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特開2023-8561食品配送表示装置およびそれを備えた食品配送ボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008561
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】食品配送表示装置およびそれを備えた食品配送ボックス
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/28 20200101AFI20230112BHJP
   B62J 50/25 20200101ALI20230112BHJP
【FI】
B62J9/28
B62J50/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112225
(22)【出願日】2021-07-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行日:令和3年4月8日 刊行物:産業経済新聞 令和3年4月8日付大阪版夕刊,第9面 公開者:産業経済新聞社 〔刊行物等〕 放送日 令和3年5月10日 放送番組:テレビ東京 ワールドビジネスサテライト 公開者 :テレビ東京
(71)【出願人】
【識別番号】513249644
【氏名又は名称】株式会社電子技販
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北山 寛樹
(57)【要約】
【課題】電力コストを抑制しながら、走行中における周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる食品配送表示装置および食品配送ボックスを提供する。
【解決手段】食品配送バッグ1は、料理の配送や受け取りのために配送員によって用いられる。食品配送バッグ1は、リュックサック2と、食品配送表示装置3とを含む。食品配送表示装置3は、太陽光パネルユニット4と、発光表示ユニットとを含む。発光表示ユニットは、複数個設けられている。複数の発光表示ユニットは、1つの第1の発光表示ユニット5Aと、第2の発光表示ユニット5Bとを含む。発光表示ユニット5A,5Bが、太陽光パネルユニット4から供給された電力を用いてドット表示部に表示情報を表示する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開口を有し、配送対象の食品を内部に収容可能なボックス本体と、前記上面開口を閉塞する蓋と、を有する食品配送ボックスであって二輪車または三輪車からなる配送車両によって運搬される食品配送ボックスにおいて表示情報を表示する食品配送表示装置であって、
前記蓋の外表面に配置された太陽光パネルユニットと、
前記食品配送ボックスにおける前記蓋以外の外表面に配置された情報表示部を有する発光表示ユニットとを含み、
前記発光表示ユニットが、前記太陽光パネルユニットから供給された電力を用いて前記情報表示部に表示情報を表示する、食品配送表示装置。
【請求項2】
二輪車または三輪車からなる配送車両によって運搬される食品配送ボックスであって、
上面開口を有し、配送対象の食品を内部に収容可能なボックス本体と、
前記上面開口を閉塞する蓋と、
前記蓋の外表面に配置された太陽光パネルユニットと、
当該食品配送ボックスにおける前記蓋以外の外表面に配置された情報表示部を有する発光表示ユニットとを含み、
前記発光表示ユニットが、前記太陽光パネルユニットから供給された電力を用いて前記情報表示部に表示情報を表示する、食品配送ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フードデリバリーに用いられる食品配送ボックス、および当該食品配送ボックスに含まれる食品配送表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して飲食店に料理を注文し、かつその料理の配送を依頼するフードデリバリーサービスが普及している(下記特許文献1参照)。このようなフードデリバリーサービスでは、自転車や原付バイク等の配送車両を利用して配送員が注文先の飲食店に料理を受け取りに行き、受け取ったでき立ての料理を配送員が注文主の元まで届ける。料理の受け取りおよび配送の際、配送員は、リュック型の配送用バッグを背負いながら配送車両を運転する。このリュック型の配送用バッグは、大量の料理を詰めることができるように、大型のボックス状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6739673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コロナ禍における需要の高まりにより、上記のフードデリバリーサービスの利用が急増しており、これに伴い、配送員による交通事故も急増している。とくに、夕食のデリバリーの注文に伴う、薄暮や夜間の交通事故が多い。そのため、走行中の二輪車が薄暮や夜間に交通事故にまきこまれないことが求められている。
薄暮や夜間において、配送員による交通事故を抑制するための手立てとして、配送車両、配送用バッグ(食品配送ボックス)、配送員の服装等を発光させることが考えられる。
【0005】
本願発明者は、食品配送ボックスに発光表示機能を持たせることにより、周囲の車両や通行人からの視認性を高めることを検討している。しかし、食品配送ボックスに発光表示機能を持たせれば、電力コストが発生する。この電力コストが大きくなると、配送員の金銭的負担が大きくなり、好ましくない。そのため、食品配送ボックスの発光表示に伴って発生する電力コストを、できる限り抑制したい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、電力コストを抑制しながら、走行中における周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる食品配送表示装置および食品配送ボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施形態は、上面開口を有し、配送対象の食品を内部に収容可能なボックス本体と、前記上面開口を閉塞する蓋と、を有する食品配送ボックスであって二輪車または三輪車からなる配送車両によって運搬される食品配送ボックスにおいて表示情報を表示する食品配送表示装置であって、前記蓋の外表面に配置された太陽光パネルユニットと、前記食品配送ボックスにおける前記蓋以外の外表面に配置された情報表示部を有する発光表示ユニットとを含み、前記発光表示ユニットが、前記太陽光パネルユニットから供給された電力を用いて前記情報表示部に表示情報を表示する、食品配送表示装置を提供する。
