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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085580
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】バイオマスのガス化装置
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/56 20060101AFI20230614BHJP
   C10J 3/54 20060101ALI20230614BHJP
   C10J 3/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
C10J3/56
C10J3/54 E
C10J3/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020080396
(22)【出願日】2020-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】502229565
【氏名又は名称】株式会社ジャパンブルーエナジー
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【弁理士】
【氏名又は名称】田坂 一朗
(72)【発明者】
【氏名】堂脇 直城
(72)【発明者】
【氏名】上内 恒
(57)【要約】
【課題】本発明は、熱分解ガス改質器における改質ガスの温度を目標所定温度に近づけ、改質反応を安定させて水素濃度を安定させることを課題とする。
【解決手段】本発明のバイオマスのガス化装置を、熱担持単体を予め加熱する予熱器、前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体の供給を受け、前記熱担持媒体のもつ熱によりバイオマスの熱分解を実行する熱分解器、及び前記熱分解により発生した熱分解ガスを空気又は酸素により部分燃焼してスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器を備えるバイオガスのガス化装置において、前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置として構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱担持単体を予め加熱する予熱器、
前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体の供給を受け、前記熱担持媒体のもつ熱によりバイオマスの熱分解を実行する熱分解器、及び
前記熱分解により発生した熱分解ガスを、空気又は酸素により部分燃焼してスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器を含む、バイオガスのガス化装置において、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
【請求項2】
前記マニュアル弁からの酸素ガスの供給により900℃以下の所定温度域まで改質ガスの温度を上昇させる請求項1に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項3】
前記所定温度域が800℃から900℃である請求項2に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項4】
前記所定温度域が850℃から880℃である請求項2に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項5】
前記マニュアル弁による改質ガスの温度の温度上昇に加えて、前記オンオフ弁からの酸素ガスの供給により、改質ガスの温度の温度を目標温度に上昇させる請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項6】
前記目標温度が850℃~1000℃である請求項5に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項7】
前記目標温度が880℃~950℃である請求項5に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項8】
前記目標温度が900℃~930℃である請求項5に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項9】
前記改質ガスの到達温度に基づいて、前記所定温度域を調整する請求項2~8のいずれか1項に記載のバイオマスのガス化装置。
【請求項10】
前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器が、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを前記熱分解ガス改質器へと導入する、前記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた、熱分解ガス導入管を含み、
かつ、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された熱担持単体の導入口及び排出口を備え、前記熱担持単体の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行し、
前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器とが、前記熱担持媒体の流れに対して並列に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の両側において、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記上記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の側面に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、重力方向に対して略水平に備えられた、バイオマスのガス化装置であって、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
【請求項11】
前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器がスチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入し、
かつ、前記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された熱担持媒体の導入口及び排出口を備え、上記熱担持媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、
一方、前記熱分解ガス改質器が、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
前記熱分解ガス改質器が、更に、空気又は酸素吹込み口を備え、該空気又は酸素により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを部分燃焼することにより、スチーム改質を実行し、
かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器内に形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記バイオマス熱分解器の側面に備えられている、バイオマスのガス化装置であって、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
【請求項12】
バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に改質する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された熱担持単体を、上記バイオマス熱分解器に投入させて、上記熱担持単体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、次いで、該バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを、上記熱分解ガス改質器に導入して、該熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
上記バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記熱担持単体層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入され、次いで、該熱分解ガス改質器に、別途、導入された空気又は酸素により、上記の導入された熱分解ガスが、部分酸化されると同時に、上記空気又は酸素と同時に導入されたスチームにより改質される、バイオマスのガス化方法において、
前記熱分解ガス改質器に備えられた、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁からの酸素により改質ガスの温度を所定温度領域に上昇させ、加えて前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁からの酸素により前記改質ガスの温度を目標所定温度に上昇させる、バイオマスのガス化方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスのガス化装置に関し、更に詳しくは、バイオマス、好ましくは、比較的灰分含有量の高いバイオマスを熱分解するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器の上部に配置される熱担持媒体を予め加熱するための予熱器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを、酸素又は空気及びスチームと混合して、部分燃焼及び改質する熱分解ガス改質器とを備えるバイオマスのガス化装置であって、前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える制御装置を備えたバイオマスのガス化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2011年3月11日に発生した東日本大震災後に再生可能エネルギー及び分散型エネルギー供給施設が見直され、太陽光発電、風力発電、地熱発電、水力発電、潮力発電、バイオマス発電等の再生可能エネルギーによる発電設備が注目されている。また、最近では、 再生可能エネルギーで発電した電力を使用する、水の電気分解による水素製造にも注目が 高まってきた。
【0003】
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電、風力発電及び潮力発電は、一時的な電力供給源として期待されてはいるものの、発電量が安定しないことから、安定した電力供給設備としては期待できない。また、水力発電及び潮力発電は、小規模設備であればある程度の需要が見込まれるが、大規模設備を建設するためには設置場所が限定されるという問題がある。
【0004】
一方、木材、下水汚泥、家畜排せつ物等のバイオマスは、日本国内に均一に存在する。なかでも、下水汚泥、家畜排せつ物は季節変動が少なく継続的に発生するため、安定したバイオマス原料と考えられる。特に、下水汚泥の発生量は、約215万トン(乾燥重量基準、2015年の発生量、国土交通省資料より)であり、そのうち75重量%は未利用であるので、有効利用することが期待されている。
【0005】
しかしながら、下水汚泥には窒素、リン、カリウム及びその他の無機物、並びに、雨水に 由来する土壌等が混入するため、灰分が多くて燃え難く、しかも、熱量が低いので、焼却処理をする際に焼却効率が低いという欠点がある。また、燃焼時に窒素由来のNOが発生する。このNOの温暖化係数は、COの298倍(2013年以降、NOの温暖化係数は、COの温暖化係数の310倍から298倍に変更された。環境省資料より)であり、NOの発生を抑えるには850℃以上の高温で燃焼させなければならない。一方、リンは、燃焼されることにより五酸化二リンになる。この五酸化二リンは、昇華性が高く、また潮解性もあるため、配管の低温部で閉塞作用を起こすことが知られている。五酸化二リン以外にカリウムも配管の閉塞及び腐食を促進することが知られている。そのため、下水汚泥を燃焼する場合には、NO及び五酸化二リンの発生を抑制しつつ、五酸化二リン及びカリウムの揮散を抑制する条件下で、燃焼又は加熱処理を行う必要がある。
【0006】
高灰分バイオマスのガス化装置には、例えば、灰分20重量%の下水汚泥を乾燥した後、 空気吹き込み式の流動層式熱分解炉にて500~800℃で熱分解し、その熱分解ガスを 空気と共に1,000~1,250℃の高温で燃焼させ、その熱で水蒸気を発生させてタービン発電を行う方法(特許文献1)、原料である高灰分バイオマスを、空気吹き込み式の循環流動加熱炉にて450~850℃の温度で熱分解し、熱分解残渣であるチャーをサイクロンで回収する一方、タールを含む熱分解ガスを、酸素の存在下に1,000~1,200℃で改質する方法(特許文献2)、流動媒体の固着を防ぐために、同様の方法で熱分解してチャーを分離した後に、そのチャーを造粒して循環流動改質炉内に供給し、900~1000℃の温度で焼結することで造粒焼結体を製造する方法(特許文献3)などが開示されている。
【0007】
また、木質系バイオマス等の有機物質のガス化方法として、熱担持媒体を使用する方法も開示されている。この方法においては、上記熱担持媒体を、予熱器において、予め高温に加熱して、改質器、次いで、熱分解器と順次落下させて、改質器においては、熱分解器において発生した熱分解ガスと熱担持媒体とを直接接触させて、熱分解ガスを改質し、該ガスの低タール化及び水素高濃度化が達成され、次いで、熱分解器においては、バイオマスと熱担持媒体とを直接接触させて、バイオマスの熱分解がなされて熱分解ガスが発生する。
【0008】
また、もう1つの方法においては、熱を運ぶための多数の熱担持媒体例えば、 アルミナボール(直径約10mm)と、この熱担持媒体を加熱するための予熱器と、熱分解ガスの水蒸気改質を行うための改質器と、木質バイオマス原料を熱分解するための熱分解器と、熱担持媒体とチャーとを分離するための分離機と、チャーを燃焼して熱風を生成する熱風炉とを備えており、上記予熱器、改質器及び熱分解器を、上から順次縦型に配置した装置が開示されている(特許文献4)。
【0009】
