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特開2023-85323複合プロセス・ユニット中の分割壁カラムのネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085323
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】複合プロセス・ユニット中の分割壁カラムのネットワーク
(51)【国際特許分類】
   C10G 7/02 20060101AFI20230613BHJP
   C10G 65/04 20060101ALI20230613BHJP
   C10G 45/02 20060101ALI20230613BHJP
   C10G 45/58 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
C10G7/02
C10G65/04
C10G45/02
C10G45/58
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023040660
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2020560223の分割
【原出願日】2019-04-27
(31)【優先権主張番号】62/664,762
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515169326
【氏名又は名称】ズルツァー マネジメント アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バールガバ、マニシュ
(72)【発明者】
【氏名】カリタ、ルーミ
(72)【発明者】
【氏名】カンダ、アミット
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロセスのエネルギー効率を改善し、小さいプロット・エリアを必要とする、複合プロセス・ユニット中の分割壁カラムのネットワークを提供する。
【解決手段】処理ユニットは、第1の分割壁カラムを備えるナフサ水素処理ユニットを含む。第1の分割壁カラムは、カラムの上部部分を分割する壁と、液体石油ガスの回収のための第2の上部セクションの出口と、底部分のナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口とを含む。処理ユニットはまた、ナフサ・スプリッタに結合されたデイソペンタナイザ・カラムと、デイソペンタナイザ・カラムに結合された異性化ユニットと、第2の分割壁カラムを含む。第2の分割壁カラムは、カラムの上部部分を分割する壁と、異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、第1のイソメレート・ストリームの回収のための出口と、第2のイソメレート・ストリームの回収のための、底部分の出口とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の分割壁カラムを備えるナフサ水素処理ユニットであって、前記第1の分割壁カラムが、
前記第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
液体石油ガスの回収のための、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
前記第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口と
を備える、ナフサ水素処理ユニットと、
前記ナフサ・スプリッタ・システムのナフサ・スプリッタのアウトプットに結合されたデイソペンタナイザ・カラムと、
前記デイソペンタナイザ・カラムの出口に結合され、第2の分割壁カラムを備える異性化ユニットであって、前記第2の分割壁カラムが、
前記第2の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
前記異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、
第1のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
第2のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、異性化ユニットと、
前記デイソペンタナイザ・カラムと前記スタビライザ・カラムとの間に結合された異性化リアクタと
を備える、処理ユニット。
【請求項2】
前記ナフサ・スプリッタ・システムが第3の分割壁カラムを備え、前記第3の分割壁カラムが、
前記第3の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、
前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口と、
第1のナフサ・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、
第2のナフサ・ストリームの回収のための、前記第2の中央セクションに関連付けられた出口と、
第3のナフサ・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項3】
前記スタビライザ・カラムが前記第1の分割壁カラムに結合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項4】
前記異性化リアクタが前記第2の分割壁カラムの前記底部分に結合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項5】
前記第2の分割壁カラムが前記デイソペンタナイザ・カラムと熱統合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項6】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口をさらに備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項7】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口をさらに備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項8】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、スタビライザとして機能するように構成され、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デエタナイザとして機能するように構成された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項9】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、デペンタナイザとして機能するように構成され、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デイソヘキサナイザとして機能するように構成された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項10】
ナフサ水素処理ユニットと異性化ユニットとを備えるシステムのための熱統合プロセスであって、前記プロセスは、
第1の分割壁カラムにフィードを与えることであって、前記第1の分割壁カラムが、
前記第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
液体石油ガスの回収のための、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
前記第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口と
を備える、第1の分割壁カラムにフィードを与えることと、
前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションから液体石油ガスを除去することと、
前記第1の分割壁カラムから第2の分割壁カラムに底生成物を供給することであって、前記第2の分割壁カラムが、
前記第2の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、
前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口と、
第1のナフサ・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、
第2のナフサ・ストリームの回収のための、前記第2の中央セクションに関連付けられた出口と、
第3のナフサ・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、底生成物を供給することと、
前記第2の分割壁カラムの前記上部部分からデイソペンタナイザ・カラムに前記第1のナフサ・ストリームを供給することと、
前記デイソペンタナイザ・カラムから異性化リアクタに底留分を供給することと、
