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特開2023-85452レーザ制御を伴うソリッドステートLIDAR送光機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085452
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】レーザ制御を伴うソリッドステートLIDAR送光機
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20230613BHJP
   H01S 5/042 20060101ALN20230613BHJP
【FI】
G01S7/484
H01S5/042 630
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023061218
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2021559434の分割
【原出願日】2020-04-06
(31)【優先権主張番号】62/831,668
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518370091
【氏名又は名称】オプシス テック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. ドノバン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ハレル
(72)【発明者】
【氏名】ノーム ザイオニー
(72)【発明者】
【氏名】モルデハイ カスピ
(72)【発明者】
【氏名】メイア フォーゲル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レーザ制御を伴うソリッドステートLIDAR送光機の提供。
【解決手段】行列アドレス指定可能レーザ駆動回路を伴う、ソリッドステートLIDAR送光機は、第1の電圧電位を行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の列に提供する、第1の電気バスと、第2の電圧電位を行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の行に提供する、第2の電気バスとを含む。複数の列スイッチが、複数の列を第1の電気バスに接続する。複数の行スイッチが、複数の行を第2の電気バスに接続する。送光機は、レーザダイオードを別のダイオードと直列に備える、複数の一連の接続されたダイオードを含み、複数の一連の接続されたダイオードの個別のものは、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の個別の列と行との間に電気的に接続され、LIDAR送光機を形成する。第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、一連の接続されたダイオードの全体的逆絶縁破壊電圧を増加させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で使用される見出しは、編成目的のみのためのものであって、いかようにも本願に説明される主題の限定として解釈されるべきではない。
(関連出願の相互参照)
【0002】
本願は、2019年4月9日に出願され、「Solid-State LIDAR Transmitter with Laser Control」と題された、米国仮特許出願第62/831,668号の非仮特許出願である。米国仮特許出願第62/831,668号の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
自律、自動運転、および半自律自動車は、周囲の物体の検出および位置特定のために、レーダ、画像認識カメラ、および超音波変換器等の異なるセンサおよび技術の組み合わせを使用する。これらのセンサは、衝突警告、自動緊急制動、車線逸脱警告、車線逸脱防止支援、適応クルーズ制御、およびパイロット運転を含む、運転者の安全性における一連の改良を可能にする。これらのセンサ技術のうち、光検出および測距(LIDAR)システムは、周囲環境のリアルタイム高分解能3次元マッピングを可能にする、重要な役割を果たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本教示は、ここで、付随の図面に示されるようなその例示的実施形態を参照して、さらに詳細に説明されるであろう。本教示は、種々の実施形態および実施例と併せて説明されるが、本教示がそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。本明細書の教示へのアクセスを有する、当業者は、本明細書に説明されるような本開示の範囲内である、付加的実装、修正、および実施形態、および他の使用分野を認識するであろう。
【0005】
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本教示の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書の種々の場所における語句「一実施形態では」の表出は、必ずしも、全て同一実施形態を参照するわけではない。
【0006】
本教示の方法の個々のステップは、本教示が動作可能のままである限り、任意の順序で、および/または同時に、実施されることができることを理解されたい。さらに、本教示の装置および方法は、本教示が動作可能のままである限り、説明される実施形態の任意の数または全てを含むことができることを理解されたい。
【0007】
自律車両のために使用される市販のLIDARシステムの大部分は、今日、環境を機械的に走査するいくつかの方法と組み合わせられた少数のレーザを利用する。現在の自動車用途および将来的自律自動車用途にとって、ソリッドステート半導体ベースのLIDARシステムを利用することが非常に望ましい。ソリッドステートLIDARシステム、特に、可動部品を伴わないものは、現在のLIDARシステムと比較して、より優れた信頼性を呈し、より広い環境動作範囲にわたって動作することができる。LIDARシステムにおいて使用するためのそのようなソリッドステートシステムはまた、物理的にコンパクトであって、比較的に低コストであることができる。
【0008】
ソリッドステートLIDARの1つのアプローチは、所望のFOVにわたって、各レーザを一意の角度で投影させる、多数のレーザを使用し、それによって、機械的走査の必要性を回避することである。しかしながら、それらを個々に動作させる能力を留保しながら、ドライバ回路を多数のレーザに電気的に接続することは、課題である。1つの解決策は、複数のレーザを2D行列の中に配列し、次いで、アレイ内の個々および/または群のレーザを制御し、最適電気特性(例えば、電流、電圧、およびタイミング)を提供し、レーザを活性化させる必要性を同時に満たし得る、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路を採用することである。本教示の方法および装置は、低コストシステムを確実にしながら、レーザの2D行列の個々の制御を可能にする、レーザ制御方法およびシステムアーキテクチャに関する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
行列アドレス指定可能レーザ駆動回路を伴うソリッドステート光検出および測距(LIDAR)送光機であって、前記LIDAR送光機は、
a)第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の列に提供する第1の電気バスと、
b)第2の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の行に提供する第2の電気バスと、
c)複数の列スイッチであって、前記複数の列スイッチはそれぞれ、前記複数の列のうちの1つを前記第1の電気バスに接続する、複数の列スイッチと、
d)複数の行スイッチであって、前記複数の行スイッチはそれぞれ、前記複数の行のうちの1つを前記第2の電気バスに接続する、複数の行スイッチと、
e)第2のダイオードと電気的に直列に接続されたレーザダイオードを備える複数の一連の接続されたダイオードであって、前記複数の一連の接続されたダイオードの個別のものは、前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の個別の列と個別の行との間に電気的に接続され、前記LIDAR送光機を形成し、前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、前記一連の接続されたダイオードの全体的逆絶縁破壊電圧を増加させ、それによって、前記LIDAR送光機が活性化されるとき、光学クロストークを低減させる、複数の一連の接続されたダイオードと
を備える、LIDAR送光機。
(項目2)
前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、関連付けられるレーザダイオードの明るさを増加させる光学利得を発生させるアクティブP-N接合部を備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目3)
前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、光学利得を発生させない、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目4)
前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、フォトダイオードである、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目5)
