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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085850
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20230614BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
B60C19/00 B
B60C13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200133
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】助川 新
(72)【発明者】
【氏名】星野 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】森 敬友
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC47
3D131GA01
3D131LA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】周囲が暗い環境で、タイヤの外部から通信装置の位置を識別することができるタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ本体10と、前記タイヤ本体10の内部に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置40と、を備え、前記タイヤ本体10の外面上に位置し、前記通信装置40の位置を表示する標識領域50を備え、前記標識領域50は発光領域61、81を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ本体と、
前記タイヤ本体の内部に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置と、を備え、
前記タイヤ本体の外面上に位置し、前記通信装置の位置を表示する標識領域を備え、
前記標識領域は発光領域を備える、タイヤ。
【請求項2】
前記標識領域の前記発光領域は、周囲から識別可能な色又は形状を有する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記タイヤ本体は、
トレッド部と、
前記トレッド部のタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に向かって延在する第1サイド部及び第2サイド部と、を備え、
前記通信装置は、前記トレッド部、前記第1サイド部及び前記第2サイド部の1つの内部に埋設されている、又は、前記トレッド部、前記第1サイド部及び前記第2サイド部の1つの内面に取り付けられており、
前記標識領域の前記発光領域は、タイヤ幅方向、タイヤ径方向、及び、タイヤ周方向、の少なくともいずれかの方向で、前記通信装置と同じ位置に配置されている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記標識領域は、前記発光領域に囲まれる非発光領域を備える、請求項1から3のいずれか1つに記載のタイヤ。
【請求項5】
前記通信装置は、前記発光領域とタイヤ肉厚方向で重ならない位置に配置され、前記非発光領域とタイヤ肉厚方向で重なる位置に配置されている、請求項4に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
内部にRFタグなどの通信装置が埋設されているタイヤが知られている。特許文献1には、この種のタイヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-148953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤの内部に埋設されている、又は、タイヤの内面に取り付けられている通信装置の位置を、夜間などの周囲が暗い環境で、タイヤの外部から識別することは困難である。
【0005】
本発明は、周囲が暗い環境で、タイヤの外部から通信装置の位置を識別可能にする、タイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としてのタイヤは、タイヤ本体と、前記タイヤ本体の内部に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置と、を備え、前記タイヤ本体の外面上に位置し、前記通信装置の位置を表示する標識領域を備え、前記標識領域は発光領域を備える。
この構成により、周囲が暗い環境で、タイヤの外部から通信装置の位置を識別することができる。
【0007】
本発明の1つの実施形態として、前記標識領域の前記発光領域は、周囲から識別可能な色又は形状を有する。
この構成により、周囲が明るい環境であっても、タイヤの外部から通信装置の位置を識別することができる。
【0008】
本発明の1つの実施形態として、前記タイヤ本体は、トレッド部と、前記トレッド部のタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に向かって延在する第1サイド部及び第2サイド部と、を備え、前記通信装置は、前記トレッド部、前記第1サイド部及び前記第2サイド部の1つの内部に埋設されている、又は、前記トレッド部、前記第1サイド部及び前記第2サイド部の1つの内面に取り付けられており、前記標識領域の前記発光領域は、タイヤ幅方向、タイヤ径方向、及び、タイヤ周方向、の少なくともいずれかの方向で、前記通信装置と同じ位置に配置されている。
この構成により、暗い環境下で、標識領域の発光領域に基づき、通信装置の位置を、より容易に特定できる。
【0009】
本発明の1つの実施形態として、前記標識領域は、前記発光領域に囲まれる非発光領域を備える。
この構成により、暗い環境での標識領域の視認性を、高めることができる。
【0010】
本発明の1つの実施形態として、前記通信装置は、前記発光領域とタイヤ肉厚方向で重ならない位置に配置され、前記非発光領域とタイヤ肉厚方向で重なる位置に配置されている。
この構成により、例えばタイヤの廃棄時に、標識領域を利用することで、通信装置全体をタイヤから容易に除去することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周囲が暗い環境で、タイヤの外部から通信装置の位置を識別可能にする、タイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態としてのタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
図2図1に示すタイヤの第1標識領域の正面図である。
図3図1に示すタイヤの第1サイド部側から見た側面図である。
図4A図1に示す第1標識領域の一変形例を示す図である。
図4B図1に示す第1標識領域の一変形例を示す図である。
図4C図1に示す第1標識領域の一変形例を示す図である。
図4D図1に示す第1標識領域の一変形例を示す図である。
図4E図1に示す第1標識領域の一変形例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態としてのタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
図6】本発明の一実施形態としてのタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
図7図6に示すタイヤのトレッド外面の展開図の一部である。
図8A図6に示す第3標識領域の一変形例を示す図である。
図8B図6に示す第3標識領域の一変形例を示す図である。
図8C図6に示す第3標識領域の一変形例を示す図である。
図8D図6に示す第3標識領域の一変形例を示す図である。
図8E図6に示す第3標識領域の一変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るタイヤの実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。本明細書において、タイヤ幅方向とは、タイヤの中心軸と平行な方向をいう。タイヤ径方向とは、タイヤの中心軸と直交し、中心軸を中心とした半径方向をいう。タイヤ周方向とは、タイヤの中心軸を中心にタイヤが回転する方向をいう。
