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特開2023-85682主応力算出プログラム、及び主応力算出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085682
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】主応力算出プログラム、及び主応力算出方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/00 20060101AFI20230614BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20230614BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20230614BHJP
   E02D 1/02 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
G01L1/00 M
G01N3/00 D
G01L5/00 A
E02D1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199856
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川久保 昌平
【テーマコード(参考)】
2D043
2F051
2G061
【Fターム(参考)】
2D043AA02
2D043AB03
2D043AC01
2D043BA10
2D043BC05
2F051AA06
2F051BA07
2G061AA02
2G061AB01
2G061BA01
2G061CA06
2G061EA02
2G061EA03
2G061EA05
2G061EC02
(57)【要約】
【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち原位置試験の結果から異方性岩盤の主応力を比較的容易に求めることができる主応力算出プログラムと、これを用いた主応力算出方法を提供することである。
【解決手段】異方性岩盤に設けられたボーリング孔の壁面を等変位載荷方式で加圧する載荷試験を、載荷方向を変えながら行って得られたN回分の第1変形係数Eと、第2変形係数E、載荷初期圧pに基づいて、岩盤の最大主応力σ 、最小主応力σ 、及び主応力の作用角αを求める機能をコンピュータに実行させるプログラムであって、条件値取込処理と作用角設定処理、暫定主応力算出処理、感度係数算出処理、差分2乗和算出処理、作用角決定処理、主応力決定処理をコンピュータに実行させる機能を備えたものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異方性を示す岩盤に設けられたボーリング孔の壁面を等変位載荷方式で加圧する載荷試験を、載荷方向を変えながら行って得られたN(Nは3以上の自然数)回分の第1変形係数E、第2変形係数E、及び載荷初期圧pに基づいて、該岩盤の最大主応力σ 、最小主応力σ 、及び最大主応力σ の作用角αを求める機能を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1変形係数Eは直交する第1軸、第2軸及び第3軸のうち該第1軸方向の変形係数であって、前記第2変形係数Eは該第2軸方向の変形係数であり、
前記載荷試験における試験孔半径r及び載荷面曲率β、前記第1軸と前記第2軸を含む平面内の第1ポアソン比ν12、該第1軸と前記第3軸を含む平面内の第2ポアソン比ν13、前記第1変形係数E、前記第2変形係数E、水平面と前記第1軸との傾斜角φ、並びに前記載荷初期圧pを取込む条件値取込処理と、
前記作用角αの候補となる複数種類の候補作用角α(j)を設定する作用角設定処理と、
前記候補作用角α(j)ごとに、次式で与えられ、前記第1変形係数E、前記第2変形係数E、前記傾斜角φ、及び前記作用角αを変数とする第1感度係数Ω(i,j)及び第2感度係数Ω(i,j)を算出する感度係数算出処理と、
=Ω(i,j)×σ (i,j)+Ω(i,j)×σ (i,j)
前記候補作用角α(j)ごとに、暫定最大主応力σ (i,j)及び暫定最小主応力σ (i,j)を算出する暫定主応力算出処理と、
前記候補作用角α(j)ごとに、N回の試験それぞれについて次式で与えられる2乗差s(i,j)を算出するとともに、N回分の該2乗差の総和である総和2乗差を算出する差分2乗和算出処理と、
s(i,j)=[p-Ω(i,j)×σ (i,j)+Ω(i,j)×σ (i,j)]
