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特開2023-85503補体依存性細胞溶解のエフェクター機能の調節のための修飾されたヒトIgM定常領域
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085503
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】補体依存性細胞溶解のエフェクター機能の調節のための修飾されたヒトIgM定常領域
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230613BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230613BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230613BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230613BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/00 ZNA
C07K19/00
C12N15/63 Z
C12P21/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062508
(22)【出願日】2023-04-07
(62)【分割の表示】P 2019554816の分割
【原出願日】2018-04-06
(31)【優先権主張番号】62/483,087
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517252624
【氏名又は名称】アイジーエム バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バリガ ラメッシュ
(72)【発明者】
【氏名】エング ディーン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】補体固定及び結果として生じる補体依存性細胞障害(CDC活性)を減らし得るまたは排除し得るIgM重鎖定常領域を提供する。
【解決手段】野生型ヒトIgM定常領域と比べて1つ以上のアミノ酸置換を含む、修飾されたヒトIgM定常領域であって、少なくとも1つのアミノ酸置換が、特定の配列からなるアミノ酸配列のT302からK322に及ぶCμ3ドメイン中のある位置に存在し、且つ、前記修飾されたIgM定常領域と標的抗原に特異的な重鎖可変領域とを含む修飾されたIgM抗体が、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて、前記標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す、前記修飾されたヒトIgM定常領域である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野生型ヒトIgM定常領域と比べて1つ以上のアミノ酸置換を含む、修飾されたヒトIgM定常領域であって、
少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のT302からSEQ ID NO:1のK322に及ぶCμ3ドメイン中のある位置に存在し、且つ、前記修飾されたIgM定常領域と標的抗原に特異的な重鎖可変領域とを含む修飾されたIgM抗体が、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて、前記標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す、前記修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のアミノ酸T302、C303、T304、V305、T306、H307、T308、D309、L310、P311、S312、P313、L314、K315、Q316、T317、I318、S319、R320、P321、及び/またはK322に存在する、請求項1に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のL310位、SEQ ID NO:1のP311位、SEQ ID NO:1のP313位、SEQ ID NO:1のK315位、またはそれらの任意の組み合わせに存在する、請求項2に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項4】
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のL310位に存在する、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項5】
SEQ ID NO:1のL310が、アラニン(L310A)、セリン(L310S)、アスパラギン酸(L310D)、またはグリシン(L310G)で置換されている、請求項4に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項6】
SEQ ID NO:1のL310がアラニン(L310A)で置換されている、請求項5に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項7】
SEQ ID NO:15を含む、請求項6に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項8】
SEQ ID NO:1のL310がアスパラギン酸(L310D)で置換されている、請求項5に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項9】
SEQ ID NO:23を含む、請求項8に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項10】
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のP311位に存在する、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項11】
SEQ ID NO:1のP311が、アラニン(P311A)、セリン(P311S)、またはグリシン(P311G)で置換されている、請求項10に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項12】
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)で置換されている、請求項11に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項13】
SEQ ID NO:2を含む、請求項12に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項14】
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のP313位に存在する、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項15】
SEQ ID NO:1のP313が、アラニン(P313A)、セリン(P313S)、またはグリシン(P313G)で置換されている、請求項14に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項16】
SEQ ID NO:1のP313がセリン(P313S)で置換されている、請求項15に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項17】
SEQ ID NO:3を含む、請求項16に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項18】
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のK315位に存在する、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項19】
SEQ ID NO:1のK315が、アラニン(K315A)、セリン(K315S)、アスパラギン酸(K315D)、グルタミン(K315Q)、またはグリシン(P313G)で置換されている、請求項18に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項20】
SEQ ID NO:1のK315がアラニン(K315A)で置換されている、請求項19に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項21】
SEQ ID NO:16を含む、請求項20に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項22】
SEQ ID NO:1のK315がアスパラギン酸(K315D)で置換されている、請求項19に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項23】
SEQ ID NO:24を含む、請求項22に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項24】
SEQ ID NO:1のK315がグルタミン(K315Q)で置換されている、請求項19に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項25】
SEQ ID NO:25を含む、請求項24に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項26】
SEQ ID NO:1のP311位及びP313位においてアミノ酸置換を含む、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項27】
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)、セリン(P311S)、またはグリシン(P311G)で置換されており、且つSEQ ID NO:1のP313がアラニン(P313A)、セリン(P313S)、またはグリシン(P313G)で置換されている、請求項26に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項28】
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)で置換されており、且つSEQ ID NO:1のP313がセリン(P313S)で置換されている、請求項27に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項29】
SEQ ID NO:4を含む、請求項28に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項30】
SEQ ID NO:1のL310位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)またはセリン(L310S)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)またはセリン(K315S)で置換されている、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項31】
SEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:18を含む、請求項30に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項32】
SEQ ID NO:1のL310位及びP311位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)で置換されており且つP311がアラニン(P311A)で置換されている、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項33】
SEQ ID NO:19を含む、請求項32に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項34】
SEQ ID NO:1のL310位及びP313位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)で置換されており且つP313がセリン(P313S)で置換されている、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項35】
SEQ ID NO:20を含む、請求項34に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項36】
SEQ ID NO:1のP311位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、P311がアラニン(P311A)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)で置換されている、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項37】
SEQ ID NO:21を含む、請求項36に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項38】
SEQ ID NO:1のP313位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、P313がセリン(P313S)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)で置換されている、請求項3に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項39】
SEQ ID NO:22を含む、請求項38に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項40】
前記修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体によって用量反応アッセイ法において達成される最大のCDC活性が、前記修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少する、請求項1~39のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項41】
50%CDC活性(EC50)をもたらす、前記修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体の抗体濃度が、前記修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、及び少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍増加する、請求項1~39のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域と、前記修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置する重鎖可変領域(VH)とを含み、標的抗原に特異的に結合し、且つ、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて前記標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す、修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項43】
5つまたは6つの二価IgM結合単位をそれぞれ含む五量体抗体または六量体抗体であり、各結合単位が、前記修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置するVHをそれぞれが含む2本のIgM重鎖と、ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域に対してアミノ末端側に位置する軽鎖可変ドメイン(VL)をそれぞれが含む2本の免疫グロブリン軽鎖とを含む、請求項42に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項44】
五量体であり且つJ鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをさらに含む、請求項43に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項45】
J鎖またはその断片が、SEQ ID NO:7のアミノ酸23~158またはその機能的断片またはその機能的バリアントを含む、請求項44に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項46】
前記J鎖またはその断片もしくはバリアントが、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であり、前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントに直接または間接的に融合されている、請求項44または請求項45に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項47】
前記異種ポリペプチドが、ペプチドリンカーを介して前記J鎖またはその断片に融合されている、請求項46に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項48】
前記ペプチドリンカーが、少なくとも5個のアミノ酸であるが25個を超えないアミノ酸を含む、請求項47に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項49】
前記ペプチドリンカーが
から成る、請求項48に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項50】
前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端に、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのC末端に、または、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端とC末端の双方に融合されている、請求項46~49のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項51】
前記異種ポリペプチドが結合ドメインを含む、請求項46~50のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項52】
前記異種ポリペプチドの前記結合ドメインが抗体またはその抗原結合断片である、請求項51に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項53】
前記抗原結合断片が、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、単鎖Fv(scFv)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)断片、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項52に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項54】
前記抗原結合断片がscFv断片である、請求項53に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項55】
前記異種ポリペプチドがCD3εに特異的に結合することができる、請求項51~54のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項56】
前記修飾されたJ鎖が、アミノ酸配列のSEQ ID NO:9(V15J)またはSEQ ID NO:11(J15V)を含む、請求項55に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項57】
前記修飾されたJ鎖がシグナルペプチドをさらに含む、請求項56に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項58】
前記修飾されたJ鎖が、アミノ酸配列のSEQ ID NO:8(V15J)またはSEQ ID NO:10(J15V)を含む、請求項57に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項59】
前記標的抗原を発現している細胞のT細胞媒介殺滅を指示することができ、前記T細胞媒介殺滅が、前記修飾されたIgM定常領域を除いては前記修飾されたヒトIgM抗体と同一である対応するIgM抗体のものと同等である、請求項55~58のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項60】
前記標的抗原を発現している細胞が真核細胞である、請求項42~59のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体。
【請求項61】
請求項1~40のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域をコードする核酸配列または請求項42~59のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体の重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
【請求項62】
請求項61に記載のポリヌクレオチドを含む、組成物。
【請求項63】
軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列をさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記軽鎖ポリペプチドサブユニットが、VLのC末端に融合されたヒト抗体軽鎖定常領域またはその断片を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列とが別々のベクター上に存在する、請求項63または請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列とが単一のベクター上に存在する、請求項63または請求項64に記載の組成物。
【請求項67】
J鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをコードする核酸配列をさらに含む、請求項62~66のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
