(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085293
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】低出力PINダイオードドライバ
(51)【国際特許分類】
H03H 11/30 20060101AFI20230613BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H03H11/30
H05H1/46 R
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037429
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2020538563の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】62/616,303
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519027693
【氏名又は名称】エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ギデオン ヨハネス ヤコブス バン ジル
(57)【要約】
【課題】低出力PINダイオードドライバを提供すること。
【解決手段】本開示は、無線周波数(RF)スイッチング回路のための装置および方法に関し、より具体的には、高速、高繰り返しレート、および/または高出力用途のためのPINダイオードドライバ回路のための装置および方法に関する。PINダイオードドライバは、PINダイオードに提供される、二重電圧逆バイアスであって、第1の比較的により低い電圧の電力供給源および第2の比較的により高い電圧の電力供給源によって提供され得る、二重電圧逆バイアスを含んでもよい。比較的により低い電圧は、全体的電力消費量を低減させるために、第2の比較的により高いバイアス電圧におけるPINダイオードの逆バイアスの間より低い電圧において、PINダイオードの真性層を放電させるためのものである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変インピーダンス整合ネットワークであって、
平行に配列された複数のリアクタンス要素であって、前記リアクタンス要素のそれぞれは、
第1の末端および第2の末端と、
前記第1の末端と前記第2の末端との間にコンデンサと直列に配列されたPINダイオードと、
前記PINダイオードに順バイアスをかけるように前記PINダイオードに切り替え可能に結合された順バイアス供給源と、
前記PINダイオードに切り替え可能に結合され、かつ第1の逆バイアスレベルを、続いて第2の逆バイアスレベルを印加するように構成されている、少なくとも1つの逆バイアス供給源と、
前記第1および第2の末端にわたって印加される信号を抑制する一方、前記バイアス供給源によって印加される電力を前記PINダイオードに通過させるように、前記PINダイオードと前記バイアス供給源との間に位置付けられた伝送線路と
を含む、複数のリアクタンス要素と、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記複数のリアクタンス要素のそれぞれの前記順バイアス供給源を制御して、前記複数のリアクタンス要素のそれぞれの前記PINダイオードの抵抗を制御することと、前記複数のリアクタンス要素のそれぞれの前記少なくとも1つの逆バイアス供給源を制御して、前記複数のリアクタンス要素のそれぞれの前記PINダイオードの真性層を放電させるための第1のより低い電圧レベルを印加し、続いて、前記複数のリアクタンス要素のそれぞれの前記PINダイオードに逆バイアスをかけるための第2のより高い電圧レベルを印加することとを行うように構成されている、可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項2】
前記伝送線路の長さは、前記第1および第2の末端にわたって印加される前記信号の4分の1波長である、請求項1に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項3】
前記第1の逆バイアスレベルは、第1の逆バイアス電圧であり、前記第2の逆バイアスレベルは、前記第1の逆バイアス電圧よりも大きい第2の逆バイアス電圧である、請求項1に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項4】
前記順バイアス供給源は、順バイアス電流供給源である、請求項1に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項5】
前記少なくとも1つの逆バイアス供給源は、マルチレベル電力供給源である、請求項1に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項6】
前記少なくとも1つの逆バイアス供給源は、前記第1の逆バイアス電圧を提供するための第1の電圧供給源と、前記第2の逆バイアス電圧を提供するための第2の電圧供給源とを備える、請求項2に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項7】
電力システムであって、
電力供給源と、
前記電力供給源に結合された整合ネットワークと
を備え、
前記整合ネットワークは、
複数の切り替えられたコンデンサコンポーネントであって、前記切り替えられたコンデンサコンポーネントのそれぞれは、PINダイオードと直列に接続されたコンデンサを備える、複数の切り替えられたコンデンサコンポーネントと、
第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続することと、前記第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続した後、かつ前記PINダイオードに順バイアスをかける前に、前記第1の逆バイアス電圧よりも大きい第2の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続することとによって前記PINダイオードの真性層を放電させるための手段と、
前記放電させるための手段を前記電力供給源によって印加される電力から遮断するための手段と
を備える、電力システム。
【請求項8】
前記遮断するための手段は、前記電力供給源によって印加される前記電力を抑制する一方、前記放電させるための手段によって印加される電力を前記PINダイオードに通過させるように、各PINダイオードと前記放電させるための手段との間に位置付けられた伝送線路を備える、請求項7に記載の電力システム。
【請求項9】
前記伝送線路の長さは、前記電力供給源によって印加される前記電力の波長の4分の1である、請求項8に記載の電力システム。
【請求項10】
前記第1の逆バイアス電圧は、約15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約1,500ボルトである、請求項7に記載の電力システム。
【請求項11】
前記第1の逆バイアス電圧は、約-15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約-1,500ボルトである、請求項7に記載の電力システム。
【請求項12】
前記PINダイオードのスイッチング周波数に基づいて、前記第1の逆バイアス電圧および前記第2の逆バイアス電圧のうちの少なくとも一方を調節するための手段をさらに備える、請求項7に記載の電力システム。
【請求項13】
前記第2の逆バイアス電圧は、前記第1の逆バイアス電圧の値の3~2,000倍の範囲内にある、請求項7に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約(PCT)出願は、その内容全体が、あらゆる目的のために参照することによって本明細書に組み込まれる、2018年1月11日に出願され、「Triple