前記候補作用角α(j)ごとに得られる前記総和2乗差のうち、最小の該総和2乗差を選出するとともに、最小の該総和2乗差に係る前記候補作用角α(j)を前記作用角αとして決定する作用角決定処理と、
前記作用角決定処理で決定された前記作用角αに係る前記暫定最大主応力σ (i,j)及び前記暫定最小主応力σ (i,j)を、前記暫定最大主応力σ 及び前記最小主応力σ として決定する主応力決定処理と、を前記コンピュータに実行させる機能を備えた、
ことを特徴とする主応力算出プログラム。
【請求項2】
前記暫定主応力算出処理は、次式を用いた最小二乗法によって前記暫定最大主応力σ (i,j)及び前記暫定最小主応力σ (i,j)を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の主応力算出プログラム。
【請求項3】
ボーリング孔壁面を等変位載荷方式で加圧する載荷試験を行うことによって、異方性を示す前記岩盤の最大主応力σ 、最小主応力σ 、及び最大主応力σ の作用角αを求める方法であって、
載荷方向を変えながら前記岩盤に対してN(Nは3以上の自然数)回の前記載荷試験を行う載荷試験工程と、
N回分の試験結果に基づいて、前記岩盤の前記最大主応力σ 、前記最小主応力σ 、及び前記作用角αを求める解析工程と、を備え、
前記解析工程では、請求項1又は請求項2記載の前記主応力算出プログラムを使用して前記最大主応力σ 、前記最小主応力σ 、及び前記主応力の作用角αを求める、
ことを特徴とする主応力算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、変形特性の異方性を示す岩盤の主応力に関する技術であり、より具体的には、等変位載荷方式の孔内載荷試験で得られた結果に対して異方性弾性理論に基づく解析を行うことで岩盤の2次元初期主応力を求める技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
岩盤上、あるいは岩盤内に構築する構造物の設計計画を行うにあたっては、その岩盤の力学特性を把握することが極めて重要となる。岩盤の力学特性としては、例えば岩盤の応力状態や変形係数などが挙げられ、このうち岩盤の応力状態は、トンネルや大深度地下空洞を新設するための設計、あるいは想定以上の変状が見られる既設トンネルや経年劣化が顕著な老朽トンネルなどを補強するための設計にとって、不可欠な情報といえる。
【0003】
岩盤の応力状態を把握するには原位置試験、すなわち実際に現地で応力測定を行うのが一般的であり、特に、特許文献1に示される「水圧破砕法」と、特許文献2、3に示される「応力解放法」に大別することができる。また、本願の出願人は、ボアホールジャッキ試験から得られる結果のみに基づいて岩盤初期応力を得ることができる好適な発明を特許文献4に開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-050591号公報
【特許文献2】特開昭62-220823号公報
【特許文献3】特開2005-69937号公報
【特許文献4】特開2021-60295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるような水圧破砕法は、ボーリング孔のうち所定区間をパッカーで塞栓するとともに、この部分に対して水圧を与えることで人工亀裂を発生させ、水圧と亀裂の関係から岩盤の応力を求める手法である。そのため、水圧破砕法を行うにはパッカーや高圧ポンプ、水タンク、ケーブルウィンチなど多様な機器を用意する必要があり、すなわち装置全体が大掛かりとなる。
【0006】
一方、特許文献2や特許文献3に示されるような応力解放法は、岩盤圧検出器(あるいは特殊加工したひずみ計)をセメントミルクや接着剤でボーリング孔内に固定したうえでオーバーコアリングを施し、このオーバーコアリング前後の解放ひずみを一定時間連続計測することで岩盤の応力を求める手法である。そのため、応力解放法を行うには、オーバーコアリングを構築する作業が必要となり、しかもグラウト等を用いて岩盤圧検出器や特殊ひずみ計をボーリング孔内に固定する作業も必要となる。
【0007】
このうち特許文献2に示される手法は、応力解放法のうち特に「電中研式埋設ひずみ法」と呼ばれるもので、湧水が多いケースでは岩盤圧検出器のグラウト固定が難しいことから不向きとされる。また、大孔径(通常φ200mm程度)のオーバーコアリングを必要とするため、多大な労力と時間を要するうえに、使用する各ひずみ計の感度係数を求めるためにオーバーコアリングによって採取したコアによる室内試験を実施しなければならない。特許文献3に示される手法は、応力解放法のうち特に「円錐孔底ひずみ法」と呼ばれるもので、湧水が少しでもあるケース、あるいは多孔質軟岩を対象とするケースでは、ひずみ計の接着固定が難しいことから不向きとされる他、変形係数やポアソン比を求めるためにやはり室内試験を行う必要がある。
