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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085512
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】包装機械
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/12 20060101AFI20230613BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B65D77/12 A
B65B51/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063067
(22)【出願日】2023-04-07
(62)【分割の表示】P 2018025757の分割
【原出願日】2018-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 式範
(57)【要約】      (修正有)
【課題】横目シール部分により密封され、該横目シール部分を切り取って開封するための切り込みが設けられた包装袋において、シール目に埋没して切れ込みが視認し難くなることなく、また、包装袋に外圧が加わってもエア漏れが生じないようにする。
【解決手段】包材供給ユニット、被包装品供給ユニット、製筒ユニット、縦シールユニット、横シール・切断ユニットとを備え、横シール・切断ユニットは、前ヒータブロック21・後ヒータブロック22と前ヒータブロック・後ヒータブロックの開閉動作を行う機構を有する横シール装置と、切断用ナイフと切り込み用ナイフを有する切断装置を備え、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22は、ヒータブロック本体211、221と補助ヒータブロック215、225を有し、補助ヒータブロックの背面側と補助ヒータブロックの正面側には、長穴を有する補助シール体226a、226bが取り付けられた包装機械。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り包材からフィルムを繰り出す包材供給ユニットと、
前記包材供給ユニットから繰り出されたフィルムを筒状に成形する製筒ユニットと、
被包装品を充填する被包装品供給ユニットと、
前記製筒ユニットで筒状に成形されたフィルムの両端部分に縦シールを施し、縦シール部を形成する縦シールユニットと、
前記被包装品が充填されて前記縦シール部が形成された筒状のフィルムに横シールと切断を施し、前記被包装品が袋詰めされた包装袋を生成する横シール・切断ユニットと
を備えた包装機械であって、
前記横シール・切断ユニットは、一対のヒータブロックとなる前ヒータブロック・後ヒータブロックと該前ヒータブロック・後ヒータブロックの開閉動作を行う機構を有する横シール装置と、切断用ナイフと切り込み用ナイフを有する切断装置を備え、
前記前ヒータブロックと後ヒータブロックの各々は、ヒータブロック本体と補助ヒータブロックを有し、
前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面下部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面下部は、第1の横目シール面となっており、
前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面上部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面上部は、第2の横目シール面となっており、
前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面中央部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面中央部には、中央溝が設けられ、
前記前ヒータブロックの前記補助ヒータブロックの背面側と前記後ヒータブロックの前記補助ヒータブロックの正面側には、長穴を有する一対の補助シール体が取り付けられ、
前記横シール装置は、前記第1の横目シール面により、前記筒状のフィルムの軸方向の一方の端部に前記軸方向と直角方向に延びる横目状のシール目を有する第1の横目シール部を形成し、前記第2の横目シール面により、前記筒状のフィルムの前記軸方向の他方の端部に前記軸方向と直角方向に延びる横目状のシール目を有する第2の横目シール部を形成し、前記一対の補助シール体により、前記筒状のフィルムの前記直角方向の左側部及び/又は右側部にシール目が形成されていないベタシール部を形成すると共に、該ベタシール部の内側に未シール部を形成するように動作し、