前記異性化リアクタからスタビライザ・カラムに生成物を供給することと、
前記スタビライザ・カラムから第3の分割壁カラムにイソメレートを供給することであって、前記第3の分割壁カラムが、
前記第3の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
前記異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、
第1のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
第2のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、イソメレートを供給することと、
前記第3の分割壁カラムからイソメレートを回収することと
を含む、熱統合プロセス。
【請求項11】
前記スタビライザ・カラムから前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションにISOMストリームを供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第3の分割壁カラムの前記第2の上部セクションからの流体と、前記デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第3の分割壁カラムの前記第1の上部セクションから前記デイソペンタナイザ・カラムにC5を供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第3の分割壁カラムから前記異性化リアクタにC6を供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の分割壁カラムの底生成物を前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の分割壁カラムが前記デイソペンタナイザ・カラムと熱統合された、請求項10に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の分割壁カラムが、前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口をさらに備える、請求項10に記載のプロセス。
【請求項18】
前記第2の分割壁カラムが、前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口をさらに備える、請求項10に記載のプロセス。
【請求項19】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、スタビライザとして機能するように構成され、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デエタナイザとして機能するように構成された、請求項10に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、デペンタナイザとして機能するように構成され、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デイソヘキサナイザとして機能するように構成された、請求項10に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2018年4月30日に出願した米国仮特許出願第62/664、762号からの優先権を主張し、その米国仮特許出願の開示全体を参照により組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示の様々な態様のより良い理解を促すための背景情報を与える。本書のこのセクション中の記述はこの観点で読まれるべきであり、従来技術を承認するものとして読まれるべきでないことを理解されたい。
【0003】
精製工業における分割壁カラム(DWC:dividing wall column)適用例の大部分は、レトロフィット・カラムであろうが、グラスルーツ・カラムであろうが、スタンドアロン・カラムからなる。機能的なDWCは、一般に、ナフサ・スプリッタ及びリフォーメート・スプリッタ中で遭遇される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な処理ユニットは、第1の分割壁カラム(divided wall column)を備えるナフサ水素処理(hydrotreating)ユニットを含む。第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、液体石油ガスの回収のための、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口とを含む。例示的な処理ユニットはまた、ナフサ・スプリッタのアウトプット(output)に結合されたデイソペンタナイザ(deisopentanizer)・カラムと、デイソペンタナイザ・カラムの出口に結合され、第2の分割壁カラムを含む異性化(isomerization)ユニットとを含む。第2の分割壁カラムは、第2の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、第1のイソメレート(isomerate)・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第2のイソメレート・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的なプロセスはまた、デイソペンタナイザ・カラムとスタビライザ・カラムとの間に結合された異性化リアクタを含む。
【0005】
いくつかの実施例では、ナフサ・スプリッタ・システムは第3の分割壁カラムを含む。第3の分割壁カラムは、第3の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口と、第1のナフサ・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、第2のナフサ・ストリームの回収のための、第2の中央セクションに関連付けられた出口と、第3のナフサ・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。
【0006】
いくつかの実施例では、スタビライザ・カラムは第1の分割壁カラムに結合される。
【0007】
いくつかの実施例では、異性化リアクタは第2の分割壁カラムの底部分に結合される。
【0008】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムはデイソペンタナイザ・カラムと熱統合される。
【0009】
いくつかの実施例では、処理ユニットは、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、処理ユニットは、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションは、スタビライザとして機能するように構成され、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デエタナイザ(deethanizer)として機能するように構成される。
【0012】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションは、デペンタナイザ(depentanizer)として機能するように構成され、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デイソヘキサナイザ(deisohexanizer)として機能するように構成される。
【0013】
ナフサ水素処理ユニットと異性化ユニットとを含むシステムのための例示的な熱統合プロセスは、第1の分割壁カラムにフィードを与えることを含む。第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、液体石油ガスの回収のための、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口とを含む。例示的なプロセスは、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションから液体石油ガスを除去することと、第1の分割壁カラムから第2の分割壁カラムに底生成物を供給することとを含む。第2の分割壁カラムは、第2の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口と、第1のナフサ・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、第2のナフサ・ストリームの回収のための、第2の中央セクションに関連付けられた出口と、第3のナフサ・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的なプロセスは、第2の分割壁カラムの上部部分からデイソペンタナイザ・カラムに第1のナフサ・ストリームを供給することと、デイソペンタナイザ・カラムから異性化リアクタに底留分を供給することと、異性化リアクタからスタビライザ・カラムに生成物を供給することと、スタビライザ・カラムから第3の分割壁カラムにイソメレートを供給することとを含む。第3の分割壁カラムは、第3の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、第1のイソメレート・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第2のイソメレート・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的な方法は、第3の分割壁カラムからイソメレートを回収することを含む。
