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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085637
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】カーテン吊り装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 15/02 20060101AFI20230614BHJP
   A47H 1/04 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A47H15/02
A47H1/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199763
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】伊東 栄治
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 俊晴
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB01
2E182BB14
2E182DE07
2E182DG01
2E182DH17
2E182DJ19
2E182EE01
2E182EG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成でありながら見栄えが良くメンテナンス性に優れたカーテン吊り装置を提供する。
【解決手段】カーテン吊り装置は、車輪を回転可能に支持すると共にウェーブカーテン10に設けられたカーテンフックと掛かり合う吊り輪22が設けられた複数のランナー2と、複数のランナー2を走行可能な状態に保持するカーテンレール本体1の内側空間に収納可能であり、所定の間隔で設けられた複数の係合体を介して複数のランナー2と着脱自在に取り付けられたテープ状の連結体3とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンに設けられたカーテンフックと掛かり合う吊り輪が設けられた複数のランナーと、
前記複数のランナーを走行可能な状態に保持するカーテンレール本体の内側空間に収納可能であり、所定の間隔で設けられた複数の係合体を介して前記複数のランナーと着脱自在に取り付けられたテープ状の連結体と
を備えるカーテン吊り装置。
【請求項2】
前記カーテンレール本体は、筒状体であり、当該筒状体を形成する底壁部には当該底壁部に対して長手方向に沿って設けられた溝部を有し、前記連結体は、前記長手方向とは直交する短手方向の幅が前記溝部の幅よりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載のカーテン吊り装置。
【請求項3】
前記係合体は、C字状係合部を有し、前記ランナーの被係合部と着脱自在に係合する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカーテン吊り装置。
【請求項4】
前記ランナーは、回転可能に支持された車輪と、当該車輪を覆うカバーを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカーテン吊り装置。
【請求項5】
前記係合体は、前記被係合部と係合した状態において回動自在である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカーテン吊り装置。
【請求項6】
前記連結体は、プリーツ加工により折目部が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のカーテン吊り装置。
【請求項7】
前記連結体は、前記長手方向とは直交する短手方向の幅よりも長い棒状体からなる複数のバーが短手方向に沿って一定間隔毎に一体に固定されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカーテン吊り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン吊り装置に関し、特に、ウェーブカーテンに用いられるカーテン吊り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーテンにウェーブを形成したウェーブカーテンが一般的になりつつある。ウェーブカーテンは、ウェーブが等間隔に保たれ、ヒダ山のないシルエットの美しいカーテンである。カーテンにウェーブを形成するためには、カーテンを閉じるときにカーテンがフラットにならないようにカーテンフックの間隔を規制する必要がある。
【0003】
カーテンフックの間隔を規制する方法としては、カーテンフック(以下、これを単に「フック」とも言う。)あるいはカーテンランナー(以下、これを単に「ランナー」とも言う。)を一定間隔で統合させるための連結部を用いて、カーテンがフラットにならないように規制することが一般的である。