【0014】
本明細書において、「トレッド外面」とは、リムに組み付けるとともに規定内圧を充填したタイヤを、最大負荷荷重を負荷した状態(以下、「最大負荷状態」ともいう。)で転動させた際に、路面と接触することになる、タイヤの全周に亘る外周面を意味する。また、「トレッド端」とは、トレッド外面のタイヤ幅方向の外側端を意味する。
【0015】
本明細書において、「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指すが、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含まれる。「将来的に記載されるサイズ」の例として、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズが挙げられる。
【0016】
本明細書において、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等の産業規格に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記の産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、本明細書において、「最大負荷荷重」とは、上記の産業規格に記載されている適用サイズのタイヤにおける最大負荷能力に対応する荷重をいい、上記の産業規格に記載のないサイズの場合には、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明に係るタイヤの一実施形態としての空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」と記載する。)について、図面を参照して例示説明する。特に記載しない限り、以下に説明するタイヤ1は、リムに組み付けられ、規定内圧が充填され、最大負荷状態とされたタイヤ1を意味するものとする。タイヤ1の種類は特に限定されず、例えば、トラック・バス用のタイヤであってもよく、乗用車用のタイヤであってもよい。
【0018】
図1は、タイヤ1のタイヤ幅方向断面図である。図1に示すように、タイヤ1は、タイヤ本体10と、通信装置40と、を備える。
【0019】
タイヤ本体10は、トレッド部10aと、第1サイド部10b1と、第2サイド部10b2と、を備える。第1サイド部10b1は、トレッド部10aのタイヤ幅方向Aの一端部からタイヤ径方向Bの内側B2に向かって延在する。第2サイド部10b2は、トレッド部10aのタイヤ幅方向Aの他端部からタイヤ径方向Bの内側B2に向かって延在する。以下、第1サイド部10b1及び第2サイド部10b2を特に区別しない場合は、単に「サイド部10b」と記載する。
【0020】
サイド部10bは、サイドウォール部11と、ビード部12と、を備える。サイドウォール部11は、トレッド部10aのタイヤ幅方向Aの端部に連なり、タイヤ径方向Bの内側B2に延びている。ビード部12は、サイドウォール部11のタイヤ径方向Bの内側B2の端部に連なっている。
【0021】
より具体的に、本実施形態のタイヤ本体10は、ビードコア2と、ビードフィラ3と、カーカス4と、ベルト5と、トレッドゴム7と、サイドゴム8と、インナーライナ9と、を備える。但し、タイヤ本体10は、上記構成要素に限られず、他の構成要素を含んでもよい。
【0022】
[タイヤ本体10]
[[ビードコア2及びビードフィラ3]]
ビードコア2及びビードフィラ3は、サイド部10bのビード部12に埋設されている。ビードコア2は、周囲をゴムにより被覆されているビードコードを備えている。ビードコードはスチールコードにより形成されている。ビードフィラ3はゴム製であり、ビードコア2に対してタイヤ径方向Bの外側B1に位置する。
【0023】
[[カーカス4]]
カーカス4は、第1サイド部10b1のビード部12と第2サイド部10b2のビード部12とから構成される一対のビード部12の間、より具体的には一対のビードコア2の間に跨り、トロイダル状に延在している。具体的に、本実施形態のカーカス4は、カーカスプライ4aを含む。カーカスプライ4aは、各ビードコア2周りにタイヤ幅方向Aの内側から外側に折り返されている。カーカスプライ4aは、互いに平行に配列された複数のプライコードと、複数のプライコードを被覆しているコーティングゴムと、を備えてよい。本実施形態のカーカス4は、1枚のみのカーカスプライ4aを含むが、2枚以上のカーカスプライ4aを含んでもよい。カーカスプライ4aの複数のプライコードは、タイヤ周方向Cに対して例えば75°~90゜の角度で配列されてよい。カーカスプライ4aのプライコードは、例えばスチールコードなどの金属コードとすることができる。
【0024】
より具体的に、本実施形態のカーカスプライ4aは、一対のビードコア2間に位置する本体部4a1と、この本体部4a1に連なり、各ビードコア2周りにタイヤ幅方向Aの内側から外側に折り返されて形成されている折り返し部4a2と、を備えている。上述したビードフィラ3は、カーカスプライ4aの本体部4a1と折り返し部4a2との間に配置されている。
【0025】
[[ベルト5]]
ベルト5は、トレッド部10aに埋設されている。本実施形態のタイヤ本体10は、カーカス4のクラウン部のタイヤ径方向Bの外側B1に、4つのベルト5を備える。本実施形態の4つのベルト5は、第1ベルト5a、第2ベルト5b、第3ベルト5c及び第4ベルト5dである。以下、第1ベルト5a、第2ベルト5b、第3ベルト5c及び第4ベルト5dを特に区別しない場合には、単に「ベルト5」と記載する。第1ベルト5aは、第1ベルト5a、第2ベルト5b、第3ベルト5c及び第4ベルト5dの中で、タイヤ径方向Bにおいて最も内側B2に位置する。第4ベルト5dは、第1ベルト5a、第2ベルト5b、第3ベルト5c及び第4ベルト5dの中で、タイヤ径方向Bにおいて最も外側B1に位置する。第2ベルト5b及び第3ベルト5cは、タイヤ径方向Bにおいて、第1ベルト5aと第4ベルト5dとの間に位置する。より具体的に、第3ベルト5cは、第2ベルト5bのタイヤ径方向Bの外側B1に位置している。
【0026】
本実施形態では、第1ベルト5a、第2ベルト5b、第3ベルト5c及び第4ベルト5dにより、4層のベルト層が形成されている。具体的に、第1ベルト5aは、タイヤ径方向Bの最も内側B2に位置する第1ベルト層20aを形成している。第4ベルト5dは、タイヤ径方向Bの最も外側B1に位置する第4ベルト層20dを形成している。第2ベルト5bは、第2ベルト層20bを形成している。第3ベルト5cは、第3ベルト層20cを形成している。
【0027】
ベルト5は、互いに平行に配列された複数のベルトコードと、複数のベルトコードを被覆しているコーティングゴムと、を備えてよい。第1~第4ベルト層20a~20dは、ベルトコードがタイヤ周方向Cに対し所定の角度をなす傾斜ベルト層である。第1~第4ベルト層20a~20dのうちタイヤ径方向Bで隣接する2つのベルト層のベルトコード同士は、タイヤ周方向Cを基準として同方向に傾斜していてもよく、逆方向に傾斜していてもよい。
【0028】
ベルト5のベルトコードの材質は特に限定されない。ベルト5のベルトコードは、例えば、金属コードであってよく、有機繊維コードであってもよい。ベルト5のコーティングゴムに用いるゴム組成物は特に限定されない。
【0029】
[[トレッドゴム7]]
図1に示すように、トレッドゴム7は、カーカスプライ4aの本体部4a1のクラウン部、及び、第1~第4ベルト層20a~20dを構成する第1~第4ベルト5a~5d、のタイヤ径方向Bの外側B1に配置されている。本実施形態のトレッド部10aの外面であるトレッド外面13aは、トレッドゴム7により構成されている。図1に示すように、トレッド外面13aには、タイヤ赤道面CLが通過するセンター陸部7aを区画する2本の内側周方向溝7a1と、内側周方向溝7a1よりタイヤ幅方向Aの外側に位置し、内側周方向溝7a1との間に中間陸部7bを区画する2本の外側周方向溝7b1と、が形成されている。また、本実施形態のトレッド外面13aには、外側周方向溝7b1と、この外側周方向溝7b1よりタイヤ幅方向Aの外側に位置するトレッド端15と、の間に、ショルダー陸部7cが区画されている。なお、トレッド外面13aには、例えばタイヤ幅方向Aに延在する幅方向溝等が形成されていてもよい。