【0008】
ところで、岩盤内の応力分布は一般的にそのばらつきが顕著であることから、1点(1のボーリング孔)のみの測定に留めず、多点で測定を行うことが望ましいとされている。しかしながら、特許文献1の手法では装置全体が大掛かりとなるため事前準備に時間を要し、特許文献2の方法では多大な労力と時間を要する。また、特許文献3の手法ではひずみ計設置に上記の制約条件が伴う。このように、オーバーコアリングの構築作業やグラウト固定作業が必要となるなど、従来手法によって数多くの点(ボーリング孔)で測定を行うことは決して現実的とはいえない。
【0009】
この点、特許文献4に開示される発明は、通常のボアホールジャッキ試験を行うだけで足り、すなわち低コストでしかも容易に試験を行うことができることから、多点での測定を無理なく実現することができる。しかしながらこの発明は、等方性の岩盤を前提とした解析技術であって、異方性を示す岩盤に適用した場合は十分な結果が得られない。
【0010】
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち原位置試験の結果から異方性岩盤の主応力を比較的容易に求めることができる主応力算出プログラムと、これを用いた主応力算出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、原位置試験における載荷初期圧pと、主応力(最大主応力σ 及び最小主応力σ )とがそれぞれ線形関係あることから、載荷初期圧pを算出する複雑な陰関数を比較的簡易な陽関数に変換することができる、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
【0012】
異方性を示す岩盤に設けられたボーリング孔の壁面を等変位載荷方式で加圧する載荷試験を、載荷方向を変えながら行って得られたN(Nは3以上の自然数)回分の第1変形係数E、第2変形係数E、及び載荷初期圧pに基づいて、岩盤の最大主応力σ 、最小主応力σ 、及び最大主応力σ の作用角αを求める機能を、コンピュータに実行させるプログラムであって、条件値取込処理と作用角設定処理、暫定主応力算出処理、感度係数算出処理、差分2乗和算出処理、作用角決定処理、主応力決定処理をコンピュータに実行させる機能を備えたものである。なお、第1変形係数Eは直交する3軸(第1軸、第2軸及び第3軸)のうち第1軸方向の変形係数であって、第2変形係数Eは第2軸方向の変形係数である。このうち条件値取込処理は、載荷試験における試験孔半径r及び載荷面曲率β、第1ポアソン比ν12(ただし、第1軸と第2軸を含む平面内)、第2ポアソン比ν13(ただし、第1軸と第3軸を含む平面内)、第1変形係数E、第2変形係数E、並びに載荷初期圧pを取込む処理である。作用角設定処理は、作用角αの候補となる複数種類の候補作用角α(i)を設定する処理であり、感度係数算出処理は、候補作用角α(i)ごとに次式で与えられる第1感度係数Ωと第2感度係数Ωを算出する処理である。
=Ω×σ (i)+Ω×σ (i)
暫定主応力算出処理は、候補作用角α(i)ごとに暫定最大主応力σ (i)と暫定最小主応力σ (i)を算出する処理であり、差分2乗和算出処理は、候補作用角α(i)ごとに、N回の試験それぞれについて次式で与えられる2乗差sを算出するとともに、N回分の2乗差の総和である総和2乗差を算出する処理である。
s=[p-Ω×σ (i)+Ω×σ (i)]
作用角決定処理は、候補作用角α(i)ごとに得られる総和2乗差のうち、最小の総和2乗差を選出するとともに、最小の総和2乗差に係る候補作用角α(i)を作用角αとして決定する処理である。主応力決定処理は、作用角決定処理で決定された作用角αに係る暫定最大主応力σ (i)と暫定最小主応力σ (i)を、それぞれ最大主応力σ と最小主応力σ として決定する処理である。
【0013】
本願発明の主応力算出プログラムは、暫定主応力算出処理が次式を用いた最小二乗法によって暫定最大主応力σ (i)と暫定最小主応力σ (i)を算出するものとすることもできる。
【数1】
【0014】
本願発明の主応力算出方法は、載荷試験(ボーリング孔壁面を等変位載荷方式で加圧する試験)を行うことによって、異方性を示す岩盤の最大主応力σ と、最小主応力σ 、最大主応力σ の作用角αを求める方法であって、載荷試験工程と解析工程を備えた方法である。このうち載荷試験工程では、載荷方向を変えながら岩盤に対してN(Nは3以上の自然数)回の載荷試験を行い、解析工程では、本願発明の主応力算出プログラムを使用し、N回分の試験結果に基づいて岩盤の前記最大主応力σ と、最小主応力σ 、主応力の作用角αを求める。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の主応力算出プログラム、及び主応力算出方法には、次のような効果がある。