【0004】
従来、ウェーブカーテンにおいては、フックあるいはランナーのカーテンレールからの露出部において、フックあるいはランナーと連結部とを結合させているため当該連結部が外部から露出してしまい、外観上好ましくない。
【0005】
また、連結部が紐やコードである場合、紐やコードをカーテンレールの内側空間に収容すると、走行中のランナーと紐やコードが絡まる等の不具合が発生するため、カーテンレールの内側空間に収容することは難しい。仮に、紐やコードをカーテンレールの内側空間に収容したとしても、カーテンレールの底面の溝から紐やコードが垂れて露出してしまうこともある。
【0006】
そこで、紐やコード以外の連結部を採用したカーテンレールが提案されている。この種のカーテンレールは、例えば、カーテンを閉じた状態でカーテンランナーが一定間隔に保持され、その一定間隔をカーテンフックの間隔よりも短くするように、板状部材からなる連結部を介してカーテンランナー同志を連結している(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-159395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のように、板状部材からなる連結部を用いた場合、連結部の嵌合突起をカーテンランナーの嵌装孔に嵌入させたり、連結部の係止片とカーテンランナーの係止片とを係合させる必要があり、組み立てが容易ではないうえ、部品点数が多く、構成が複雑であった。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易な構成でありながら見栄えが良くメンテナンス性に優れたカーテン吊り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のカーテン吊り装置は、カーテンに設けられたカーテンフックと掛かり合う吊り輪が設けられた複数のランナーと、前記複数のランナーを走行可能な状態に保持するカーテンレール本体の内側空間に収納可能であり、所定の間隔で設けられた複数の係合体を介して前記複数のランナーと着脱自在に取り付けられたテープ状の連結体とを備える。
【0011】
前記カーテンレール本体は、筒状体であり、当該筒状体を形成する底壁部には当該底壁部に対して長手方向に沿って設けられた溝部を有し、前記連結体は、前記長手方向とは直交する短手方向の幅が前記溝部の幅よりも長い。
【0012】
前記係合体は、C字状係合部を有し、前記ランナーの被係合部と着脱自在に係合することが好ましい。
【0013】
前記ランナーは、回転可能に支持された車輪と、当該車輪を覆うカバーを有することが好ましい。
【0014】
前記係合体は、前記被係合部と係合した状態において回動自在であることが好ましい。
【0015】
前記連結体は、プリーツ加工により折目部が形成されていることが好ましい。
【0016】
前記連結体は、長手方向とは直交する短手方向の幅よりも長い棒状体からなる複数のバーが短手方向に沿って一定間隔毎に一体に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な構成でありながら見栄えが良くメンテナンス性に優れたカーテン吊り装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置がカーテンレールに取り付けられた全閉状態を示す上面図(A)および全体構成を示す断面図(B)である。
図2】本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置がカーテンレールに取り付けられた全開状態を示す上面図(A)および全体構成を示す断面図(B)である。
図3】本発明の実施の形態におけるランナーの全体構成を示す斜視図(A)およびランナーの一部分解斜視図(B)である。
図4】本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置の連結体の構成を示す平面図である。
図5】本発明の実施の形態における連結体にランナーが取り付けられた状態を示す下面図である。
図6】本発明の実施の形態においてランナーに対して連結体が回動可能な状態を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施の形態においてプリーツ加工が施された連結体の伸びた状態(A)および縮んだ状態(B)を示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施の形態において車輪のカバーが設けられたランナーの構成を示す斜視図(A)、正面図(B)および側面図(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0020】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態にかかるカーテン吊り装置(5)は、車輪(23)を回転可能に支持すると共にカーテン(10)に設けられたカーテンフックと掛かり合う吊り輪(22)が設けられた複数のランナー(2)と、複数のランナー(2)を走行可能な状態に保持するカーテンレール本体(1)の内側空間に収納可能であり、所定の間隔で設けられた複数の係合体(35)を介して複数のランナー(2)と着脱自在に取り付けられたテープ状の連結体(3)と、を備える。