また、熱分解帯域における熱分解器と、反応帯域におけるガス改質器とを別個独立して備えることを基本として、それにより、直列接続型と並列接続型のいずれをも構成し得ることを特徴する装置も提案されている。例えば、循環する熱担持媒体が、約1,100℃の加熱帯域、950~1,000℃の反応帯域、550~650℃の熱分解帯域および分離工程を通過し、引き続き加熱帯域に戻り、熱分解反応器を出た直後に、熱分解コークス及び熱担持媒体からなる混合物を分離して得た熱分解コークスを燃焼装置で燃焼して、これにより発生した顕熱を利用して加熱帯域内で熱担持媒体を加熱することにより、有機物質および物質混合物から高い発熱量を有する生成物ガスを製造する方法(特許文献5)が開示されている。
【0010】
さらに、バイオマス熱分解器から熱分解ガス改質器に熱分解ガスを導入する熱分解ガス導入管を、バイオマス熱分解器側において、バイオマス熱分解器内に形成される予め加熱された熱担持媒体層の上面より下方のバイオマス熱分解器の側面に設置されるガス化方法(特許文献6)が開示されている。この方法では、熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)を熱担持媒体層中に設け、該熱分解ガス導入管内に、バイオマス熱分解器中の熱担持媒体を導入させることにより、熱分解ガスが熱分解ガス導入管内に保有された該熱担持媒体層を通過する方法がとられ、バイオマス、好ましくは、比較的灰分含有量の高いバイオマスの熱分解温度及び発生した熱分解ガスの改質温度、並びに、これら熱分解及び改質の雰囲気を最適化することにより、最終的に、水素等の有価ガスを多く含む改質ガスを発生させ、かつ、バイオマス中の灰に含まれる五酸化二リン及びカリ(カリウム)の揮散によって引き起こされる配管の閉塞及び腐食を予防し、NOの発生を抑制することができ、かつ、タール及び煤塵の発生量をも低減することができることが開示されている。
【0011】
上記のような、予熱器、熱分解器、及びガス改質器を備え、予熱器で加熱された熱担持媒体のもつ熱を利用するガス化方法においては、予熱器内で熱風により温めた熱担持媒体を、熱分解器に落とし、木質チップ等のバイオマスと混合してバイオガスを発生させる。前記ガス改質器における改質ガスの温度の制御は、比例制御により酸素ガスの流量を自動弁で可変することでなされていた(図2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002-322902号公報
【特許文献2】特開2004-51745号公報
【特許文献3】特許4155507号公報
【特許文献4】特開2011-144329号公報
【特許文献5】特許4264525号公報
【特許文献6】特開2019-65160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の熱分解ガス改質器の酸素供給方式では、バイオガス温度600℃から改質器出口で1000℃にまで昇温する場合、温度計が所定の温度を検知するまでに時間を要する。既に所定の1000℃にまで到達するのに充分な酸素ガスが供給されているにも関わらず、温度が検知されない結果、さらに酸素ガスを供給することになり、温度が検知される頃には、1000℃以上になってしまうという問題があった。一方、1000℃を超えると、自動弁が閉まり始め、酸素ガス供給量が減少し始める。温度降下がなかなか検知されないため、1000℃以下になって充分酸素ガス量を減少しているにも関わらず、さらに酸素ガス量が減少し、温度が検知される頃には、大きく温度が低下するという問題があった。以上のように、温度が大きく変動する(図3を参照)ため、改質反応に影響して水素濃度が大きく変動するため、水素が安定して採取できなくなる課題が存在していた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、従来技術の上記問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸素ガスの供給を2手に分け、開度を可変可能な固定弁であるマニュアル弁側からは常時一定量の酸素ガスを供給し、オンオフ弁による酸素ガス供給で改質ガスの温度を1000℃近傍に制御することにより、熱分解ガス改質器の温度が大きく変動することで改質反応に影響して水素濃度が大きく変動するため水素が安定して採取できなくなるなどの上記問題を解決できることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
熱担持媒体を予め加熱する予熱器、
前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体の供給を受け、前記熱担持媒体のもつ熱によりバイオマスの熱分解を実行する熱分解器、及び
前記熱分解により発生した熱分解ガスを、空気又は酸素により部分燃焼してスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器、
を含むバイオガスのガス化装置において、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
[2]
前記マニュアル弁からの酸素ガスの供給により900℃以下の所定温度域まで改質ガスの温度を上昇させる、[1]のバイオマスのガス化装置。
[3]
前記所定温度域が、800℃から900℃である、[2]のバイオマスのガス化装置。
[4]
前記所定温度域が、850℃から880℃である、[2]のバイオマスのガス化装置。
[5]
前記マニュアル弁による改質ガスの温度の温度上昇に加えて、前記オンオフ弁からの酸素ガスの供給により、改質ガスの温度の温度を目標温度に上昇させる、[1]~[4]のバイオマスのガス化装置。
[6]
前記目標温度が850℃~1000℃である、[5]のバイオマスのガス化装置。
[7]
前記目標温度が880℃~950℃である、[5]のバイオマスのガス化装置。
[8]
前記目標温度が900℃~930℃である、[5]のバイオマスのガス化装置。
[9]
前記改質ガスの到達温度に基づいて、前記所定温度域を調整する、[2]~[8]のバイオマスのガス化装置。
[10]
前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器が、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを前記熱分解ガス改質器へと導入する、前記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた、熱分解ガス導入管を含み、
かつ、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された熱担持単体の導入口及び排出口を備え、前記熱担持単体の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行し、
前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器とが、前記熱担持媒体の流れに対して並列に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の両側において、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記上記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の側面に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、重力方向に対して略水平に備えられた、バイオマスのガス化装置であって、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