【0030】
[[サイドゴム8]]
サイドゴム8は、カーカスプライ4aの本体部4a1、及び、折り返し部4a2、のタイヤ幅方向Aの外側に配置されている。本実施形態のサイド部10bの外面であるサイド外面14aは、サイドゴム8により構成されている。サイドゴム8のタイヤ径方向Bの外側B1の端部は、上述のトレッドゴム7のタイヤ幅方向Aの端部に連なっている。
【0031】
このように、本実施形態では、タイヤ本体10の外面は、トレッド外面13a、及び、このトレッド外面13aに連なるサイド外面14a、を備える。タイヤ本体10は、外面上に、後述する通信装置40の位置を表示する標識領域50を備える。識別領域50の詳細は後述する(図2図3等参照)。
【0032】
[[インナーライナ9]]
インナーライナ9は、カーカスプライ4aの本体部4a1のタイヤ内面側を覆っており、タイヤ本体10の内面を構成している。タイヤ本体10の内面は、トレッド部10aの内面であるトレッド内面13bと、サイド部10bの内面であるサイド内面14bと、を備える。インナーライナ9は、カーカスプライ4aの本体部4a1のタイヤ内面側に積層されている。インナーライナ9は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムにより形成されてよい。
【0033】
[通信装置40]
図1に示すように、通信装置40は、タイヤ本体10の内部に埋設されている。但し、通信装置40は、タイヤ本体10の内面に取り付けられていてもよい。通信装置40が取り付けられるタイヤ本体10の内面としては、トレッド内面13bであってもよく、第1サイド部10b1の内面である第1サイド内面14b1であってもよく、第2サイド部10b2の内面である第2サイド内面14b2であってもよい。
【0034】
図1に示すように、本実施形態の通信装置40は、タイヤ本体10のサイド部10bの内部に埋設されている。より具体的に、本実施形態の通信装置40は、タイヤ本体10の第1サイド部10b1の内部に埋設されている。本実施形態の通信装置40は、第1サイド部10b1のうち、カーカス4の本体部4a1とサイドゴム8との間に埋設されている。但し、通信装置40は、第1サイド部10b1内の他の位置に埋設されていてもよい。また、上述したように、通信装置40は、第1サイド部10b1の内面に取り付けられていてもよい(図1において符号「40」で示す一点鎖線の位置参照)。
【0035】
更に、通信装置40は、第1サイド部10b1以外に配置されていてもよい。通信装置40は、例えば、タイヤ本体10の第2サイド部10b2の内部に埋設されていてもよく、第2サイド部10b2の内面に取り付けられていてもよい。また、通信装置40は、タイヤ本体10のトレッド部10aの内部に埋設されていてもよく(図5参照)、トレッド部10aの内面に取り付けられていてもよい(図6参照)。
【0036】
通信装置40は、タイヤ本体10の外部の所定の装置と無線通信可能な構成であればよく、通信装置40の構成は特に限定されない。通信装置40としては、例えば、RFタグが挙げられる。通信装置40としてのRFタグは、タイヤ本体10の外部に位置するリーダ/ライタと無線通信可能である。RFタグは、例えば、タイヤ本体10の外部に位置するリーダ/ライタから供給される電力により動作するパッシブ型のRFタグとしてよい。具体的に、通信装置40としてのRFタグは、リーダ/ライタのアンテナ部から、電波又は磁界に乗せて送信される情報を、RFタグのアンテナ部により受信可能である。整流(電波の場合)または共振(磁界の場合)により、RFタグのアンテナ部に電力が発生し、RFタグの記憶部及び制御部が所定の動作を実行する。RFタグの制御部は、例えば、RFタグの記憶部内の情報を読み出し、電波または磁界に乗せてアンテナ部から、リーダ/ライタに返信(送信)することができる。リーダ/ライタのアンテナ部は、RFタグからの電波又は磁界を受信する。リーダ/ライタの制御部は、受信した情報を取り出すことで、RFタグの記憶部に記憶されている情報を取得することができる。なお、RFタグの上述の記憶部及び制御部は、例えば、不揮発性メモリを含む集積回路(ICチップ)により構成されてよい。
【0037】
通信装置40は、例えば、その周囲に予め被覆ゴムが被覆されている被覆通信装置の状態で、タイヤ本体10内に埋設されていてもよい。かかる場合に、通信装置40の周囲を被覆する被覆ゴムは、隣接するタイヤ本体10の部位と異なる色に着色されていてもよい。
【0038】
[[[タイヤ本体10の外面の標識領域50]]]
図1に示すように、タイヤ本体10の外面上には、通信装置40の位置を表示する標識領域50が設けられている。本実施形態の標識領域50は、タイヤ本体10のサイド部10bの外面であるサイド外面14aに設けられている。より具体的に、本実施形態のタイヤ本体10は、第1サイド部10b1の外面である第1サイド外面14a1に設けられている第1標識領域50aと、第2サイド部10b2の外面である第2サイド外面14a2に設けられている第2標識領域50bと、を備える。
【0039】
図2図3は、第1標識領域50aを正面から見た図である。特に、図3は、タイヤ1を第1サイド部10b1側から見た側面図である。図3では、通信装置40の位置を破線により示している。
【0040】
図3に示すように、本実施形態では、第1標識領域50a及び通信装置40は、タイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置されている。ここで、「第1標識領域50a及び通信装置40がタイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置される」とは、タイヤ1の側面視(図3参照)で、第1標識領域50a及び通信装置40を通過する、タイヤ1の中心軸O周りの仮想円L1が、少なくとも1つ存在することを意味している。つまり、第1標識領域50a及び通信装置40それぞれのタイヤ径方向Bでの延在領域が完全に一致する場合に限られない。
【0041】
また、図3に示すように、本実施形態では、第1標識領域50a及び通信装置40は、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されている。ここで、「第1標識領域50a及び通信装置40がタイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置される」とは、タイヤ1の側面視(図3参照)で、タイヤ1の中心軸Oを通過し、かつ、中心軸Oに対して一方側で第1標識領域50a及び通信装置40を通過する、仮想直線L2が、少なくとも1つ存在することを意味している。つまり、第1標識領域50a及び通信装置40それぞれのタイヤ周方向Cでの延在領域が完全に一致する場合に限られない。
【0042】
換言すれば、本実施形態の第1標識領域50a及び通信装置40は、タイヤ肉厚方向Dにおいて重なっている。本実施形態の通信装置40は、そのタイヤ径方向B及びタイヤ周方向Cの延在領域の全域で、第1標識領域50aとタイヤ肉厚方向Dにおいて重なっている。つまり、本実施形態の通信装置40全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第1標識領域50aと重なっている。但し、通信装置40の一部のみが、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第1標識領域50aと重なっていてもよい。また、第1標識領域50a全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、通信装置40と重なっていてもよい。また更に、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第1標識領域50aの輪郭と通信装置40の輪郭とが一致していてもよい。つまり、第1標識領域50a全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、通信装置40の全体と重なっていてもよい。