【0021】
〔2〕カーテン吊り装置(5)において、カーテンレール本体(1)は、筒状体であり、当該筒状体を形成する底壁部(1c、1c)には当該底壁部(1c、1c)に対して長手方向(矢印ab方向)に沿って設けられた溝部(1cv)を有し、連結体(3)は、長手方向(矢印ab方向)とは直交する短手方向の幅(W2)が溝部(1cv)の幅よりも長い。
【0022】
〔3〕カーテン吊り装置(5)において、係合体(35)は、C字状係合部(35a)を有し、ランナー(2)の被係合部(25)と着脱自在に係合する。
【0023】
〔4〕カーテン吊り装置(5)において、ランナー(2)は、回転可能に支持された車輪(23)と、当該車輪(23)を覆うカバー(39R、39L)を有する。
【0024】
〔5〕カーテン吊り装置(5)において、係合体(35)は、被係合部(25)と係合した状態において回動自在である。
【0025】
〔6〕カーテン吊り装置(5)において、連結体(3)は、プリーツ加工により折目部(33)が形成されている。
【0026】
〔7〕カーテン吊り装置(5)において、連結体(3)は、長手方向(矢印ab方向)とは直交する短手方向の幅(W2)よりも長い棒状体からなる複数のバー(31)が短手方向に沿って一定間隔毎に一体に固定されている。
【0027】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置がカーテンレールに取り付けられた全閉状態を示す上面図(A)および全体構成を示す断面図(B)である。図2は、本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置がカーテンレールに取り付けられた全開状態を示す上面図(A)および全体構成を示す断面図(B)である。図3は、本発明の実施の形態におけるランナーの全体構成を示す斜視図(A)およびランナーの一部分解斜視図(B)である。図4は、本発明の実施の形態に係るカーテン吊り装置の連結体の構成を示す平面図である。図5は、本発明の実施の形態における連結体にランナーが取り付けられた状態を示す下面図である。図6は、本発明の実施の形態においてランナーに対して連結体が回動可能な状態を示す斜視図である。図7は、本発明の他の実施の形態においてプリーツ加工が施された連結体の伸びた状態(A)および縮んだ状態(B)を示す斜視図である。図8は、本発明の他の実施の形態において車輪のカバーが設けられたランナーの構成を示す斜視図(A)、正面図(B)および側面図(C)である。
【0028】
ここでは、説明の便宜上、図1乃至図3においてカーテン装置100におけるカーテンレール本体1の長手方向を矢印ab方向とし、図中左側にカーテンを開くカーテン開側を矢印a方向とし、図中右側にカーテンを閉めるカーテン閉側を矢印b方向とする。
【0029】
また、カーテンレール本体1の図中上下方向を矢印cd方向とし、上側または上方を矢印c方向、下側または下方を矢印d方向とする。さらに、カーテンレール本体1の奥行方向を矢印ef方向とし、図中奥側すなわち窓側を矢印e方向、手前側すなわち部屋側を矢印f方向とする。
【0030】
カーテン装置100は、カーテンレール本体1、および、カーテン吊り装置5(ランナー2および連結体3)を有している。以下、カーテンレール本体1、および、カーテン吊り装置5(ランナー2および連結体3)の構成をそれぞれ説明する。
【0031】
<カーテンレール本体の構成>
図1および図2に示すように、カーテンレール本体1は、全体として長手方向(矢印ab方向)へ所定の長さを有すると共に所定の大きさの開口部を有する筒状体である。カーテンレール本体1は、長手方向(矢印ab方向)の長さL1、および、長手方向とは直交する奥行方向(矢印ef方向)の幅W1を有している。
【0032】
カーテンレール本体1は、天井に取り付けられる天井側の壁部分(以下、これを「天井壁部分」)1a、その天井壁部分1aの両側端部から下側(矢印d方向)に向かって延び、互いに平行な状態で対向する側壁部分1b、1b、および、側壁部分1b、1bの下側端部から互いに向かい合うように延び、所定の間隔を空けた状態で天井壁部分1aと平行に配置された底壁部分1c、1cを備えている。すなわちカーテンレール本体1においては、底壁部分1cと底壁部分1cvとの間隔が当該底壁部1c、1cに対して長手方向(矢印ab方向)に沿って設けられた溝部1cvとなる。
【0033】
図1では、カーテンレール本体1の内側空間に収容された複数のランナー2を介して取り付けられたウェーブカーテン10の全閉状態が表示されている。また、図2では、ウェーブカーテン10の全開状態が表示されている。
【0034】
