(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085563
(43)【公開日】2023-06-20
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20230613BHJP
E02F 3/85 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
E02F3/85 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066576
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2022054068の分割
【原出願日】2019-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 耕平
(57)【要約】
【課題】支柱が排土作業の邪魔になりにくい建設機械を提供する。
【解決手段】建設機械としての旋回作業車は、排土板が設けられた下部走行体と、旋回可能となるように下部走行体に支持される上部旋回体と、上部旋回体に回転可能に支持された作業装置と、排土板から後方へ張り出すように設けられた取付部材と、支柱が設けられる載置部と、を備える。載置部は、取付部材に締結される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排土板が設けられた下部走行体と、
旋回可能となるように前記下部走行体に支持される上部旋回体と、
前記上部旋回体に回転可能に支持された作業装置と、
前記排土板から後方へ張り出すように設けられた取付部材と、
支柱が設けられる載置部と、を備え、
前記載置部は、前記取付部材に締結される、建設機械。
【請求項2】
前記載置部は、複数の締結部材によって前記取付部材に締結され、
前記支柱の長手方向一側の端部は、前記載置部に、前記複数の締結部材の間で固定されている、請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記支柱の長手方向一側の端部は、前記載置部に、他の締結部材によって締結される、請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記他の締結部材は複数あり、かつ、平面視で、前記支柱の外周面を囲むように配置される、請求項3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記取付部材は、
前記排土板の背面に固定される張出部材と、
前記排土板に前記張出部材を介して取り付けられる支持体と、を備え、
前記載置部は、前記支持体に締結される、請求項1から4のいずれかに記載の建設機械。
【請求項6】
前記載置部は、平面視で、前記支持体の内側を通る外形を有する、請求項5に記載の建設機械。
【請求項7】
前記支柱には、測距測角装置の測定対象である受光装置を固定可能である、請求項1から6のいずれかに記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブレード(排土板)を備えた建設機械が知られている。特許文献1及び2は、この種の建設機械を開示する。
【0003】
特許文献1のブルドーザは、自動追尾式の測量機(トータルステーション)によりブレードを自動制御することができる。この構成においては、ブレードにポールが立設され、このポールに追尾目標としてのプリズムが設けられている。測量機はレーザー光を照射し、プリズムでの反射光を検知する。この結果により、ブレードの座標位置が測定される。
【0004】
特許文献2の油圧ショベルは、車両のライト等の光を反射するリフレクタ部材が排土板に設けられた構成となっている。油圧ショベルの上部旋回体には、フロント装置が設けられている。油圧ショベルは、フロント装置を上部旋回体の旋回により移動させつつ、このフロント装置により土砂の掘削作業等を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-236713号公報
【特許文献2】特開2018-48451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、例えば建設業界では、電子情報の活用により生産性の向上及び品質の確保を図る情報化施工の要請が高まっている。そこで、特許文献2の油圧ショベルにおいても、排土板の高さを自動制御可能とすることが好ましいと考えられる。
【0007】
この場合、ポール(支柱)が排土作業の邪魔になりにくいことが望ましい。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、支柱が排土作業の邪魔になりにくい建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、以下の構成の建設機械が提供される。即ち、この建設機械は、排土板が設けられた下部走行体と、旋回可能となるように前記下部走行体に支持される上部旋回体と、前記上部旋回体に回転可能に支持された作業装置と、前記排土板から後方へ張り出すように設けられた取付部材と、支柱が設けられる載置部と、を備え、前記載置部は、前記取付部材に締結される。
