記載の任意のsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)に対して少なくとも50%(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれを超える)の配列同一性を有することができる。sALPは、本明細書に記載の任意のsALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)に対して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれより多くの付加、欠失又は置換を有することができる。
【0116】
sALP融合ポリペプチド
本明細書に記載の任意のsALP及びリンカーは、結合してsALPポリペプチド、例えばA-sALP-BのsALPポリペプチドになることができる(但し、A及びBの各々は、存在しないか、又は少なくとも1つのアミノ酸のアミノ酸配列(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)である)。存在する場合、A及び/又はBは、本明細書中に記載の任意のリンカーであり得る。いくつかのsALPポリペプチドでは、Aが存在しないか、Bが存在しないか、又はA及びBの両方とも存在しない。本発明のsALPポリペプチドは、本明細書に記載のように、sALP融合ポリペプチドを提供するために任意選択によりFc領域を含むことができる。sALPポリペプチドは、本明細書に記載のように、任意選択により骨標的化部分を含むことができる。いくつかのsALPポリペプチドでは、リンカー、例えば可撓性リンカーを骨標的化部分とsALP、例えばジペプチド配列(例えば、ロイシン-リジン又はアスパラギン酸-イソロイシン)との間に含めることができる。さらなる例示的なFc領域、リンカー及び骨標的化部分を以下に記載する。
【0117】
本明細書に記載の任意のsALP、リンカー及びFc領域は、結合させて、構造Z-sALP-Y-スペーサー-X-W-V、Z-W-X-スペーサー-Y-sALP-V,Z-sALP-Y-W-X-スペーサー-V及びZ-W-X-sALP-Y-スペーサー-V(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む融合ポリペプチド、例えば組換え融合ポリペプチドとすることができる。特に、構造は、Z-sALP-Y-スペーサー-X-W-V又はZ-W-X-スペーサー-Y-sALP-Vであり得る。sALPは、ALPの完全長であるか、又は本明細書に記載(例えば、TNALP、PALP、GCALP及びIALP)のように、ALPの可溶性細胞外ドメインのような機能的断片であり得る。X、Y、Z若しくはVのいずれか1つ及び/又はスペーサーは、存在しないか、又は少なくとも1つのアミノ酸のアミノ酸配列であり得る。Wは、例えば、一連の連続したAsp又はGlu残基を有する骨標的化部分であり得る(但し、n=1~50、例えばn=3~30、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、36、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50である)。骨標的部分は、存在する場合、融合ポリペプチド中の任意の位置、例えばN末端又はC末端若しくはその近く及び/又はリンカー領域に位置することができる。例えば、骨標的化部分は、C末端にある。sALPポリペプチド及び融合ポリペプチドも骨標的化部分を含まなくてよい。
【0118】
本発明のsALP融合ポリペプチドは、hTNALP-Fc-D10の構造のものであり得る。特に、sALP融合ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファを含むことができる。
【0119】
有用なスペーサーには、Fcを含むポリペプチド及び末端が強く負に荷電したペプチドの存在によって引き起こされる反発力を緩和することができる親水性且つ可撓性のポリペプチド(例えば、W)が含まれるが、これらに限定されない。例えば、sALPは、N末端又はC末端ドメインに免疫グロブリンのFc領域を含む融合ポリペプチドであり得る。免疫グロブリン分子は、当該技術分野でよく知られた構造を有する。それは、2本の軽鎖(それぞれ約23kD)と2本の重鎖(それぞれ約50~70kD)とが鎖間のジスルフィド結合でつながっている。免疫グロブリンは、タンパク質分解により(例えば、パパイン切断によって)容易にFab(軽鎖並びに重鎖のVH及びCH1ドメインを含む)及びFc(隣接配列と共に重鎖のCH2及びCH3ドメインを含む)に切断される。本明細書に記載の有用なFc断片は、任意の哺乳動物(例えば、ヒト)由来の、IgG、IgM、IgA、IgD又はIgE及びそれらの種々のサブクラス(例えば、IgG-1、IgG-2、IgG-3、IgG-4、IgA-1、IgA-2)を含む任意の免疫グロブリン分子のFc断片を含む。例えば、Fc断片は、ヒトIgG-1である。本発明のFc断片は、例えば、重鎖のCH2及びCH3ドメイン並びにヒンジ領域の任意の部分を含むことができる。Fc領域は、任意選択により、当業者に知られている任意の適切な1つ以上のアミノ酸残基の位置でグリコシル化することができる。特に、融合ポリペプチドのFc断片は、配列番号20のアミノ酸配列を有するか、又は配列番号20に対して少なくとも50%の(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の又はそれを超える)配列同一性を有する。操作された、例えば天然に存在しないFc領域は、例えば、国際公開第2005/007809号パンフレット(これは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようにして、本発明の方法で使用することができる。本明細書に記載のFc断片は、本明細書に記載の任意のFc断片と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50個又はそれより多くの付加、欠失又は置換を有することができる。
【0120】
本明細書に記載のsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、Fc断片間にペプチドリンカー領域を含むことができる。さらに、ペプチドリンカー領域は、Fc断片と任意選択の骨標的化部分との間に含まれ得る。リンカー領域は、sALPが生物学的活性を維持する、例えば立体障害により妨害されないことを可能にする任意の配列及び長さであり得る。例示的なリンカー長は、1~200のアミノ酸残基、例えば1~5、6~10、11~15、16~20、21~25、26~30、31~35、36~40、41~45、46~50、51~55、56~60、61~65、66~70、71~75、76~80、81~85、86~90、91~95、96~100、101~110、111~120、121~130、131~140、141~150、151~160、161~170、171~180、181~190又は191~200のアミノ酸残基である。例えば、リンカーは可撓性部分、例えば意味のある固定された二次又は三次構造を有さない領域を含むか又はそれからなる。例示的な可撓性リンカーは、例えば、少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はさらには100%のグリシン残基を含有する、グリシンに富むリンカーである。リンカーは、例えば、セリン残基を含むこともできる。いくつかの場合、リンカーのアミノ酸配列は、グリシンとセリン残基のみからなる。リンカーは、任意選択により、任意の適切な1つ以上のアミノ酸残基の位置でグリコシル化することができる。さらに、本明細書に記載のリンカーは、共有結合又は非共有結合で結合した任意の他の配列又は部分を含むことができる。リンカーも存在しなくてよく、その場合、Fc断片及びsALPは、介在する残基を伴わずに直接融合される。特定のFc-sALP又はsALP-Fc融合ポリペプチドは、本開示に従って、1)リンカーを有さないか、又は2)sALPの一部に対応するリンカーを有するかのいずれかであると見なすことができる。例えば、hsTNALP(1~502)に直接融合したFcは、例えば、hsTNALPがアミノ酸1~502であり、リンカーを有さないものとして、又はhsTNALP(18~502)であり、17-アミノ酸リンカーを有するものと見なすことができる。
【0121】
融合ポリペプチドを産生するために使用されるクローニング戦略に従ってポリペプチドにさらなるアミノ酸残基を導入することができる。例えば、追加のアミノ酸残基は、ポリペプチドを可溶性形態に維持するために、追加のGPIアンカーシグナルを提供しない。さらに、任意のこのような追加のアミノ酸残基は、本発明のポリペプチドに組み込まれる場合、宿主細胞のエンドプロテアーゼのための切断部位を提供しない。設計された配列が宿主細胞のエンドプロテアーゼによって切断される可能性は、例えば、Ikezawa(Biol.Pharm.Bull.25:409-417,2002)に記載のようにして予測することができる。
【0122】
本発明のsALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、二量体又は四量体に会合することができる。例えば、2つのsALP-Fcモノマーは、Fc断片のヒンジ領域に位置する2つのジスルフィド結合を介して共有結合により連結することができる。さらに、本発明のポリペプチド又は融合ポリペプチド(例えば、sALPポリペプチド又は融合ポリペプチド)は、グリコシル化又はPEG化することができる。
【0123】
核酸及びポリペプチドの製造
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)をコードする核酸は、当該技術分野で知られている任意の方法によって産生することができる。典型的には、所望の融合ポリペプチドをコードする核酸は、分子クローニング法を用いて生成され、一般にプラスミド又はウイルスなどのベクター内に配置される。ベクターは、融合ポリペプチドの発現に適切な宿主細胞に核酸を導入するために使用される。代表的な方法は、例えば、Maniatis et al.(Cold Springs Harbor Laboratory,1989)で開示されている。多くの細胞型を適切な宿主細胞として使用することができるが、哺乳動物細胞が適切な翻訳後修飾を加えることができるために好ましい。宿主細胞は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、L細胞、C127細胞、3T3細胞、BHK細胞、COS-7細胞又は当該技術分野で知られている任意の他の適切な宿主細胞を含むことができる。例えば、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO-DG44細胞)である。
【0124】
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、宿主細胞でのsALPポリペプチドの発現をもたらすのに適した任意の条件下で産生することができる。このような条件には、緩衝液、重炭酸塩及び/又はHEPES、イオン(塩化物、リン酸塩、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄のような)、単糖類のような炭素源、アミノ酸、潜在的脂質、ヌクレオチド、ビタミン及びインスリンのような成長因子などの成分;2~4mMのL-グルタミン及び5%のウシ胎児血清を補充した、アルファ-MEM、DMEM、Ham’s-F12及びIMDMのような通常の市販培地;2~4mMのL-グルタミンを補充した、Hyclone(商標)SFM4CHO、Sigma CHO DHFR-、Cambrex POWER(商標)CHO CDのような動物性タンパク質を含まない通常の市販培地で調製した培地の適切な選択が含まれる。これらの培地は、望ましくは、選択圧を維持するためにチミジン、ヒポキサンチン及びL-グリシンなしで調製され、安定なタンパク質産物発現を可能にする。
【0125】
医薬組成物及び製剤
本明細書に記載の方法で使用することができる組成物(例えば、sALP又はsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む)は、当該技術分野で知られている種々の方法により投与することができる。当業者であれば、投与の経路及び/又は様式が所望の結果に依存して変化することを理解するであろう。投与経路は、環境及び治療目標などの様々な要因に依存することができる。特に、本明細書に記載のポリペプチド及び融合ポリペプチドは、当該技術分野で知られている任意の経路、例えば皮下(例えば、皮下注射によって)、静脈内、経口、経鼻、筋肉内、舌下、髄腔内又は皮内による投与であり得る。例を挙げれば、本明細書に記載の方法で使用することができる医薬組成物は、液体、溶液、懸濁液、ピル、カプセル、錠剤、ゲルキャップ、粉末、ゲル、軟膏、クリーム、噴霧剤、ミスト、霧化蒸気、エアロゾル又はフィトソームの形態であり得る。
【0126】
用量
任意の量の医薬組成物(例えば、sALP又はsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む)をHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)に投与することができる。用量は、投与の様式及び患者の年齢を含む多くの因子に依存するであろう。例えば、本明細書に記載のsALPポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、HPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者に例えば0.01mg/kg~500mg/kg-患者(例えば、0.05mg/kgから500mg/kg、0.1mg/kg~20mg/kg、5mg/kg~500mg/kg、0.1mg/kg~100mg/kg、10mg/kg~100mg/kg、0.1mg/kg~50mg/kg、0.5mg/kg~25mg/kg、1.0mg/kg~10mg/kg、1.5mg/kg~5mg/kg若しくは2.0mg/kg~3.0mg/kg)又は1μg/kg~1,000μg/kg(例えば、5μg/kg~1,000μg/kg、1μg/kg~750μg/kg、5μg/kg~750μg/kg、10μg/kg~750μg/kg、1μg/kg~500μg/kg、5μg/kg~500μg/kg、10μg/kg~500μg/kg、1μg/kg~100μg/kg、5μg/kg~100μg/kg、10μg/kg~100μg/kg、1μg/kg~50μg/kg、5μg/kg~50μg/kg若しくは10μg/kg~50μg/kg-患者)の範囲の個々の用量で投与することができる。
【0127】
sALPの例示的な用量には、例えば、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、2.5、5、10、20、25、50、100、125、150、200、250又は500mg/kg;又は1、2、2.5、5、10、20、25、50、100、125、150、200、250、500、750、900又は1,000μg/kgが含まれる。特に、本開示による組成物(例えば、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む)は、約0.001mg/kg/日~約500mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日又は約0.01mg/kg/日~約20mg/日の範囲の用量で患者に投与することができる。例えば、sALP組成物(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、例えば、約0.5mg/kg/週~約140mg/kg/週、例えば約0.8mg/kg/週~約50mg/kg/週又は約1mg/kg/週~約10mg/kg/週(例えば、約6又は約9mg/kg/週)の範囲の週間用量で患者に投与することができる。特に、sALP(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、2mg/kgの用量で週3回(合計用量6mg/kg/週)、1mg/kgの週6回(合計用量6mg/kg/週)、3mg/kgで週3回(合計用量9mg/kg/週)、0.5mg/kgで週3回(合計用量1.5mg/kg/週)又は9.3mg/kgで週3回(合計用量28mg/kg/週)で投与することができる。投薬量は、疾患の程度及びHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者からの異なるパラメータなどの従来の因子に従い、臨床医によって適合される。
【0128】
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む組成物の用量は、単回又は複数回投薬計画のいずれかで提供することができる。投薬は、例えば、毎時間、2時間毎、毎日、2日毎、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、毎週、隔週、毎月、隔月又は毎年投与することができる。或いは、投薬は、例えば、1日に2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回又は12回投与することができる。特に、投与計画は、週に1回である。投薬計画の期間は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30日間、1週間若しくは数週間又は1か月若しくは数ヶ月或いはHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者の残りの寿命であり得る。投薬の量、頻度及び継続期間は、疾患の程度及びHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者からの異なるパラメータなどの従来の因子に従い、臨床医によって適合される。
【0129】