【0043】
このように、本実施形態の第1標識領域50aは、その少なくとも一部がタイヤ肉厚方向Dにおいて通信装置40と重なる位置に、配置されている。そのため、タイヤ1の外部から第1標識領域50aを特定することにより、通信装置40の位置を特定することができる。
【0044】
また、図1図3に示すように、本実施形態の第1標識領域50aは、発光領域61を備える。発光領域61は、例えば、蓄えた光を放出する蓄光領域であってよい。第1標識領域50aが発光領域61を備えることで、夜間や暗所などの暗い環境において、第1標識領域50aをタイヤ1の外部から容易に特定できる。そのため、暗い環境において、通信装置40の位置を容易に特定できる。
【0045】
第1標識領域50aの発光領域61は、光を外部に放出する領域であれば特に限定されない。発光領域61は、例えば、蓄光材を含む蓄光塗料により構成されてよい。また、発光領域61は、例えば、タイヤ本体10の外面を構成するゴム組成物の一部に、蓄光材が混合されることにより形成されてよい。蓄光材を含むゴム組成物は、例えば、未加硫タイヤに貼着されて、未加硫タイヤと共に加硫されてもよい。また、蓄光材を含むゴム組成物は、例えば、加硫後のタイヤに貼着されてもよい。更に、発光領域61は、例えば、タイヤの外面の一部を構成する樹脂蓄光体により形成されてもよい。樹脂蓄光体は、例えば、ポリウレタンフォームなどの発泡樹脂の空隙に蓄光材を担持させて形成されてよい。樹脂蓄光体は、例えば、未加硫タイヤに貼着されて、未加硫タイヤと共に加硫されてもよい。また、樹脂蓄光体は、例えば、加硫後のタイヤに貼着されてもよい。
【0046】
蓄光材としては、特に限定されず、公知の蓄光材を用いてよい。蓄光材としては、例えば、組成式:SrAl2O4:Eu,Dy、Sr4Al14O25:Eu,Dy、SrAl2O4:Eu,Dy+Sr4Al14O25:Eu,Dy、Sr4Al14O25:Eu,Dy+CaAl2O4:Eu,Nd、CaAl2O4:Eu,Nd、ZnS:Cu,Mn,Co、ZnS:Cuなどが挙げられる。
【0047】
また、第1標識領域50aの発光領域61は、周囲から識別可能な色又は形状を有することが好ましい。図1に示すように、本実施形態の発光領域61は、周囲よりタイヤ幅方向Aの外側に向かって突出する凸部70の頂面に設けられている。このように、発光領域61が周囲から識別可能な色又は形状を有することで、暗い環境のみならず、例えば日中などの明るい環境であっても、第1標識領域50aを容易に特定できる。つまり、周囲が明るい環境であっても、タイヤ1の外部から通信装置40の位置を識別することができる。
【0048】
本実施形態の発光領域61は、凸部70の頂面に設けられているが、この構成に限られない。発光領域61は、例えば、凹部の底面に設けられていてもよい。また、発光領域61は、例えば、凸部70の頂面又は凹部の底面に設けられることに加えて又は代えて、周囲と異なる色を有してもよい。ここで、「異なる色」とは、色相、明度、彩度の少なくとも1つが異なることのみならず、模様、光沢の相違など、目視によって相違を把握できる違いがあることを意味する。発光領域61の着色は、例えば、上述した蓄光材と共に顔料を加えること、又は、上述した蓄光材を含む顔料を使用すること、より実現可能である。但し、本実施形態のように、発光領域61は、少なくとも凸部70の頂面に設けられることが好ましい。このようにすることで、例えば発光領域61が泥などに覆われて外部から視認され難くなるような、発光領域61の外部からの視認性の低下を、抑制できる。なお、凸部70の頂面に設けられる発光領域61は、例えば、凸部70の頂面に積層される蓄光塗料により構成されてよい。また、凸部70の頂面に設けられる発光領域61は、例えば、凸部70自体を、上述した蓄光材を含むゴム組成物、樹脂蓄光体などにより構成することで、実現されてもよい。
【0049】
また、図2に示すように、本実施形態の第1標識領域50aは、発光領域61に囲まれる非発光領域62を備えることが好ましい。このような非発光領域62が設けられることで、暗い環境での発光領域61と非発光領域62とのコントラストが強調される。そのため、暗い環境での第1標識領域50aの視認性を、高めることができる。
【0050】
本実施形態では、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で、非発光領域62の周囲全域が、発光領域61に囲まれている。より具体的に、本実施形態の第1標識領域50aの発光領域61は、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で円環状である。換言すれば、本実施形態の凸部70は、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で円環状であり、発光領域61は、この円環状の凸部70の頂面に設けられている。非発光領域62は、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で、円環状の発光領域61の内側に設けられている。但し、第1標識領域50aの発光領域61及び非発光領域62の構成は、この構成に限られない。暗い環境で、第1標識領域50aの非発光領域62が特定可能な態様であれば、非発光領域62の周囲に発光領域61が設けられていない位置があってもよい。このような態様としては、例えば、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で略C形状の発光領域61に囲まれる非発光領域62が挙げられる。但し、本実施形態のように、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)で、非発光領域62の周囲全域が、発光領域61に囲まれていることが好ましい。このようにすることで、暗い環境での発光領域61と非発光領域62とのコントラストが、より強調される。
【0051】
更に、本実施形態では、第1標識領域50aの非発光領域62のみが、タイヤ肉厚方向Dで、通信装置40と重なる構成とされている。換言すれば、第1標識領域50aの発光領域61が、タイヤ肉厚方向Dで、通信装置40と重ならない構成とされている。このようにすれば、発光領域61により、第1標識領域50aの正面視(図2図3参照)での通信装置40の輪郭(図3の破線参照)の外側の位置を特定できる。そのため、例えばタイヤ1の廃棄時に、第1標識領域50aを利用することで、通信装置40全体をタイヤ本体10から容易に除去することができる。
【0052】
非発光領域62は、発光領域61と異なる色を有してもよい。また、非発光領域62は、第1標識領域50aの周囲に位置する第1サイド部10b1の第1サイド外面14a1の色と異なる色を有してもよい。このようにすることで、明るい環境において、発光領域61、非発光領域62、及び、第1標識領域50aの周囲、それぞれの識別性を高めることができる。
【0053】
発光領域61と異なる色の非発光領域62は、例えば、顔料を含む塗料により構成されてよい。また、発光領域61と異なる色の非発光領域62は、例えば、タイヤ本体10の外面を構成するゴム組成物の一部に、カーボンブラック以外の別の顔料が混合されて着色されることにより形成されてよい。このような着色されたゴム組成物は、例えば、未加硫タイヤに貼着されて、未加硫タイヤと共に加硫されてもよい。また、着色されたゴム組成物は、例えば、加硫後のタイヤに貼着されてもよい。更に、発光領域61と異なる色の非発光領域62は、例えば、タイヤの外面の一部を構成する樹脂着色体により形成されてもよい。樹脂着色体は、例えば、ポリウレタンフォームなどの発泡樹脂の空隙に顔料を担持させて形成されてよい。樹脂着色体は、例えば、未加硫タイヤに貼着されて、未加硫タイヤと共に加硫されてもよい。また、樹脂着色体は、例えば、加硫後のタイヤに貼着されてもよい。
【0054】
また、図1に示すように、非発光領域62は、微細な凹凸面上に設けられてよい。微細な凹凸面は、例えば、ベース面と、このベース面上に平行に配置される、高さ0.1~1.0mmの複数のリッジ68と、を備えてよい。隣接する2つのリッジ68の頂部同士の距離は、例えば、0.3~1.5mmであることが好ましい。非発光領域62が、このような微細な凹凸面上に設けられることで、明るい環境下で、非発光領域62での光の反射がコントロールされ、光を反射する周囲の発光領域61との間で高いコントラストを実現できる。これにより、明るい環境において、発光領域61及び非発光領域62それぞれの識別性を、より高めることができる。