(1)原位置試験の結果に基づいて、比較的容易に異方性岩盤の主応力を求めることができる。
(2)異方性を考慮することによって、主応力の測定結果のばらつきを低減することができる。
(3)岩盤内の空洞や構造物等の数値解析を行う場合、岩盤の主応力の異方性を考慮した入力値を採用することができ、従来に比してより的確に空洞や構造物等を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)はボアホールジャッキ試験を説明する鉛直断面図、(b)はボアホールジャッキ試験を説明する水平断面図。
図2】(a)は載荷方向が0°で載荷されたときの最大主応力と最小主応力を示す水平断面図、(b)は載荷方向が-45°で載荷されたときの最大主応力と最小主応力を示す水平断面図。
図3】(a)は層方向が水平面である異方性岩盤の3軸方向の変形係数を模式的に示す斜視図、(b)は水平面に対して傾斜した異方性岩盤の3軸方向の変形係数を模式的に示す斜視図。
図4】載荷初期圧と地盤反力係数を説明するグラフ図。
図5】Lekhnitskiiの異方性弾性理論を説明するための数式図。
図6】鎌田論文の理論を説明するための数式図。
図7】陰関数を導出するための各種数式を説明するための数式図。
図8】陰関数と陽関数を説明するための数式図。
図9】本願発明の主応力算出プログラムの主な処理の流れを示すフロー図。
図10】(a)4回分のボアホールジャッキ試験の載荷方向を示すデータ図、(b)は本願発明の主応力算出プログラムによる解析結果を示す解析結果図、(c)は作用角の変化に伴う総和2乗差の変化を示すグラフ図。
図11】作用角の変化に伴う総和2乗差の変化を示す解析結果図。
図12】本願発明の変形係数算出方法の主な工程を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明の主応力算出プログラム、及び主応力算出方法の実施形態の例を図に基づいて説明する。
【0018】
1.定義
本願発明の主応力算出プログラム、及び主応力算出方法の実施形態の例を説明するにあたって、はじめにここで用いる用語の定義を示しておく。
【0019】
(ボアホールジャッキ試験)
本願発明は、原位置試験を行った結果を用いて、岩盤の力学特性である主応力を求めることを技術的特徴のひとつとしている。そしてこの原位置試験としては、ボーリング孔壁面を等変位載荷方式で加圧する載荷試験を採用するとよい。便宜上ここでは、この載荷試験方法のことを「ボアホールジャッキ試験」ということとする。以下、本願発明におけるボアホールジャッキ試験の手法について説明する。
【0020】
図1は、ボアホールジャッキ試験を説明する図であり、(a)は鉛直面で切断した断面図、(b)はボーリング孔BHを水平面で切断した断面図である。この図に示すようにボアホールジャッキ試験を実施するにあたっては、あらかじめ構築されたボーリング孔BH内の所定位置に載荷装置(以下、「ボアホールジャッキJB」という。)を配置する。このボアホールジャッキJBは、ピストンジャッキと載荷板LBを含んで構成され、また油圧によって動作するピストンジャッキが載荷板LBを孔壁方向に押し付ける構造とされ、ボアホールジャッキJB内部には圧力計及び変位計が内蔵されている。なおこの油圧は、地上に設置された圧力源CPからホースHSを通じて伝達される。そしてボアホールジャッキJBに接続された通信ケーブルSCを通じて、データロガーDLが圧力(油圧)及び変位の値を記録する。図1(b)に示すように、載荷板LBは所定の幅を有しており、すなわち載荷板LBの幅寸法だけ孔壁を加圧することができる。便宜上ここでは、ボアホールジャッキJBの中心から載荷板LBの両端に広がる中心角の1/2を「載荷面曲率β」ということとし、ボーリング孔BH(試験孔)の半径を「試験孔半径r」ということとする(図1(b))。
【0021】