【0014】
いくつかの実施例では、プロセスは、スタビライザ・カラムから第1の分割壁カラムの第1の上部セクションにISOMストリームを供給することを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、プロセスは、第3の分割壁カラムの第2の上部セクションからの流体と、デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することを含む。
【0016】
いくつかの実施例では、プロセスは、第3の分割壁カラムの第1の上部セクションからデイソペンタナイザ・カラムにC5を供給することを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、プロセスは、第3の分割壁カラムから異性化リアクタにC6を供給することを含む。
【0018】
いくつかの実施例では、プロセスは、第1の分割壁カラムの底生成物を第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに供給することを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムはデイソペンタナイザ・カラムと熱統合される。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムは、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションは、スタビライザとして機能するように構成され、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デエタナイザとして機能するように構成される。
【0023】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションは、デペンタナイザとして機能するように構成され、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デイソヘキサナイザとして機能するように構成される。
【0024】
本開示は、添付図とともに読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。業界における慣例に従って、様々な特徴が一定の縮尺で描かれていないことを強調する。事実上、様々な特徴の寸法は、説明の明快のために、任意に大きくされるか、又は小さくされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のナフサ水素処理及び異性化プロセス方式を示す図である。
図2】本開示の態様による、NHTユニット及びISOMユニットのための熱統合DWCプロセス方式を示す図である。
図3A】従来のナフサ・スプリッタを示す図である。
図3B】本開示の態様による、DWCナフサ・スプリッタを示す図である。
図4A】従来のスプリッタを示す図である。
図4B】本開示の態様による、LPG回収のためのDWCを示す図である。
図5】本開示の態様による、デイソペンタナイザとデイソヘキサナイザDWCとの間のオーバーヘッド熱統合を示す図である。
図6A】従来のデペンタナイザ・カラム及びデイソヘキサナイザ・カラムを示す図である。
図6B】本開示の態様による、デペンタナイザ/デイソヘキサナイザDWCを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の開示は、様々な実施例の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施例又は実例を与えることを理解されたい。本開示を簡略化するために、構成要件及び配置の具体的な実例について以下で説明する。これらは、もちろん、実例に過ぎず、限定的なものではない。さらに、本開示は、様々な実例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡単さ及び明快さの目的のためであり、説明される様々な実施例及び/又は構成間の関係をそれ自体で規定するものではない。
【0027】
DWC技術は、複合精製ユニットの効率及び収益性を改善することができる。1つのそのような領域は、一般にカラムのネットワークを備える、ナフサ水素処理(NHT:naphtha hydrotreating)及び異性化(ISOM:isomerization)のような、複合プロセスである。全体的な収益性を改善するためにNHT及びISOMプロセスにおいて2つ又はそれ以上のカラムを組み合わせるためのDWC技術の組込みについて本明細書で説明する。
【0028】
NHT及びISOMユニットは、しばしば、コストがかかり、エネルギーを大量に消費する動作を生じる、高い圧力及び温度で動作する。精製工業におけるNHT及びISOMユニットの需要が増加しているので、DWCは、これらのプロセス方式に革命を起こすことができる。DWCは、プロセスのエネルギー効率を改善するだけでなく、DWCはまた、多数の他の利益を与えることができる。これらの利益は、本格的な従来の方式と比較して、より少ない資本投資、及び比較的小さいプロット・エリアの必要を含む。
【0029】
プロセス背景
図1のNHTユニット100など、例示的なNHTユニットにおいて、スタビライザ・カラム102は、フィード104からの凝縮不可能なガスをリアクタ・セクションから除去する。上部液体生成物106は、液化石油ガス(LPG:liquefied petroleum gas)生成物110を回収するために、スタビライザ・カラム102からデエタナイザ・カラム108に供給される。底生成物112は、スタビライザ・カラム102から、第1のナフサ・スプリッタ114と第2のナフサ・スプリッタ116とを備える2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスに供給される。2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスは、軽質ナフサ(たいていC5~C6成分)118と、ミッドカット(mid-cut)ナフサ(C7)120と、重質ナフサ(C8以上重質)122とを分離する。軽質ナフサ118は、デイソペンタナイザ・カラム124の上部からi-C5リッチ・ストリーム126を分離するために、デイソペンタナイザ・カラム124によって処理される。n-C5以上重質又は底留分128はISOMリアクタ130に供給される。
【0030】
たいていのプロセス方式では、スタビライザ・カラム102は、比較的費用がかかる中間圧力(MP:medium-pressure)蒸気の使用を必要とする、高圧で動作する。さらに、部分凝結の使用により、有意なC3~C4損失がオフガス中で観測される。このことは、オフガスからLPG生成物110を回収するための補助デエタナイザ・カラム108の使用につながる。異性化フィードは、2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスにおいて底生成物112から作成される。
【0031】
まだ図1を参照すると、ISOMユニット150は、スタビライザ・カラム154と、デペンタナイザ・カラム156と、デイソヘキサナイザ・カラム158とを含む、多数のカラムを備える。デイソペンタナイザ・カラム124はフィード及びリサイクル・ストリームから高オクタンi-C5 126成分を分離する。デイソペンタナイザ・カラム124の底からの低オクタン成分(n-C5以上重質留分128)は、いくつかの軽質成分とともに、高オクタン成分を生成するためにISOMリアクタ130に送られる。ISOMリアクタ130からの生成物131はスタビライザ・カラム154に供給される。スタビライザ・カラム154は、オフガス中のより軽質の炭化水素(C4-)160を除去する。
【0032】
安定化されたイソメレート162は、C5を濃縮するためにデペンタナイザ・カラム156に供給される。C5 157はデペンタナイザ・カラム156からデイソペンタナイザ・カラム124にリサイクルされる。いくつかの態様では、C5 157の一部分はデペンタナイザ・カラム156にリサイクルされる。下流デイソヘキサナイザ・カラム158は、次いで、濃縮されたn-C6カット168とともに、軽質イソメレート164(主にi-C6)及び重質イソメレート166(主にC7+カット)を分離する。濃縮されたn-C6カット168は、オクタン向上のためにISOMリアクタ130にリサイクルされる。
【0033】