【0055】
また、本実施形態のタイヤ本体10は、第1サイド部10b1の外面上で突出する円柱状のベース突出部69と、このベース突出部69の頂面の外縁から突出する環状の凸部70と、を備える。そして、本実施形態の第1標識領域50aは、凸部70の頂面に設けられる発光領域61と、凸部70の内側でベース突出部69の頂面に設けられる非発光領域62と、により構成されている。つまり、本実施形態では、発光領域61のみならず、非発光領域62についても、第1標識領域50aの周囲より突出する部位の頂面に設けられている。このように、第1標識領域50aの全体を、タイヤ本体10の外面上で突出する部位の頂面に設けることで、第1標識領域50aの識別性を、より高めることができる。
【0056】
このような第1標識領域50aは、例えば、凸部70の頂面に蓄光材を含む塗料を積層し、凸部70の内側のベース突出部69の頂面に顔料を含む塗料を積層することで、実現可能である。また、ベース突出部69の部分と、凸部70の部分と、を別々に形成した後に積層して一体化させてもよい。ベース突出部69の部分は、例えば、上述した着色されたゴム組成物、樹脂着色体等により形成されてよい。また、凸部70の部分を、例えば、上述した蓄光材を含むゴム組成物、樹脂蓄光体等により形成されてよい。
【0057】
図1に示すように、本実施形態では、タイヤ本体10の第2サイド部10b2の第2サイド外面14a2に、第2標識領域50bが設けられている。第2標識領域50bは、第1標識領域50aと区別可能に構成されている。具体的に、本実施形態の第2標識領域50bは、発光領域81のみにより構成されている。つまり、本実施形態の第2標識領域50bは、正面視で輪郭内が全て発光領域81であり、非発光領域を含まない。このように、第1標識領域50a及び第2標識領域50bを区別可能な構成とすることで、第1標識領域50a及び第2標識領域50bの混同を防ぎ、第1標識領域50a及び第2標識領域50bが示す情報を区別できる。
【0058】
本実施形態において、第1標識領域50aが示す情報とは、タイヤ肉厚方向Dに重なる通信装置40の位置そのものである。これに対して、第2標識領域50bが示す情報は、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置である。本実施形態の第2標識領域50b及び通信装置40は、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されている。ここで、「第2標識領域50b及び通信装置40がタイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置される」とは、上述した第1標識領域50a及び通信装置40がタイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置される関係と同様である。つまり、本実施形態の第2標識領域50bは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置のみを示している。第1標識領域50aに加えて第2標識領域50bを設けることで、第1標識領域50aのみの場合と比較して、第2サイド部10b2側からであっても、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置が特定できる。そのため、例えば、タイヤ1を車両に装着した状態で、第1サイド部10b1が車両内側に配置され、第1標識領域50aが車両外側から見えない場合であっても、第2サイド部10b2の第2標識領域50bに基づき、通信装置40の位置を絞ることができ、タイヤ本体10の第1サイド部10b1の車両装着時の向きかかわらず、通信装置40の位置を容易に特定できる。
【0059】
本実施形態の第2標識領域50bは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示するが、この構成に限られない。第2標識領域50bは、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置を表示していてもよい。つまり、第2標識領域50b及び通信装置40は、タイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置されていてもよい。ここで、「第2標識領域50b及び通信装置40がタイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置される」とは、上述した第1標識領域50a及び通信装置40がタイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置される関係と同様である。また、第2標識領域50bは、通信装置40のタイヤ径方向B及びタイヤ周方向Cの位置を表示しておらず、通信装置40が第1サイド部10b1にあることのみを示していてもよい。つまり、第2標識領域50bは、第2サイド部10b2に通信装置40がないことを示す標識であってもよい。このように、第2標識領域50bは、通信装置40の何らかの位置情報を示すものであれば、特に限定されない。但し、上述したように、少なくとも通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示することが好ましい。
【0060】
また、第2標識領域50bの発光領域81は、周囲から識別可能な色又は形状を有することが好ましい。図1に示すように、本実施形態の発光領域81は、周囲よりタイヤ幅方向Aの外側に向かって突出する凸部71の頂面に設けられている。このように、発光領域81が周囲から識別可能な色又は形状を有することで、暗い環境のみならず、例えば日中などの明るい環境であっても、第2標識領域50bを容易に特定できる。
【0061】
本実施形態の発光領域81は、凸部71の頂面に設けられているが、この構成に限られない。発光領域81は、例えば、凹部の底面に設けられていてもよい。また、発光領域81は、例えば、凸部71の頂面又は凹部の底面に設けられることに加えて又は代えて、周囲と異なる色を有してもよい。但し、本実施形態のように、発光領域81は、少なくとも凸部71の頂面に設けられることが好ましい。このようにすることで、例えば発光領域81が泥などに覆われて外部から視認され難くなるような、発光領域81の外部からの視認性の低下を、抑制できる。なお、発光領域81は、例えば蓄光材を含む塗料など、上述した第1標識領域50aの発光領域61と同様の方法により形成されてよい。
【0062】
本実施形態の第2標識領域50bの発光領域81は、円柱状の凸部71の頂面全域に設けられているが、暗い環境で第1標識領域50aの発光領域61と区別可能な構成であれば、その態様は特に限定されない。また、第2標識領域50bは、円柱状の凸部71の頂面により構成されているが、明るい環境で第1標識領域50a特別可能な構成であれば、その態様は特に限定されない。第2標識領域50bの態様は、暗い環境及び明るい環境で、第1標識領域50aと区別可能であれば、特に限定されない。
【0063】
次に、図4A図4Eを参照して、第1標識領域50aの変形例について説明する。図4A図4Eは、タイヤ1を第1サイド部10b1側から見た側面図である。また、図4A図4Eでは、第1サイド部10b1に埋設されている通信装置40の位置を破線により示している。
【0064】
図4Aに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示する。但し、図4Aに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置を表示しない。つまり、図4Aに示す第1標識領域50a及び通信装置40は、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されているが、タイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置されていない。図4Aに示す第1標識領域50aによれば、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を特定できる。