【発明の効果】
【0011】
支柱が排土作業の邪魔になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る旋回作業車の全体的な構成を示す側面図。
【
図3】作業装置の動作を制御するための電気的構成を示すブロック図。
【
図4】支柱が起立姿勢である場合におけるブレード付近の構成を示す正面図。
【
図5】支柱の姿勢が起立姿勢である場合におけるブレード付近の構成を示す後方斜視図。
【
図6】支柱の姿勢が起立姿勢である場合における回転体及び支柱等の構成を示す前方斜視図。
【
図7】支柱の姿勢が倒伏姿勢である場合におけるブレード付近の構成を示す正面図。
【
図8】支柱の姿勢が倒伏姿勢である場合における回転体及び支柱等の構成を示す前方斜視図。
【
図9】作業装置の動作の規制に関する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る旋回作業車1の全体的な構成を示す側面図である。
【0014】
図1に示す旋回作業車(ブレード作業機械、建設機械)1は、下部走行体11と、上部旋回体12と、を備えている。
【0015】
下部走行体11は、クローラ走行装置21と、油圧モータ22と、を備える。クローラ走行装置21及び油圧モータ22は、それぞれ左右1対で配置されている。
【0016】
それぞれのクローラ走行装置21は、例えばゴムからなる無端状のクローラを備えている。このクローラはスプロケットに巻き掛けられており、スプロケットは、クローラ走行装置21と同じ側に配置された油圧モータ22の出力軸と連結されている。
【0017】
それぞれの油圧モータ22は正逆回転が可能に構成されており、これにより、旋回作業車1を前進及び後進させることができる。油圧モータ22は左右で個別に駆動可能に構成されており、これにより、旋回作業車1の直進及びステアリング等の走行を実現することができる。
【0018】
上部旋回体12は、旋回フレーム31と、旋回モータ32と、エンジン33と、油圧ポンプユニット34と、操縦部35と、作業装置13と、を備える。
【0019】
旋回フレーム31は、下部走行体11の上方に配置され、垂直な軸を中心として回転可能となるように下部走行体11に支持されている。旋回モータ32は、旋回フレーム31を下部走行体11に対して回転させることができる。エンジン33は、例えばディーゼルエンジンとして構成されている。油圧ポンプユニット34は、エンジン33によって駆動され、旋回作業車1の走行及び作業に必要な油圧力を発生させる。
【0020】
操縦部35は、様々な操作部材を備えている。この操作部材には、左右1対で配置される走行操作レバー36及び作業操作レバー37等が含まれる。オペレータは、上記の操作部材を操作することにより、各種の指示を旋回作業車1に与えることができる。
【0021】
作業装置13は、ブーム41と、アーム42と、バケット43と、ブレード(排土板)47と、を備える。また、作業装置13は、アクチュエータとして、ブームシリンダ44、アームシリンダ45、バケットシリンダ46、ブレードリフトシリンダ48及びブレードチルトシリンダ49を備える。
【0022】
ブーム41は細長い部材として構成されており、その基端部が、旋回フレーム31の前部に回転可能に支持されている。ブーム41にはブームシリンダ44が取り付けられており、ブームシリンダ44が伸縮することでブーム41を回転させることができる。
【0023】
アーム42は細長い部材として構成されており、その基端部が、ブーム41の先端部に回転可能に支持されている。アーム42にはアームシリンダ45が取り付けられており、アームシリンダ45が伸縮することでアーム42を回転させることができる。
【0024】
バケット43は、容器状に形成された部材として構成されており、その基端部が、アーム42の先端部に回転可能に支持されている。バケット43にはバケットシリンダ46が取り付けられており、バケットシリンダ46が伸縮することでバケット43を回転させて、すくい動作/ダンプ動作を行うことができる。
【0025】
ブレード47は、車体幅方向(左右方向)に延びるように設けられている。ブレード47は、下部走行体11の前方に配置されている。
【0026】
ブレード47は、下部走行体11に対して、左右方向に延びる軸を中心として回転可能に支持されている。ブレード47にはブレードリフトシリンダ48が取り付けられており、ブレードリフトシリンダ48が伸縮することでブレード47を昇降させることができる。また、ブレード47にはブレードチルトシリンダ49が取り付けられており、ブレードチルトシリンダ49が伸縮することで、旋回作業車1の直進方向に平行な軸を中心としてブレード47を傾けることができる。
【0027】
本実施形態では、ブームシリンダ44、アームシリンダ45、バケットシリンダ46、ブレードリフトシリンダ48及びブレードチルトシリンダ49は、何れも油圧シリンダから構成されている。これらの油圧シリンダは、油圧ポンプユニット34が発生させた油圧力によって伸縮する。
【0028】