前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、前記レーザダイオードとモノリシックに統合される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目6)
前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかは、前記レーザダイオードの基板と別個である基板上に位置付けられる、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目7)
前記複数の一連の接続されたダイオードのうちの少なくともいくつかは、前記第1および第2の電気バスによって提供される最大駆動電圧の絶対値を超える全体的逆絶縁破壊電圧を有するように構成される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目8)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、直列に接続された少なくとも2つの開口を備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目9)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、トンネル接合部によって分離された少なくとも2つのアクティブ領域を備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目10)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、面発光レーザダイオードを備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目11)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、垂直共振器面発光レーザダイオードを備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目12)
前記第1の電気バスは、正の電圧を前記レーザダイオードのアノードに提供するように構成される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目13)
前記第2の電気バスは、接地電位を前記レーザダイオードのカソードに提供するように構成される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目14)
前記複数の列スイッチおよび前記複数の行スイッチのうちの少なくともいくつかは、トランジスタを備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目15)
前記複数の列スイッチおよび前記複数の行スイッチのうちの少なくともいくつかは、非対称オン-オフドライバ回路を備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目16)
前記非対称オン-オフドライバ回路は、GaN FETドライバ回路を備える、項目15に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目17)
前記複数の列スイッチのうちの少なくともいくつかおよび前記複数の行スイッチのうちの少なくともいくつかは、拡張MOSFET電力トランジスタを備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目18)
前記複数の列スイッチのうちの少なくともいくつかおよび前記複数の行スイッチのうちの少なくともいくつかは、GaN電力トランジスタを備える、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目19)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、830nm~1000nmの光学放射を発光するように構成される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目20)
前記複数の行の数は、前記複数の列の数と同一である、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目21)
前記複数の行の数は、前記複数の列の数に等しくない、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目22)
前記第1および第2の電圧電位を発生させる電力供給源をさらに備え、前記電力供給源は、前記第1および第2の電圧電位を発生させないとき、低減された電力モードに入るように構成される、項目1に記載のソリッドステートLIDAR送光機。
(項目23)
光検出および測距(LIDAR)光学ビームを発生させる方法であって、前記方法は、
a)第2のダイオードと電気的に直列に接続されたレーザダイオードを備える複数の一連の接続されたダイオードを備えるレーザデバイスの2次元アレイを提供することであって、前記複数の一連の接続されたダイオードの個別のものは、個別の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の列と行との間に電気的に接続される、ことと、
b)前記LIDAR光学ビーム内の光学クロストークが低減されるように、前記第2のダイオードのうちの少なくともいくつかを前記一連の接続されたダイオードの全体的逆絶縁破壊電圧を増加させるように構成することと、
c)第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることと、
d)第2の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された行に切り替え、それによって、レーザデバイスの2次元アレイ内の選択されたレーザダイオードを順にバイアスし、前記一連の接続された第2のダイオードによって光学クロストークが低減された所望のパターンを伴うLIDAR光学ビームの発光を生じさせることと
を含む、方法。
(項目24)
前記第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることは、10Vを上回る電圧を印加することを含む、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目25)
前記第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることは、光パルスの列を備えるLIDAR光学ビームを発生させるように、所定の時間にわたって切り替えることを含む、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目26)
レーザデバイスの2次元アレイが、20ワットを超えるピーク電力を伴う前記LIDAR光学ビームの発光を生じさせるように、前記第1および第2の電圧のうちの少なくとも1つを選択することをさらに含む、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目27)
前記第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることおよび前記第2の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された行に切り替えることは、10ナノ秒未満のパルス持続時間を有するパルスを前記光パルスの列内で発生させる率で実施される、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目28)
前記第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることおよび前記第2の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された行に切り替えることは、パルスが発生されていないとき、電力消散が低減されるように実施される、項目25に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目29)
パルスが発生されていないとき、前記第1および第2の電圧電位を発生させる電力供給源をシャットダウンすることをさらに含む、項目28に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目30)
前記第1の電圧電位を前記行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の選択された列に切り替えることは、前記レーザダイオードの接合部における過渡温度上昇を20℃未満に保つ所定の時間にわたって、切り替えることを含む、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目31)
前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかは、830nm~1,000nmの波長において前記光学ビームを発光する、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
(項目32)
前記第1の電圧電位は、前記レーザダイオードのうちの少なくともいくつかの絶縁破壊電圧を上回る、項目23に記載のLIDAR光学ビームを発生させる方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
好ましいおよび例示的実施形態による、本教示が、そのさらなる利点とともに、付随の図面と関連して検討される以下の詳細な説明により具体的に説明される。当業者は、下記に説明される図面が、例証目的のためだけのものであることを理解するであろう。図面が、必ずしも、正確な縮尺ではなく、強調が、代わりに、概して、本教示の原理を図示することに応じて置かれている。図面は、いかようにも本出願人の教示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0010】