【0065】
図4Bに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置を表示する。但し、図4Bに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示しない。つまり、図4Bに示す第1標識領域50a及び通信装置40は、タイヤ径方向Bにおいて同じ位置に配置されているが、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されていない。図4Bに示す第1標識領域50aによれば、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置を特定できる。
【0066】
図4Cに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示する。但し、図4Cに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置を表示しない。より具体的に、図4Cに示す第1標識領域50aは、タイヤ周方向Cの所定範囲を表示する。図4Cに示す第1標識領域50aは、タイヤ1の中心軸O周りの中心角が「θ」となる、タイヤ周方向Cの範囲を表示している。通信装置40は、第1標識領域50aが示すタイヤ周方向Cの範囲内に位置している。図4Cに示す第1標識領域50aによれば、通信装置40が位置するタイヤ周方向Cの範囲を特定できる。
【0067】
図4Cに示す例では、タイヤ周方向Cの異なる位置に配置されている2つの第1標識領域50aにより、通信装置40が位置するタイヤ周方向Cの範囲を示している。そして、各第1標識領域50aは、正面視で略三角形状の外形を有している。また、各第1標識領域50aの1つの頂点50a1が、タイヤ周方向Cで対向するように配置されている。このように、2つの第1標識領域50aによりタイヤ周方向Cの範囲を表示する場合には、各第1標識領域50aがタイヤ周方向Cで対向する頂点50a1を備えることが好ましい。このような頂点50a1を設けることで、2つの第1標識領域50aにより示すタイヤ周方向Cの範囲が、視覚的に分かり易くなる。各第1標識領域50aの正面視での外形は、図4Cに示す三角形状に限られない。但し、各第1標識領域50aの正面視での外形は、図4Cに示す三角形状が好ましい。このようにすることで、2つの第1標識領域50aにより示すタイヤ周方向Cの範囲が、視覚的に、より分かり易くなる。
【0068】
図4Dに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ径方向B及びタイヤ周方向Cの位置を表示する。より具体的に、図4Dに示す第1標識領域50aは、タイヤ周方向Cで、通信装置40と同じ位置に配置されている。また、図4Dに示す第1標識領域50aは、タイヤ径方向Bの所定範囲を表示する。通信装置40は、第1標識領域50aが示すタイヤ径方向Bの範囲内に位置している。図4Dに示す第1標識領域50aによれば、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を特定できると共に、通信装置40が位置するタイヤ径方向Bの範囲を特定できる。
【0069】
図4Dに示す例では、タイヤ径方向Bの異なる位置に配置されている2つの第1標識領域50aにより、通信装置40が位置するタイヤ径方向Bの範囲を示している。そして、各第1標識領域50aは、正面視で略三角形状の外形を有している。また、各第1標識領域50aの1つの頂点50a1が、タイヤ径方向Bで対向するように配置されている。このように、2つの第1標識領域50aによりタイヤ径方向Bの範囲を表示する場合には、各第1標識領域50aがタイヤ径方向Bで対向する頂点50a1を備えることが好ましい。このような頂点50a1を設けることで、2つの第1標識領域50aにより示すタイヤ径方向Bの範囲(図4Dの一点鎖線で示す仮想円L3及びL4の間の範囲)が、視覚的に分かり易くなる。各第1標識領域50aの正面視での外形は、図4Dに示す三角形状に限られない。但し、各第1標識領域50aの正面視での外形は、図4Dに示す三角形状が好ましい。このようにすることで、2つの第1標識領域50aにより示すタイヤ径方向Bの範囲が、視覚的に、より分かり易くなる。
【0070】
また、図4Dでは、2つの第1標識領域50aが、タイヤ周方向Cにおいて、通信装置40と同じ位置に配置されているが、異なる位置に配置されていてもよい。但し、図4Dに示すように、2つの第1標識領域50aは、タイヤ周方向Cにおいて、通信装置40と同じ位置に配置されていることが好ましい。このようにすることで、通信装置40のタイヤ径方向Bの位置に加えて、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を容易に特定できる。
【0071】
図4Eに示す第1標識領域50aは、通信装置40のタイヤ径方向B及びタイヤ周方向Cの位置を表示せず、通信装置40が第1サイド部10b1に位置することのみを示す。つまり、図4Eに示す第1標識領域50aは、通信装置40が第1サイド部10b1及び第2サイド部10b2(図1参照)のうち、第1サイド部10b1に位置することのみを示してもよい。但し、図1図3図4A図4Dに示すように、第1標識領域50aは、第1サイド部10b1に設けられている通信装置40の、タイヤ径方向B及びタイヤ周方向Cの少なくとも一方を示すことが好ましい。
【0072】
<第2実施形態>
次に、図5を参照して、本発明に係るタイヤの一実施形態としての空気入りタイヤ100(以下、単に「タイヤ100」と記載する。)について例示説明する。図5は、タイヤ100のタイヤ幅方向断面図である。本実施形態のタイヤ100は、上述したタイヤ1(図1参照)と比較して、通信装置40の配置されている位置のみが相違する。したがって、ここでは、通信装置40の配置されている位置、及び、第1標識領域50a及び第2標識領域50bが表示する情報、について説明し、第1実施形態のタイヤ1と共通する構成については説明を省略する。
【0073】
図5に示すように、タイヤ100は、タイヤ本体10のトレッド部10aに埋設されている通信装置40を備える。本実施形態の通信装置40は、トレッド部10a内に埋設されているが、トレッド内面13bに取り付けられていてもよい。図5に示すように、通信装置40は、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの一方側に配置されている。以下、説明の便宜上、通信装置40が配置されている、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの一方側を、単に「タイヤ幅方向Aの通信装置40側」と記載する。また、通信装置40が配置されていない、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの他方側を、単に「タイヤ幅方向Aの通信装置40側とは逆側」と記載する。
【0074】
本実施形態の第1標識領域50aの構成は、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、本実施形態の第1標識領域50aは、第1実施形態と異なり、通信装置40とタイヤ肉厚方向Dに重なっていない。本実施形態の第1標識領域50aは、タイヤ幅方向Aの通信装置40側を示している。つまり、第1標識領域50aにより、通信装置40がタイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aのどちら側に位置するかを特定できる。
【0075】
更に、本実施形態の第1標識領域50aは、タイヤ周方向Cにおいて、通信装置40と同じ位置に配置されていることが好ましい。このようにすることで、第1標識領域50aにより、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を特定できる。
【0076】