DWCは、従来の蒸留塔における内因性熱力学的設計欠陥を除去する原理に基づいて働く。これらの欠陥のうちの1つは、2つのストリームのロケーションに基づく、フィードとサイド・カットとの逆混合(back-mixing)により起こる。サイド・カットの品質は、より軽質の成分又はより重質の成分の汚染の影響を受ける。DWCを使用すると、この問題がなくなり、より良い品質のサイド・カットが生成される。したがって、図1の2ナフサ・スプリッタ動作は本発明の単一のDWC中で可能にされる。図1のカラムのシリーズは、プロセス全体の効率を改善するためにDWC技術を組み込む良好な機会を提示する。DWCは、従来の方式と同じ製品仕様を達成しながら、2つ又はそれ以上のカラムの動作を組み合わせるために利用され得る。その結果、資本投資は20%~30%だけ下げられる。その上、これらのカラムは、より低い温度で動作させられるか、又はより低いユーティリティ要件を有するかのいずれかであり得る。DWC構成を用いると、20%~30%の範囲内のエネルギー節約が期待される。
【0034】
NHTユニット及びISOMユニット中の分割壁カラム
図1のNHTユニット100及びISOMユニット150と比較すると、図2のNHTユニット100及びISOMユニット150はDWCを含むように変更されている。たとえば、図1のスタビライザ・カラム102及びデエタナイザ108は上部分割壁LPG回収カラム202と置き換えられており、ナフサ・スプリッタ114、116はDWCナフサ・スプリッタ220と置き換えられており、デペンタナイザ・カラム156及びデイソヘキサナイザ・カラム158はDWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250と置き換えられている。上部分割壁LPG回収カラム202は、上部分割壁LPG回収カラム202の上部部分を、基本的に、独立したカラムとして動作する2つの半分(上部セクション204及び上部セクション206)に分離する壁203を、その上部分割壁LPG回収カラム202の内部に含む。壁203は2つの側の間の相互混合又は漏洩を防止する。その結果、別個のユニット動作が上部分割壁LPG回収カラム202内で実行され得る。
【0035】
図3A及び図3Bは、図1の2つのナフサ・スプリッタ114、116と図2のDWCナフサ・スプリッタ220との対照比較を示す。DWCナフサ・スプリッタ220は、DWCナフサ・スプリッタ220を2つの中央セクション224、226に分割する中央壁222を有する。上部分割壁LPG回収カラム202からの底生成物112はDWCナフサ・スプリッタ220の中央セクション224に供給される。軽質ナフサ118はDWCナフサ・スプリッタ220の上部からデイソペンタナイザ124に供給される。DWCナフサ・スプリッタ220はまた、サイド・カットとしてミッドカット・ナフサ120を分離し、底生成物として重質ナフサ122を分離する。
【0036】
図4A及び図4Bは、図1のスタビライザ102及びデエタナイザ108と図2の上部分割壁LPG回収カラム202との対照比較を示す。上部分割壁LPG回収カラム202は、上部分割壁LPG回収カラム202を2つの上部セクション204、206に分割する上壁203を有する。フィード104、及び随意にISOMストリーム216は上部セクション204に入る。上部分割壁LPG回収カラム202の一実施例では、上部セクション204は吸収のために使用され、上部セクション206は蒸留のために使用される。さらに、壁203によって作成された並行分離ゾーンは、個々のカラム(すなわち、スタビライザ・カラム102及びデエタナイザ・カラム108)を含むNHTユニット100と比較して、上部分割壁LPG回収カラム202の全高を最小にする傾向がある。同様の数の理論段(又はトレイ)が所望の分離のために2つのゾーン中に収容され得る。
【0037】
重質炭化水素ストリームは上部分割壁LPG回収カラム202の吸収セクション204からC3~C4成分のオフガス208をストリップする。これらの成分は、LPG生成物110として蒸留側206で濃縮され、除去される。上部分割壁LPG回収カラム202からの底生成物112の部分214は、フィードが好適な量のC5を含んでいる場合、リサイクルされて吸収セクション204に戻され、吸収のために使用され得る。代替的に、希薄なナフサ・ストリームは、より重質のC5ストリームと一緒に、又は単独で吸収媒質として使用され得る。ISOMストリーム216など、C3~C4成分がリッチである、精製器中の他のオフガス・ストリームは、LPG回収を改善するために上部分割壁LPG回収カラム202に供給され得る(図2及び図4参照)。その結果、他のスタビライザは比較的低圧及び低温の加熱ユーティリティの下で動作させられ得る。
【0038】
図5は、デペンタナイザ・カラム156及びデイソヘキサナイザ・カラム158など、デペンタナイザ・カラム及びデイソヘキサナイザ・カラムの動作を組み合わせる、上部DWCコンセプトを示す。DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250の第1の上部セクション252は、C5成分(たとえば、スタビライザ154からのC5成分)を濃縮するための予分留(prefractionation)カラムとして働く。中質沸騰成分(C6)及び重質沸騰成分(C7以上重質)は、DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250を、主分留(main fractionation)側として働く第2の上部セクション254へ押し下げられる。C6イソメレートは上部セクション254から上部生成物164として分離される。濃縮されたn-C6ストリーム168は、分割壁251の底の下のロケーションからサイド・カットとして除去され、ISOMリアクタ130にリサイクルされる。C7+カットの底生成物は重質イソメレート166として得られる。いくつかの実施例では、第2の上部セクション254は、ライン260、261を介してデイソペンタナイザ・カラム124と熱統合される。ライン260、261は、第2の上部セクション254からの流体とデイソペンタナイザ・カラム124の底生成物との間で熱を交換する、熱交換器262に結合される。図2図6は、示されたカラムに関連付けられた他の熱交換器を示す。様々な実施例では、これらの熱交換器は、本明細書で説明したプロセスの流体間で熱を伝達するために、必要に応じて使用され得る。図6A及び図6Bは、図1のデエタナイザ・カラム108及びデイソペンタナイザ・カラム124と図2のDWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250との対照比較を示す。
【0039】
高いユーティリティ・コストをもつ領域について、さらなるエネルギー節約が上部DWCのオーバーヘッド熱統合によって可能である(たとえば図5及び図6参照)。DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250は高い圧力で動作する。その結果、主分留側254の熱いオーバーヘッド蒸気が、NHTユニット中のデイソペンタナイザ・カラム124に熱負荷(heating duty)を与えるために使用され得る(図5及び図6参照)。ストリームは、デイソペンタナイザ・カラム124によって必要とされる全負荷を与えることが可能であり、さもなければ、カラムは、一般に低圧蒸気で動作する。
【0040】
様々な実施例では、図2図6の態様は、本明細書で説明した発明的DWCを含む、新しいシステムを創造するために、NHTユニット100及びISOMユニット150に組み込まれ得る。
【0041】
NHTユニット及びISOMユニット中のDWCのネットワークの利益は以下の表1及び表2に要約されている。
【表1】

【表2】
【0042】
DWCは、異性化及びナフサ水素処理など、複合精製プロセスの資本及びエネルギー・コストを低減する画期的な方法を与える。DWC技術をNHT/ISOMプロセス方式に統合すると、構成全体のためのカラム及び関連する機器の数の減少、LPG回収の改善、加熱のために使用される低い温度ユーティリティによるエネルギー・コストの低減、及びカラム内部のより良い熱統合を含む、実質的な利益を得ることができる。
「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるように、大体指定されたものであるが、必ずしも完全に指定されたものではない(指定されたものを含む。たとえば、実質的に90度は90度を含み、実質的に平行は平行を含む)として定義される。開示された実施例では、「実質的に」、「約」、「概して」、及び「ほぼ」という用語は、指定されたもの「の[パーセンテージ]以内の」で代用され得、パーセンテージは0.1パーセント、1パーセント、5パーセント、及び10パーセントを含む。
【0043】