例えば、sALP又はsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、注射のための透明で無色乃至僅かに黄色がかったpH7.4の水溶液である溶液として製剤化することができる。sALP又はsALPポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、12mg/0.3mL、18mg/0.45mL、28mg/0.7mL、40mg/1mL又は80mg/0.8mLの濃度で製剤化し得る。特に、組成物は、40mg/mlの注射用溶液として製剤化することができ、各mlの溶液は、40mgのsALP又はsALPポリペプチドを含有する(例えば、各バイアルは、0.3mlの溶液、従って12mgのsALP(40mg/ml)を含有し、各バイアルは、0.45mlの溶液、従って18mgのsALP(40mg/ml)を含有し、各バイアルは、0.7mlの溶液、従って28mgのsALP(40mg/ml)を含有するか、又は各バイアルは、1.0mlの溶液、従って40mgのアスフォターゼアルファ(40mg/ml)を含有する)。sALP又はsALPポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、100mg/mlの濃度で注射用溶液として製剤化することができ、この場合、各1mlの溶液は、100mgのsALP又はsALPポリペプチドを含む(例えば、各バイアルは、0.8mlの溶液、従って80mgのアスフォターゼアルファ(100mg/ml)を含む)。患者に注入されるsALPの体積は、例えば、0.15ml、0.18ml、0.20ml、0.23ml、0.25ml、0.28ml、0.30ml、0.33ml、0.35ml、0.38ml、0.40ml、0.43ml、0.45ml、0.48ml、0.50ml、0.63ml、0.75ml、0.88ml又は1.00mlであり得る。
【0130】
例えば、sALP又はsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)の推奨用量は、週に3回皮下投与される2mg/kg-体重であるか、又は週に6回皮下投与される1mg/kg-体重の投与計画である。追加の用量情報を以下に提供する(表1)。特に、6mg/kg/週の用量を投与された40kgの患者は、週に3回、0.8ml中の80mgのsALP又は週に6回、1.00ml中の40mgのsALPの注射を受け、6mg/kg/週の用量を投与された50kgの患者は、週に6回0.05ml中の50mgのsALPの注射を受けることになるであろう。
【0131】
【表1】
【0132】
製剤
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む組成物は、標準的な方法に従って製剤化することができる。医薬製剤は、十分に確立された技術であり、例えばGennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott,Williams&Wilkins(ISBN:0683306472);Ansel et al.(1999)Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Edition,Lippincott Williams&Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);及びKibbe(2000)Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association,3rd Edition(ISBN:091733096X)に詳細な記述がある。例えば、sALP組成物(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を、例えば適切な濃度の、2~8℃(例えば、4℃)での保存に適した緩衝溶液として製剤化することができる。組成物は、0℃未満の温度(例えば、-20℃又は-80℃)で保存するために製剤化することもできる。組成物は、さらに2~8℃(例えば、4℃)で2年まで(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1年半又は2年)の貯蔵のために製剤化することができる。従って、本明細書に記載の組成物は、2~8℃(例えば、4℃)で少なくとも1年間安定に貯蔵することができる。
【0133】
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む組成物は、様々な形態をとることができる。これらの形態には、液体溶液(例えば、注射可能及び注入可能な溶液)、分散液又は懸濁液、錠剤、丸剤、散剤、リポソーム及び坐剤など、例えば液体、半固体及び固体の投薬形態が含まれる。好ましい形態は、意図される投与様式及び治療への適用に部分的に依存する。
【0134】
例えば、全身又は局所送達を意図した組成物は、注射可能又は注入可能な溶液の形態とすることができる。従って、組成物(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)は、非経口様式(例えば、皮下、静脈内、腹腔内又は筋肉内注射)による投与のために製剤化することができる。
【0135】
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALP融合ポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む組成物は、高濃度での安定な保存に適した溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム又は他のオーダーされた構造体として製剤化することができる。無菌注射用溶液は、必要量の本明細書に記載の組成物を、必要に応じて上に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒中に組み込み、その後、フィルター滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、本明細書に記載の組成物を、基本分散媒及び上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射溶液を調製するための無菌粉末の場合、調製の方法には、本明細書中に記載される組成物の粉末に加えて、あらかじめ無菌濾過された、任意の追加の所望成分の溶液からその所望成分(以下を参照されたい)を得る真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。溶液の適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合に必要な粒径を維持することにより、且つ界面活性剤を用いることにより維持することができる。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる試薬、例えばモノステアレート塩及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
【0136】
本明細書に記載の組成物は、免疫リポソーム組成物中に製剤化することもできる。このような製剤は、例えば、Epstein et al.(1985)Proc Natl Acad Sci USA 82:3688;Hwang et al.(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:4030;及び米国特許第4,485,045号明細書及び同第4,544,545号明細書に記載されている方法など、当該技術分野で知られている方法によって調製することができる。延長された循環時間を有するリポソームは、例えば、米国特許第5,013,556号明細書に開示されている。
【0137】
sALP及びsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む組成物は、組成物(例えば、sALPポリペプチド又はsALP融合ポリペプチド)を急速放出から保護する担体、例えばインプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などと共に製剤化することもできる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸など、生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。こうした製剤を調製する多くの方法が当該技術分野で公知である。例えば、e.g.,J.R.Robinson(1978)Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,Marcel Dekker,Inc.,New Yorkを参照されたい。
【0138】
組成物が第2の活性薬剤と併用される場合、組成物は、第2の薬剤と共に製剤化することができか、又は組成物は、第2の薬剤製剤とは別に製剤化することができる。例えば、それぞれの医薬組成物は、例えば、投与の直前に混合することができ、且つ一緒に投与されるか、又は別々に、例えば同じ時点又は異なる時点で投与することができる。
【0139】
担体/ビヒクル
sALP又はsALP融合ポリペプチド(TNALPなど、例えば配列番号1のsALPポリペプチド又は配列番号1の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド変異体、例えばアスフォターゼアルファ)を含む調製物は、薬学的に許容される無菌の水性又は非水性溶媒、懸濁液又はエマルションと組み合わせてHPP罹患成人(例えば、小児発症HPP罹患成人など、約18歳以上のHPP罹患成人)又はHPP罹患青年(例えば、約13歳~約17歳のHPP罹患青年)などのHPP患者に提供することができる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、魚油及び注射可能な有機エステルである。水性担体としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖溶液、ブドウ糖+塩化ナトリウム溶液、ラクトースを含むリンゲル溶液又は固定油を含む、生理食塩水及び緩衝された医療用非経口ビヒクルを含む水、水-アルコール溶液、エマルジョン又は懸濁液が挙げられる。例えば、薬学的に受容可能な担体は、塩化ナトリウム及び/又はリン酸ナトリウムを含むことができ、その場合、組成物は、例えば、約150mMの塩化ナトリウム及び/又は約25mMのリン酸ナトリウム(pH7.4)を含む。
【0140】
静脈内ビヒクルは、リンゲルブドウ糖などに基づくものなど、流体及び栄養補充剤、電解質補充剤などを含むことができる。薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;及び酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩をその中に含めることができる。さらに、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝物質などの補助物質がこうしたビヒクル中に存在し得る。薬学的に許容される担体の完全な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Pub.Co.,N.J.1991)で参照することができる。
【0141】
以下の実施例は、本開示を限定するのではなく、例示することを意図している。これらの試験は、約18歳以上の小児発症HPP罹患成人又はHPP罹患青年などのHPP罹患成人への長期間にわたるアスフォターゼアルファ(配列番号1)の投与、アスフォターゼアルファの投与後のこれらの患者のHPP症状及びそれに関連する身体障害の分析を特徴とする。
【実施例0142】
実施例1.アスフォターゼアルファによる小児発症低ホスファターゼ症(HPP)患者の治療
約12歳~約66歳の低ホスファターゼ症(HPP)罹患青年及び成人が、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)(アスフォターゼアルファ;配列番号1)による治療の有効性、安全性及び忍容性を決定するための試験に参加した。約18歳~約66歳の小児発症低ホスファターゼ症(HPP)の成人12人の部分母集団解析を行い、アスフォターゼアルファによる治療による生化学的及び機能的改善を調べた。6ヶ月の初期のフェーズの試験中、9人のHPP罹患成人がアスフォターゼアルファによる治療を受け(治療群)、3人のHPP罹患成人がアスフォターゼアルファによる治療を受けなかった(対照群)。対照群のHPP症状の発症年齢中央値は、3歳であり、最低は、0.8歳であり、最高は、4歳であり、治療群のHPP症状の発症年齢中央値は、2歳であり、最低は、0.1歳であり、最高は、4歳であった(表2、投薬治療群(2.1mg/kg/週及び3.5mg/kg/週)は、全ての結果で統合した)。データは、特に断らない限り、中央値(最低、最高)として表す。対照成人の合計2人は、女性(67%)であり、治療成人の7人は、女性(78%)であった。
【0143】
【表2】
【0144】
アスフォターゼアルファによる治療のために選択されたHPP患者は、年齢調整された正常範囲より低い血清ALP、正常上限の少なくとも2倍の血漿ピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度並びに骨格X線写真及び/又は骨生検で骨欠乏症又は骨軟化症の証拠を有した。正常範囲未満の血清カルシウム又はリン酸濃度、20ng/mL未満の血清ビタミンD濃度、正常の上限を超える血清クレアチニン若しくは副甲状腺ホルモン濃度の場合又は試験プロトコールへの患者のコンプライアンスを相当に妨害し得る医学的状態若しくは他の厳しい状況では、患者は、試験から除外された。
【0145】
アスフォターゼアルファによる6ヵ月の治療の初期フェーズにおいて、4人の成人は、0.3mg/kg/日(2.1mg/kg/週)の用量でアスフォターゼアルファを投与され、5人の成人は、0.5mg/kg/日(3.5mg/kg/週)の用量でアスフォターゼアルファを皮下投与された。最初の対照群の3人の患者は、アスフォターゼアルファ治療を受けなかった。初期フェーズの試験に続いて、治療群及び対照群の両方の患者(合計12人の患者)がアスフォターゼアルファによる治療を受けた。アスフォターゼアルファは、0.5mg/kg/日(3.5mg/kg/週)の初期用量で皮下投与されたが、これは、1年後に6日間にわたる1日1回の皮下投与で1mg/kg/日(6mg/kg/週)に増加された。アスフォターゼアルファの投与量は、延長フェーズの残りの期間、6mg/kg/週に維持された。
【0146】
アスフォターゼアルファによるHPP小児発症成人の治療を評価するために延長フェーズで用いた測定基準には、1)ALP活性を評価するための患者の血漿試料中の無機ピロリン酸(PPi)濃度及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の変化、2)歩行能力を評価するための6分間歩行試験(6MWT)値、及び3)身体機能を評価するためのBruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)スコアが含まれた。
【0147】
実施例2.アスフォターゼアルファ投与後の血漿無機ピロリン酸(PPi)濃度及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の統計学的に有意な中央値の減少
HPP成人から収集した血漿サンプル中のALP活性は、Whyte et al.,1995(J.Clin.Invest.95(4):1440-1445)(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように、ALP基質PPi及びPLPの濃度を定量することによって評価した。対照の成人及びアスフォターゼアルファで治療される成人の血漿サンプル中のPPi及びPLP濃度の中央値は、ベースライン時点で正常範囲から上昇していた(表3)。同様に、ALP活性値は、正常ALP活性値の年齢及び性別で補正した下限(LLN)(18~50歳未満では31U/L又は50~70歳未満では35U/L)と比較して対照群(21.0U/L)及び治療群(18.0U/L)で比較的低かった。
【0148】
【表3】
【0149】
血漿PPi濃度の中央値は、ベースライン時点の対照群では5.9μM(最低血漿PPi濃度5.2μM;最高血漿PPi濃度6.6μM)、ベースライン時点の治療群では5.5μM(最低血漿PPi濃度2.2μM;最高血漿PPi濃度8.2μM)であった(表3)。血漿PPi濃度は、アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後に減少するが、これは、アスフォターゼアルファで治療された患者では、ベースラインから-3.0の統計学的に有意な中央値変化であるのに対して、未治療対照群では-0.3の変化であることによって示される(図1A)。PPi濃度のベースラインからの中央値変化に対するP値は、治療群を対照群と比較した正確ウィルコクソンの順位和検定に基づいて0.0364であった。アスフォターゼアルファを6ヵ月間投与した後の血漿中のPPi濃度を2つの異なる用量群について分析すると、0.3mg/kg/日アスフォターゼアルファで治療した患者では、ベースラインから-2.870、0.5mg/kg/日アスフォターゼアルファで治療した患者では、-2.990の中央値の変化があったことが示された(表4、各治療群を対照群と比較した正確ウィルコクソンの順位和検定に基づくP値;推定値及び正確な信頼区間は、治療群と対照群との間の分布の位置シフトについてのHodges-Lehmann-Senの方法から取得)。
【0150】
【表4】
【0151】
血漿PLP濃度の中央値は、対照群ではベースラインで199.0ng/ml(最小血漿PLP濃度196.0ng/ml;最大血漿PLP濃度474.0ng/ml)であり、治療群ではベースラインで267.0ng/ml(最小血漿PLP濃度28.8ng/ml;最大血漿PLP濃度1270.0ng/ml)であった(表3)。血漿PLP濃度は、アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後に減少するが、これは、アスフォターゼアルファで治療された患者では、ベースラインから-254.5の統計学的に有意な中央値変化であるのに対して、対照群では140.0の変化であることによって示される(図1B)。PLP濃度のベースラインからの中央値変化に対するP値は、治療群と対照群とを比較した正確ウィルコクソンの順位和検定に基づいて0.0364であった。アスフォターゼアルファを6ヵ月間投与した後の血漿中のPLP濃度を2つの異なる用量群について分析すると、0.3mg/kg/日アスフォターゼアルファで治療した患者では、ベースラインから-298.60、0.5mg/kg/日アスフォターゼアルファで治療した患者では、-254.50の中央値の変化があったことが示された(表5、各治療群を対照群と比較した正確ウィルコクソンの順位和検定に基づくP値、推定値及び正確な信頼区間は、治療群と対照群との間の分布の位置シフトについてのHodges-Lehmann-Senの方法から取得)。