本実施形態の第2標識領域50bの構成は、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態の第2標識領域50bは、第1実施形態と同様、タイヤ幅方向Aの通信装置40側とは逆側を示している。つまり、第2標識領域50bにより、通信装置40がタイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aのどちら側に位置するかを特定できる。
【0077】
更に、本実施形態の第2標識領域50bは、タイヤ周方向Cにおいて、通信装置40と同じ位置に配置されていることが好ましい。このようにすることで、第2標識領域50bにより、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を特定できる。
【0078】
<第3実施形態>
次に、図6及び図7を参照して、本発明に係るタイヤの一実施形態としての空気入りタイヤ200(以下、単に「タイヤ200」と記載する。)について例示説明する。図6は、タイヤ200のタイヤ幅方向断面図である。図7は、タイヤ200のトレッド外面13aの展開図の一部である。図7では、通信装置40の位置を破線により示している。本実施形態のタイヤ200は、上述したタイヤ1(図1参照)、タイヤ100(図5参照)と比較して、通信装置40の配置されている位置、及び、第3標識領域50cを備える点で、構成が相違する。したがって、ここでは、この相違点について主に説明し、第1実施形態のタイヤ1及び第2実施形態のタイヤ100と共通する構成については説明を省略する。
【0079】
図6に示すように、タイヤ200は、タイヤ本体10のトレッド内面13bに取り付けられている通信装置40を備える。図5に示すように、本実施形態の通信装置40は、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの一方側に配置されている。以下、説明の便宜上、通信装置40が配置されている、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの一方側を、単に「タイヤ幅方向Aの通信装置40側」と記載する。また、通信装置40が配置されていない、タイヤ赤道面CLに対してタイヤ幅方向Aの他方側を、単に「タイヤ幅方向Aの通信装置40側とは逆側」と記載する。
【0080】
本実施形態の第1標識領域50a及び第2標識領域50bの構成は、上述した第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態の第1標識領域50a及び第2標識領域50bが示す情報についても、上述した第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、本実施形態のタイヤ200のタイヤ本体10は、第1標識領域50a及び第2標識領域50bのいずれか一方又は両方を備えなくてもよい。タイヤ200のタイヤ本体10が第1標識領域50a及び第2標識領域50bを備えることで、通信装置40の位置を、より容易に特定できる。
【0081】
第3標識領域50cは、タイヤ本体10のトレッド部10aの外面であるトレッド外面13aに配置されている。
【0082】
図7に示すように、本実施形態では、第3標識領域50c及び通信装置40は、タイヤ幅方向Aにおいて同じ位置に配置されている。ここで、「第3標識領域50c及び通信装置40がタイヤ幅方向Aにおいて同じ位置に配置される」とは、タイヤ200のトレッド外面13aの展開視(図7参照)で、第3標識領域50c及び通信装置40を通過する、タイヤ周方向Cに平行な仮想直線L5が、少なくとも1つ存在することを意味している。つまり、第3標識領域50c及び通信装置40それぞれのタイヤ幅方向Aでの延在領域が完全に一致する場合に限られない。
【0083】
また、図7に示すように、本実施形態では、第3標識領域50c及び通信装置40は、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されている。ここで、「第3標識領域50c及び通信装置40がタイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置される」とは、タイヤ200のトレッド外面13aの展開視(図7参照)で、第3標識領域50c及び通信装置40を通過する、タイヤ幅方向Aに平行な仮想直線L6が、少なくとも1つ存在することを意味している。つまり、第3標識領域50c及び通信装置40それぞれのタイヤ周方向Cでの延在領域が完全に一致する場合に限られない。
【0084】
換言すれば、本実施形態の第3標識領域50c及び通信装置40は、タイヤ肉厚方向Dにおいて重なっている。通信装置40は、そのタイヤ幅方向A及びタイヤ周方向Cの延在領域の全域で、第3標識領域50cとタイヤ肉厚方向Dにおいて重なっている。つまり、本実施形態の通信装置40全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第3標識領域50cと重なっている。但し、通信装置40の一部のみが、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第3標識領域50cと重なっていてもよい。また、第3標識領域50c全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、通信装置40と重なっていてもよい。また更に、タイヤ肉厚方向Dにおいて、第3標識領域50cの輪郭と通信装置40の輪郭とが一致していてもよい。つまり、第3標識領域50c全体が、タイヤ肉厚方向Dにおいて、通信装置40の全体と重なっていてもよい。
【0085】
このように、本実施形態の第3標識領域50cは、その少なくとも一部がタイヤ肉厚方向Dにおいて通信装置40と重なる位置に、配置されている。そのため、タイヤ200の外部から第3標識領域50cを特定することにより、通信装置40の位置を特定することができる。
【0086】
また、本実施形態の第3標識領域50cは、上述した第1標識領域50aと同様、発光領域91を備える。発光領域91の詳細は、第3標識領域50cの正面視(図7参照)での外形が略四角形状である点、及び、外側周方向溝7b1の底面に形成されている点、を除き、上述した第1標識領域50aの発光領域61と同様であるため、ここでは説明を省略する。明るい環境での識別性のために、第3標識領域50cの発光領域91は、例えば、外側周方向溝7b1の底面に設けられた凸部の頂面に設けられていてもよい。また、第3標識領域50cの発光領域91は、例えば、外側周方向溝7b1の底面で、周囲から識別可能な色を有していてもよい。
【0087】
また、図7に示すように、本実施形態の第3標識領域50cは、発光領域91に囲まれる非発光領域92を備えることが好ましい。非発光領域92の詳細は、第3標識領域50cの正面視(図7参照)での外形が略四角形状である点、及び、外側周方向溝7b1の底面に形成されている点、を除き、上述した第1標識領域50aの非発光領域62と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0088】
次に、図8A図8Eを参照して、第3標識領域50cの変形例について説明する。図8A図8Eは、タイヤ200のトレッド外面13aの展開図の一部である。また、図8A図8Eでは、トレッド内面13bに取り付けられている通信装置40の位置を破線により示している。
【0089】
図8Aに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を表示する。但し、図8Aに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示しない。つまり、図8Aに示す第3標識領域50c及び通信装置40は、タイヤ幅方向Aにおいて同じ位置に配置されているが、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されていない。図8Aに示す第3標識領域50cによれば、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を特定できる。
【0090】