カーテンレール本体1の内側空間には、複数のランナー2が収容されている。ランナー2は、この場合、合計6個設けられており、基本構成は全て同一であるが、そのうち、両側端部にはマグネットランナー2mが設けられている。ただし、ランナー2の個数はこれに限るものではなく、ウェーブカーテン10の長さ、ランナー2とランナー2との間隔に応じた任意の数であってもよい。
【0035】
<カーテン吊り装置の構成>
カーテン吊り装置5は、ランナー2および連結体3によって構成されており、ランナー2、連結体3についてそれぞれ説明する。
【0036】
<ランナーの構成>
図3(A)および(B)に示すように、カーテン吊り装置5のランナー2は、樹脂等の成型品からなるランナー本体21、そのランナー本体21に取り付けられた吊り輪22、および、ランナー本体21に対してカーテンレール本体1の長手方向(矢印ab方向)へ走行可能なように回転可能に軸支された車輪23、23を有している。
【0037】
ランナー本体21は、全体として直方体形状を有している。ランナー本体21の車輪23の下方には、奥側(矢印e方向)および手前側(矢印f方向)を貫通した平面視矩形状の貫通孔24が形成されている。ランナー本体21の貫通孔24を形成している底部24bには、後述する吊り輪22が係止されている。
【0038】
ランナー本体21は、上部が平面視において山型形状をなし、奥行方向(矢印ef方向)に対して並列した状態で形成された2つの山型部分21y、21yを有している。2つの山型部分21yのほぼ中央には貫通孔(図示せず)が設けられ、その貫通孔を介して回転軸23jが回転可能に軸支されている。回転軸23jの両端には、それぞれ車輪23、23が回転軸23jと一体に固定されている。
【0039】
ランナー本体21の山型部分21yは、山型形状を形成している傾斜した2つの平坦な面(以下、これを「傾斜平坦面」と言う。)21k、21kと、2つの傾斜平坦面21k、21kと繋がる円弧形状の面(以下、これを「円弧面」と言う。)21tと、を有している。
【0040】
2つの山型部分21yにおける奥行方向(矢印ef方向)の間には、凹部空間21sが形成されており、その凹部空間21sに2つの山型部分21yと奥行方向(矢印ef方向)において一体となった平面視円形状の被係合部25が設けられている。
【0041】
被係合部25は、円形の下側1/5程度が水平に切除された円柱形状をなし、円形の外周面25aを有している。被係合部25は、後述する連結体3に取り付けられた係合体35と係合する部分であり、その係合体35に対して着脱自在に取り付け可能である。
【0042】
山型部分21yの2つの傾斜平坦面21k、21kは、被係合部25と係合された係合体35が回動する際の回動角度範囲を規制するために当該係合体35の天板部35bと接触する面である。また、山型部分21yの円弧面21tは、係合体35が回動する際に係合体35の内周面35anと接触する円弧状の面である。
【0043】
吊り輪22は、ランナー本体21を形成している底部24bに係止される係止用円盤部22aと、その係止用円盤部22aと一体に取り付けられたリング22cとを有している。具体的には、吊り輪22の係止用円盤部22aがランナー本体21の底部24bに係合され、底部24bの貫通孔(図示せず)から下側(矢印d方向)にウェーブカーテン10のフック(図示せず)を引っ掛けるためのリング22cが露出している。
【0044】
実際にランナー2がカーテンレール本体1に収容された状態では、車輪23がカーテンレール本体1の底壁部分1c、1cに接触して走行可能となり、ランナー本体21の下側半分ほど、および、吊り輪22が底壁部分1c、1cの間の溝1cvから露出する。これにより、吊り輪22のリング22cとウェーブカーテン10のフック(図示せず)とが係合可能になる。
【0045】
<連結体の構成>
図3および図4に示すように、カーテン吊り装置5の連結体3は、カーテンレール本体1の長手方向(矢印ab方向)に延びるポリエステル、ナイロンまたは繊維等からなるテープ状部材であり、所定の長さL2および幅W2のテープ体30と係合体35とを有している。
【0046】
連結体3のテープ体30の長さL2は、カーテンレール本体1の長手方向(矢印ab方向)の長さL1(図1図2)より短い。テープ体30の長手方向(矢印ab方向)とは直交する短手方向の幅W2は、カーテンレール本体1の幅W1(図1図2)よりも短いが、カーテンレール本体1の底壁部分1c、1c間の溝1cvの幅よりも長い。
【0047】
連結体3のテープ体30は、所定の間隔毎に当該テープ体30と一体に固定された複数の係合体35を有している。係合体35は、樹脂等の成型品からなり、テープ体30と係合体35とはインサート成型によって一体化されている。但し、これに限るものではなく、テープ体30に対して係合体35が組み立てにより後から一体化されてもよい。これらの係合体35は、ランナー2の被係合部25に対してプレスフィット等により嵌め込まれる部品である。
【0048】
係合体35は、平面視略C字状に形成されており、C字状係合部35aと、そのC字状係合部35aの上側において一体化された平坦な板状部材からなる天板部35bとを有している。
【0049】