本願発明におけるボアホールジャッキ試験は、載荷方向を変えながらN回(Nは3以上の自然数)行われ、そしてN回分の試験結果が解析に用いられる。図2は、図1(b)と同様、ボーリング孔BHを水平方向に切断した断面図であって、載荷方向θと最大主応力σ (あるいは最小主応力σ )が作用する方向(以下、「作用角α」という。)の関係を示す図であり、(a)は載荷方向θが0°で載荷されたときの最大主応力σ と最小主応力σ を示し、(b)は載荷方向θが-45°で載荷されたときの最大主応力σ と最小主応力σ を示している。ここで載荷方向θとは、載荷板LBが孔壁を加圧する方向であり、水平面上にX軸とY軸からなる直交2軸を設定したとき、X軸の正方向を0°とし、反時計回りを正とする回転角である。もちろんX軸-Y軸は任意に設定することができ、回転角0°方向も例えばY軸の正方向とするなど任意に設定でき、回転角の正方向も反時計回りに代えて時計回りで設定することもできる。なお、この図では、載荷方向を変えた2回分のボアホールジャッキ試験の例を示しているが、上記したとおり本願発明では、載荷方向θを変えながら最低でも3回(例えば4回など)のボアホールジャッキ試験を行う必要がある。
【0022】
(第1変形係数と第2変形係数)
本願発明は、層理が発達した堆積岩や、片理の発達した変成岩、節理の発達した火成岩など変形特性に異方性を示す「異方性岩盤」の主応力を求めるものである。図3は、この異方性岩盤の3軸方向の変形係数を模式的に示す図であり、(a)は異方性岩盤の層方向(層理や片理、節理の方向)が水平面(この場合、x軸とz軸を含む面)であるケースを示し、(b)は異方性岩盤の層方向が水平面に対して傾斜しているケースを示している。
【0023】
図3に示すように異方性岩盤は、岩盤の走向と傾斜に沿って設定される直交の3軸方向にそれぞれ変形係数を有しており、便宜上ここでは、岩盤に設定される直交3軸方向をそれぞれ「第1軸」、「第2軸」、「第3軸」ということとし、さらに第1軸方向の変形係数を「第1変形係数E」、第2軸方向の変形係数を「第2変形係数E」、第3軸方向の変形係数を「第3変形係数E」ということとする。例えば、図3(a)のケースでは異方性岩盤の層方向が水平面であることからx軸方向に第1変形係数E、y軸方向に第2変形係数E、z軸方向に第3変形係数Eを設定することができる。一方、図3(b)のケースでは異方性岩盤の層方向が水平面から所定の角度(以下、「傾斜角φ」という。)だけ傾斜していることから、x軸から傾斜角φだけ傾斜した方向に第1変形係数E、y軸から傾斜角φだけ傾斜した方向に第2変形係数E、z軸方向に第3変形係数Eを設定することができる。
【0024】
通常、異方性岩盤は、各層の平面と平行な2つの変形係数(この場合、第1変形係数Eとz軸方向に第3変形係数E)は、向きが異なるだけでその大きさは略同値として取り扱うことができる。一方、各層の平面と垂直な変形係数(この場合、第2変形係数E)は、他の2方向の変形係数(この場合、第1変形係数Eとz軸方向に第3変形係数E)とはその大きさが相当程度相違する。そのため、便宜上ここでは第1変形係数E、第2変形係数E、及び傾斜角φを用いた例で説明することとする。
【0025】
(ポアソン比とせん断弾性係数)
異方性岩盤は、直交する3平面内それぞれでポアソン比を有することから、便宜上ここでは、第1軸(図3ではx軸)と第2軸(図3ではy軸)を含む平面内のポアソン比を「第1ポアソン比ν12」、第1軸(図3ではx軸)と第3軸(図3ではz軸)を含む平面内のポアソン比を「第2ポアソン比ν13」、第2軸(図3ではy軸)と第3軸(図3ではz軸)を含む平面内のポアソン比を「第3ポアソン比ν23」ということとする。また、第1軸と第2軸を含む平面内の岩盤のせん断弾性係数を「第1せん断弾性係数G12」、第1軸と第3軸を含む平面内の岩盤のせん断弾性係数を「第2せん断弾性係数G13」)ということとする。なお上記した理由から、第2軸と第3軸を含む平面内の岩盤のせん断弾性係数(第3せん断弾性係数G23)は、第1せん断弾性係数G12と略同値として取り扱うことができる。
【0026】
(載荷初期圧と地盤反力係数)
ボアホールジャッキ試験を行うと、載荷圧力と孔壁面の変位量を直交2軸のグラフにプロットすることができ、図4に示すように、載荷初期圧pを得ることができ、さらに載荷圧力と変位量との関係を示す直線部の勾配(つまり、載荷圧力増分と変位量増分の比)を「地盤反力係数K」として得ることができる。
【0027】
2.主応力算出プログラム
本願発明の主応力算出プログラムついて、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本願発明の主応力算出方法は、本願発明の主応力算出プログラムを利用して岩盤の主応力を求める方法であり、したがってまずは本願発明の主応力算出プログラムについて説明し、その後に本願発明の主応力算出方法について説明することとする。
【0028】