図8Bに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示する。但し、図8Bに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を表示しない。つまり、図8Bに示す第3標識領域50c及び通信装置40は、タイヤ周方向Cにおいて同じ位置に配置されているが、タイヤ幅方向Aにおいて同じ位置に配置されていない。図8Bに示す第3標識領域50cによれば、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を特定できる。
【0091】
図8Cに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を表示する。但し、図8Cに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示しない。より具体的に、図8Cに示す第3標識領域50cは、タイヤ幅方向Aの所定範囲を表示する。通信装置40は、第3標識領域50cが示すタイヤ幅方向Aの範囲内に位置している。図8Cに示す第3標識領域50cによれば、通信装置40が位置するタイヤ幅方向Aの範囲を特定できる。
【0092】
図8Cに示す例では、タイヤ幅方向Aの異なる位置に配置されている2つの第3標識領域50cにより、通信装置40が位置するタイヤ幅方向Aの範囲を示している。そして、各第3標識領域50cは、正面視(図7参照)で略三角形状の外形を有している。また、各第3標識領域50cの1つの頂点50c1が、タイヤ幅方向Aで対向するように配置されている。このように、2つの第3標識領域50cによりタイヤ幅方向Aの範囲を表示する場合には、各第3標識領域50cがタイヤ幅方向Aで対向する頂点50c1を備えることが好ましい。このような頂点50c1を設けることで、2つの第3標識領域50cにより示すタイヤ幅方向Aの範囲が、視覚的に分かり易くなる。各第3標識領域50cの正面視での外形は、図8Cに示す三角形状に限られない。但し、各第3標識領域50cの正面視での外形は、図8Cに示す三角形状が好ましい。このようにすることで、2つの第3標識領域50cにより示すタイヤ幅方向Aの範囲(図8Cの一点鎖線で示す仮想直線L7及びL8の間の範囲)が、視覚的に、より分かり易くなる。
【0093】
図8Dに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置を表示する。但し、図8Dに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を表示しない。より具体的に、図8Dに示す第3標識領域50cは、タイヤ周方向Cの所定範囲を表示する。通信装置40は、第3標識領域50cが示すタイヤ周方向Cの範囲内に位置している。図8Dに示す第3標識領域50cによれば、通信装置40が位置するタイヤ周方向Cの範囲を特定できる。
【0094】
図8Dに示す例では、タイヤ周方向Cの異なる位置に配置されている2つの第3標識領域50cにより、通信装置40が位置するタイヤ周方向Cの範囲を示している。そして、各第3標識領域50cは、正面視(図7参照)で略三角形状の外形を有している。また、各第3標識領域50cの1つの頂点50c1が、タイヤ周方向Cで対向するように配置されている。このように、2つの第3標識領域50cによりタイヤ周方向Cの範囲を表示する場合には、各第3標識領域50cがタイヤ周方向Cで対向する頂点50c1を備えることが好ましい。このような頂点50c1を設けることで、2つの第3標識領域50cにより示すタイヤ周方向Cの範囲が、視覚的に分かり易くなる。各第3標識領域50cの正面視での外形は、図8Dに示す三角形状に限られない。但し、各第3標識領域50cの正面視での外形は、図8Dに示す三角形状が好ましい。このようにすることで、2つの第3標識領域50cにより示すタイヤ周方向Cの範囲(図8Dの一点鎖線で示す仮想直線L9及びL10の間の範囲)が、視覚的に、より分かり易くなる。
【0095】
また、図8Dでは、2つの第3標識領域50cが、タイヤ幅方向Aにおいて、通信装置40と異なる位置に配置されているが、同じ位置に配置されていてもよい。このようにすることで、通信装置40のタイヤ周方向Cの位置に加えて、通信装置40のタイヤ幅方向Aの位置を容易に特定できる。
【0096】
図8Eに示す第3標識領域50cは、通信装置40のタイヤ幅方向A及びタイヤ周方向Cの位置を表示せず、トレッド部10aのうちタイヤ幅方向Aの通信装置40側を示している。つまり、図8Eに示す第3標識領域50cは、トレッド部10aのうち、タイヤ赤道面CLを挟んで、通信装置40が配置されているタイヤ幅方向Aの一方側を示すものであってもよい。但し、図6図7図8A図8Dに示すように、第3標識領域50cは、トレッド部10aに設けられている通信装置40の、タイヤ幅方向A及びタイヤ周方向Cの少なくとも一方を示すことが好ましい。
【0097】
以上のように、第1~第3実施形態及び変形例に示す各種の標識領域50の発光領域により、暗い環境であっても、通信装置40の位置を容易に特定できる。
【0098】
特に、標識領域50の発光領域は、タイヤ幅方向A、タイヤ径方向B、及び、タイヤ周方向C、の少なくともいずれかの方向で、通信装置40と同じ位置に配置されていることが好ましい。このようにすれば、暗い環境下で、標識領域50の発光領域に基づき、通信装置40の位置を、より容易に特定できる。なお、本明細書では、図6図7図8Aに示す第3標識領域50cの発光領域91が、タイヤ幅方向Aで、通信装置40と同じ位置に配置されている例である。また、本明細書では、図1図3図4Bに示す第1標識領域50aの発光領域61、及び、第2標識領域50bの発光領域81が、タイヤ径方向Bで、通信装置40と同じ位置に配置されている例である。更に、本明細書では、図1図3図4A図4D図5図6図7図8A図8Eに示す第1標識領域50aの発光領域61、及び、第2標識領域50bの発光領域81が、タイヤ周方向Cで、通信装置40と同じ位置に配置されている。また、本明細書では、図6図7図8Bに示す第3標識領域50cの発光領域91が、タイヤ周方向Cで、通信装置40と同じ位置に配置されている。
【0099】
本発明に係るタイヤは、上述した実施形態及び変形例に記載した具体的な構成に限られず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更・組み合わせが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明はタイヤに関する。
【符号の説明】
【0101】
1、100、200:タイヤ、 2:ビードコア、 3:ビードフィラ、 4:カーカス、 4a:カーカスプライ、 4a1:本体部、 4a2:折り返し部、 5:ベルト、 5a~5d:第1~第4ベルト、 7:トレッドゴム、 7a:センター陸部、 7a1:内側周方向溝、 7b:中間陸部、 7b1:外側周方向溝、 7c:ショルダー陸部、 8:サイドゴム、 9:インナーライナ、 10:タイヤ本体、 10a:トレッド部、 10b:サイド部、 10b1:第1サイド部、 10b2:第2サイド部、 11:サイドウォール部、 12:ビード部、 13a:トレッド外面(タイヤ本体の外面の一例)、 13b:トレッド内面(タイヤ本体の内面の一例)、 14a:サイド外面(タイヤ本体の外面の一例)、 14a1:第1サイド外面、 14a2:第2サイド外面、 14b:サイド内面(タイヤ本体の内面の一例)、 14b1:第1サイド内面、 14b2:第2サイド内面、 15:トレッド端、 20a~20d:第1~第4ベルト層、 40:通信装置、 50:標識領域、 50a:第1標識領域、 50a1:頂点、 50b:第2標識領域、 50c:第3標識領域、 50c1:頂点、 61:第1標識領域の発光領域、 62:第1標識領域の非発光領域、 68:リッジ、 69:ベース突出部、 70:凸部、 71:凸部、 81:第2標識領域の発光領域、 91:第3標識領域の発光領域、 A:タイヤ幅方向、 B:タイヤ径方向、 B1:タイヤ径方向の外側、 B2:タイヤ径方向の内側、 C:タイヤ周方向、 D:タイヤ肉厚方向、 O:タイヤの中心軸、 CL:タイヤ赤道面、 L1、L3、L4:仮想円、 L2、L5~L10:仮想直線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E