[11]
前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器がスチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する
かつ、前記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された熱担持媒体の導入口及び排出口を備え、上記熱担持媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、
一方、前記熱分解ガス改質器が、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
前記熱分解ガス改質器が、更に、空気又は酸素吹込み口を備え、該空気又は酸素により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを部分燃焼することにより、スチーム改質を実行し、
かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器内に形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記バイオマス熱分解器の側面に備えられている、バイオマスのガス化装置であって、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置。
[12]
バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に改質する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された熱担持単体を、上記バイオマス熱分解器に投入させて、上記熱担持単体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、次いで、該バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを、上記熱分解ガス改質器に導入して、該熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
上記バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記熱担持単体層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入され、次いで、該熱分解ガス改質器に、別途、導入された空気又は酸素により、上記の導入された熱分解ガスが、部分酸化されると同時に、上記空気又は酸素と同時に導入されたスチームにより改質される、バイオマスのガス化方法において、
前記熱分解ガス改質器に備えられた、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁からの酸素により改質ガスの温度を所定温度領域に上昇させ、加えて前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁からの酸素により前記改質ガスの温度を目標所定温度に上昇させる、バイオマスのガス化方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明の、熱担持媒体を予め加熱する予熱器、前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体の供給を受け、前記熱担持媒体のもつ熱によりバイオマスの熱分解を実行する熱分解器、及び前記熱分解により発生した熱分解ガスを、空気又は酸素により部分燃焼してスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器を含むバイオガスのガス化装置において、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを前記熱分解ガス改質器に組み込むことにより、熱分解ガス改質器における改質ガスの温度を目標所定温度に近づけ、改質反応を安定させて水素濃度を安定させることにより、安定した水素を供給できる、バイオマスのガス化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、バイオマスのガス化装置の一形態を示す概略図である。
図2図2は、バイオマスのガス化装置における、熱分解ガス改質器の酸素供給方式を示す図である。
図3図3は、バイオマスのガス化装置における、熱分解ガス改質器の酸素供給方式における熱分解ガスの温度を経時的に示す図である。
図4図4は、本発明のバイオマスのガス化装置における熱分解ガス改質器の酸素供給方式の一実施形態を示す概略図である。
図5図5は、本発明のバイオマスのガス化装置における熱分解ガス改質器の酸素供給の制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(I)本発明にかかるバイオマスのガス化装置における熱分解ガス改質器
本発明のバイオマスのガス化装置は、熱担持媒体を予め加熱する予熱器、前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体の供給を受け、前記熱担持媒体のもつ熱によりバイオマスの熱分解を実行する熱分解器、前記熱分解により発生した熱分解ガスを、空気又は酸素により部分燃焼してスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器、を備えるバイオマスのガス化装置において、前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁と、を備えることを特徴とする。これにより、熱分解ガス改質器における改質ガスの温度を目標所定温度に近づけ、改質反応を安定させて水素濃度を安定させることにより、安定した水素を供給できる。
【0019】
熱担持媒体(「ヒートキャリア」ともいう。)は、複数の粒状物及び/又は塊状物であり、好ましくは、金属及びセラミックより成る群から選ばれる一以上の材質から成る。金属としては、好ましくは、鉄、ステンレス鋼、ニッケル合金鋼、及び、チタン合金鋼より成る群から選ばれ、より好ましくは、ステンレス鋼が選ばれる。また、セラミックとしては、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素より成る群から選ばれ、より好ましくは、アルミナが選ばれる。
【0020】
前記熱担持媒体の形状は、好ましくは球状(ボール)であるが、必ずしも真球である必要はなく、断面形状が楕円形又は長円形である球状物であってもよい。球状物の直径(最大径)は、好ましくは3~25mm、より好ましくは8~15mmである。上記上限を超えては、バイオマス熱分解器内部での流動性、即ち、自由落下性を損なうことがあり、これにより、球状物がバイオマス熱分解器内部で静止して閉塞の原因となることがある。一方、上記下限未満では、バイオマス熱分解器において、球状物に付着したタール及び煤塵等により球状物自体が固着することがあり、閉塞の原因となることがある。例えば、球状物の直径が3mm未満では、球状物に付着したタール及び煤塵等の影響により、球状物が、バイオマス熱分解器の内壁に付着して成長し、最悪の場合には、バイオマス熱分解器を閉塞させてしまうことが懸念される。また、タールが付着した球状物が、バイオマス熱分解器の底部のバルブから抜き出される際、3mm未満の球状物は軽く、そのうえタールが付着しているために自然落下せずにバルブ内部に固着して閉塞を助長することがある。