本願発明の主応力算出プログラムは、異方性岩盤を理論的に扱うため「Lekhnitskiiの異方性弾性理論(S.G.Lekhnitskii:Theory of Elasticity of an Anisotropic Body,Mir Publishers)」を用いるとともに、「鎌田論文(鎌田武司:だ円孔を有する異方性無限板の二次元混合境界値問題(日本機械学会論文集))の理論」を用いて種々の数値を導出している。そこで、「Lekhnitskiiの異方性弾性理論」と、「鎌田論文の理論」について簡単に説明する。
【0029】
(Lekhnitskiiの異方性弾性理論)
図5は、Lekhnitskiiの異方性弾性理論を説明するための数式図である。このうち数式(1)は、異方性弾性体におけるひずみと応力との関係を示す構成方程式である。なお、式中のσはx軸方向の直応力であり、同様にσはy軸方向の直応力、σはz軸方向の直応力、τxyはx軸とy軸を含む平面内のせん断応力、εはx軸方向の直ひずみ、εはy軸方向の直ひずみ、γxyはx軸とy軸を含む平面内のせん断ひずみである。なお、この構成方程式のうち各応力成分の係数(b11~b66)のことを「弾性コンプライアンス」ということとする。
【0030】
弾性コンプライアンス(b11~b66)は、図5の数式(4)に示すように、弾性コンプライアンス(a11~a66)で表すことができる。そしてこの弾性コンプライアンス(a11~a66)は、図5の数式(2)に示すように、第1ポアソン比ν12と第2ポアソン比ν13、第3ポアソン比ν23、第1せん断弾性係数G12、さらに第1変形係数Eと第2変形係数E、傾斜角φを用いて表すことができる。また図5の数式(3)に示すように、第1せん断弾性係数G12は第1ポアソン比ν12と第1変形係数E、第2変形係数Eを用いて表すことができ、第2せん断弾性係数G13は第2ポアソン比ν13と第1変形係数Eを用いて表すことができる。なお、弾性コンプライアンスは対称性があることから、aij=ajiやbij=bjiが成立する。
【0031】
(鎌田論文の理論)
図6は、鎌田論文の理論を説明するための数式図である。このうち数式(5)は、異方性を定量的に扱うための特性値μ(j=1,2)を求める4次代数方程式である。鎌田論文の理論では、特性値μ(j=1,2)は数式(5)の4解のうち|μ|<1を満たす2解として定義する。なお、式中のA~A図6の数式(6)で表される複素定数であり、文字に付されたバーは共役、iは虚数単位を示す。
【0032】
複素定数δとρ(j=1,2)を図6の数式(7)で定義したうえで、PとQ、Rを図6の数式(8)で定義すると、図6の数式(9)に示す2次方程式の解λが得られる。そして、図6の数式(10)を満たすように実定数κ(j=1,2)と実数κを設定する。また、この実数κを用いると、γとγ、γ’は図6の数式(11)のように定義することができる。
【0033】
(陰関数と陽関数)
最大主応力σ と最小主応力σ 、作用角αは、ここまで説明した種々の数値(以下、便宜上ここでは「鎌田定数」という。)と複素定数B、B(バーは共役)を用いた図7の数式(12)によって求めることができる。換言すれば、最大主応力σ と最小主応力σ 、作用角αが既知であれば鎌田定数と数式(12)によって複素定数B、Bを求めることができる。そして、鎌田定数と複素定数B、Bを用いた図7の数式(13)~数式(15)によって、図7の数式(16)を導くことができる。なお、数式(13)のrは試験孔半径rであり、数式(14)~数式(16)のβは載荷面曲率β、数式(15)のθと数式(16)のσはそれぞれ積分定数、数式(16)のΛ’は図1(b)に示す載荷範囲(4βで、単位はラジアン)である。
【0034】
数式(16)が得られると、載荷初期圧p図8の数式(17)によって表すことができる。なお、数式(16)のrは試験孔半径r、βは載荷面曲率βであり、Re[]はカッコ内の実数部、Im[]はカッコ内の虚数部を示す。ここで、数式(17)の第2式の右辺(つまり、X)は、第1変形係数Eと第2変形係数E、傾斜角φ、作用角α、そして最大主応力σ と最小主応力σ についての陰関数であり、載荷初期圧pは初期主応力(最大主応力σ 、最小主応力σ )と線形関係にあることから、数式(17)は図8の数式(18)に示す陽形式(以下、「陽関数」という。)で書き直すことができる。なお、数式(18)のΩとΩ は単位の 最大主応力σ 、最小主応力σ が作用したときの載荷初期圧pを意味し、便宜上ここではΩとΩを感度係数ということとする。これら感度係数ΩとΩ は、数式(17)と数式(18)において図8の数式(19)で算定される。
【0035】
(載荷初期圧)