Supply Pin Diode Driver」と題された、米国特許出願第62/616,303号に関し、その優先権を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、概して、ダイオードドライバ回路に関し、より具体的には、例えば、高速スイッチング用途の間のPINダイオードからの電力消費量を低減させるために、より高い逆バイアス電圧が後に続く、より低い逆バイアス電圧を採用する、PINダイオードドライバに関する。
【背景技術】
【0003】
PINダイオードは、多くの異なる用途において使用されている。1つの特定の実施例では、PINダイオードは、整合ネットワーク内で使用され、負荷のインピーダンスを、高出力無線周波数発生器が、電力を送達し得る、インピーダンスに整合させ得る。具体的な使用法にかかわらず、PINダイオードの高速スイッチングは、スイッチ周期毎に高い電力消費量を伴い得、これは、複数のPINダイオードを使用するデバイス内で悪化する。とりわけ、これらの観察を念頭において、本開示の側面が、想起された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、概して、無線周波数(RF)スイッチング回路のためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、高速、高繰り返しレート、および/または高出力用途のためのPINダイオードドライバ回路のためのシステムおよび方法に関する。一実施例では、ドライバ回路は、PINダイオードに提供される、二重電圧逆バイアスであって、第1の比較的により低い電圧の電力供給源および第2の比較的により高い電圧の電力供給源によって提供され得る、二重電圧逆バイアスを含む。順バイアス電流が、いくつかの実施例では、第3の電力供給源によって提供され得る。
【0005】
実施形態はさらに、PINダイオードの逆バイアスにあるとき、第1の逆バイアス電圧をPINダイオードに接続することを伴う、PINダイオードを駆動する方法を伴う。第1の逆バイアス電圧をPINダイオードに接続した後、かつPINダイオードを順バイアスする前に、本方法はさらに、第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧をPINダイオードに接続することを伴う。第1の逆バイアス電圧は、例えば、1つのみの大きな逆バイアス電圧を展開する、従来のPINダイオードと比較して、全体的電力消費量を低減させるために、第2の逆バイアス電圧におけるPINダイオードの逆バイアスの間より低い電圧において、PINダイオードの真性層を放電させるためのものである。
【0006】
別の実施形態は、PINダイオードと動作可能に結合される、電力供給源であって、第1の逆バイアス電圧をPINダイオードに、かつ第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧を、PINダイオードの逆バイアスの間にPINダイオードに連続的に提供する、電力供給源を備える、PINダイオードドライバ回路を伴う。一実施例では、電力供給源は、第1の電圧電力供給源と、第2の電圧電力供給源とを含む。電力供給源はさらに、第1のスイッチングデバイスが、閉鎖された状態に構成されると、順バイアス電流供給源をPINダイオードに接続する、第1のスイッチングデバイスであって、順バイアス電流は、順バイアス電流をPINダイオードに提供し、PINダイオードを順バイアス
する、第1のスイッチングデバイスと、第1の位置と第2の位置との間で切り替え可能に構成可能な、少なくとも1つの第2のスイッチングデバイスであって、第1の位置は、第1の低電圧供給源をPINダイオードに接続し、PINダイオードを逆バイアスし、第2の位置は、第2の電圧供給源をPINダイオードに接続し、PINダイオードを逆バイアスする、少なくとも1つの第2のスイッチングデバイスとを含む。
【0007】
別の実施形態は、コンデンサと結合される、PINダイオードと、順バイアス供給源をPINダイオードに接続し、PINダイオードを順バイアスするように構成される、第1のスイッチと、第2の逆バイアスレベルが後に続く、第1の逆バイアスレベルにおける、少なくとも1つの逆バイアス供給源をPINダイオードに接続するように構成される、第2のスイッチとを備える、可変リアクタンス要素を備える、可変インピーダンス整合ネットワークを伴う。一実施例では、第1の逆バイアスレベルは、第1の逆バイアス電圧であり、第2の逆バイアスレベルは、第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧である。
【0008】
本開示のこれらおよび他の側面および実施形態が、さらに下記に議論および説明される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
PINダイオードを駆動する方法であって、
PINダイオードの逆バイアスにおいて、第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続することと、
前記第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続した後、前記PINダイオードを順バイアスする前に、前記第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに接続することと
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の逆バイアス電圧は、全体的電力消費量を低減させるために、前記第2の逆バイアス電圧における前記PINダイオードの逆バイアスの間より低い電圧において、前記PINダイオードの真性層を放電させるためのものである、項目1に記載の方法。
(項目3)
第1のスイッチングデバイスを閉鎖し、前記PINダイオードを通して順バイアス電流を伝送し、順バイアス動作状態において前記PINダイオードを駆動することと、
前記第1のスイッチングデバイスを開放し、前記PINダイオードから前記順バイアス電流を除去することと、
前記PINダイオードの逆バイアスにおいて、
第1の構成へと第2のスイッチングデバイスを構成することであって、前記第1の構成は、第1の電圧供給源を前記PINダイオードに接続し、前記第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに印加する、ことと、
第2の構成へと前記第2のスイッチングデバイスを構成することであって、前記第2の構成は、第2の電圧供給源を前記PINダイオードに接続し、前記第2の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに印加する、ことと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1の逆バイアス電圧は、約15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約1,500ボルトである、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記第1の逆バイアス電圧は、約-15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約-1,500ボルトである、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記PINダイオードのスイッチング周波数に基づいて、前記第1の逆バイアス電圧および前記第2の逆バイアス電圧のうちの少なくとも一方を調節することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第2の逆バイアス電圧は、前記第1の逆バイアス電圧の値の3~2,000倍の範囲を伴う、項目1に記載の方法。
(項目8)
PINダイオードドライバ回路であって、
PINダイオードと動作可能に結合される電力供給源であって、前記電力供給源は、第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに提供し、前記第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧を、前記PINダイオードの逆バイアスの間に前記PINダイオードに連続的に提供する、電力供給源
を備える、PINダイオードドライバ回路。
(項目9)
前記電力供給源は、第1の電圧電力供給源と、第2の電圧電力供給源とを含み、さらに、