ブレード47の上部には支柱55が取り付けられ、この支柱55の上端にターゲットプリズム(受光装置)56が固定されている。ターゲットプリズム56は360°プリズムを有しており、何れの方向から光が入射しても、入射光と平行な向きで光を反射させることができる。このターゲットプリズム56は、後述のトータルステーション57が位置を計測する対象となる。
【0029】
作業現場又はその近傍の適宜の位置には、トータルステーション(測距測角装置)57が設置されている。トータルステーション57は光を用いた公知の電子式測距測角装置として構成されており、ターゲットプリズム56が位置する鉛直角、水平角及び距離を測定する。この測定結果に基づいて、ターゲットプリズム56の3次元座標を計算することができる。トータルステーション57は自動追尾型として構成されており、ターゲットプリズム56の位置の変化を自動で追尾する機能を有している。トータルステーション57は、ターゲットプリズム56を追尾しながらその位置の変化をリアルタイムで取得する。
【0030】
旋回作業車1は、無線通信によりトータルステーション57と通信可能なアンテナ58を備える。旋回作業車1側は、ターゲットプリズム56の位置を、トータルステーション57からリアルタイムで受信することができる。
【0031】
次に、旋回作業車1が備える油圧回路を説明する。
図2は、旋回作業車1の油圧回路を模式的に示す図である。なお、以下では、左右のクローラ走行装置21、油圧モータ22及び作業操作レバー37を特定するために、符号21L,21R,22L,22R、37L,37Rを用いることがある。
【0032】
図2に示すように、油圧ポンプユニット34は、可変容量型の第1油圧ポンプ61と、固定容量型の第2油圧ポンプ62と、固定容量型の第3油圧ポンプ63と、を含んで構成されている。
【0033】
第1油圧ポンプ61は、左側の油圧モータ22L、ブームシリンダ44及びアームシリンダ45と接続されている。第1油圧ポンプ61の第1吐出ポートと、油圧モータ22L、ブームシリンダ44及びアームシリンダ45と、の間には、それぞれ方向切換弁71L,72,73が配置されている。
【0034】
第1油圧ポンプ61は、右側の油圧モータ22R及びバケットシリンダ46と接続されている。第1油圧ポンプ61の第2吐出ポートと、油圧モータ22R及びバケットシリンダ46と、の間には、それぞれ方向切換弁71R,74が配置されている。
【0035】
第2油圧ポンプ62は、ブレードリフトシリンダ48、ブレードチルトシリンダ49、旋回モータ32及びブームスイングシリンダ66と接続されている。第2油圧ポンプ62の吐出ポートと、ブレードリフトシリンダ48、ブレードチルトシリンダ49、旋回モータ32及びブームスイングシリンダ66と、の間には、それぞれ方向切換弁75,76,77,78が配置されている。
【0036】
左の作業操作レバー37Lは、アーム42の回転を指示することができる。右の作業操作レバー37Rは、ブーム41の回転を指示することができる。旋回操作レバー39は、上部旋回体12の旋回を指示することができる。なお、旋回操作レバー39は、例えば、左の作業操作レバー37Lで兼ねることもできる。
【0037】
旋回作業車1は、左右の作業操作レバー37L,37Rに対応して配置されたリモコン弁81,82を備えている。それぞれのリモコン弁81,82は2つの出力ポートを有しており、左右の作業操作レバー37L,37Rのそれぞれの操作に応じたポートに、操作量に応じた圧力の作動油を送ることができる。
【0038】
これらのリモコン弁81,82が出力するパイロット圧力が、それぞれ、方向切換弁73,72のパイロットポートに導かれる。言い換えれば、リモコン弁81,82は、左右の作業操作レバー37L,37Rのそれぞれの操作に応じた圧力(パイロット圧力)で、作動油を送ることができる。
【0039】
従って、方向切換弁73,72のスプールは、左右の作業操作レバー37L,37Rのそれぞれで指示される回転状態に応じた方向及び量だけ変位する。これにより、アームシリンダ45及びブームシリンダ44を、オペレータの指示に基づいて伸縮させることができる。そのため、作業装置13を動作させることができる。
【0040】
他の方向切換弁71,74~78のそれぞれについても、上記の方向切換弁73,72と同様にリモコン弁が接続されている。走行操作レバー36等の操作部材をオペレータが操作することによって、リモコン弁が出力するパイロット圧力が変化し、これにより、方向切換弁71,74~78のスプールが変位して作動油の供給/停止を切り換える。これにより、油圧モータ22L,22R、バケットシリンダ46、ブレードリフトシリンダ48、ブレードチルトシリンダ49、旋回モータ32、及びブームスイングシリンダ66を、オペレータの指示により駆動することができる。
【0041】
例を挙げて説明すると、
図2に示すように、方向切換弁77にはリモコン弁83が接続されている。旋回操作レバー39をオペレータが操作することによって、リモコン弁83が出力するパイロット圧力が変化し、これにより、方向切換弁77のスプールが変位して作動油の供給/停止を切り換える。これにより、旋回モータ32を、オペレータの指示により駆動することができる。そのため、上部旋回体12を旋回させることができる。