図1A図1Aは、ソリッドステートLIDARシステムの概略図を図示する。
【0011】
図1B図1Bは、図1AのLIDARシステムのシステム視野(FOV)の2次元投影を図示する。
【0012】
図2図2は、本教示による、LIDARシステム内で使用され得る、公知の底部発光型垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)の構造の斜視図を図示する。
【0013】
図3図3は、本教示による、ソリッドステートLIDARシステムにおいて使用するための256個の別個のレーザエミッタを伴う、2次元(2D)モノリシックVCSELアレイの実施形態の概略図を図示する。
【0014】
図4図4は、本教示による、VCSELアレイの個々の半導体レーザの実施形態のための例示的カスケード型2ポート回路モデルを図示する。
【0015】
図5A図5Aは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う、2次元レーザアレイを制御するための行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の実施形態の電気概略図を図示する。
【0016】
図5B図5Bは、本教示による、その中で、行/列行列アドレス指定能力を使用して、2Dレーザアレイ内の単一レーザが活性化される、電圧ドライバとして構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の実施形態を図示する。
【0017】
図5C図5Cは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、高側電流ドライバとして構成される、単一行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0018】
図5D図5Dは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、低側電流ドライバとして構成される、単一行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0019】
図5E図5Eは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、列のための高側電圧ドライバと、行のための低側電圧ドライバと、付加的電圧を行に印加するために使用され得るスイッチとともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0020】
図5F図5Fは、本教示の一実施形態による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路を動作させる1つの方法を示す、電圧電位タイミング図を図示する。
【0021】
図5G図5Gは、本教示の一実施形態による、コンデンサ充電モードにおける高側容量放電回路とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0022】
図5H図5Hは、本教示の一実施形態による、図5Gに関連して説明されるが、レーザダイオード2、2(第2の行および第2の列)のためのコンデンサ放電モードにおける高側容量放電回路とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0023】
図5I図5Iは、本教示の一実施形態による、コンデンサCを横断した、かつ第2の行および第2の列におけるレーザダイオード2、2を横断した、電圧電位を示す、電圧電位タイミング図を図示する。
【0024】
図5J図5Jは、本教示の一実施形態による、コンデンサ充電モードにおける低側容量放電回路とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0025】
図5K図5Kは、本教示の一実施形態による、図5Jに関連して説明されるが、レーザダイオード2、2(第2の行および第2の列)のためのコンデンサ放電モードにおける低側容量放電回路とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の電気概略図を図示する。
【0026】
図5L図5Lは、本教示の一実施形態による、コンデンサCを横断した、かつ第2の行および第2の列におけるレーザダイオード2、2を横断した、電圧電位を示す、電圧電位タイミング図を図示する。
【0027】
図6図6は、本教示による、LIDARシステムレーザアレイ内の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路内のレーザダイオードを電気的に駆動するための組み合わせられた高側および低側GaN FETドライバ回路の実施形態を図示する。
【0028】
図7図7は、本教示による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路内の半導体ダイオードの実施形態に関する典型的電流-電圧曲線を図示する。
【0029】
図8図8は、本教示の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路コントローラの実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2次元アレイ内の単一レーザを活性化させる間に行列内のノードで誘発される電圧を図示する。
【0030】
図9図9は、アレイへの物理的接続が印刷回路基板(PCB)上の関連付けられる電子回路のためのより密度の高いレイアウトを可能にする、本教示による、LIDARシステムアレイの実施形態を図示する。
【0031】
図10図10は、1つのレーザが活性化されるときの可能性として考えられる電気電流経路を示す、本教示による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路制御回路を伴う、2×2レーザアレイの実施形態の概略図を図示する。
【0032】
図11図11は、本教示による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路内の各レーザダイオードと直列の第2のダイオードを有するレーザを備える、2×2レーザアレイの実施形態の概略図を図示する。
【0033】
図12図12は、本教示による、別個の担体の一部である各レーザダイオードと直列に接続された付加的ダイオードを伴う、VCSELアレイを備える、直列の複数のダイオードの実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1Aは、送光機アレイ102内の個々のレーザが独立して発火され得る、ソリッドステートLIDARシステム100の概略図を図示する。図1Aに図示されるシステムは、完全システム視野を全て一度に照明する、フラッシュ送光機を採用しない。代わりに、送光機アレイ102内の各個々のレーザは、独立して発火されることができ、各レーザによって発光される光学ビームは、総システム視野の一部のみに接する、3D投影角度に対応する。そのような送光機の一実施例は、本譲受人の譲渡されている、米国特許公開第2017/0307736A1号に詳細に説明される。米国特許公開第2017/0307736A1号の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0035】
レーザアレイ102内のレーザからの光学ビームは、光学ビーム106を標的平面110において標的108に投影する、送光機光学系104を共有する。入射光学ビーム106からの光の一部は、標的108によって反射される。反射された光学ビーム112の一部は、受光機光学系114を共有する。検出器アレイ116は、受光機光学系114によって投影される、反射された光を受光する。種々の実施形態では、検出器アレイ116は、可動部品を伴わない、ソリッドステートである。検出器アレイ116は、送光機アレイ102が有する個々のレーザより少ない数の個々の検出器要素を有することができる。
【0036】
LIDARシステム100の測定分解能は、検出器アレイ116内の検出器要素のサイズではなく、代わりに、送光機アレイ102内のレーザの数および個々の光学ビームのコリメーションによって決定される。LIDARシステム100内のプロセッサ(図示せず)は、検出器アレイ116において検出されるようなレーザアレイ102内のレーザからの光学ビーム106を反射させる、標的108までの距離を決定する、飛行時間(TOF)測定を実施する。
【0037】
本教示のシステムの1つの特徴は、送光機アレイ102内の個々のレーザおよび/またはレーザの群が個々に制御され得ることである。本教示のシステムの別の特徴は、検出器アレイ116内の個々の検出器および/または検出器の群が個々に制御され得ることである。本制御は、視野、光学的パワーレベル、走査、および/または他の特徴の制御を含む、種々の所望の性能特性を提供する。
【0038】
図1Bは、図1AのLIDARシステムのシステム視野150の2次元投影を図示する。検出器アレイ内の個々の検出器の視野は、小正方形152によって表される。送光機内の個々のレーザと関連付けられる、照明された測定点は、円形154によって図示される。アレイ内の1つのレーザ要素が活性化された場合の実施例として、レーザからの光が、図1AのLIDARシステムの全体的視野内の個々の検出器視野に衝突する。光を受光する、本検出器視野は、特定の正方形156内の斜線マークによって強調され、個々のレーザからの測定点の視野は、特定の暗円形158として示され、これは、レーザアレイ内の具体的個々のレーザに対応する。
【0039】