第1のスイッチングデバイスであって、前記第1のスイッチングデバイスは、前記第1のスイッチングデバイスが、閉鎖された状態に構成されると、順バイアス電流供給源を前記PINダイオードに接続し、前記順バイアス電流は、順バイアス電流を前記PINダイオードに提供し、前記PINダイオードを順バイアスする、第1のスイッチングデバイスと、
少なくとも1つの第2のスイッチングデバイスであって、前記少なくとも1つの第2のスイッチングデバイスは、第1の位置と第2の位置との間で構成可能であり、前記第1の位置は、第1の低電圧供給源を前記PINダイオードに接続し、前記PINダイオードを逆バイアスし、前記第2の位置は、前記第2の電圧供給源を前記PINダイオードに接続し、前記PINダイオードを逆バイアスする、少なくとも1つの第2のスイッチングデバイスと
を備える、項目8に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目10)
前記PINダイオードに対する前記第1の低電圧供給源は、前記PINダイオードを第1のレベルに逆バイアスするためのものであり、前記PINダイオードに対する前記第2の電圧供給源は、前記PINダイオードを前記第1のレベルより大きい第2のレベルに逆バイアスするためのものであり、前記第1のレベルおよび前記第2のレベルは、前記PINダイオードの逆バイアスの間に連続的に生じる、項目9に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目11)
前記第2のレベルは、前記PINダイオードの逆バイアスの間、かつ前記PINダイオードの連続する順バイアスに先立って、前記第1のレベルに続く、項目10に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目12)
前記電力供給源は、マルチレベル電力供給源であり、前記マルチレベル電力供給源は、前記第1の逆バイアス電圧を前記PINダイオードに提供し、前記第1の逆バイアス電圧より大きい前記第2の逆バイアス電圧を、前記PINダイオードの逆バイアスの間に前記PINダイオードに連続的に提供する、項目8に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目13)
低逆バイアス電圧は、約15ボルトであり、高逆バイアス電圧は、約1,500ボルトである、項目12に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目14)
低逆バイアス電圧は、約-15ボルトであり、高逆バイアス電圧は、約-1,500ボ
ルトである、項目12に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目15)
前記第2の逆バイアス電圧は、前記第1の逆バイアス電圧の値の3~2,000倍の範囲を伴う、項目8に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目16)
前記第1の逆バイアス電圧および前記第2の逆バイアス電圧のうちの少なくとも一方は、前記PINダイオードのスイッチング周波数に基づいて調節可能である、項目8に記載のPINダイオードドライバ回路。
(項目17)
可変インピーダンス整合ネットワークであって、
可変リアクタンス要素であって、
コンデンサと結合されるPINダイオードと、
第1のスイッチであって、前記第1のスイッチは、順バイアス供給源を前記PINダイオードに接続し、前記PINダイオードを順バイアスするように構成される、第1のスイッチと、
第2のスイッチであって、前記第2のスイッチは、第2の逆バイアスレベルが後に続く第1の逆バイアスレベルにおける少なくとも1つの逆バイアス供給源を前記PINダイオードに接続するように構成される、第2のスイッチと
を備える、可変リアクタンス要素
を備える、可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目18)
前記第1の逆バイアスレベルは、第1の逆バイアス電圧であり、前記第2の逆バイアスレベルは、前記第1の逆バイアス電圧より大きい第2の逆バイアス電圧である、項目17に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目19)
前記順バイアス供給源は、順バイアス電流供給源である、項目17に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目20)
前記少なくとも1つの逆バイアス供給源は、マルチレベル電力供給源である、項目17に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目21)
前記少なくとも1つの逆バイアス供給源は、前記第1の逆バイアス電圧を提供するための第1の電圧供給源と、前記第2の逆バイアス電圧を提供するための第2の電圧供給源とを備える、項目18に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目22)
前記第1の逆バイアス電圧は、約15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約1,500ボルトである、項目18に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目23)
前記第1の逆バイアス電圧は、約-15ボルトであり、前記第2の逆バイアス電圧は、約-1,500ボルトである、項目18に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目24)
前記第2の逆バイアス電圧は、前記第1の逆バイアス電圧の値の3~2,000倍の範囲を伴う、項目18に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目25)
前記第1の逆バイアス電圧は、前記PINダイオードのスイッチング周波数に基づいて調節可能である、項目17に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
(項目26)
前記第1の逆バイアス電圧は、全体的電力消費量を低減させるために、前記第2の逆バイアス電圧における前記PINダイオードの逆バイアスの間より低い電圧において、前記PINダイオードの真性層を放電させるためのものである、項目17に記載の可変インピ
ーダンス整合ネットワーク。
(項目27)
前記第2のスイッチは、MOSFETタイプトランジスタを備える、項目17に記載の可変インピーダンス整合ネットワーク。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1A-1Bは、2つの従来の二重供給源型PINダイオードドライバ回路を図示する。
【0010】
【
図2】
図2A-2Bは、PINダイオード等価回路を図示する。
【0011】
【
図3】
図3A-3Bは、2つの例示的三重供給源型PINダイオードドライバ回路を図示する。
【0012】
【
図4】
図4A-4Bは、三重供給源型PINダイオードドライバ回路の2つの例示的実装を図示する。
【0013】
【
図5】
図5A-5Bは、三重供給源型PINダイオードドライバ回路の2つのさらなる例示的実装を図示する。
【0014】
【
図6A】
図6Aは、PINダイオードドライバ回路が利用され得る、インピーダンスを、RF発生器等の電力供給源とプラズマ負荷等の負荷との間で整合させるために使用される、整合ネットワークの実施例である。
【0015】
【
図6B】
図6Bは、整合ネットワークの可変コンデンサ要素の実施例である。
【0016】
【
図7】
図7は、電力供給源を制御し、高速、高繰り返しレート、高出力用途のためのPINダイオードドライバ回路を制御するための方法である。
【0017】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態を実装することにおいて使用され得る、コンピューティングシステムの実施例を図示する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