上記は、当業者が本開示の態様をより良く理解し得るように、いくつかの実施例の特徴を概説している。当業者は、当業者が、本明細書でもたらされる実施例の同じ目的を実行するか、及び/又はそれらの実施例の同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計するか又は修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを諒解すべきである。当業者はまた、そのような等価な構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、及び当業者が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明における様々な変更、代用及び改変を行い得ることを認識すべきである。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の文言のみによって決定されるべきである。特許請求の範囲内の「備える」という用語は、請求項中の要素の記載された列挙が開放型グループであるように、「少なくとも…を含む」を意味するものである。「1」、「1つの」という用語及び他の単数用語は、特に除外されない限り、それらの用語の複数形を含むものとする。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2023-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の分割壁カラムを備えるナフサ水素処理ユニットであって、前記第1の分割壁カラムが、
前記第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
液体石油ガスの回収のための、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
前記第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口と
を備える、ナフサ水素処理ユニットと、
前記ナフサ・スプリッタ・システムのナフサ・スプリッタのアウトプットに結合されたデイソペンタナイザ・カラムと、
前記デイソペンタナイザ・カラムの出口に結合され、前記第2の分割壁カラムを備える異性化ユニットであって、前記第2の分割壁カラムが、
前記第2の分割壁カラムの上部部分を前記第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
前記異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、
第1のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
第2のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、異性化ユニットと、
前記デイソペンタナイザ・カラムと前記スタビライザ・カラムとの間に結合された異性化リアクタと
を備え、前記デイソペンタナイザ・カラムは、前記第2の分割壁カラムの第1の上部セクションに結合される、処理ユニット。
【請求項2】
前記ナフサ・スプリッタ・システムが第3の分割壁カラムを備え、前記第3の分割壁カラムが、
前記第3の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、
前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口と、
第1のナフサ・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、
第2のナフサ・ストリームの回収のための、前記第2の中央セクションに関連付けられた出口と、
第3のナフサ・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項3】
前記スタビライザ・カラムが前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに結合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項4】
前記異性化リアクタが前記第2の分割壁カラムの前記底部分に結合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項5】
前記第2の分割壁カラムが前記デイソペンタナイザ・カラムと熱統合された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項6】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口をさらに備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項7】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口をさらに備える、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項8】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、スタビライザとして機能するように構成され、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デエタナイザとして機能するように構成された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項9】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、デペンタナイザとして機能するように構成され、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デイソヘキサナイザとして機能するように構成された、請求項1に記載の処理ユニット。
【請求項10】
ナフサ水素処理ユニットと異性化ユニットとを備えるシステムのための、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションからの流体と、前記デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することによる熱統合プロセスであって、前記プロセスは、
第1の分割壁カラムにフィードを与えることであって、前記第1の分割壁カラムが、
前記第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
液体石油ガスの回収のための、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
前記第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口と
を備える、第1の分割壁カラムにフィードを与えることと、
前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションから液体石油ガスを除去することと、
前記第1の分割壁カラムから第の分割壁カラムに底生成物を供給することであって、前記第の分割壁カラムが、
前記第の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、
前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口と、
第1のナフサ・ストリームの回収のための、前記第の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、
第2のナフサ・ストリームの回収のための、前記第3の分割壁コラムの前記第2の中央セクションに関連付けられた出口と、
第3のナフサ・ストリームの回収のための、前記第の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、底生成物を供給することと、
前記第の分割壁カラムの前記上部部分からデイソペンタナイザ・カラムに前記第1のナフサ・ストリームを供給することと、
前記デイソペンタナイザ・カラムから異性化リアクタに底留分を供給することと、
前記異性化リアクタからスタビライザ・カラムに生成物を供給することと、
前記スタビライザ・カラムから第の分割壁カラムにイソメレートを供給することであって、前記第の分割壁カラムが、
前記第の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、
前記異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、
第1のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第の分割壁カラムの前記第2の上部セクションに関連付けられた出口と、
第2のイソメレート・ストリームの回収のための、前記第の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口と
を備える、イソメレートを供給することと、
前記第の分割壁カラムからイソメレートを回収することと
を含む、熱統合プロセス。
【請求項11】