前記J鎖またはその断片が、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であり、前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片に直接または間接的に融合されている、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記J鎖をコードする核酸配列とが、単一のベクター上に存在する、請求項67または請求項68に記載の組成物。
【請求項70】
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記J鎖をコードする核酸配列とがそれぞれ、別々のベクター上に存在する、請求項67または請求項68に記載の組成物。
【請求項71】
請求項66または請求項69に記載のベクター。
【請求項72】
請求項65または請求項70に記載のベクター。
【請求項73】
請求項61に記載のポリヌクレオチド、請求項62~70のいずれか1項に記載の組成物、または請求項71もしくは請求項72に記載のベクターを含み、請求項1~40のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域、または請求項42~59のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体、またはその機能的断片を発現することができる、宿主細胞。
【請求項74】
請求項73に記載の宿主細胞を培養すること、及び請求項1~40のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM定常領域または請求項42~60のいずれか1項に記載の修飾されたヒトIgM抗体を回収することを含む、前記定常領域または前記抗体を作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、全体が参照によって本明細書に組み入れられる2017年4月7日に出願された米国仮特許出願第62/483,087号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
補体依存性細胞障害は、自然免疫系の成分を働かせて侵入微生物を破壊するために抗体が利用するエフェクター機能である。治療用抗体は補体系を働かせて、抗体が標的とする細胞、たとえば、腫瘍細胞を攻撃するために補体系を利用することができる。補体のカスケードは、IgGのFc領域またはIgMのFc Mu領域への第1成分C1qの結合に端を発する。抗体の六量体化は、下流の補体成分をさらに始動させて膜侵襲複合体(MAC)を形成させることとなる六量体C1q複合体の形成を生じ、この膜侵襲複合体は細胞膜の穿孔及び結果として生じる浸透圧ショックによって細胞死を引き起こす。IgMアイソタイプの抗体は多量体(五量体及び六量体)であり、C1qの結合及び多量体化に特によく適している。実際、IgM抗体は対応するIgG抗体よりも30~100倍良好に補体を固定することができる。
【0003】
IgM抗体を用いて細胞表面の受容体を多量体化して下流のシグナル伝達に影響を与える適応については、しかしながら、この強力な補体固定能を保持することが常に望ましいとは限らない。たとえば、IgM抗体は、CD40、OX40、またはGITRのようなTNF受容体スーパーファミリーのメンバーを働かせることによってT細胞を活性化するのに使用されてもよい。いずれの場合にも、多量体化が動かす下流のシグナル伝達を用いてT細胞の強力なアゴニスト活性及び増殖を引き起こすことができる。しかしながら、IgM抗体の補体固定活性がインタクトのままであれば、これらの標的上ではそれはIgM抗体のアゴニスト活性に潜在的に対抗し得る。このような訳で、補体固定及び結果として生じる補体依存性細胞障害(CDC活性)を減らし得るまたは排除し得るIgM重鎖定常領域の突然変異を同定するニーズが当該技術にある。
【0004】
マウスIgMにおけるCDC活性を高めるまたは低下させる突然変異は同定されている。たとえば、Arya,S.,et al.,J.Immunol.152:1206-1212(1994)(非特許文献1)、Wright,J,F.,et al.,J.Biol.Chem.263:11221-11226(1988)(非特許文献2)、及びWright,J.F.,et al.,J.Biol.Chem.265:10506-10513(1989)(非特許文献3)を参照のこと。改変されたCDC活性を持つ修飾されたヒトIgM抗体を同定及び特徴決定するニーズが当該技術で残っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Arya,S.,et al.,J.Immunol.152:1206-1212(1994)
【非特許文献2】Wright,J,F.,et al.,J.Biol.Chem.263:11221-11226(1988)
【非特許文献3】Wright,J.F.,et al.,J.Biol.Chem.265:10506-10513(1989)
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、野生型ヒトIgM定常領域と比べて1つ以上のアミノ酸置換を含む、修飾されたヒトIgM定常領域を提供し、少なくとも1つのアミノ酸置換は、SEQ ID NO:1のT302からSEQ ID NO:1のK322に及ぶCμ3ドメイン中のある位置に存在し、且つ、修飾されたIgM定常領域と標的抗原に特異的な重鎖可変領域とを含む修飾されたIgM抗体は、対応する野生型ヒトIgM抗体に比べて、標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す。
【0007】
特定の態様では、修飾されたヒトIgM定常領域は、少なくとも1つのアミノ酸置換がSEQ ID NO:1のアミノ酸T302、C303、T304、V305、T306、H307、T308、D309、L310、P311、S312、P313、L314、K315、Q316、T317、I318、S319、R320、P321、及び/またはK322に存在することを含む。たとえば、修飾されたヒトIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のL310位、SEQ ID NO:1のP311位、SEQ ID NO:1のP313位、SEQ ID NO:1のK315位、またはそれらの任意の組み合わせに存在する少なくとも1つのアミノ酸置換を含むことができる。
【0008】
特定の態様では、少なくとも1つのアミノ酸置換はSEQ ID NO:1のL310位に存在することができ、たとえば、SEQ ID NO:1のL310はアラニン(L310A)、セリン(L310S)、アスパラギン酸(L310D)、またはグリシン(L310G)によって置換することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のL310はアラニン(L310A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:15を含むことができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のL310はアスパラギン酸(L310D)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:23を含むことができる。
【0009】
特定の態様では、少なくとも1つのアミノ酸置換はSEQ ID NO:1のP311位に存在することができ、たとえば、SEQ ID NO:1のP311はアラニン(P311A)、セリン(P311S)またはグリシン(P311G)によって置換することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のP311はアラニン(P311A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:2を含むことができる。
【0010】
特定の態様では、少なくとも1つのアミノ酸置換はSEQ ID NO:1のP313位に存在することができ、たとえば、SEQ ID NO:1のP313はアラニン(P313A)、セリン(P313S)またはグリシン(P313G)によって置換することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のP313はセリン(P313S)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:3を含むことができる。
【0011】
特定の態様では、少なくとも1つのアミノ酸置換はSEQ ID NO:1のK315位に存在することができ、たとえば、SEQ ID NO:1のK315はアラニン(K315A)、セリン(K315S)、アスパラギン酸(K315D)、グルタミン(K315Q)またはグリシン(P313G)によって置換することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のK315はアラニン(K315A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:16を含むことができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のK315はアスパラギン酸(K315D)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:24を含むことができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のK315はグルタミン(K315Q)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:25を含むことができる。
【0012】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域は2つ以上のアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のL310位、P311位、P313位、またはK315位の2つ以上でアミノ酸置換を含むことができる。
【0013】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のP311位及びP313位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、SEQ ID NO:1のP311はアラニン(P311A)、セリン(P311S)、またはグリシン(P311G)によって置換することができ、SEQ ID NO:1のP313はアラニン(P313A)、セリン(P313S)、またはグリシン(P313G)によって置換することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:1のP311はアラニン(P311A)によって置換することができ、SEQ ID NO:1のP313はセリン(P313S)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:4を含むことができる。
【0014】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のL310位及びK315位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、L310はアラニン(L310A)またはセリン(L310S)によって置換することができ、K315はアラニン(K315A)またはセリン(K315S)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:18を含むことができる。
【0015】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のL310位及びP311位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、L310はアラニン(L310A)によって置換することができ、P311はアラニン(P311A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:19を含むことができる。
【0016】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のL310位及びP313位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、L310はアラニン(L310A)によって置換することができ、P313はセリン(P313S)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:20を含むことができる。
【0017】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のP311位及びK315位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、P311はアラニン(P311A)によって置換することができ、K315はアラニン(K315A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:21を含むことができる。
【0018】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域はSEQ ID NO:1のP313位及びK315位においてアミノ酸置換を含むことができる。たとえば、P313はセリン(P313S)によって置換することができ、K315はアラニン(K315A)によって置換することができ、たとえば、修飾されたIgM定常領域はSEQ ID NO:22を含むことができる。
【0019】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体によって用量反応アッセイにおいて達成される最大のCDC活性は、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少する。
【0020】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体の50%CDC活性(EC50)をもたらす抗体濃度は、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍増加する。
【0021】
本開示はさらに、修飾されたヒトIgM抗体を提供し、修飾されたヒトIgM抗体は、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含み、且つ修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置する重鎖可変領域(VH)をさらに含み、修飾されたヒトIgM抗体は、標的抗原に特異的に結合し、且つ、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて、標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す。特定の態様では、修飾されたヒトIgM抗体は、5つまたは6つの二価のIgM結合単位をそれぞれ含む五量体抗体または六量体抗体であることができ、各結合単位は、修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置するVHをそれぞれが含む2つのIgM重鎖と、ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域に対してアミノ末端側に位置する軽鎖可変ドメイン(VL)をそれぞれが含む2つの免疫グロブリン軽鎖とを含む。特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、J鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをさらに含む五量体であることができる。特定の態様では、J鎖は、SEQ ID NO:7のアミノ酸23~158またはその機能的断片またはその機能的バリアントを含むことができる。特定の態様では、J鎖またはその断片もしくはバリアントは、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であることができ、異種ポリペプチドは、J鎖またはその断片もしくはバリアントに直接または間接的に融合される。特定の態様では、異種ポリペプチドは、ペプチドリンカーを介してJ鎖またはその断片に融合することができ、たとえば、ペプチドリンカーは、少なくとも5個のアミノ酸であるが25個を超えないアミノ酸を含む。特定の態様では、ペプチドリンカーは
を含むことができるか、それから本質的に成ることができるか、またはそれから成ることができる。特定の態様では、異種ポリペプチドは、J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端に、J鎖またはその断片もしくはバリアントのC末端に、または、J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端及びC末端の双方に融合されることができる。特定の態様では、異種ポリペプチドには、結合ドメイン、たとえば、抗体またはその抗原結合断片、たとえば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、単鎖Fv(scFv)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)断片、またはそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。特定の態様では、修飾されたJ鎖にはscFv断片を挙げることができる。特定の態様では、異種ポリペプチドはCD3εに特異的に結合することができる。特定の態様では、修飾されたJ鎖には、アミノ酸配列のSEQ ID NO:9(V15J)またはSEQ ID NO:11(J15V)を挙げることができる。特定の態様では、修飾されたJ鎖はシグナルペプチドをさらに含むことができ、たとえば、修飾されたJ鎖にはアミノ酸配列のSEQ ID NO:8(V15J)またはSEQ ID NO:10(J15V)を挙げることができる。特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、修飾されたIgM定常領域を除いては修飾されたIgM抗体と同一である対応するIgM抗体の活性レベルと同等の活性レベルで、標的抗原を発現している細胞のT細胞媒介殺滅を指示することができる。特定の態様では、標的抗原を発現している細胞は真核細胞である。
【0022】
本開示はさらに、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域をコードする核酸配列または本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体の重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチドを提供する。提供されるのはまた、提供されているポリヌクレオチドを含む組成物である。特定の態様では、組成物はさらに、軽鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列を含む。特定の態様では、軽鎖ポリペプチドのサブユニットは、VLのC末端に融合されたヒト抗体軽鎖定常領域またはその断片を含む。特定の態様では、重鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と軽鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列とは、別々のベクター上に存在することができる。特定の態様では、重鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と軽鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列とは単一のベクター上に存在することができる。特定の態様では、組成物はさらに、J鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをコードする核酸配列を含む。特定の態様では、J鎖またはその断片もしくはバリアントは、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であり、異種ポリペプチドはJ鎖またはその断片に直接または間接的に融合される。特定の態様では、重鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と、軽鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と、J鎖をコードする核酸配列とは単一ベクター上に存在することができる。特定の態様では、重鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と、軽鎖ポリペプチドのサブユニットをコードする核酸配列と、J鎖をコードする核酸配列とはそれぞれ別々のベクター上に存在することができる。そのような1つのベクターまたは複数のベクターはすべて本開示によってさらに提供される。本開示はさらに、提供されているポリヌクレオチド、組成物、1つのベクター、または複数のベクターを含む宿主細胞を提供する。特定の態様では、宿主細胞は、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域、または本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体、またはその任意の機能的断片を発現することができる。本開示はさらに、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域、または本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体を作製する方法を提供し、方法は、提供されている宿主細胞を培養すること、および定常領域または抗体を回収することを含む。
[本発明1001]
野生型ヒトIgM定常領域と比べて1つ以上のアミノ酸置換を含む、修飾されたヒトIgM定常領域であって、
少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のT302からSEQ ID NO:1のK322に及ぶCμ3ドメイン中のある位置に存在し、且つ、前記修飾されたIgM定常領域と標的抗原に特異的な重鎖可変領域とを含む修飾されたIgM抗体が、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて、前記標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す、前記修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1002]