C字状係合部35は、天板部35bの奥行方向(矢印ef方向)における中央に対して長手方向(矢印ab方向)に沿うように一体に固定されている。C字状係合部35aは、下側(矢印d方向)に向かって延びる2つの腕部35aRおよび35aLを有しており、その2つの腕部35aRおよび35aLの内側にC字状の内周面35anが形成されている。
【0050】
C字状係合部35の腕部35aRおよび35aLは、天板部35bの下面35dから下側(矢印d方向)に向かって延びると共に、全体が先端に向かって僅かに湾曲している。腕部35aRおよび腕部35aLは、先端に向かって湾曲していることによりC字形状の内周面35anが形成されており、腕部35aRの先端部35tRと腕部35aLの先端部35tLとが互いに向き合っている。
【0051】
腕部35aRの先端部35tRと腕部35aLの先端部35tLとの間隔は、ランナー2の被係合部25の円形の外周面25aの直径よりも小さい。すなわち、係合体35がランナー2に取り付けられる際、C字状係合部35aの2つの腕部35aRおよび35aLが押し広げられることによりランナー2の被係合部25に係合される。一方、ランナー2に対して係合体35が引っ張られることによりC字状係合部35aの2つの腕部35aRおよび35aLが押し広げられてランナー2の被係合部25から取り外される。
【0052】
連結体3のテープ体30において互いに隣接する係合体35と係合体35との間隔は、ウェーブカーテン10が全閉状態(図1)となった場合に、ウェーブカーテン10に一定の湾曲したウェーブが形成される程度の長さに設定されている。
【0053】
また、テープ体30においては、係合体35と係合体35との間にテープ体30の幅W2よりも長い棒状体からなるバー31が一体に取り付けられている。バー31は、円柱形状の軸部31aと、当該軸部31aの両側先端に固定された円盤形状の先端部31bとからなる。なお、バー31においては、軸部31aだけで構成されていてもよい。
【0054】
バー31の先端部31bは、連結体3の外側にはみ出しており、カーテンレール本体1の底壁部分1cと係止可能である。これにより、万が一、連結体3がカーテンレール本体1から脱落することが未然に防止されている。因みに、テープ体30の幅W2がカーテンレール本体1の底壁部分1c、1c間の溝1cvの幅よりも短い場合であっても、その溝1cvの幅よりも長いバー31がテープ体30に一体に取り付けられているので、連結体3がカーテンレール本体1から脱落することが未然に防止される。
【0055】
図5に示すように、テープ体30の係合体35にランナー2がそれぞれ取り付けられた状態において、ランナー2がカーテンレール本体1の内側空間に収容されると、カーテンレール本体1の底壁部分1c、1cにランナー2の車輪23が接触する。
【0056】
ただし、このとき連結体3のバー31の先端部31bは、カーテンレール本体1の底壁部分1c、1cに接触することはない(図1図2参照)。連結体3のバー31は、仮に係合体35から全てのランナー2が外れてしまった場合でも、バー31の先端部31bが底壁部分1c、1cに接触して脱落が防止される。
【0057】
<動作および効果>
以上の構成において、本実施の形態におけるカーテン吊り装置5は、ランナー2の被係合部25に対して連結体3のテープ体30に取り付けられた係合体35のC字状係合部35aを嵌め込む。これにより、カーテン吊り装置5においては、連結体3のテープ体30に対してランナー2を容易に取り付けて両者を一体化することができる。
【0058】
上述のように、テープ体30の全ての係合体35を介して複数のランナー2が一体に取り付けられた後、ランナー2の車輪23をカーテンレール本体1の底壁部分1c、1cに接触させてスライドするように収納する。
【0059】
これにより、カーテンレール本体1に対する連結体3およびランナー2の取り付けが完了する。その後、ランナー2の吊り輪22に対してウェーブカーテン10のフックが係合されるとカーテン装置100が完成する。
【0060】
また、カーテン装置100では、連結体3においてテープ体30と係合体35とが予め一体化されており、ランナー2の被係合部25に対して係合体35のC字状係合部35aを押し込むだけの簡単な操作により、連結体3に対してランナー2を容易に取り付けることができる。
【0061】
カーテン装置100においては、連結体3の幅W2をカーテンレール本体1の底壁部分1c、1c間の溝1cvの幅よりも大きくし、かつ、連結体3と底部1c、1cと平行になるように配置した。これにより、カーテン装置100では、カーテンレール本体1の内側空間に連結体3および複数のランナー2を収容した状態において、連結体3がカーテンレール本体1の溝1cvから脱落することはおろか露出することもないので外観デザイン上の見栄えを良くすることができる。
【0062】
このようにカーテン装置100では、カーテンレール本体1の内側空間に連結体3および複数のランナー2からなるカーテン吊り装置5が収納されているため、ウェーブカーテン10のフック、窓枠からの突起物等に連結体3およびランナー2が引っ掛かることがなく、ウェーブカーテン10をスムースに開閉することができる。なお、連結体3がテープ体30であるため、紐等と比較してランナー2や、ランナー2の車輪23と引っ掛かることもない。