【0008】
この構成によれば、食品配送ボックスにおける蓋以外の領域に発光表示ユニットが配置される。食品配送ボックスにおける蓋以外の領域に発光表示ユニットを配置する場合には、発光表示ユニットを蓋に配置する場合と比べて、周囲の車両や通行人から視認し易い。配送車両の走行中に発光表示ユニットを表示させることにより、周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。とくに、薄闇や夜間における走行中において発光表示ユニットを表示させることにより、周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。
【0009】
また、食品配送ボックスに配置された太陽光パネルユニットから供給された電力を用いて、発光表示ユニットの情報表示部に表示情報を表示する。食品配送ボックスを携行しながら、晴天時の日中に配送走行することにより、太陽光パネルユニットに電力を容易に充電できる。太陽光パネルユニットの充電量を高く維持できる結果、発光表示ユニットへの安定的な電力供給を実現可能である。そのため、太陽光パネルユニットからの供給電力を用いて発光表示することにより、発光表示ユニットの表示に伴って発生する電力コストを抑制できる。
【0010】
また、食品配送ボックスの上面をなす蓋に太陽光パネルユニットが配置される。太陽光の照射効率の高い食品配送ボックスの上面に太陽光パネルユニットが配置されるので、食品配送ボックスにおける蓋以外の領域に太陽光パネルユニットを配置する場合と比べて、太陽光パネルユニットの発電量を高めることができる。その結果、発光表示ユニットの表示に伴って発生する電力コストを効果的に抑制できる。
【0011】
ゆえに、電力コストを抑制しながら、走行中における周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記ボックス本体が、前記配送車両の進行方向と逆方向に位置する背側板を有している。そして、前記発光表示ユニットが、前記背側板の外表面に配置された第1の発光表示ユニットを含む。
【0012】
この構成によれば、食品配送ボックスの背側板の外表面に発光表示ユニットが配置されているので、発光表示ユニットの表示を、配送車両の後方を走行する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両の後方を走行する車両からの視認性を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記ボックス本体が、前記配送車両の進行方向に対し横向きの方向に位置する横側板を有している。そして、前記発光表示ユニットが、前記横側板の外表面に配置された第2の発光表示ユニットを含む。
【0013】
この構成によれば、食品配送ボックスの横側板の外表面に発光表示ユニットが配置されているので、発光表示ユニットの表示を、配送車両に並走する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両に並走する車両からの視認性を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記食品配送ボックスが、前記ボックス本体に接続された肩紐を有し、前記食品配送ボックスが、全体としてリュック型バッグの態様をなしている。そして、前記発光表示ユニットが、前記肩紐の外表面に配置された第3の発光表示ユニットを含む。
【0014】
この構成によれば、リュック型バッグの肩紐の外表面に発光表示ユニットが配置されているので、発光表示ユニットの表示を、配送車両の前方を走行する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両の前方を走行する車両からの視認性を高めることができる。
この発明の一実施形態は、二輪車または三輪車からなる配送車両によって運搬される食品配送ボックスであって、上面開口を有し、配送対象の食品を内部に収容可能なボックス本体と、前記上面開口を閉塞する蓋と、前記蓋の外表面に配置された太陽光パネルユニットと、当該食品配送ボックスにおける前記蓋以外の外表面に配置された情報表示部を有する発光表示ユニットとを含み、前記発光表示ユニットが、前記太陽光パネルユニットから供給された電力を用いて前記情報表示部に表示情報を表示する、食品配送ボックスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る食品配送ボックスの一例としての食品配送バッグの背面斜視図である。
図1B図1Bは、前記食品配送バッグの蓋の開状態の背面斜視図である。
図2図2は、配送員が前記食品配送バッグを背負って配送車両を運転している状態を示す図である。
図3図3は、前記食品配送バッグの正面図である。
図4図4は、前記食品配送バッグの平面図である。
図5図5は、前記食品配送バッグの背面図である。
図6A図6Aは、前記食品配送バッグの左側面図である。
図6B図6Bは、前記蓋の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。
図6C図6Cは、前記食品配送バッグの背側板の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。
図6D図6Dは、前記食品配送バッグの左横側板の要部を拡大して示す拡大横断面図である。
図7図7は、前記食品配送バッグに含まれる食品配送表示装置を説明するための図である。
図8図8は、携帯端末の表示操作画面を示す図である。
図9図9は、図1A等に示す第1および第2の発光表示ユニットに表示される表示内容の一例を示す図である。
図10図10は、図3に示す第3の発光表示ユニットに表示される表示内容の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態に係る食品配送表示装置の図である。