前記切断装置は、前記切断用ナイフを前記中央溝から突出させて、前記第1の横目シール部と前記第2の横目シール部が形成された前記筒状のフィルムを切断すると共に、切り込み用ナイフを前記長穴から突出させて、前記未シール部の内側に開封用の切り込みを形成するように動作することを特徴とする包装機械。
【請求項2】
前記補助ヒータブロックは、前記ヒータブロック本体の下面に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の包装機械。
【請求項3】
前記一対の補助シール体の一方は金属製で他方は弾性体であることを特徴とする請求項1記載の包装機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、医薬品等を密封する包装袋を製造する包装機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品等の内容物を包装するピロー包装袋等においては、筒状のフィルムに内容物を充填した後、重ね合わせたフィルムの側部に筒状フィルムの軸方向(フィルムの移送方向)と直角方向(横方向)の横シールが施されて内容物が密封される。この場合、内容物の密封性を高めるため、横方向にシール目を形成する横目シールが施されることが多い。
また、横目シールを施した包装袋に開封用の切り込みを設けることも行われ、この場合は、横目シール部の横方向の両側部あるいは一方の側部を包装袋の側縁に沿って延設し、この延設した横目シール部分に開封用の切り込みが設けられる。
このような開封用の切り込みを設けるに際し、内容物の密封性を損なうことなく開封を確実かつ容易に行うための種々の工夫が提案されている。
例えば、特許文献1(実用新案登録第2516583号公報)には、開口部に沿ってヒートシール(横シール)が施された容器であって、凸条シール(第1のシール)4aと凸条シール(第2のシール)4b、4cが形成され、これら凸条シール4aと凸条シール4b、4cとの間に碁盤目状のシール(第3のシール)4d、4eが形成され、さらに、凸条シール4aの外側及び凸条シール4b、4cの内側の位置において、波状シール4f及び4g、4hが形成され、碁盤目状のシール(第3のシール)4d、4eに開封のためのノッチ5が形成された容器が開示されている。
また、特許文献2(特許第4929209号公報)には、フィルムの移送方向に対し交差する方向へシールして包装袋を得る一対のシール体を備え、この両シール体のシール面は所定のシ-ル目を形成し得る面とし、そのシール面には、包装袋の一側端から他側に向けて所定長さ延びる未シール領域を形成し得る溝部を設けるとともに、その溝部内には未シール領域の周縁を加熱シールする補助シール片を設け、一方のシール体の溝部内には包装袋に開封部を形成する開封補助形成具を設けた開封用切込装置が開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1の容器においては、碁盤目状のシール4d、4eに切り込みとなるノッチ5が形成されているため、碁盤目状のシール4d、4eのシール目とノッチ5が重なってノッチ5が視認し難く、ノッチ5の先端部から先がシール部分となるため、開封に際してノッチ5の先端部のシール部分から引き裂く必要があって引き裂き難く、さらに、碁盤目状のシール(第3のシール)4d、4eを形成した後に別工程でノッチ5を形成するため、碁盤目状のシール(第3のシール)4d、4eの位置からずれないようにノッチ5を形成するのが困難であるという問題がある。
この点、特許文献2では、シール面において、包装袋の一側端から他側に向けて所定長さ延びる未シール領域を形成し、この未シール領域に開封用の切り込みが形成されるため、 特許文献1のようにノッチ5がシール目と重なって視認し難く、ノッチ5の先端部のシール部分が引き裂き難いといった問題は生じないが、横目シール部分の内側に未シール領域が形成され、シール目(横目)とシール目(横目)の間にそのシール目(横目)と平行する切り込みが形成されることから(特許文献2の図5参照)、シール目(横目)の中に切り込みが埋没して、切り込みが視認し難いという問題が依然として残っている。
また、特許文献2においては、未シール領域の周縁がヒートシールされているが、未シール領域が横目シール部分の内側に形成されているため、包装袋に加わる外圧が大きい場合、未シール領域の周縁部分において、ヒートシールされたフィルム内面同士が剥がれ、横目状のシール目の間隙部と未シール領域がつながってエア漏れを起こすという問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2516583号公報