前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のアミノ酸T302、C303、T304、V305、T306、H307、T308、D309、L310、P311、S312、P313、L314、K315、Q316、T317、I318、S319、R320、P321、及び/またはK322に存在する、本発明1001の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1003]
前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、SEQ ID NO:1のL310位、SEQ ID NO:1のP311位、SEQ ID NO:1のP313位、SEQ ID NO:1のK315位、またはそれらの任意の組み合わせに存在する、本発明1002の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1004]
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のL310位に存在する、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1005]
SEQ ID NO:1のL310が、アラニン(L310A)、セリン(L310S)、アスパラギン酸(L310D)、またはグリシン(L310G)で置換されている、本発明1004の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1006]
SEQ ID NO:1のL310がアラニン(L310A)で置換されている、本発明1005の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1007]
SEQ ID NO:15を含む、本発明1006の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1008]
SEQ ID NO:1のL310がアスパラギン酸(L310D)で置換されている、本発明1005の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1009]
SEQ ID NO:23を含む、本発明1008の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1010]
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のP311位に存在する、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1011]
SEQ ID NO:1のP311が、アラニン(P311A)、セリン(P311S)、またはグリシン(P311G)で置換されている、本発明1010の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1012]
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)で置換されている、本発明1011の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1013]
SEQ ID NO:2を含む、本発明1012の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1014]
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のP313位に存在する、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1015]
SEQ ID NO:1のP313が、アラニン(P313A)、セリン(P313S)、またはグリシン(P313G)で置換されている、本発明1014の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1016]
SEQ ID NO:1のP313がセリン(P313S)で置換されている、本発明1015の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1017]
SEQ ID NO:3を含む、本発明1016の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1018]
前記アミノ酸置換がSEQ ID NO:1のK315位に存在する、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1019]
SEQ ID NO:1のK315が、アラニン(K315A)、セリン(K315S)、アスパラギン酸(K315D)、グルタミン(K315Q)、またはグリシン(P313G)で置換されている、本発明1018の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1020]
SEQ ID NO:1のK315がアラニン(K315A)で置換されている、本発明1019の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1021]
SEQ ID NO:16を含む、本発明1020の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1022]
SEQ ID NO:1のK315がアスパラギン酸(K315D)で置換されている、本発明1019の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1023]
SEQ ID NO:24を含む、本発明1022の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1024]
SEQ ID NO:1のK315がグルタミン(K315Q)で置換されている、本発明1019の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1025]
SEQ ID NO:25を含む、本発明1024の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1026]
SEQ ID NO:1のP311位及びP313位においてアミノ酸置換を含む、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1027]
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)、セリン(P311S)、またはグリシン(P311G)で置換されており、且つSEQ ID NO:1のP313がアラニン(P313A)、セリン(P313S)、またはグリシン(P313G)で置換されている、本発明1026の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1028]
SEQ ID NO:1のP311がアラニン(P311A)で置換されており、且つSEQ ID NO:1のP313がセリン(P313S)で置換されている、本発明1027の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1029]
SEQ ID NO:4を含む、本発明1028の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1030]
SEQ ID NO:1のL310位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)またはセリン(L310S)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)またはセリン(K315S)で置換されている、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1031]
SEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:18を含む、本発明1030の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1032]
SEQ ID NO:1のL310位及びP311位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)で置換されており且つP311がアラニン(P311A)で置換されている、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1033]
SEQ ID NO:19を含む、本発明1032の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1034]
SEQ ID NO:1のL310位及びP313位においてアミノ酸置換を含み、L310がアラニン(L310A)で置換されており且つP313がセリン(P313S)で置換されている、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1035]
SEQ ID NO:20を含む、本発明1034の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1036]
SEQ ID NO:1のP311位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、P311がアラニン(P311A)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)で置換されている、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1037]
SEQ ID NO:21を含む、本発明1036の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1038]
SEQ ID NO:1のP313位及びK315位においてアミノ酸置換を含み、P313がセリン(P313S)で置換されており且つK315がアラニン(K315A)で置換されている、本発明1003の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1039]
SEQ ID NO:22を含む、本発明1038の修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1040]
前記修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体によって用量反応アッセイ法において達成される最大のCDC活性が、前記修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少する、本発明1001~1039のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1041]
50%CDC活性(EC50)をもたらす、前記修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体の抗体濃度が、前記修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である対応する野生型IgM抗体と比べて、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、及び少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍増加する、本発明1001~1039のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域。
[本発明1042]
本発明1001~1041のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域と、前記修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置する重鎖可変領域(VH)とを含み、標的抗原に特異的に結合し、且つ、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて前記標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少を示す、修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1043]
5つまたは6つの二価IgM結合単位をそれぞれ含む五量体抗体または六量体抗体であり、各結合単位が、前記修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置するVHをそれぞれが含む2本のIgM重鎖と、ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域に対してアミノ末端側に位置する軽鎖可変ドメイン(VL)をそれぞれが含む2本の免疫グロブリン軽鎖とを含む、本発明1042の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1044]
五量体であり且つJ鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをさらに含む、本発明1043の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1045]
J鎖またはその断片が、SEQ ID NO:7のアミノ酸23~158またはその機能的断片またはその機能的バリアントを含む、本発明1044の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1046]
前記J鎖またはその断片もしくはバリアントが、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であり、前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントに直接または間接的に融合されている、本発明1044または本発明1045の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1047]
前記異種ポリペプチドが、ペプチドリンカーを介して前記J鎖またはその断片に融合されている、本発明1046の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1048]
前記ペプチドリンカーが、少なくとも5個のアミノ酸であるが25個を超えないアミノ酸を含む、本発明1047の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1049]
前記ペプチドリンカーが
から成る、本発明1048の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1050]
前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端に、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのC末端に、または、前記J鎖またはその断片もしくはバリアントのN末端とC末端の双方に融合されている、本発明1046~1049のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1051]
前記異種ポリペプチドが結合ドメインを含む、本発明1046~1050のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1052]
前記異種ポリペプチドの前記結合ドメインが抗体またはその抗原結合断片である、本発明1051の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1053]
前記抗原結合断片が、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、単鎖Fv(scFv)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)断片、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1052の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1054]
前記抗原結合断片がscFv断片である、本発明1053の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1055]
前記異種ポリペプチドがCD3εに特異的に結合することができる、本発明1051~1054のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1056]
前記修飾されたJ鎖が、アミノ酸配列のSEQ ID NO:9(V15J)またはSEQ ID NO:11(J15V)を含む、本発明1055の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1057]
前記修飾されたJ鎖がシグナルペプチドをさらに含む、本発明1056の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1058]
前記修飾されたJ鎖が、アミノ酸配列のSEQ ID NO:8(V15J)またはSEQ ID NO:10(J15V)を含む、本発明1057の修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1059]
前記標的抗原を発現している細胞のT細胞媒介殺滅を指示することができ、前記T細胞媒介殺滅が、前記修飾されたIgM定常領域を除いては前記修飾されたヒトIgM抗体と同一である対応するIgM抗体のものと同等である、本発明1055~1058のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1060]
前記標的抗原を発現している細胞が真核細胞である、本発明1042~1059のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体。
[本発明1061]
本発明1001~1040のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域をコードする核酸配列または本発明1042~1059のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体の重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
[本発明1062]
本発明1061のポリヌクレオチドを含む、組成物。
[本発明1063]
軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列をさらに含む、本発明1062の組成物。
[本発明1064]
前記軽鎖ポリペプチドサブユニットが、VLのC末端に融合されたヒト抗体軽鎖定常領域またはその断片を含む、本発明1063の組成物。
[本発明1065]
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列とが別々のベクター上に存在する、本発明1063または本発明1064の組成物。
[本発明1066]
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列とが単一のベクター上に存在する、本発明1063または本発明1064の組成物。
[本発明1067]
J鎖またはその機能的断片またはその機能的バリアントをコードする核酸配列をさらに含む、本発明1062~1066のいずれかの組成物。
[本発明1068]
前記J鎖またはその断片が、異種ポリペプチドをさらに含む修飾されたJ鎖であり、前記異種ポリペプチドが、前記J鎖またはその断片に直接または間接的に融合されている、本発明1067の組成物。
[本発明1069]
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記J鎖をコードする核酸配列とが、単一のベクター上に存在する、本発明1067または本発明1068の組成物。
[本発明1070]
前記重鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記軽鎖ポリペプチドサブユニットをコードする核酸配列と前記J鎖をコードする核酸配列とがそれぞれ、別々のベクター上に存在する、本発明1067または本発明1068の組成物。
[本発明1071]
本発明1066または本発明1069のベクター。
[本発明1072]
本発明1065または本発明1070のベクター。
[本発明1073]
本発明1061のポリヌクレオチド、本発明1062~1070のいずれかの組成物、または本発明1071もしくは本発明1072のベクターを含み、本発明1001~1040のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域、または本発明1042~1059のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体、またはその機能的断片を発現することができる、宿主細胞。
[本発明1074]
本発明1073の宿主細胞を培養すること、及び本発明1001~1040のいずれかの修飾されたヒトIgM定常領域または本発明1042~1060のいずれかの修飾されたヒトIgM抗体を回収することを含む、前記定常領域または前記抗体を作製する方法。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】五量体及び六量体の集合体を示すための非還元条件下でのSDS-PAGEゲル泳動を示す図である。対照、IgM(純粋)、IgM+J(純粋)、及びIgM、及びIgM変異体S283N、P313S、P311A、及びD294Gの上清調製物(すべてJ鎖なし)についてのゲルのパターンを示す。
図2】(1)補体の非存在下で調べた対照の抗CD20抗体(1.5.3 IgG及び1.5.3 IgM×V15J)、(2)補体の存在下で調べた対照のIgM(J鎖を持たない1.5.3 IgM)、ならびに(3)補体の存在下で調べ、すべてJ鎖を持たない、対応する1.5.3 IgM変異体、P311A、P313S、D294G、及びS283Nについての補体依存性細胞溶解(CDC)活性のパーセントを示す図である。
図3】対照の1.5.3 IgM×V15J抗体ならびに対応する1.5.3 IgM×V15J変異体P311A、P313S、D294G、及びS283Nを含む、抗CD3で修飾されたJ鎖を伴う抗CD20×抗CD3二重特異性IgM抗体についてのCDC活性のパーセントを示す図である。
図4】抗CD3で修飾されたJ鎖を欠く対照の抗CD20 IgM、ならびに対照抗体1.5.3 IgM×V15J、及び対応する1.5.3×V15J IgM変異体、D294G、S283N、P313S、及びP311Aを含む、抗CD3で修飾されたJ鎖(V15J)を含有する二重特異性IgM抗体についてのT細胞活性化アッセイ法を示す図である。
図5】1.5.3 IgM×V15J、ならびに対応する1.5.3×V15J IgM変異体、P311A、P313S、及び二重変異体P311A/P313Sについてのハイブリッドゲル及び還元ゲルを示す図である。二重変異体は、単一変異体のそれぞれと同様に発現し、会合する。