PINダイオードは、高濃度p型半導体領域(P)と高濃度n型半導体領域(N)との間に挟入される、非ドープまたは低濃度の真性(I)半導体領域を伴う、故に、呼称「PINダイオード」の電気ダイオードデバイスである。一般に、PINダイオードは、低周波数入力信号において従来のダイオード挙動に従うが、より高い周波数入力信号において
は、順バイアスされた、またはオン状態では、レジスタとして動作し、逆バイアスされた、またはオフ状態では、小コンデンサとして動作する。したがって、PINダイオードは、多くの場合、高絶縁および低損失が、所望される、減衰器、高速スイッチ、無線周波数(RF)用途、および高電圧電子用途において利用される。1つの特定の実装では、PINダイオードは、高出力RF発生器が、効率的に電力を送達し得るように、プラズマ負荷の変化する負荷インピーダンスを所望されるインピーダンス(例えば、50オームまたは70オーム)に整合させるように構成される、インピーダンス整合ネットワークにおいて使用される。そのような実装では、PINダイオードは、リアクタンスコンポーネント、典型的には、インピーダンス整合ネットワークのコンデンサを接続または接続解除し、ネットワークの中および外のリアクタンス要素をスイッチングすることによって、整合ネットワークの性質を迅速に改変する役割を果たす。
【0019】
スイッチング回路内のPINダイオードは、典型的には、制御された順バイアス電流および逆バイアス電圧を提供する、付随のPINダイオードドライバ回路またはスイッチドライバを有する。例えば、
図1Aおよび1Bは、2つの従来の二重供給源型PINダイオードドライバ回路100、101を図示する。各回路は、個別のPINダイオード102、104を含み、これは、ひいては、例えば、あるタイプのRF回路に接続され得る。各PINダイオード102、104は、2つの電力供給源(回路100のための供給源110および114、および回路101のための供給源112および116)によって駆動され、順バイアス電流および逆バイアス電圧を個別のPINダイオードに提供する。例えば、回路100では、低電圧順バイアス電流供給源110は、スイッチ118に直列に接続され、高電圧逆バイアス電圧供給源114もまた、スイッチ120に接続される。スイッチ118が、閉鎖される(およびスイッチ120が、開放する)と、順バイアス電流供給源110は、順バイアス電流をPINダイオード102に提供する。スイッチ120が、閉鎖される(およびスイッチ118が、開放される)と、逆バイアス電圧供給源114は、PINダイオード102を横断して逆バイアス電圧を提供する。同様に、回路101では、高電圧逆バイアス電圧供給源116が、スイッチ122に直列に接続され、スイッチ122が、閉鎖されると、PINダイオード104を横断して逆バイアス電圧を提供し、低電圧順バイアス電流供給源112は、スイッチ124が、閉鎖されると、順バイアス電流をPINダイオード104に提供する。回路100、101内のインダクタ106、108は、インダクタであり得るが、また、より一般的に、低周波数において直流(DC)電流を通過させるが、RF回路によってPINダイオード102、104に印加されるRF周波数を抑制する、任意の回路を表象することが意図される。位置106、108にあり得るタイプの回路の実施例は、RFチョーク、並列共振LCタンクまたは複数のタンク、4分の1波長(RF周波数)伝送線路等を含む。
【0020】
実施例として回路100を参照すると、PINダイオードドライバ回路の動作が、ここで説明される。PINダイオード102を順バイアスするために、スイッチ118が、閉鎖され、スイッチ120が、開放している。低電圧電流供給源110は、順バイアス電流をPINダイオード102に提供する。PINダイオードが、順バイアスされると、ダイオード102のP領域材料からの正孔およびN領域材料からの電子が、挟入されたI領域材料の中に注入される。ダイオード102内の電荷が、瞬時に再結合することができないため、正味電荷は、キャリア寿命として公知である、時間量にわたって、I領域内に蓄えられる。ダイオードは、したがって、RF周波数において有効な「オン」抵抗値を伴う、レジスタとして作用する。等価順バイアス回路202が、
図2Aに図示される。
【0021】
PINダイオード102を逆バイアスするために、スイッチ118が、開放され、スイッチ120が、閉鎖され、逆バイアス電圧を高電圧逆バイアス電圧供給源114からPINダイオードに提供する。逆バイアス動作の間に、PINダイオード102は、小静電容量によって分岐される大レジスタの等価回路(
図2Bの204)を有する。PINダイオ
ード102の側面を変動させることによって、種々の順バイアス抵抗および逆バイアス静電容量が、種々の文脈における具体的な用途のために達成され得る。
【0022】
従来のPINダイオードドライバ回路100、101に関わる潜在的な性能問題は、そのようなPINダイオードドライバが、高速、高繰り返しレート、および/または高出力用途において使用されると、大量の電力を消費し得ることである。例証の目的のために、PINダイオード102が、3~30MHzの範囲に及ぶ周波数を伴う高出力用途において使用されると、PINダイオード102は、順バイアス電流供給源110からの1アンペアで順バイアスされ、逆バイアス電圧供給源114からの1,500Vで逆バイアスされ得る。そのような用途における典型的ダイオードのためのキャリア寿命は、約12μsであり得る。順バイアスされた(オン)状態から逆バイアスされた(オフ)状態に迅速に(例えば、キャリア寿命より短い時間周期で)スイッチングするために、ダイオードから除去されなければならない電荷は、順電流とキャリア寿命との積である傾向にある。直前に参照される実施例では、12μCの電荷が、除去され、順バイアスされた状態から逆バイアスされた状態にスイッチングさせることになる。本電荷が、高電圧電力供給源114によって除去される場合、費やされるエネルギーは、電力供給源電圧と電荷との積、すなわち、1,500V×12μC=18mJである。本動作が、高繰り返しレートで実施される場合、要求される電力は、多くのタイプの用途に関して法外なものになり得る。例えば、PINダイオード102の動作が、10kHzの繰り返しレートで実施されることになる場合、本実施例における高電圧電力供給源114からの電力は、18mJ×10kHz=180Wである。
【0023】
PINダイオード102の動作に関連する、そのような高速、高繰り返しレート、および/または高出力RF用途において消費される電力を低減させるための1つの解決策は、少なくとも1つの付加的な電力供給源を使用し、高電圧逆バイアスを印加する前に、逆バイアス電圧より低い電圧において、ダイオードを「オン」状態から「オフ」状態に回復させることである。
図3A-3Bは、
図1A-1Bのダイオード構成ドライバ回路100、101に対応する、2つの例示的三重供給源型PINダイオードドライバ回路300、301を図示する。しかしながら、
図3A-3Bのドライバ回路300、301は、それぞれが、低電圧逆バイアスを個別のPINダイオード302、304に提供する、付加的な個別の電力供給源326、328を含む。PINダイオード302または304に低逆バイアス電圧を印加することによって、ダイオードは、従来のPINダイオードドライバより低い電圧において、「オン」状態から「オフ」状態に(または順バイアスから逆バイアスに)回復し(真性層電荷が、除去される)、それによって、他の利点の中でもとりわけ、より少ない電力を消費する。
【0024】
特に、
図3Aを参照すると、ドライバ回路300は、種々の可能性として考えられるタイプのRF回路または他の回路に接続される、または別様にその中に統合され得る、PINダイオード302を含む。本明細書に議論されるRF回路用途では、回路はさらに、DCおよび低周波数を通過させるが、RF回路によってPINダイオードに印加されるRF周波数を抑制する、代表的なインダクタンス306または他の形態の回路を含んでもよい。ドライバ回路はさらに、スイッチ318に接続され、スイッチ318が、閉鎖された状態で、順バイアス電流をPINダイオードに提供する、低電圧順バイアス電流供給源310を含む。
【0025】
回路はさらに、スイッチ320に接続され、逆バイアス電圧をPINダイオードに提供する、高電圧逆バイアス電圧供給源314を含む。
【0026】