【0042】
次に、旋回作業車1が備えるブレード47の位置情報を取得するための構成について説明する。
図3は、作業装置13の動作を制御するための電気的構成を示すブロック図である。
【0043】
旋回作業車1は、
図3に示す制御部150を備える。制御部150は公知のコンピュータとして構成されており、図示しないCPU、記憶装置、入出力部等を備えている。CPUは、各種プログラム等を記憶装置から読み出して実行することができる。記憶装置には、各種のプログラムやデータが記憶されている。
【0044】
また、旋回作業車1は、ブレード47の位置情報を取得する位置情報取得部161を備える。位置情報取得部161は、本実施形態では、アンテナ58を用いてトータルステーション57からターゲットプリズム56の位置を無線受信する無線受信機から構成されている。
【0045】
位置情報取得部161は、ブレード47の位置情報を制御部150に出力する。このブレード47の位置情報は、3次元位置情報であり、ブレード47に設けられた目標(ターゲットプリズム56)までの距離、基準方向に対して目標が存在する方向の水平角度、基準高さに対して目標が存在する方向の鉛直角度を含む。
【0046】
制御部150は、ターゲットプリズム56の位置に基づいてブレード47の下端部の位置を求める。そして、制御部150は、このブレード下端部の位置と、予め制御部150に設定された設計情報と、を比較する。設計情報は、ブレード47による仕上げ面の高さを3次元で記述した情報である。
【0047】
制御部150は、例えば、ブレード下端部の高さが設計情報の仕上げ面よりも高ければブレード47を下降させ、仕上げ面よりも低ければブレード47を上昇させるように、ブレードリフトシリンダ48を制御する。この制御は、方向切換弁75,76のスプールを移動させるためのパイロット圧力を調整する電磁比例弁167,168に対して、制御部150が開度を指示する制御信号を出力することにより実現される。ただし、
図2の油圧回路図においては、電磁比例弁167,168は省略されている。
【0048】
次に、ターゲットプリズム56をブレード47に取り付けるための構成について、
図4から
図8までを参照して詳細に説明する。
図4は、支柱55の姿勢が起立姿勢である場合におけるブレード47付近の構成を示す正面図である。
図5は、支柱55の姿勢が起立姿勢である場合におけるブレード47付近の構成を示す後方斜視図である。
図6は、支柱55の姿勢が起立姿勢である場合における回転体113及び支柱55等の構成を示す前方斜視図である。
図7は、支柱55の姿勢が倒伏姿勢である場合におけるブレード47付近の構成を示す正面図である。
図8は、支柱55の姿勢が倒伏姿勢である場合における回転体113及び支柱55等の構成を示す前方斜視図である。
【0049】
図4に示すように、ターゲットプリズム56は、ブレード47よりも上方に位置するように、取付部材110を介してブレード47に設けられている。
【0050】
図5に示すように、取付部材110は、ブレード47の背面115に取り付けられている。取付部材110は、左右方向において、ブレード47の左右中央部よりも左右一方側にズレた位置に配置されている。取付部材110は、本実施形態では、左右のクローラ装置21L,21Rのうち、左のクローラ装置21Lの前方に配置されている。
【0051】
図5及び
図6に示すように、取付部材110は、張出部材111と、支持体112と、回転体113と、支柱55と、を備えている。
【0052】
張出部材111は、
図5に示すように、ブレード47の背面115から後方へ張り出すように設けられている。張出部材111は、第1固定片121と、第2固定片122と、を有している。第1固定片121及び第2固定片122は、左右方向に所定の間隔をあけて配置されている。
【0053】
第1固定片121の前側部分123は、ブレード47の背面115に固定されている。同様に、第2固定片122の前側部分124は、ブレード47の背面115に固定されている。第1固定片121及び第2固定片122のそれぞれの上端部は、ブレード47の上端部付近に配置されている。
【0054】
支持体112は、ブレード47に張出部材111を介して取り付けられている。支持体112は、張出部材111の上に載った状態で、張出部材111及びブレード47にそれぞれ溶接により固定されている。支持体112は、ブレード47の後方において、ブレード47の上端部付近に配置されている。
【0055】
支持体112は、矩形の平板状に形成されている。支持体112は、その厚み方向が上下方向に沿うように配置されている。支持体112は、ブレード47(旋回作業車1)を正面から見たとき、ブレード47と重なり合うように配置されている。
【0056】
支持体112には、回転支持部116が固定されている。回転支持部116は、支持体112の左右一端部(具体的には、ブレード47の左右中央に近い側の端部である右端部)に配置されている。回転支持部116は、円筒状の部材として構成されている。回転支持部116の軸孔には、後述の回転軸131が差し込まれている。
【0057】
回転体113は、支持体112に回転可能に支持されている。この結果、回転体113は、ブレード47に対して、前後方向に向けられた軸を中心として回転可能である。この回転により、回転体113は、