【特許文献2】特許第4929209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、横目シール部分により密封され、該横目シール部分を切り取って開封するための切り込みが設けられた包装袋において、シール目に埋没して切れ込みが視認し難くなることなく、また、包装袋に外圧が加わってもエア漏れが生じないようにし、また、そのような包装袋を連続的に効率よく製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、巻取り包材からフィルムを繰り出す包材供給ユニットと、前記包材供給ユニットから繰り出されたフィルムを筒状に成形する製筒ユニットと、被包装品を充填する被包装品供給ユニットと、前記製筒ユニットで筒状に成形されたフィルムの両端部分に縦シールを施し、縦シール部を形成する縦シールユニットと、前記被包装品が充填されて前記縦シール部が形成された筒状のフィルムに横シールと切断を施し、前記被包装品が袋詰めされた包装袋を生成する横シール・切断ユニットとを備えた包装機械であって、前記横シール・切断ユニットは、一対のヒータブロックとなる前ヒータブロック・後ヒータブロックと該前ヒータブロック・後ヒータブロックの開閉動作を行う機構を有する横シール装置と、切断用ナイフと切り込み用ナイフを有する切断装置を備え、前記前ヒータブロックと後ヒータブロックの各々は、ヒータブロック本体と補助ヒータブロックを有し、前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面下部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面下部は、第1の横目シール面となっており、前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面上部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面上部は、第2の横目シール面となっており、前記前ヒータブロックのヒータブロック本体の背面中央部と前記後ヒータブロックのヒータブロック本体の正面中央部には、中央溝が設けられ、前記前ヒータブロックの前記補助ヒータブロックの背面側と前記後ヒータブロックの前記補助ヒータブロックの正面側には、長穴を有する一対の補助シール体が取り付けられ、前記横シール装置は、前記第1の横目シール面により、前記筒状のフィルムの軸方向の一方の端部に前記軸方向と直角方向に延びる横目状のシール目を有する第1の横目シール部を形成し、前記第2の横目シール面により、前記筒状のフィルムの前記軸方向の他方の端部に前記軸方向と直角方向に延びる横目状のシール目を有する第2の横目シール部を形成し、前記一対の補助シール体により、前記筒状のフィルムの前記直角方向の左側部及び/又は右側部にシール目が形成されていないベタシール部を形成すると共に、該ベタシール部の内側に未シール部を形成するように動作し、前記切断装置は、前記切断用ナイフを前記中央溝から突出させて、前記第1の横目シール部と前記第2の横目シール部が形成された前記筒状のフィルムを切断すると共に、切り込み用ナイフを前記長穴から突出させて、前記未シール部の内側に開封用の切り込みを形成するように動作する包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0007】
請求項2の発明は、前記補助ヒータブロックは、前記ヒータブロック本体の下面に取り付けられている包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【0008】
請求項3の発明は、前記一対の補助シール体の一方は金属製で他方は弾性体である包装機械を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の包装機械においては、横目シール部分を切り取って開封するための切り込みが、シール目に埋没して視認し難くなることはなく、また、包装袋に外圧が加わってもエア漏れが生じないという効果を有する包装袋を連続的に効率よく製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の包装機械により製造される包装袋の斜視図である。
図2図1に示す包装袋の正面図である。
図3図1のA部拡大図である。る。
図4図3のY1-Y1断面図である。
図5】本発明の包装機械が縦ピロー包装機である場合の包装機械(縦ピロー包装機)の概略構成を表した斜視図である。
図6】横シール・切断ユニット18を構成する横シール装置と切断装置の概略構成を表した斜視図である。
図7】開いた(離れた)状態の前ヒータブロック21と後ヒータブロック22の斜視図である