図1Bから、円形158によって図示される測定点が、個々の検出器内に該当することが分かり得、その個々の検出器の視野は、識別のために、斜交平行線模様パターンを伴う正方形156に示されている。本図は、LIDARシステムのいくつかの実施形態の3D分解能が、各レーザが、標的範囲における円形154のサイズと、個々の検出器要素の視野を表す、円形154および正方形152の相対的サイズとを生じさせる、具体的角度投影角度に対応するため、レーザの数によって決定されることを図示する。したがって、種々の視野は、選択的に活性化され、レーザパルスを送光するための送光機アレイ内の特定の個々または群のレーザ、および/または検出器視野内で受光される光学信号を電気信号に変換するための受光機アレイ内の特定の個々または群の検出器を制御することによって、確立されることができる。本教示の1つの特徴は、標的を照明することが可能なレーザデバイスのアレイのためのそのような選択的デバイス制御を提供することが可能である、アレイ駆動制御システムである。
【0040】
いくつかの実施形態では、検出器アレイ内の個々の検出器の視野は、検出器のアクティブ面積である。アレイ内の個々の検出器サイズは、主として、本デバイスの電気特性によって決定される。例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)検出器のアクティブ面積のサイズが増加するにつれて、検出器の静電容量は、増加し、本デバイスの光電気帯域幅を低減させる。APDの帯域幅は、受信される信号を減衰または歪曲させないように十分に高く維持されなければならない。レーザパルス幅<10nsecを伴い、約1nsecの立ち上がり/立ち下がり時間を有する、LIDARシステム内の光/電気(O/E)帯域幅およびAPD静電容量に関する典型的値は、それぞれ、350MHzおよび2pF未満である。一般に、容認可能電気検出器性能を維持しながら、LIDARシステムの完全視野を網羅するためには、検出器のアレイが、使用されなければならない。アレイの全体的物理的サイズおよび寸法は、要求される視野および受光機の光学レンズシステムの仕様によって決定される。
【0041】
図2は、本教示による、LIDARシステム内で使用され得る、公知の底部発光型VCSEL200の構造の斜視図を図示する。VCSEL200の発光開口202の面積は、典型的には、mW電力動作のための数ミクロンの直径から、100mWおよびそれを上回るCW電力動作のための100ミクロン直径以上のものまで及ぶ。VCSEL200は、例えば、GaAsまたは多数の他の半導体材料であり得る、基板204上に加工される。n型分布Bragg反射器(DBR)層206が、基板上に位置付けられる。アクティブ領域208が、n型DBR層206上に構築され、その後、酸化物材料から作製され得る、開口が続く。p型DBR層212は、次いで、アクティブ領域上に成長される。典型的には、p型DBR層212は、高反射性であって、n型DBR層206は、部分的に反射性であって、層構造の底部基板側から光出力214をもたらす。アクティブ領域208、酸化物開口210、およびp型DBR層212は、示されるデバイスでは、メサ構造内に形成される。上部接点216および底部接点218が、電気電流をアクティブ領域に提供し、出力光を発生させるために使用される。酸化物開口210は、電流閉じ込めをアクティブ領域208に提供する。上部接点216は、p型であって、底部接点218は、n型である。
【0042】
発光開口202は、底部接点218内に形成され、出力光214が、底部発光型VCSEL200の底部基板側から出現することを可能にする。図2は、マルチ要素VCSELアレイの1つのみの要素を図示するため、1つのみの発光開口202が、図2に示されることに留意されたい。本タイプのVCSELは、独立型単一要素であることができる、または1または2次元アレイとして基板204上に加工され得る、複数の要素VCSELの一部であることができる。VCSEL接点216、218は、個々にアドレス指定されることができ、および/またはそれらは、共通電気入力信号を用いてVCSELの群にアドレス指定されるように、種々の構成において、ともに電気的に接続されることができる。本教示の1つの特徴は、LIDARシステム用途のための適切な駆動信号を用いて、アレイ内の1つ以上のVCSEL200デバイスの活性化を制御するためのシステムおよび方法である。
【0043】
いくつかの実施形態では、本教示のソリッドステートLIDARシステムにおいて使用されるVCSELアレイは、モノリシックであって、レーザは全て、その上にレーザが統合された共通基板を共有する。種々の共通基板タイプが、使用されることができる。例えば、共通基板は、半導体材料であってもよい。共通基板はまた、セラミック材料を含んでもよい。他の実施形態では、2D VCSELアレイは、1Dバーまたはさらに個々のダイの群から組み立てられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、VCSELは、上部発光型VCSELデバイスである。他の実施形態では、VCSELデバイスは、底部発光型VCSELである。個々のVCSELデバイスは、単一大発光開口のいずれかを有してもよい、または個々のVCSELデバイスは、より大きい有効発光直径内の2つ以上のサブ開口から形成されてもよい。より大きい有効発光領域を形成する、サブ開口の群は、時として、クラスタとも称される。
【0045】
図3は、本教示による、ソリッドステートLIDARシステムにおいて使用するための256個の別個のレーザエミッタ302を伴う、2DモノリシックVCSELアレイ300の実施形態の概略図を図示する。各レーザエミッタ302は、直径「a」304の発光開口を有する。各単一レーザエミッタ302からの発光は、完全発光開口を実質的に充填する。各レーザエミッタ302は、したがって、初期直径「a」を伴うレーザビームを発生させ、これは、発光開口の直径「a」304に等しい。レーザエミッタ302は、間隔dx306を伴って、水平方向に均一に離間され、間隔dy308を伴って、垂直方向に均一に離間される。最外レーザの中心から測定されたアレイの全体的サイズは、水平方向において距離Dx310であって、垂直方向において距離Dy312である。実際のチップサイズは、距離Dx310および距離Dy312より寸法が若干大きいであろう。種々の実施形態では、エミッタ302は、円形エミッタ形状以外の種々の形状を伴う、ビームを生成することができる。例えば、卵形、正方形、長方形、および種々の特殊形状が、種々の実施形態では、実現され得る。レーザが2Dアレイとして配列される、実施形態では、レーザの行および列は、行列アドレス指定可能方式において電気的に駆動されることができる。
【0046】
本教示のいくつかの実施形態は、図3に示される構成等、レーザあたり単一の大開口を伴う、VCSELデバイスの底部発光型高出力アレイを利用する。本教示の他の実施形態は、サブ開口を備える全体的発光面積を伴う、VCSELの上部発光型または底部発光型高出力アレイを利用する。しかしながら、当業者は、本教示が、上部および底部発光型VCSELデバイスおよび関連付けられる発光開口の任意の特定の構成に限定されないことを理解するであろう。
【0047】
2次元VCSELアレイは、本教示による、LIDARシステムのための構築ブロックとして使用され、送光機のための小物理的サイズを可能にする、プラットフォームを確立することができる。例えば、256個の高出力の個々のレーザを伴う、2D VCSELアレイが、約4mm×4mmである、モノリシックチップ上に構築されることができる。そのようなモノリシックチップは、例えば、マイクロレンズアレイ、寸法20mm未満の共有レンズ、または約20mmの最大寸法の回折光学系の使用を通して、物理的寸法を可能な限り小さく保つように選定される、光学系とともに使用されることができる。
【0048】
しかしながら、本教示による、LIDARシステムは、ある要件を2D VCSELアレイに課す。特に、2D VCSELアレイは、全てのVCSELデバイスの同時制御を独立して可能にすることが望ましい。本教示のLIDARシステムのいくつかの動作モードでは、行列内の各VCSELは、異なる時間に発火される。そのような動作に関して、VCSELアレイは、レーザが、個々に発火され得るが、常時、同時ではない、行列アドレス指定可能方式で動作される必要がある。
【0049】
図4は、本教示による、VCSELアレイの個々の半導体レーザの実施形態のための例示的カスケード型2ポート回路モデル400を図示する。固有のレーザ接合部は、ダイオード402の一般に公知の記号によって表される。レーザ光を発光する、レーザのアクティブ領域は、ダイオードのp-n接合部間に挟入される。回路モデル400は、電圧Vを供給する、ドライバ接続404と、金属接点406の電気特性とを含む。加えて、回路モデル400は、寄生要素408を含み、これは、寄生パッド電流408iおよび寄生チップ電流410iの形態における、パッド抵抗損失を含む。
【0050】
一実施形態では、本教示のソリッドステートLIDARシステムは、異種統合技法を使用して組み立てられる、VCSELデバイスを使用する。例えば、これらのデバイスは、シリコン電子機器にフリップチップ接合され、VCSELに接続し、それを電気的に駆動する高度にコンパクトな方法を提供することができる。例えば、Plant et al.の「256-Channel Bidirectional Optical Interconnect Using VCSELs and Photodiodes on CMOS」(IEEE Journal of Lightwave Technology, Vol. 19, No. 8, August 2001)を参照されたい。また、「Electro-Optical Chip Assembly」と題された米国特許第7,702,191号および「Optical Illuminator that Fire Devices in Parallel」と題された米国特許第8,675,706号も参照されたい。しかしながら、これらの公知の異種統合技法は、主として、複数のチャネルの同時並行動作がデータ伝送スループットを増加させるための解決策として所望される、光学通信市場における用途を対象としている。
【0051】