図6】1.5.3 IgM×V15J、ならびに対応する1.5.3×V15J IgM変異体、P311A、P313S、及び二重変異体P311A/P313SについてのCDC活性を示す図である。二重変異体はCDC活性の完全な消失を示している。
図7】1.5.3 IgM×V15J、ならびに対応する1.5.3×V15J IgM変異体、P311A、P313S、及び二重変異体P311A/P313SについてのT細胞活性化アッセイ法を示す図である。二重変異体は、単一変異体のそれぞれと同様にT細胞を活性化するのに効果的である。
図8】J鎖を伴わない1.5.3 IgM、1.5.3 IgM×V15J、対応する1.5.3×V15J IgM変異体、P311A、P313S、L310A、K315A及び二重変異体P311A/P313SについてのCDC活性を示す図である。二重変異体はCDC活性の完全な消去を示している。
図9図9Aは、J鎖を伴わない1.5.3 IgM、1.5.3 IgM×V15J、1.5.3×V15J IgM変異体、L310D及びL310A及び二重変異体P311A/P313SについてのCDC活性を示す図である。図9Bは、J鎖を伴わない1.5.3 IgM、1.5.3 IgM×V15J、1.5.3×V15J IgM変異体、K315D、K315Q及びK315AについてのCDC活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
定義
用語「1つの(a)」または「1つの(an)」の実体はその実体の1つ以上を指し、たとえば、「結合分子」は1つ以上の結合分子を表すと理解される。そのようなものとして、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は本明細書では相互交換可能に使用することができる。
【0025】
さらに、「及び/または」は本明細書で使用される場合、他のものの有無にかかわらず、2つの特定された特徴または成分のそれぞれの具体的な開示として解釈されるべきである。従って、用語「及び/または」は、本明細書において「A及び/またはB」のような語句で使用されるとき、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むように意図される。同様に用語「及び/または」は、「A、B及び/またはC」のような語句で使用されるとき、以下の実施形態:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)のそれぞれを包含するように意図される。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は、本開示が関連する当該技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。たとえば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press、The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press、及びOxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは本開示で使用されている多数の用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
【0027】
単位、接頭辞、及び記号は、その国際単位系(SI)で承認された形態で示される。数的な範囲は範囲を定義する数を含む。特に指示されない限り、アミノ酸配列はアミノ方向からカルボキシ方向に左から右に記述する。本明細書で提供される見出しは本開示の種々の態様または態様の限定ではなく、それは全体が本明細書を参照することによって有され得る。従って、直下で定義されている用語は全体が本明細書を参照することによってさらに完全に定義される。
【0028】
本明細書で使用されるとき、用語「ポリペプチド」は、単数形の「ポリペプチド」ならびに複数形の「ポリペプチド」を包含するように意図され、アミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって線状に連結された単量体(アミノ酸)で構成された分子を指す。用語「ポリペプチド」は2つ以上のアミノ酸の1つの鎖または複数の鎖を指し、生成物の特定の長さを指さない。従って、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」またはアミノ酸の1つの鎖または2つ以上のアミノ酸の複数の鎖を指すのに使用される他の用語は「ポリペプチド」の定義の範囲内に含まれ、用語「ポリペプチド」はこれらの用語の代わりに、またはこれらの用語と相互交換可能に使用することができる。用語「ポリペプチド」は、限定はされないが、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、及び既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク分解切断、または天然に存在しないアミノ酸による修飾を含む、ポリペプチドの発現後修飾の生成物を指すようにも意図される。ポリペプチドは、生物学的起源に由来することができ、または組換え法によって製造することができるが、指定された核酸配列から必ずしも翻訳されない。それは化学合成によるものを含めて任意の方法で生成することができる。
【0029】
本明細書で開示されているようなポリペプチドは約3個以上、5個以上、10個以上、20個以上、25個以上、50個以上、75個以上、100個以上、200個以上、500個以上、1,000個以上、または2,000個以上のアミノ酸のサイズであることができる。ポリペプチドは必ずしも定義された三次元構造を有さないが、そのような構造を有することができる。定義された三次元構造を持つポリペプチドを折り畳まれたと呼び、定義された三次元構造を持たないが、むしろ、多数の異なる立体構造に適応することができるポリペプチドを折り畳まれないと呼ぶ。本明細書で使用されるとき、糖タンパク質という用語はアミノ酸、たとえば、セリンまたはアスパラギンのようなアミノ酸の酸素含有側鎖または窒素含有側鎖を介してタンパク質に連結される少なくとも1つの糖質部分に結合されたタンパク質を指す。
【0030】
「単離された」ポリペプチドまたはその断片、バリアント、もしくは誘導体によって、その自然環境にはないポリペプチドが意図される。特定のレベルの精製は必要とされない。たとえば、単離されたポリペプチドはそのネイティブの環境または自然環境から取り出すことができる。宿主細胞で発現される組換えで産生させたポリペプチド及びタンパク質は、任意の好適な技法によって分離されているか、分画されているか、または部分的にもしくは実質的に精製されているネイティブのまたは組換えのポリペプチドであるため、本明細書で開示されているように単離されたと見なされる。
【0031】
本明細書で使用されるとき、用語「天然に存在しないポリペプチド」またはそのあらゆる文法的変形は、裁判官または行政機関または裁判機関によって「天然に存在する」と判定されるもしくは解釈されるまたは判定されてもよいもしくは解釈されてもよいポリペプチドの形態を明白に排除するが、排除するにすぎない条件付き定義である。
【0032】
本明細書で開示されている他のポリペプチドは、前述のポリペプチドの断片、誘導体、類似体、またはバリアント、及びそれらの任意の組み合わせである。本明細書で開示されているような用語「断片」、「バリアント」、「誘導体」、及び「類似体」には、対応するネイティブの抗体またはポリペプチドの特性の少なくとも一部、たとえば、抗原に特異的に結合することを保持する任意のポリペプチドが含まれる。ポリペプチドの断片には、たとえば、本明細書の他のどこかで考察されている特異的な抗体断片に加えて、欠失断片と同様にタンパク分解断片が挙げられる。たとえば、ポリペプチドのバリアントには、上記に記載されているような断片、及びアミノ酸の置換、欠失、または挿入のせいで変化したアミノ酸配列を持つポリペプチドも挙げられる。特定の態様では、バリアントは天然に存在しなくてもよい。天然に存在しないバリアントは当該技術で既知の変異誘発法を用いて作製することができる。バリアントポリペプチドは、保存的なまたは非保存的なアミノ酸の置換、欠失または付加を含むことができる。誘導体は、元々のポリペプチドで見いだされない追加の特徴を示すように変えられているポリペプチドである。例には融合タンパク質が挙げられる。バリアントポリペプチドは本明細書では「ポリペプチド類似体」とも呼ぶことができる。本明細書で使用されるとき、ポリペプチドの「誘導体」は機能的な側鎖の反応によって化学的に誘導体化された1つ以上のアミノ酸を有する主題のポリペプチドを指すこともできる。「誘導体」として挙げられるのはまた、20種類の標準アミノ酸の1つ以上の誘導体を含有するペプチドである。たとえば、プロリンの代わりに4-ヒドロキシプロリンを使用することができ、リシンの代わりに5-ヒドロキシリシンを使用することができ、ヒスチジンの代わりに3-メチルヒスチジンを使用することができ、セリンの代わりにホモセリンを使用することができ、リシンの代わりにオルニチンを使用することができる。
【0033】
「保存的なアミノ酸置換」は1つのアミノ酸が類似の側鎖を有する別のアミノ酸で置き換えられるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸のファミリーは、塩基性側鎖(たとえば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(たとえば、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(たとえば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含めて当該技術で定義されている。たとえば、チロシンに代わるフェニルアラニンの置換は保存的な置換である。特定の実施形態では、本開示のポリペプチド及び抗体の配列中の保存的な置換は、アミノ酸配列を含有するポリペプチドまたは抗体の、結合分子が結合する抗原への結合を無効にすることはない。抗原結合を排除しないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は当該技術で周知である(たとえば、Brummell,et al.,Biochem.32:1180-1,187(1993);Kobayashi,et al.,Protein Eng.12(10):879-884(1999);及びBurks,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA94:.412-417(1997)を参照のこと)。
【0034】
用語「ポリヌクレオチド」は複数形の核酸と同様に単数形の核酸を包含するように意図され、単離された核酸分子または核酸構築物、たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)、cDNAまたはプラスミドDNA(pDNA)を指す。ポリヌクレオチドは従来のホスホジエステル結合または従来ではない結合(たとえば、ペプチド核酸(PNA)で見いだされるようなアミド結合)を含むことができる。用語「核酸」または「核酸配列」はポリヌクレオチド中に存在する任意の1つ以上の核酸セグメント、たとえば、DNAまたはRNAの断片を指す。
【0035】
「単離された」核酸またはポリヌクレオチドによってネイティブの環境から分離されている核酸またはポリヌクレオチドの任意の形態が意図される。たとえば、ベクターに含有されるポリペプチドをコードするゲル精製されたポリヌクレオチドまたは組換えポリヌクレオチドは「単離された」と見なされることになる。また、クローニング用の制限部位を有するように操作されているポリヌクレオチドのセグメント、たとえば、PCR産物も「単離された」と見なされる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例には、異種宿主細胞において維持される組換えポリヌクレオチド、または緩衝液中もしくは生理食塩水中のような非ネイティブ溶液中の(部分的にまたは実質的に)精製されたポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子にはポリヌクレオチドの試験管内または生体内のRNA転写物が挙げられ、この転写物は自然界で見いだされるものではない。単離されたポリヌクレオチドまたは核酸にはさらに、合成で製造されるそのような分子が挙げられる。加えて、ポリヌクレオチドまたは核酸は、たとえば、プロモーター、リボソーム結合部位または転写ターミネーターのような調節性エレメントであることができ、またはそれを含むことができる。
【0036】
本明細書で使用されるとき、用語「天然に存在しないポリヌクレオチド」またはそのあらゆる文法的変形は、裁判官または行政機関または裁判機関によって「天然に存在する」と判定されるもしくは解釈されるまたは判定されてもよいもしくは解釈されてもよい核酸またはポリヌクレオチドの形態を明白に排除するが、排除するにすぎない条件付き定義である。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「コーディング領域」はアミノ酸に翻訳されるコドンから成る核酸の部分である。「停止コドン」(TAG、TGA、またはTAA)はアミノ酸に翻訳されないが、それはコーディング領域の一部と見なすことができるが、隣接配列、たとえば、プロモーター、リボソーム結合部位、転写ターミネーター、イントロン等はコーディング領域の一部ではない。2つ以上のコーディング領域は、単一のポリヌクレオチド構築物中に、たとえば、単一のベクター上に、または別々のポリヌクレオチド構築物中に、たとえば、別々の(異なる)ベクター上に存在することができる。さらに、任意のベクターは単一のコーディング領域を含有することができるか、または2つ以上のコーディング領域を含むことができ、たとえば、単一のベクターは免疫グロブリン重鎖可変領域と免疫グロブリン軽鎖可変領域とを別々にコードすることができる。加えて、ベクター、ポリヌクレオチド、または核酸は、別のコーディング領域に融合されたまたは融合されていない異種のコーディング領域を含むことができる。異種のコーディング領域には、限定はされないが、特殊化したエレメントまたはモチーフ、たとえば、分泌シグナルペプチドまたは異種の機能的ドメインをコードするものが挙げられる。
【0038】
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドまたは核酸はDNAである。DNAの場合、ポリペプチドをコードする核酸を含むポリヌクレオチドは普通、1つ以上のコーディング領域と操作可能に結合したプロモーター及び/または他の転写もしくは翻訳の制御エレメントを含むことができる。操作可能な結合は、遺伝子産物、たとえば、ポリペプチドのコーディング領域が、調節性配列の影響下または制御下に遺伝子産物の発現を置くような方法で1つ以上の調節性配列と結合する場合である。2つのDNA断片(ポリペプチドのコーディング領域及びそれと結合するプロモーター)は、プロモーター機能の誘導が、所望の遺伝子産物をコードするmRNAの転写をもたらせば、及び、2つのDNA断片の間の結合の性質が、遺伝子産物の発現を指示する発現調節配列の能力を妨害しなければ、またはDNA鋳型の転写される能力を妨害しなければ、「操作可能に結合」されている。従って、プロモーターが核酸の転写をもたらすことができれば、プロモーター領域はポリペプチドをコードするその核酸と操作可能に結合していることになる。プロモーターは、所定の細胞においてDNAの実質的な転写を指示する細胞特異的なプロモーターであることができる。プロモーターに加えて、他の転写制御エレメント、たとえば、エンハンサー、オペレーター、リプレッサー及び転写終結シグナルは、ポリヌクレオチドに操作可能に結合して細胞特異的な転写を指示することができる。
【0039】
種々の転写制御領域が当業者に知られている。これらには、限定はされないが、たとえば、サイトメガロウイルス(イントロン-Aと組み合わせた前初期プロモーター)、サルウイルス40(早期プロモーター)、及びレトロウイルス(たとえば、ラウス肉腫ウイルス)に由来するプロモーター及びエンハンサーのセグメントのような、しかし、これらに限定されない、脊椎動物細胞で機能する転写制御領域が挙げられる。他の転写制御領域には、たとえば、アクチン、熱ショックタンパク質、ウシ成長ホルモン及びウサギβ-グロビンのような脊椎動物遺伝子に由来するもの、ならびに真核細胞において遺伝子の発現を制御することができる他の配列が挙げられる。追加の好適な転写制御領域には、組織特異的なプロモーター及びエンハンサーならびにリンホカイン誘導性のプロモーター(たとえば、インターフェロンまたはインターロイキンによって誘導可能なプロモーター)が挙げられる。
【0040】
同様に、種々の翻訳制御エレメントが当業者に知られている。これらには、リボソーム結合部位、翻訳開始及び終結のコドン、及びピコナウイルスに由来するエレメント(特に、CITE配列とも呼ばれている内部リボソーム侵入部位またはIRES)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、またはリボソームRNAの形態でのRNAであることができる。
【0042】
ポリヌクレオチド及び核酸のコーディング領域は、本明細書で開示されているようなポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの分泌を指示する分泌ペプチドまたはシグナルペプチドをコードする追加のコーディング領域と結合することができる。シグナル仮説によれば、哺乳類細胞によって分泌されるタンパク質は、増えているタンパク質鎖の粗面小胞体からの運び出しがいったん開始されたら成熟タンパク質から切断されるシグナルペプチドまたは分泌リーダー配列を有する。当業者は、脊椎動物細胞によって分泌されるポリペプチドがポリペプチドのN末端に融合されたシグナルペプチドを有することができ、それは完全なまたは「完全長」のポリペプチドから切断され、ポリペプチドの分泌形態または「成熟」形態を生じることを承知している。特定の実施形態では、ネイティブのシグナルペプチド、たとえば、免疫グロブリン重鎖もしくは軽鎖のシグナルペプチドが使用されるか、または、操作可能に結合するポリペプチドの分泌を指示する能力を保持するその配列の機能的な誘導体が使用される。或いは、異種の哺乳類シグナルペプチドまたはその機能的な誘導体を使用することができる。たとえば、野生型リーダー配列は、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)またはマウスβ-グルクロニダーゼのリーダー配列で置き換えることができる。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「CD20」はBリンパ球の表面上で発現される膜タンパク質を指す。CD20タンパク質は、他の名称、たとえば、Bリンパ球抗原CD20、Bリンパ球細胞表面抗原B1、Bp35、CVID5、LEU-16、膜貫通4-ドメインサブファミリーAメンバー1、またはMS4A2によって文献において参照されている。特定の多価抗CD20結合分子、たとえば、本明細書で開示されているようなIgM抗体またはその断片はさらに、全体が参照によって本明細書に組み入れられるPCT公報番号WO/2016/141303に記載されている。
【0044】
本明細書で開示されているのは、特定の結合分子、または抗原結合断片、そのバリアント、または誘導体である。フルサイズの抗体を具体的に指さない限り、用語「結合分子」にはフルサイズの抗体と同様に抗原結合サブユニット、そのような抗体の断片、バリアント、類似体、または誘導体、たとえば、抗体分子に類似する方法で抗原に結合するが、異なる足場を使用する操作された抗体分子または断片が含まれる。
【0045】
本明細書で使用されるとき、用語「結合分子」はその最も広い意味で、標的または分子決定基、たとえば、エピトープまたは抗原決定基に特異的に結合する分子を指す。本明細書でさらに記載されているように、結合分子は、本明細書に記載されている1つ以上の「抗原結合ドメイン」を含むことができる。結合分子の非限定例は、抗原特異的な結合を保持している抗体またはその断片である。
【0046】
本明細書で使用されるとき、「結合ドメイン」または「抗原結合ドメイン」はエピトープに特異的に結合するのに十分である結合分子の領域を指す。たとえば、「Fv」、たとえば、抗体の可変重鎖及び可変軽鎖は、2つの別々のポリペプチドサブユニットとして、または単鎖として「結合ドメイン」であると見なされる。他の抗原結合ドメインには、限定はされないが、ラクダ種に由来する抗体の可変重鎖(VHH)、またはフィブロネクチンの足場で発現される6つの免疫グロブリン相補性決定領域(CDR)が挙げられる。本明細書に記載されているような「結合分子」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個、またはそれ以上の「抗原結合ドメイン」を含むことができる。
【0047】
用語「抗体」及び「免疫グロブリン」は本明細書では相互交換可能に使用することができる。抗体(または本明細書で開示されているようなその断片、バリアント、もしくは誘導体)には少なくとも重鎖の可変ドメイン(ラクダ種について)または少なくとも重鎖及び軽鎖の可変ドメインが含まれる。脊椎動物系における基本的な免疫グロブリンの構造は相対的によく理解されている(たとえば、Harlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988を参照のこと)。特に述べられない限り、用語「抗体」は、抗体の小さな抗原結合断片からフルサイズの抗体、たとえば、2つの完全な重鎖と2つの完全な軽鎖とを含むIgG抗体、4つの完全な重鎖と4つの完全な軽鎖とを含み、J鎖及び/または分泌成分を含むことができるIgA抗体、または10または12個の完全な重鎖と10または12個の完全な軽鎖とを含み、J鎖を含むことができるIgM抗体までに及ぶどんなものでも包含する。
【0048】
以下でさらに詳細に考察されるように、用語「免疫グロブリン」は生化学的に区別することができる種々の広いクラスのポリペプチドを含む。当業者は重鎖がそれらの間で一部のサブクラス(たとえば、γ1~γ4またはα1~α2)を伴ってガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロン(γ、μ、α、δ、ε)として分類されることを十分に理解するであろう。それは、それぞれIgG、IgM、IgA、IgG、またはIgEとして抗体の「アイソタイプ」を決定するこの鎖の性質である。免疫グロブリンのサブクラス(亜型)、たとえば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、IgAは十分に特徴決定されており、機能的特性を付与することが知られている。これら免疫グロブリンそれぞれの修飾された型は本開示を考慮して当業者に容易に認識でき、従って本開示の範囲の中にある。特定の実施形態では、本開示は修飾されたヒトIgM抗体を提供する。
【0049】