【0021】
本発明のバイオマスとは、いわゆるバイオマス資源を言う。ここで、バイオマス資源とは、植物系バイオマス、例えば、林業から廃棄される間伐材、製材廃材、剪定枝、林地残材、未利用樹等、農業から廃棄される野菜残渣及び果樹残渣等の農作物、稲藁、麦藁及び籾殻等、その他海洋植物、建設系廃木材等;生物系バイオマス、例えば、家畜排せつ物及び下水汚泥に代表される生物系排せつ物;並びに塵芥等の生活雑排出物及び食品廃棄物等を言う。本発明の装置は、好ましくは植物系バイオマス及び生物系バイオマスのガス化に適している。なかでも、灰分が、乾燥基準で、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは10.0~30.0質量%、更に好ましくは15.0~20.0質量%である高灰分バイオマス、とりわけ、下水汚泥及び家畜排せつ物のガス化に適している。
【0022】
バイオマスのガス化装置の1つの実施形態は図1のように、予熱器、熱分解器、熱分解ガス改質器を備える。前記予熱器で予め加熱された熱担持媒体は、前記予熱器からバルブを介して前記加熱器へ自由落下により供給される。前記加熱器内において、前記熱担持媒体は、それ自身の熱により加熱器内に供給されたバイオマスの熱分解を引き起こす。生成した熱分解ガスは、熱分解ガス導入管を通過して、熱分解ガス改質器に導入される。前記熱分解器内の熱担持媒体は、熱分解器からバルブを介して自由落下により排出され、好ましくは前記予熱器へと再循環する。
【0023】
熱分解ガス改質器には、バイオマス熱分解器においてバイオマスを熱分解することにより生成した熱分解ガスが、熱分解ガス導入管を通って導入される。熱分解ガス改質器に導入された熱分解ガスは、空気または酸素により部分酸化され、それにより、熱分解ガス改質器内が加熱される。これにより、熱分解ガスとスチームとが反応して、熱分解ガスを水素に富むガスへと改質することができる。
【0024】
また、酸素又は空気は、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間の熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる酸素又は空気供給口から導入される。
【0025】
熱分解ガス改質器における気相温度は、上限が、好ましくは1,000℃、より好ましくは950℃、更に好ましくは930℃であり、下限が、好ましくは850℃、より好ましくは880℃、更に好ましくは900℃である。上記下限未満では、改質反応が進まないことがある。また、NOを発生させる要因にもなり得る。一方、上記上限を超えても、著しい効果の増大は期待できず、加熱に要する熱量が増大して、コスト高を招く。
【0026】
熱分解ガス改質器における気相温度が、上記の好ましい下限値である850℃以上において、スチームによる一酸化炭素の改質が顕著となり、より好ましい下限値である880℃以上において、スチームによるメタンの改質が顕著になる。従って、一酸化炭素及びメタンの両方を効率的に改質するためには、熱分解ガス改質器における気相温度が880℃以上であることがより好ましい。熱分解ガス改質器における気相温度のより好ましい上限は950℃であり、該温度以下で十分に熱分解ガスを改質し得るが、燃料使用量の削減を図るためには930℃以下であることが更に好ましい。
【0027】
ここで、熱分解ガス改質器の気相温度とは、熱分解ガス改質器内に導入される熱分解ガス並びスチーム及び空気または酸素が混合されて生ずる温度から総合的に生ずる熱分解ガス改質器内部の気相温度を言う。熱分解ガス改質器の気相温度は、空気または酸素の供給量により適宜コントロールすることができる。
【0028】
(II)本発明における熱分解ガス改質器における酸素供給
本発明のバイオマスのガス化装置の熱分解ガス改質においては、酸素ガスの供給を2手に分け、マニュアル弁から常時一定量の酸素ガスを供給して改質ガスの温度を所定温度域、好ましくは800℃~900℃に上昇させ、オンオフ弁からの酸素ガス供給により改質ガスの温度を目標温度の1000℃近傍に制御することができる。前記マニュアル弁は、開度を可変して調整後に当該開度が固定される弁のことをいい、自動弁でも手動弁でもよく、また、遠隔制御するものでも、直接当該弁を現場で可変するものでもよい。前記オンオフ弁は、電磁弁、電動弁、エアー弁などのように弁開度を全開/全閉の二位置のみとする弁のことをいう。
【0029】
すなわち、マニュアル弁からの酸素ガスの供給で改質ガスの温度を所定温度、好ましくは800℃から900℃程度まで上げて、目標温度との差を予め縮めておき、目標温度到達までに要する時間を減ずる。これにより、オンオフ弁による酸素ガス供給過多を防止し、目標温度の1000℃を超える温度を極力抑えることができる。また、目標温度1000℃を超えてオンオフ弁が閉止して温度が降下しても、自動弁が酸素ガスを一定供給しているため、維持している温度以下には降下しない。こうすることで、改質ガスの温度を目標所定温度1000℃近傍に制御することができる。
【0030】
前記マニュアル弁による酸素ガスの供給において、前記900℃以下の所定温度域は、好ましくは、800℃から900℃であり、より好ましくは、850℃から880℃である。900℃に近い温度域の設定により、前記オンオフ弁による1000℃近傍の目標温度への到達がより可能となる。
【0031】
前記マニュアル弁による改質ガスの温度の温度上昇に加えて、前記オンオフ弁からの酸素ガスの供給により、改質ガスの温度を目標温度に上昇させることができる。前記目標温度が、好ましくは850℃~1000℃であり、より好ましくは880℃~950℃であり、さらに好ましくは900℃~930℃である。1000℃近傍で、できるだけ1000℃を超えない目標温度により、オンオフ弁による酸素供給過多を防止し、かつ安定な水素供給が可能となる。
【0032】
前記マニュアル弁及び前記オンオフ弁による調整により得られた実際の到達温度に基づいて、前記所定温度域をフィードバックして調整することもできる。本調整により、さらに、分解ガス改質器における改質ガスの温度を目標温度に近づけ、改質反応を安定させて水素濃度を安定させることにより、安定した水素を供給できる。
【0033】
本発明のバイオマスのガス化装置においては、前記熱分解ガス改質器における調整等を行う制御装置を備えることができる。前記制御装置は、前記熱分解ガス改質器内の改質ガス温度を検知する検知器及び当該検知器からの温度の検知部、オンオフ弁の開閉を調整するオンオフ弁調整器、マニュアル弁の開閉度を調整する自動弁調整器、及び当該スイッチ及び調整器の動作を指令する制御部、前記フィードバック制御のための演算を実行する演算部を備えることができる。
【0034】
本発明のバイオマスのガス化装置における供給制御装置の前記態様を、従来のバイオマスのガス化装置に組み込むことができる。
【0035】
(III)本発明にかかるバイオマスのガス化装置の一態様
前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器が、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを前記熱分解ガス改質器へと導入する、前記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた、熱分解ガス導入管を含み、