図4及び
図6に示す第1回転位置と、
図7及び
図8に示す第2回転位置と、の間で移動することができる。
【0058】
具体的に説明すると、載置部125には回転軸131が取り付けられている。回転軸131は、支持体112が備える回転支持部116に差し込まれている。これにより、載置部125(言い換えれば、回転体113)が、支持体112ひいてはブレード47に対して、回転軸131を中心として回転することができる。これにより、第1回転位置と第2回転位置との間での位置の切換が実現される。
【0059】
回転体113が第1回転位置となっているとき、当該回転体113は支持体112の上に載っている。回転体113が第2回転位置となっているとき、当該回転体113は支持体112から離れている。
【0060】
回転体113は、平板状に形成された載置部125を備える。載置部125は、回転体113が第1回転位置にあるとき、支持体112に対して平行な状態で、支持体112の上面に接する。載置部125には、前述の支柱55が設けられている。支柱55は細長い円柱状に形成され、載置部125に対して垂直に向けて配置されている。支柱55は、支持体112から遠い側へ突出している。
【0061】
載置部125は、支持体112の上に載った状態で、ボルト等の締結部材128により支持体112に固定される。これにより、振動等によって回転体113が不測に回転することを防止することができる。締結部材128を取り外すことにより、回転体113が第2回転位置になるように支持体112に対して変位可能な状態になる。
【0062】
載置部125には、L字状のストッパ部133が形成されている。ストッパ部133は、載置部125が第1回転位置からほぼ90°回転した状態で、第2固定片122に当たる。この規制により、回転体113が第2回転位置に位置決めされる。
【0063】
支柱55の長手方向一側の端部が、回転体113の載置部125に固定されている。従って、支柱55は、回転体113と一体的に回転することができる。支柱55において回転体113と反対側の端部には、ターゲットプリズム56が設けられている。
【0064】
この構成で、回転体113が第1回転位置であるときは、支柱55は
図4に示すように、回転体113から上方へ突出する起立姿勢をとる。回転体113が第2回転位置であるときは、支柱55は
図7に示すように、回転体113から右方へ突出する倒伏姿勢をとる。
【0065】
支柱55が起立姿勢となっているとき、
図4から
図6までに示すように、当該支柱55はブレード47に対して上方へ突出している。支柱55が倒伏姿勢となっているとき、
図7及び
図8に示すように、当該支柱55は、ブレード47の延びる方向(左右方向)と平行に向けられる。
【0066】
支柱55の長さは、トータルステーション57を基準としたターゲットプリズム56の見通しの良さ等を考慮して、任意に設定することができる。なお、ターゲットプリズム56は非使用時には旋回作業車1から取り外されることが多いので、支柱55の長さは、倒伏姿勢でブレード47の左右幅から支柱55がはみ出ないように定めることが好ましい。勿論、支柱55にターゲットプリズム56が取り付けられたまま倒伏姿勢となってもターゲットプリズム56がブレード47の左右幅からはみ出ないように、支柱55の長さを定めても良い。
【0067】
本実施形態では、支柱55が起立姿勢になっている状態で、前述のように回転体113(載置部125)を支持体112に締結部材128により固定することで、支柱55がブレード47に対して動かないようにすることができる。
【0068】
図面には示されていないが、支柱55は、倒伏姿勢になっている状態でもブレード47に対して固定可能な構成となっている。この固定構造としては、例えば、ロックピンを用いた公知の構成とすることができるが、これに限定されない。
【0069】
以上の構成で、回転体113を支持体112(ブレード47)に対して回転させて、支柱55の姿勢を、起立姿勢又は倒伏姿勢の間で切り換えることができる。この支柱55の姿勢の切換は、支柱55にターゲットプリズム56を取り付けた状態で行うことができる。
【0070】
旋回作業車1を用いて情報化施工を行う場合、支柱55を起立姿勢で固定する。これにより、ターゲットプリズム56がブレード47のほぼ上方に位置するので、ターゲットプリズム56の位置をトータルステーション57によって良好に取得することができる。旋回作業車1は、ターゲットプリズム56の3次元位置と、予め旋回作業車1に設定された設計情報と、を比較した結果に基づいて、上述の制御により、ブレード47の高さを自動的に変更する。これにより、ブレード47を用いて敷均し作業を好適に実行することができる。
【0071】
一方で、ブレード47の自動制御を行わない場合は、支柱55の姿勢を起立姿勢から倒伏姿勢に切り換える。これにより、作業装置13が支柱55と干渉することを回避しつつ、当該作業装置13による作業を行うことができる。
【0072】