図8】前ヒータブロック21の背面図(又は後ヒータブロック22の正面図)である。
図9図7のY2-Y2断面図である。
図10図9のB部拡大図である。
図11】切断装置30の斜視図である。
図12図11に示す切断装置30の底面図である。
図13図11に示す切断装置30の左側面図である。
図14】横シール装置20と切断装置30の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[包装機械により製造される包装袋の構成]
本発明の包装機械により製造される包装袋の実施形態について説明する。
図1は、本発明の包装機械により製造される包装袋の斜視図、図2は、図1に示す包装袋の正面図、図3は、図2のA部拡大図、図4は、図3のY1-Y1断面図である。
図において、1は包装袋、1a、1bは側縁、2は筒状のフィルム、2aは表側フィルム、2bは裏側フィルム、3は第1の横目シール部、4は第2の横目シール部、3a、3bは側部下縁、5は縦シール部、6a、6bはベタシール部、7a、7bは未シール部、8a、8bは開封用の切り込み、Yma、Ymbは横目状のシール目、Sは内容物が入る空間である。
図1、2に示すように、包装袋1においては、筒状のフィルム2の軸方向(Y方向)の一方の端部となる上部に第1の横目シール部3が形成され、筒状のフィルム2の軸方向(Y方向)の他方の端部となる下部に第2の横目シール部4が形成され、フィルム2の軸方向と直角方向(X方向)の中央部にY方向に延びる縦シール部5が形成されている。
包装袋1の上部の左側部においては、第1の横目シール部3の側部下縁3aから包装袋1の側縁1aに沿ってベタシール部6aが延設され、ベタシール部6aの内側には、側縁1aから側縁1aに対向する側縁1bに向けて延びる長穴形状の未シール部7aが形成され、未シール部7aの内側には、側縁1aから側縁1bに向けて延びる切り込み8aが形成されている。
また、包装袋1の上部の右側部においても、同様に、第1の横目シール部3の側部下縁3bから包装袋1の側縁1bに沿ってベタシール部6bが延設され、ベタシール部6bの内側には、側縁1baから側縁1bに対向する側縁1aに向けて延びる長穴形状の未シール部7bが形成され、未シール部7bの内側には、側縁1bから側縁1aに向けて延びる切り込み8bが形成されている。
なお、本発明におけるベタシール部、未シール部、切り込みは、本実施形態のように包装袋1の上部の左側部と右側部の両方に設けてもよく、左側部と右側部のいずれか一方に設けてもよい。
【0012】
第1の横目シール部3は、図3に示すように、X方向に延びる横目状のシール目Ymaを複数有している。シール目Ymaは、図4に示すように、フィルム2の表側フィルム2aと裏側フィルム2bを、シール面が波型となるようにヒートシール(横シール)することより形成される。
筒状のフィルム2のY方向の他方の端部となる包装袋1の下部に形成された第2の横目シール部4においても、第1の横目シール部3と同様のシール目Ymbが形成されている。
第1の横目シール部3と第2の横目シール部4においては、ヒートシールをする際に、シール目Yma、Ymbを形成する山部(凸部)と谷部(凹部)で表側フィルム2aと裏側フィルム2bが強く圧着され、シール性(密封性)が高められる。
縦シール部5は、フィルム2のX方向の両端部を合掌状に重ね合せてヒートシールした部分であり、Y方向に複数のシール目が形成されている。
ベタシール部6a、6bは、シール目を形成せずにシール面が平坦となるとなるように表側フィルム2aと裏側フィルム2bをヒートシールすることにより形成される(図4参照)。
未シール部7a、7bは、表側フィルム2aと裏側フィルム2bがヒートシールされない部分であり、ベタシール部6a、6bの内側にヒートシールされない領域を設けることにより形成される。
切り込み8a、8bは、表側フィルム2aと裏側フィルム2bを貫通する切り込みであり、フィルム2から横目シール部3を切り取って包装袋1を開封するために設けられている。
【0013】
そして、ベタシール部6a、6bの内側に未シール部7a、7b、切り込み8a、8bを設けることにより、切り込み8a、8bが、シール目Ymaから離れた位置にあり、横目シール部の内側に未シール部と切り込みを設けたものに比べて、切り込みが横目状のシール目の中に埋没して視認し難くなるということがない。
また、包装袋1の内容物が入っている空間Sと未シール部7a、7bとの間の全領域がベタシール部6a、6bとなっているため、包装袋1に外圧が作用し、空間S内の空気が圧縮されても、ベタシール部6a、6bにおいては、表側フィルムと裏側フィルムが部分的に剥がれることがなく、空間S内の空気が未シール部7a、7bに入り込んで包装袋1の外に漏れるというエア漏れが生ずることを防止できる。