図12図12は、本発明の第3の実施形態に係る発光表示ユニットの図である。
図13図13は、第1の変形例に係る食品配送バッグの背面図である。
図14図14は、第2の変形例に係る食品配送バッグの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る食品配送ボックスの一例としての食品配送バッグ1の背面斜視図である。図1Bは、食品配送バッグ1の蓋21の開状態の背面斜視図である。図2は、配送員Dが食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転している状態を示す図である。図3は、食品配送バッグ1の正面図である。図4は、食品配送バッグ1の平面図である。図5は、食品配送バッグ1の背面図である。図6Aは、食品配送バッグ1の左側面図である。図6Aは、食品配送バッグ1の左側面図である。図6Bは、蓋21の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。図6Cは、食品配送バッグ1の背側板27の要部を拡大して示す拡大縦断面図である。図6Dは、食品配送バッグ1の左横側板28の要部を拡大して示す拡大横断面図である。図7は、食品配送バッグ1に含まれる食品配送表示装置3を説明するための図である。
【0017】
食品配送バッグ1は、料理の配送や受け取りのために配送員Dによって用いられる。配送員Dは、図2に示すように、食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転する。配送車両10は、たとえば自転車や原付バイク等である。配送車両10は、二輪車であってもよいし、三輪車であってもよい。
配送員Dは、所定のフードデリバリーサービスに登録をしている。
【0018】
フードデリバリーサービスでは、注文主は、スマートフォンやパソコン等の情報通信端末を介して、任意の飲食店の任意の料理を注文し、かつ当該料理の配送を依頼する。インターネットを介して注文が入ると、注文先の飲食店の周囲にいる、登録している配送員Dが所持する携帯端末7に通知が行く。そして、通知を受けた配送員Dが、食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転して、注文先の飲食店に料理を受け取りに行く。その後、配送員Dは、料理(でき立ての料理)が詰め込まれた食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転し、注文主に料理を届ける。
【0019】
食品配送バッグ1について、食品配送バッグ1が運搬される配送車両10の進行方向を基準に説明する。すなわち、配送車両10の進行方向を前方とし、配送車両10の進行方向と逆方向を後方とし、配送車両10の進行方向の左側を左方とし、配送車両10の進行方向の右側を右方として、食品配送バッグ1について説明する。
食品配送バッグ1は、リュックサック2と、食品配送表示装置3とを含む。食品配送表示装置3は、太陽光パネルユニット4と、発光表示ユニットと、接続ケーブル6とを含む。発光表示ユニットは、たとえば複数個設けられている。複数の発光表示ユニットは、1つの第1の発光表示ユニット5Aと、2つの第2の発光表示ユニット5Bと、2つの第3の発光表示ユニット5Cとを含む。第1の発光表示ユニット5A、第2の発光表示ユニット5Bおよび第3の発光表示ユニット5Cは、互いに同じ諸元を有している。
【0020】
図1A図1B等に示すように、リュックサック2は、携帯用のリュック型の保温/保冷バッグである。リュックサック2は、ボックス本体20と、ボックス本体20の上面開口20a(図1B参照)を開閉する蓋21と、左右一対の肩紐22A,22Bとを含む。なお、図4および図6Aでは、リュックサック2から肩紐22A,22Bを除いた状態を示す。
【0021】
ボックス本体20は、略直方体状である。ボックス本体20は、底板25と、前側板26と、背側板27と、左横側板28と、右横側板29とを備えている。ボックス本体20の上面には上面開口20aが形成されている。
蓋21および各板25~29は、シリカ、ガラスウール等の無機繊維を断熱材料として含む断熱板を内部に備えている。ボックス本体20の内部には、配送対象の料理(食品)を内部に収容可能である。保冷/保温機能を持たせるために、蓋21および各板25~29が断熱板を備えている。断熱板は着脱可能である。
【0022】
リュックサック2は、折り畳み式である。全ての断熱板を取り外した状態で、リュックサック2が折り畳み可能であり、このように折り畳んだ状態でリュックサック2が収納される。具体的には、左横側板28および右横側板29は、ボックス本体20の内方に向けて2つ折り可能に設けられている。そして、蓋21および各板25~29に断熱板が取り付けられた状態(収容空間に収容された状態)で、リュックサック2が自立可能になる。すなわち、断熱板は、断熱機能だけでなく、補強板としての機能を備えている。
【0023】
図1A図1B等に示すように、ボックス本体20の背面下部には、後方に向けて張り出す張り出し部34が形成されている。張り出し部34の内部は空洞であり、これにより、リュックサック2の内部の底部に、ピザ等の横幅のある料理を収容できるようになっている。張り出し部34には、その上部および左右部に跨って、第3のスライドファスナー37が形成されている。第3のスライドファスナー37の開閉により、張り出し部34の前面が開放可能な状態と、張り出し部34の前面が開放しない状態との間で切り換えることができる。張り出し部34は、その底部に配置される中敷きを取り外した状態で前方に折り畳まれる。
【0024】
蓋21は、平面視で上面開口20aと略同じ大きさの矩形である。蓋21の一辺が、ボックス本体20の上面開口20aの前側の上端辺に連なっており、この前側の上端辺を回動軸として回動可能である。蓋21は、ボックス本体20の上部に形成された上面開口20aを開閉する。各肩紐22A,22Bの上端および下端は、それぞれ、ボックス本体20の前側板26の上端部および下端部に接続されている。蓋21の外表面(上面)の中央部には、取っ手35が配置されている。蓋21を閉じた状態で、配送員Dが取っ手35を把持することにより、リュックサック2が持ち上がる。この状態で、配送員Dがリュックサック2を運搬できる。
【0025】