図1Aおよび1Bに図示されるドライバ回路と異なり、ドライバ回路300、301は、付加的な電力電圧供給源326、328を含み、低電圧逆バイアス電圧を個別のPIN
ダイオード302、304に提供する。
図3Aを参照すると、順バイアス電流供給源310は、上記で議論されるように、PINダイオード302に提供され、デバイスを順バイアスする。しかしながら、PINダイオード302を逆バイアスするために、低電圧逆バイアス供給源326と高電圧逆バイアス供給源314との組み合わせが、使用される。より具体的には、1つの具体的な実施例では、スイッチ320が、PINダイオード302を逆バイアスするとき、低電圧逆バイアス供給源326と高電圧逆バイアス供給源314との間で選択するために使用されてもよい。スイッチはまた、順バイアス電流供給源が、接続されると、両方の逆バイアス供給源をオフにスイッチングしてもよい。第1の構成では、順バイアス電流が、オフにスイッチングされると、スイッチ320は、最初に、低電圧逆バイアス供給源326をPINダイオード302に接続する。逆バイアス動作では、第1の構成は、低電圧真性層の電荷除去を提供する。ある時間の後、スイッチ320は、高電圧逆バイアス供給源314をPINダイオード302に接続し、高電圧逆バイアス信号を提供する、第2の構成に配向されてもよい。
【0027】
PINダイオードが、高電圧逆バイアス供給源に接続する前に、低電圧逆バイアス供給源に接続される時間は、概して、PINダイオードの真性領域内に蓄えられる電荷の全てではない場合でも、その大部分が、高電圧電力供給源に接続する前に除去されるように選定される。本時間は、電荷を除去するために使用される逆電流のレベルに依存する。高電流レベルおよび迅速なスイッチングに関して、除去されるべき総電荷は、PINダイオードを逆バイアスし始める直前の順電流×キャリア寿命にほぼ等しい。数字上の実施例を用いて例証するため、かつ
図3Aを参照して、第1の(例えば、低)電圧逆バイアス電圧が、15Vであると仮定すると、代表的インダクタ306は、2μHの値を伴うインダクタであり、順バイアス電流は、1Aであり、キャリア寿命は、12μsである。これらの値を用いて、電荷を除去するための時間は、約1.8μsであって、その時間の間、逆電流は、PINダイオード電荷分布の詳細特性を無視すると、約13.5Aまで増加するであろう。本タイプのドライバの詳細分析は、低電圧電力供給源を使用して電荷全てを除去することは、殆ど可能ではないことを示す。殆どの場合、電荷は、I領域内に残存する電荷のさらなる有効な除去を遮断する、P-IまたはI-N界面において完全に除去されるであろう。本挙動にもかかわらず、有意な電力が、本アプローチを使用して節約されることができる。図示される実施例では、第1の逆電圧供給源は、第2の(例えば、より高い1,500ボルトにおける)逆電圧供給源が、PINダイオードに接続されると、接続解除される。高電圧逆バイアス供給源が接続されるとき、低電圧逆バイアス供給源の接続解除が、下記に示されるようなダイオードを用いて実施され得る。
図3Bの実施例では、第1の逆バイアス電圧は、約-15ボルトであり得、第2の逆バイアス電圧は、約-1,500Vであり得、類似する電力節約効果を伴う。
図3Bの実施例では、第2の電圧は、これが、第1の電圧(例えば、-15ボルト)より大きい負の電圧(例えば、-1,500ボルト)であるため、単純化のために、本明細書において「より高い」または「より大きい」電圧と称される場合がある。
【0028】
本明細書において議論されるインピーダンス整合ネットワーク等のいくつかのRF回路実装では、PINダイオードは、高繰り返しレートにおいて順バイアスされた(オン)状態から逆バイアスされた(オフ)状態にスイッチングされ得る。例えば、いくつかのそのような回路は、PINダイオードを、12μsのキャリア寿命より急速なレートでPINダイオードをスイッチングし、インピーダンス整合のためにコンデンサを接続および接続解除し、多くの場合、10kHzのレートで繰り返し得る。したがって、
図3AのPINダイオードドライバ回路300のスイッチ318、320は、制御され、順バイアス供給源と逆バイアス供給源との間で迅速にスイッチングし得る。より具体的には、スイッチ318の開放すること、および(低電圧逆バイアス供給源326を接続するための)第1の位置と(高電圧逆バイアス供給源314を接続するための)第2の位置との間にスイッチ320を構成することは、10kHzのレートで生じ、そのようなネットワークのための
十分なインピーダンス整合性能を提供し得る。スイッチ318、320が、アクティブ化され、制御されるレートが、PINダイオードドライバが接続されるRF回路のタイプに依存し得ることを理解されたい。異なるRF回路が、異なるレートのPINダイオードスイッチングを利用し得る。しかしながら、多くの場合、PINダイオードのスイッチング動作を補助するための第3の低電圧バイアス供給源の使用は、回路の消費電力を低減させ得る。
【0029】
図示される実施例では、2つの逆バイアス電力供給源が、図示され、一方は、PINダイオードの主に電荷除去のための、比較的により低い電圧を提供し、他方は、その主に逆バイアス動作のための、比較的により高い電圧を提供する。多位置スイッチがさらに、供給源間でスイッチングし、両方の供給源を接続解除するように図示される。代替として、2つ以上の電圧設定を伴う電力供給源が、
図1Aに示されるもの等の単位置スイッチと併せて採用されてもよい。そのような配列では、逆バイアス動作の間に、順バイアス電流電力供給源が、オフにスイッチングされ、マルチレベル電力供給源が、PINダイオードに接続される。マルチレベル電力供給源は、次いで、最初に、比較的に低い逆バイアス電圧モードに、その後、比較的に高い電圧逆バイアスモードに内部的にスイッチングされてもよい。
【0030】
2つの逆バイアス電力供給源が、使用されるか、またはマルチレベル逆電力供給源が、使用されるかどうかにかかわらず、PINダイオード302を順バイアスと逆バイアスとの間でスイッチングし、かつ真性層を放電させるために要求される電力は、
図1Aおよび1Bに図示されるもの等の従来のドライバ回路に対して減少される。例えば、ドライバ回路300の低電圧逆バイアス供給源326が、15Vの電力供給源であると仮定する。本供給源326を利用し、上記の実施例におけるPIN302ダイオードを回復させるために、ダイオードを回復させるために消費される電力は、(高電圧逆バイアス電圧供給源314等の)ダイオードを回復させるために1,500Vの供給源を使用することと比較すると、100倍低減される。低電圧逆バイアス供給源326の使用を通して消費される電力の本低減は、特に、PINダイオード302を利用する、高速、高繰り返しレート、および/または高出力用途において認識される。倍率100(2つの電圧の間の比率)は、蓄えられた電荷の全てが、100分の1の電圧を伴う供給源によって除去されることを仮定した、消費電力の理論上の最大低減量である。
【0031】
消費電力のそのような大規模な低減は、PINダイオードの特性に起因して、いくつかの用途では実現されない場合がある。それにもかかわらず、有意な電力の節約が、本明細書に議論される概念を使用して達成され、種々の例示的回路において反映され得る。有効な電力節約量に関して、低電圧逆バイアス供給源の電圧と高電圧逆バイアス供給源の電圧との間の3~2,000の比率が、考えられる。現実的なPINダイオードモデルを使用したシミュレーションは、インダクタ306が、60μHである、
図3Aの回路に類似する回路を使用して、1.8~4.1の電力節約倍率を予測する。典型的な高出力PINダイオードを5マイクロ秒以内にON状態からOFF状態にスイッチングさせるために、約180Vの低電圧供給源および約1,500Vの高電圧供給源を使用して、1.8の電力節約倍率が、予測される。同一のダイオードを20マイクロ秒以内にスイッチングさせるために、20Vの低電圧供給源を約1,500Vの高電圧供給源とともに使用して、3.3の電力節約倍率が、予測され、同一のダイオードを50マイクロ秒以内にスイッチングさせるために、1Vの低電圧供給源および1,500Vの高電圧供給源を使用して、4.1の電力節約倍数が、予測される。低電圧逆バイアス供給源の最適値は、所望されるスイッチング速度に依存するため、いくつかの用途では、電圧バイアス供給源の一方(例えば、低電圧バイアス供給源)または両方が、可変であり、所望されるスイッチング速度に応じた最適な性能のために調節され得る。