【0152】
【表5】
【0153】
対照群が6ヶ月の初期フェーズ後にアスフォターゼアルファによる治療を受けたため、その後の測定の全てで、血漿PPi及びPLP濃度について、それぞれの時点(アスフォターゼアルファ治療の6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び6年)で治療群と対照群を統合した。血漿PPi濃度の減少は、アスフォターゼアルファによる治療の延長フェーズを通して持続した(図2)。アスフォターゼアルファによる6ヶ月の治療後、血漿PPi濃度中央値は、5.53μM(最小血漿PPi濃度2.15μM;最大血漿PPi濃度8.20μM)から3.30μM(最小血漿PPi濃度0.75μM;最大血漿PPi濃度5.02μM)に減少した。PPi濃度の中央値は、1年で3.74μM(最小血漿PPi濃度1.62μM;最大血漿PPi濃度5.40μM)であり;PPi濃度の中央値は、2年で2.49μM(最小血漿PPi濃度1.32μM;最大血漿PPi濃度10.90μM)であり;PPi濃度の中央値は、3年で2.09μM(最小血漿PPi濃度1.24μM;最大血漿PPi濃度2.94μM)であり;PPi濃度の中央値は、4年で2.49μM(最小血漿PPi濃度1.09μM;最大血漿PPi濃度4.52μM)であり;PPi濃度の中央値は、5年で2.2μM(最小血漿PPi濃度0.92μM;最大血漿PPi濃度5.36μM)であり;PPi濃度の中央値は、5年で2.60μM(最小血漿PPi濃度1.95μM;最大血漿PPi濃度4.84μM)であった。サンプルサイズは、6ヵ月時点でHPP小児発症成人9人、1年~5年の時点でHPP小児発症成人12人、6年時点でHPP小児発症成人3人であった。
【0154】
同様に、血漿PLP濃度の減少は、アスフォターゼアルファによる延長フェーズを通して持続した(図3)。血漿PLP濃度中央値は、アスフォターゼアルファによる6ヶ月の治療後、267.0ng/ml(最小血漿PLP濃度28.8ng/ml;最大血漿PLP濃度1270.0ng/ml)から21.6ng/ml(最小血漿PLP濃度2.5ng/ml;最大血漿濃度141.0ng/ml)に減少した。PLP濃度の中央値は、1年で65.1ng/ml(最低血漿PLP濃度15.9ng/ml;最高血漿PLP濃度367.0ng/ml)であり;PLP濃度の中央値は、2年で20.1ng/ml(最低血漿PLP濃度2.7ng/ml、最高血漿PLP濃度45.7ng/ml)であり;PLP濃度の中央値は、3年で14.0ng/ml(最低血漿PLP濃度2.5ng/ml、最高血漿PLP濃度36.2ng/ml)であり;PLP濃度の中央値は、4年で12.0ng/ml(最低血漿PLP濃度2.5ng/ml、最高血漿PLP濃度38.4ng/ml)であり;PLP濃度の中央値は、5年で7.8ng/ml(最低血漿PLP濃度2.5ng/ml、最高血漿PLP濃度29.5ng/ml)であり;PLP濃度中央値は、6年で6.0ng/ml(最低血漿PLP濃度4.7ng/ml;最高血漿PLP濃度15.1ng/ml)であった。サンプルサイズは、6ヵ月及び1年時点でHPP小児発症成人9人、2年~5年の時点でHPP小児発症成人12人、6年時点でHPP小児発症成人3人であった。
【0155】
実施例3.6分間歩行試験(6MWT)で評価した小児発症HPP成人患者の身体機能及び歩行能力の改善
6分間歩行試験(6MWT)で小児発症HPP患者の身体機能及び歩行能力を評価した。アスフォターゼアルファで治療された患者では、ベースラインでの6分間の平均歩行距離315.0メートル(最小距離223.0、最大距離540.0)から、アスフォターゼアルファによる治療1年後に6分間の平均歩行距離が421.5メートル(最小距離204.0、最大距離640.0)へ改善した。対照的に、未治療対照群は、ベースラインでの6分間の平均歩行距離401.0メートル(最小距離6.0、最大距離440.0)から、アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後の6分間の平均歩行距離が355.0メートル(最小距離13.0、最大距離420.0)と改善しなかった。
【0156】
アスフォターゼアルファによる治療1年後のベースラインからの平均変化は、6分間の歩行で88.0メートルの距離であったが、対照群におけるベースラインからの中央値変化は、治療なしで6ヶ月後に6分間の歩行で-20.0メートルであった(表6)。この変化には、ベースラインで6分間を通してフルに歩行できなかった対照群の3人の患者が含まれる。治療群の6MWTのベースラインからの平均の変化は、17.6%であり、ベースラインでの予測6MWT値(最小予測6MWT値42.4%、予測6MWTの最大値101.3%)の62.8%から、アスフォターゼアルファによる治療1年後に予測6MWT値(最小予測6MWT値31.1%、最大予測6MWT値121.3%)の85.0%へ増加した。対照的に、未治療対照群の6MWTのベースラインからの平均の変化は、-6.2であり、ベースラインでの予測6MWT値(最小予測6MWT値79.1%、予測6MWTの最大値92.4%)の85.8%から、アスフォターゼアルファによる治療1年後に予測6MWT値(最小予測6MWT値70.4%、最大予測6MWT値88.7%)の79.6%へ減少した。さらに、対照とアスフォターゼアルファ治療小児発症HPP患者との間の、6ヵ月目のパーセント予測6MWT値のベースラインからの変化は、統計学的に有意であった(p=0.04)。従って、アスフォターゼによる治療1年後のHPP患者は、歩行能力において統計学的に有意な改善を示したが、対照群患者の歩行能力は、悪化したか又は改善しなかった。
【0157】
【表6】
【0158】
ベースライン後の6MWT値について、対照群が6ヵ月の初期フェーズ後にアスフォターゼアルファによる治療を受けたため、各時点(アスフォターゼアルファ治療の1年時点、2年時点、3年時点、4年時点、5年時点及び6年時点)で治療群及び対照群の6MWT値を統合した。6MWTの変化は、ベースラインでの予測6MWT値(最小予測6MWT値42.4%、予測6MWT最大値101.3%;n=8)の62.9%から、アスフォターゼアルファによる6ヶ月の治療後に予測6MWT値(最小予測6MWT値46.0%、最大予測6MWT値109.0%;n=8)の80.8%へ増加を示した(図4)。6MWT値の増加は、アスフォターゼアルファによる治療中を通して、1年後の予測6MWT値(最小予測6MWT値31.1%;最大予測6MWT値121.3%;n=10)の85%、2年後の予測6MWT値(最小予測6MWT値63.3%;最大予測6MWT値120.8%;n=9)の91.8%、3年後の予測6MWT値(最小予測6MWT値64.7%;最大予測6MWT値121.6%;n=8)の93.5%、4年後の予測6MWT値(最小予測6MWT値59.0%;最大予測6MWT値133.4%;n=8)の91.7%、5年後の予測6MWT値(最小予測6MWT値61.5%;最大予測6MWT値137.4%;n=8)の85.1%を維持した。要約すると、アスフォターゼアルファで治療したHPP患者の6MWT値は、ベースラインの予測6MWT値の76%から、6か月までに予測6MWT値の80.8%へ改善したが、これは、同じ年齢及び身長の健康対象の正常範囲内である。6MWT値の改善は、アスフォターゼアルファによる治療の4年にわたって持続した。
【0159】
実施例4.Bruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)で評価した小児発症HPP成人患者の身体機能の改善
HPP患者の身体機能及び障害をBruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)の走行速度及び機敏性試験並びに強度試験により評価した。HPP患者の走行速度及び機敏性を評価するためのBOT-2試験には、50フィートシャトルラン、平均台の横切り並びに片脚及び両脚サイドホップが含まれた。HPP患者の強度を評価するBOT-2試験には、起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位及び腕立て伏せが含まれた。その後、各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び6年)のBOT-2試験毎に与えられたポイントの合計から、BOT-2速度及び機敏性の合計スコア及びBOT-2強度の合計スコアを決定した。ベースライン後のBOT-2スコアについて、対照群が6ヵ月の初期フェーズ後にアスフォターゼアルファによる治療を受けたため、各時点(アスフォターゼアルファ治療の6か月時点、1年時点、2年時点、3年時点、4年時点、5年時点及び6年時点)で治療群及び対照群のBOT-2スコアを統合した。
【0160】
アスフォターゼアルファによる治療の6ヵ月後、BOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアは、ベースライン時点のBOT-2走行速度及び機敏性合計スコアの中央値6(最小BOT-2スコア0;最大BOT-2スコア27;n=9)から6ヵ月時点の10.5(最小BOT-2スコア5;最大BOT-2スコア27;n=8)に改善した(図5)。BOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値の改善は、アスフォターゼアルファによる治療の延長フェーズを通して持続し、1年時点のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、9.0(最小BOT-2スコア4;最大スコア35;n=11)、2年時点のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、10.0(最小BOT-2スコア3;最大スコア33;n=11)、3年時点のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、10.0(最小BOT-2スコア4;最大スコア30;n=10)、4年時点のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、9(最小BOT-2スコア4;最大スコア31;n=11)及び5年時点のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、8.0(最小BOT-2スコア0;最大スコア35;n=9)であった。BOT-2強度の合計スコアは、アスフォターゼアルファによる治療の6ヵ月後にベースライン時点のBOT-2強度の合計スコアの中央値12(BOT-2スコアの最小値2;スコアの最大値30;n=5)から、6ヵ月時点の14(BOT-2スコアの最小値8;スコアの最大値35;n=5)に改善した(図6)。
【0161】
実施例5.アスフォターゼアルファ投与後の小児発症HPP成人患者の骨石灰化の改善
大腿骨頸部、腰椎及び全身の二重エネルギーX線吸収測定(DXA)を、未治療の対照患者に対してベースライン時点及び6ヶ月時点で行い、またアスフォターゼアルファによる治療患者に対してベースライン時点及び1年時点で行った。小児発症HPP罹患成人では、治療患者は、アスフォターゼアルファ投与の6ヵ月後、腰椎骨ミネラル密度(BMD)のベースラインからの増加を示した。アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後、腰椎BMDの統計学的に有意な増加が観察された(表7)。
【0162】
【表7】
【0163】
骨生検も未治療対照患者ではベースライン時点及び6か月時点で、アスフォターゼアルファ治療患者ではベースライン時点及び1年時点で実施し、類骨の体積及び厚さ(表8)並びに石灰化の遅延時間(表9)を決定した。アスフォターゼアルファによる治療の1年後、類骨容積/骨容積(%)及び類骨厚さ(μm)の統計学的に有意な減少が観察された。この試験は、DXA試験よりもかなり侵襲的であった。
【0164】
【表8】
【0165】
ベースライン時点では、全てのHPP患者で石灰化遅延時間が延長されたが、患者間の大きいばらつきを含んでいた。このような変動性は、このタイプの組織形態計測法による測定及び試験で予想される。アスフォターゼアルファによる1年の治療後、石灰化遅延時間は、ベースラインからの平均変化が6ヶ月時点で65日である未治療対照群と比較して、ベースラインからの平均変化が-696日である治療群で減少した。これらの結果は、小児発症HPP成人患者へのアスフォターゼアルファの投与が骨石灰化を促進することを示している。
【0166】
【表9】
【0167】
実施例6.アスフォターゼアルファによるHPP青年及び成人の治療の試験設計
sALP(アスフォターゼアルファ;図7)による治療の有効性、安全性及び忍容性を決定するための試験に参加した約13歳~約65歳のHPP罹患青年及び成人である。アスフォターゼアルファによる6ヵ月の治療の初期フェーズでは、合計19人の患者は、アスフォターゼアルファを0.3mg/kg/日(2.1mg/kg/週;n=7)の用量で皮下投与し、0.5mg/kg/日(3.5mg/kg/週;n=6)で皮下投与するか、又は対照群では無治療(n=6)とするよう無作為化された(図8)。6ヶ月の初期フェーズの試験に続いて、治療群及び対照群の両方の患者は、0.5mg/kg/日(3.5mg/kg/週)の用量のアスフォターゼアルファの皮下投与による治療を受けた。延長フェーズの最初の6ヶ月後、プロトコール修正下で全ての患者について6日/週にわたって用量を1mg/kg/日(6mg/kg/週)に増加させた。試験の選択基準及び除外基準を表10に記載する。HPP疾患関連病歴を含む、HPP青年及び成人の患者デモグラフィック及びベースライン特性を表11に要約する。
【0168】
【表10】
【0169】
【表11】
【0170】
アスフォターゼアルファによるHPP青年及び成人の治療を評価するために延長フェーズで使用された測定基準には、1)ALP活性を評価するための患者血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi)及びピリドキサール5’-リン酸(PLP)濃度の変化;2)歩行能力を評価するための6分間歩行試験(6MWT)値;3)身体機能を評価するためのBruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)スコア;4)強度を評価するためのハンドヘルドダイナモメトリー(HHD);5)障害を評価するための下肢機能スケール(LEFS);及び6)痛みを評価するための簡易痛み質問紙票(BPI-SF)が含まれた。
【0171】
有効性解析は、全ての無作為化された患者を含む治療意図集団の完全な解析セットについて実施した。全ての患者は、無作為化された治療を受けた。最初の治療期間において、プールしたアスフォターゼアルファ治療群と対照群との間で群比較を行った。分析は、アスフォターゼアルファへの5年までの曝露期間によっても実施した。対照群の患者では、アスフォターゼアルファ治療は、延長フェーズの開始から6ヶ月後に開始した。ベースラインから6ヵ月目までのPPi及びPLPの血漿中の濃度変化の転帰測定のため、0.05の両側アルファを用い、各パラメータについての正確ウィルコクソンの順位和検定を使用して、プールしたアスフォターゼアルファ治療群と対照群との比較を行った。欠損値は、直前の観察値を繰り越して帰属させた。6MWTでは、患者がベースライン時に6分間の歩行を完結した場合、パーセント予測値(%)(年齢、性別及び身長に基づいた正常の予測歩行距離と比較したパーセントとして定義される)を計算した。
【0172】
実施例7.HPP成人及び青年にアスフォターゼアルファを投与した後のPPi及びPLP濃度の中央値の減少
Whyte et al.,1995(J.Clin.Invest.95(4):1440-1445)に記載されているように、ALP基質PPi及びPLPの濃度を定量することにより、HPP青年及び成人から採取した血漿サンプルのALP活性を評価した。アスフォターゼアルファで治療した青年及び成人HPP患者のPPi(-2.2μm)及びPLP(-254.5ng/ml)血漿濃度の両方において、6ヶ月後に対照群と比較してより大きい変化があった(それぞれ図9A及び9B)。群間の差は、血漿PLPの変化で統計学的に有意(P=0.0285)であったが、血漿PPiの変化について有意ではなかった(P=0.0715)。高いベースラインPPi濃度(12.1μM)を有する対照群の1人の患者を除外した事後感度分析は、対照群と比較して、アスフォターゼアルファ群の6ヶ月目の血漿PPi濃度の統計学的に有意な減少を示した(P=0.0044)。青年及び成人HPP患者の血漿PPi及びPLP濃度の中央値の減少は、5年のアスフォターゼアルファ治療中に維持された(それぞれ図10A及び10B)。
【0173】
実施例8.青年及び成人HPP患者の6分間歩行試験(6MWT)で評価した身体機能及び歩行能力の改善
6分間歩行試験(6MWT)でHPP青年及び成人の身体機能及び歩行能力を評価した。ベースライン後の6MWT値に関して、対照群は、6ヵ月の初期フェーズ後に切り替えられ、アスフォターゼアルファによる治療が開始されたため、6MWT値は、治療群及び対照群について、各時点(アスフォターゼアルファ治療の1年時点、2年時点、3年時点、4年時点及び5年時点)で統合した。対照群は、治療群の6ヶ月後にアスフォターゼアルファによる治療を開始した。全ての分析のためのベースラインは、患者がアスフォターゼアルファの最初の投与を受ける前の最後の評価であった。予測6MWT値は、患者が6分間の歩行を完結した場合にのみ計算した。最初に対照群に割り付けられた3人の患者は、身体的及び/又は認知障害のためにベースラインで6分間の歩行を完結することができなかったため、%予測分析に含まれなかった。ベースライン測定では、19人の患者のうちの5人が歩行支援器具を使用した(n=3、アスフォターゼアルファ群;n=2、対照群)。
【0174】
アスフォターゼアルファによる治療を受けた青年及び成人HPP患者は、アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後に治療開始時の355メートル(最小距離10メートル;最大距離620メートル)から450メートル(最小距離280メートル;最大距離707メートル)に改善した(図11A)。同様に、%予測6MWT歩行距離の中央値は、ベースラインで予測された76%(最小42%、最大101%)から、アスフォターゼアルファによる治療の6ヶ月後に85%(最小29%、最大109%)まで増加した(図11B)。6MWT歩行距離及び%予測6MWT歩行距離の改善は、アスフォターゼアルファによる治療の5年にわたって持続した。アスフォターゼアルファによる治療の2年後、歩行支援器具を使用した全5人の患者は、改善した。1人は、車椅子から松葉杖へ、1人は、歩行器から杖へ、1人は、車輪付き歩行器から独立歩行へ、2人は、杖から独立歩行へ進歩した。