蓋21の後端部、左端部および右端部には、庇30が形成されている。庇30は、蓋21の周縁から下方に張り出している。この庇30を備えるため、上面開口20aの周囲が蓋21によって覆われる。これらの庇30の外表面に反射材が配置されていてもよい。
図1A図1B等に示すように、蓋21の周縁と、上面開口20aにおける、後ろ側の上端辺、左側の上端辺および右側の上端辺との間は、第1のスライドファスナー31によって接続されている。第1のスライドファスナー31の開閉により、蓋21を、上面開口20aを開放可能な開状態と、上面開口20aを開放しない閉状態との間で切り換えることができる。
【0026】
また、図1A図1B等に示すように、前側板26が、左横側板28および右横側板29のそれぞれと、上下に延びる第2のスライドファスナー32を介して接続されている。図1Aおよび図1Bでは、前側板26と、左横側板28とを接続する第2のスライドファスナー32のみ図示している。左右一対の第2のスライドファスナー32の開閉により、ボックス本体20の前面が開放する状態と、ボックス本体20の前面が閉塞する状態との間で切り換えることができる。
【0027】
図7に示すように、太陽光パネルユニット4は、太陽光発電セルを多数有する太陽光発電モジュール41と、複数の太陽光発電モジュール41を保持するモジュールブラケット42とを含む。モジュールブラケット42には、接続端子43が配置されている。太陽光発電モジュール41は、光励起によって発電する。太陽光パネルユニット4は、発電した電力を、この接続端子43に接続された接続ケーブル6を介して機外に出力する。太陽光パネルユニット4は、接続ケーブル6を介して発光表示ユニット5A,5B,5Cと接続され、これにより、発光表示ユニット5A,5B,5Cに電力が供給される。この実施形態では、図示しないが太陽光パネルユニット4が複数の接続端子43を有し、共通の太陽光パネルユニット4に、複数の接続ケーブル6を介して複数の発光表示ユニット5A,5B,5Cが接続されている。
【0028】
図4に示すように、太陽光パネルユニット4は、蓋21の外表面において前半分側の部分(蓋21の外表面において取っ手35よりも前側の部分)に太陽光パネルユニット4が配置されている。リュックサック2の蓋21の外表面に配置されている。食品配送バッグ1の上面をなす蓋21に太陽光パネルユニット4が配置される。蓋21の外表面は、太陽光の照射効率の高い食品配送バッグ1の上面をなすので、食品配送バッグ1における蓋21以外の領域に太陽光パネルユニット4を配置する場合と比べて、太陽光パネルユニット4の発電量が高い。
【0029】
図4では、蓋21の外表面において前半分側の部分には、配置対象の太陽光パネルユニット4を収容するための収容部91と、収容部91の前面に設けられた窓部92と、収容部91の側方の一端部に設けられた出入口93とが設けられている。窓部92は、透明板によって構成されていてもよいし、開口によって形成されていてもよい。出入口93は、収容部91内と連通している。出入口93を塞ぐための閉塞部がさらに設けられていてもよい。閉塞部として、たとえば面ファスナーが例に挙げられる。収容部91に太陽光パネルユニット4が収容された状態において、蓋21の外表面に供給される太陽光が、太陽光パネルユニット4の太陽光発電モジュール41に注がれ、これにより、太陽光発電が行われる。窓部92が透明板によって構成されている場合には、太陽光パネルユニット4を蓋21の周囲の埃やごみ等から守ることができる。
【0030】
図6Bに示すように、蓋21は、上側(外表面側)の外シート211と、下側(内面側)の内シート212と、外シート211と内シート212との間に収容配置された断熱板213とを含む。外シート211および内シート212は軟質樹脂製である。外シート211と内シート212とは外周部同士が互いに接合されている。外シート211と内シート212との間には、断熱板213を収容する収容空間が区画されている。断熱板213は、シリカ、ガラスウール等の無機繊維を断熱材料として含む。
【0031】
外シート211には、接続ケーブル6を案内するためのガイド214が外シート211の内面に一体的に設けられている。ガイド214は、たとえばゴム状のリングである。ガイド214が、接続ケーブル6と係合する係合片であってもよい。外シート211には、接続ケーブル6が通過するための通過穴215が形成されている。接続ケーブル6の他端6bが通過穴215を通過して太陽光パネルユニット4に接続される。
【0032】
図6Cに示すように、背側板27は、後ろ側(外表面側)の外シート271と、前側(内表面側)の内シート272と、外シート271と内シート272との間に収容配置された断熱板273とを含む。外シート271および内シート272は軟質樹脂製である。外シート271と内シート272とは外周部同士が互いに接合されている。外シート271と内シート272との間には、断熱板273を収容する収容空間が区画されている。断熱板273は、シリカ、ガラスウール等の無機繊維を断熱材料として含む。
【0033】
外シート271には、接続ケーブル6を案内するためのガイド274が外シート271の内面に一体的に設けられている。ガイド274は、たとえばゴム状のリングである。ガイド274が、接続ケーブル6と係合する係合片であってもよい。外シート271には、接続ケーブル6が通過するための通過穴275が形成されている。接続ケーブル6の一端6aが通過穴275を通過して発光表示ユニット5Aに接続される。
【0034】
図6Dに示すように、左横側板28は、左側(外表面側)の外シート281と、右側(内表面側)の内シート282と、外シート281と内シート282との間に収容配置された断熱板283とを含む。外シート281および内シート282は軟質樹脂製である。外シート281と内シート282とは外周部同士が互いに接合されている。外シート281と内シート282との間には、断熱板283を収容する収容空間が区画されている。断熱板283は、シリカ、ガラスウール等の無機繊維を断熱材料として含む。
【0035】
外シート281には、接続ケーブル6を案内するためのガイド284が外シート281の内面に一体的に設けられている。ガイド284は、たとえばゴム状のリングである。ガイド284が、接続ケーブル6と係合する係合片であってもよい。外シート281には、接続ケーブル6が通過するための通過穴285が形成されている。接続ケーブル6の一端6aが通過穴285を通過して発光表示ユニット5Bに接続される。