【0032】
ドライバ回路301は、PINダイオード304を順バイアス条件から逆バイアス条件に駆動するための回路による電力消費量を低減させるために、スイッチ330が、第1の時間において低逆バイアス電圧328を提供し、かつ第2の時間において高逆バイアス電圧316を提供するための、第1の構成を有する、類似の様式で動作する。
【0033】
図4A-4Bは、三重供給源型PINダイオードドライバ回路の2つの可能性として考えられる実装を図示する。用語「三重」は、順バイアスと、第1の逆バイアスと、第2の逆バイアスとを含む、PINダイオードに印加される、3つの明確に異なるバイアス値を指す。実施例では、3つの明確に異なるバイアス値は、順バイアス電流および関連付けられる供給源、第1の低逆バイアス電圧および関連付けられる供給源、および第2の逆バイアス電圧および関連付けられる供給源、または第1の低逆バイアス電圧および関連付けられるマルチレベル供給源からの第2の逆バイアス電圧であってもよい。
【0034】
図4Aは、三重供給源型ダイオードドライバ回路の1つの具体的な実装を図示する。上記に説明される回路と同様に、回路400は、ある形態のRF回路に接続され得る、PINダイオード402と、代表的インダクタンス406と、スイッチ418に接続され、順バイアス電流をPINダイオードに提供する、低電圧順バイアス電流供給源410と、スイッチ420に接続され、逆バイアス電圧をPINダイオードに提供する、高電圧逆バイアス電圧供給源414とを含んでもよい。回路400では、スイッチ418およびスイッチ420は、電界効果トランジスタ(FET)、特に、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。しかしながら、他のタイプの電子スイッチングデバイスも、開放状態と閉鎖状態との間でスイッチングするために、回路400において利用され得ることを理解されたい。
【0035】
回路400に示されるように、高電圧逆バイアス電圧供給源414は、第1のスイッチ420を通してPINダイオード402に接続する。スイッチ420は、上記に説明されるように、高電圧逆バイアス電圧をPINダイオードに提供し、PINダイオードを逆バイアス状態に駆動するような、類似の様式で動作する、MOSFETタイプのスイッチングデバイスであってもよい。加えて、低電圧逆バイアス供給源426が、回路400内に含まれ、低電圧逆バイアス信号をスイッチ432の動作を通してPINダイオード402に提供してもよい。別様に議論されるように、第1の逆バイアス電圧は、真性領域内の電荷蓄積を、高電圧供給源414と比較して比較的により低い電圧で放電または別様に除去し、それによって、回路によって消費される電力を低減させる役割を果たす。特に、スイッチ420およびスイッチ432の動作を通して、ドライバ回路400は、低電圧逆バイアス供給源426から「オフ」状態にスイッチングするとき、最初に、低電圧逆バイアス信号をPINダイオードに供給し、高電圧逆バイアス供給源414からの高電圧逆バイアス信号が、後に続いてもよい。すなわち、第1の比較的により低い逆バイアス電圧が、第2の比較的により大きい逆バイアス電圧を接続することに先立って接続される。スイッチ432が、低電圧逆バイアス供給源446とダイオード434との間に直列に接続され、第3のスイッチ432が、閉鎖された状態にあり、スイッチ418および420が、開放状態にあるとき、低電圧逆バイアス信号をPINダイオード402に提供してもよい。MOSFETが、ボディダイオードを有するため、ダイオード434は(同様に、
図4Bの438も)、スイッチ420をオンにするとき、スイッチ432のボディダイオードが導通することを防止し、低逆供給源と高逆供給源との間の短絡回路(ボディダイオードの電圧降下を除く)を防止するように位置付けられる。加えて、スイッチ418が、開放されると、ダイオードは、スイッチ418および420の接合部における電圧が、低電圧逆バイアス供給源426の電圧より負に振れ、誘導性素子406内の電流の迅速な反転を可能にする。ダイオード438も、
図4Bの回路においてそれが生じることを可能にする。
図4Aに図示される実装は、したがって、スイッチ432および420およびダイオード434を3位置スイッチとして利用する。第1の位置は、スイッチ434および420が両
方とも、オフである(開放している)とき、逆バイアス供給源426および414の両方を接続解除することに対応する。本位置において、スイッチ418は、通常、オンである(閉鎖されている)、または別様に、順バイアス電流供給源をPINダイオード402に接続するように構成されるであろう。第2の位置は、スイッチ432が、オンであり、スイッチ420が、オフであるとき、低電圧逆バイアス供給源426をPINダイオードに接続させることに対応する。本位置において、スイッチ418は、通常、オフであり、ダイオード434は、通常、順バイアスされるであろう。第3の位置は、スイッチ420が、オンである(導通している)とき、高電圧逆バイアス供給源をPINダイオードに接続させることに対応する。本位置において、スイッチ418は、通常、オフであり、ダイオード434は、逆バイアスされるであろう。スイッチ418は、低電圧順バイアス電流供給源410をPINダイオードに接続する、またはそれから接続解除するためのスイッチとして作用する。スイッチデバイス418、420、432、およびダイオード434の動作を通して、回路400は、PINダイオード402を駆動しながら、高速、高繰り返しレート、高出力RF用途のためにより少ない電力を消費し得る。
【0036】
第2の実装回路401が、
図4Bに図示される。回路400と同様に、回路401は、任意のタイプのRF回路に接続される、PINダイオード404と、代表的インダクタンス408と、スイッチ436に接続され、順バイアス電流をPINダイオードに提供する、低電圧順バイアス電流供給源416と、スイッチ424に接続され、逆バイアス電圧をPINダイオードに提供する、高電圧逆バイアス電圧供給源412とを含む。また同様に、低電圧逆バイアス供給源428もまた、回路401内に含まれ、低電圧逆バイアス信号を提供してもよい。本構成では、低電圧逆バイアス供給源428は、ダイオード438を通してスイッチ424に接続する。また、スイッチデバイス430も、スイッチ424およびダイオード438に接続する。スイッチ424および/またはスイッチ430の動作またはアクティブ化を通して、低電圧逆バイアス信号または高電圧逆バイアス信号のいずれかが、PINダイオード404に提供され、ダイオードの逆バイアス動作を駆動する。高電圧逆バイアス信号に先立って低電圧逆バイアス信号を提供することによって、PINダイオード404を動作させることにおいて消費される電力は、特に、高速、高繰り返しレート、高出力RF用途のために有意に低減され得る。
【0037】
図5Aおよび5Bは、それぞれ、電力供給源が、カソードではなく、PINダイオードアノードを参照する場合に関して、
図4Aおよび4Bのものに匹敵する、本開示の代替の実施形態を図示する。
図4Aおよび4Bでは、低電圧逆バイアス供給源426および428は、例えば、それぞれ、スイッチ432およびダイオード438に対するPINダイオードカソードに対して-20Vを提供してもよく、高電圧逆バイアス供給源414および412は、例えば、それぞれ、スイッチ420および424に対するPINダイオードカソードに対して-1,500Vを提供してもよい。
図5Aおよび5Bでは、低電圧逆バイアス供給源526および528は、例えば、それぞれ、スイッチ532およびダイオード538に対するダイオードアノードに対して+20Vを提供してもよく、高電圧逆バイアス供給源514および512は、例えば、それぞれ、スイッチ520および524に対するダイオードアノードに対して+1,500Vを提供してもよい。順バイアス電流は、0.1A~1Aの範囲内であってもよい。多くの用途では、低電圧逆バイアス電力供給源426、428、526、528は、例えば、1Ω未満の低い源抵抗を有してもよく、高電圧逆バイアス電力供給源414、412、514、512は、例えば、1,000Ωの高い源抵抗を有してもよい。低電圧逆バイアス供給源のための低い源抵抗は、スイッチング速度を改良する一方、高電圧逆バイアス供給源のための高い源抵抗は、スイッチングの間のPINダイオード電圧のオーバーシュートを防止する。