【0175】
アスフォターゼアルファによる治療の前後の、青年HPP患者(n=4)及び小児発症HPP罹患成人(n=9)に対する6MWT結果を評価するために事後解析も行った。6MWTの試験-再試験の信頼性は、ベースライン時点とスクリーニング時点の6MWT歩行距離との間のピアソン相関係数(r)を計算することによって評価し、両側P値を計算した(正確検定の帰無仮説:r=0)。試験-再試験の信頼性は、約13~約17歳の青年と、約18歳を超える成人とで別々に分析した。ベースライン時点とスクリーニング時点での歩行距離との間のピアソン相関係数(r)は、青年HPP患者で0.81(P=0.1250)(図12A)であり、小児発症HPP成人患者で0.94(P=0.0001)(図12B)であった。若年HPP患者(n=4)及び小児発症HPP罹患成人(n=9)の、6MWTの臨床的に重要な最小の変化量(MCID)を、スクリーニング時点及びベースライン時点の6MWTデータに適用した分布に基づく方法を用いて計算した。現在の事後分析は、MCIDを推定するために、標準測定誤差(SEM)及び1/3標準偏差(SD)の分布に基づく方法論を用いた。MCIDの最も保守的な推定値は、青年(SEM法;n=4)で43メートルであり、スクリーニング時点及びベースライン時点で6MWTを完結した小児発症HPP罹患成人(SD法;n=9)で31メートルであった。
【0176】
実施例9.Bruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)で評価した青年及び成人HPP患者の身体機能の改善
Bruininks-Oseretsky運動能力試験第2版(BOT-2)の走行速度及び機敏性試験並びに強度試験により、HPP青年及び成人の身体機能及び障害を評価した。HPP患者の走行速度及び機敏性を評価するためのBOT-2試験には、50フィートシャトルラン、平均台の横切り並びに片脚及び両脚サイドホップが含まれた。HPP患者の強度を評価するBOT-2試験には、起き上がり腹筋運動、vアップ、立ち幅跳び、壁座位及び腕立て伏せが含まれた。その後、各時間間隔(ベースライン、6ヶ月、1年、2年、3年、4年及び5年)のBOT-2試験毎に与えられたポイントの合計から、BOT-2速度及び機敏性の合計スコア及びBOT-2強度の合計スコアを決定した。ベースライン後のBOT-2スコアについて、対照群が6ヵ月の初期フェーズ後にアスフォターゼアルファによる治療を受けたため、各時点(アスフォターゼアルファ治療の6か月時点、1年時点、2年時点、3年時点、4年時点及び5年時点)で治療群及び対照群のBOT-2スコアを統合した。HPP罹患成人及び青年のBOT-2走行速度及び機敏性の合計スコアの中央値は、ベースライン時点で6.5(最小0、最大39)であったが、アスフォターゼアルファによる治療の5年後に4.0(最小-5、最大18)だけ改善した(図13)。BOT-2強度の合計ポイントスコアの中央値は、治療開始時点で13.5(最小0、最大33)であったが、アスフォターゼアルファによる治療の5年後に3.5(最小-9、最大9)だけ改善した(図13)。
【0177】
実施例10.ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)で評価した青年及び成人HPP患者の握力及び筋力の改善
ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)を用いて、HPP青年及び成人の握力及び筋力を評価した。HHDを行って以下の両側筋肉群を試験した:握力、膝屈筋、膝伸筋、股関節屈筋、股関節伸筋及び股関節外転筋。強度は、ポンドで報告した。測定は、ポンド(力)で評価してニュートン(N)に換算し、トルクは、肢の長さを用いてニュートン・メートル(NM)で計算した。16歳未満の患者の年齢、性別及び体重に基づいた%予測HHDスコアの決定にトルクを使用し、成人の%予測HHDスコアの比較に力を使用した。
【0178】
HPP青年及び成人患者(n=13)の%予測HHD股関節外転の中央値は、ベースラインで45.60%(最低9.1%、最大126.2%)であった。アスフォターゼアルファによる治療の24週後、アスフォターゼアルファ治療HPP患者で股関節の近位筋強度の改善が観察された。ベースラインから24週までの%予測値(優性側)の中央値の変化は、対照群の股関節外転で6.70%(最小-7.1%、最大12.0%)であったのに比べて、統合アスフォターゼアルファ治療群では11.10%(最小-25.7%、最大20.4%)であった。ベースラインから24週までの%予測値(優性側)の中央値の変化は、対照群の股関節伸展で1.90%(最小15.0%、最大11.2%)であったのに比べて、統合アスフォターゼアルファ治療群では7.95%(最小12.6%、最大19.5%)であった。
【0179】
アスフォターゼアルファによる治療を受けた青年及び成人のHPP患者は、アスフォターゼアルファによる治療後の48週時点(中央値変化は、11.00%予測値(最小値-15.0%、最大値30.5%))、96週時点(中央値変化は、11.95%予測値(最小値-14.0%、最大値47.2%))、144週時点(中央値変化は、17.05%予測値(最小値-6.7%、最大値55.5%))、192週時点(中央値変化は、19.45%予測値(最小値-24.2%、最大値94.7%))及び240週時点(中央値変化は、9.80%予測値(最小値-7.2%、最大値155.2%))で股関節外転の改善を示した。アスフォターゼアルファによる治療を受けた青年及び成人のHPP患者は、アスフォターゼアルファによる治療後の24週時点(中央値変化は、6.20%予測値(最小値-12.6%、最大値19.5%))、48週時点(中央値変化は、4.90%予測値(最小値1.7%、最大値27.7%))、96週時点(中央値変化は、6.75%予測値(最小値-24.1%、最大値31.2%))、144週時点(中央値変化は、15.40%予測値(最小値-15.6%、最大値45.2%))、192週時点(中央値変化は、17.10%予測値(最小値-3.2%、最大値50.2%))及び240週時点(中央値変化は、12.40%予測値(最小値-9.2%、最大値45.1%))で股関節伸展の改善を示した。アスフォターゼアルファで治療された青年及び成人HPP患者は、アスフォターゼアルファでの治療の240週後に股関節外転の改善を示した。青年及び成人HPP患者は、膝伸展の中央値変化が16.05%予測値(最小値7.1%、最大値40.7%)であり、膝屈曲が14.30%予測値(最小値2.1%、最大値68.0%)であった。
【0180】
実施例11.下肢機能スケール(LEFS)で評価した青年及び成人HPP患者における下肢の機能障害の改善
下肢機能スケール(LEFS)を用いて、HPP青年及び成人における下肢の機能障害を評価した。免許を有する理学療法士がHPP患者へのインタビュー形式でLEFS評価を実施した。LEFSの合計スコアは、0~80の範囲であり、高いスコアほど良好な下肢機能を表す。ベースラインLEFSスコアの平均及び中央値は、統合アスフォターゼアルファ群よりも対照群ではるかに低かった。未治療対照群と比較して、青年及び成人HPP患者の統合アスフォターゼアルファ治療群のLEFSスコアに改善があった(表12)。ベースラインから24週目までで、臨床的に意味のある改善(≧9ポイントの増加)が、アスフォターゼアルファで治療したHPP患者の13人中4人(30.8%)と比較して対照群では5人の患者中1人(20.0%)で観察された。
【0181】
【表12】
【0182】
アスフォターゼアルファによる治療中、ベースラインLEFSスコアデータを有する18人の患者のうちの14人(77.8%)が、ベースラインからアスフォターゼアルファによる治療の5年までにLEFSの合計スコアの増加(改善)を示した。さらに、合計18人の患者のうちの8人(44.4%)は、ベースラインLEFSスコアと比較して、患者らの最終評価時にLEFSスコアで臨床的に有意な改善(≧9ポイント)を示した。最後のアスフォターゼアルファの全曝露までの、全部で18人の患者のベースラインからの平均の変化は、7.5(標準偏差13.33)であった。
【0183】
実施例12.簡易痛み質問紙票(BPI-SF)で評価した青年及び成人HPP患者の痛み
簡易痛み質問紙票(BPI-SF)を使用してHPP青年及び成人の痛みを評価した。HPP青年及び成人のBPI-SFスコアは、11の痛み評価を複合化したものである。HPP青年及び成人の統合BPI-SFスコアには、ベースラインと24週目との間に平均値の増加がなかった(表13)。ベースラインから24週目までのBPI-SFスコアの平均及び中央値の変化は、アスフォターゼアルファで治療したHPP青年及び成人と対照群との間で類似であった。
【0184】
【表13】
【0185】
アスフォターゼアルファによる5年の治療中、HPP青年及び成人並びに対照患者のBPI-SFスコアは、最初の24週間の治療期間中に観察されたものと一致した。アスフォターゼアルファによる治療の96週(N=19)及び144週(N=17)までに、アスフォターゼアルファで治療されたHPP青年及び成人並びに対照群患者の中央値の改善は、それぞれ-4.0(範囲:-13、11)及び-4.0(範囲:-24、9)であった。アスフォターゼアルファによる治療の192週時点(N=15)及び240週時点(N=16)では、HPP青年及び成人並びに対照患者の中央値の改善は、それぞれ-3.0(範囲:-20、8)及び-3.5(範囲-20、5)であった。従って、HPPの青年及び成人は、アスフォターゼアルファによる治療後、約5年にわたって痛みの増加を示さなかった。
【0186】
実施例13.アスフォターゼアルファによる長期治療に対する忍容性
一般に、アスフォターゼアルファによる治療は、HPP罹患青年及び成人に十分な忍容性があり、ほとんどの有害事象(AE)は、注射部位の反応(ISR)及び関節痛からなる。安全性評価には、ISR及び注射関連反応(IAR)を含む有害事象(AE)の継続的モニタリングが含まれた。ISRは、投与部位に局在し、アスフォターゼアルファ治療開始後の任意の時点で生じた。IARには、アスフォターゼアルファ投与後3時間以内に生じた全身性徴候、症状又は所見(例えば、全身性じんま疹又はかゆみ、低血圧又は呼吸困難)が含まれた。
【0187】
アスフォターゼアルファ投与中に死亡者はいなかった。注射部位過敏症及びアナフィラキシー様反応のために中止したのは、1患者のみであった(各1回の発症)。全ての患者は、試験中に少なくとも1つの治療下発現有害事象(TEAE)を経験した。ほとんどのTEAEは、重篤度において軽度(864/1145(75%))又は中等度(229/1145(20%))であった。関節痛、注射部位紅斑、四肢痛、背部痛、注射部位血腫、骨痛、注射部位変色、眼の石灰化、筋骨格痛、末梢浮腫、浮腫、めまい、足骨折、注射部位反応、関節腫脹、上気道感染、頭痛、注射部位痛、鼻咽頭炎、咳、転倒、注射部位萎縮、注射部位掻痒、治療痛、副鼻腔炎、疲労、注射部位の腫れ、注射部位肥大、悪心、口腔咽頭痛、変形性関節症、感覚異常及び外傷後痛のTEAEが4人以上のHPP患者で報告された(表14)。
【0188】
【表14】
【0189】
最も一般的なTEAEは、全ての患者で発現したISR(385/1145(34%))であった。最も一般的なISR(≧5%のISR)は、紅斑(121/385(31%))、変色(66/385(17%))、特定不能のISR(56/385(15%))、血腫(33/385(9%))、痛み(26/385(7%))及び掻痒(20/385(5%))であった。合計2名の患者は、過敏性IAR(1人の患者は、口腔感覚鈍麻及び悪寒;1人の患者は、アナフィラキシー様反応)に分類されるTEAESを経験し、これらは、全て重篤度において中等度であると考えられた。9人の患者で合計29件の重篤な治療下発現有害事象(SAE)が報告され、2人の患者で報告された8件のSAE(経口知覚鈍麻、悪寒、四肢痛並びに1人の患者で頭痛、1人の患者で過敏症反応及びアナフィラキシー様反応)は、アスフォターゼアルファの投与に関連していると治験責任医師により評価された。全体として、アスフォターゼアルファの投与は、HPPの青年及び成人に十分な忍容性があった。
【0190】
実施例14.小児HPP罹患成人におけるアスフォターゼアルファのフェーズ2a無作為多施設非盲検用量範囲試験の薬力学的結果
6~12歳の患者を対象とした試験及びHPP罹患青年及び成人を対象とした試験では、アスフォターゼアルファは、循環PPi及びPLP濃度を低下させ、機能的転帰を改善した。アスフォターゼアルファは、全年齢の小児発症HPP患者のHPP治療薬として米国、欧州及び日本で承認されており、推奨用量は、2.0mg/kgを週3回又は1.0mg/kgを週6回である。米国では、治療担当医師がその有効性が不十分であると考える場合、3.0mg/kgを週3回にこの用量を増量し得る。
【0191】
小児発症HPP罹患成人を対象として、現在推奨されている用量の2.0mg/kg、週3回をひとまとめにした6倍の範囲にわたり、3点の用量でアスフォターゼアルファの薬力学、薬物動態及び安全性/忍容性を評価した。薬力学及び安全性/忍容性を測定した。
【0192】
適格患者には、HPP関連骨格異常の既往歴の記録及び以下のうち1つ以上によって示される、小児発症HPP罹患の及びHPPと診断された年齢≧18の男性及び非妊娠女性が含まれた:TNSALP遺伝子(ALPL)変異の記録、スクリーニング時における年齢調整正常範囲未満の血清アルカリホスファターゼ活性及び正常上限を超えるPLP(PLPの既往結果を用いて患者適格性を判定し得る;血漿PLPの基準は、ピリドキシン治療を受けている患者には適用できなかった)、スクリーニング時の血漿PPi≧3.9μM及び試験登録から3年以内にアスフォターゼアルファによる治療のないこと。
【0193】
試験の設計及び治療は、13週間の第2aフェーズ多施設無作為化非盲検用量反応試験であった。スクリーニング後、最初の導入期間により、基質分析のためのサンプリングが可能になった。その後、第1週中、皮下投与(SC)されるアスフォターゼアルファの単回用量(0.5、2.0又は3.0mg/kg)に対して、患者は、1:1:1に無作為化された。患者は、第2週中、アスフォターゼアルファを受けなかった。その後、アスフォターゼアルファを3週目から9週目まで、0.5、2.0、3.0mg/kg SCを毎週3回(1.5、6.0又は9.0mg/kg/週に相当)の用量で投与した(図14)。
【0194】
薬力学的転帰測定は、ベースラインから9週目の第3投与前(トラフ)までの血漿PPi(一次)及びPLP(二次)の変化であり、ベースラインは、アスフォターゼアルファによる最初のSC注射前の全ての評価の平均として定義された。血漿PPi及びPLPの測定のための血液サンプルは、スクリーニング、導入時、1週目、9週目及び13週目にクリニックで採取した。第2~第8週及び第10~第12週の血液サンプルは、診療所又は家庭で採取することができた。他の二次的転帰尺度には、安全性/忍容性及び薬物動態パラメータが含まれた。薬力学的及び安全性/忍容性の結果を報告する。
【0195】
主要仮説は、コホート間でベースラインからの血漿PPiの変化の差が9週目の第3回投与前でゼロと異なるかどうかを試験した。多重度を制御するために、固定配列試験手順を使用して、最初に3.0mg/kgと0.5mg/kgのコホートとの間の差を決定し、これが統計学的に有意である場合にのみ、その後、2.0mg/kgと0.5mg/kgのコホートとの間の差を決定した。有意性検定を実施する場合、両側5%のタイプI誤差を使用した(P<0.05)。有意性検定レベル0.05(両側ともP<0.05)で両方の比較について帰無仮説が棄却された場合、主要評価尺度が満たされた。一次解析は、制限最尤(REML)ベースの反復測定混合モデルを用いて行い、ベースラインから9週目(3回目の投与前;61日目)までの変化を推定した。使用したこのモデルは、4週目(22日目)、5週目(29日目)、7週目(43日目)、8週目(50日目)、9週目(57日目)及び9週目(61日目)に得られた投与前サンプルから得られたものである。3週目(15日目)の投与前の時点は、単回投与後の2週間のウォッシュアウト期間後に収集されたために含まれず、ベースライン時と同様の値を与えると予想された。プロトコールに従って、6週目には薬力学評価を行わなかった。解析には、来院の固定されたカテゴリー効果、治療コホート、ベースラインPPi、性別、ベースライン体重群(≧中央値対<中央値)及び治験薬ロット割付の共変量を含めた。患者内誤差をモデル化するために、構造化されていない共分散構造を用い、Kenward-Roger近似を用いて分母の自由度を推定した。
【0196】
スクリーニングされた35人の患者のうち、27人が登録され、試験を完了した。デモグラフィック特性及びベースラインの症状を表15に要約した。3つの用量コホートのうち、年齢中央値は、45.0歳(範囲:18~77)であり、ほとんどの患者は、白人(96%)及び女性(59%)であった。
【0197】
【表15】
【0198】
ベースラインから9週目第3回投与前までのPPiの最小二乗平均(LSM)の変化間に有意差が観察された(表16及び図15)。ベースラインから9週目第3回投与前までのPLPのLSMの変化間にも有意差が観察された(表16及び図16)。
【0199】
【表16】
【0200】
安全性と忍容性に関して、≧5の患者全体に認められた治療下発現有害事象(TEAE)を表17に示す。例えば、注射部位反応(21人の患者で137件の事象)は、2.0及び3.0mg/kgコホートでより一般的であった。リポジストロフィーが観察された(2.0mg/kgコホートの1人の患者で2件の事象)。異所性石灰化(4人の患者で4件の事象;2.0及び3.0mg/kgのコホートでそれぞれ2件)が認められ、それらは、腎臓(2人の患者;2.0及び3.0mg/kgのコホートでそれぞれ1例)、眼(2.0mg/kgコホートで1人の患者)及び肝臓(3.0mg/kgのコホートで1人の患者)においてであった。過敏性反応も観察された(2.0mg/kgのコホートの1人の患者で4件の事象)。全体として、TEAEの99%(480/485)は、軽度又は中等度であった。重篤なTEAEは報告されず、TEAEのために試験を中止した患者はいなかった。
【0201】
【表17】
【0202】