軽鎖はカッパまたはラムダ(κ、λ)のいずれかとして分類される。各重鎖のクラスはカッパ軽鎖またはラムダ軽鎖のいずれかと結合することができる。一般に、軽鎖及び重鎖は互いに共有結合し、2つの重鎖の「尾部」部分は、免疫グロブリンが、たとえば、ハイブリドーマ、B細胞、または遺伝子操作された宿主細胞によって発現される場合、共有結合性のジスルフィド結合または非共有結合によって互いに結合される。重鎖では、アミノ酸配列は、Y形状の分岐した末端でのN末端から各鎖の下部でのC末端まで続く。特定の抗体、たとえば、IgG抗体の基本構造には、ジスルフィド結合を介して共有結合して本明細書では「H2L2」構造または「結合単位」とも呼ばれる「Y」構造を形成する2つの重鎖サブユニットと2つの軽鎖サブユニットとが含まれる。
【0050】
用語「結合単位」は、標準の免疫グロブリン構造、たとえば、2つの重鎖またはその断片と2つの軽鎖またはその断片、または、たとえば、ラクダもしくはコンドリクトイド(condricthoid)の抗体に由来する2つの重鎖またはその断片に相当する結合分子、たとえば、抗体またはその抗原結合断片の部分を指すのに本明細書で使用される。特定の態様では、たとえば、結合分子が二価のIgG抗体またはその抗原結合断片である場合、用語「結合分子」及び「結合単位」は同義である。他の態様では、結合分子がIgM五量体またはIgM六量体である場合、結合分子は、2つ以上の「結合単位」、IgMの五量体または六量体の場合、それぞれ5つまたは6つの「結合単位」を含む。結合単位は完全長の抗体の重鎖及び軽鎖を含む必要はないが、通常、二価であり、すなわち、以下で定義されるように2つの「抗原結合ドメイン」を含むであろう。本開示で提供されている特定のIgMに由来する結合分子は五量体または六量体であり、IgMの定常領域、たとえば、修飾されたヒトIgMの定常領域またはその断片を含む5つまたは6つの二価結合単位を含む。本明細書で使用されるとき、2つ以上の結合単位、たとえば、5つまたは6つの結合単位を含む結合分子は「多量体」と呼ばれることができる。
【0051】
用語「J鎖」、「ネイティブ配列のJ鎖」、または「ネイティブのJ鎖」は本明細書で使用されるとき、アミノ酸配列がSEQ ID NO:7として提示される成熟ヒトJ鎖を含む、任意の動物種のネイティブ配列のIgM抗体またはIgA抗体のJ鎖を指す。
【0052】
用語「修飾されたJ鎖」は、異種部分、たとえば、異種ポリペプチド、たとえば、ネイティブ配列に導入された外来性の結合ドメインを含む、ネイティブ配列のJ鎖ポリペプチドのバリアントを指すのに本明細書で使用される。導入は、異種ポリペプチドもしくは他の部分の直接融合もしくは間接融合を含む任意の手段によって、またはペプチドリンカーもしくは化学リンカーを介した連結によって達成することができる。用語「修飾されたヒトJ鎖」は、限定はされないが、異種部分、たとえば、異種ポリペプチド、たとえば、外来性の結合ドメインの導入によって修飾されたSEQ ID NO:7のアミノ酸配列のネイティブ配列のヒトJ鎖またはその機能的断片を包含する。特定の態様では、異種部分はIgMの五量体への効率的な重合及びそのようなポリマーの標的への結合を妨害しない。例となる修飾されたJ鎖は、それぞれが全体として参照によって本明細書に組み入れられる、たとえば、PCT公報番号WO2015/153912、PCT公報番号WO/2017/059387、及びPCT公報番号WO/2017/059380において見いだすことができる。
【0053】
用語「価数」、「二価」、「多価」、及び文法的に同等のものは、所与の結合分子または結合単位における抗原結合ドメインの数を指す。そのようなものとして、所与の結合分子、たとえば、IgM抗体またはその断片を参照して用語「二価」、「四価」、及び「六価」は、それぞれ2つの抗原結合ドメイン、4つの抗原結合ドメイン、及び6つの抗原結合ドメインの存在を意味する。各結合単位が二価である典型的なIgMに由来する結合分子では、結合分子自体は10または12の価数を有することができる。二価または多価の結合分子は単一特異性であることができ、すなわち、抗原結合ドメインのすべてが同一であり、または二重特異性もしくは多重特異性であることができ、たとえば、2つ以上の抗原結合ドメインが異なる場合、たとえば、同一抗原上の異なるエピトープに結合する、または全く異なる抗原に結合する。
【0054】
用語「エピトープ」には抗体への特異的な結合が可能である任意の分子決定基が含まれる。特定の態様では、エピトープは、たとえば、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニルのような分子の化学的に活性がある表面基群を含むことができ、特定の態様では、三次元の構造特性及びまたは特異的な電荷特性を有することができる。エピトープは抗体が結合する標的の領域である。
【0055】
用語「標的」は結合分子が結合することができる物質を含めるのに最も広い意味で使用される。標的は、たとえば、ポリペプチド、核酸、糖質、脂質、または他の分子であることができる。さらに、「標的」は、たとえば、結合分子が結合することができる結合されたエピトープを含む細胞、臓器または生物であることができる。
【0056】
軽鎖及び重鎖は双方とも構造的な及び機能的な相同性の領域に分けられる。用語「定常」及び「可変」は機能的に使用される。この点で、可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)の部分双方の可変ドメインは抗原認識及び特異性を決定することが十分に理解されるであろう。逆に、軽鎖の定常領域(CL)及び重鎖の定常領域(たとえば、CH1、CH2、CH3、またはCH4)は、たとえば、分泌、経胎盤移動性、Fc受容体結合、補体結合等のような生物学的特性を付与する。慣例により、定常領域ドメインの番号付けは、それらが抗原結合部位または抗体のアミノ末端からさらに遠くなるにつれて増える。N末端部分は可変領域であり、C末端部分は定常領域であり、CH3(IgMの場合CH4)ドメイン及びCLドメインはそれぞれ重鎖及び軽鎖のカルボキシ末端に存在する。
【0057】
「完全長IgM抗体重鎖」は、N末端からC末端への方向で、抗体重鎖可変ドメイン(V)と、抗体定常重鎖定常ドメイン1(CM1またはCμ1)と、抗体重鎖定常ドメイン2(CM2またはCμ2)と、抗体重鎖定常ドメイン3(CM3またはCμ3)と、尾部を含むことができる抗体重鎖定常ドメイン4(CM4またはCμ4)とを含むポリペプチドである。
【0058】
上記で示されたように、可変領域(すなわち、「抗原結合ドメイン」)は、結合分子が抗原上のエピトープを選択的に認識し、特異的に結合できるようにする。すなわち、VLドメイン及びVHドメイン(またはラクダもしくはコンドリクトイドの抗体については単にVHドメイン(VHHと表される))、または結合分子、たとえば、抗体の相補性決定領域(CDR)のサブセットが組み合わさって抗原結合ドメインを形成することができる。さらに具体的には、抗原結合ドメインは、VH鎖及びVL鎖のそれぞれにおける3つのCDR(またはVHHにおける3つのCDR)によって定義することができる。特定の抗体は、より大きな構造を形成する。たとえば、IgMは、2、5、または6つのH2L2結合単位と、任意で、ジスルフィド結合を介して操作可能に共有結合したJ鎖とを含む二量体、五量体または六量体の分子を形成することができる。
【0059】
抗体の抗原結合ドメイン中に存在する6つの「相補性決定領域」または「CDR」は、抗体が水性環境においてその三次元構造を前提とするような抗原結合ドメインを形成するように特異的に配置されるアミノ酸の短い不連続な配列である。「フレームワーク」領域と呼ばれる抗原結合ドメイン中のアミノ酸の残りは少ない分子間可変性を示す。フレームワーク領域は大部分はβシート立体構造を採用し、CDRは接続するループを形成し、場合によっては、βシート構造の一部を形成する。従って、フレームワーク領域は、鎖間の非共有結合性の相互作用によって正しい方向性でCDRを位置づけるのに備える足場を形成するように作用する。位置づけられたCDRによって形成される抗原結合ドメインは免疫反応性抗原におけるエピトープに相補性の表面を規定する。この相補性表面が同族エピトープへの抗体の非共有結合性の結合を促進する。CDR及びフレームワーク領域をそれぞれ構成する、アミノ酸は、種々の異なる方法で定義されているので、任意の所与の重鎖または軽鎖の可変領域について当業者が容易に同定することができる(全体が参照によって本明細書に組み入れられる“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”Kabat,E.,et al.,U.S.Department of Health and Human Services,(1983);ならびにChothia and Lesk,J.Mol.Biol.,196:901-917(1987)を参照のこと)。
【0060】
当該技術の範囲内で使用されかつ/または受け入れられる用語の2つ以上の定義がある場合、用語の定義は本明細書で使用されるとき、明白に反対に述べられない限り、そのような意味すべてを含むように意図される。具体例は、重鎖及び軽鎖双方のポリペプチドの可変領域内で見いだされる非連続的な抗原組み合わせ部位を記載するための用語「相補性決定領域(「CDR」)の使用である。これらの領域は、たとえば、参照によって本明細書に組み入れられるKabat,et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,“Sequences of Proteins of Immunological Interest”(1983)によって及びChothia,et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)によって記載されている。Kabat及びChothiaの定義には、互いに比較するとアミノ酸の重複またはサブセットが含まれている。それにもかかわらず、抗体またはそのバリアントのCDRを指すためのいずれかの定義(または当業者に既知の他の定義)の適用は、特に指示されない限り、本明細書で定義され、使用されるような用語の範囲内にあるように意図される。上記で引用した参考文献のそれぞれによって定義されたようなCDRを包含する適切なアミノ酸が比較として以下で表1において述べられている。特定のCDRを包含する正確なアミノ酸の数は、CDRの配列及びサイズに応じて変化するであろう。当業者は、抗体の可変領域のアミノ酸配列を考えてどのアミノ酸が特定のCDRを構成するかを日常的に決定することができる。
【0061】
(表1)CDR定義
*表1におけるCDR定義のすべての番号付けはKabat,et al.(以下を参照のこと)によって示された番号付けの慣例に従う。
【0062】
たとえば、IMGT情報システム(www://imgt.cines.fr/)(IMGT(登録商標)/V-Quest)を用いて免疫グロブリン可変ドメインも分析してCDRを含む可変領域のセグメントを同定することができる。たとえば、Brochet,X.et al.,Nucl.Acids Res.36:W503-508(2008)を参照のこと。
【0063】
Kabat,et al.は、どんな抗体にも適用できる可変領域及び定常領域の配列についての番号付け方式も定義した。当業者は、配列自体以上の任意の実験データを頼りにすることなく、「Kabatの番号付け」のこの方式をあらゆる可変ドメインの配列に明らかに割り当てることができる。本明細書で使用されるとき、「Kabatの番号付け」はKabat,et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,“Sequence of Proteins of Immunological Interest”(1983)によって述べられた番号付け方式を指す。しかしながら、Kabatの番号付け方式の使用が明白に言及されない限り、本開示ではアミノ酸配列には連続的な番号付けが使用される。別の番号付けスキームは、IgGについてのEu番号付け方式(Edelman,GM,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,63:78-85(1969))であり、それはIgMを含む他の免疫グロブリンに適合させられている(たとえば、Arya,S.,et al.,J.Immunol.152:1206-1212(1994)を参照のこと)。
【0064】
結合分子、たとえば、抗体またはその抗原結合断片、バリアント、もしくは誘導体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体、単鎖抗体、エピトープ結合断片、たとえば、Fab,Fab’及びF(ab’)、Fd、Fvs,単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VLまたはVHのいずれかのドメインを含む断片、Fab発現ライブラリによって作製される断片が挙げられるが、これらに限定されない。ScFv分子は当該技術で既知であり、たとえば、米国特許第5,892,019号に記載されている。
【0065】
「特異的に結合する」によって、結合分子、たとえば、抗体またはその断片、バリアント、もしくは誘導体がその抗原結合ドメインを介してエピトープに結合し、且つその結合が抗原結合ドメインとエピトープの間で何らかの相補性を伴うことを一般に意味する。この定義によれば、結合分子は、それが無作為で無関係なエピトープに結合するよりも容易に抗原結合ドメインを介してエピトープに結合すると、そのエピトープに「特異的に結合する」と言われる。用語「特異性」は、特定の結合分子が特定のエピトープに結合する相対的親和性を限定するのに本明細書で使用される。たとえば、結合分子「A」は所与のエピトープについて結合分子「B」よりも高い特異性を有すると考えることができ、または結合分子「A」は関連するエピトープ「D」についてそれが有するよりも高い特異性でエピトープ「C」に結合すると言われ得る。
【0066】
本明細書で開示されている結合分子、たとえば、抗体またはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、5×10-2-1、10-2-1、5×10-3-1、10-3-1、5×10-4-1、10-4-1、5×10-5-1、もしくは10-5-1、5×10-6-1、10-6-1、5×10-7-1もしくは10-7-1より低いオフ速度(k(オフ))または5×10-2-1、10-2-1、5×10-3-1、10-3-1、5×10-4-1、10-4-1、5×10-5-1、または10-5-1、5×10-6-1、10-6-1、5×10-7-1または10-7-1のオフ速度(k(オフ))で標的抗原に結合すると言われ得る。
【0067】
本明細書で開示されている結合分子、たとえば、抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、もしくは5×10-1-1もしくは10-1-1を超えるオン速度(k(オン))または10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、5×10-1-1、10-1-1、もしくは5×10-1-1もしくは10-1-1のオン速度(k(オン))で標的抗原に結合すると言われ得る。
【0068】
結合分子、たとえば、抗体またはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、それが参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合をある程度阻止する程度にそのエピトープに優先的に結合するならば、参照抗体または抗原結合断片のそのエピトープへの結合を競合して阻害すると言われ得る。競合阻害は、当該技術で既知の任意の方法、たとえば、競合ELISAアッセイ法によって測定することができる。結合分子は、参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合を少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%競合して阻害すると言われ得る。
【0069】
本明細書で使用されるとき、用語「親和性」は1つ以上の抗原結合ドメイン、たとえば、免疫グロブリン分子のものとの個々のエピトープの結合の強度の測定を示す。たとえば、Harlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)の27~28ページを参照のこと。本明細書で使用されるとき、用語「結合活性」は抗原結合ドメインの集団と抗原の間での複合体の全体的な安定性を指す。たとえば、Harlowの29~34ページを参照のこと。結合活性は、集団中の個々の抗原結合ドメインの特定のエピトープとの親和性と免疫グロブリン及び抗原の価数との双方に関連する。たとえば、二価のモノクローナル抗体と高度に反復するエピトープ構造を持つ抗原、たとえば、ポリマーとの間の相互作用は高い結合活性のものである。細胞表面上に高密度で存在する受容体との二価のモノクローナル抗体間との間の相互作用も高い結合活性のものである。
【0070】
本明細書で開示されているような結合分子またはその抗原結合断片、バリアント、もしくは誘導体はその交差反応性という点でも記載または特定され得る。本明細書で使用されるとき、用語「交差反応性」は、1つの抗原に特異的な結合分子、たとえば、抗体またはその断片、バリアント、もしくは誘導体の第2の抗原と反応する能力;2つの異なる抗原性物質間の同系性の測定を指す。従って、結合分子は、その形成を誘導したもの以外のエピトープに結合すれば、交差反応性である。交差反応性エピトープは一般に誘導エピトープと同じ相補性の構造特性の多くを含有し、場合によっては原型よりも実際良好に適合することができる。
【0071】
結合分子、たとえば、抗体またはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、抗原へのその結合親和性という点でも記載または特定され得る。たとえば、結合分子は、5×10-2M、10-2M、5×10-3M、10-3M、5×10-4M、10-4M、5×10-5M、10-5M、5×10-6M、10-6M、5×10-7M、10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10M、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×10-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M、または10-15Mを超えない解離定数またはKで抗原に結合することができる。
【0072】
単鎖抗体または他の抗原結合ドメインを含む抗体断片は、単独で存在することができるか、または以下のうちの1つ以上と組み合わせて存在することができる:ヒンジ領域、CH1、CH2、CH3、またはCH4のドメイン、J鎖また分泌成分。含まれるのはまた、ヒンジ領域、CH1、CH2、CH3、CH4のドメイン、J鎖、または分泌成分の1つ以上との可変領域の任意の組み合わせを含むことができる抗原結合断片である。結合分子、たとえば、抗体またはその抗原結合断片は、鳥類及び哺乳類を含む任意の動物起源に由来することができる。抗体は、ヒト、マウス、ロバ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ラマ、ウマ、またはニワトリの抗体であることができる。別の実施形態では、可変領域は起源においてコンドリクトイド(condricthoid)(たとえば、サメ由来)であることができる。本明細書で使用されるとき、「ヒト」抗体には、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体が挙げられ、ヒト免疫グロブリンのライブラリから、または1つ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックである動物から単離された抗体が挙げられ、場合によっては、それは、上記及び、たとえば、Kucherlapati,et al.による米国特許第5,939,598号に記載されているように、内在性の免疫グロブリンを発現することができるし、できないこともある。
【0073】
本明細書で使用されるとき、用語「重鎖サブユニット」は免疫グロブリン重鎖に由来するアミノ酸配列を含み、重鎖サブユニットを含む結合分子、たとえば、抗体は、VHドメイン、CH1ドメイン、ヒンジ(たとえば、上部、中間及び/または下部のヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH4ドメインまたはそれらのバリアントもしくは断片の少なくとも1つを含むことができる。たとえば、結合分子、たとえば、抗体、またはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、限定はされないが、VHドメインに加えて、CH1ドメイン;CH1ドメインとヒンジとCH2ドメイン;CH1ドメインとCH3ドメイン;CH1ドメインとヒンジとCH3ドメイン;またはCH1ドメインとヒンジドメインとCH2ドメインとCH3ドメインを含むことができる。特定の態様では、結合分子、たとえば、抗体、またはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、VHドメインに加えて、CH3ドメインとCH4ドメイン;またはCH3ドメインとCH4ドメインとJ鎖を含むことができる。さらに、本開示で使用するための結合分子は特定の定常領域の一部、たとえば、CH2ドメインの全部または一部を欠くことができる。これらのドメイン(たとえば、重鎖サブユニット)は、それらが原型の免疫グロブリン分子とはアミノ酸配列で異なるように修飾することができることが当業者によって理解されるであろう。
【0074】
本明細書で使用されるとき、用語「軽鎖サブユニット」は免疫グロブリン軽鎖に由来するアミノ酸配列を含む。軽鎖サブユニットは少なくともVLを含むことができ、且つCL(たとえば、CκまたはCλ)ドメインをさらに含むことができる。
【0075】
結合分子、たとえば、抗体またはその抗原結合断片、バリアント、もしくは誘導体は、それらが認識するまたは特異的に結合する抗原のエピトープまたは一部という点で記載または特定することができる。抗体の抗原結合ドメインと特異的に相互作用する標的抗原の部分が「エピトープ」または「抗原決定基」である。標的抗原は、単一のエピトープ、または少なくとも2つのエピトープを含むことができ、且つ抗原のサイズ、立体構造及び種類に応じて任意の数のエピトープを含むことができる。
【0076】
本明細書で使用されるとき、用語「ジスルフィド結合」には2つのイオウ原子間で形成される共有結合が含まれる。アミノ酸システインは、第2のチオール基と共にジスルフィド結合または架橋を形成することができるチオール基を含む。
【0077】
本明細書で使用されるとき、用語「キメラ抗体」は、免疫反応性の領域または部位が第1の種から得られるかまたはそれに由来し、定常領域(インタクトであり得る、部分的であり得るか、または修飾され得る)が第2の種から得られる抗体を指す。一部の実施形態では、標的結合の領域または部位は非ヒト起源(たとえば、マウスまたは霊長類)に由来するであろうし、定常領域はヒトである。
【0078】