かつ、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された熱担持媒体の導入口及び排出口を備え、前記熱担持媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行し、
前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器とが、前記熱担持媒体の流れに対して並列に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の両側において、前記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記上記バイオマス熱分解器及び前記熱分解ガス改質器の側面に備えられており、かつ、前記熱分解ガス導入管が、重力方向に対して略水平に備えた、バイオマスのガス化装置において、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備えることができる。
【0036】
(IV)本発明にかかるバイオマスのガス化装置の一態様
本発明にかかるバイオガスのガス化装置は、前記バイオマス熱分解器が、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備え、
前記熱分解ガス改質器がスチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備え、
さらに、前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、前記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入して、
かつ、前記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された熱担持媒体の導入口及び排出口を備え、上記熱担持媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、
一方、前記熱分解ガス改質器が、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
前記熱分解ガス改質器が、更に、空気又は酸素吹込み口を備え、該空気又は酸素により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを部分燃焼することにより、スチーム改質を実行し、
かつ、前記熱分解ガス導入管が、前記バイオマス熱分解器内に形成される、前記熱担持媒体層の上面より下方の前記バイオマス熱分解器の側面に備えられている、バイオマスのガス化装置において、
前記熱分解ガス改質器が、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを備える、バイオマスのガス化装置である。
前記バイオマス熱分解器と前記熱分解ガス改質器とは、熱担持媒体の流れに対して切り離されていることから、夫々の温度を別個にコントロールすることができる。
【0037】
(V)本発明にかかるバイオマスのガス化方法
本発明の他の形態は、バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に改質する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された熱担持媒体を、上記バイオマス熱分解器に投入させて、上記熱担持媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、次いで、該バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを、上記熱分解ガス改質器に導入して、該熱分解ガスのスチーム改質を実行し、
上記バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記熱担持媒体層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入され、次いで、該熱分解ガス改質器に、別途、導入された空気又は酸素により、上記の導入された熱分解ガスが、部分酸化されると同時に、上記空気又は酸素と同時に導入されたスチームにより改質される、バイオマスのガス化方法において、
前記熱分解ガス改質器に備えられた、前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁により改質ガスの温度を所定温度領域に上昇させ、加えて前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁により前記改質ガスの温度を目標温度に上昇させる、バイオマスのガス化方法である。
【0038】
以下、本発明のバイオマスのガス化装置を添付図面に基づいて説明する。
【0039】
図1は、本発明にかかるバイオマスのガス化装置の前記(III)の形態を示した概略図である。該バイオマスのガス化装置においては、予熱器(10)で予め加熱された熱担持媒体(30)、即ち、ヒートキャリアの持つ熱によりバイオマスの熱分解を実行するバイオマス熱分解器(20)と、スチームと同時に別途導入される酸素又は空気により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスを部分酸化して得た熱により、該熱分解ガスのスチーム改質を実行する熱分解ガス改質器(40)とが備えられている。そして、熱担持媒体(30)を予め加熱するための予熱器(10)が、バイオマス熱分解器(20)の上部に備えられている。
【0040】
本発明のバイオマスのガス化装置においては、熱担持担媒体(30)、即ち、ヒートキャリアが、バイオマス熱分解器(20)に導入される前に、予熱器(10)において予め加熱される。熱担持媒体(30)は、好ましくは650~800℃、より好ましくは700~750℃に加熱される。上記下限未満では、バイオマス熱分解器(20)においてバイオマス、例えば、高灰分バイオマスを十分に熱分解することができず、熱分解ガスの発生量が低下する。一方、上記上限を超えては、リンやカリ(カリウム)の揮散を引き起こし、五酸化二リン及びカリ(カリウム)による配管の閉塞及び腐食を引き起こす原因になる。また、余分な熱を与えるばかりで著しい効果の増大は期待できず、却って、コスト高を招くばかりである。また、設備の熱効率低下の原因にもなる。
【0041】
予熱器(10)において上記所定温度に加熱された熱担持媒体(30)は、次いで、バイオマス熱分解器(20)に導入される。バイオマス熱分解器(20)において、熱担持媒体(30)は、別途、バイオマス供給口(220)からバイオマス熱分解器(20)に供給されたバイオマスと接触される。熱担持媒体(30)とバイオマスとの接触により、バイオマスが加熱されて熱分解し、熱分解ガスが生成する。生成した熱分解ガスは、熱分解ガス導入管(200)を通過して、熱分解ガス改質器(40)に導入される。この際、生成した熱分解ガスに含まれるタール及び煤塵等は、熱分解ガス導入管(200)内に保有される熱担持媒体(30)により捕捉され、タールの一部又は大部分は熱担持媒体(30)マニュアルにより加熱されてガス化され、残存したタール及び煤塵等は、熱担持媒体(30)に付着したまま、バイオマス熱分解器(20)底部から排出される。
【0042】