アスフォターゼアルファを推奨用量又はそれを超える用量(2.0又は3.0mg/kg)で治療した小児発症HPP成人患者は、推奨用量より低い用量(0.5mg/kg)で治療した患者と比較して、9週目の第3回投与前PPi及びPLP値においてベースラインからの統計学的に有意な減少を示した。注射部位反応は、用量を増加するほど頻繁になった。他の点では、アスフォターゼアルファは、全ての用量で十分な忍容性を有した。
【0203】
実施例15.AA-HPP-208試験の、小児発症低ホスファターゼ症成人患者におけるアスフォターゼアルファの母集団薬物動態及び薬物動態-薬力学解析
小児発症HPPの成人患者におけるアスフォターゼアルファのPKを記述するために、非コンパートメント解析(NCA)を用いてアスフォターゼアルファ薬物動態(PK)パラメータを計算した。本発明者らは、典型値及びランダムな個体間変動及び残差変動を含む母集団PKパラメータを推定し、母集団PK分析における説明できないランダム変動を予測する個体特異的共変量因子(例えば、体重)を同定した。本発明者らは、アスフォターゼアルファへの曝露とPPi応答との間の母集団薬物動態-薬力学(PKPD)関係について述べた。さらに、本発明者らは、典型値及びランダムな個人間変動及び残差変動を含む母集団PK-PPiパラメータを推定した。また、小児発症HPP罹患アスフォターゼアルファ成人患者におけるPK-PPi間の曝露反応(ER)の関係をシミュレートし、推奨用量6mg/kg/週を支持した。最後に、ビタミンB6含有サプリメントによる治療を受けなかった患者におけるアスフォターゼアルファ曝露とピリドキサール-50-リン酸(PLP)反応との間の母集団PKPDの関係について述べた。これには、PK-PLP用量又はERの記述と、典型値並びにランダムな個体間変動及び残差変動の推定とが含まれる。
【0204】
第2aフェーズ試験(プロトコールAA-HPP-208)は、約13週間にわたる27人のHPP患者に対する、アスフォターゼアルファを3回増大させた反復投与計画のランダム化並行群間比較設計であった(図17A~17B)。試験は、スクリーニング期間、単回投与期間(3週間)及び反復投与治療期間(10週間)からなった。試験は、アスフォターゼアルファ0.5、2.0又は3.0mg/kgの単回投与と、その後の2週後に開始された同量の3×/週の反復投与とからなった。27の個体(1コホート当たり約9名)が試験に含まれ、単回及び反復投与後にリッチPK、PPi及びPLPサンプリングを実施し、蓄積期中にスパースサンプリングを行った。
【0205】
3つのコホート全てについて、個々のPKプロファイル及び平均PKプロファイルを得た。個々のPKプロファイルは、1日目の単回投与事象後(図18A)から61日目の反復投与事象後(図18B)までのアスフォターゼアルファの蓄積を示した。単回用量及び複数回用量の平均±SD PKプロファイルの両方において、試験した0.5~3mg/kgの用量範囲内では、アスフォターゼアルファは、曝露の増加と共に直線的なPKを示すことが示された(図19A及び19C)。アスフォターゼアルファトラフ濃度が3つの投与計画の全ての下で一貫してプラトーに達する29日目前後(又は反復投与の4週後)に定常状態に達した(図19B)。用量正規化平均±SD PKプロファイルは、0.5mg/kgから3.0mg/kgまでで、アスフォターゼアルファPKがほぼ用量比例的に(又は比例範囲の2倍以内で)増加することを示した(図20A~20B)。
【0206】
濃度観察、投与履歴、事象時間及び共変量因子(年齢、身長、体重、性別及び人種)を含む母集団PKデータを集め、分析のためにフォーマットした。PKパラメータ値は、PhoenixWinNonlin v7.0(Certara、Princeton NJ、USA)のNCAモジュールを用いて推定した。NCAのデータセットは、NONMEM(登録商標)母集団PKPDデータセットから得た。濃度結果から得られたPKパラメータを用いて、アスフォターゼアルファの用量比例性を評価した。非線形混合効果モデリング(NONMEM(登録商標))ソフトウェア、バージョン7.3(ICON Development Solutions、Hanover、MD)を限定インストールした非線形混合効果モデリングにより、反復測定の終了時点に対する母集団PKPDの分析を行った。
【0207】
以前のモデリング試験から、アスフォターゼアルファはマルチコンパートメント動態に従うことが示唆されたため、クリアランス(CL)、中央コンパートメントの分布容積(V)、末梢コンパートメントの分布容積(V)、コンパートメント間クリアランス(Q)、絶対バイオアベイラビリティ(F)、吸収速度定数(ka)及び皮下吸収遅延時間(ALAG)(ADVAN13)に関してパラメータ化された一次吸収を伴う2コンパートメントモデルを用い、適切なランダム効果分布を有する初期モデリングを行った。モデル選択は、最小目的関数値及び推定パラメータの数が与えられたものとして、診断散布図、少なくとも2桁の有効桁を有する収束、パラメータ推定値の尤度、パラメータ推定値の精度、モデルパラメータ推定誤差<0.95の相関及びAICを含む様々な適合度基準によって導かれた。最終のモデルパラメータ推定値は、漸近標準誤差(NONMEM(登録商標)$COVARIANCEステップから得られた)を含む推定不確実性の尺度と共に報告された。
【0208】
アスフォターゼアルファを用いた先のモデリングは、共変量モデリングも導いた。予測変数の相関又は共線性を回避するように注意してフルモデルを構築した。モデルパラメータを推定し、全ての共変量効果のグラフ検査によって残りの傾向を評価した。パラメータの臨床的関連性についての推論は、得られたフルモデルのパラメータ推定値及び推定精度の尺度に基づいた。個々のPKパラメータも推定し、定常状態での投与間隔中の平均濃度(Cavg,ss)を計算した。予測チェックモデル評価ステップを行って、最終モデル及びパラメータの性能を評価した。
【0209】
PK-PPiデータ分析では、ベースラインからの変化に関する血漿PPi応答をプロットし、曝露四分位数にわたって要約した。投与前試験61日目のPPi濃度が正常のPPi下限(1.33μM)(LLN)未満である頻度をCavg,ss及び治療コホートの四分位間範囲によって表にした。253~6800U/Lの範囲のアスフォターゼアルファCavg,ssの個々の値を計算し、このERの関係をグラフ上で且つ定量的に評価するために使用した。
【0210】
アスフォターゼアルファPKPDデータセットは、全試験期間にわたる、合計1140の血清アスフォターゼアルファ濃度及び1293の血漿PPi濃度を提供した27人の患者から構成された。定量限界未満の198の観察があり、これは、血清アスフォターゼアルファの観察総数の17%超を占めた。試験母集団は、年齢が18~77歳の範囲、体重が48.2~121.3kgの男性11人及び女性16人であった。患者の大部分(96.3%)は、白人であった。身長、性別、年齢及び人種をデータセットに含め、完全性のために表形式で要約したが、母集団モデルにおける潜在的な共変量と見なされなかった。分析に使用した薬物LOT情報には、ロット活性、全シアル酸含有量(TSAC)含有量及びバッチサイズが含まれた。
【0211】
NCA分析は、比較的長い半減期及び投与頻度が全ての用量レベルで顕著な蓄積をもたらしたことを明らかにした。各コホート内の濃度対時間プロファイルで広範囲の個体間変動が観察されたが、片対数グラフ上で見ると、全てのプロファイルが単指数関数的な低下を示すようであった。曝露の推定値(投与間隔内の最大濃度(Cmax)、時間ゼロから、投与間隔における最後に観察された濃度の時間までの濃度-時間曲線下の面積(AUClast)及び時間ゼロから無限大までの濃度-時間曲線下の面積(AUCinf)は、用量の増加と共に、単回投与と反復投与との間で増加した。0.5mg/kgコホートでは検出下限を超える濃度が限られたため、AUCinf、皮下投与後の見かけのクリアランス(CL/F)、皮下投与後の見かけの分布容積(V/F)及び終末相半減期(t1/2)は評価できなかった。CL/F及びV/Fの幾何平均推定値は、それぞれ2.0mg/kgコホートで18.8L/日及び99.1L、3.0mg/kgコホートで22.1L/日及び150Lであった。t1/2の推定値は、3.66~5.54日-1の範囲の幾何平均値を有した。投与間隔内最大濃度時点の中央値の推定値(Tmax)は、単回及び反復投与コホートでそれぞれ1.91~3.0及び0.747~1.16日の範囲であった。単回及び反復投与のCmax値並びに単回投与のAUCinf及びAUClast値に対するパワーモデルの対数形フィッティングを用いて、アスフォターゼアルファPKの用量比例性を評価した。
【0212】
結果は、非比例性が結論付けられた単回投与Cmaxを除く全てについて決定的でなかった。単回投与のCmaxパラメータについて、比例性の拒絶に対する閾値用量の比は、7.85であった。これらのパラメータの最大比例用量比は、データセットの最大用量比18.2と比較して1.37~1.69の範囲であった。
【0213】
本発明者らの以前のモデリング試験において、アスフォターゼアルファは、マルチコンパートメント動態に従うことが示唆されているため、最初のモデリングは、適切なランダム効果分布を有する、一次吸収を伴う2コンパートメントモデルを用いて行った。以前の分析の全共変量モデルは、CLに対するアロメトリックスケール重量、TSAC及び抗薬物中和抗体(NAb);V、V及びQに対するアロメトリックスケール重量並びにF及びkに対する共変量としての製造ロットバッチサイズ(複数のバッチサイズが含まれていたため)について、事前に特定された効果を含んだ。現在の分析のための製造ロットは、20Kのバッチサイズのみを含んでいるため、各ロットについて観察された原体活性も用量の直接因子としてモデルに含めたが、これは、推定された共変量効果ではなかった。基準共変量効果(70kg、1.7mol/mol、抗薬物抗体の非存在、20Kロットサイズ)に対するPKモデルパラメータの典型的な推定値(95%CI)は、CL/F、見かけ(皮下)中央コンパートメントの分布容積(V/F)、見かけ(皮下)末梢コンパートメントの分布容積(V/F)、見かけ(皮下)コンパートメント間クリアランス(Q/F)及び単回投与吸収速度定数(kaSD)について、それぞれ17.9(13.7、23.4)L/日、36.6(0.876、1530)L、95.7(18.5、496)L、3490(6.47、1.88e+06)L/日及び1.10(0.603、2.02)日-1であった。これらの結果は、NCAからの結果と一致し、以前の分析からの結果と幾分一致した。
【0214】
アスフォターゼアルファPKに対する共変量因子の効果も調べた。CL/F、V/F、V/F及びQ/Fに対する共変量の予想された影響は、ヌル効果と区別可能な各予測変数に起因する値でCavg,ssを計算することによって説明された。体重(48.2及び121.3kg)、TSAC(1.4及び1.6mol/mol)及び抗薬物抗体の存在又は不在の極端な値間において、Cavg,ssの予測中央値は、TSACの正規化した値が1.7であるとき、1750U/L~2769U/Lの範囲であった。基本モデルCL/F(48.8CV%)による分散推定値と比較した場合、最終モデルでは、説明されないランダム変動(%CV)は、CL/Fで減少した(43.9パーセント変動係数(CV%))。この知見の臨床的意義は、既知の共変量に対する用量調節が応答変動性の意味のある減少をもたらすと期待されないことである。
【0215】
最終母集団PKモデルは、PKデータについて良好な記述を提供した。適合度基準は、最終モデルが観察されたデータと一致すること、及び系統的バイアスが残っていないことを明らかにした。モデル評価の結果は、最終モデルの固定効果成分及びランダム効果成分の両方が観察データを同様に反映しているという証拠を提供した。
【0216】
血漿PPi応答は、アスフォターゼアルファへの曝露の増加と共に大きくなる傾向があったが、曝露四分位数にわたって広い範囲の応答のオーバーラップが認められた。このPPi応答の頻度は、アスフォターゼアルファCavg,ssの中央値である2030U/Lを超える濃度で66.7%のプラトーを形成するようであり、2030U/Lを超えるCavg,ssの中央値の増加は、PPi応答の頻度の増加にさらなる影響を及ぼさないようであることを示した。
【0217】
NCAを使用してアスフォターゼアルファのPKを計算し、表18に要約する。比較的長い半減期及び投与頻度は、全ての用量レベルで顕著な蓄積をもたらしたが、0.5mg/kgコホートでは検出下限を超える濃度が限られていたため、AUCinf、CL/F、V/F及びt1/2は評価できなかった。
【0218】
【表18】
【0219】
0.5mg/kgコホートにおける濃度の大部分は、1日目の投与後に定量限界(BLQ)未満のデータを与えたが、血清アスフォターゼアルファの濃度-時間データの複合及び平均プロットは、用量の増加と共に曝露量の増加を示した。各コホート内の濃度対時間プロファイルでは広範囲の患者間変動が観察されたが、全てのプロファイルは、片対数グラフ上で見た場合、単指数関数的減少を示すようであった。
【0220】
曝露の推定値(Cmax、AUClast及びAUCinf)は、用量の増加と共に、単回投与と反復投与との間で増加した。0.5mg/kgコホートでは検出下限を上回る濃度が限られたため、AUCinf、CL/F、V/F及びt1/2は評価できなかった。CL/F及びV/Fの幾何平均推定値は、それぞれ2.0mg/kgコホートで18.8L/日及び99.1L、3.0mg/kgコホートで221L/日及び150Lであった。t1/2の推定値は、3.66~5.54日の範囲の幾何平均値を有した。tmaxの中央値は、単回投与コホート及び反復投与コホートでそれぞれ1.91~3.0日及び0.747~1.16日の範囲であった。
【0221】
連続する投与間に不規則な時間が挟まれる(すなわち週3回の投与では7日間のうちの2日の間隔が2回、3日の間隔が1回)場合、蓄積率を標準的な方法で直接評価することはできなかった。週3回の投与による蓄積の近似は、複数回の投与後61日目の投与前濃度に対する、最初の投与の48時間後の濃度の比を計算することによって評価した。これらの比の幾何学的平均は、3つのコホートについて3.14~4.68の範囲であった。フルモデルの母集団PKモデルを表19に示す。
【0222】
【表19】
【0223】
アスフォターゼアルファの母集団PKは、小児発症HPP成人患者を対象として、吸収遅延時間を有する一次吸収を伴う2コンパートメントモデルによって記載された。CL/F、V/F、V/F、Q/F及びkaSDに対して、それぞれ17.9(13.7、23.4)L/hr、36.6(0.876、1530)L、95.7(18.5、496)L、3490(6.47、1.88e+06)L/日及び1.10(0.603、2.02)日-1の典型的な母集団パラメータ推定値(95%CI)が推定された。CL/F及びV/Fの推定値は、NCAと母集団解析間で一致した。
【0224】
母集団で説明のつかないランダム変動を予測する個体特異的共変量因子には、CL/F、V/F、V/F及びQ/Fに対するアロメトリースケールの重量効果並びにCL/Fに対する抗体状態及びTSACの効果が含まれた。単回投与及び反復投与の効果もkに含まれる。
【0225】
アスフォターゼアルファ曝露とPPi応答との間の母集団PKPDの関係を、予測されたCavg,ssの分位数によって表にし、グラフ上で調べた。血漿PPi応答は、用量及びアスフォターゼアルファへの曝露の増加と共に増大する傾向があったが、曝露四分位数にわたって広い範囲の応答のオーバーラップが認められた(図21及び表20)。
【0226】
【表20】
【0227】
PPi応答の頻度は、アスフォターゼアルファCavg,ssの中央値である2030U/Lを超える濃度で66.7%のプラトーを形成するようであった(表21)。
【0228】
【表21】
【0229】
AA-HPP-208の成人患者における2mg/kg×3日/週投与の予測Cavg,ssの中央値(1810U/L)は、この閾値濃度に近づくが、PPi反応を示した患者の頻度(20%)は、この用量における成人母集団の先の予測(17.6%)と一致する。まとめると、これらの結果は、小児表現型の成人HPP患者に対する2mg/kg×3日/週の投与レジメンを支持する。
【0230】
小児発症HPP成人患者からのこれらのデータから、青年HPP患者における2mg/kg×3日/週の投与レジメンの有効性が確認される。AA-HPP-208試験から得られた利用できる用量範囲及びPK/PDデータは、以前に検査を受けていない患者集団である18歳以上の成人HPP患者に対する有効な投与量を示し、小児発症HPP成人患者がアスフォターゼアルファ治療の恩恵を受けることを確認する。
【0231】
さらに、小児患者及び小児発症HPP成人患者でアスフォターゼアルファの治療有効性を確認する能力にかなりの差がある。例えば、小児患者では、小児患者の骨格変化を評価するために、Radiographic Impression of Change(RGI-C)スケールを用いて、アスフォターゼアルファの有効性を決定することができる。RGI-Cスケールは、オープンな成長板を有する患者(すなわち小児患者)のみを評価することができるため、HPPでは限られる。従って、RGI-Cスケールは、小児発症HPP成人患者に対する有効性評価に使用できない。それにもかかわらず、AA-HPP-208試験から得られたPK/PD/有効性の結果は、これらの成人患者に対するアスフォターゼアルファの治療有効性を確認する。
【0232】
最後に、AA-HPP-208試験前に、アスフォターゼアルファ治療が小児発症HPP成人患者に十分忍容されるかどうかについてのデータは示されていない。これらのデータは、アスフォターゼアルファ療法の副作用が小児患者対青年及び成人患者母集団で異なるが、アスフォターゼアルファ療法は、最小の副作用で両方の群によって十分に認容されることを確認する。
【0233】
他の実施形態
上記の本明細書で言及された全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許又は特許出願のそれぞれが、その全体を参照により組み込むことが具体的且つ個々に示されたかのような程度と同程度に参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載された方法、医薬組成物及びキットの種々の改変形態及び変形形態は、特許請求される本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかであろう。特定の実施形態に関連して本開示を説明してきたが、さらなる修正形態が可能であること、及び特許請求される本発明がそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるであろう。
【0234】
SEQUENCE LISTING