前記スタビライザ・カラムから前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションにISOMストリームを供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第3の分割壁カラムの前記第2の上部セクションからの流体と、前記デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第3の分割壁カラムの前記第1の上部セクションから前記デイソペンタナイザ・カラムにC5を供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第3の分割壁カラムから前記異性化リアクタにC6を供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の分割壁カラムの底生成物を前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに供給することをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションからの流体と、前記デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することにより、前記第2の分割壁カラムが前記デイソペンタナイザ・カラムと熱統合された、請求項10に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の分割壁カラムが、前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記第1の分割壁カラムの前記底部分に結合された入口をさらに備える、請求項10に記載のプロセス。
【請求項18】
前記第2の分割壁カラムが、前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションに関連付けられ、前記デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口をさらに備える、請求項10に記載のプロセス。
【請求項19】
前記第1の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、スタビライザとして機能するように構成され、前記第1の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デエタナイザとして機能するように構成された、請求項10に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第2の分割壁カラムの前記第1の上部セクションが、デペンタナイザとして機能するように構成され、前記第2の分割壁カラムの前記第2の上部セクションが、デイソヘキサナイザとして機能するように構成された、請求項10に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2018年4月30日に出願した米国仮特許出願第62/664、762号からの優先権を主張し、その米国仮特許出願の開示全体を参照により組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示の様々な態様のより良い理解を促すための背景情報を与える。本書のこのセクション中の記述はこの観点で読まれるべきであり、従来技術を承認するものとして読まれるべきでないことを理解されたい。
【0003】
精製工業における分割壁カラム(DWC:dividing wall column)適用例の大部分は、レトロフィット・カラムであろうが、グラスルーツ・カラムであろうが、スタンドアロン・カラムからなる。機能的なDWCは、一般に、ナフサ・スプリッタ及びリフォーメート・スプリッタ中で遭遇される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な処理ユニットは、第1の分割壁カラム(divided wall column)を備えるナフサ水素処理(hydrotreating)ユニットを含む。第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、液体石油ガスの回収のための、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口とを含む。例示的な処理ユニットはまた、ナフサ・スプリッタのアウトプット(output)に結合されたデイソペンタナイザ(deisopentanizer)・カラムと、デイソペンタナイザ・カラムの出口に結合され、第2の分割壁カラムを含む異性化(isomerization)ユニットとを含む。第2の分割壁カラムは、第2の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、第1のイソメレート(isomerate)・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第2のイソメレート・ストリームの回収のための、第2の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的なプロセスはまた、デイソペンタナイザ・カラムとスタビライザ・カラムとの間に結合された異性化リアクタを含む。
【0005】
いくつかの実施例では、ナフサ・スプリッタ・システムは第3の分割壁カラムを含む。第3の分割壁カラムは、第3の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口と、第1のナフサ・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、第2のナフサ・ストリームの回収のための、第2の中央セクションに関連付けられた出口と、第3のナフサ・ストリームの回収のための、第3の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。
【0006】
いくつかの実施例では、スタビライザ・カラムは第1の分割壁カラムに結合される。
【0007】
いくつかの実施例では、異性化リアクタは第2の分割壁カラムの底部分に結合される。
【0008】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムはデイソペンタナイザ・カラムと熱統合される。
【0009】
いくつかの実施例では、処理ユニットは、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、処理ユニットは、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションは、スタビライザとして機能するように構成され、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デエタナイザ(deethanizer)として機能するように構成される。
【0012】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションは、デペンタナイザ(depentanizer)として機能するように構成され、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デイソヘキサナイザ(deisohexanizer)として機能するように構成される。
【0013】
ナフサ水素処理ユニットと異性化ユニットとを含むシステムのための例示的な熱統合プロセスは、第1の分割壁カラムにフィードを与えることを含む。第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、液体石油ガスの回収のための、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第1の分割壁カラムの底部分に関連付けられ、ナフサ・スプリッタ・システムに結合された出口とを含む。例示的なプロセスは、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションから液体石油ガスを除去することと、第1の分割壁カラムから第の分割壁カラムに底生成物を供給することとを含む。第の分割壁カラムは、第の分割壁カラムの中央部分を第1の中央セクション及び第2の中央セクションに分割する壁と、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口と、第1のナフサ・ストリームの回収のための、第の分割壁カラムの上部部分に関連付けられた出口と、第2のナフサ・ストリームの回収のための、第2の中央セクションに関連付けられた出口と、第3のナフサ・ストリームの回収のための、第の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的なプロセスは、第の分割壁カラムの上部部分からデイソペンタナイザ・カラムに第1のナフサ・ストリームを供給することと、デイソペンタナイザ・カラムから異性化リアクタに底留分を供給することと、異性化リアクタからスタビライザ・カラムに生成物を供給することと、スタビライザ・カラムから第の分割壁カラムにイソメレートを供給することとを含む。第の分割壁カラムは、第の分割壁カラムの上部部分を第1の上部セクション及び第2の上部セクションに分割する壁と、異性化ユニットのスタビライザ・カラムの出口に結合された入口と、第1のイソメレート・ストリームの回収のための、第の分割壁カラムの第2の上部セクションに関連付けられた出口と、第2のイソメレート・ストリームの回収のための、第の分割壁カラムの底部分に関連付けられた出口とを含む。例示的な方法は、第の分割壁カラムからイソメレートを回収することを含む。
【0014】