【0063】
また、連結体3には、長手方向(矢印ab方向)に沿って複数のバー31は一定の間隔毎に固定されているため、仮にテープ体30から全てのランナー2が外れてしまった場合でも、バー31の先端部31bがカーテンレール本体1の底壁部分1c、1cに接触することになる。これにより、連結体3がカーテンレール本体1の溝部1cvから垂れてしまって露出することが防止される。
【0064】
ランナー2は、ランナー本体21の被係合部25を介して連結体3の係合体35と着脱自在に取り付けられている。このため、ランナー2が破損した場合であっても、連結体3に対して容易にランナー2を取り外して交換することができるので、メンテナンス性に優れている。また、ランナー2は、連結体3に対して着脱自在であるため、通常のランナー2以外のマグネットランナー2mについても取り付けることができ、カーテン吊り装置5として高い汎用性を有している。
【0065】
図6(A)乃至(D)に示すように、連結体3の係合体35におけるC字状係合部35aが円形状の内周面35an(図3および図4)を有し、ランナー2の被係合部25が円形の外周面25aを有しているので、C字状係合部35aと被係合部25とが係合した状態においては、係合体35が回転軸23jを介して時計回り方向または反時計回り方向に回動可能である。
【0066】
したがって、カーテン装置100においてウェーブカーテン10が全開状態となる際(図2参照)、係合体35が回動可能であるためにランナー2とランナー2との間で連結体3のテープ体30が折り畳み易い状態となる。これにより、カーテン吊り装置5は、カーテンレール本体1の内側空間において連結体3をコンパクトかつ綺麗に折り畳むことができる。かくして、連結体3のテープ体30が折り畳まれるため、カーテンレール本体1の溝部1cvから連結体3が垂れて露出してしまうことが防止される。
【0067】
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、カーテン吊り装置5がフラットな折り目のないテープ状部材からなる連結体3を用いるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、図7(A)および(B)に示すように、連結体3のテープ体30に対して更にプリーツ加工(折目加工)を施すことによって所定の間隔毎に折目部33を設けるようにしても良い。これにより、ウェーブカーテン10が全開状態となる際、連結体3が折目部33を介して同じ長さで規則正しく折り畳まれるようになる。さらに、連結体3のテープ体30が規則正しく折り畳まれるため、カーテンレール本体1の溝部1cvから連結体3が垂れて露出してしまうことが防止される。
【0068】
また、上述した実施の形態においては、ランナー2は車輪23が露出していたが、本発明はこれに限らず、図8に示すように車輪23の上側部分にカバー39R、39Lを設けるようにしても良い。これにより、ランナー2がカーテンレール本体1の内側空間を走行中、連結体3と絡むことをカバー39R、39Lによって確実に回避することができる。
【0069】
さらに、上述した実施の形態においては、係合体3のC字状係合部35とランナー2の円形状の被係合部25とが係合するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、係合体3とランナー2とが着脱自在に係合すれば、係合体3が被係合部25を有し、ランナー2がC字状係合部35を有してもよく、さらに、両者が互いに着脱自在に係合することができれば、どのような形状であってもよい。
【0070】
さらに、上述した実施の形態においては、ウェーブカーテン10をカーテン吊り装置5のランナー2に取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ウェーブカーテン10に限らず、ヒダのあるカーテン、フラットなカーテン等、その他種々の形態のカーテンをカーテン吊り装置5のランナー2に取り付けるようにしてもよい。
【0071】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係るに限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0072】
1…カーテンレール本体、1cv…溝、2…ランナー、3…連結体、3h…貫通孔、5…カーテン吊り装置、10…ウェーブカーテン、21…ランナー本体、21y…山型部分、22…吊り輪、22a…係止用円盤部、22c…リング、23…車輪、23j…回転軸、24…貫通孔、25…被係合部、30…テープ体、31…バー、31a…軸部、31b…先端部、35…係合体、35a…C字状係合部、35b…天板部、39R、39L…カバー、100…カーテン装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8