<110> Alexion Pharmaceuticals, Inc.

<120> METHODS FOR TREATING HYPOPHOSPHATASIA (HPP) IN ADULTS AND
ADOLESCENTS

<130> PA23-104

<150> US 62/480,213
<151> 2017-03-31

<150> US 62/502,255
<151> 2017-05-05

<150> US 62/643,953
<151> 2018-03-16

<160> 20

<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 726
<212> PRT
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Synthetic Construct

<400> 1

Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln Ala
1 5 10 15


Gln Glu Thr Leu Lys Tyr Ala Leu Glu Leu Gln Lys Leu Asn Thr Asn
20 25 30


Val Ala Lys Asn Val Ile Met Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val Ser
35 40 45


Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn Pro
50 55 60


Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu Met Asp Lys Phe Pro Phe Val Ala Leu
65 70 75 80


Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly Thr
85 90 95


Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val Gly
100 105 110


Val Ser Ala Ala Thr Glu Arg Ser Arg Cys Asn Thr Thr Gln Gly Asn
115 120 125


Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser Val
130 135 140


Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala Ala
145 150 155 160


Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met Pro
165 170 175


Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu Met
180 185 190


His Asn Ile Arg Asp Ile Asp Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys Tyr
195 200 205


Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu Lys
210 215 220


Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Val Asp Thr Trp Lys
225 230 235 240


Ser Phe Lys Pro Arg Tyr Lys His Ser His Phe Ile Trp Asn Arg Thr
245 250 255


Glu Leu Leu Thr Leu Asp Pro His Asn Val Asp Tyr Leu Leu Gly Leu
260 265 270


Phe Glu Pro Gly Asp Met Gln Tyr Glu Leu Asn Arg Asn Asn Val Thr
275 280 285


Asp Pro Ser Leu Ser Glu Met Val Val Val Ala Ile Gln Ile Leu Arg
290 295 300


Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile Asp
305 310 315 320


His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala Val
325 330 335


Glu Met Asp Arg Ala Ile Gly Gln Ala Gly Ser Leu Thr Ser Ser Glu
340 345 350


Asp Thr Leu Thr Val Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Thr Phe
355 360 365


Gly Gly Tyr Thr Pro Arg Gly Asn Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro Met
370 375 380


Leu Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ala Ile Leu Tyr Gly Asn
385 390 395 400


Gly Pro Gly Tyr Lys Val Val Gly Gly Glu Arg Glu Asn Val Ser Met
405 410 415


Val Asp Tyr Ala His Asn Asn Tyr Gln Ala Gln Ser Ala Val Pro Leu
420 425 430


Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ser Lys Gly
435 440 445


Pro Met Ala His Leu Leu His Gly Val His Glu Gln Asn Tyr Val Pro
450 455 460


His Val Met Ala Tyr Ala Ala Cys Ile Gly Ala Asn Leu Gly His Cys
465 470 475 480


Ala Pro Ala Ser Ser Leu Lys Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys
485 490 495


Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro
500 505 510


Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys
515 520 525


Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp
530 535 540


Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
545 550 555 560


Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
565 570 575


His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
580 585 590


Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
595 600 605


Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
610 615 620


Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
625 630 635 640


Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn
645 650 655


Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe
660 665 670


Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
675 680 685


Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr
690 695 700


Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys Asp Ile Asp Asp Asp Asp
705 710 715 720


Asp Asp Asp Asp Asp Asp
725


<210> 2
<211> 524
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 2

Met Ile Ser Pro Phe Leu Val Leu Ala Ile Gly Thr Cys Leu Thr Asn
1 5 10 15


Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
20 25 30


Ala Gln Glu Thr Leu Lys Tyr Ala Leu Glu Leu Gln Lys Leu Asn Thr
35 40 45


Asn Val Ala Lys Asn Val Ile Met Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val
50 55 60


Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn
65 70 75 80


Pro Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu Met Asp Lys Phe Pro Phe Val Ala
85 90 95


Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly
100 105 110


Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val
115 120 125


Gly Val Ser Ala Ala Thr Glu Arg Ser Arg Cys Asn Thr Thr Gln Gly
130 135 140


Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser
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Val Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala
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Ala Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met
180 185 190


Pro Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu
195 200 205


Met His Asn Ile Arg Asp Ile Asp Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu
225 230 235 240


Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Val Asp Thr Trp
245 250 255


Lys Ser Phe Lys Pro Arg Tyr Lys His Ser His Phe Ile Trp Asn Arg
260 265 270


Thr Glu Leu Leu Thr Leu Asp Pro His Asn Val Asp Tyr Leu Leu Gly
275 280 285


Leu Phe Glu Pro Gly Asp Met Gln Tyr Glu Leu Asn Arg Asn Asn Val
290 295 300


Thr Asp Pro Ser Leu Ser Glu Met Val Val Val Ala Ile Gln Ile Leu
305 310 315 320


Arg Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile
325 330 335


Asp His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala
340 345 350


Val Glu Met Asp Arg Ala Ile Gly Gln Ala Gly Ser Leu Thr Ser Ser
355 360 365


Glu Asp Thr Leu Thr Val Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Thr
370 375 380


Phe Gly Gly Tyr Thr Pro Arg Gly Asn Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro
385 390 395 400


Met Leu Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ala Ile Leu Tyr Gly
405 410 415


Asn Gly Pro Gly Tyr Lys Val Val Gly Gly Glu Arg Glu Asn Val Ser
420 425 430


Met Val Asp Tyr Ala His Asn Asn Tyr Gln Ala Gln Ser Ala Val Pro
435 440 445


Leu Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ser Lys
450 455 460


Gly Pro Met Ala His Leu Leu His Gly Val His Glu Gln Asn Tyr Val
465 470 475 480


Pro His Val Met Ala Tyr Ala Ala Cys Ile Gly Ala Asn Leu Gly His
485 490 495


Cys Ala Pro Ala Ser Ser Ala Gly Ser Leu Ala Ala Gly Pro Leu Leu
500 505 510


Leu Ala Leu Ala Leu Tyr Pro Leu Ser Val Leu Phe
515 520


<210> 3
<211> 524
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 3

Met Ile Ser Pro Phe Leu Val Leu Ala Ile Gly Thr Cys Leu Thr Asn
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Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
20 25 30


Ala Gln Glu Thr Leu Lys Tyr Ala Leu Glu Leu Gln Lys Leu Asn Thr
35 40 45


Asn Val Ala Lys Asn Val Ile Met Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val
50 55 60


Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn
65 70 75 80


Pro Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu Met Asp Lys Phe Pro Phe Val Ala
85 90 95


Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly
100 105 110


Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val
115 120 125


Gly Val Ser Ala Ala Thr Glu Arg Ser Arg Cys Asn Thr Thr Gln Gly
130 135 140


Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser
145 150 155 160


Val Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala
165 170 175


Ala Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met
180 185 190


Pro Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu
195 200 205


Met His Asn Ile Arg Asp Ile Asp Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu
225 230 235 240


Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Val Asp Thr Trp
245 250 255


Lys Ser Phe Lys Pro Arg His Lys His Ser His Phe Ile Trp Asn Arg
260 265 270


Thr Glu Leu Leu Thr Leu Asp Pro His Asn Val Asp Tyr Leu Leu Gly
275 280 285


Leu Phe Glu Pro Gly Asp Met Gln Tyr Glu Leu Asn Arg Asn Asn Val
290 295 300


Thr Asp Pro Ser Leu Ser Glu Met Val Val Val Ala Ile Gln Ile Leu
305 310 315 320


Arg Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile
325 330 335


Asp His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala
340 345 350


Val Glu Met Asp Arg Ala Ile Gly Gln Ala Gly Ser Leu Thr Ser Ser
355 360 365


Glu Asp Thr Leu Thr Val Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Thr
370 375 380


Phe Gly Gly Tyr Thr Pro Arg Gly Asn Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro
385 390 395 400


Met Leu Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ala Ile Leu Tyr Gly
405 410 415


Asn Gly Pro Gly Tyr Lys Val Val Gly Gly Glu Arg Glu Asn Val Ser
420 425 430


Met Val Asp Tyr Ala His Asn Asn Tyr Gln Ala Gln Ser Ala Val Pro
435 440 445


Leu Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ser Lys
450 455 460


Gly Pro Met Ala His Leu Leu His Gly Val His Glu Gln Asn Tyr Val
465 470 475 480


Pro His Val Met Ala Tyr Ala Ala Cys Ile Gly Ala Asn Leu Gly His
485 490 495


Cys Ala Pro Ala Ser Ser Ala Gly Ser Leu Ala Ala Gly Pro Leu Leu
500 505 510


Leu Ala Leu Ala Leu Tyr Pro Leu Ser Val Leu Phe
515 520


<210> 4
<211> 524
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 4

Met Ile Ser Pro Phe Leu Val Leu Ala Ile Gly Thr Cys Leu Thr Asn
1 5 10 15


Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
20 25 30


Ala Gln Glu Thr Leu Lys Tyr Ala Leu Glu Leu Gln Lys Leu Asn Thr
35 40 45


Asn Val Ala Lys Asn Val Ile Met Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val
50 55 60


Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn
65 70 75 80


Pro Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu Met Asp Lys Phe Pro Phe Val Ala
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Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly
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Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val
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Gly Val Ser Ala Ala Thr Glu Arg Ser Arg Cys Asn Thr Thr Gln Gly
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Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser
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Val Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala
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Pro Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu
195 200 205


Met His Asn Ile Arg Asp Ile Asp Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys
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Tyr Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu
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Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Val Asp Thr Trp
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Arg Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile
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Met Leu Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ala Ile Leu Tyr Gly
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500 505 510


Leu Ala Leu Ala Leu Tyr Pro Leu Ser Val Leu Phe
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<210> 5
<211> 524
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 5

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Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
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Ala Gln Glu Thr Leu Lys Tyr Ala Leu Glu Leu Gln Lys Leu Asn Thr
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Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val
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Tyr Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu
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275 280 285


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Arg Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile
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Phe Gly Gly Tyr Thr Pro Arg Gly Asn Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro
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Met Leu Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ala Ile Leu Tyr Gly
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<210> 6
<211> 524
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Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
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Gly Val Ser Ala Ala Thr Glu Arg Ser Arg Cys Asn Thr Thr Gln Gly
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Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser
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Val Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala
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Ala Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met
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Tyr Met Tyr Pro Lys Asn Lys Thr Asp Val Glu Tyr Glu Ser Asp Glu
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Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Val Asp Thr Trp
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Lys Ser Phe Lys Pro Arg His Lys His Ser His Phe Ile Trp Asn Arg
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<210> 7
<211> 652
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<213> Macaca mulatta

<400> 7

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<211> 524
<212> PRT
<213> Rattus norvegicus

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<210> 9
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<212> PRT
<213> Canis lupus familiaris

<400> 9

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<400> 10

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<210> 11
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<212> PRT
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195 200 205


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225 230 235 240


Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asp Leu Ile Ser Ile Trp
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325 330 335


Asp His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala
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Met Val Asp Tyr Ala His Asn Asn Tyr Gln Ala Gln Ser Ala Val Pro
435 440 445


Leu Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Lys
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Pro His Val Met Ala Tyr Ala Ser Cys Ile Gly Ala Asn Leu Asp His
485 490 495


Cys Ala Trp Ala Gly Ser Gly Ser Ala Pro Ser Pro Gly Ala Leu Leu
500 505 510


Leu Pro Leu Ala Val Leu Ser Leu Arg Thr Leu Phe
515 520


<210> 12
<211> 524
<212> PRT
<213> Bos taurus

<400> 12

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Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
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Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ala Gly Lys Ser
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Ser Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met
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Pro Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu
195 200 205


Met His Asn Ile Lys Asp Ile Glu Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys
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Tyr Met Phe Pro Lys Asn Arg Thr Asp Val Glu Tyr Glu Leu Asp Glu
225 230 235 240


Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asn Leu Ile Asp Ile Trp
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Lys Ser Phe Lys Pro Lys His Lys His Ser His Tyr Val Trp Asn Arg
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Thr Asp Leu Leu Ala Leu Asp Pro His Ser Val Asp Tyr Leu Leu Gly
275 280 285


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<210> 13
<211> 524
<212> PRT
<213> Bos taurus

<400> 13

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Lys Ser Phe Lys Pro Lys His Lys His Ser His Tyr Val Trp Asn Arg
260 265 270


Thr Asp Leu Leu Ala Leu Asp Pro His Ser Val Asp Tyr Leu Leu Gly
275 280 285


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325 330 335


Asp His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala
340 345 350


Val Glu Met Asp Gln Ala Ile Gly Gln Ala Gly Ala Met Thr Ser Val
355 360 365


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405 410 415


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420 425 430


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435 440 445


Leu Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Lys
450 455 460


Gly Pro Met Ala His Leu Leu His Gly Val His Glu Gln Asn Tyr Ile
465 470 475 480


Pro His Val Met Ala Tyr Ala Ala Cys Ile Gly Ala Asn Arg Asp His
485 490 495


Cys Ala Ser Ala Ser Ser Ser Gly Ser Pro Ser Pro Gly Pro Leu Leu
500 505 510


Leu Leu Leu Ala Leu Leu Pro Leu Gly Ser Leu Phe
515 520


<210> 14
<211> 124
<212> PRT
<213> Bos taurus

<400> 14

Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln Ala Gln Gln Thr Leu Lys Asn Ala
1 5 10 15


Leu Gly Leu Gln Lys Leu Asn Thr Lys Val Ala Lys Asn Val Ile Leu
20 25 30


Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile
35 40 45


Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn Pro Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu
50 55 60


Met Asp Lys Phe Pro Phe Val Ala Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn
65 70 75 80


Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly Thr Ala Pro His Pro Val Arg Val
85 90 95


Lys Ala Met Arg Ala Pro Trp Gly Glu Pro His Gln Arg Gln Cys Asn
100 105 110


Thr Arg Arg Ala Thr Ser Thr His Leu Leu Ala Gly
115 120


<210> 15
<211> 524
<212> PRT
<213> Felis catus

<400> 15

Met Ile Ser Pro Phe Leu Val Leu Ala Ile Gly Thr Cys Leu Thr Asn
1 5 10 15


Ser Leu Val Pro Glu Lys Glu Lys Asp Pro Lys Tyr Trp Arg Asp Gln
20 25 30


Ala Gln Gln Thr Leu Lys Asn Ala Leu Arg Leu Gln Lys Leu Asn Thr
35 40 45


Asn Val Val Lys Asn Val Ile Met Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly Val
50 55 60


Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Leu His His Asn
65 70 75 80


Pro Gly Glu Glu Thr Arg Leu Glu Met Asp Lys Phe Pro Tyr Val Ala
85 90 95


Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Thr Asn Ala Gln Val Pro Asp Ser Ala Gly
100 105 110


Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Glu Gly Thr Val
115 120 125


Gly Val Ser Ala Ala Thr Gln Arg Thr Gln Cys Asn Thr Thr Gln Gly
130 135 140


Asn Glu Val Thr Ser Ile Leu Arg Trp Ala Lys Asp Ser Gly Lys Ser
145 150 155 160


Val Gly Ile Val Thr Thr Thr Arg Val Asn His Ala Thr Pro Ser Ala
165 170 175


Ala Tyr Ala His Ser Ala Asp Arg Asp Trp Tyr Ser Asp Asn Glu Met
180 185 190


Pro Pro Glu Ala Leu Ser Gln Gly Cys Lys Asp Ile Ala Tyr Gln Leu
195 200 205


Met His Asn Val Arg Asp Ile Glu Val Ile Met Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Phe Pro Lys Asn Arg Thr Asp Val Glu Tyr Glu Met Asp Glu
225 230 235 240


Lys Ala Arg Gly Thr Arg Leu Asp Gly Leu Asn Leu Val Asp Ile Trp
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Lys Ser Phe Lys Pro Arg His Lys His Ser His Tyr Val Trp Asn Arg
260 265 270


Thr Glu Leu Leu Thr Leu Asp Pro Tyr Gly Val Asp Tyr Leu Leu Gly
275 280 285


Leu Phe Glu Pro Gly Asp Met Gln Tyr Glu Leu Asn Arg Asn Ser Thr
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Thr Asp Pro Ser Leu Ser Glu Met Val Glu Ile Ala Ile Lys Ile Leu
305 310 315 320


Ser Lys Asn Pro Lys Gly Phe Phe Leu Leu Val Glu Gly Gly Arg Ile
325 330 335


Asp His Gly His His Glu Gly Lys Ala Lys Gln Ala Leu His Glu Ala
340 345 350


Val Glu Met Asp Gln Ala Ile Gly Arg Ala Gly Ala Met Thr Ser Val
355 360 365


Glu Asp Thr Leu Thr Ile Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Thr
370 375 380


Phe Gly Gly Tyr Thr Pro Arg Gly Asn Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro
385 390 395 400