熱分解ガス改質器(40)には、バイオマス熱分解器(20)においてバイオマスを熱分解することにより生成した熱分解ガスが、熱分解ガス導入管(200)を通って導入される。熱分解ガス改質器(40)に導入された熱分解ガスは、空気または酸素により部分酸化され、それにより、熱分解ガス改質器(40)内が加熱される。これにより、熱分解ガスとスチームとが反応して、熱分解ガスを水素に富むガスへと改質することができる。
【0043】
本発明のガス化装置においては、既に述べた通り、上記の空気または酸素吹込み口から供給される空気又は酸素により、熱分解ガス改質器に導入された熱分解ガスの部分酸化を実行して、それにより発生した熱によりスチーム改質を実行することから、熱分解ガス改質器は、通常、加熱装置、例えば、スチーム又は電熱器等により熱分解ガス改質器外部及び/又は内部から熱を供給する加熱装置等を備えていない。
【0044】
前記熱分解ガス改質器(40)では、酸素ガスの供給を2手に分け、マニュアル弁(41)から常時一定量の酸素ガスを供給して改質ガスの温度を所定温度域、好ましくは800℃~900℃に上昇させ、オンオフ弁(42)からの酸素ガス供給により改質ガスの温度を目標温度の1000℃近傍に制御することができる。
【0045】
すなわち、マニュアル弁(41)からの酸素ガスの供給で改質ガスの温度を所定温度、好ましくは800℃から900℃程度まで上げて、目標温度との差を予め縮めておき、目標温度到達までに要する時間を減ずる。これにより、オンオフ弁(42)による酸素ガス供給過多を防止し、目標温度の1000℃を超える温度を極力抑えることができる。また、目標温度1000℃を超えてオンオフ弁が閉止して温度が降下しても、マニュアル弁(41)が酸素ガスを一定供給しているため、維持している温度以下には降下しない。こうすることで、改質ガスの温度を目標所定温度1000℃近傍に制御することができる。
【0046】
本発明のバイオマスのガス化装置の熱分解ガス改質器(40)においては、図5に示されるように、さらに、前記熱分解ガス改質器における調整等を行う制御装置(43)を備えることができる。
【0047】
前記制御装置(43)において、前記マニュアル弁(41)及び前記オンオフ弁(42)による調整により得られた実際の到達温度に基づいて、前記所定温度域をフィードバックして調整する。前記熱分解ガス改質器(40)における調整等を行う制御装置(43)を備えることができる。前記制御装置(43)は、改質器内の改質ガス温度を検知する検知器(44)及び当該検知器からの温度の検知部(45)、オンオフ弁の開閉を調整するオンオフ弁スイッチ(46)、マニュアル弁(41)の開閉度を調整するマニュアル弁調整器(47)、及び当該スイッチ及び調整器の動作を指令する制御部(48)、前記フィードバック制御のための演算を実行する演算部(49)を備える。
【0048】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。本実施例は、前記(III)の形態における例示を示すものである。
【実施例0049】
(実施例1)
実施例1において使用したバイオマス原料、並びに、該バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、下記の通りである。
【0050】
バイオマス原料としては、下水汚泥を造粒して使用した。造粒後の下水汚泥の大きさは、最大寸法が6~15mm程度のものであった。該下水汚泥の性状を表1に示す。また、該下水汚泥を燃焼して得られた灰の組成を表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1の各値に関して、水分、揮発分及び固定炭素は、JIS M8812に準拠し、灰分は、JIS Z 7302-4:2009に準拠し、かつ、高位発熱量は、JIS M8814に準拠して測定したものである。また、元素組成のうち、炭素(C)、水素(H)及び窒素(N)は、いずれもJIS Z 7302-8:2002に準拠し、硫黄(S)は、JIS Z 730‐7: 2002に準拠し、かつ、塩素(Cl)は、JIS Z 7302‐6:1 999に準拠して測定したものである。また、酸素(O)は、100質量% から、C、H、N、S、Cl及び灰分の各質量%を差し引いて求めたものである。ここで、灰分、揮発分、固定炭素及び元素組成は、いずれも乾燥基準で算出したものである。また、水分は、バイオマス原料(下水汚泥)の受け入れ時のものである。
【0053】
【表2】
【0054】
表2の各値に関して、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、五酸化二リン及び酸化マンガンは、JIS M8815に準拠して測定したものである。また、水銀、クロム、カドミウム、酸化銅、酸化鉛、酸化亜鉛及びニッケルは、JIS Z 7302‐5:2002に準拠して測定したものである。
【0055】
バイオマス原料の熱分解及び発生した熱分解ガスの改質に使用するガス化装置としては、図1に示したものを使用する。該ガス化装置は、基本的には、バイオマス熱分解器(20)、熱分解ガス改質器(40)及び予熱器(10)を有するものであり、バイオマス熱分解器(20)と熱分解ガス改質器(40)とは、バイオマス熱分解器(20)において発生した熱分解ガスを、熱分解ガス改質器(40)へと導入する熱分解ガス導入管(200)により接続されている。
【0056】
ここで、バイオマス熱分解器(20)の上部に予熱器(10)が1器備えられており、該予熱器(10)は、バイオマス熱分解器(20)に供給する熱担持媒体(30)を予め加熱するものであり、加熱された熱担持媒体(30)は、バイオマス熱分解器(20)に供給されて、バイオマスの熱分解に必要な熱を供給した後、その底部から抜き出され、再び、予熱器(10)に戻される。一方、バイオマス熱分解器(20)において発生した熱分解ガスは、熱分解ガス導入管(200)を通って、熱分解ガス改質器(40)へと導入される。
【0057】
ここで、熱分解ガス改質器(40)へは、別途、空気又は酸素が、空気又は酸素導入管(261、262 )から導入されて、これにより、熱分解ガスが部分燃焼され、かつ、同時にスチームが、スチーム吹込み口(242)から導入されて、熱分解ガスがスチームにより改質され、これにより得られた改質ガスが、改質ガス排出口(230)から取り出される。また、空気又は酸素及びスチームは、上記の空気又は酸素導入管(261)及びスチーム吹込み口(242)に代えて、熱分解ガス導入管( 200)に備えられた、空気又は酸素導入管(262)及びスチーム吹込み口(243)からに導入することもできるし、全ての空気又は酸素導入管(261、262)及びスチーム吹込み口(242、243)からに導入することもできる。
【0058】
バイオマス熱分解器(20)の直胴部分の内径は約550mmであり、高さは約1,100mmであり、内容積は約260リットルである。また、熱分解ガス改質器(40)の直胴部分の内径は約600mmであり、高さは約120 0mmであり、内容積は約340リットルである。
【0059】
また、熱分解ガス導入管(200)は、バイオマス熱分解器(20)側においては、バイオマス熱分解器(20)内に形成される熱担持媒体(30)層の上面より下方のバイオマス熱分解器(20)の側面に備えられており、一方、熱分解ガス改質器(40)側においては、熱分解ガス改質器(40)の底面近傍の側面に備えられている。また、熱分解ガス導入管(200)は、重力方向に対して略水平に備えられている。該熱分解ガス導入管(200)としては、長さ約1, 000mm及び内径約80mmの配管が使用され、その内部は断熱材で被覆されて、かつ、上記突出部も該断熱材で形成されている。熱担持媒体(30)としては、直径(最大径)10~12mmの略球形のアルミナ製ボールを使用する。