これに対して、特許文献2のように、未シール部と内容物を収納する空間の間に横目シール部を介在させると、未シール部の周縁をヒートシールしても、横目シール部では山部(凸部)と谷部(凹部)の間隙部分の接着力が弱く、包装袋に外圧が作用して内容物を収納する空間の空気が圧縮された場合、該間隙部分で表側フィルムと裏側フィルムが剥がれ、未シール部の周縁のヒートシールされた部分も剥がれ、この剥がれた部分が未シール部まで到達し、エア漏れが生じやすいこととなる。
【0014】
[包装機械の構成]
次に、包装袋1を製造するための包装機械について説明する。
図5は、本発明の包装機械が縦ピロー包装機である場合の包装機械(縦ピロー包装機)の概略構成を表した斜視図である。
図において、10は縦ピロー包装機、11は包材(包装材料)供給ユニット、12は張力調整ユニット、12aは搖動機構、13は印字ユニット、13aは印字装置、14は被包装品供給ユニット、14aはホッパー、14bは充填筒、15は製筒ユニット、15aは製筒器(フォーマ)、15bは押さえ部材、16は包材送りユニット、16aはプーリー、16bは送りベルト、17は縦シールユニット、17a、17bは縦シールブロック、18は横シール・切断ユニット、Fiは包材(フィルム)、grはガイドローラー、MRは巻取り包材である。
図5に示すように、縦ピロー包装機10は、包材(包装材料)供給ユニット11、張力調整ユニット12、印字ユニット13、被包装品供給ユニット14、製筒ユニット15、包材送りユニット16、縦シールユニット17、横シール・切断ユニット18等から構成される。
包材供給ユニット11は、巻取り包材MRを繰り出す巻取り包材供給装置(図示せず)等を備え、巻取り包材MRから包材Fiを繰り出す。
張力調整ユニット12は、複数のローラーやフレーム等を搖動する搖動機構12a等を備え、包材供給ユニット11から繰り出される包材Fiに急激な張力がかからないようにその張力を調整する。
印字ユニット13は、印字装置13a等を備え、包材Fiに日付印字等を行う。
被包装品供給ユニット14は、上部がホッパー14aとなっている充填筒14b、被包装品投入装置(図示せず)等を備え、被包装品投入装置より投入されるスナック菓子等の被包装品(内容物)をホッパー14aで受けて充填筒14bに充填する。
製筒ユニット15は、製筒器15a、押さえ部材15b等を備え、包材供給ユニット11より繰り出されて印字部13で印字された包材Fiを、製筒器15aで筒状に成形して押さえ部材15bにより充填筒14bの外周面に押し付ける。
包材送りユニット16は、プーリー16a、送りベルト16b、モータ(図示せず)等を備えた一対の包材送り機構を充填筒14bの両側に配置し、充填筒14bの外周面を包んでいる包材Fiを、一定の長さだけ下方に送る。
縦シールユニット17は、縦シール用ヒータブロック17a、17b等を備え、充填筒14bの外周面を包んで合掌状に重ね合わされた筒状の包材Fiの両端部分に縦シールを施し、縦シール部5が形成された縦シール済包材を生成する。
横シール・切断ユニット18は、一対の横シール用のヒータブロック等を有する横シール装置と切断装置(詳細は後述する。)を備え、被包装品が充填された縦シール済包材に対して横シール、ベタシール等を施し、第1の横目シール部3、第2の横目シール部4、ベタシール部6a、6b、未シール部7a、7bが形成された横シール済包材を生成し、横シール部3と横シール部4の境界部を切断すると共に切り込み8a、8bを形成する等して、被包装品が袋詰めされた包装袋1を生成する。
【0015】
[横シール装置、切断装置の全体構成]
縦ピロー包装機10の横シール・切断ユニット18を構成する横シール装置と切断装置の全体構成の概略について説明する。
図6は、横シール・切断ユニット18を構成する横シール装置と切断装置の概略構成を表した斜視図である。
図において、20は横シール装置、21は前ヒータブロック、22は後ヒータブロック、23は前ホルダ、23aはガイド穴、24は後ホルダ、25は開閉トグル機構、25aは回転軸、25bは回転アーム、25c、25dは従動アーム、26は前ホルダ駆動ブロック、27a、27bは支持ブロック、28a、28bは連結ロッド、29a、29bは昇降ガイドロッド、30は本発明における切り込み装置となる切断装置、31は支持板、32はエアシリンダ、32aはピストンロッド、33はスライダ、34、35はガイドロッドである。
横シール装置20においては、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22にヒータ(図示せず)が埋め込まれ、前ヒータブロック21は前ホルダ23の背面側に取り付けられ、後ヒータブロック22は後ホルダ24の正面側に取り付けられている。