Met Val Ser Asp Thr Asp Lys Lys Pro Phe Thr Ser Ile Leu Tyr Gly
405 410 415


Asn Gly Pro Gly Tyr Lys Val Val Gly Gly Glu Arg Glu Asn Val Ser
420 425 430


Met Val Asp Tyr Ala His Asn Asn Tyr Gln Ala Gln Ser Ala Val Pro
435 440 445


Leu Arg His Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Lys
450 455 460


Gly Pro Met Ala His Leu Leu His Gly Val His Glu Gln Asn Tyr Ile
465 470 475 480


Pro His Val Met Ala Tyr Ala Ala Cys Ile Gly Ala Asn Leu Asp His
485 490 495


Cys Ala Ser Ala Ser Ser Ala Gly Gly Pro Ser Pro Gly Pro Leu Phe
500 505 510


Leu Leu Leu Ala Leu Pro Ser Leu Gly Ile Leu Phe
515 520


<210> 16
<211> 532
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 16

Met Gln Gly Pro Trp Val Leu Leu Leu Leu Gly Leu Arg Leu Gln Leu
1 5 10 15


Ser Leu Gly Ile Ile Pro Val Glu Glu Glu Asn Pro Asp Phe Trp Asn
20 25 30


Arg Gln Ala Ala Glu Ala Leu Gly Ala Ala Lys Lys Leu Gln Pro Ala
35 40 45


Gln Thr Ala Ala Lys Asn Leu Ile Ile Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly
50 55 60


Val Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Lys Lys Asp
65 70 75 80


Lys Leu Gly Pro Glu Thr Phe Leu Ala Met Asp Arg Phe Pro Tyr Val
85 90 95


Ala Leu Ser Lys Thr Tyr Ser Val Asp Lys His Val Pro Asp Ser Gly
100 105 110


Ala Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Gly Asn Phe Gln Thr
115 120 125


Ile Gly Leu Ser Ala Ala Ala Arg Phe Asn Gln Cys Asn Thr Thr Arg
130 135 140


Gly Asn Glu Val Ile Ser Val Met Asn Arg Ala Lys Lys Ala Gly Lys
145 150 155 160


Ser Val Gly Val Val Thr Thr Thr Arg Val Gln His Ala Ser Pro Ala
165 170 175


Gly Ala Tyr Ala His Thr Val Asn Arg Asn Trp Tyr Ser Asp Ala Asp
180 185 190


Val Pro Ala Ser Ala Arg Gln Glu Gly Cys Gln Asp Ile Ala Thr Gln
195 200 205


Leu Ile Ser Asn Met Asp Ile Asp Val Ile Leu Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Phe Pro Met Gly Thr Pro Asp Pro Glu Tyr Pro Asp Asp Tyr
225 230 235 240


Ser Gln Gly Gly Thr Arg Leu Asp Gly Lys Asn Leu Val Gln Glu Trp
245 250 255


Leu Ala Lys His Gln Gly Ala Arg Tyr Val Trp Asn Arg Thr Glu Leu
260 265 270


Leu Gln Ala Ser Leu Asp Pro Ser Val Thr His Leu Met Gly Leu Phe
275 280 285


Glu Pro Gly Asp Met Lys Tyr Glu Ile His Arg Asp Ser Thr Leu Asp
290 295 300


Pro Ser Leu Met Glu Met Thr Glu Ala Ala Leu Leu Leu Leu Ser Arg
305 310 315 320


Asn Pro Arg Gly Phe Phe Leu Phe Val Glu Gly Gly Arg Ile Asp His
325 330 335


Gly His His Glu Ser Arg Ala Tyr Arg Ala Leu Thr Glu Thr Ile Met
340 345 350


Phe Asp Asp Ala Ile Glu Arg Ala Gly Gln Leu Thr Ser Glu Glu Asp
355 360 365


Thr Leu Ser Leu Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Ser Phe Gly
370 375 380


Gly Tyr Pro Leu Arg Gly Ser Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro Gly Lys
385 390 395 400


Ala Arg Asp Arg Lys Ala Tyr Thr Val Leu Leu Tyr Gly Asn Gly Pro
405 410 415


Gly Tyr Val Leu Lys Asp Gly Ala Arg Pro Asp Val Thr Glu Ser Glu
420 425 430


Ser Gly Ser Pro Glu Tyr Arg Gln Gln Ser Ala Val Pro Leu Asp Gly
435 440 445


Glu Thr His Ala Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Arg Gly Pro Gln
450 455 460


Ala His Leu Val His Gly Val Gln Glu Gln Thr Phe Ile Ala His Val
465 470 475 480


Met Ala Phe Ala Ala Cys Leu Glu Pro Tyr Thr Ala Cys Asp Leu Ala
485 490 495


Pro Arg Ala Gly Thr Thr Asp Ala Ala His Pro Gly Pro Ser Val Val
500 505 510


Pro Ala Leu Leu Pro Leu Leu Ala Gly Thr Leu Leu Leu Leu Gly Thr
515 520 525


Ala Thr Ala Pro
530


<210> 17
<211> 535
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 17

Met Leu Gly Pro Cys Met Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Gly Leu Arg
1 5 10 15


Leu Gln Leu Ser Leu Gly Ile Ile Pro Val Glu Glu Glu Asn Pro Asp
20 25 30


Phe Trp Asn Arg Glu Ala Ala Glu Ala Leu Gly Ala Ala Lys Lys Leu
35 40 45


Gln Pro Ala Gln Thr Ala Ala Lys Asn Leu Ile Ile Phe Leu Gly Asp
50 55 60


Gly Met Gly Val Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln
65 70 75 80


Lys Lys Asp Lys Leu Gly Pro Glu Ile Pro Leu Ala Met Asp Arg Phe
85 90 95


Pro Tyr Val Ala Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Val Asp Lys His Val Pro
100 105 110


Asp Ser Gly Ala Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Gly Asn
115 120 125


Phe Gln Thr Ile Gly Leu Ser Ala Ala Ala Arg Phe Asn Gln Cys Asn
130 135 140


Thr Thr Arg Gly Asn Glu Val Ile Ser Val Met Asn Arg Ala Lys Lys
145 150 155 160


Ala Gly Lys Ser Val Gly Val Val Thr Thr Thr Arg Val Gln His Ala
165 170 175


Ser Pro Ala Gly Thr Tyr Ala His Thr Val Asn Arg Asn Trp Tyr Ser
180 185 190


Asp Ala Asp Val Pro Ala Ser Ala Arg Gln Glu Gly Cys Gln Asp Ile
195 200 205


Ala Thr Gln Leu Ile Ser Asn Met Asp Ile Asp Val Ile Leu Gly Gly
210 215 220


Gly Arg Lys Tyr Met Phe Arg Met Gly Thr Pro Asp Pro Glu Tyr Pro
225 230 235 240


Asp Asp Tyr Ser Gln Gly Gly Thr Arg Leu Asp Gly Lys Asn Leu Val
245 250 255


Gln Glu Trp Leu Ala Lys Arg Gln Gly Ala Arg Tyr Val Trp Asn Arg
260 265 270


Thr Glu Leu Met Gln Ala Ser Leu Asp Pro Ser Val Thr His Leu Met
275 280 285


Gly Leu Phe Glu Pro Gly Asp Met Lys Tyr Glu Ile His Arg Asp Ser
290 295 300


Thr Leu Asp Pro Ser Leu Met Glu Met Thr Glu Ala Ala Leu Arg Leu
305 310 315 320


Leu Ser Arg Asn Pro Arg Gly Phe Phe Leu Phe Val Glu Gly Gly Arg
325 330 335


Ile Asp His Gly His His Glu Ser Arg Ala Tyr Arg Ala Leu Thr Glu
340 345 350


Thr Ile Met Phe Asp Asp Ala Ile Glu Arg Ala Gly Gln Leu Thr Ser
355 360 365


Glu Glu Asp Thr Leu Ser Leu Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe
370 375 380


Ser Phe Gly Gly Tyr Pro Leu Arg Gly Ser Ser Ile Phe Gly Leu Ala
385 390 395 400


Pro Gly Lys Ala Arg Asp Arg Lys Ala Tyr Thr Val Leu Leu Tyr Gly
405 410 415


Asn Gly Pro Gly Tyr Val Leu Lys Asp Gly Ala Arg Pro Asp Val Thr
420 425 430


Glu Ser Glu Ser Gly Ser Pro Glu Tyr Arg Gln Gln Ser Ala Val Pro
435 440 445


Leu Asp Glu Glu Thr His Ala Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Arg
450 455 460


Gly Pro Gln Ala His Leu Val His Gly Val Gln Glu Gln Thr Phe Ile
465 470 475 480


Ala His Val Met Ala Phe Ala Ala Cys Leu Glu Pro Tyr Thr Ala Cys
485 490 495


Asp Leu Ala Pro Pro Ala Gly Thr Thr Asp Ala Ala His Pro Gly Arg
500 505 510


Ser Val Val Pro Ala Leu Leu Pro Leu Leu Ala Gly Thr Leu Leu Leu
515 520 525


Leu Glu Thr Ala Thr Ala Pro
530 535


<210> 18
<211> 532
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 18

Met Gln Gly Pro Trp Val Leu Leu Leu Leu Gly Leu Arg Leu Gln Leu
1 5 10 15


Ser Leu Gly Ile Ile Pro Val Glu Glu Glu Asn Pro Asp Phe Trp Asn
20 25 30


Arg Gln Ala Ala Glu Ala Leu Gly Ala Ala Lys Lys Leu Gln Pro Ala
35 40 45


Gln Thr Ala Ala Lys Asn Leu Ile Ile Phe Leu Gly Asp Gly Met Gly
50 55 60


Val Ser Thr Val Thr Ala Ala Arg Ile Leu Lys Gly Gln Lys Lys Asp
65 70 75 80


Lys Leu Gly Pro Glu Thr Phe Leu Ala Met Asp Arg Phe Pro Tyr Val
85 90 95


Ala Leu Ser Lys Thr Tyr Ser Val Asp Lys His Val Pro Asp Ser Gly
100 105 110


Ala Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Gly Asn Phe Gln Thr
115 120 125


Ile Gly Leu Ser Ala Ala Ala Arg Phe Asn Gln Cys Asn Thr Thr Arg
130 135 140


Gly Asn Glu Val Ile Ser Val Met Asn Arg Ala Lys Lys Ala Gly Lys
145 150 155 160


Ser Val Gly Val Val Thr Thr Thr Arg Val Gln His Ala Ser Pro Ala
165 170 175


Gly Ala Tyr Ala His Thr Val Asn Arg Asn Trp Tyr Ser Asp Ala Asp
180 185 190


Val Pro Ala Ser Ala Arg Gln Glu Gly Cys Gln Asp Ile Ala Thr Gln
195 200 205


Leu Ile Ser Asn Met Asp Ile Asp Val Ile Leu Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Phe Pro Met Gly Thr Pro Asp Pro Glu Tyr Pro Asp Asp Tyr
225 230 235 240


Ser Gln Gly Gly Thr Arg Leu Asp Gly Lys Asn Leu Val Gln Glu Trp
245 250 255


Leu Ala Lys His Gln Gly Ala Arg Tyr Val Trp Asn Arg Thr Glu Leu
260 265 270


Leu Gln Ala Ser Leu Asp Pro Ser Val Thr His Leu Met Gly Leu Phe
275 280 285


Glu Pro Gly Asp Met Lys Tyr Glu Ile His Arg Asp Ser Thr Leu Asp
290 295 300


Pro Ser Leu Met Glu Met Thr Glu Ala Ala Leu Leu Leu Leu Ser Arg
305 310 315 320


Asn Pro Arg Gly Phe Phe Leu Phe Val Glu Gly Gly Arg Ile Asp His
325 330 335


Gly His His Glu Ser Arg Ala Tyr Arg Ala Leu Thr Glu Thr Ile Met
340 345 350


Phe Asp Asp Ala Ile Glu Arg Ala Gly Gln Leu Thr Ser Glu Glu Asp
355 360 365


Thr Leu Ser Leu Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Ser Phe Gly
370 375 380


Gly Tyr Pro Leu Arg Gly Ser Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro Gly Lys
385 390 395 400


Ala Arg Asp Arg Lys Ala Tyr Thr Val Leu Leu Tyr Gly Asn Gly Pro
405 410 415


Gly Tyr Val Leu Lys Asp Gly Ala Arg Pro Asp Val Thr Glu Ser Glu
420 425 430


Ser Gly Ser Pro Glu Tyr Arg Gln Gln Ser Ala Val Pro Leu Asp Gly
435 440 445


Glu Thr His Ala Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Arg Gly Pro Gln
450 455 460


Ala His Leu Val His Gly Val Gln Glu Gln Thr Phe Ile Ala His Val
465 470 475 480


Met Ala Phe Ala Ala Cys Leu Glu Pro Tyr Thr Ala Cys Asp Leu Ala
485 490 495


Pro Arg Ala Gly Thr Thr Asp Ala Ala His Pro Gly Pro Ser Val Val
500 505 510


Pro Ala Leu Leu Pro Leu Leu Ala Gly Thr Leu Leu Leu Leu Gly Thr
515 520 525


Ala Thr Ala Pro
530


<210> 19
<211> 528
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 19

Met Gln Gly Pro Trp Val Leu Leu Leu Leu Gly Leu Arg Leu Gln Leu
1 5 10 15


Ser Leu Gly Val Ile Pro Ala Glu Glu Glu Asn Pro Ala Phe Trp Asn
20 25 30


Arg Gln Ala Ala Glu Ala Leu Asp Ala Ala Lys Lys Leu Gln Pro Ile
35 40 45


Gln Lys Val Ala Lys Asn Leu Ile Leu Phe Leu Gly Asp Gly Leu Gly
50 55 60


Val Pro Thr Val Thr Ala Thr Arg Ile Leu Lys Gly Gln Lys Asn Gly
65 70 75 80


Lys Leu Gly Pro Glu Thr Pro Leu Ala Met Asp Arg Phe Pro Tyr Leu
85 90 95


Ala Leu Ser Lys Thr Tyr Asn Val Asp Arg Gln Val Pro Asp Ser Ala
100 105 110


Ala Thr Ala Thr Ala Tyr Leu Cys Gly Val Lys Ala Asn Phe Gln Thr
115 120 125


Ile Gly Leu Ser Ala Ala Ala Arg Phe Asn Gln Cys Asn Thr Thr Arg
130 135 140


Gly Asn Glu Val Ile Ser Val Met Asn Arg Ala Lys Gln Ala Gly Lys
145 150 155 160


Ser Val Gly Val Val Thr Thr Thr Arg Val Gln His Ala Ser Pro Ala
165 170 175


Gly Thr Tyr Ala His Thr Val Asn Arg Asn Trp Tyr Ser Asp Ala Asp
180 185 190


Met Pro Ala Ser Ala Arg Gln Glu Gly Cys Gln Asp Ile Ala Thr Gln
195 200 205


Leu Ile Ser Asn Met Asp Ile Asp Val Ile Leu Gly Gly Gly Arg Lys
210 215 220


Tyr Met Phe Pro Met Gly Thr Pro Asp Pro Glu Tyr Pro Ala Asp Ala
225 230 235 240


Ser Gln Asn Gly Ile Arg Leu Asp Gly Lys Asn Leu Val Gln Glu Trp
245 250 255


Leu Ala Lys His Gln Gly Ala Trp Tyr Val Trp Asn Arg Thr Glu Leu
260 265 270


Met Gln Ala Ser Leu Asp Gln Ser Val Thr His Leu Met Gly Leu Phe
275 280 285


Glu Pro Gly Asp Thr Lys Tyr Glu Ile His Arg Asp Pro Thr Leu Asp
290 295 300


Pro Ser Leu Met Glu Met Thr Glu Ala Ala Leu Arg Leu Leu Ser Arg
305 310 315 320


Asn Pro Arg Gly Phe Tyr Leu Phe Val Glu Gly Gly Arg Ile Asp His
325 330 335


Gly His His Glu Gly Val Ala Tyr Gln Ala Leu Thr Glu Ala Val Met
340 345 350


Phe Asp Asp Ala Ile Glu Arg Ala Gly Gln Leu Thr Ser Glu Glu Asp
355 360 365


Thr Leu Thr Leu Val Thr Ala Asp His Ser His Val Phe Ser Phe Gly
370 375 380


Gly Tyr Thr Leu Arg Gly Ser Ser Ile Phe Gly Leu Ala Pro Ser Lys
385 390 395 400


Ala Gln Asp Ser Lys Ala Tyr Thr Ser Ile Leu Tyr Gly Asn Gly Pro
405 410 415


Gly Tyr Val Phe Asn Ser Gly Val Arg Pro Asp Val Asn Glu Ser Glu
420 425 430


Ser Gly Ser Pro Asp Tyr Gln Gln Gln Ala Ala Val Pro Leu Ser Ser
435 440 445


Glu Thr His Gly Gly Glu Asp Val Ala Val Phe Ala Arg Gly Pro Gln
450 455 460


Ala His Leu Val His Gly Val Gln Glu Gln Ser Phe Val Ala His Val
465 470 475 480


Met Ala Phe Ala Ala Cys Leu Glu Pro Tyr Thr Ala Cys Asp Leu Ala
485 490 495


Pro Pro Ala Cys Thr Thr Asp Ala Ala His Pro Val Ala Ala Ser Leu
500 505 510


Pro Leu Leu Ala Gly Thr Leu Leu Leu Leu Gly Ala Ser Ala Ala Pro
515 520 525


<210> 20
<211> 227
<212> PRT
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Synthetic Construct