回転体113及び支柱55は、ブレード47から後方に突出するように設けられた張出部材111に取り付けられている。張出部材111(第1固定片121及び第2固定片122)は、支持体112とともに、ブレード47の背面115に溶接により固定されている。この結果、支柱55等がブレード47の後方に位置するレイアウトとなるので、支柱55の姿勢が起立姿勢及び倒伏姿勢の何れであっても、排土作業の邪魔になりにくい。
【0073】
また、旋回作業車1は、支柱55が起立姿勢にある場合に作業装置13が動作したとき、この作業装置13が支柱55に干渉することを防止するための処理を実行することができる。以下、この処理に関する構成について説明する。
【0074】
図3に示すように、制御部150は、記憶部151と、作業装置位置取得部152と、規制判定部153と、を備える。
【0075】
上述したとおり、制御部150はCPU等を備えており、また、ROMには、各種のプログラムが記憶されている。上記のハードウェアとソフトウェアの協働により、制御部150を、
図3に示す記憶部151、作業装置位置取得部152、及び規制判定部153等として動作させることができる。
【0076】
記憶部151は、作業装置13の規制領域に関する規制位置情報を記憶することができる。規制位置情報は、起立姿勢にある支柱55の位置に基づいて、当該支柱55の近傍となるように予め定められる。
【0077】
作業装置位置取得部152は、作業装置13の位置情報を取得することができる。本実施形態では、作業装置位置取得部152は、制御部150が取得した上部旋回体12の旋回角度、ブーム41の回転角度、アーム42の回転角度、及びバケット43の回転角度に基づいて、作業装置13の位置情報を計算して取得するようになっている。作業装置13の位置情報としては、具体的には、バケット43の先端部の3次元座標とすることができるが、これに限定されない。
【0078】
規制判定部153は、記憶部151が記憶する規制位置情報と、作業装置位置取得部152が取得した作業装置位置情報と、に基づいて、作業装置13の動作を規制する必要があるか否かを判定することができる。
【0079】
図3に示すように、制御部150には、前述の位置情報取得部161が接続されるとともに、旋回角度センサ162、第1角度センサ163、第2角度センサ164、第3角度センサ165、及び起立姿勢検知部166が接続されている。また、制御部150には、規制装置に相当する電磁弁170が接続されている。
【0080】
旋回角度センサ162は、上部旋回体12の旋回角度を検出することができる。第1角度センサ163は、ブーム41の回転角度を検出することができる。第2角度センサ164は、アーム42の回転角度を検出することができる。第3角度センサ165は、バケット43の回転角度を検出することができる。これらのセンサ162,163,164,165は、それぞれ、検出信号を制御部150へ出力する。
【0081】
起立姿勢検知部166は、支柱55が起立姿勢であることを検知することができる。起立姿勢検知部166は、本実施形態では、押圧式スイッチから構成されている。起立姿勢検知部166は、
図8に示すように、支持体112に上方へ突出するように設けられる。支柱55が起立姿勢になるとき、起立姿勢検知部166が備える接触子が、回転体113によって上側から押圧される。起立姿勢検知部166は、接触子が押されているか否かを示す検知信号を制御部150へ出力する。
【0082】
電磁弁170は、作業装置13の動作を規制することができる。具体的には、電磁弁170は、
図2に示す第3油圧ポンプ63から方向切換弁77,72,73のパイロットポートに送られる作動油の供給を阻止することで、旋回モータ32、ブームシリンダ44、及びアームシリンダ45の駆動を停止することが可能である。電磁弁170は、第3油圧ポンプ63と、方向切換弁77,72,73との間に配置されている。電磁弁170は、開弁状態又は閉弁状態となるように作動する。
【0083】
電磁弁170は、カットオフ制御を実現するものである。電磁弁170は、図示しないカットオフスイッチの接点が閉じられているとき(ON時)、開弁状態となる。一方、電磁弁170は、前記カットオフスイッチの接点が開かれているとき(OFF時)、閉弁状態となる。なお、前記カットオフスイッチは、前記操作部材に含まれるカットオフレバー38の操作により、ONとOFFの間で切り換えられる。本実施形態では、カットオフスイッチがOFFになっている場合だけでなく、後述する所定の条件が満たされた場合も、電磁弁170が閉弁するように制御される。
【0084】
電磁弁170が開かれた状態では、第3油圧ポンプ63から方向切換弁77に作動油を供給可能とし、方向切換弁77にパイロット圧力を作用させることができる。電磁弁170が閉じられた状態では、第3油圧ポンプ63から方向切換弁77への作動油の供給が遮断される。これにより、パイロット圧力が方向切換弁77に作用しなくなるので、旋回モータ32による上部旋回体12の旋回が実質的に阻止される。同様に、電磁弁170が閉じられると、方向切換弁72,73にパイロット圧力が作用しなくなるので、ブームシリンダ44によるブーム41の回転、及び、アームシリンダ45によるアーム42の回転が、実質的に阻止される。
【0085】
次に、
図9を参照して、電磁弁170に関して制御部150が行う処理を説明する。