【0036】
右横側板29は、左横側板28と左右対称に表れる。右横側板29の構成は、左横側板28と同等であるので、説明を省略する。
発光表示ユニット5A,5A,5Cは、上述のように互いに同じ諸元を有しているので、第1の発光表示ユニット5Aのみを説明し、第2および第3の発光表示ユニット5B,5Cについては、説明を省略する。
【0037】
第1の発光表示ユニット5Aは、図7に示すように、フレキシブル配線基板52と、複数の発光素子53を含むドット表示部(情報表示部)54と、駆動部品55と、カバー体56とを含む。複数の発光素子53は、フレキシブル配線基板52に二次元的に並んで実装されている。駆動部品55は、フレキシブル配線基板52に実装されている。駆動部品55は、複数の発光素子53の点灯駆動のために用いられる。カバー体56は、底面が開放する箱状であり、駆動部品55を覆う。第1の発光表示ユニット5Aは、特開2021-032929号公報に開示された公知の構成である。
【0038】
図7に示すように、駆動部品55は、たとえば、複数の発光素子53の電源である電池58と、複数の発光素子53の点灯を制御する発光制御部59と、発光制御部59と後述する携帯端末7との無線通信に用いられるアンテナ60と、複数の発光素子53の発光のオンオフを切り換えるためのスイッチ素子61とを含む。
電池58は、充電式の電池である。電池58には、充電用端子62が接続されている。太陽光パネルユニット4の接続端子43に他端6bが接続された接続ケーブル6の一端6aを充電用端子62に挿し込むことにより、電池58が充電される。
【0039】
発光制御部59は、抵抗器、ダイオード、コンデンサ、スイッチング素子等、複数の電子部品63を含む。発光制御部59とフレキシブル配線基板52のプリント配線とによって、発光素子53を発光制御するための回路が構成される。
アンテナ60は、無線通信用のアンテナであり、たとえば、ブルートゥース(登録商標)用送受信モジュールが採用されている。アンテナ60は、チップアンテナであってもよいし、パターンアンテナであってもよい。
【0040】
ドット表示部54は、文字、数字、絵柄等を表示可能である。携帯端末7のアプリケーションソフトウェアを用いて、携帯端末7において表示内容が準備される。そして、その表示内容についての入力信号が、携帯端末7からアンテナ60を介して発光制御部59に付与されると、発光制御部59は、表示内容に対応する発光素子53を点灯させることにより、入力された表示内容に対応する表示をドット表示部54に行わせる。
【0041】
図1A図1B等に示すように、1つの第1の発光表示ユニット5Aは、リュックサック2の背側板27の外表面に配置されている。リュックサック2の背側板27の外表面に第1の発光表示ユニット5Aが配置されているので、第1の発光表示ユニット5Aの表示を、配送車両10の後方を走行する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両10の後方を走行する車両からの視認性を高めることができる。
【0042】
図1A図1B等に示すように、一対の(2つの)第2の発光表示ユニット5Bは、リュックサック2の左右の横側板28,29の外表面に配置されている。リュックサック2の横側板28,29に第2の発光表示ユニット5Bが配置されているので、第2の発光表示ユニット5Bの表示を、配送車両10に並走する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両10に並走する車両からの視認性を高めることができる。
【0043】
2つの第2の発光表示ユニット5Bの高さ位置は互いに揃っている。また、第2の発光表示ユニット5Bの高さ位置は、第1の発光表示ユニット5Aの高さ位置と互いに揃っている。
図3等に示すように、一対の(2つの)第3の発光表示ユニット5Cは、リュックサック2の左右の肩紐22A,22Bの外表面にそれぞれ配置されている。リュックサック2の肩紐22A,22Bに第3の発光表示ユニット5Cが配置されているので、第3の発光表示ユニット5Cの表示を、配送車両10の前方を走行する車両に視認させることができる。ゆえに、配送車両10の前方を走行する車両からの視認性を高めることができる。
【0044】
図3図5および図6Aに示すように、リュックサック2の背側板27の外表面、リュックサック2の横側板28,29の外表面、および肩紐22A,22Bの外表面には、それぞれ、発光表示ユニット5A,5B,5Cを収容するための収容部81と、収容部81の前面に設けられた窓部82と、収容部81の長手方向または幅方向の一端部に設けられた出入口83とが設けられている。窓部82は、開口によって形成されていてもよいし、透明板によって構成されていてもよい。出入口83は、収容部81内と連通している。出入口83を塞ぐための閉塞部がさらに設けられていてもよい。閉塞部として、たとえば面ファスナーが例に挙げられる。収容部81に発光表示ユニット5A,5B,5Cが収容された状態において、ドット表示部54が窓部82を介して視認可能である。窓部82が透明板によって構成されている場合には、発光表示ユニット5A,5B,5Cを、リュックサック2の側板27,28,29の周囲の埃やごみ等から守ることができる。
【0045】
接続ケーブル6は、ボックス本体20の内部を通って太陽光パネルユニット4と各発光表示ユニット5A,5B,5Cとを接続する。接続ケーブル6の略全てがボックス本体20の内部に収容されている。そのため、配送車両10の走行中に、接続ケーブル6が邪魔になったり木の枝等に引っ掛かったりすることを防止できる。この場合、前側板26、背側板27および横側板28,29の内表面に接続ケーブル6を沿わせるべく、接続ケーブル6を前側板26、背側板27および横側板28,29の内表面に係止させてもよい。これにより、接続ケーブル6をボックス本体20の内部に良好に収容可能である。
【0046】
発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示は、携帯端末7の操作によって指示される。携帯端末7は、制御部(コンピュータ)と、表示操作部71と、記憶部と、通信I/F部とを含む。この通信I/F部の一例として、ブルートゥース(登録商標)通信デバイスを挙げることができる。携帯端末7の制御部は、各発光表示ユニット5A,5B,5Cと無線通信できる。携帯端末7と食品配送表示装置3とによって、食品配送表示システムが構成されている。