用語「多重特異性抗体」、たとえば、「二重特異性抗体」は、単一抗体分子内で2つ以上の異なるエピトープに対する抗原結合ドメインを有する抗体を指す。基準の抗体構造に加えて他の結合分子を2つの結合特異性と共に構築することができる。二重特異性抗体または多重特異性抗体によるエピトープ結合は同時であることができるか、または逐次であることができる。トリオーマ及びハイブリッドハイブリドーマは二重特異性抗体を分泌することができる細胞株の2つの例である。二重特異性抗体は組換え手段によっても構築することができる(Strohlein and Heiss,Future Oncol.6:1387-94(2010);Mabry and Snavely,IDrugs.13:543-9(2010))。二重特異性抗体はダイアボディ(diabody)であることもできる。
【0079】
本明細書で使用されるとき、用語「操作された抗体」は、重鎖及び軽鎖のいずれかまたは双方における可変ドメイン及び/または定常領域が、CDR、フレームワーク、及び/または定常領域における1つ以上のアミノ酸の少なくとも部分的な置換によって変えられている抗体を指す。特定の態様では、既知の特異性の抗体に由来するCDR全体を異種抗体のフレームワーク領域に移植することができる。代替のCDRはフレームワーク領域が由来する抗体と同じクラスまたは同等のサブクラスの抗体に由来することができるが、CDRは異なるクラスの抗体、たとえば、異なる種の抗体に由来することもできる。既知の特異性の非ヒト抗体に由来する1つ以上の「ドナー」CDRがヒトの重鎖または軽鎖のフレームワーク領域に移植されている操作された抗体は本明細書では「ヒト化抗体」と呼ばれる。特定の態様では、CDRのすべてがドナーの可変領域に由来する完全なCDRで置き換えられるわけではなく、その上、ドナーの抗原結合能をレシピエントの可変ドメインにさらに移すことができる。たとえば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、及び同第6,180,370号で述べられた説明を考えると、機能的な操作されたまたはヒト化された抗体を入手することは、日常の実験を行うことによって、または試行錯誤試験によって当業者の能力の十分に範囲内であろう。
【0080】
本明細書で使用されるとき、用語「操作された」には、合成手段による(たとえば、組換え法、試験管内のペプチド合成による、ペプチドの酵素的または化学的なカップリングまたはこれらの技法の何らかの組み合わせによる)核酸分子またはポリペプチド分子の操作が含まれる。
【0081】
本明細書で使用されるとき、用語「連結される」、「融合される」、もしくは「融合」、または他の文法的に同等のものは、相互交換可能に使用することができる。これらの用語は、化学的結合または組換え手段を含むどんな手段によっても2つ以上のエレメントまたは成分を一緒にすることを指す。「インフレーム融合」は、元々のオープンリーディングフレーム(ORF)の翻訳リーディングフレームを維持する方法で連続的なさらに長いORFを形成するための2つ以上のポリヌクレオチドのORFの結合を指す。従って、組換え融合タンパク質は、元々のORFによってコードされたポリペプチドに相当する2つ以上のセグメントを含有する単一のタンパク質である(そのセグメントは自然界では普通そのように結合されない)。リーディングフレームは融合されたセグメント全体にわたってこうして連続にされるが、たとえば、インフレームリンカー配列によってセグメントを物理的にまたは空間的に分離することができる。たとえば、免疫グロブリン可変領域のCDRをコードするポリヌクレオチドはインフレームで融合することができるが、「融合された」CDRが連続ポリペプチドの一部として同時翻訳される限り、少なくとも1つの免疫グロブリンのフレームワーク領域または追加のCDR領域をコードするポリヌクレオチドによって分離することができる。
【0082】
ポリペプチドの文脈では、「線状配列」または「配列」は、配列において互いに隣接するアミノ酸がポリペプチドの一次構造で連続する、アミノ末端からカルボキシ末端への方向の、ポリペプチド中のアミノ酸の順序である。ポリペプチドの別の部分に対して「アミノ末端」または「N末端」側にあるポリペプチドの部分は一連のポリペプチド鎖において先に来るその部分である。同様に、ポリペプチドの別の部分に対して「カルボキシ末端」または「C末端」側にあるポリペプチドの部分は一連のポリペプチド鎖において後に来るその部分である。たとえば、典型的な抗体では、可変ドメインは定常領域に対して「N末端」側にあり、定常領域は可変ドメインに対して「C末端」側にある。
【0083】
用語「発現」は、本明細書で使用されるとき、遺伝子が生化学的なもの、たとえば、ポリペプチドを生成する過程を指す。過程には、限定はされないが、遺伝子のノックダウンならびに一時的な発現及び安定した発現の双方を含む、細胞内での遺伝子の機能的存在の何らかの明示が含まれる。限定はされないが、RNA、たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)への遺伝子の転写、及びそのようなmRNAのポリペプチドへの翻訳が挙げられる。最終的な所望の産物が生化学的なものであれば、発現にはその生化学的なもの及び任意の前駆体を生成することが含まれる。遺伝子の発現は「遺伝子産物」を生成する。本明細書で使用されるとき、遺伝子産物は、遺伝子の転写によって生成される核酸、たとえば、メッセンジャーRNA、または転写物から翻訳されるポリペプチドのいずれかである。本明細書に記載されている遺伝子産物にはさらに、転写後修飾、たとえば、ポリアデニル化を伴う核酸、または翻訳後修飾、たとえば、メチル化、グリコシル化、脂質の付加、他のタンパク質サブユニットとの会合、タンパク質分解切断等を伴うポリペプチドが挙げられる。
【0084】
「治療すること(treating)」または「治療」または「治療すること(to treat)」または「緩和すること(alleviating)」または「緩和すること(to alleviate)」のような用語は現存する診断された病状または疾病の症状を治癒させる、落ち着かせる、減らす、及び/またはその進行を止めるまたは減速する治療方針を指す。「防ぐ」、「予防」、「回避する」、「阻止」等のような用語は、診断されていない標的とされる病状または疾病の発生を防ぐ予防的なまたは予防上の方針を指す。従って、「治療を必要とするもの」は、すでに疾病を持つもの、疾病を有しがちなもの、及び疾病が予防されるべきであるものを含むことができる。
【0085】
「対象」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳類」によって診断、予後診断または治療が所望される任意の対象、特に哺乳類対象を意味する。哺乳類対象には、ヒト、家畜、産業動物、及び動物園動物、スポーツ用動物またはペット動物、たとえば、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ブタ、ウシ、クマ等が挙げられる。
【0086】
本明細書で使用されるとき、「治療から利益を得る対象」及び「治療を必要とする動物」のような語句には、1つ以上の抗原結合ドメインを含む抗体のような結合分子の投与から利益を得る対象、たとえば、哺乳類対象が含まれる。そのような結合分子、たとえば、抗体は、たとえば、疾患の診断法及び/または治療または予防に使用することができる。
【0087】
IgM結合分子
IgMは、抗原による刺激に応答してB細胞によって産生される最初の免疫グロブリンであり、5日の半減期で血清中に1.5mg/ml前後で存在する。IgMは通常五量体または六量体の分子である。IgMの結合単位は通常、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含む。IgGが3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2及びCH3)を含有する一方でIgMの重鎖(μ)はさらに、C末端の「尾部」を含む第4の定常ドメイン(CH4)を含有する。ヒトIgMの定常領域は通常、アミノ酸配列のSEQ ID NO:1(表3を参照)を含む。ヒトCμ1の領域はSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸5からほぼアミノ酸102に及び;ヒトCμ2の領域はSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸114からほぼアミノ酸205に及び;ヒトCμ3の領域はSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸224からほぼアミノ酸319に及び;ヒトCμ4の領域はSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸329からほぼアミノ酸430に及び;尾部はSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸431からほぼアミノ酸453に及ぶ。
【0088】
5つのIgM結合単位が追加の小さなポリペプチド鎖(J鎖)と共に複合体を形成し、IgM抗体を形成することができる。前駆体のヒトJ鎖はアミノ酸配列のSEQ ID NO:7を含む(表3)。SEQ ID NO:7の最初の22のアミノ酸は分泌シグナルペプチドであり、成熟ヒトJ鎖はSEQ ID NO:7のアミノ酸23で開始する。J鎖がなければ、IgM結合単位は通常六量体になる。理論に束縛されるのを望まないが、IgM結合単位が集合して六量体または五量体の結合分子になるには、Cμ3、Cμ4、及び尾部のドメインが関与すると考えられている。従って、本開示で提供されている六量体または五量体の結合分子は通常、少なくともCμ3、Cμ4、及び尾部のドメインを含むIgM定常領域を含む。
【0089】
IgMの重鎖定常領域はさらに、Cμ2ドメインもしくはその断片、Cμ1ドメインもしくはその断片、及び/または他のIgMの重鎖ドメインを含むことができる。特定の態様では、本明細書で提供されるような結合分子は、完全なIgM重鎖(μ)定常領域(SEQ ID NO:1)またはそのバリアント、誘導体、もしくは類似体を含むことができる。
【0090】
補体系及び補体依存性細胞障害
補体系は30個を超える糖タンパク質を含み、そのうち、20個は血漿に存在し、10個は細胞に関連する調節因子または受容体である。補体カスケードの活性化は、細胞溶解、貪食作用、走化性及び免疫細胞の活性化を含む多様な免疫エフェクター機能を誘導する。補体は、3つの異なる経路:すべてC3タンパク質のレベルに集中し、膜侵襲複合体(MAC)の形成による標的細胞の補体依存性細胞障害をもたらす、古典経路、副経路及びマンノース結合レクチン経路によって活性化することができる。免疫複合体におけるIgM及び特定のサブクラスのIgG抗体は古典的補体経路を活性化する。抗原・抗体複合体の形成は、補体系のC1成分についての結合部位を暴露するIgMまたはIgG分子のFc部分における立体構造の変化を誘導する。血清中のC1はC1qとC1r及びC1sのそれぞれの2つの分子とから成る高分子複合体である。C1qのFc結合部位への結合はC1r及びC1sにおける立体構造の変化を誘導する。それに続いてタンパク質分解で活性化されたC1rがC1sを切断し、C1sの活性化を生じる。次いでC1sはC2及びC4を切断してC2a、C2b、C4a及びC4bを生成する。C2a及びC4bは一緒にC3変換酵素を形成する。C3変換酵素による中心的な成分C3の切断は、C3bの形成をもたらし、その一部が標的細胞の細胞膜に結合する。膜に結合したC3bはC3変換酵素と相互作用し、C5変換酵素の形成をもたらす。その結果、C5はC5a及びC5bに切断される。最終経路の活性化は、オプソニン化された標的細胞の膜へのC5b~C9成分の沈着をもたらして膜侵襲複合体を形成し、最終的に補体依存性細胞障害(CDC)を引き起こす。
【0091】
補体依存性の細胞溶解の最終結果は、膜の完全性を破壊する、細胞の脂質二重層膜における孔の形成である。補体依存性細胞障害アッセイ法(CDCアッセイ法)は、補体免疫経路を活性化して膜侵襲複合体及び標的とされた細胞の溶解を開始する抗体の有効性を調べる。CDCアッセイのための1つの方法は、補体系の成分を含有する添加剤、たとえば、血清と、評価される抗体が結合した標的細胞を混合し、且つ、次いで細胞死を測定することである。細胞死は、たとえば、細胞死の際、細胞から放出される放射性化合物で標的細胞を予め負荷することによって測定することができ、細胞死媒介するための抗体の有効性は、放射性レベルによって測定される。非放射性のCDCアッセイ法、たとえば、Promegaから入手できるCELLTITER-GLO(登録商標)アッセイ法は、蛍光または発光の測定によってATPのような豊富な細胞成分の放出を測定する。CDCの事象では、混合は細胞溶解と、存在するATPの量に比例した発光シグナルの生成を生じる。ATPの量は培養物中に存在する細胞の数に直接比例する。
【0092】
減少したCDC活性を有する修飾されたヒトIgM定常領域
本開示は、細胞上で発現される標的抗原に向けられた修飾された標的特異的なヒトIgM抗体の一部として発現させると、対応する野生型ヒトIgM抗体と比べて補体の存在下で細胞の減少したCDC活性を示す修飾されたヒトIgM定常領域を提供する。「対応する野生型ヒトIgM抗体」は、CDC活性に影響を及ぼす定常領域中の1つの修飾または複数の修飾を除いては修飾されたヒトIgM定常領域を含む抗体と同一である、野生型IgM抗体を意味する。たとえば、「対応する野生型ヒトIgM抗体」は、同一のVH及びVLの領域、及び修飾されたヒトIgM抗体がCDC活性に影響を及ぼす修飾以外で有し得る任意の他の修飾または切り詰めを含むであろう。特定の態様では、修飾されたヒトIgM定常領域は、たとえばCμ3ドメイン中にまたはその近傍に、たとえば、SEQ ID NO:1のほぼアミノ酸T302からSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸K322まで伸びる領域中に1つ以上のアミノ酸置換を含み、たとえば、野生型ヒトIgM定常領域と比べてSEQ ID NO:1のT302、C303、T304、V305、T306、H307、T308、D309、L310、P311、S312、P313、L314、K315、Q316、T317、I318、S319、R320、P321、及び/またはK322の位置において少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つ、またはそれ以上のアミノ酸置換を含む。理論に束縛されることを望まないが、補体のC1q成分はCμ3ドメイン中に存在する少なくとも特定のアミノ酸残基を介してヒトIgM定常領域と結合すると考えられている。CDCを測定するアッセイ法は当業者に周知であり、例となるアッセイ法は本明細書に記載されている。
【0093】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のP311位において野生型ヒトIgM定常領域と比べて置換を含む。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のP313位において野生型ヒトIgM定常領域と比べて置換を含む。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のL310位において野生型ヒトIgM定常領域と比べて置換を含む。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のK315位において野生型ヒトIgM定常領域と比べて置換を含む。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のL310位、SEQ ID NO:1のP311位、SEQ ID NO:1のP313位、及び/またはSEQ ID NO:1のK315位のうちの2つ以上において野生型ヒトIgM定常領域と比べて置換の組み合わせを含有する。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位において、たとえば、アラニン(P311A)(SEQ ID NO:2)、セリン(P311S)またはグリシン(P311G)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P313位において、たとえば、アラニン(P313A)、セリン(P313S)(SEQ ID NO:3)またはグリシン(P313G)によって置換することができる。本明細書で提供されているような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位において、たとえば、アラニン(L310A)(SEQ ID NO:15)、セリン(L310S)、グリシン(L310G)またはアスパラギン酸(L310D)(SEQ ID NO:23)によって置換することができる。本明細書で提供されているような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸K315位において、たとえば、アラニン(K315A)(SEQ ID NO:16)、セリン(K315S)、グリシン(K315G)、アスパラギン酸(K315D)(SEQ ID NO:24)またはグルタミン(K315Q)(SEQ ID NO:25)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位及びP313位において、たとえば、それぞれアラニン(P311A)及びセリン(P313S)(SEQ ID NO:4)、またはアラニン、セリン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びK315位において、たとえば、アラニン(L310A、K315A)(SEQ ID NO:17)、またはセリン(L310S、K315S)(SEQ ID NO:18)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びP311位において、たとえば、アラニン(L310A、P311A)(SEQ ID NO:19)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びP313位において、たとえば、それぞれアラニン及びセリン(L310A、P313S)(SEQ ID NO:20)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位及びK315位において、たとえば、アラニン(P311A、K315A)(SEQ ID NO:21)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM定常領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P313位及びK315位において、たとえば、それぞれセリン及びアラニン(P313S、K315A)(SEQ ID NO:22)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。
【0094】
特定の態様では、たとえば、L310、P311、P313、及び/またはK315におけるアミノ酸置換、たとえば、L310A、L310S、L310G、L310D、P311A、P311S、P311G、P313A、P313S、P313G、K315A、K315S、K315G、K315D、及び/もしくはK315Q、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体の補体依存性細胞障害(CDC)活性は、対応する野生型IgM抗体と比べて、すなわち、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である野生型標的特異的なIgM抗体と比べて、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少させることができる。
【0095】
特定の態様では、たとえば、L310、P311、P313、及び/またはK315におけるアミノ酸置換、たとえば、L310A、L310S、L310G、L310D、P311A、P311S、P311G、P313A、P313S、P313G、K315A、K315S、K315G、K315D、及び/またはK315Q、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含む標的特異的なIgM抗体の50%CDC活性をもたらす抗体濃度(EC50)は、対応する野生型IgM抗体に比べて、すなわち、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である野生型標的特異的なIgM抗体と比べて、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍増加させることができる。
【0096】
本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域は、当業者に周知の標準の変異誘発法によって構築することができるか、または種々の供給業者から入手することができる。変異誘発及びヌクレオチド配列変異の方法は当該技術で周知である。たとえば、参照によって本明細書に組み入れられるWalker and Gaastra,eds.(1983),Techniques in Molecular Biology.(MacMillan Publishing Company,New York);Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:488-492(1985);Kunkel,et al.,Methods Enzymol.154:367-382(1987);Sambrook,et al.(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor,N.Y.);米国特許第4,873,192号;及びそれらの中で引用された参考文献を参照のこと。対象とするポリペプチドの生物活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関する指針は、全体が参照によって本明細書に組み入れられるDayhoff,et al.(1978),in Atlas of Protein Sequence and Structure,(Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.),pp.345-352のモデルにおいて見いだすことができる。Dayhoffらのモデルは、受容点突然変異(PAM)アミノ酸類似性マトリクス(PAM250マトリクス)を使用して好適な保存的アミノ酸置換を決定する。特定の態様では、保存的置換、たとえば、1つのアミノ酸を類似の特性を有する別のアミノ酸と交換することが使用される。DayhoffらのモデルのPAM250マトリクスによって教示されるような保存的アミノ酸置換の例には、Gly←→Ala、Val←→Ile←→Leu、Asp←→Glu、Lys←→Arg、Asn←→Gln、及びPhe←→Trp←→Tyrが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
五量体または六量体の修飾されたヒトIgM抗体