図9は、作業装置13の動作の規制に関する処理を示すフローチャートである。
【0086】
図9の処理が開始されると、制御部150は先ず、起立姿勢検知部166の検知結果に基づいて、支柱55の姿勢が起立姿勢であるか否を判定する(ステップS101)。支柱55の姿勢が起立姿勢でない場合、制御部150は、電磁弁170を開弁状態とする(ステップS102)。その後、処理はステップS101に戻る。
【0087】
ステップS101の判定の結果、支柱55の姿勢が起立姿勢である場合、制御部150は、作業装置13の位置が規制領域に入っているか否かを判定する(ステップS103)。作業装置13の位置が規制領域に入っている場合、制御部150は、電磁弁170を閉弁状態とする(ステップS104)。その後、処理はステップS101に戻る。
【0088】
作業装置13の位置が規制領域に入っていない場合、制御部150は、電磁弁170を開弁状態とする(ステップS102)。その後、処理はステップS101に戻る。
【0089】
以上の処理を行うことにより、支柱55が起立姿勢であり、かつ、作業装置13が支柱55(言い換えれば、ターゲットプリズム56)の近傍の規制領域にある場合には、電磁弁170が自動的に閉じられるので、上部旋回体12の旋回、ブーム41の回転等の動作を阻止することができる。従って、オペレータが支柱55を倒し忘れて作業装置13の操作を行った場合でも、バケット43等がターゲットプリズム56及び支柱55と衝突するのを防止することができる。
【0090】
以上に説明したように、本実施形態の旋回作業車1は、下部走行体11と、上部旋回体12と、作業装置13と、回転体113と、支柱55と、を備える。下部走行体11は、ブレード47が設けられる。上部旋回体12は、旋回可能となるように下部走行体11に支持される。作業装置13は、上部旋回体12に回転可能に支持される。回転体113は、ブレード47に設けられる。支柱55は、回転体113から突出するように設けられる。支柱55には、トータルステーション57の測定対象であるターゲットプリズム56を固定可能である。回転体113がブレード47に対して回転することで、支柱55の姿勢を起立姿勢と倒伏姿勢との間で切換可能に構成されている。
【0091】
これにより、ターゲットプリズム56を用いてブレード47による作業を行う場合には、支柱55を起立姿勢として、トータルステーション57での測定を良好に行うことができる。一方、ターゲットプリズム56を用いない作業のときは、支柱55を倒伏姿勢とすることで、例えば作業装置13による作業の邪魔にならないようにすることができる。この結果、支柱55の旋回作業車1への取付け/取外し作業を省略できるので、作業者の手間を軽減することができる。
【0092】
また、本実施形態の旋回作業車1は、張出部材111を備えている。張出部材111は、ブレード47から後方へ張り出すように設けられ、回転体113を支持している。
【0093】
これにより、張出部材111を用いて、回転体113及び支柱55、ひいてはターゲットプリズム56をブレード47に安定して支持することができる。また、回転体113及び支柱55がブレード47の後方に位置するので、排土作業の邪魔になりにくいレイアウトを実現できる。
【0094】
また、本実施形態の旋回作業車1は、本実施形態の旋回作業車1は、作業装置位置取得部152と、電磁弁170と、起立姿勢検知部166と、制御部150と、を備える。作業装置位置取得部152は、作業装置13の位置情報を取得する。電磁弁170は、作業装置13の動作を規制する。起立姿勢検知部166は、支柱55の姿勢が起立姿勢であるか否かを検知する。制御部150は、起立姿勢検知部166により支柱55の姿勢が起立姿勢であることが検知された場合、作業装置位置取得部152が取得した作業装置13の位置情報に基づいて、電磁弁170を閉弁状態にする。
【0095】
これにより、支柱55の姿勢が起立姿勢である場合には、電磁弁170を閉弁状態にすることで旋回モータ32等の駆動を実質的に阻止して、作業装置13が支柱55等に干渉することを回避することができる。従って、作業装置13との干渉によりターゲットプリズム56及び支柱55等が損傷するのを防止することができる。一方、作業装置13が規制領域に侵入していないときは、作業装置13の動作が規制されないので、作業装置13の作業効率が過度に低下することはない。
【0096】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0097】
上記の実施形態では、回転体113は張出部材111及び支持体112を介してブレード47に設けられているが、回転体113をブレード47に設けるための構成は特に限定されず、例えば、ブレード47に他の部材を介して設けられても良いし、ブレード47に直接設けられても良い。
【0098】
上記の実施形態では、支柱55は、倒伏姿勢になったとき、回転体113から旋回作業車1の右方へ突出するように設けられているが、回転体113から旋回作業車1の左方へ突出するようにしても良い。
【0099】
支柱55の姿勢を起立姿勢に保持するための構成は、締結部材128以外の部品、例えばロックピン等を用いて実現することもできる。支柱55の姿勢を倒伏姿勢に保持するための構成も同様に、適宜のものに変更することができる。