【0047】
次に、リュックサック2への太陽光パネルユニット4および発光表示ユニット5A,5B,5Cの装着について説明する。
まず、太陽光パネルユニット4を蓋21の収容部91に収容し、1つの第1の発光表示ユニット5Aを背側板27の収容部81に収容し、2つの第2の発光表示ユニット5Bを横側板28,29の収容部81に収容し、2つの第3の発光表示ユニット5Cを肩紐22A,22Bの収容部81に収容する。
【0048】
そして、太陽光パネルユニット4と、個々の発光表示ユニット5A,5B,5Cとを、接続ケーブル6を用いて接続する。このとき、接続ケーブル6を、対応するガイドに係合させて(リングを通して)引き回す。
具体的には、背側板27に配置される第1の発光表示ユニット5Aに一端6aが接続された接続ケーブル6の他端6bは、通過穴275と、背側板27のガイド274と、底板25の下側(外表面側)の外シートの内面に配置されたガイドと、前側板26の前側(外表面側)の外シートの内面に配置されたガイドと、蓋21のガイド214と、通過穴215とをこの順で経由して、太陽光パネルユニット4に接続される。
【0049】
左横側板28に配置される第2の発光表示ユニット5Bに一端6aが接続された接続ケーブル6の他端6bは、通過穴285と、左横側板28のガイド284と、前側板26の前側(外表面側)の外シートの内面に配置されたガイドと、蓋21のガイド214と、通過穴215とをこの順で経由して、太陽光パネルユニット4に接続される。
右横側板29に配置される第2の発光表示ユニット5Bに一端6aが接続された接続ケーブル6の引き回しは、左横側板28に配置される第2の発光表示ユニット5Bに接続された接続ケーブル6の場合と同等であるので、説明を省略する。
【0050】
接続ケーブル6の引き回し後、リュックサック2に断熱板を取り付けてリュックサック2を組み立てる。具体的には、断熱板213を、外シート211と内シート212との間の収容空間に挿入し、断熱板273を、外シート271と内シート272との間の収容空間に挿入し、断熱板283を、外シート281と内シート282との間の収容空間に挿入する。他の断熱板も、対応する側板26,29および対応する底板25について、外シートと内シートとの間の収容空間に挿入する。
【0051】
図8は、携帯端末7の表示操作部71に表示される表示操作画面72を示す図である。図9は、第1および第2の発光表示ユニット5A,5Bに表示される表示内容の一例を示す図である。図10は、第3の発光表示ユニット5Cに表示される表示内容の一例を示す図である。
発光表示ユニット5A,5B,5Cには、表示情報の一例として、メッセージが表示される。配送員Dの所持する携帯端末7に、デリバリーサービスの本部から、発光表示ユニット5A,5B,5Cに表示すべきメッセージの候補が通知される。配送員Dは、この表示操作画面72を操作して、これらの候補の中から、発光表示ユニット5A,5B,5Cに表示するメッセージを選択する。そして、選択したメッセージが、携帯端末7から無線通信によって発光表示ユニット5A,5B,5Cに送られる。アンテナ60の受信したメッセージ内容に基づいて、発光表示ユニット5A,5B,5Cの発光制御部59が、ドット表示部54にメッセージを表示する。
【0052】
このメッセージは、たとえば広告表示である。広告表示としては、図8の表示操作画面72において、料理店の広告である広告73や、他の店舗の広告である広告74、デリバリーサービス自体の広告である広告75等を例に挙げることができる。たとえば、料理店の広告表示が複数用意されており、配送員Dの操作により、今回の注文先の料理店の広告を表示するようにしてもよい。
【0053】
図9および図10には、「A飯店 全品10%オフ」という広告表示を表示する場合を例に挙げて示している。図9(a),(b)に示すように、第1および第2の発光表示ユニット5A,5Bのドット表示部54には、メッセージが横スクロール表示される。図10(a),(b)に示すように、第3の発光表示ユニット5Cのドット表示部54には、メッセージが縦スクロール表示される。
【0054】
晴天の日中に、配送員Dが食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転することにより、食品配送バッグ1の上面に配置された太陽光パネルユニット4において太陽光発電が行われる。そして、太陽光パネルユニット4において発生した電力が発光表示ユニット5A,5B,5Cに供給されて、発光表示ユニット5A,5B,5Cの電池58が充電される。
【0055】
発光表示ユニット5A,5B,5Cへの電源投入および電源断は、配送員Dの操作により行われる。配送員Dは、食品配送バッグ1を発光表示させたい場合に発光表示ユニット5A,5B,5Cに電源を入れる。その状態で、食品配送バッグ1を背負って配送車両10を運転して、注文先の料理店や注文主に行く。発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示内容を途中で変更する場合には、配送員Dの操作により行う。配送を終え、発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示を終了する場合、配送員Dは、発光表示ユニット5A,5B,5Cへの電源を切る。
【0056】
以上により、この発明の第1の実施形態によれば、食品配送バッグ1における蓋21以外の領域に発光表示ユニット5A,5B,5Cが配置される。食品配送バッグ1における蓋21以外の領域に発光表示ユニット5A,5B,5Cを配置する場合には、発光表示ユニット5A,5B,5Cを蓋21の外表面に配置する場合と比べて、周囲の車両や通行人から視認し易い。配送車両10の走行中に、発光表示ユニット5A,5B,5Cを表示させることにより、周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。とくに、薄闇や夜間における走行中において、周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。
【0057】