図5Aは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイ500として構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の実施形態の電気概略図を図示する。便宜上、本および以下の図では、ダイオード記号502は、ここでは、レーザを表すために使用されるが、レーザは、図4に関連して説明されるモデル400によってより正確に表され、そのようなモデルは、実際の設計において使用されるであろうことを理解されたい。また、便宜上、ダイオードの4×4行列のみが、概略図500に示され、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路を駆動する、電圧および/または電流ドライバは、示されない。しかしながら、実践では、レーザダイオードの行列は、M×Nであって、MおよびNは、2を上回るまたはそれに等しい、恣意的整数であって、いくつかの実施形態では、MおよびNは、大きい数であることを理解されたい。
【0052】
2Dレーザアレイ500のための行列アドレス指定可能レーザ駆動回路は、VCSELデバイス502が、アノード504、504’、504’’、504’’’に接続されるように構成される。VCSELデバイス502の行は、カソード506、506’、506’’、506’’’によって接続される。概略図500に図示される、本アノード列およびカソード行接続構成は、個々のレーザ502が、単一レーザ502のカソードおよびアノードへの個々のアクセスの必要なく、行および列の動作を通して、オン/オフにされることを可能にする。
【0053】
図5Bは、本教示による、その中で、2Dレーザアレイ500内の単一レーザ502が、行/列行列アドレス指定能力を使用して活性化される、電圧ドライバとして構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の実施形態を図示する。電力供給源548が、一連のスイッチ556、556’、556’’、556’’’を用いてアノード504、504’、504’’、504’’’の列に電気的に接続されたアノード接点電気バス554と、一連のスイッチ558、558’、558’’、558’’’を用いてカソード506、506’、506’’、506’’’の行に接続された接地バス552とを介して、接地552に対して電圧電位550を印加する。電力供給源548は、所望の電圧電位波形を伴う、電圧電位550 Vを発生させる。活性化され、オンにされている、そのVCSELのためのアノードの列は、スイッチ556’を介して、VCSELダイオード550を順にバイアスするために十分に高い電圧電位550に接続される。そのVCSELを含有する、カソード506’の行は、スイッチ558’を介して接地バス552に接続され、回路を完成させ、それによって、電流が、VCSELを通して流動し、光を発光するように、レーザを活性化させることを可能にする。他のカソードおよびアノードは、「開」条件に設定され、それらは、開スイッチ556、556’’、556’’’および開スイッチ558、558’’、558’’’を有することによって、電力供給源548によって任意の具体的電圧レベルを提供されない。
【0054】
図5Bに示される回路の代替実施形態では、カソード506、506’’、および506”’’は、「開」ではなく、代わりに、電力供給源548(または別の電力供給源)に接続され、これは、動作の間、これは、V+未満である、ある所定の電圧レベルに設定される電圧を伴う、電圧電位波形を提供する。換言すると、図5Bに示される接地バス552上の電位は、接地電位ではあり得ず、代わりに、動作の間、電圧電位550が所定の電圧に対して印加されるように、V+未満である、電力供給源548によって設定される電圧レベルであることができる。これらの実施形態では、スイッチ556、556’’、556’’’、558、558’’、558’’’は、アノードまたはカソード電圧電位550と、本定義された電圧レベルに設定される、電圧源(図示せず)との間でトグル切替するであろう。本代替実施形態は、低減されたクロストーク等の性能利点を有することができる。本実施形態を実装する、より詳細な回路は、図5Eに関連して説明される。
【0055】
本教示のレーザアレイコントローラの1つの特徴は、種々のレーザ駆動回路を使用して、所望のレーザ駆動特性を提供することである。いくつかの実施形態では、レーザを駆動する、電力供給源548は、高電流短持続時間パルスを発生させる。これらの実施形態では、電力供給源548は、必要な高電流かつ短持続時間のパルスを提供するように設計される。また、行列は、電力供給源548に、定義された電圧を伴う電位波形(いわゆる電圧ドライバ)または定義された電流レベルを伴う電流波形(いわゆる電流ドライバ)を印加させることによって、動作されることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、電力供給源548は、パルスが発生されていないとき、電力消散を低減させる、波形を生成するように構成される。これは、例えば、短持続時間パルスの印加の間の休止時間の間、電力供給源548の出力のほぼまたは完全シャットダウンを提供する、回路構成を使用することによって、達成されることができる。1つのそのような実施形態では、電力供給源は、短持続時間パルスが発生され、次いで、パルスが発生される前のウェイクアップ周期の間、レーザドライバを活性化させる。電力供給源548は、パルスが発火された後に開始されるパルス間の時間にわたって、波形シャットダウンを生成する。本波形シャットダウン周期は、短持続時間パルスが再び発生される前のウェイクアップ周期に先行する。いくつかの電力供給源はまた、電力消費をさらに低減させるために使用される、「より低い電力」状態を有する。例えば、実践的実装では、電力供給源内のコントローラまたは別個のコントローラが、以下のコマンド、すなわち、(1)レーザドライバ電力供給源を「低電力状態」にする、(2)レーザドライバ電力供給源を「ウェイクアップ」モードにする、(3)レーザドライバ電力供給源出力を「オン」にする、(4)レーザドライバ電力供給源出力を「オフ」にする、および(5)レーザドライバを「低電力状態」に戻す等の一連のコマンドを実行することができる。
【0057】
図5Cは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、高側電流ドライバとして構成される、単一行列アドレス指定可能レーザ駆動回路570の電気概略図を図示する。レーザ駆動回路570として構成される、高側は、電力供給源の電位V+に結合される、FETソースと、レーザダイオード574のアノードに結合される、FETドレインとを伴う、電界効果トランジスタ(FET)572を含む。レーザダイオード574のための駆動電流は、レーザ電流が駆動電圧に比例するように、電圧制御された電流源576によって提供される。
【0058】
図5Dは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、低側電流ドライバとして構成される、単一行列アドレス指定可能レーザ駆動回路580の電気概略図を図示する。レーザドライバ580は、電力供給源に結合される入力を有する、電圧制御された電流源582を含む。電圧制御された電流源582の出力は、レーザダイオード584のアノードに接続される。電界効果トランジスタ(FET)586は、レーザダイオード584のアノードに結合される、ソースと、接地に結合される、ドレインとを有する。
【0059】
図5Eは、本教示の一実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2Dレーザアレイと併用され得る、列のための高側電圧ドライバ591、行のための低側電圧ドライバ592、および付加的電圧を行に印加するために使用され得る、スイッチとともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590の電気概略図を図示する。分圧器回路593が、2Dレーザアレイの行間の電圧を設定するために使用される。分圧器回路593は、充電信号をそのFETゲートに印加することによって制御される。レーザダイオード594は、その関連付けられる寄生コンデンサとともに示される。
【0060】
行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590の構成は、図5Bに示される回路の代替実施形態に類似するが、レーザダイオードのカソードは、通常動作の間、接地電位ではなく、代わりに、別の電位にある。しかしながら、本回路では、スイッチ593の追加は、カソードに印加される電圧のより高度な制御を可能にする。図5Eに示される行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590構成では、レーザダイオードのカソードは、分圧器593によって決定された電位にあって、これは、そのFETゲートに印加される充電信号によって制御される。カソードが接地電位以外の電位にあるように、レーザダイオードが逆バイアスされるように、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590を動作させることは、多数の性能利点を有することができる。1つのそのような性能利点は、レーザダイオード間のクロストークが有意に低減され得ることである。
【0061】
図5Fは、図5Eに関連して説明される行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590を動作させる1つの方法を示す、電圧タイミング図599を図示する。波形は、高側電圧ドライバ591に印加される列駆動信号C2 595、低側電圧ドライバ592に印加される行駆動信号R2 596、および分圧器593に印加される充電信号597に関して示される。
【0062】
光学パルスは、列駆動信号595および行駆動信号596が両方とも高であるときのみ発生される。行駆動信号のパルス持続時間は、光学パルス幅を決定する。デューティサイクルは、種々の動作パラメータに依存する。例えば、動作の1つの方法では、光学パルスのデューティサイクルは、1%であって。列駆動信号595パルスは、行駆動信号596パルスより長い。これは、行パルスと列パルスとの間の競合を防止する。
【0063】