前ホルダ23は、連結ロッド28a、28bにより前ホルダ駆動ブロック26に連結され、後ホルダ24は、開閉トグル機構25を介して前ホルダ駆動ブロック26に連結されると共に、連結ロッド28a、28bに摺動自在に支持され、連結ロッド28a、28bは、支持ブロック27a、27bに摺動自在に支持されている。
支持ブロック27a、27bは、昇降ガイドロッド29a、29に嵌め込まれると共に、昇降機構(図示せず)が取り付けられている。
開閉トグル機構25においては、回転軸25aに回転アーム25bが取り付けられ、回転アーム25bの両端部に従動アーム25c、25dの一端が回転自在に取り付けられ、従動アーム25cの他端は後ホルダ24に回転自在に取り付けられ、従動アーム25dの他端は前ホルダ駆動ブロック26に回転自在に取り付けられている。
そして、横シール装置20において、モータ等(図示せず)によって開閉トグル機構25の回転軸25aを回転させて回転アーム25bを回転させると、従動アーム25cを介して後ホルダ24が連結ロッド28a、28bに沿って移動する。これと同時に、従動アーム25dを介して前ホルダ駆動ブロック26が移動して連結ロッド28a、28bが支持ブロック27a、27bに沿って移動し、前ホルダ23が後ホルダ24と反対方向に移動する。
これにより、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22の開閉動作(離接動作)が行われる。
また、切断装置30は、支持板31、エアシリンダ32、スライダ33、ガイドロッド34、35等から構成される(詳細は後述する)。
【0016】
[ヒータブロック]
本発明における一対のヒータブロックを構成する前ヒータブロック21と後ヒータブロック22について説明する。
図7は、開いた(離れた)状態の前ヒータブロック21と後ヒータブロック22の斜視図、図8は、前ヒータブロック21の背面図(又は後ヒータブロック22の正面図)、図9は、図7のY2-Y2断面図、図10図9のB部拡大図である。
図において、211、221はヒータブロック本体、212、222は中央溝、213、223は第1の横目シール面、214、224は第2の横目シール面、215、225は補助ヒータブロック、216a、216b、226a、226bは補助シール体、216m、216n、226m、226nは外面、217a、217b、227a、227bは長穴、218a、218bはサイド溝、219は貫通穴、213y、214y、223y、224yは山部、213t、214t、223t、224tは谷部である。また、図8を後ヒータブロック22の正面図とした場合の符号を図8の括弧内に示す。
前ヒータブロック21は、ヒータ(図示せず)が埋め込まれた金属製等のヒータブロック本体211と、ヒータブロック本体211の下面に取り付けられた金属製等の補助ヒータブロック215から構成されている。
ヒータブロック本体211の背面側には、Y方向中央部に中央溝212が全幅に渡って設けられ、背面下部が第1の横目シール面213、背面上部が第2の横目シール面214となっている。
ヒータブロック本体211の正面側の中央部には貫通穴219が設けられ、貫通穴219と中央溝212は繋がっている。
補助ヒータブロック215の背面側には、X方向の側部寄りに補助シール体216a、216bが取り付けられ、補助シール体216a、216bには長穴217a、217bが設けられている。
補助ヒータブロック215の上面側には、X方向の側部寄りにサイド溝218a、218bが設けられ、サイド溝218a、218bと長穴217a、217bは繋がっている。
後ヒータブロック22は、前ヒータブロック21と同様に、ヒータ(図示せず)が埋め込まれた金属製等のヒータブロック本体221と、ヒータブロック本体221の下面に取り付けられた金属製等の補助ヒータブロック225から構成されている。
ヒータブロック本体221の構成は、背面側に貫通穴が設けられていない点を除いて、前ヒータブロック21のヒータブロック本体211の構成と同じであり、ヒータブロック本体221の正面側には中央溝222が設けられ、正面下部が第1の横目シール面223、正面上部が第2の横目シール面224となっている。
補助ヒータブロック225の構成は、前ヒータブロック21の補助ヒータブロック215の構成と同じであり、補助ヒータブロック225の正面側には、補助シール体226a、226bが設取り付けられ、補助シール体226a、226bには長穴227a、227bが設けられ、補助ヒータブロック225の上面側には、サイド溝228a、228bが設けられ、サイド溝228a、228bと長穴227a、227bは繋がっている。