N回のボアホールジャッキ試験が行われた場合、初期主応力(最大主応力σ 、最小主応力σ )は、感度係数Ω、Ωと載荷初期圧pを用いた図8の数式(20)によって求めることができる。より詳しくは、最小二乗法を用いて数式(20)を解くことで、初期主応力(最大主応力σ 、最小主応力σ )が求められる。なお、数式(18)では、ボアホールジャッキ試験ごとの感度係数Ω、Ωと載荷初期圧pを示しており、便宜上ここでは上部のカッコ内に示すi(i=1~N)によって試験回数を表している。
【0036】
数式(20)によって得られる初期主応力(最大主応力σ 、最小主応力σ )は、ボアホールジャッキ試験ごとのいわば解析上の暫定値であり、最終的に決定される初期主応力ではない。そこで、この解析上の最大主応力σ と最小主応力σ を、それぞれ「暫定最大主応力」と「暫定最小主応力」ということとする。また、暫定最大主応力と暫定最小主応力が得られると、これら初期主応力によってボアホールジャッキ試験ごとの解析上の載荷初期圧p(以下、「解析載荷初期圧p0c」という。)を、図8の数式(22)によって求めることができる。さらに、ボアホールジャッキ試験で実際に得られる試験ごとの載荷初期圧p(以下、便宜上「実測載荷初期圧p」という。)と、解析載荷初期圧p0cとの差分の2乗(以下、「2乗差S」という。)を求めることができるとともに、ボアホールジャッキ試験のN回分の2乗差Sの総和(以下、「総和2乗差ΣS」という。)を、図8の数式(21)によって求めることができる。
【0037】
(初期主応力の決定)
上記したとおり、図8の数式(18)は作用角αを変数とする陽関数であり、したがって作用角αによって感度係数Ω、Ωの値は変化するとともに、暫定最大主応力や暫定最小主応力、解析載荷初期圧p0c、総和2乗差ΣSの値もそれぞれ異なる。そこで、作用角αの値を変化させながら総和2乗差ΣSを求め、そのうち最小の値を示す総和2乗差ΣS(以下、特に「最小総和2乗差」という。)を選出することとした。なお便宜上ここでは、種々の値で設定される作用角αのことを、特に「候補作用角」ということとする。そして、最小総和2乗差が得られたときの候補作用角を最終的な「作用角α」として決定するとともに、その作用角αに係る暫定最大主応力と暫定最小主応力を最終的な最大主応力σ と最小主応力σ として決定するわけである。
【0038】
(処理の流れ)
続いて、本願発明の主応力算出プログラムの主な処理の流れについて図9を参照しながら説明する。図9は、本願発明の主応力算出プログラムの主な処理の流れを示すフロー図であり、中央の列に実施する処理を示し、左列にはその処理に必要な情報等を、右列にはその処理から生ずる情報等を示している。
【0039】
異方性岩盤に設けられたボーリング孔BH(図1)に対してN回のボアホールジャッキ試験を実施し、それぞれ試験結果が得られると、本願発明の主応力算出プログラムを用いて図9に示す一連の処理をコンピュータに実行させる。処理を開始するにあたっては、まず試験によって得られたN回分の試験結果を含む各種の条件値(試験孔半径r、載荷面曲率β、第1ポアソン比ν12、第2ポアソン比ν13、第1変形係数E、第2変形係数E、傾斜角φ、実測載荷初期圧p)を取り込む(図9のStep101)。具体的には、記憶された条件値を読み出したり、オペレータが条件値を入力したりすることによって試験結果を取り込む。
【0040】
条件値を取り込むと、その値を変化させながら候補作用角を設定する(図9のStep102)。なお便宜上ここでは、M(2以上の自然数)種類の候補作用角を設定することとし、j(j=1~M)種類目の候補作用角のことを「候補作用角α(j)」と表現することとする。候補作用角α(j)が設定されると、弾性コンプライアンス(b11~b66)を算出し(図9のStep103)、複素定数B(j)、B(j)を算出する(図9のStep104)。そして、解析載荷初期圧p0cを表す陰関数(図8の数式(17))を設定するとともに(図9のStep105)、この陰関数を書き直すことによって解析載荷初期圧p0cを表す陽関数(図8の数式(18))を設定し、2つの感度係数(以下、「第1感度係数Ω(i,j)」と「第2感度係数Ω(i,j)」という。)を得る(図9のStep106)。ここで、各値に付した(j)は候補作用角α(j)ごとにその値が変化することを、(i,j)は試験ごとであって候補作用角α(j)ごとにその値が変化することを意味している。
【0041】
第1感度係数Ω(i,j)と第2感度係数Ω(i,j)が得られると、図8の数式(20)によって暫定最大主応力σ (i,j)と暫定最小主応力σ (i,j)を算出するとともに、図8の数式(22)によって解析載荷初期圧p0cを求め(図9のStep107)、さらに図8の数式(21)によって総和2乗差ΣS(j)を求める(図9のStep108)。
【0042】