【0060】
バイオマス熱分解器(20)、並びに、予熱器(10)内部に、熱担持媒体(30)を予め夫々の容器の70%程度の高さまで充填し、次いで、該熱担持媒体(30)を、予熱器(10)において略700℃の温度に加熱した。次いで、該熱担持媒体(30)を、バイオマス熱分解器(20)の頂部から200キログラム/時間の量で導入し、かつ、バイオマス熱分解器(20)の底部から適量を抜出し、熱担持媒体(30)の循環を開始する。
【0061】
前記熱担持媒体(30)の循環により、バイオマス熱分解器(20)内部の気相温度及び容器自体の温度が徐々に上昇する。このような熱担持媒体(30)の循環を継続しながら、同時に、予熱器(10)内部の熱担持媒体(30)温度を800℃まで徐々に昇温する。熱担持媒体(30)が該温度に達した後、更に、循環を継続して、バイオマス熱分解器(20)内部の気相温度を徐々に上昇させ、バイオマス熱分解器(20)の気相温度が550℃を超えるころから、バイオマス供給口(220)、非酸化性ガス供給口(250)及びスチーム吹込み口(241)からバイオマス熱分解器(20)に、夫々、バイオマス原料、窒素ガス及びスチームを導入し、バイオマス熱分解器(20)の温度が600℃になるようにコントロールする。
【0062】
このとき、熱担持媒体(30)は、バイオマス熱分解器(20)において、層状に堆積しており、その堆積量は、バイオマス熱分解器(20)の内容積の約60体積%である。バイオマス熱分解器(20)からの熱担持媒体(30)の抜出し量は、いずれも供給量と同一であり、バイオマス熱分解器(20)において200キログラム/時間である。また、抜出し時の熱担持媒体(30)の温度は650℃である。但し。バイオマス熱分解器(20)からの熱担持媒体(30)の抜出し量は、その温度状況に応じて適宜コントロールすることも可能である。
【0063】
上記の操作において、バイオマス原料としての下水汚泥を、定量フィーダーを使用して、バイオマス供給口(220)からバイオマス熱分解器(20)に、徐々に供給量を増やしつつ、最終的に約22キログラム/時間(乾燥基準)になるように連続的に導入する。
【0064】
バイオマス熱分解器(20)の温度は、バイオマス原料の導入に伴って徐々に低下するが、同時に、窒素ガス及び過熱蒸気を、その供給量を調節しながらバイオマス熱分解器(20)に導入することによって、バイオマス熱分解器(20) の温度を600℃ に保持する。また、バイオマス熱分解器(20)内の圧力を101.3kPaに保持する。
【0065】
ここで、窒素ガスは、バイオマス熱分解器(20)の上部に設けられた非酸化性ガス供給口(250)から、最終的に1,000リットル/時間の一定量で導入される。また、スチームとしては、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)が使用され、バイオマス熱分解器(20)の上部に設けられたスチーム吹込み口(241)から、最終的に1キログラム/時間の一定量で導入される。バイオマス熱分解器(20)におけるバイオマス原料の滞留時間は、約1時間である。これにより、バイオマス熱分解器(20)において熱分解により生じたガスが15 キログラム/時間で得られる。また、チャー及び灰が合計で6.5キログラム/時間で熱分解残渣(チャー)排出口(210)から排出される。
【0066】
バイオマス熱分解器(20)において得られた熱分解ガスは、続いて、バイオマス熱分解器(20)の側面下部から熱分解ガス導入管(200)を通過して、熱分解ガス改質器(40)に導入される。
【0067】
熱分解ガスの導入当初は、熱分解ガス改質器(40)内の温度は不安定になるが、熱分解ガス改質器(40)下部に設けられたスチーム吹込み口(242) から導入される過熱蒸気の量、及び、空気または酸素導入管(261)から導入される酸素の量を調節することにより、熱分解ガスを部分燃焼させて、熱分解ガス改質器(40)内部の温度が1,000℃ になるように調節する。この時、熱分解ガス改質器(40)は、圧力101.3kPaに保持されている。熱分解ガス改質器(40)下部に設けられたスチーム吹込み口(242)からの過熱蒸気は、最終的に3.7キログラム/時間の一定量で導入される。空気または酸素導入口(261)からの酸素は、最終的に2.3m3-normal/時間の一定量で導入される。但し、この酸素量は熱分解ガス改質器(40)内部の温度上昇度合いによって、適宜増減させる。
【0068】
上記操作により、バイオマス熱分解器(20)が温度600℃及び圧力101.3kPaに保持され、かつ、熱分解ガス改質器(40)が温度950℃及び圧力101.3kPaに保持される。これにより、温度1,000℃の改質ガスが3 1キログラム/時間の量で改質ガス排出口(230)から得られる。
【0069】
得られた改質ガスをゴム製バッグに捕集し、ガスクロマトグラフィーによりガス組成を測定する。表3には、得られた改質ガスの組成を示した。また、該操業を3日間連続して実施することができる。該操業期間中、トラブル、とりわけ、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を維持することができる。また、操業期間中、熱分解ガス導入管(200)内で熱担持媒体(30)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(20) から熱分解ガス改質器(40)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持される。また、熱分解ガス改質器(40)出口から取り出された改質ガス中のタール量は、約10mg/m3-normalである。
【0070】
【表3】
【0071】
このように改質ガスを得ることができ、ガス化装置における前記熱担持媒体の安定的な連続供給を実現することにより、熱分解器の圧力変動を抑え、ガス分離における分離能の低下の問題を解決して、品質の安定したガスを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のバイオマスのガス化装置は、予熱器、バイオマス熱分解器、熱分解ガス改質器を備え、さらに、熱分解ガス改質器に前記熱分解ガス改質器へ常時所定量の酸素を供給するマニュアル弁と、前記熱分解ガス改質器へオンオフで酸素を供給するオンオフ弁とを組み込むことにより、熱分解ガス改質器における改質ガスの温度を目標所定温度に近づけ、改質反応を安定させて水素濃度を安定させることにより、安定した水素を供給できる。
【符号の説明】
【0073】
10 予熱器
20 バイオマス熱分解器
30 熱担持媒体
40 熱分解ガス改質器
41 マニュアル弁
42 オンオフ弁
43 制御装置
44 検知器
45 検知部
46 オンオフ弁調整器
47 マニュアル弁調整器
48 制御部
49 演算部
50 第1バルブ
60 ホッパ
70 第2バルブ
90 第3バルブ
200 熱分解ガス導入管
201 熱分解ガス導入管の熱分解ガス改質器側ガス導入口(ガス出口)
202 熱分解ガス導入管のバイオマス熱分解器側ガス取り入れ口(ガス入口)
210 熱分解残渣(チャー)排出口
220 バイオマス供給口
230 改質ガス排出口
240 排出物処理装置
241、242、243 スチーム吹込み口
250 非酸化性ガス供給口
260 バイオマス熱分解器内に形成される、熱担持媒体層の上面
261、262 空気又は酸素導入管


図1
図2
図3
図4
図5