また、食品配送バッグ1に配置された太陽光パネルユニット4から供給された電力を用いて、発光表示ユニット5A,5B,5Cのドット表示部54に、広告等のメッセージが表示される。食品配送バッグ1を携行しながら、晴天時の日中に配送走行することにより、太陽光パネルユニット4に電力を容易に充電できる。太陽光パネルユニット4の充電量を高く維持できる結果、発光表示ユニット5A,5B,5Cへの安定的な電力供給を実現可能である。そのため、太陽光パネルユニット4からの供給電力を用いて発光表示することにより、発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示に伴って発生する電力コストを抑制できる。
【0058】
また、食品配送バッグ1の上面をなす蓋21に太陽光パネルユニット4が配置されている。太陽光の照射効率の高い食品配送バッグ1の上面に太陽光パネルユニット4が配置されているので、食品配送バッグ1における蓋21以外の領域に太陽光パネルユニット4を配置する場合と比べて、太陽光パネルユニット4の発電量を高めることができる。その結果、発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示に伴って発生する電力コストを効果的に抑制できる。
【0059】
ゆえに、電力コストを抑制しながら、走行中における周囲の車両や通行人からの視認性を高めることができる。
また、発光表示ユニット5A,5B,5Cにメッセージを表示することにより、走行中の配送車両10にメッセージ表示機能を持たせることができる。メッセージとして、広告メッセージや宣伝メッセージを採用する場合には、走行中の配送車両10によって広告や宣伝を行うことができる。
【0060】
また、蓋21の外表面には太陽光パネルユニット4が配置されているが、蓋21の外表面には発光表示ユニット5A,5B,5Cが配置されていない。一方、食品配送バッグ1における蓋21以外の領域には発光表示ユニット5A,5B,5Cが配置されているが、当該領域には太陽光パネルユニット4が配置されていない。太陽光の照射効率の高い蓋21の外表面に太陽光パネルユニット4を配置し、かつ周囲の車両や通行人から視認し易い蓋21以外の領域に発光表示ユニット5A,5B,5Cを配置することにより、電力コストの発生を抑制しながら、走行中における周囲の車両や通行人からの視認性を高めることを、より効果的に実現できる。
【0061】
また、1つの第1の発光表示ユニット5Aと、2つの第2の発光表示ユニット5Bとが同じ高さ位置で並んでいるので、斜め後方から見る者にも違和感を生じさせることがない。
また、給電用の接続ケーブル6が、ボックス本体20の内部を通って太陽光パネルユニット4と発光表示ユニット5A,5B,5Cとを接続する。そのため、接続ケーブル6の略全てをボックス本体20の内部に収容することも可能である。この場合、接続ケーブル6がボックス本体20外に露出して、引っ掛かったり邪魔になったりすることを防止できる。
【0062】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る食品配送表示装置203の図である。第2の実施形態に係る食品配送表示装置203が第1の実施形態に係る食品配送表示装置3と相違する点は、食品配送バッグ1の外表面の照度を測定するための照度センサ201を備えている点である。そして、照度センサ201の検出出力に基づいて、発光表示ユニット5A,5B,5Cの発光制御部59は、ドット表示部54(図7参照)における表示と非表示とを切り換える。
【0063】
照度センサ201は、発光表示ユニット5A,5B,5Cの外表面、具体的には、発光表示ユニット5A,5B,5Cのカバー体56の外表面に配置されている。照度センサ201は、電池58(図7参照)と電気的に接続されており、電池58から供給される電力を用いて照度センサ201が駆動される。照度センサ201は、図11の例では、発光表示ユニット5A,5B,5Cの周囲の照度を測定している。照度センサ201が、発光表示ユニット5A,5B,5Cに直接取り付けられずに、発光表示ユニット5A,5B,5Cの周囲に配置されていてもよい。照度センサ201の検出出力は、アンテナ60(図7参照)等を介して発光制御部59に与えられる。
【0064】
発光制御部59は、照度センサ201の検出出力が、所定以下の照度を示す出力である場合、ドット表示部54において上記の広告表示等を行う。一方、照度センサ201の検出出力が、所定より高い照度を示す出力である場合、ドット表示部54において上記の広告表示等を行わない。
この実施形態によれば、食品配送バッグ1における照度が低い場合のみ、発光表示ユニット5A,5B,5Cにおいて表示情報が表示される。食品配送バッグ1における照度が高い場合、つまり、晴天の日中においては、曇や薄暮、夜間と比較して、発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示が見難い。発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示が見難い日中に表示させることにより、発光表示ユニット5A,5B,5Cの電力が消耗するおそれがある。発光表示ユニット5A,5B,5Cの表示が比較的見易い食品配送バッグ1における照度が低い場合のみ発光表示ユニット5A,5B,5Cに表示させることにより、電力の消耗を防止しながら、発光表示ユニット5A,5B,5Cにおける表示情報の表示を効率良く行うことができる。
【0065】
この第2の実施形態において、照度センサ201を発光表示ユニット5A,5B,5C自体かその周囲に配置するとしたが、照度センサ201を発光表示ユニット5A,5B,5Cと離れて配置してもよい。この場合、照度センサ201が、食品配送バッグ1のうち外部に露出している部分に配置されていることが好ましい。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る発光表示ユニット305の図である。発光表示ユニット305は、各発光表示ユニット5A,5B,5Cに代えて用いられる。第3の実施形態に係る発光表示ユニット305が第1の実施形態に係る発光表示ユニット305と相違する点は、太陽光パネルユニット4から発光表示ユニット305に供給される電力の電圧の大きさに基づいて、ドット表示部54における表示内容を異ならせる点である。具体的には、太陽光パネルユニット4から発光表示ユニット305に供給される電力の電圧が所定の閾値(たとえば5V)以上である場合には、図12に示す充電中表示が表示される。太陽光パネルユニット4から発光表示ユニット305に供給される電力量が閾値未満である場合には、図9図10等に示す表示情報が表示される。