本教示の方法および装置の1つの重要な特徴は、種々のレーザドライバ回路構成および動作方法が、クロストークを低減させ、したがって、性能を増加させることである。図5Eに関連して説明される行列アドレス指定可能レーザ駆動回路590を参照すると、クロストークは、レーザダイオードが、電気経路を介して、その関連付けられる寄生コンデンサおよび低側ドライバを通して間接的に活性化されるときに生じ得る。本望ましくない結果は、レーザダイオード594を逆バイアスに設定する、寄生コンデンサを電圧+Vまで充電することによって、図5Eに示される構成において防止されることができる。したがって、所望のレーザダイオードが、活性化されると、光を発光する他のレーザダイオードは、存在しないはずである。しかしながら、レーザダイオード594を持続逆バイアス条件にバイアスする方法は、増加されたデバイス故障率をもたらし、全体的デバイス信頼性を低下させるであろう。本教示による1つの解決策は、レーザダイオードが意図的に活性化されていないとき、デューティサイクルの残りの間、低側ドライバを活性化させ、レーザダイオードの寄生コンデンサを放電させることである。例えば、活性化は、典型的には、1%デューティサイクルにわたって、約99%のオフ持続時間の間に行われるであろう。
【0064】
図5Gは、コンデンサ充電モードにおける高側容量放電回路622とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路620の電気概略図を図示する。駆動回路620は、図5Aに関連して説明される駆動回路500に類似するが、高側容量放電回路622を含む。コンデンサ充電モードでは、全ての高側スイッチ624および全ての低側スイッチ626は、開放され、それによって、コンデンサC1-C3 630が、ある時間定数を伴って、これは、-Vとして示される、駆動回路620に印加される完全電位まで充電することを可能にする。
【0065】
図5Hは、図5Gに関連して説明される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路620の電気概略図を図示するが、レーザダイオード2、2(第2の行および第2の列)のためのコンデンサ放電モードにおける高側容量放電回路622とともに構成される。レーザダイオード2、2のためのコンデンサ放電モードでは、高側スイッチ624および低側スイッチ626は両方とも、閉鎖され、経路632内で電気電流の放電を生じさせる。
【0066】
図5Iは、コンデンサCを横断した、かつ第2の行および第2の列内のレーザダイオード2、2を横断した電圧電位を示す、電圧電位タイミング図635を図示する。スイッチLS2およびHS2は、初期時間tまで閉鎖される。時間tの前に、電位C2+は、接地電位にあって、電位C2-は、-V電位にある。時間tでは、スイッチLS2 626およびHS2 624は、閉鎖され、電位C2-を接地電位に遷移させ、電位C2+を+V電位まで充電させ、時間tにおいてこれらの電位に到達する。レーザダイオード2、2のアノードが、+V電位まで充電した後、コンデンサC2は、レーザダイオード2、2を介して、電位C2+から放電させ、それによって、光学パルスを発生させる。時間tでは、スイッチLS2およびHS2は、閉鎖され、後続パルスのための条件を開始する。本切替シーケンスの結果は、放電制御方法が、電力消費がパルス幅から独立する、アナログ駆動パルスを発生させることをもたらす。
【0067】
図5Jは、コンデンサ充電モードにおける低側容量放電回路642とともに構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路640の電気概略図を図示する。駆動回路640は、図5Aに関連して説明される駆動回路500に類似するが、低側容量放電回路642を含む。コンデンサ充電モードでは、全ての低側スイッチ644および全ての高側スイッチ646は、開放され、それによって、コンデンサC1-C3 626が、ある時間定数を伴って、+V電位として示される、駆動回路640に印加される完全電位まで充電することを可能にする。
【0068】
図5Kは、図5Jに関連して説明される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路640の電気概略図を図示するが、レーザダイオード2、2(第2の行および第2の列)のためのコンデンサ放電モードにおける低側容量放電回路642とともに構成される。レーザダイオード2、2のためのコンデンサ放電モードでは、高側スイッチおよび低側スイッチは両方とも、閉鎖され、経路648内で電気電流の放電を生じさせる。
【0069】
図5Lは、コンデンサCを横断した、第2の行および第2の列内のレーザダイオード2、2を横断した、電圧電位を示す、電圧電位タイミング図650を図示する。スイッチLS2およびHS2は、最初に、開放される。時間tの前に、スイッチLS2およびHS2が、開放されると、コンデンサC2上のC2+電位は、+V電位にあって、C2-電位は、接地電位にある。時間tでは、スイッチLS2およびHS2は、閉鎖され、C2+を接地に駆動し、C2-に接地から-Vに充電を開始させる。時間tでは、コンデンサC2は、ある時間定数を伴って、レーザダイオード2、2を介して、放電を開始し、それによって、レーザダイオード2、2に光学パルスを発生させる。時間tでは、スイッチLS2およびHS2は、閉鎖され、それによって、次のパルスのための条件を開始する。本切替シーケンスの結果もまた、放電制御方法が、電力消費がパルス幅から独立する、アナログ駆動パルスを発生させることをもたらす。
【0070】
図6は、本教示による、LIDARシステムレーザアレイ内の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路内のレーザダイオードを電気的に駆動するための組み合わせられた高側および低側GaN FETドライバ回路600の実施形態を図示する。そのようなドライバ回路は、当技術分野では、非対称オン-オフドライバ回路とも称される。本教示のLIDARシステムの種々の実施形態では、駆動回路600は、駆動回路600が、高側駆動電気入力602と、低側駆動電気入力604とを含む、オン-オフドライバとして構成される、図5A-Bに示される、列/行アノード/カソード接続のそれぞれに接続される。
図5Bおよび図6の両方をより具体的に参照すると、電気概略500内のセル560は、以下の方法において駆動回路600とともに構成される。トランジスタ602、Q1は、電圧電位550をレーザアノード504に接続する、スイッチ556に対応する。トランジスタ604、Q2は、接地552をレーザカソード506に接続する、スイッチ558に対応する。高側ドライバ入力606は、トランジスタ602のゲートに電気的に接続される。低側ドライバ入力608は、トランジスタ604のゲートに電気的に接続される。
【0071】
非対称オン-オフドライバ回路600は、良好に制御された短持続時間高バイアス電流パルスをレーザ接合部610の中に注入し、レーザを活性化させ、それに光を発光させるために好適である。パルス状TOF LIDARシステムに関して、理想的光学的パワー出力パルスは、数ナノ秒持続時間範囲内にあるべきであって、その持続時間にわたって、高ピーク出力電力を提供すべきである。いくつかの実施形態では、非対称オン-オフドライバ回路600は、レーザからのピーク出力電力が、眼の安全限界にある、または最低でもそれを下回るように構成および動作される。
【0072】
本教示の1つの特徴は、アレイ駆動制御回路が、レーザエミッタの電流-電圧(IV)曲線の特性に基づいて、駆動を最適化するように構成され得ることである。図7は、本教示による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路内の半導体ダイオード702の実施形態のための典型的電流-電圧曲線700を図示する。電流-電圧曲線は、VCSELデバイスを通して流動する電気電流とVCSELデバイスを横断して印加される電圧との間の関係を図式的に表す。図7に示されるように、レーザダイオード702が、順にバイアスされると、アノード704における電圧は、カソード706に対して正となり、順または正の電流708は、ダイオード702を通して流動するであろう。ダイオードの電流-電圧特性は、非線形であって、正の電流708に関して、閾値電圧Vth710を超えた後、公称上ゼロから指数関数的に増加する。
【0073】
レーザダイオードが、カソードにおける電圧がアノードに対して正である、逆方向にバイアスされると、レーザダイオードは、非常にわずかな漏れ電流を除き、電流流動を遮断する。レーザダイオードは、ダイオードを横断した逆電圧がその絶縁破壊電圧(Vbr712)を上回るまで、電流流動を遮断し続ける。いったん絶縁破壊に到達すると、電流は、負の方向に指数関数的に増加し、電圧および電流が、比較的に高いため、自己電力消散もまた、比較的に高く、レーザダイオードは、その結果、過熱し、燃え切るであろう。光は、順バイアス条件下においてレーザから発生される。
【0074】
各個々のレーザの電流-電圧挙動は、レーザ駆動回路を制御し、個々のレーザを活性化させる方法と組み合わせられ、レーザアレイの動作性能および信頼性に有意に影響を及ぼす。本教示の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路の1つの特徴は、それらが光学クロストーク等の有害な効果を最小限にするように構成され得ることである。光学クロストークは、活性化させるために意図的に順にバイアスされる単一レーザ以外のアレイ内の他のレーザが、活性化されたレーザに供給される電気駆動回路からの電流および/または電圧漏出のため、同時に順にバイアスされるときに生じる。結果として、他のレーザも、光を発光するが、本発光は、所望されない。そのような光学クロストーク状況は、照明されるように意図されなかった測定点を照明し、および/または意図されるものより広い標的面積を照明することによって、有害な影響をLIDARシステムの性能に及ぼす。
【0075】