<400> 20

Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly
1 5 10 15


Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met
20 25 30


Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser His
35 40 45


Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val Glu Val
50 55 60


His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr
65 70 75 80


Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu Asn Gly
85 90 95


Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile
100 105 110


Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val
115 120 125


Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val Ser
130 135 140


Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu
145 150 155 160


Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro
165 170 175


Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val
180 185 190


Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser Val Met
195 200 205


His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser
210 215 220


Pro Gly Lys
225
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
【配列表】
2023085277000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書及び/又は図面に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0233
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0233】
他の実施形態
上記の本明細書で言及された全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許又は特許出願のそれぞれが、その全体を参照により組み込むことが具体的且つ個々に示されたかのような程度と同程度に参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載された方法、医薬組成物及びキットの種々の改変形態及び変形形態は、特許請求される本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかであろう。特定の実施形態に関連して本開示を説明してきたが、さらなる修正形態が可能であること、及び特許請求される本発明がそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるであろう。
本発明はまた、以下の態様に関する。
[1] 成人低ホスファターゼ症(HPP)の少なくとも1つの症状を有するとして特徴付けられる、約18歳以上の治療未経験の小児発症HPP患者のHPPを治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した少なくとも約1μMの統計学的に有意な減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のピリドキサール5'-リン酸(PLP)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び
(iii)6分間歩行試験(6MWT)によって評価される前記患者の歩行距離の、投与を受けていない前記患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加
のうち1つ以上をもたらす、方法。
[2] 前記治療期間は、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年若しくは少なくとも10年、又は前記患者の生涯、特に少なくとも6週間である、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記患者からの前記血漿サンプル中のPPi濃度の前記減少、前記患者からの前記血漿サンプル中のPLP濃度の前記減少、及び/又は前記患者の前記増加後の前記歩行距離は、前記治療期間中に持続される、上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記患者は、少なくとも約2μMのPPi血漿濃度の減少を有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記sALPの投与前に、前記患者は、約6μMの血漿PPi濃度を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記患者は、前記sALPの投与後、約2μM~約5μMの血漿PPi濃度を有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記PLP濃度の減少は、少なくとも約200ng/mlである、上記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記sALPの投与前に、前記患者は、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度を有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記患者は、前記sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの血漿PLP濃度を有する、上記[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 少なくとも1年の治療期間にわたる前記sALPの投与は、少なくとも100メートル以上の、前記6分間の歩行距離の増加をもたらす、上記[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記sALPの投与前に、前記患者は、約350メートル以下の6分間の歩行距離を有するとして特徴付けられる、上記[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記患者は、前記sALPの投与後、約420メートル以上の6分間の歩行距離を示す、上記[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記患者は、前記sALPの投与後、移動支援器具への低下した依存度を示す、上記[1]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 移動支援器具は、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ及び装具からなる群から選択される少なくとも1つの器具である、上記[13]に記載の方法。
[15] 前記患者は、前記sALPの投与後、骨折の減少した発生率を経験する、上記[1]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16] 約13歳以上の患者の低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者のパーセント(%)予測ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者の前記%予測HHDスコアと比較した約5%以上の変化;
(ii)前記患者の下肢機能スケール(LEFS)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者のLEFSスコアと比較した約3以上の変化;及び
(iii)前記患者の簡易痛み質問紙票(BPI-SF)スコアの、前記sALPの投与を受けていない前記患者のBPI-SFスコアと比較した約-2以上の変化
のうち1つ以上をもたらす、方法。
[17] 約13歳以上の患者の低ホスファターゼ症(HPP)を治療する方法であって、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)を、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、好ましくは6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で前記患者に投与することを含み、sALPは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度の、前記sALPの投与を受けていない前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した約25%以上の減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度の、前記sALPの投与を受けていない前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した約50%以上の減少;及び (iii)前記sALPの投与を受けていない前記患者の6MWT値と比較した、前記患者の6MWT値の、前記患者の予測6MWT値の約80%又は約80%超への増加
のうち1つ以上をもたらす、方法。
[18] 前記sALPは、1日、1週間又は1ヶ月に1回以上投与される、上記[1]~[17]のいずれかに記載の方法。
[19] 前記sALPは、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回投与される、上記[18]に記載の方法。
[20] 前記sALPは、週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与される、上記[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21] 前記sALPは、約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量で投与され、且つその後、約6mg/kg/週の用量に増加される、上記[1]~[20]のいずれかに記載の方法。
[22] 前記sALPは、約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALPの初期用量で投与される、上記[21]に記載の方法。
[23] 前記初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上の治療期間後に増加される、上記[21]又は[22]に記載の方法。
[24] 前記sALPは、約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週の用量で投与される、上記[1]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25] 前記sALPは、約2mg/kgを週3回、約3mg/kgを週2回、約3mg/kgを週3回又は約1mg/kgを週6回の用量で投与される、上記[1]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26] 前記sALPは、連日又は隔日で1日1回投与される、上記[25]に記載の方法。
[27] 前記sALPは、配列番号1のアミノ酸配列を含む、上記[1]~[26]のいずれかに記載の方法。
[28] 前記sALPは、配列番号1のアミノ酸配列からなる、上記[27]に記載の方法。
[29] 前記sALPは、成人HPPの少なくとも1つの症状を治療するのに治療上有効な量で投与される、上記[1]~[28]のいずれかに記載の方法。
[30] 前記成人HPPの少なくとも1つの症状は、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎、ピロリン酸塩関節症、軟骨石灰化症、石灰化関節周囲炎並びに偽骨折のうち1つ以上を含む、上記[29]に記載の方法。
[31] 前記患者は、前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さない、上記[1]~[30]のいずれかに記載の方法。
[32] 前記患者は、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年又は少なくとも10年以上にわたる前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さない、上記[31]に記載の方法。
[33] 前記患者は、前記sALPの投与に対して忍容性を示す、上記[1]~[32]のいずれかに記載の方法。
[34] 前記忍容性は、注射部位紅斑、ヘモグロビンの減少、発熱、肺炎、上気道感染、中耳炎、嘔吐、便秘、下痢、歯の喪失、鼻咽頭炎、発疹、虫歯及び易刺激性からなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の欠如又は減少した発生率を含む、上記[33]に記載の方法。
[35] 前記sALPは、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与される、上記[1]~[34]のいずれかに記載の方法。
[36] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、生理食塩水である、上記[35]に記載の方法。
[37] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムを含む、上記[35]に記載の方法。
[38] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、約150mMの塩化ナトリウム及び約25mMのリン酸ナトリウムを含む、上記[37]に記載の方法。
[39] 前記組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内に投与される、上記[35]~[38]のいずれかに記載の方法。
[40] 前記組成物は、皮下投与される、上記[39]に記載の方法。
[41] 前記sALPは、PEA、PPi及びPLPに対して生理学的に活性である、上記[1]~[40]のいずれかに記載の方法。
[42] 前記sALPは、骨における骨格石灰化を改善するのに触媒として適格である、上記[1]~[41]のいずれかに記載の方法。
[43] 前記sALPは、アルカリホスファターゼの可溶性細胞外ドメインである、上記[1]~[42]のいずれかに記載の方法。
[44] 前記患者は、ヒトである、上記[1]~[43]のいずれかに記載の方法。
[45] 成人低ホスファターゼ症(HPP)の少なくとも1つの症状を有するとして特徴付けられる、約18歳以上の治療未経験の小児発症HPP患者のHPPを治療するための、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)であって、ここでsALPは、少なくとも2週間の治療期間にわたり、約1mg/kg/週~約9mg/kg/週、特に6mg/kg/週のsALPを提供する治療計画で投与するために製剤化されており、前記患者への前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中の無機ピロリン酸(PPi)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPPi濃度と比較した少なくとも約1μMの統計学的に有意な減少;
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のピリドキサール5'-リン酸(PLP)濃度の、約18歳以上の未治療小児発症HPP対象からの血漿サンプル中のPLP濃度と比較した少なくとも約100ng/mlの統計学的に有意な減少;及び
(iii)6分間歩行試験(6MWT)によって評価される前記患者の歩行距離の、投与を受けていない前記患者の6分間の歩行距離と比較した少なくとも50メートルの統計学的に有意な増加
のうち1つ以上をもたらすことを特徴とする、可溶性アルカリホスファターゼ(sALP)。
[46] 前記治療期間は、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、又は前記患者の生涯、特に少なくとも6週間であることを特徴とする、上記[45]に記載のsALP。
[47] 前記患者からの前記血漿サンプル中のPPi濃度の前記減少、前記患者からの前記血漿サンプル中のPLP濃度の前記減少、及び/又は前記患者の前記増加後の前記歩行距離は、前記治療期間中に持続されることを特徴とする、上記[45]又は[46]に記載のsALP。
[48] 前記患者は、少なくとも約2μMのPPi血漿濃度の減少を有することを特徴とする、上記[45]~[47]のいずれかに記載のsALP。
[49] 前記sALPの投与前に、前記患者は、約6μMの血漿PPi濃度を有することを特徴とする、上記[45]~[48]のいずれかに記載のsALP。
[50] 前記患者は、前記sALPの投与後、約2μM~約5μMの血漿PPi濃度を有することを特徴とする、上記[45]~[49]のいずれかに記載のsALP。
[51] 前記PLP濃度の減少は、少なくとも約200ng/mlであることを特徴とする、上記[45]~[50]のいずれかに記載のsALP。
[52] 前記sALPの投与前に、前記患者は、1300ng/mlまでの血漿PLP濃度を有することを特徴とする、上記[45]~[51]のいずれかに記載のsALP。[53] 前記患者は、前記sALPの投与後、約2ng/ml~約150ng/mlの血漿PLP濃度を有することを特徴とする、上記[45]~[52]のいずれかに記載のsALP。
[54] 前記sALPの投与前に、前記患者は、約350メートル以下の6分間の歩行距離を示すことを特徴とする、上記[45]~[53]のいずれかに記載のsALP。
[55] 少なくとも1年の治療期間にわたる前記sALPの投与は、少なくとも100メートル以上の、前記6分間の歩行距離の増加をもたらすことを特徴とする、上記[45]~[54]のいずれかに記載のsALP。
[56] 前記患者は、前記sALPの投与後、約420メートル以上の、6分間の歩行距離を示すことを特徴とする、上記[45]~[55]のいずれかに記載のsALP。
[57] 前記患者は、前記sALPの投与後、移動支援器具への低下した依存度を示すことを特徴とする、上記[45]~[56]のいずれかに記載のsALP。
[58] 移動支援器具は、歩行器、車椅子、ブレース、松葉づえ及び装具からなる群から選択される少なくとも1つの器具である、上記[57]に記載のsALP。
[59] 前記患者は、前記sALPの投与後、骨折の減少した発生率を経験することを特徴とする、上記[45]~[58]のいずれかに記載のsALP。
[60] 1日、1週間又は1ヶ月に1回以上投与するために製剤化される、上記[45]~[59]のいずれかに記載のsALP。
[61] 週2回、週3回、週4回、週5回、週6回又は週7回投与するために製剤化される、上記[60]に記載のsALP。
[62] 週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、週に6日又は週に7日、反復投与で投与するために製剤化される、上記[45]~[61]のいずれかに記載のsALP。[63] 約2.1mg/kg/週~約3.5mg/kg/週の初期用量で投与するために製剤化され、且つその後、約6mg/kg/週の用量に増加される、上記[45]~[62]のいずれかに記載のsALP。
[64] 約0.3mg/kg/日~約0.5mg/kg/日のsALPの初期用量で投与するために製剤化される、上記[63]に記載のsALP。
[65] 前記治療計画の前記初期用量は、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年又は少なくとも4年以上の治療期間後に増加されることを特徴とする、上記[63]又は[64]に記載のsALP。
[66] 約1.3mg/kg/週、約2.7mg/kg/週又は約6mg/kg/週の用量で投与するために製剤化される、上記[45]~[65]のいずれかに記載のsALP。
[67] 約2mg/kgを週3回、約3mg/kgを週2回、約3mg/kgを週3回又は約1mg/kgを週6回の用量で投与するために製剤化される、上記[45]~[66]のいずれかに記載のsALP。
[68] 連日又は隔日で1日1回投与するために製剤化される、上記[67]に記載のsALP。
[69] 配列番号1のアミノ酸配列を含む、上記[45]~[68]のいずれかに記載のsALP。
[70] 配列番号1のアミノ酸配列からなる、上記[69]に記載のsALP。
[71] HPPの少なくとも1つの症状を治療するのに治療上有効な量で投与するために製剤化される、上記[45]~[70]のいずれかに記載のsALP。
[72] 前記HPPの少なくとも1つの症状は、ホスホエタノールアミン(PEA)の上昇した血中及び/又は尿中濃度、低石灰化、高カルシウム尿症、骨格変形、動揺歩行、骨痛、骨折、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着、関節炎及びピロリン酸塩関節症のうち1つ以上を含む、上記[71]に記載のsALP。
[73] 前記患者は、前記sALPの投与後、異所性石灰化を示さないことを特徴とする、上記[45]~[72]のいずれかに記載のsALP。
[74] 前記患者は、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年又は少なくとも10年以上にわたる前記sALPの投与後に異所性石灰化を示さないことを特徴とする、上記[73]に記載のsALP。
[75] 前記患者は、前記sALPの投与に対して忍容性を示す、上記[45]~[74]のいずれかに記載のsALP。
[76] 前記忍容性は、注射部位紅斑、ヘモグロビンの減少、発熱、肺炎、上気道感染、中耳炎、嘔吐、便秘、下痢、歯の喪失、鼻咽頭炎、発疹、虫歯及び易刺激性からなる群から選択される少なくとも1つの有害事象の欠如又は減少した発生率を含む、上記[75]に記載のsALP。
[77] 少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物で投与するために製剤化される、上記[45]~[76]のいずれかに記載のsALP。
[78] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、生理食塩水である、上記[77]に記載のsALP。
[79] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、塩化ナトリウム及びリン酸ナトリウムを含む、上記[78]に記載のsALP。
[80] 前記少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤は、約150mMの塩化ナトリウム及び約25mMのリン酸ナトリウムを含む、上記[79]に記載のsALP。
[81] 前記組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、髄腔内又は皮内投与のために製剤化される、上記[45]~[80]のいずれかに記載のsALP。
[82] 前記組成物は、皮下投与のために製剤化される、上記[81]に記載のsALP。
[83] PEA、PPi及びPLPに対して生理学的に活性である、上記[45]~[82]のいずれかに記載のsALP。
[84] 骨における骨格石灰化を改善するのに触媒として適格である、上記[45]~[83]のいずれかに記載のsALP。
[85] アルカリホスファターゼの可溶性細胞外ドメインである、上記[45]~[84]のいずれかに記載のsALP。
[86] 前記患者は、ヒトである、上記[45]~[85]のいずれかに記載のsALP。
[87] 前記sALPの投与は、以下:
(i)前記患者からの血漿サンプル中のPPi濃度のベースラインからの最小二乗平均における統計学的に有意な変化;又は
(ii)前記患者からの血漿サンプル中のPLP濃度のベースラインからの最小二乗平均における統計学的に有意な変化
の一方又は両方をもたらす、上記[1]~[44]のいずれかに記載の方法。
[88] 前記sALPの投与は、約2,000U×日/L~約7,000U×日/LのAUC last をもたらし、前記AUC last は、時間ゼロから、投与間隔における最後に観察された濃度の時間までの濃度-時間曲線下の面積に等しい、上記[1]~[44]又は[87]のいずれかに記載の方法。
[89] 前記sALPの投与は、約4,000U×日/L~約10,000U×日/LのAUC inf をもたらし、前記AUC inf は、時間ゼロから無限大までの濃度-時間曲線下の面積に等しい、上記[1]~[44]、[87]又は[88]のいずれかに記載の方法。
[90] 前記sALPの投与は、約3日~約8日のt 1/2 をもたらす、上記[1]~[44]又は[87]~[89]のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】