【0066】
この実施形態では、太陽光パネルユニット4から発光表示ユニット305に供給される電力の電圧値が上記の閾値に達しているときには、ドット表示部54において、図9図10等に示す表示情報が表示されずに、他の情報が表示される。そのため、太陽光パネルユニット4の発電状況を、発光表示ユニット305の表示内容から把握することが可能である。
【0067】
以上、この3つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
図13に示すように、リュックサック2の背側板27の外表面に、第1の発光表示ユニット5Aを複数配置してもよい。図13では、第1の発光表示ユニット5Aの配置個数が2つである場合を例に挙げるが、配置個数は3つ以上であってもよい。
【0068】
また、第1の発光表示ユニット5Aが横向きでなく、図14に示すような縦向きであってもよい。この場合、第1の発光表示ユニット5Aに表示される表示情報が、図10に示すような縦書き(縦スクロール)であってもよい。図14の例では第1の発光表示ユニット5Aの配置個数が2つである場合を例に挙げるが、配置個数は1つであってもよいし3つ以上であってもよい。
【0069】
また、発光表示ユニット5A,5B,5C,305のドット表示部54における表示態様は、スクロール表示でなく、静止表示であってもよい。また、ドット表示部54に表示される表示情報が、文字を含むメッセージでなく、絵柄や図形のみで構成されていてもよい。
また、ドット表示部54に表示される表示情報は、広告表示に限られない。ニュース等、広告以外の情報が表示されるようになっていてもよい。
【0070】
また、発光表示ユニット5A,5B,5C,305の少なくとも一つの諸元が他と異なっていてもよい。具体的には、表示ユニット寸法サイズや、ドット数が他と異なっていてもよい。
また、発光表示ユニット5A,5B,5C,305として、可撓性を有する発光表示器を例に挙げて説明したが、軽量であれば、可撓性を有しない発光表示器を採用してもよい。この場合、フレキシブル配線基板52に代えて、可撓性を有しない配線基板を採用してもよい。また、この場合、駆動部品55を配線基板の横方や上下方ではなく、配線基板の裏側に配置してもよい。
【0071】
また、太陽光パネルユニット4によって発電した電力を、発光表示ユニット5A,5B,5C,305に内蔵された充電式の電池58に蓄えるとして説明したが、太陽光パネルユニット4によって発電した電力を蓄える充電ユニットを、発光表示ユニット5A,5B,5C,305とは別に設けてもよい。そして、この充電ユニットに蓄えられた電力を用いて発光表示ユニット5A,5B,5C,305が駆動されるようになっていてもよい。
【0072】
また、発光表示ユニット5A,5B,5C,305の情報表示部として、ドット表示部に代えて液晶表示部等の他の表示器が採用されていてもよい。
また、前述の各実施形態では、第2の発光表示ユニット5Bを食品配送バッグ1の左右側面に1つずつ配置する場合を例に挙げた。しかし、第2の発光表示ユニット5Bを各側面に複数個ずつ配置してもよいし、第2の発光表示ユニット5Bを一方側面のみに配置するようにしてもよい。
【0073】
また、前述の各実施形態では、第3の発光表示ユニット5Cを一対の肩紐22A,22Bに1つずつ配置する場合を例に挙げた。しかし、第3の発光表示ユニット5Cを各肩紐22A,22Bの外表面に1つずつ配置してもよいし、第3の発光表示ユニット5Cを一方の肩紐のみに配置するようにしてもよい。
また、食品配送バッグ1は、第1の発光表示ユニット5A、第2の発光表示ユニット5Bおよび第3の発光表示ユニット5Cの全てを備えている必要はなく、これらのうちの少なくとも一つを省略することができる。すなわち、第1の発光表示ユニット5Aのみが設けられる態様、第2の発光表示ユニット5Bのみが設けられる態様、および第3の発光表示ユニット5Cのみが設けられる態様、第1および第2の発光表示ユニット5A,5Bのみが設けられる態様、第2および第3の発光表示ユニット5B,5Cのみが設けられる態様、ならびに第1および第3の発光表示ユニット5A,5Cのみが設けられる態様が考えられる。
【0074】
また、図4に破線で示すように、太陽光パネルユニット4が蓋21の外表面に2つ配置されていてもよい。図4の破線の例では、取っ手35を挟んで前後に一対の太陽光パネルユニット4が配置されている。蓋21の外表面に、配置する太陽光パネルユニット4に対応する個数の収容部91が配置される。蓋21の外表面に配置される太陽光パネルユニット4の個数が3つ以上であってもよい。
【0075】
太陽光パネルユニット4を複数設ける場合、太陽光パネルユニット4と、発光表示ユニット(発光表示ユニット5A,5A,5C,305)とを一対一対応させるようにしてもよい。
さらには、発光表示ユニットとして、発光表示ユニット5A,5A,5C,305よりも大型の表示ユニットを採用してもよい。
【0076】
また、前述の実施形態では、ボックス本体が、リュックサック2のボックス本体20とした。このリュックサック2が、張り出し部34を有していなくてもよい(すなわち、リュックサック2が、ピザ等の横幅のある料理を底部に収容可能なタイプのリュックサックでなくてもよい)し、非折り畳み式であってもよい。また、ボックス本体20の内部に料理を収容して配送できるのであれば、リュックサック2の形式やサイズは問わない。
【0077】
また、ボックス本体が、リュックサック2のボックス本体20ではなく、配送車両10に据え付けられている配送バックのボックス本体であってもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 :食品配送バッグ(食品配送ボックス)
3 :食品配送表示装置
4 :太陽光パネルユニット
5A :第1の発光表示ユニット
5B :第2の発光表示ユニット
5C :第3の発光表示ユニット
10 :配送車両
20 :ボックス本体
20a :上面開口
21 :蓋
22A :肩紐
22B :肩紐
27 :背側板
28 :左横側板
29 :右横側板
54 :ドット表示部(情報表示部)
203 :食品配送表示装置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14