【0038】
そのような改良されたPINドライバ回路は、特に、RF発生器の出力電力が、高いレートで変調され、整合ネットワークが、発生器に整合されたインピーダンスを維持するこ
とが予期されるときに、非線形の負荷をRF発生器に整合させる等、そのような整合ネットワークが、複数の状態間で繰り返してスイッチングされる場合に、数十個のそのようなダイオードを有し得る、無線周波数整合ネットワークにおいて有用である。言い換えると、PINダイオードを利用する、高速、高繰り返しレート、高出力用途は、本明細書に説明されるように動作される3つ以上の電力供給源を含む、PINダイオードのためのドライバ回路を利用することによって消費される電力を有意に低減させ得る。そのような用途では、または別様に、3つ以上の電力供給源は、複数のPINダイオードドライバ配列の中で共有されてもよい。
【0039】
図6Aおよび6Bは、RF発生器等の電力供給源602とプラズマ負荷等の負荷604との間のインピーダンスを整合させるために使用される、整合ネットワーク600の実施例と、
図6Aに示される整合ネットワークの可変コンポーネント610要素の具体的実施例とを図示する。本実施例では、ネットワークとして一般化された代表的形態で示される、整合ネットワークは、ゼロ以上の固定コンポーネントに加えて、1つ以上の可変コンポーネントを含む、固定コンポーネント606と、可変コンポーネント608とのいくつかの可能性として考えられる組み合わせを含んでもよい。可変コンポーネントのうちの1つ以上のものが、リアクタンス要素およびスイッチを使用して実装され、リアクタンス要素を回路の中および外にスイッチングすることができる。例えば、可変コンデンサ610は、並列の、いくつかの離散したスイッチングされるコンデンサ612A-612Nとして実装されることができる。各スイッチングされるコンデンサは、PINダイオードが、本明細書に議論される種々の可能性として考えられる例示的PINダイオードドライバ回路616のうちの1つによって駆動される、PINダイオード614A-614Nに直列に接続される、コンデンサを含んでもよい。本実施例では、ドライバ回路は、ドライバ回路が、個別のPINダイオードを、2つの異なるレベルで逆バイアスすること、すなわち、第1のより低い電圧レベルで逆バイアスし、PINダイオードの真性層を放電させ、第2のより高い電圧レベルが続き、PINダイオードを逆バイアスすることを含むという概念を反映する、二重逆バイアス電圧PINダイオードドライバと称される。高電圧レベルは、概して、PINダイオードを経由するいかなるRF信号の最大振幅より高くあり、動作の間にPINダイオードを順バイアスすることを回避しなければならず、非常に典型的には、PINダイオードの破壊電圧の2分の1、例えば、3,000Vを取り扱い得るダイオードに関しては、1,500Vである。回路はまた、本明細書に図示されるような順バイアス電流供給源を含んでもよい。順バイアス電流供給源は、(出力電流を調整する)真の電流供給源であってもよいが、また、PINダイオードに好適なレベルの順電流を提供する、好適なレジスタに直列な電圧源と同程度に単純であってもよい。PINダイオードの順電流は、オン状態において、PINダイオードの抵抗を決定する。要求される順電流の典型的な値は、0.01~1Aである。他の整合ネットワークトポロジもまた、PINダイオードを含んでもよい。図示される実施例では、任意の所与のスイッチングされるコンデンサのコンデンサ値は、異なるスイッチングされるコンデンサの値と同一である、またはそれと異なってもよい。スイッチングされるコンデンサを種々の直列または並列の組み合わせに接続し、その種々のスイッチングされるコンデンサが、一部を形成する、所与の可変コンデンサのための所望される値を取得することが、可能である。それにもかかわらず、任意の所与のPINダイオードを順バイアスすることによって、個別のコンデンサは、整合ネットワークの中にスイッチングされ、逆バイアスするとき、個別のコンデンサは、ネットワークから外にスイッチングされ得る。コンデンサを整合ネットワークの中およびそれから外にスイッチングすることは、整合ネットワークのインピーダンス変換性質を制御し、負荷のインピーダンスを、RF発生器が電力を効率的に送達し得る、所望されるインピーダンス(典型的には、50Ω)に整合させる。
【0040】
図7は、PINダイオードドライバ回路を制御し、特に、PINダイオードによって種々の組み合わせにスイッチングされる多くのコンデンサを使用する、RF整合ネットワー
ク等の高速、高繰り返しレート、および高出力RF用途において、PINダイオードの電力消費量を低減させるための方法700である。方法700の動作は、プログラマブル論理制御装置、コンピューティングデバイス、処理デバイス、または同等物等のドライバ回路のコントローラによって制御または実施されてもよい。
【0041】
議論のために、ダイオードが、順バイアス配向から開始すると仮定すると、順バイアス電流が、最初にPINダイオードに印加され得る(動作702)。
図3Aに戻って参照すると、例えば、ドライバ回路300の第1のスイッチ318が、閉鎖位置にあり、順バイアス電流供給源をPINダイオードに接続し、第2のスイッチ320が、第1の位置にあり、両方の逆バイアス供給源を接続解除する。特に、制御回路またはデバイスが、スイッチアクティブ化信号をスイッチ318に提供し、スイッチを閉鎖し、スイッチ320を第1の位置に置き得る。MOSFETが、スイッチである場合、スイッチアクティブ化信号は、MOSFETに導通させる(閉鎖させる)ために適切なゲート信号の形態にある。スイッチ318を閉鎖することは、低電圧電流信号をPINダイオード302に提供させ、ダイオードを順バイアスする。いくつかの実施形態では、コントローラは、低出力順バイアス電流供給源310に制御信号を提供し、電流供給源をアクティブ化させ、電流をPINダイオードに提供してもよい。
【0042】
PINダイオードは、順バイアス供給源を接続解除し(動作704)、第1の比較的により低い電圧を接続し、PINダイオードを逆バイアスすること(動作706)を開始することによって、オフにされる。したがって、コントローラは、第1のスイッチ318を非アクティブ化(または開放)し、PINダイオードへの順バイアス電流信号を除去してもよい。さらに、動作706において、コントローラは、第2のスイッチ320を第2の構成に制御し、低電圧逆バイアス供給源326からPINダイオード302に低電圧逆バイアス信号を提供してもよい。PINダイオード302に提供される低電圧は、PINダイオード302を逆バイアス状態で動作させ始め得る。初期の低電圧逆バイアスに続いて、比較的により高い電圧逆バイアスが、PINダイオードに印加される(動作708)。より具体的には、ある後の時間において(但し、典型的には、PINダイオードのキャリア寿命に等しい時間が、経過する前に)、コントローラは、信号を提供し、第2のスイッチ320を、高電圧逆バイアス電圧供給源314をPINダイオード302に接続し、PINダイオードを逆バイアス状態にさらに駆動する、第3の構成に変化させてもよい。したがって、
図7の方法700を通して、コントローラは、順バイアス状態と、PINダイオードに接続されるRF回路に必要とされるような2つの(または可能性としてそれを上回る)逆バイアス電圧レベルを通した状態との間でPINダイオード302を駆動してもよい。しかしながら、逆バイアス状態においてPINダイオードを駆動するいくつかの部分のために低電圧逆バイアス供給源326を利用することによって、ドライバ回路300は、他のPINダイオードドライバ回路より少ない電力を消費し得る。高出力および迅速なスイッチング回路に関して、消費電力におけるそのような節約が、従来のPINダイオードドライバに優って、RF用途の性能を大いに改良し得る。
【0043】
図8は、上記に開示されるネットワークのコンポーネントの実施形態を実装することにおいて使用され得る、コンピューティングデバイスまたはコンピュータシステム800の実施例を図示するブロック図である。例えば、