いくつかの実施例では、プロセスは、スタビライザ・カラムから第1の分割壁カラムの第1の上部セクションにISOMストリームを供給することを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、プロセスは、第の分割壁カラムの第2の上部セクションからの流体と、デイソペンタナイザ・カラムの底生成物との間で熱を交換することを含む。
【0016】
いくつかの実施例では、プロセスは、第の分割壁カラムの第1の上部セクションからデイソペンタナイザ・カラムにC5を供給することを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、プロセスは、第3の分割壁カラムから異性化リアクタにC6を供給することを含む。
【0018】
いくつかの実施例では、プロセスは、第1の分割壁カラムの底生成物を第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに供給することを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムはデイソペンタナイザ・カラムと熱統合される。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムは、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、第1の分割壁カラムの底部分に結合された入口を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムは、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションに関連付けられ、デイソペンタナイザ・カラムに結合された出口を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、第1の分割壁カラムの第1の上部セクションは、スタビライザとして機能するように構成され、第1の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デエタナイザとして機能するように構成される。
【0023】
いくつかの実施例では、第2の分割壁カラムの第1の上部セクションは、デペンタナイザとして機能するように構成され、第2の分割壁カラムの第2の上部セクションは、デイソヘキサナイザとして機能するように構成される。
【0024】
本開示は、添付図とともに読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。業界における慣例に従って、様々な特徴が一定の縮尺で描かれていないことを強調する。事実上、様々な特徴の寸法は、説明の明快のために、任意に大きくされるか、又は小さくされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のナフサ水素処理及び異性化プロセス方式を示す図である。
図2】本開示の態様による、NHTユニット及びISOMユニットのための熱統合DWCプロセス方式を示す図である。
図3A】従来のナフサ・スプリッタを示す図である。
図3B】本開示の態様による、DWCナフサ・スプリッタを示す図である。
図4A】従来のスプリッタを示す図である。
図4B】本開示の態様による、LPG回収のためのDWCを示す図である。
図5】本開示の態様による、デイソペンタナイザとデイソヘキサナイザDWCとの間のオーバーヘッド熱統合を示す図である。
図6A】従来のデペンタナイザ・カラム及びデイソヘキサナイザ・カラムを示す図である。
図6B】本開示の態様による、デペンタナイザ/デイソヘキサナイザDWCを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の開示は、様々な実施例の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施例又は実例を与えることを理解されたい。本開示を簡略化するために、構成要件及び配置の具体的な実例について以下で説明する。これらは、もちろん、実例に過ぎず、限定的なものではない。さらに、本開示は、様々な実例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡単さ及び明快さの目的のためであり、説明される様々な実施例及び/又は構成間の関係をそれ自体で規定するものではない。
【0027】
DWC技術は、複合精製ユニットの効率及び収益性を改善することができる。1つのそのような領域は、一般にカラムのネットワークを備える、ナフサ水素処理(NHT:naphtha hydrotreating)及び異性化(ISOM:isomerization)のような、複合プロセスである。全体的な収益性を改善するためにNHT及びISOMプロセスにおいて2つ又はそれ以上のカラムを組み合わせるためのDWC技術の組込みについて本明細書で説明する。
【0028】
NHT及びISOMユニットは、しばしば、コストがかかり、エネルギーを大量に消費する動作を生じる、高い圧力及び温度で動作する。精製工業におけるNHT及びISOMユニットの需要が増加しているので、DWCは、これらのプロセス方式に革命を起こすことができる。DWCは、プロセスのエネルギー効率を改善するだけでなく、DWCはまた、多数の他の利益を与えることができる。これらの利益は、本格的な従来の方式と比較して、より少ない資本投資、及び比較的小さいプロット・エリアの必要を含む。
【0029】
プロセス背景
図1のNHTユニット100など、例示的なNHTユニットにおいて、スタビライザ・カラム102は、フィード104からの凝縮不可能なガスをリアクタ・セクションから除去する。上部液体生成物106は、液化石油ガス(LPG:liquefied petroleum gas)生成物110を回収するために、スタビライザ・カラム102からデエタナイザ・カラム108に供給される。底生成物112は、スタビライザ・カラム102から、第1のナフサ・スプリッタ114と第2のナフサ・スプリッタ116とを備える2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスに供給される。2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスは、軽質ナフサ(たいていC5~C6成分)118と、ミッドカット(mid-cut)ナフサ(C7)120と、重質ナフサ(C8以上重質)122とを分離する。軽質ナフサ118は、デイソペンタナイザ・カラム124の上部からi-C5リッチ・ストリーム126を分離するために、デイソペンタナイザ・カラム124によって処理される。n-C5以上重質又は底留分128はISOMリアクタ130に供給される。
【0030】
たいていのプロセス方式では、スタビライザ・カラム102は、比較的費用がかかる中間圧力(MP:medium-pressure)蒸気の使用を必要とする、高圧で動作する。さらに、部分凝結の使用により、有意なC3~C4損失がオフガス中で観測される。このことは、オフガスからLPG生成物110を回収するための補助デエタナイザ・カラム108の使用につながる。異性化フィードは、2カラム・ナフサ・スプリッタ・シーケンスにおいて底生成物112から作成される。
【0031】
まだ図1を参照すると、ISOMユニット150は、スタビライザ・カラム154と、デペンタナイザ・カラム156と、デイソヘキサナイザ・カラム158とを含む、多数のカラムを備える。デイソペンタナイザ・カラム124はフィード及びリサイクル・ストリームから高オクタンi-C5 126成分を分離する。デイソペンタナイザ・カラム124の底からの低オクタン成分(n-C5以上重質留分128)は、いくつかの軽質成分とともに、高オクタン成分を生成するためにISOMリアクタ130に送られる。ISOMリアクタ130からの生成物131はスタビライザ・カラム154に供給される。スタビライザ・カラム154は、オフガス中のより軽質の炭化水素(C4-)160を除去する。
【0032】
安定化されたイソメレート162は、C5を濃縮するためにデペンタナイザ・カラム156に供給される。C5 157はデペンタナイザ・カラム156からデイソペンタナイザ・カラム124にリサイクルされる。いくつかの態様では、C5 157の一部分はデペンタナイザ・カラム156にリサイクルされる。下流デイソヘキサナイザ・カラム158は、次いで、濃縮されたn-C6カット168とともに、軽質イソメレート164(主にi-C6)及び重質イソメレート166(主にC7+カット)を分離する。濃縮されたn-C6カット168は、オクタン向上のためにISOMリアクタ130にリサイクルされる。
【0033】
DWCは、従来の蒸留塔における内因性熱力学的設計欠陥を除去する原理に基づいて働く。これらの欠陥のうちの1つは、2つのストリームのロケーションに基づく、フィードとサイド・カットとの逆混合(back-mixing)により起こる。サイド・カットの品質は、より軽質の成分又はより重質の成分の汚染の影響を受ける。DWCを使用すると、この問題がなくなり、より良い品質のサイド・カットが生成される。したがって、図1の2ナフサ・スプリッタ動作は本発明の単一のDWC中で可能にされる。図1のカラムのシリーズは、プロセス全体の効率を改善するためにDWC技術を組み込む良好な機会を提示する。DWCは、従来の方式と同じ製品仕様を達成しながら、2つ又はそれ以上のカラムの動作を組み合わせるために利用され得る。その結果、資本投資は20%~30%だけ下げられる。その上、これらのカラムは、より低い温度で動作させられるか、又はより低いユーティリティ要件を有するかのいずれかであり得る。DWC構成を用いると、20%~30%の範囲内のエネルギー節約が期待される。