この場合、前ヒータブロック21の補助シール体216a、216bと補助シール体226a、226bは、一方を金属製とし他方をシリコンゴム等の弾性体とすること、例えば、補助シール体216a、216bを金属製とし補助シール体226a、226bを弾性体とすることが望ましい。
なお、本発明におけるベタシール部、未シール部、切り込みを包装袋1の上部の左側部と右側部にいずれか一方に設ける場合、例えば、ベタシール部6a、未シール部7a、切り込み8aだけを設ける場合、補助ヒータブロック215には補助シール体216aだけを取り付け、補助ヒータブロック225には補助シール体226aだけを取り付ければよい。
【0017】
図10に示すように、前ヒータブロック21において、第1の横目シール面213は、山部213yと谷部213tからなる凹凸形状であり、第2の横目シール面214も、山部214yと谷部214tからなる凹凸形状となっている。
一方、補助ヒータブロック215に取り付けられた補助シール体216a、216bの外面216m、216nは、凹凸のない平滑な面となっている(図10参照)。
また、後ヒータブロック22においても、第1の横目シール面223は、山部223yと谷部223tからなる凹凸形状であり、第2の横目シール面224も、山部224yと谷部224tからなる凹凸形状となっており、補助シール体226a、226bの外面226m、226nは、凹凸のない平滑な面となっている(図10参照)。
そして、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22は、第1の横目シール面213と第1の横目シール面223が対向し、第2の横目シール面214と第2の横目シール面224が対向するように配置され、横シール装置20を作動させて、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22とを閉じ、前ヒータブロック21の第1の横目シール面213、第2の横目シール面214と、後ヒータブロック22の第1の横目シール面223、第2の横目シール面224とで、縦シールが施された包材Fiを挟んでヒートシールすることにより、包材Fi(フィルム2)に第1の横目シール部3と第2の横目シール部4が形成される。
これと同時に、補助シール体216a、216bの外面216m、216nと補助シール体226a、226bの外面226m、226nとで包材Fiを挟んでヒートシールすることにより、包材Fi(フィルム2)に未シール部7a、7bを有するベタシール部6a、6bが形成される。
【0018】
[切断装置30]
切断装置30の詳細について説明する。
図11は、切断装置30の斜視図、図12は、図11に示す切断装置30の底面図、図13は、図11に示す切断装置30の左側面図、図14は、横シール装置20と切断装置30の分解斜視図である。
図において、33a、33bはボールブッシュ、34a、35aは先端部、36は切断用ナイフ、37a、37bは切り込み用ナイフである。
切断装置30においては、支持板31の正面側にエアシリンダ32が取り付けられ、支持板31の背面側にガイドロッド34、35が取り付けられ、ガイドロッド34、35は、スライダ33の左右側部に貫入されたボールブッシュ34a、35aに挿入され、先端部34a、35aは、前ホルダ23のガイド穴23aの側面に垂直な壁面(図示せず)に取り付けられている。
スライダ33は、ガイドロッド34、35に摺動自在に保持されると共に、その正面側にエアシリンダ32のピストンロッド32aの先端部が取り付けられており、エアシリンダ32を作動させることにより、スライダ33は、ガイドロッド34、35に沿って摺動し、前ホルダ23のガイド穴23a内を移動する。
また、スライダ33の背面中央上部にT字状の切断用ナイフ36が取り付けられ、スライダ33の背面下部の左右側部には、切り込み用ナイフ37a、37bが取り付けられている。
図14に示すように、切断用ナイフ36は、スライダ33に取り付けられて、ガイド穴23a内と、前ヒータブロック21の貫通穴219と中央溝212内に収納され、切り込み用ナイフ37a、37bは、スライダ33に取り付けられて、ガイド穴23a内と、前ヒータブロック21のサイド溝218a、218b内に収納されている。
そして、横シール装置20を作動させ、包材Fiを挟んだ状態で前ヒータブロック21と後ヒータブロック22を閉じたとき、切断装置30のエアシリンダ32が作動してスライダ33が移動する。
これにより、切断用ナイフ36が前ヒータブロック21の中央溝212から突出して後ヒータブロック22の中央溝222内に入り、これと同時に、切り込み用ナイフ37a、37bが、前ヒータブロック21の長穴217a、217bから突出して、後ヒータブロック22の長穴227a、227b内とサイド溝228a、228b内に入り、包材Fiの切断と切り込み8a、8bの形成が行われる。