総和2乗差ΣS(j)が得られると、異なる候補作用角α(j)を設定したうえで(図9のStep102)、一連の処理(図9のStep102~Step108)を繰り返し実行する。そして、M回の繰り返し処理が実行されると、最小の値を示す総和2乗差ΣS(j)を「最小総和2乗差」として選出するとともに(図9のStep109)、その最小総和2乗差が得られたときの候補作用角α(j)を「作用角α」として決定し、さらにその作用角αに係る暫定最大主応力σ (i,j)と暫定最小主応力σ (i,j)を最終的な最大主応力σ と最小主応力σ として決定する(図9のStep110)。
【0043】
(妥当性の検証)
発明者は、本願発明の主応力算出プログラムによる解析の手法の妥当性について検証している。以下、その内容について説明する。
【0044】
この検証では、図10(a)に示すように載荷方向を変えながら(θ=90°、45°、0°、-45°)4回のボアホールジャッキ試験を実施しており、また図11に示すように90種類(-88°~90°)の候補作用角α(j)を設定したうえで主応力算出プログラムによる解析を実行している。その結果、図10(c)や図11に示すように、候補作用角α(j)が90°となるときに総和2乗差ΣS(j)が最小の値を示した。なお、作用角α(j)=0°と作用角α(j)=90°は力学的には同じ状態であるためどちらを採用することもでき、また倍精度計算における-28乗は0であることを示すことから両者の総和2乗差ΣS(j)は同値として扱うことができる。そこで、ここでは作用角α(j)=90°を採用することとした。すなわちこのケースでは、最小総和2乗差が得られる作用角αが90°とされ、さらにこの作用角αが90°に係る最大主応力σ =5.0MPaと最小主応力σ =3.0MPaが決定されるわけである。そして発明者は、比較のためにこの検証において等方性としての解析を行っており、その結果を図10(b)に示している。これによれば、本願発明の主応力算出プログラムを用いた異方性としての解析は、実際の結果(設定値)と同値が得られているのに対して、一方の等方性としての解析結果は、実際の結果と異なる値(最大主応力σ が5.0MPa≠5.5MPa、作用角αが90°≠106°)を算出している。すなわち、本願発明の主応力算出プログラムを用いた異方性解析は、妥当であるといえる。
【0045】
3.変形係数算出方法
次に、本願発明の主応力算出方法ついて図を参照しながら説明する。なお、本願発明の主応力算出方法は、ここまで説明した本願発明の主応力算出プログラムを利用して岩盤の主応力を求める方法であり、したがって本願発明の主応力算出プログラムで説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の主応力算出方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.主応力算出プログラム」や「1.定義」で説明したものと同様である。
【0046】
図12は、本願発明の主応力算出方法の主な工程を示すフロー図である。この図に示すように、まずボーリングマシン等を用いて異方性岩盤を削孔(掘削)してボーリング孔BHを構築する(Step201)。ボーリング孔BHを構築すると、図1に示すようなボアホールジャッキ試験を実施する(Step202)。このとき、既述したとおり載荷方向θ を変えながら、計画したN回(3以上の自然数)だけ繰り返しボアホールジャッキ試験を実施する。
【0047】
ボアホールジャッキ試験を実施し、N回分の試験結果が得られると、本願発明の主応力算出プログラムを用いて図9に示す一連の処理をコンピュータに実行させることによって、異方性岩盤の最大主応力σ と最小主応力σ 、主応力の作用角αを求める(Step203)。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本願発明の主応力算出プログラム、及び主応力算出方法は、杭基礎、トンネルや地下空洞を新設するための設計、施工中の地下空洞の安定性検討、あるいは変状トンネル補強設計など、種々の構造物設計や安定性検討に利用することができる。本願発明によれば、その異方性を前提としたうえで適切に岩盤の主応力を評価することができ、これによって構造物等のより的確な設計が可能となり、その結果、我が国の建設インフラストラクチャーの高品質化につながることを考えれば、本願発明は産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
【符号の説明】
【0049】
BH ボーリング孔
CP 圧力源
HS ホース
JB ボアホールジャッキ
LB 載荷板
DL データロガー
SC 通信ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12