別の態様では、本開示は修飾されたヒトIgM抗体を提供し、修飾されたヒトIgM抗体は、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM定常領域を含み、且つ修飾されたヒトIgM定常領域に対してアミノ末端側に位置する重鎖可変領域(VH)をさらに含み、重鎖可変領域(VH)は、標的抗原に特異的に結合し(単独でまたは軽鎖可変領域(VL)との組み合わせで)、且つ、対応する野生型ヒトIgM抗体、すなわち、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である野生型標的特異的なIgM抗体と比べて、標的抗原を発現している細胞の補体依存性細胞障害(CDC)の減少及び/または50%CDC活性をもたらす抗体濃度(EC50)の増加を示す。特定の態様では、修飾されたヒトIgM抗体は、たとえばCμ3ドメイン中にまたはその近傍に、たとえば、SEQ ID NO:1のほぼアミノ酸T302からSEQ ID NO:1のほぼアミノ酸K322まで伸びる領域において1つ以上のアミノ酸置換を含み、たとえば、野生型ヒトIgM定常領域と比べてSEQ ID NO:1のT302、C303、T304、V305、T306、H307、T308、D309、L310、P311、S312、P313、L314、K315、Q316、T317、I318、S319、R320、P321、及び/またはK322の位置において少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つ、またそれ以上のアミノ酸置換を含む。理論に束縛されることを望まないが、補体のC1q成分はCμ3ドメイン中に存在する特定のアミノ酸残基を少なくとも介してヒトIgM定常領域と結合すると考えられている。CDCを測定するアッセイ法は当業者に周知であり、例となるアッセイ法は本明細書に記載されている。
【0098】
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、SEQ ID NO:1のP311位において野生型ヒトIgM抗体と比べて置換を含む。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、SEQ ID NO:1のP313位において野生型ヒトIgM抗体と比べて置換を含有する。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、SEQ ID NO:1のL310位において野生型ヒトIgM抗体と比べて置換を含有する。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、SEQ ID NO:1のK315位において野生型ヒトIgM抗体と比べて置換を含有する。他の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のL310位、SEQ ID NO:1のP311位、SEQ ID NO:1のP313位、及び/またはSEQ ID NO:1のK315位のうちの2つ以上において野生型ヒトIgM抗体と比べて置換の組み合わせを含有する。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位において、たとえば、アラニン(P311A)(SEQ ID NO:2)、セリン(P311S)またはグリシン(P311G)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P313位において、たとえば、アラニン(P313A)、セリン(P313S)(SEQ ID NO:3)またはグリシン(P313G)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位において、たとえば、アラニン(L310A)(SEQ ID NO:15)、セリン(L310S)、グリシン(L310G)またはアスパラギン酸(L310D)(SEQ ID NO:23)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸K315位において、たとえば、アラニン(K315A)(SEQ ID NO:16)、セリン(K315S)、グリシン(K315G)、アスパラギン酸(K315D)(SEQ ID NO:24)またはグルタミン(K315Q)(SEQ ID NO:25)によって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位及びP313位において、たとえば、それぞれアラニン(P311A)及びセリン(P313S)(SEQ ID NO:4)、またはアラニン、セリン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びK315位において、たとえば、アラニン(L310A、K315A)(SEQ ID NO:17)、またはセリン(L310S、K315S)(SEQ ID NO:18)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びP311位において、たとえば、アラニン(L310A、P311A)(SEQ ID NO:19)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されているような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸L310位及びP313位において、たとえば、それぞれアラニン及びセリン(L310A、P313S)(SEQ ID NO:20)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P311位及びK315位において、たとえば、アラニン(P311A、K315A)(SEQ ID NO:21)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。本明細書で提供されているような修飾されたIgM抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸P313位及びK315位において、たとえば、それぞれセリン及びアラニン(P313S、K315A)(SEQ ID NO:22)、またはアラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン、及び/もしくはグリシンの任意の組み合わせによって置換することができる。
【0099】
特定の態様では、たとえば、L310、P311、P313、及び/またはK315におけるアミノ酸置換、たとえば、L310A、L310S、L310G、L310D、P311A、P311S、P311G、P313A、P313S、P313G、K315A、K315S、K315G、K315D、及び/またはK315Q、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書で提供されるような修飾されたIgM抗体の補体依存性細胞障害(CDC)活性は、対応する野生型IgM抗体と比べて、すなわち、修飾されたヒトIgM定常領域を除いては同一である野生型標的特異的なIgM抗体と比べて、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少させることができる。
【0100】
特定の態様では、たとえば、L310、P311、P313、及び/またはK315におけるアミノ酸置換、たとえば、L310A、L310S、L310G、L310D、P311A、P311S、P311G、P313A、P313S、P313G、K315A、K315S、K315G、K315D、及び/またはK315Q、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書で提供されるようなIgM抗体の50%CDC活性をもたらす抗体濃度(EC50)は、対応する野生型IgM抗体と比べて、すなわち、修飾されたヒトIgM定常領域を除いて同一である野生型標的特異的なIgM抗体と比べて、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍増加させることができる。
【0101】
本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は、本明細書で定義されるような5つまたは6つのIgM「結合単位」を含む六量体または五量体であることができ、それらIgM「結合単位」のうちの1つ以上は対象とする標的抗原に特異的に結合することができる。本開示は、任意の標的抗原に特異的に結合する修飾されたヒトIgM抗体を包含する。特定の態様では、標的抗原は細胞、たとえば、真核細胞の表面での発現が可能である。標的抗原には、限定はされないが、腫瘍抗原、他の腫瘍性標的、たとえば、免疫チェックポイント阻害剤のような免疫・腫瘍性標的、たとえば、感染した細胞の表面で発現されるウイルス抗原のような感染症抗原、血管脳関門の輸送に関与する標的抗原、神経変性疾患及び神経炎症性疾患に関与する標的抗原、及びそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。標的抗原の非限定例、ならびにそのような標的抗原に結合する抗体結合ドメインの非限定例は、たとえば、PCT公報番号WO2016/141303、同WO2016/168758、同WO2016/154593、同WO2016/118641、同WO2015/153912、同WO2015/053887、同WO2013/120012、同WO/2017/059387、同WO/2017/059380、同WO/2018/017888、同WO/2018/017889、同WO/2018/017761、及び同WO/2018/017763において見いだすことができ、その開示は全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0102】
特定の態様では、本開示は、5つまたは6つの二価結合単位をそれぞれ含む五量体または六量体の修飾されたヒトIgM抗体を提供し、各結合単位は、本明細書で提供されるような2つの修飾されたヒトIgM重鎖定常領域またはその断片を含む。
【0103】
本明細書で提供される修飾されたヒトIgM抗体が五量体である場合、抗体はさらに、J鎖またはその機能的断片またはそのバリアントを含むことができる。特定の態様では、J鎖は、1つの異種部分または1つ以上の異種部分、たとえば、異種ポリペプチド配列、たとえば、ネイティブの配列に導入された外来性の結合ドメインを含む、修飾されたJ鎖である。特定の態様では、外来性の結合ドメインはCD3、たとえば、CD3εに特異的に結合する。特定の態様では、修飾されたJ鎖はV15J(SEQ ID NO:9)またはJ15V(SEQ ID NO:11)を含む。
【0104】
定常領域が修飾されたヒトIgM抗体における所望の機能に役立つことができる、たとえば、第2のIgM定常領域と結合して結合単位を形成する、または他の結合単位と結合して六量体または五量体を形成することができるという条件で、IgM重鎖定常領域は、Cμ1ドメイン、Cμ2ドメイン、Cμ3ドメイン(本明細書で提供されるように、Cμ3は1つ以上のアミノ酸置換を含むことができる)、及び/またはCμ4ドメインの1つ以上を含むことができる。特定の態様では、個々の結合単位内での2つの修飾されたヒトIgM重鎖定常領域またはその断片はそれぞれ、修飾されたCμ3ドメイン(たとえば、SEQ ID NO:1のL310、SEQ ID NO:1のP311、SEQ ID NO:1のP313、SEQ ID NO:1のK315、及び/もしくはそれらの任意の組み合わせの1つ以上での置換を伴う)もしくはその断片、Cμ4ドメインもしくはその断片、尾部(TP)もしくはその断片、または修飾されたCμ3ドメインとCμ4ドメインとTPもしくはその断片の任意の組み合わせを含む。特定の態様では、個々の結合単位の範囲内での2つの修飾されたヒトIgM重鎖定常領域またはその断片はそれぞれさらに、Cμ2ドメインもしくはその断片、Cμ1ドメインもしくはその断片、またはCμ1ドメインもしくはその断片及びCμ2ドメインもしくはその断片を含む。
【0105】
特定の態様では、所与の結合単位における2つの修飾されたヒトIgM重鎖定常領域のそれぞれは、抗原結合ドメイン、たとえば、抗体の重鎖可変領域(VH)またはFv部分、たとえば、抗体のVH及びVLと結合する。
【0106】
修飾されたJ鎖
特定の態様では、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は修飾されたJ鎖を組み込んで二重特異性であることができる。本明細書及びPCT公報番号WO2015/153912、同WO/2017/059387、及び同WO/2017/059380において提供されているように、修飾されたJ鎖は、異種部分、たとえば、異種ポリペプチドを含むことができ、たとえば、標的に特異的に結合することができるポリペプチド結合ドメインを含むことができる、たとえば、外来性の結合ドメインを含むことができる。結合ドメインは、たとえば、抗体またはその抗原結合断片、抗体・薬剤コンジュゲートまたはその抗原結合断片、または抗体様分子であることができる。ポリペプチド結合ドメインは、付加の位置及び種類(たとえば、直接または間接の融合、化学連結等)を適宜選択することによってJ鎖に導入することができる。
【0107】
特定の態様では、結合ドメインは、単一特異性、二重特異性、及び多重特異性の抗体及び抗体断片を含む抗体または抗体の抗原結合断片であることができる。抗体断片は、限定はされないが、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、scFv、(scFv)断片、単鎖抗体分子、ミニボディ、または抗体断片から形成される多重特異性抗体であることができる。特定の態様では、抗体断片はscFvである。
【0108】
他の態様では、結合ドメインは、抗体様分子、たとえば、ヒトドメイン抗体(dAb)、二重親和性再標的化(DART)分子、ダイアボディ、ジダイアボディ(di‐diabody)、二重可変ドメイン抗体、積層可変ドメイン抗体、小モジュラー免疫医薬(SMIP)、サロボディ(Surrobody)、鎖交換操作ドメイン(SEED)-ボディ、またはTandAbであることができる。
【0109】
結合ドメインは、レシピエントIgM分子のその1つの結合標的もしくは複数の結合標的への結合またはIgM五量体に効率的に組み込むJ鎖の能力を妨害しないで結合ドメインの結合標的への結合を可能にする任意の位置でネイティブのJ鎖配列に導入することができる。特定の態様では、C末端でもしくはその近傍で、成熟N末端(たとえば、シグナルペプチドの切断後のSEQ ID NO:7のアミノ酸番号23)でもしくはその近傍で、またはJ鎖の三次元構造に基づいてアクセスできる内部の位置で、結合ドメインを挿入することができる。特定の態様では、SEQ ID NO:7のヒトJ鎖のC末端から約10残基欠いてまたは成熟N末端(アミノ酸23)から約10残基欠いて結合ドメインをネイティブ配列J鎖に導入することができる。別の態様では、SEQ ID NO:7のシステイン残基113と122の間でSEQ ID NO:7のネイティブ配列ヒトJ鎖に、または別のネイティブ配列J鎖の同等の位置で、結合ドメインを導入することができる。さらなる態様では、グリコシル化部位でまたはその近傍で、結合ドメインをネイティブ配列J鎖、たとえば、SEQ ID NO:7のJ鎖に導入することができる。特定の態様では、C末端から約10残基以内においてSEQ ID NO:7のネイティブ配列ヒトJ鎖に結合ドメインを導入することができる。
【0110】
導入は、直接融合または間接的融合によって、すなわち、ペプチドリンカーの有無にかかわらず、コーディングヌクレオチド配列のインフレーム組み合わせによる1つのポリペプチド鎖におけるJ鎖と結合ドメインとの組み合わせによって達成することができる。ペプチドリンカー(間接的融合)は使用されるならば、約1~50、または約1~40、または約1~30、または約1~20、または約1~10、または約10~20アミノ酸長であることができ、J鎖配列に導入される結合ドメインの末端の一方または双方に存在することができる。特定の態様では、ペプチドリンカーは約10~20または10~15アミノ酸長である。特定の態様では、ペプチドリンカーは15アミノ酸長である。特定の態様では、ペプチドリンカーは(GGGGS)(SEQ ID NO:12)である。
【0111】
複数の異種ポリペプチド、たとえば、複数の結合ドメインまたは他の部分をJ鎖に導入することも可能である。
【0112】
修飾されたJ鎖は、修飾されたJ鎖をコードする核酸を好適な原核宿主生物または真核宿主生物において発現させることによって、組換えDNA技術の周知の技法により作製することができる。
【0113】
修飾されたJ鎖は、本明細書のどこか他に記載されているようなレシピエントの修飾されたヒトIgM抗体の重鎖及び軽鎖と同時発現させることもできる。レシピエント抗体は、修飾されたJ鎖の組み込みに先立って、単一特異性、二重特異性または多重特異性であることができ、たとえば、単一特異性、二重特異性または多重特異性の修飾されたヒトIgM抗体であることができる。抗体を含む二重特異性または多重特異性のIgM抗体は、たとえば、PCT公報番号WO2015/053887及び同WO2015/120474に記載されており、その内容全体が参照によって本明細書に明白に組み入れられる。
【0114】
特定の態様では、本明細書に記載されているような修飾されたヒトIgM抗体は、たとえば、T細胞、NK細胞、マクロファージまたは好中球のような免疫エフェクター細胞に対して結合特異性を持つ修飾されたJ鎖を含むことができる。特定の態様では、エフェクター細胞はT細胞であり、結合標的はCD3である(以下で考察される)。エフェクター細胞、たとえば、細胞障害性T細胞(CTL)のようなエフェクターT細胞を活性化し、対象とする標的抗原を発現している細胞に向け直すことによって、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体は標的抗原に対して高いエフェクター反応を生じることができ、それによってさらに効能及び有効性を高める。特定の態様では、本明細書で提供されるような二重特異性の修飾されたヒトIgM抗体の修飾されたJ鎖を介したCD3への結合によるT細胞媒介細胞障害を引き出す能力は、対応する野生型IgM抗体と比べてCDCを減少させるIgM定常領域中の修飾によって影響を受けない。
【0115】
T細胞の場合、分化抗原群3(CD3)は歴史的にはT3複合体として知られる多量体タンパク質複合体であり、二量体の3つのペア(εγ、εδ、ζζ)として集合して機能する4つの異なるポリペプチド鎖(ε、γ、δ、ζ)で構成される。CD3複合体は、T細胞受容体(TCR)と非共有結合性に結合するT細胞共受容体として役立つ。このCD3複合体の成分、特にCD3εは本明細書で提供されている二重特異性IgMまたはIgA結合分子の修飾されたJ鎖にとって標的であることができる。
【0116】
特定の態様では、J鎖がCD3εに結合するように修飾される場合、二重特異性の修飾されたヒトIgM抗体が提供される。
【0117】
特定の態様では、本明細書で提供されている修飾されたJ鎖の抗CD3ε結合ドメインはscFvである。抗CD3ε scFvは、直接、またはscFvとJ鎖配列の間に導入される合成リンカー、たとえば、(GGGGS)リンカー(SEQ ID NO:12)によって間接的にJ鎖のN末端でもしくはその近傍で、またはJ鎖のC末端でもしくはその近傍で融合することができる。特定の態様では、scFvはビシリズマブ(Nuvion)のVH領域及びVL領域を含む。特定の態様では、修飾されたJ鎖は、ビシリズマブのVHと、(GGGGS)リンカーと、ビシリズマブのVLとを含むscFvを含む。
【0118】
特定の態様では、修飾されたJ鎖は、15アミノ酸(GGGGS)リンカーを介してヒトJ鎖のN末端に融合されたビシリズマブのscFvを含み、本明細書ではV15Jと呼ばれる修飾されたJ鎖である。V15Jはさらに、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体への輸送及び集合を容易にするためのシグナルペプチドをさらに含むことができる。成熟V15Jタンパク質はSEQ ID NO:9として提示され、19アミノ酸の免疫グロブリン重鎖シグナルペプチドを含む前駆体型はSEQ ID NO:8として提示される。特定の態様では、修飾されたJ鎖は、15アミノ酸(GGGGS)リンカーを介してヒトJ鎖のC末端に融合されたビシリズマブのscFvを含み、本明細書ではJ15Vと呼ばれる修飾されたJ鎖である。J15Vはさらに、本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体への輸送及び集合を容易にするためのシグナルペプチドを含むことができる。成熟J15Vタンパク質はSEQ ID NO:11として提示され、22アミノ酸のヒトJ鎖シグナルペプチドを含む前駆体型はSEQ ID NO:10として提示される。特定の態様では、他のシグナルペプチドを使用することができる。修飾されたJ鎖の発現、分泌及び本明細書で提供されるような修飾されたヒトIgM抗体への組み込みを容易にするための好適なシグナルペプチドの選択及び包含は、当業者の能力の十分に範囲内である。
【0119】
本開示は、特に指示されない限り、当該技術分野の技術の範囲内にある細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の従来の技法を採用する。そのような技法は文献において完全に説明されている。たとえば、Sambrook,et al.,ed.(1989),Molecular Cloning A Laboratory Manual(2nd ed.;Cold Spring Harbor Laboratory Press);Sambrook,et al.,ed.(1992)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(Cold Springs Harbor Laboratory,NY);D.N.Glover,ed.,(1985)DNA Cloning,Volumes I and II;Gait,ed.(1984)Oligonucleotide Synthesis;Mullis,et al.米国特許第4,683,195号;Hames and Higgins,eds.(1984)Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins,eds.(1984)Transcription And Translation;Freshney(1987)Culture Of Animal Cells(Alan R.Liss,Inc.);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press)(1986);Perbal(1984)A Practical Guide To Molecular Cloning;the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);Miller and Calos,eds.(1987)Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells,(Cold Spring Harbor Laboratory);Wu,et al.,eds.,Methods In Enzymology,Vols.154 and 155;Mayer and Walker,eds.(1987)Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Academic Press,London);Weir and Blackwell,eds.,(1986)Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I-IV;Manipulating the Mouse Embryo,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1986);ならびにAusubel,et al.(1989)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Baltimore,Md.)を参照のこと。