図8は、本教示の行列アドレス指定可能レーザ駆動回路コントローラ800の実施形態による、行/列行列アドレス指定能力を伴う2次元アレイ内の単一レーザを活性化させる間に行列内のノードに誘発される電圧を図示する。行列アドレス指定可能レーザ駆動回路コントローラ800は、図5Bに関連して説明される実施形態の動作と同様に、電圧を行列内の全てのノードに提供する。例えば、スイッチ802は、第2の列を供給電圧804に接続し、スイッチ806は、レーザの第2の行を接地808に接続する。本スイッチ構成は、接地808へのスイッチ806の接続によって意図的に接地された行を除き、電圧V’810を全ての行のアノードに誘発させる。電圧V’810は、電圧V’’812をアレイ内の各レーザの対応するカソードに生じさせる。電圧V’810およびV’’812の正確な値は、V+804の関数および具体的レーザダイオードのための実際の電流-電圧曲線である。
【0076】
供給電圧804の値が、レーザパルスの逆絶縁破壊電圧未満である場合、レーザの順電圧降下、すなわち、V+の絶対値は、VbrおよびVthの和未満であって、レーザダイオードを通して流動する逆方向電流は、ほぼ存在しないであろう。そのような条件は、デバイス信頼性を改良する。また、カソードにおける電圧が、閾値電圧、すなわち未満、V<Vthである場合、アクティブレーザ814と同一行上のダイオードを通して流動する順電流は、ほぼ存在しないであろう。
【0077】
図9は、本教示による、VCSELアレイチップ900が担体902上に搭載される、LIDARシステムの実施形態を図示する。アレイへの物理的接続は、印刷回路基板(PCB)基板上の関連付けられる電子回路のためのより密度の高いレイアウトを可能にする。アドレス指定可能VCSELデバイスの9つの小開口908を備える、エミッタクラスタ906の16×16アレイ904が、示される。担体902は、それぞれ、アレイ904の行縁914または列縁914’へのワイヤ接合912、912’と接続される、いくつかの電気縁コネクタ910、910’を有する。アノードおよびカソードへの接続は、その上でPCBがVCSELに接続される、電気回路の側を交互させる。本接続の交互パターンは、行および列回路網間でPCB上により広いピッチをもたらし、これは、GaN
FETが、VCSELアレイにより密接に設置され、電気回路のためのよりコンパクトなレイアウトをもたらし、物理的占有面積を低減させることを可能にする。
【0078】
上記に記載されるように、本教示のLIDARシステムの一側面は、最小数の要求される電気ドライバを用いて、レーザアレイ内の2D行列アドレス指定可能構成内に位置する各VCSELを個々に活性化させる能力である。アレイが、行/列毎に行列アドレス指定可能様式で駆動されるとき、ドライバの最小要求数は、M+Nに等しく、それぞれ、Mは、列の数であって、Nは、行の数である。対照的に、アレイ内の各VCSELデバイスが、その独自の専用ドライバを有する場合、ドライバの数は、M×Nに等しいものよりはるかに多くなるであろう。例えば、本明細書に説明される行列アドレス指定を使用する、16×16要素のVCSELアレイは、各VCSELがその独自の専用ドライバを有する場合の256個のドライバと比較して、32個のドライバのみを要求する。
【0079】
行列アドレス指定を用いることでは、全てのレーザの同時の完全独立動作は、達成不可能であることを理解されたい。換言すると、あるレーザのみが、所与の時間に活性化されることができる。しかしながら、本制約は、典型的動作では、それを中心として空間内の測定点が照明されているという曖昧性を有していないために、具体的モノリシックアレイ内の1つのみのレーザが一度に活性化されるため、本明細書に説明されるLIDARシステムにとって有意ではない。具体的モノリシックアレイ内の1つのレーザを一度に活性化させることはまた、クラス1眼安全性を維持するために有用である。
【0080】
さらに、行列アドレス指定は、電子技術分野において周知であることを理解されたい。しかしながら、低デューティサイクルを伴う、短持続時間の超高光学的パワーパルスを要求する、LIDARシステム内における行列アドレス指定の側面の使用は、以前は公知ではなかった。100mにまで及んで動作する(パルス間に1μsecの最小時間)、説明されるような256個のレーザを伴うLIDARシステムは、5nsecパルス持続時間を伴って、わずか0.002%のデューティサイクルを有するであろう。行列アドレス指定は、典型的には、比較的に低ピーク電力(Wと比較してmW)および比較的に長い持続時間パルスを伴って動作する、光学連通レーザデバイスを活性化させるために使用されており、約50%のデューティサイクルである。これらの条件下では、電気駆動要件は、最新のLIDAR用途における高出力レーザの動作と非常に異なる。
【0081】
例えば、905nm波長レーザを使用した100m範囲を上回る動作のために意図されるパルス状TOF LIDARシステムは、典型的には、20ワット超のピーク電力および10ナノ秒未満のパルス時間持続時間を伴う、光学パルスを要求するであろう。個々のレーザ上の対応する駆動電圧および電流は、レーザデバイスがパルス状条件下では1W/A効率を有すると仮定して、数十ボルト範囲および数十アンペア範囲内である。当然ながら、10Vを上回る電圧が行列アドレス指定可能アレイに印加された状態では、望ましくない電気および光学クロストークの有意な可能性が存在する。また、行列内のVCSELデバイスが、逆バイアス条件がそのような電圧に伴って存在するとき、損傷または破壊され得る有意な可能性も存在する。
【0082】
レーザの信頼性に影響を及ぼす、一次要因のうちの1つは、平均および過渡の両方のデバイスの温度である。パルスエネルギーが、デバイスの過渡温度上昇を十分に低く保つように制御される場合、ピーク電流および電圧値は、パルスの持続時間が十分に短い限り、比較的に高くあり得る。熱暴走が重要な懸念である、逆バイアス条件でさえ、過渡逆電流は、接合部の近傍の温度上昇が十分に低い限り、信頼性のために容認可能であり得る。例えば、ある比熱および密度に関するGaAsの材料性質を仮定すると、2ミクロン厚および100ミクロンの直径の接合部の中への1μJのパルスは、その接合部に関して約9℃の温度上昇をもたらすであろう。5nsecの持続時間の20V/10A正方形パルスは、1μJエネルギーに匹敵する。結果として生じる過渡温度上昇は、約数度のみであって、したがって、デバイスの信頼性を低下させるために十分ではない可能性が高いであろう。
【0083】
図10は、1つのレーザ1002が活性化されるときの可能性として考えられる電気電流経路を示す、本教示による、行列駆動制御回路1000を伴う、2×2レーザアレイの実施形態の概略図を図示する。便宜上、2×2行列のみが、本略図に示される。2×2行列の電気挙動は、より大きいM×N行列に拡張されることができることを理解されたい。
【0084】
図10は、最新のLIDAR用途のために必要な高電圧から結果として生じる電位問題を図示するために提示される。図10では、VCSELデバイスL22 1002は、列2 1004が、駆動電圧バス1006、V+に接続され、行2 1008が、接地バス1010に接続されるため、意図的に順にバイアスされ、光を発光する。VCSELデバイスL22を通した電流流動は、略図内に矢印を伴う実線1012によって示される。理想的には、行列内の全ての他のVCSELデバイス1014、1016、1018は、行1 1020および列1 1022が開放され、接地バス1010またはV+バス1006のいずれかに接続されないことにより、オフにされる。
【0085】
しかしながら、実線1012の一次経路に加え、第2の電流経路の可能性が存在する。本第2の電流経路は、指向性矢印を伴う破線1024によって示される。バス1006上のV+が、スイッチ1026、1028を閉鎖することによって、列2 1004に印加されると、VCSELデバイス1016 L12は、本経路が、電流が流動し得ない、公称上開回路であるという条件を充足するために、バス1006上のV+をアノードに印加させ、示される電圧V’1030が、カソードに誘発されるであろう。バス1006上の電圧V+が、最初に、列2 1004に印加されるとき、電圧V’1030は、最初に、ゼロであり得ることに留意されたい。これが生じるとき、VCSELデバイスL12 1016およびL22 1018の十分な順電圧を伴う過渡電流が、それに望ましくない光を発光させる可能性が存在し、これは、光学クロストークをもたらす。本状況では、クロストークは、VCSELデバイスL22 1002によって発生される光ではない、視野内に生成される付加的望ましくない光である。
【0086】
カソードが所与の行内で接続される結果として、電圧V’1030はまた、VCSELデバイスL11 1014のカソードにも印加され、これは、直ちに、VCSELデバイスL11 1014を逆バイアス条件に置くことになるであろう。電圧V’’1032が、電流/電圧関係を充足するために、VCSELデバイスL11 1014のアノードに誘発されるであろう。電圧V’1030が、L11 1014の逆絶縁破壊電圧未満である場合、電流流動は、典型的には、1μA未満である。L11 1014を通したわずかな電流流動もまた、L21 1018を通して流動し、それを順バイアス条件下に置くであろう。電圧V’’は、L21 1018の順IV曲線に対応するであろう。光がL21から発光されることを回避するために、L21 1018を通した電流は、LIDAR用途のための10~100mAの範囲内であることが予期され得る、レーザ閾値電流を下回るべきである。
【0087】
しかしながら、電圧V’1030が、VCSELデバイスL11 1014の絶縁破壊電圧を上回る場合、はるかに高い電流が、回路を通して流動するであろう。本電流が、L21 1018のための閾値電流を上回る場合、光は、VCSELデバイスL12 1016およびVCSELデバイスL21 1018の両方において発光され、これは、望ましくない光学クロストークの発生をもたらすであろう。したがって、電圧V’1030は、恣意的に大きくあることができないが、代わりに、常時、VCSELデバイスの逆絶縁破壊電圧未満であるか、または少なくとも、対応する経路を通した電流流動が、光をこれらの2つのVCSELデバイスL12 1016およびL21 1018から発光させるために十分ではないかのいずれかであるために、制約されなければならないことを理解されたい。