【0034】
NHTユニット及びISOMユニット中の分割壁カラム
図1のNHTユニット100及びISOMユニット150と比較すると、図2のNHTユニット100及びISOMユニット150はDWCを含むように変更されている。たとえば、図1のスタビライザ・カラム102及びデエタナイザ108は上部分割壁LPG回収カラム202と置き換えられており、ナフサ・スプリッタ114、116はDWCナフサ・スプリッタ220と置き換えられており、デペンタナイザ・カラム156及びデイソヘキサナイザ・カラム158はDWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250と置き換えられている。上部分割壁LPG回収カラム202は、上部分割壁LPG回収カラム202の上部部分を、基本的に、独立したカラムとして動作する2つの半分(上部セクション204及び上部セクション206)に分離する壁203を、その上部分割壁LPG回収カラム202の内部に含む。壁203は2つの側の間の相互混合又は漏洩を防止する。その結果、別個のユニット動作が上部分割壁LPG回収カラム202内で実行され得る。
【0035】
図3A及び図3Bは、図1の2つのナフサ・スプリッタ114、116と図2のDWCナフサ・スプリッタ220との対照比較を示す。DWCナフサ・スプリッタ220は、DWCナフサ・スプリッタ220を2つの中央セクション224、226に分割する中央壁222を有する。上部分割壁LPG回収カラム202からの底生成物112はDWCナフサ・スプリッタ220の中央セクション224に供給される。軽質ナフサ118はDWCナフサ・スプリッタ220の上部からデイソペンタナイザ124に供給される。DWCナフサ・スプリッタ220はまた、サイド・カットとしてミッドカット・ナフサ120を分離し、底生成物として重質ナフサ122を分離する。
【0036】
図4A及び図4Bは、図1のスタビライザ102及びデエタナイザ108と図2の上部分割壁LPG回収カラム202との対照比較を示す。上部分割壁LPG回収カラム202は、上部分割壁LPG回収カラム202を2つの上部セクション204、206に分割する上壁203を有する。フィード104、及び随意にISOMストリーム216は上部セクション204に入る。上部分割壁LPG回収カラム202の一実施例では、上部セクション204は吸収のために使用され、上部セクション206は蒸留のために使用される。さらに、壁203によって作成された並行分離ゾーンは、個々のカラム(すなわち、スタビライザ・カラム102及びデエタナイザ・カラム108)を含むNHTユニット100と比較して、上部分割壁LPG回収カラム202の全高を最小にする傾向がある。同様の数の理論段(又はトレイ)が所望の分離のために2つのゾーン中に収容され得る。
【0037】
重質炭化水素ストリームは上部分割壁LPG回収カラム202の吸収セクション204からC3~C4成分のオフガス208をストリップする。これらの成分は、LPG生成物110として蒸留側206で濃縮され、除去される。上部分割壁LPG回収カラム202からの底生成物112の部分214は、フィードが好適な量のC5を含んでいる場合、リサイクルされて吸収セクション204に戻され、吸収のために使用され得る。代替的に、希薄なナフサ・ストリームは、より重質のC5ストリームと一緒に、又は単独で吸収媒質として使用され得る。ISOMストリーム216など、C3~C4成分がリッチである、精製器中の他のオフガス・ストリームは、LPG回収を改善するために上部分割壁LPG回収カラム202に供給され得る(図2及び図4参照)。その結果、他のスタビライザは比較的低圧及び低温の加熱ユーティリティの下で動作させられ得る。
【0038】
図5は、デペンタナイザ・カラム156及びデイソヘキサナイザ・カラム158など、デペンタナイザ・カラム及びデイソヘキサナイザ・カラムの動作を組み合わせる、上部DWCコンセプトを示す。DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250の第1の上部セクション252は、C5成分(たとえば、スタビライザ154からのC5成分)を濃縮するための予分留(prefractionation)カラムとして働く。中質沸騰成分(C6)及び重質沸騰成分(C7以上重質)は、DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250を、主分留(main fractionation)側として働く第2の上部セクション254へ押し下げられる。C6イソメレートは上部セクション254から上部生成物164として分離される。濃縮されたn-C6ストリーム168は、分割壁251の底の下のロケーションからサイド・カットとして除去され、ISOMリアクタ130にリサイクルされる。C7+カットの底生成物は重質イソメレート166として得られる。いくつかの実施例では、第2の上部セクション254は、ライン260、261を介してデイソペンタナイザ・カラム124と熱統合される。ライン260、261は、第2の上部セクション254からの流体とデイソペンタナイザ・カラム124の底生成物との間で熱を交換する、熱交換器262に結合される。図2図6は、示されたカラムに関連付けられた他の熱交換器を示す。様々な実施例では、これらの熱交換器は、本明細書で説明したプロセスの流体間で熱を伝達するために、必要に応じて使用され得る。図6A及び図6Bは、図1のデエタナイザ・カラム108及びデイソペンタナイザ・カラム124と図2のDWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250との対照比較を示す。
【0039】
高いユーティリティ・コストをもつ領域について、さらなるエネルギー節約が上部DWCのオーバーヘッド熱統合によって可能である(たとえば図5及び図6参照)。DWCデペンタナイザ/デイソヘキサナイザ・カラム250は高い圧力で動作する。その結果、主分留側254の熱いオーバーヘッド蒸気が、NHTユニット中のデイソペンタナイザ・カラム124に熱負荷(heating duty)を与えるために使用され得る(図5及び図6参照)。ストリームは、デイソペンタナイザ・カラム124によって必要とされる全負荷を与えることが可能であり、さもなければ、カラムは、一般に低圧蒸気で動作する。
【0040】
様々な実施例では、図2図6の態様は、本明細書で説明した発明的DWCを含む、新しいシステムを創造するために、NHTユニット100及びISOMユニット150に組み込まれ得る。
【0041】
NHTユニット及びISOMユニット中のDWCのネットワークの利益は以下の表1及び表2に要約されている。
【表1】

【表2】
【0042】
DWCは、異性化及びナフサ水素処理など、複合精製プロセスの資本及びエネルギー・コストを低減する画期的な方法を与える。DWC技術をNHT/ISOMプロセス方式に統合すると、構成全体のためのカラム及び関連する機器の数の減少、LPG回収の改善、加熱のために使用される低い温度ユーティリティによるエネルギー・コストの低減、及びカラム内部のより良い熱統合を含む、実質的な利益を得ることができる。
「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるように、大体指定されたものであるが、必ずしも完全に指定されたものではない(指定されたものを含む。たとえば、実質的に90度は90度を含み、実質的に平行は平行を含む)として定義される。開示された実施例では、「実質的に」、「約」、「概して」、及び「ほぼ」という用語は、指定されたもの「の[パーセンテージ]以内の」で代用され得、パーセンテージは0.1パーセント、1パーセント、5パーセント、及び10パーセントを含む。
【0043】
上記は、当業者が本開示の態様をより良く理解し得るように、いくつかの実施例の特徴を概説している。当業者は、当業者が、本明細書でもたらされる実施例の同じ目的を実行するか、及び/又はそれらの実施例の同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計するか又は修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを諒解すべきである。当業者はまた、そのような等価な構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、及び当業者が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明における様々な変更、代用及び改変を行い得ることを認識すべきである。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の文言のみによって決定されるべきである。特許請求の範囲内の「備える」という用語は、請求項中の要素の記載された列挙が開放型グループであるように、「少なくとも…を含む」を意味するものである。「1」、「1つの」という用語及び他の単数用語は、特に除外されない限り、それらの用語の複数形を含むものとする。
【外国語明細書】