【0120】
抗体工学の一般的な原理はBorrebaeck,ed.(1995)Antibody Engineering(2nd ed.;Oxford Univ.Press)において述べられている。タンパク質工学の一般的な原理はRickwood,et al.,eds.(1995)Protein Engineering,A Practical Approach(IRL Press at Oxford Univ.Press,Oxford,Eng.)において述べられている。抗体及び抗体・ハプテンの結合の一般的な原理はNisonoff(1984)Molecular Immunology(2nd ed.;Sinauer Associates,Sunderland,Mass.);及びSteward(1984)Antibodies,Their Structure and Function(Chapman and Hall,New York,N.Y.)において述べられている。さらに、当該技術で既知の且つ具体的に記載されていない免疫学における常法は、Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,New York;Stites,et al.,eds.(1994)Basic and Clinical Immunology(8th ed;Appleton & Lange,Norwalk,Conn.)ならびにMishell及びShiigi(eds)(1980)Selected Methods in Cellular Immunology(W.H.Freeman and Co.,NY)にあるように倣うことができる。
【0121】
免疫学の一般的な原理を述べている標準的な参考文献には、Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,New York;Klein(1982)J.,Immunology:The Science of Self-Nonself Discrimination(John Wiley & Sons,NY);Kennett,et al.,eds.(1980)Monoclonal Antibodies,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses(Plenum Press,NY);Campbell(1984)“Monoclonal Antibody Technology”in Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,ed.Burden,et al.,(Elsevier,Amsterdam);Goldsby,et al.,eds.(2000)Kuby Immunology(4th ed.;W.H.Freeman and Co.,NY);Roitt,et al.(2001)Immunology(6th ed.;London:Mosby);Abbas,et al.(2005)Cellular and Molecular Immunology(5th ed.;Elsevier Health Sciences Division);Kontermann and Dubel(2001)Antibody Engineering(Springer Verlag);Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Lewin(2003)Genes VIII(Prentice Hall,2003);Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Dieffenbach and Dveksler(2003)PCR Primer,(Cold Spring Harbor Press)が挙げられる。
【0122】
上記で引用されている参考文献すべてならびに本明細書で引用されている参考文献すべては全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0123】
以下の実施例は説明の目的で提供され、限定の目的で提供されるのではない。
【実施例0124】
実施例1:IgM会合に対するCμ3ドメインの突然変異の効果
Cμ3ドメイン中の単一部位突然変異であるP311A(SEQ ID NO:2)、P313S(SEQ ID NO:3)、P311AとP313Sの双方(SEQ ID NO:4)、D294G(SEQ ID NO:5)、及びS283N(SEQ ID NO:6)を伴う修飾されたヒトIgM定常領域をコードするpFUSEss-CHIg-hM03のプラスミドバリアントを設計し、合成のために供給業者に提出した。野生型のまたは修飾されたIgM定常領域を含む野生型のまたは修飾されたヒト五量体または六量体のIgM抗体を発現することができる、且つCD20に特異的に結合することができる例となるプラスミド構築物は以下の方法によって作製した。
【0125】
重鎖及び軽鎖の発現ベクターへのサブクローニングのための5’末端でのEcoRV制限部位と3’末端でのXbaI制限部位とを持つ、1.5.3のVH領域及びVL領域(それぞれSEQ ID NO:13及び14)をコードするDNA断片は供給業者(Genescript)によって合成された。合成されたDNA構築物を1μg/mlでTris-EDTA緩衝液に再懸濁した。DNA試料(1μg)をEcoRV及びXbaIで消化し、合成したVH及びVLを電気泳動によってキャリアプラスミドDNAから分離した。標準の分子生物学の技法によって、消化したDNAを予め消化したプラスミドDNA(Invivogenから入手できるpFUSEss-CHIg-hM03、またはInvivogenから入手できるμ鎖について上記に記載された修飾された構築物であるカッパ鎖についてのpFUSE2ss-CLIg-hk)にライゲーションした。ライゲーションしたDNAでコンピテント細菌中に形質転換し、複数の選択性抗生物質と共にLBプレートに播いた。幾つかの細菌コロニーを取り出し、標準の分子生物学の技法によってDNA調製物を作製した。重鎖及び軽鎖をコードしている構築物は配列決定によって検証した。
【0126】
すべて常法に従って、IgMの重鎖と軽鎖をコードするまたは重鎖と軽鎖とJ鎖をコードするプラスミド構築物をCHO細胞に同時形質移入し、J鎖の有無にかかわらず野生型または修飾されたCD20 IgM抗体を発現している細胞を選択した。
【0127】
製造元のプロトコールに従ってCapture Select IgM(Catalog 2890.05,BAC,Thermo Fisher)を用いて、細胞上清中に存在する抗体を回収した。たとえば、PCT公報番号WO2016/141303において以前記載されたような会合を示すために非還元条件下での(図1及び図5)、または特定の二重特異性抗体のための還元条件下での(図5)SDS PAGEにおいて抗体を評価した。
【0128】
対照抗体(IgM(純粋)、IgM+J(純粋)(野生型J鎖を持つIgM抗体)及びIgM(J鎖を欠いているIgM))、及びIgMのCμ3ドメイン突然変異体、S283N、P313S、P311A、及びD294Gは抗体の会合を示すために非還元条件下でのSDS-PAGEにおいて評価した。NativePage Novex3~12%ビス-Trisゲル(Life Technologiesカタログ番号BN1003)上に負荷する前にNuPage LDS試料緩衝液(Life Technologies)を試料に加えた。ゲル電気泳動にはNovex Tris-酢酸塩SDS泳動緩衝液(Life Technologiesカタログ番号LA0041)を用いた。色素の先頭がゲルの底に達するまでゲルを泳動させた。電気泳動の後、コロイド状ブルー染色(Life Technologiesカタログ番号LC6025)でゲルを染色した。
【0129】
図1で示された結果は、IgMのCμ3ドメイン突然変異体抗体が対照抗体と同様に会合することを実証している。
【0130】
対照の二重特異性抗体(1.5.3 IgM V15J)及び1.5.3 IgM V15JのCμ3ドメイン突然変異体であるP313S、P311A、及びP311A/P313S二重突然変異体は、非還元(「ハイブリッド」)条件下及び抗体の会合を示すために還元条件下でのSDS PAGEにおいて評価した。NativePage Novex3~12%ビス-Trisゲル(Life Technologiesカタログ番号BN1003)上に負荷する前にNuPageLDS試料緩衝液(Life Technologies)を試料に加えた。ゲル電気泳動にはNovex Tris-酢酸塩SDS泳動緩衝液(Life Technologiesカタログ番号LA0041)を用いた。色素の先頭がゲルの底に達するまでゲルを泳動させた。電気泳動の後、コロイド状ブルー染色(Life Technologiesカタログ番号LC6025)でゲルを染色した。
【0131】
図5で示された結果は、二重特異性IgMのCμ3ドメイン突然変異体抗体が対照抗体と同様に会合することを実証している。
【0132】
実施例2:IgM Cμ3突然変異体の補体依存性細胞障害活性
CD20を発現しているRamos(ATCCカタログ番号CRL-1596)細胞株はATCC及びDSMZから入手した。50,000個の細胞を96穴プレートに播いた。細胞を野生型対照抗体、1.5.3 IgM、1.5.3 IgG及び1.5.3 IgM×V15J、ならびにIgMのCμ3ドメイン単一突然変異体(P311A、P313S、D294G、及びS283N)で処理した。10%の最終濃度でヒト血清補体(Quidelカタログ番号A113)を抗体処理した細胞に加えた。反応混合物を37℃で4時間インキュベートした。CELLTITER-GLO(登録商標)試薬(Promegaカタログ番号G7572)を各ウェル中に存在する培養用培地の体積と等しい体積で加えた。プレートを2分間振盪し、室温で10分間インキュベートし、ルミノメーターで発光を測定した。
【0133】
結果を図2に示す。2つのIgMのCμ3単一突然変異体P311A及びP313Sは補体の存在下で対照の1.5.3 IgM抗体よりもほぼ50%少ない細胞殺滅を示した。IgMのCμ3突然変異体S283N及びD294Gは対照の野生型IgMと同様の補体による細胞殺滅を示した。補体の非存在下では、最少の細胞殺滅が、1.5.3 IgG抗体及び1.5.3 IgM×V15J抗体について観察された。
【0134】
実施例3:二重特異性抗CD20×抗CD3 IgM Cμ3突然変異体の補体依存性細胞障害
CD20を発現しているRamos(ATCCカタログ番号CRL-1596)細胞株はATCC及びDSMZから入手した。50,000個の細胞を96穴プレートに播いた。細胞を対照抗体、1.5.3 IgM×V15J、及び二重特異性IgMのCμ3ドメイン突然変異体(P311A×V15J、P313S×V15J、D294G×V15J、及びS283N×V15J)で処理した。抗体はすべて、以前記載されたように生成され、発現させたCD20及びCD3について二重特異性のJ鎖を含んだ。PCT公報番号WO2016/141303を参照のこと。10%の最終濃度でヒト血清補体(Quidelカタログ番号A113)を抗体で処理した細胞に加えた。反応混合物を37℃で4時間インキュベートした。CELLTITER-GLO(登録商標)試薬(Promegaカタログ番号G7572)を各ウェル中に存在する培養用培地の体積と等しい体積で加えた。プレートを2分間振盪し、室温で10分間インキュベートし、ルミノメーターで発光を測定した。
【0135】
結果を図3及び図6に示す。二重特異性IgMのCμ3突然変異体P311A及びP313Sは補体による最大半分のRamos細胞殺滅を示した一方で、対照1.5.3 IgM×V15J及び二重特異性IgMのCμ3突然変異体D294G及びS283Nは補体の存在下でほぼ最大の補体依存性細胞障害(90~100%有効)を達成した。図6に示すアッセイ法では、二重特異性IgMのCμ3突然変異体P311Aは補体による約46%の最大殺滅を示した(EC50は不明確であった)一方で、P313S突然変異体は補体による31%の最大殺滅を示した(EC50は243pMであった)。補体媒介殺滅は二重突然変異体P311A/P313Sでは本質的に消失した(図6、表2も参照のこと)。
【0136】
実施例4:二重特異性抗CD20×抗CD3 IgM Cμ3突然変異体のT細胞活性化潜在能力
操作されたJurkat T細胞(Promega CS176403)及びRPMI8226細胞(ATCC CCL-155)を10%ウシ胎児血清(Invitrogen)で補完したRPMI(Invitrogen)中で培養した。白色384穴アッセイプレートにおける20μL中で、連続希釈した二重特異性1.5.3 IgM×V15J抗体及び二重特異性IgMのCμ3突然変異体、D294G×V15J、S283N×V15J、P313S×V15J、P311A×V15J、P311A/P313S×V15J、及び1.5.3 IgM(J鎖なし)を7500個のRPMI8226細胞と共に37℃、5%COで2時間インキュベートした。操作したJurkat細胞(25000個)を混合物に加え、40μLの最終体積とした。混合物を37℃、5%COで5時間インキュベートした。次いで、ルシフェリン(Promega、CELLTITER-GLO(登録商標))を含有する20μLの溶解緩衝液と細胞混合物を混合し、ルシフェラーゼレポーター活性を測定した。光の出力をEnVisionプレートリーダーによって測定した。EC50はPrismソフトウェアを用いて4パラメーター曲線適合によって決定した。
【0137】
結果を図4及び図7に示す。二重特異性IgMのCμ3突然変異体はすべて、二重特異性の対照抗体(1.5.3 IgM×V15J)と同様に効果的にT細胞を活性化した。二重特異性J鎖を欠くIgM対照(1.5.3 IgM)ではT細胞の活性化は観察されなかった。
【0138】
実施例5:追加の二重特異性抗CD20×抗CD3 IgM Cμ3突然変異体の補体依存性細胞障害
Cμ3突然変異のCDC活性に対する効果をさらに評価するために、SEQ ID NO:1のT302からSEQ ID NO:1のK322までの各位置で計画的な単一アミノ酸Ala置換を行った。これら突然変異体IgM定常領域のそれぞれを実施例1に記載されているような1.5.3 IgM V15JのCμ3ドメイン突然変異体として構築し、実施例3に記載されているようなCDC活性及び実施例4に記載されているようなT細胞の活性化について調べた。P311及びP313での以前評価された突然変異に加えて、L310(SEQ ID NO:15)及びK315(SEQ ID NO:16)における1.5.3 IgM V15JのCμ3ドメインでのAla置換は、T細胞の活性化に有意に影響を及ぼすことなく(データは示さず)、図8及び表2で示すようにEC50の増加と共にCDC活性を穏やかに減少させた。
【0139】
L310位、P311位、P313位、及びK315位のうちの2つにおける二重置換の種々の組み合わせも実施例1に記載されているように構築し、実施例3に記載されているようにCDC活性について調べた。これらには、二重突然変異体L310A、K315A(SEQ ID NO:17)、L310S、K315S(SEQ ID NO:18)、L310A、P311A(SEQ ID NO:19)、L310A、P313S(SEQ ID NO:20)、P311A、K315A(SEQ ID NO:21)、及びP313S、K315A(SEQ ID NO:22)が含まれた。野生型ヒトIgMと比べたこれら二重突然変異体のCDC活性を表2に要約する。L310A、K315A二重突然変異体は単一突然変異体のいずれかと比べてCDC活性における大きな減少を示した。
【0140】
L310位及びK315位における追加のアミノ酸置換を評価してCDC活性に対する荷電アミノ酸または極性アミノ酸の効果を判定した。L310を負に荷電したアスパラギン酸(D、SEQ ID NO:23)で置換し、K315をアスパラギン酸(D、SEQ ID NO:24)または極性アミノ酸グルタミン(Q、SEQ ID NO:25)で置換した。これらの突然変異体を実施例3に記載されているようにCDC活性について調べた。結果を図9A及び図9B及び表2に示す。310位または315位における負に荷電したアミノ酸の導入は中性Alaの置換よりも大きくCDC活性を破壊した。
【0141】
(表2)ヒトIgM Cμ3突然変異体のCDC活性
【0142】
(表3)配列
【0143】
本開示の幅広さ及び範囲は、上述の例となる実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその同等物に従ってのみ定義されるべきである。
【0144】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> IGM BIOSCIENCES, INC.
<120> MODIFIED HUMAN IGM CONSTANT REGIONS FOR MODULATION OF
COMPLEMENT-DEPENDENT CYTOLYSIS EFFECTOR FUNCTION
<150> US 62/483,087
<151> 2017-04-07
<160> 40
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 453
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Gly Ser Ala Ser Ala Pro Thr Leu Phe Pro Leu Val Ser Cys Glu Asn
1 5 10 15
Ser Pro Ser Asp Thr Ser Ser Val Ala Val Gly Cys Leu Ala Gln Asp
20 25 30
Phe Leu Pro Asp Ser Ile Thr Phe Ser Trp Lys Tyr Lys Asn Asn Ser
35 40 45
Asp Ile Ser Ser Thr Arg Gly Phe Pro Ser Val Leu Arg Gly Gly Lys
50 55 60
Tyr Ala Ala Thr Ser Gln Val Leu Leu Pro Ser Lys Asp Val Met Gln
65 70 75 80
Gly Thr Asp Glu His Val Val Cys Lys Val Gln His Pro Asn Gly Asn
85 90 95
Lys Glu Lys Asn Val Pro Leu Pro Val Ile Ala Glu Leu Pro Pro Lys
100 105 110
Val Ser Val Phe Val Pro Pro Arg Asp Gly Phe Phe Gly Asn Pro Arg
115 120 125
Lys Ser Lys Leu Ile Cys Gln Ala Thr Gly Phe Ser Pro Arg Gln Ile
130 135 140
Gln Val Ser Trp Leu Arg Glu Gly Lys Gln Val Gly Ser Gly Val Thr
145 150 155 160
Thr Asp Gln Val Gln Ala Glu Ala Lys Glu Ser Gly Pro Thr Thr Tyr
165 170 175
Lys Val Thr Ser Thr Leu Thr Ile Lys Glu Ser Asp Trp Leu Ser Gln
180 185 190
Ser Met Phe Thr Cys Arg Val Asp His Arg Gly Leu Thr Phe Gln Gln
195 200 205
Asn Ala Ser Ser Met Cys Val Pro Asp Gln Asp Thr Ala Ile Arg Val
210 215 220
Phe Ala Ile Pro Pro Ser Phe Ala Ser Ile Phe Leu Thr Lys Ser Thr
225 230 235 240
Lys Leu Thr Cys Leu Val Thr Asp Leu Thr Thr Tyr Asp Ser Val Thr
245 250 255
Ile Ser Trp Thr Arg Gln Asn Gly Glu Ala Val Lys Thr His Thr Asn
260 265 270
Ile Ser Glu Ser His Pro Asn Ala Thr Phe Ser Ala Val Gly Glu Ala
275 280 285
Ser Ile Cys Glu Asp Asp Trp Asn Ser Gly Glu Arg Phe Thr Cys Thr
290 295 300
Val Thr His Thr Asp Leu Pro Ser Pro Leu Lys Gln Thr Ile Ser Arg
305 310 315 320
Pro Lys Gly Val Ala Leu His Arg Pro Asp Val Tyr Leu Leu Pro Pro
325 330 335
Ala Arg Glu Gln Leu Asn Leu Arg Glu Ser Ala Thr Ile Thr Cys Leu
340 345 350
Val Thr Gly Phe Ser Pro Ala Asp Val Phe Val Gln Trp Met Gln Arg
355 360 365
Gly Gln Pro Leu Ser Pro Glu Lys Tyr Val Thr Ser Ala Pro Met Pro
370 375 380
Glu Pro Gln Ala Pro Gly Arg Tyr Phe Ala His Ser Ile Leu Thr Val
385 390 395 400
Ser Glu Glu Glu Trp Asn Thr Gly Glu Thr Tyr Thr Cys Val Val Ala
405 410 415
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 9
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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Asp Leu Ala Ser Ser Leu Lys Gln
1 5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2023085503000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願の明細書に記載される発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
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