図8のコンピューティングシステム800は、上記に議論されるドライバ回路のためのスイッチングデバイスのうちのいずれかに任意の制御信号を提供することに加え、上記に議論される電流または電力供給源のうちのいずれかを制御するための、制御デバイスであってもよい。コンピュータシステム(システム)は、1つ以上のプロセッサ802-806を含む。プロセッサ802-806は、キャッシュ(図示せず)の1つ以上の内部レベルと、プロセッサバス812との相互作用を指示するための、バスコントローラまたはバスインターフェースユニットとを含んでもよい。ホストバスまたはフロントサイドバスとしても公知である、プロセッサバス812が
、プロセッサ802-806をシステムインターフェース814と結合させるために使用されてもよい。システムインターフェース814が、システム800の他のコンポーネントにプロセッサバス812とインターフェースをとらせるように、プロセッサバス812に接続されてもよい。例えば、システムインターフェース814は、メインメモリ816にプロセッサバス812とインターフェースをとらせるための、メモリコントローラ818を含んでもよい。メインメモリ816は、典型的には、1つ以上のメモリカードと、制御回路(図示せず)とを含む。システムインターフェース814はまた、1つ以上のI/OブリッジまたはI/Oデバイスにプロセッサバス812とインターフェースをとらせるための、入力/出力(I/O)インターフェース820を含んでもよい。1つ以上のI/Oコントローラおよび/またはI/Oデバイスは、図示されるような、I/Oコントローラ828およびI/Oデバイス830等のI/Oバス826と接続されてもよい。システムインターフェース814はさらに、プロセッサバス812および/またはI/Oバス826と相互作用するための、バスコントローラ822を含んでもよい。
【0044】
I/Oデバイス830はまた、プロセッサ802-806に情報および/またはコマンド選択を通信するための、英数字キーおよび他のキーを含む、英数字入力デバイス等の入力デバイス(図示せず)を含んでもよい。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ802-806に方向情報および/またはコマンド選択を通信するための、および表示デバイス上でカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御を含む。
【0045】
システム800は、メインメモリ816と称される、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(RAM)、またはプロセッサ802-806によって実行されるべき情報および命令を記憶するための、プロセッサバス812に結合される、他のコンピュータ可読デバイスを含んでもよい。メインメモリ816はまた、プロセッサ802-806による命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。システム800は、プロセッサ802-806に関する静的情報および命令を記憶するための、プロセッサバス812に結合される、読取専用メモリ(ROM)および/または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。
図8に記載のシステムは、本開示の側面に従って採用する、または構成され得る、コンピュータシステムの唯一の可能性として考えられる実施例である。
【0046】
一実施形態によると、上記の技法は、メインメモリ816内に含有される、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ804に応答して、コンピュータシステム800によって実施されてもよい。これらの命令は、記憶デバイス等の別の機械可読媒体からメインメモリ816の中に読み取られてもよい。メインメモリ816内に含有される命令のシーケンスの実行が、プロセッサ802-806に本明細書に説明されるプロセスステップを実施させてもよい。代替実施形態では、回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせられて使用されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントとの両方を含んでもよい。
【0047】
機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取可能である形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または伝送するための、任意の機構を含む。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体および揮発性媒体の形態をとり得る。不揮発性媒体は、光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ816等の動的メモリを含む。機械可読媒体の一般的形態は、限定ではないが、磁気記憶媒体、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な他のタイプの媒体を含んでもよい。
【0048】
本開示の実施形態は、本明細書に説明される、種々のステップを含む。ステップは、ハードウェアコンポーネントによって実施されてもよい、または命令を用いてプログラムされた汎用目的または特殊目的プロセッサにステップを実施させるために使用され得る、機械実行可能命令に具現化されてもよい。代替として、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせによって実施されてもよい。
【0049】
上記の説明は、本開示の技法を具現化する、例示的システム、方法、技法、命令シーケンス、および/またはコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される開示は、これらの具体的な詳細を用いずに実践され得ることを理解されたい。本開示では、開示される方法は、デバイスによって読取可能な命令またはソフトウェアのセットとして実装され得る。さらに、開示される方法のステップの具体的な順序または階層は、例示的アプローチの事例であることを理解されたい。設計選好に基づいて、本方法のステップの具体的な順序または階層は、開示される主題の範囲内に留まりながら、再配列され得ることを理解されたい。付随の方法請求項は、種々のステップの要素をサンプル順序で提示し、必ずしも提示される具体的な順序または階層に限定することを意図していない。
【0050】
本開示およびその付随する利点の多くのものが、前述の説明によって理解されるはずであると考えられ、種々の変更が、開示される主題から逸脱することなく、またはその実質的な利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構成、および配列において成され得ることが明白となるはずである。説明される形態は、説明にすぎず、そのような変更を包含することおよび含むことが、以下の請求項の意図である。
【0051】
後に続く説明および請求項では、逆バイアス電圧に適用されるときの「より大きい」は、絶対値の意味においてより大きいものとして解釈されるべきである。例えば、この意味では、-1,500ボルトの逆バイアスは、|-1,500|>|-30|であるため、-30ボルトの逆バイアスより大きい。逆バイアス電圧に適用されるときの「低い」および「高い」もまた、絶対値の意味において解釈されるべきである。例えば、この意味では、「低い」逆バイアスは、-15ボルトであり得る一方、「高い」逆バイアス電圧は、-1,500ボルトであり得る。
【0052】
本開示は、種々の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、例証的であり、本開示の範囲は、それらに限定されないことを理解されたい。多くの変形例、修正、追加、および改良が、可能性として考えられる。さらに一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装の文脈において説明されている。機能性は、本開示の種々の実施形態において異なるように分離される、またはブロックに組み合わせられる、または異なる専門用語を用いて説明され得る。これらおよび他の変形例、修正、追加、および改良は、後に続く、請求項において定義されるような本開示の範囲内にあり得る。