【0088】
したがって、本教示の一側面は、望ましくない光学クロストークを回避するために、LIDAR用途のために使用される特定のVCSELデバイスのための逆絶縁破壊電圧未満であるように電圧V’1030を制約することが望ましいということの認識である。加えて、逆バイアス条件下の持続される電流流動は、他の要因の中でもとりわけ、時間、電流流動と関連付けられるエネルギー、およびレーザダイオード内の結果として生じる熱上昇に応じて、レーザダイオードの潜在的信頼性問題となり得るため、望ましくない。
【0089】
電圧V’1030が、デバイス1014、1016、および1018を通した有意な過渡電流流動をもたらす、動作条件下では、パルスエネルギーは、信頼性に有意に影響を及ぼさないために十分に低くあるべきであって、これらのデバイス内の過渡温度上昇は、20℃未満であるべきである。
【0090】
LIDAR用途のための多くの公知のVCSELデバイス構造の使用は、10V~80Vの電圧が、典型的には、最先端LIDAR用途のために要求される高出力光学パルスを発生させるために要求される一方、単一アクティブ領域を伴う典型的VCSELデバイスのための逆絶縁破壊電圧が、5V~15Vの範囲内であるため、望ましくない光学クロストークの発生をもたらすであろう。
【0091】
したがって、本教示による、行列アドレス指定可能制御回路を使用して、LIDAR用途のためのレーザアレイを駆動する、LIDARシステムの別の側面は、光学クロストークを低減または排除する一方、高信頼性を有する、望ましい動作仕様を有する、VCSELデバイス自体の設計である。すなわち、本教示による、VCSELデバイスは、動作条件が、望ましくない光学クロストークがシステム性能に影響を及ぼさないように防止するように具体的に設計される。望ましくない光学クロストークを防止する1つの方法は、絶縁破壊条件に入らずに、比較的に高逆バイアス動作条件を達成し得る、レーザ構造を伴う、VCSELデバイスを加工することである。
【0092】
thまたはVbrまたは両方を増加させ得る、1つの可能性として考えられるレーザ構造は、VCSELデバイス内に直列の複数の接合部を含む。直列の複数の接合部を伴う、レーザ構造は、アクティブ接合部を分離する、トンネル接合部を使用したデバイス内で実証されている。複数の接合部を伴う、多数の他の類似レーザ構造も、使用されることができることを理解されたい。複数の接合部を使用することは、パルス電圧および電流が高いため、Vthを増加させるであろうが、効率およびデバイス性能への影響は、本願では、典型的には、容認可能である。
【0093】
図11は、本教示による、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路1100内の各レーザダイオードと直列の第2のダイオードを有するレーザを備える、2×2レーザアレイの実施形態の概略図を図示する。図10に関連して説明される2×2レーザアレイ1000の概略図と同様に、レーザアレイ1100は、VCSELデバイス1102、1104、1106、1108を行列内に含む。加えて、第2のダイオードデバイス1110、1112、1114、1116は、レーザダイオード1102、1104、1106、1108と電気的に直列に接続される。いくつかの実施形態では、VCSELデバイス1102、1104、1106、1108は、GaAsレーザダイオードであって、第2のダイオードデバイス1110、1112、1114、1116は、シリコンダイオードである。図10に関連して説明される2×2レーザアレイ1000の概略図と同様に、駆動電圧バス1118、接地バス1120、2つの列1122、1124、および2つの行1126、1128が存在する。
【0094】
動作時、2つのスイッチ1132、1134が、閉鎖されると、レーザ駆動電流が、矢印によって示される方向に、太線で示される経路1130を通して流動する。第2のダイオード1110、1112、1114、1116は、列および行アノードとカソード接続との間の順電圧降下を増加させるであろう。しかしながら、GaAsレーザダイオードの典型的順電圧降下は、約2V~3Vであって、シリコンダイオードに関しては約1V~2Vであって、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路1100が、高光学的パワーを各レーザから発生させるように設計され、したがって、典型的には、10V超の駆動電圧で動作するため、付加的順電圧降下は、有意ではない。したがって、本付加的順電圧降下は、主要な影響を性能に及ぼし得ない。いくつかの実施形態では、1つを上回る付加的ダイオードが、レーザダイオードと直列で追加される。
【0095】
異なる実施形態は、異なるダイオードタイプを使用して、直列に接続された第2のダイオード1110、1112、1114、1116または直列に接続された複数の付加的ダイオードを実装する。例えば、いくつかの実施形態は、個別のレーザ1102、1104、1106、1108をチップ内に伴って、第2のダイオード1110、1112、1114、1116をモノリシックにスタックする。チップは、図2に示されるものに類似するが、1つ以上の一連のダイオードを形成する、付加的層構造を伴う、GaAsチップであってもよい。いくつかの実施形態では、スタックされた第2のダイオードは、有益なこととして、VCSELの明るさを増加させる、光学利得を発生させる、別のアクティブP-N接合部である。他の実施形態では、スタックされた第2のダイオードは、光学的にアクティブではなく、したがって、発生される光に寄与しない。いくつかの実施形態では、スタックされた第2のダイオードは、フォトダイオードである。いくつかの実施形態では、スタックされた構造の実装は、全体的構造の抵抗を比較的に低く保つために、トンネル接合部を利用して、2つのスタックされたダイオードを分離する。
【0096】
スタックまたはカスケード型の複数のダイオード領域を伴う、VCSELデバイスは、当技術分野において公知である。例えば、「Bipolar Cascade VCSEL with 130% Differential Quantum Efficiency」(Annual Report 2000, Optoelectronics Department, University of ULM)を参照されたい。また、マルチダイオードカスケードVCSEL構造が、全体的明るさを増加させるために使用されている。例えば、米国特許公開第US2015/0311673A1号を参照されたい。また、VCSELは、統合されたフォトダイオードとともに加工されている。例えば、米国特許第6,717,972号を参照されたい。しかしながら、先行技術は、そのような構造を使用してLIDAR用途のために構成される、行列アドレス指定可能レーザ駆動回路1100を教示していない。
【0097】
絶縁破壊条件に入らずに、比較的に高逆バイアス動作条件を達成する、本教示による、別のVCSELデバイス構造は、2つ以上のVCSELデバイスを単一レーザエミッタ構成内において直列に接続する。これは、チップ加工プロセスにおいて、アノードおよびカソード接続の適切な配索によって遂行されることができる。
【0098】
高出力VCSELレーザは、単一エミッタ内に並列に接続された1つを上回るエミッタ開口を有することが一般的である。例えば、図9に関連して説明されるVCSELアレイは、アドレス指定可能上部発光型VCSELデバイスの9つの小開口908を備える、16×16アレイ904であって、単一エミッタのそれぞれ内の個々の開口は、並列に接続される。一連の接続されたVCSELデバイスが、最近、高出力用途のために開発されているが、光学クロストークおよび順電圧降下問題は、考慮されていない。例えば、一連の接続された単一チップVCSELデバイスを説明する、米国特許公開第2019/0036308A1号を参照されたい。そのようなデバイスは、本教示に従って、光学クロストークを低減させるように構成されることができる。
【0099】
絶縁破壊条件に入らずに、比較的に高逆バイアス動作条件を達成する、本教示による、別のVCSELデバイス構造は、付加的ダイオードをVCSELデバイスに接合された対合基板またはICの中に組み込む。図12は、本教示による、付加的ダイオード1204が、別個の担体1208の一部である、各レーザダイオード1206と直列に接続されている、VCSELアレイ1202を備える、直列に構成される、複数のダイオードの実施形態1200を図示する。いくつかの実施形態では、担体1208は、集積回路である。例えば、集積回路は、安価なシリコンベースの集積回路であることができる。
【0100】
担体1208は、種々の方法において、アレイ1202に電気的に接続されることができる。例えば、担体1208は、バンプ接合コネクタ1210を使用して、アレイ1202に電気的に接合されることができる。図12に示される構成では、底部発光型VCSELレーザアレイ1202が、担体に接合される。略図は、便宜上、共通カソード接続1212を共有する、VCSELエミッタの単一行のみを示す。アノード接続1214は、略図に示される平面と垂直に延設される。各VCSELダイオード1206は、担体1208上のダイオード1204と対合される。付加的ダイオードは、本明細書に説明される本および他の構成では、直列に追加され、光学クロストークの可能性をさらに低減させることができることを理解されたい。いくつかの構成を用いることで、2を上回るダイオードが、行列内で誘発される所望の逆電圧を達成し、光学クロストークを低減または排除するために、直列に接続された。
均等物
【0101】
本出願人の教示が、種々の実施形態と併せて説明されるが、本出願人の教示がそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本出願人の教示は、当業者によって理解されるであろうように、本教示の精神および範囲から逸脱することなく、その中で行われ得る、種々の代替、修正、および均等物を包含する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】