【0100】
上記の実施形態では、作業装置13の位置が規制領域に入った場合、旋回モータ32、ブームシリンダ44及びアームシリンダ45を停止させている。この代わりに、ブームシリンダ44等が回避動作を自動的に行うように構成しても良い。例えば、支柱55が倒されていない状態の旋回作業車1において、オペレータの操作により上部旋回体12が旋回している状態を考える。制御部150は、このまま旋回を継続すればバケット43がターゲットプリズム56等に衝突するか否かを、作業装置13の位置に基づく計算により判定する。制御部150は、上記の衝突の可能性が高い場合は、上部旋回体12の旋回を継続しつつ、自動的にブームシリンダ44等を駆動してバケット43を上昇させる等の制御を行う。この構成によっても、ターゲットプリズム56等の破損を防止することができる。
【0101】
作業装置13の動作の規制は、方向切換弁へのパイロット圧力の供給停止によって実現することに限定されない。例えば、上部旋回体12の旋回を制動する油圧式の旋回ブレーキを旋回作業車1が備える場合を考える。この旋回ブレーキは、バネ力により制動するが、油圧を供給することによりブレーキを解除することができる。通常の作業時には、油圧ポンプが旋回ブレーキに油圧を供給することで、制動は行われない。一方、作業装置13の位置情報が規制領域に入っている場合には、制御部150は、旋回ブレーキへの油圧の供給を例えば電磁弁によって遮断する。これによって上部旋回体12の旋回が制動され、作業装置13の旋回を実質的に阻止することができる。
【0102】
作業装置13の動作を規制するか否かの判断は、作業装置13の現在の位置に加えて、作業装置13の速度、加速度等を考慮して行われても良い。
【0103】
なお、本実施形態の建設機械は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の建設機械は、下部走行体と、上部旋回体と、作業装置と、回転体と、支柱と、を備える。前記下部走行体には、排土板が設けられる。前記上部旋回体は、旋回可能となるように前記下部走行体に支持される。前記作業装置は、前記上部旋回体に回転可能に支持される。前記回転体は、前記排土板に設けられる。前記支柱は、前記回転体から突出するように設けられる。前記支柱には、測距測角装置の測定対象である受光装置を固定可能である。前記回転体が前記排土板に対して回転することで、前記支柱の姿勢を起立姿勢と倒伏姿勢との間で切換可能に構成されている。
【0104】
これにより、受光装置を用いて排土板による作業を行う場合には、支柱を起立姿勢として、測距測角装置での測定を良好に行うことができる。一方、受光装置を用いない作業のときは、支柱を倒伏姿勢とすることで、例えば作業装置による作業の邪魔にならないようにすることができる。この結果、支柱の取付け/取外し作業を省略できるので、作業者の手間を軽減することができる。
【0105】
前記の建設機械においては、前記排土板から後方へ張り出すように設けられ、前記回転体を支持する張出部材を備えることが好ましい。
【0106】
これにより、張出部材を用いて、回転体及び支柱、ひいては受光装置を排土板に安定して支持することができる。また、回転体及び支柱が排土板の後方に位置するので、排土作業の邪魔になりにくいレイアウトを実現できる。
【0107】
前記の建設機械においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この建設機械は、作業装置位置取得部と、規制装置と、起立姿勢検知部と、制御部と、を備える。前記作業装置位置取得部は、前記作業装置の位置情報を取得する。前記規制装置は、前記作業装置の動作を規制する。前記起立姿勢検知部は、前記支柱の姿勢が前記起立姿勢であるか否かを検知する。前記制御部は、前記起立姿勢検知部により前記支柱の姿勢が前記起立姿勢であることが検知された場合、前記作業装置位置取得部が取得した前記作業装置の位置情報に基づいて、前記規制装置を作動させる。
【0108】
これにより、支柱の姿勢が起立姿勢である場合には、規制装置を作動させることで作業装置の動作を規制し、作業装置が支柱に干渉することを回避することができる。従って、作業装置との干渉により支柱等が損傷するのを防止することができる。一方、例えば作業装置が支柱等に対して十分に離れている場合には、作業装置の動作が規制されないので、作業装置の作業効率が過度に低下することはない。
【0109】
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態及び変形形態をとり得ることは明らかである。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0110】
1 旋回作業車(建設機械)
11 下部走行体
12 上部旋回体
13 作業装置
47 ブレード(排土板)
55 支柱
56 ターゲットプリズム(受光装置)
57 トータルステーション(測距測角装置)
111 張出部材
113 回転体
150 制御部
152 作業装置位置取得部
166 起立姿勢検知部
170 電磁弁(規制装置)