【0019】
[包装袋1の製造方法]
縦ピロー包装機10を使用した包装袋1の製造方法について詳細に説明する。
まず、包材供給ユニット11において、包材供給装置に取り付けられた巻取り包材MRから包材Fiが繰り出され、張力調整ユニット12において包材Fiの張力が調整され、印字ユニット13において包材Fiに日付印字等が行われた後、製筒ユニット15において、包材Fiを製筒器15aで筒状に成形して押さえ部材15bにより充填筒14bの外周面に押し付け、包材送りユニット16において、充填筒14bの外周面を包んでいる包材Fiを一定の長さだけ下方に送る。
次いで、縦シールユニット17において、充填筒14bの外周面を包んで合掌状に重ね合わされた筒状の包材Fiの両端部分に縦シールを施し、縦シール部5が形成された縦シール済包材を生成する。
次いで、横シール・切断ユニット18において、縦シール済包材に対して横シール、ベタシール、切断等が施される。
具体的には、横シール装置20において、開閉トグル機構25を作動させて前ヒータブロック21と後ヒータブロック22とを閉じて両ヒータブロックで縦シール済包材Fiを挟んでヒートシールし、第1の横目シール部3、第2の横目シール部4、未シール部7a、7bを有するベタシール部6a、6bが形成される。
このヒートシールの間に被包装品供給ユニット14の充填筒14bから包材Fiに被包装品(内容物)が充填される。
そして、前ヒータブロック21と後ヒータブロック22とで縦シール済包材Fiを挟んでいる間に、切断装置30のエアシリンダ32を作動させてスライダ33を移動させ、切断用ナイフ36で第1の横目シール部3と第2の横目シール部4の境界が切断され、切り込み用ナイフ37a、37bで切り込み8a、8bの形成が行われる。
このようにして被包装品が袋詰めされた包装袋1が連続的に製造される。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の包装機械により製造される包装袋は、横目シール部分により密封され、該横目シール部分を切り取って開封するための切り込みが設けられた包装袋において、シール目に埋没して切れ込みが視認し難くなることなく、また、包装袋に外圧が加わってもエア漏れが生じないものであり、本発明の包装機械は、上記のような包装袋を連続的に効率よく製造できるものであり、食品、医薬品等を密封する包装袋を製造する包装機械等に利用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 包装袋
1a、1b 側縁
2 筒状のフィルム
2a 表側フィルム
2b 裏側フィルム
3 第1の横目シール部
3a、3b 側部下縁
4 第2の横目シール部
5 縦シール部
6a、6b ベタシール部
7a、7b 未シール部
8a、8b 切り込み
10 縦ピロー包装機
11 包材(包装材料)供給ユニット
12 張力調整ユニット
12a 搖動機構
13 印字ユニット
13a 印字装置
14 被包装品供給ユニット
14a ホッパー
14b 充填筒
15 製筒ユニット
15a 製筒器(フォーマ)
15b 押さえ部材
16 包材送りユニット
16a プーリー
16b 送りベルト
17 縦シールユニット
17a、17b 縦シールブロック
18 横シール・切断ユニット
18a、18b 横シールブロック
20 横シール装置
21 前ヒータブロック
22 後ヒータブロック
23 前ホルダ
23a ガイド穴
24 後ホルダ
25 開閉トグル機構
25a 回転軸
25b 回転アーム
25c、25d 従動アーム
26 前ホルダ駆動ブロック
27a、27b 支持ブロック
28a、28b 連結ロッド
29a、29b 昇降ガイドロッド
30 切断装置
31 支持板
32 エアシリンダ
32a ピストンロッド
33 スライダ
33a、33b ボールブッシュ
34、35 ガイドロッド
34a、35a 先端部
36 切断用ナイフ
37a、37b 切り込み用ナイフ
211、221 ヒータブロック本体
212、222 中央溝
213、223 第1の横目シール面
214、224 第2の横目シール面
215、225 補助ヒータブロック
216a、216b、226a、226b 補助シール体
216m、216n、226m、226n 外面
217a、217b、227a、227b 長穴
218a、218b サイド溝
219は貫通穴
213y、214y、223y、224y 山部
213t、214t、223t、224t 谷部
Yma、Ymb 横目状のシール目
S 空間
図1
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図10
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