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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085851
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230614BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200134
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】道用 大介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】配送を伴わずにユーザー側で立体物を生産しこれを手にすることが可能となる情報処理システム及び情報処理方法を提供すること。
【解決手段】サーバ1は、立体物の画像を含むWebページがユーザー端末2に送信されるようにするWebページ送信手段と、ユーザー端末2からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、受信したプリント要求に応じて立体物を造形するための制御コードが制御端末3に送信されるようにする制御コード送信手段とを備える。制御端末3は、受信した制御コードを用いて立体物の造形が行われるように3Dプリンター4を制御する3Dプリンター制御手段を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンターを用いて立体物を造形する情報処理システムであって、
アカウントが登録されたユーザーの操作するユーザー端末との通信が可能な情報処理装置と、
前記3Dプリンター側に配設され且つ前記情報処理装置との通信が可能で且つ前記アカウントに紐付けされた制御端末と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記立体物の画像を含むWebページが前記ユーザー端末に送信されるようにするWebページ送信手段と、
前記Webページを基に前記ユーザー端末からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、
少なくとも受信した前記プリント要求に応じて前記立体物を造形するための制御コードが前記制御端末に送信されるようにする制御コード送信手段と、を備え、
前記制御端末は、
受信した前記制御コードを用いて前記立体物の造形が行われるように前記3Dプリンターを制御する3Dプリンター制御手段を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記制御端末は、
前記プリント要求を受信したか否かを確認する確認要求が所定タイミングで前記情報処理装置に送信されるようにする確認要求送信手段を更に備え、
前記制御コード送信手段は、
受信した前記確認要求及び受信した前記プリント要求に応じて前記制御コードが前記制御端末に送信されるようにする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御端末は、
受信した前記制御コードを所定の記憶部に一時的に記憶させておく制御コード記憶処理手段と、
前記立体物の造形後に、前記記憶部に記憶させておいた前記制御コードを消去する制御コード消去手段と、を更に備える、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御端末は、
前記3Dプリンターに対して一体になっている、及び、一体になっていない、のうち何れかである、
請求項1乃至3何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記立体物の3Dモデルデータに関し、前記ユーザー端末から送信されたダウンロード要求を受信するダウンロード要求受信手段と、
受信した前記ダウンロード要求に応じて前記ユーザー端末に前記3Dモデルデータが送信されるようにする3Dモデルデータ送信手段と、を更に備える、
請求項1乃至4何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
受信した前記プリント要求及び受信した前記ダウンロード要求から、少なくとも要求の累積数を記録してこれを前記立体物のニーズに関する要求の傾向情報とする傾向情報記録処理手段を更に備える、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
3Dプリンターを用いて立体物を造形する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
アカウントが登録されたユーザーの操作するユーザー端末との通信が可能な情報処理装置が実行するステップと、
前記3Dプリンター側に配設され且つ前記情報処理装置との通信が可能で且つ前記アカウントに紐付けされた制御端末が実行するステップと、
を含み、
前記情報処理装置が実行するステップとしては、
前記立体物の画像を含むWebページが前記ユーザー端末に送信されるようにするWebページ送信ステップと、
前記Webページを基に前記ユーザー端末からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信ステップと、
少なくとも受信した前記プリント要求に応じて前記立体物を造形するための制御コードが前記制御端末に送信されるようにする制御コード送信ステップと、を含み、
前記制御端末が実行するステップとしては、
受信した前記制御コードを用いて前記立体物の造形が行われるように前記3Dプリンターを制御する3Dプリンター制御ステップを含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットを利用して商品を購入する通信販売システムが急速に普及している(例えば、特許文献1参照)。Webページにより注文された商品は、配送業者により配送される。この配送により、購入者(システムを利用するユーザー側)の手元に商品が届く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-237937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の通信販売システムにあっては、生産された物品(立体物)が商品として在庫され、注文があるとその注文に応じた物品が指定された配送先に配送される。従来の通信販売システムでは、物品を手にするまでに少なくとも配送が必要になる。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、配送を伴わずにユーザー側で立体物を生産しこれを手にすることが可能となる情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
3Dプリンターを用いて立体物を造形する情報処理システムであって、
アカウントが登録されたユーザーの操作するユーザー端末との通信が可能な情報処理装置と、
前記3Dプリンター側に配設され且つ前記情報処理装置との通信が可能で且つ前記アカウントに紐付けされた制御端末と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記立体物の画像を含むWebページが前記ユーザー端末に送信されるようにするWebページ送信手段と、
前記Webページを基に前記ユーザー端末からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、
少なくとも受信した前記プリント要求に応じて前記立体物を造形するための制御コードが前記制御端末に送信されるようにする制御コード送信手段と、を備え、
前記制御端末は、
受信した前記制御コードを用いて前記立体物の造形が行われるように前記3Dプリンターを制御する3Dプリンター制御手段を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法は、上述の本発明の一態様の情報処理システムに対応する方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配送を伴わずにユーザー側で立体物を生産しこれを手にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
図2】情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】情報処理システムのうち、サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】情報処理システムのうち、制御端末の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】情報処理システムのうち、サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図7】情報処理システムのうち、制御端末の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
図9】本発明の更に他の実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
図10】Webページの一例を示す図である。
図11図10のWebページからペンスタンドを選択(左上のリンクボタンを選択)した時の一例を示す図である。
図12図10のWebページから簡易クリップを選択(上真ん中のリンクボタンを選択)した時の一例を示す図である。
図13図10のWebページからペンスタンドを選択(左真ん中のリンクボタンを選択)した時の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本サービスの概要について>
図1は、本発明の情報処理システム100により提供される本サービスの概要を示す図である。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1において、本サービスは、サービス提供者(図示省略)により提供されて、ユーザー(図示省略)により利用されるサービスである。サービス提供者は、3Dプリンター4側で接続される制御端末3を管理する者である。サービス提供者は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報処理端末であるユーザー端末2を介して、ユーザーに対し本サービスを提供する。サービス提供者は、本サービスを提供することにより、ユーザー側で3Dプリンター4を用いた立体物の生産(造形)を行わせ、そして、この生産された立体物をユーザーが手にすることを実現する。
【0012】
本サービスは、本サービスの利用を可能とするために、ユーザーがアカウント登録をする必要がある。即ち、会員登録をする必要がある。会員登録の際には、IDとパスワードの2つが少なくとも設定される。会員登録された情報は、制御端末3にも紐付けされる。
例えば、クラウド環境に存在するサーバ1(情報処理装置)には、インターネット等の所定のネットワークN(図2参照)を介してユーザー端末2や制御端末3が接続される。ユーザー端末2は、ここでは1つのみ図示されるが、実際には複数(多数)存在する。また、制御端末3もユーザー端末2と同様に複数(多数)存在する。制御端末3は、サービス提供者から、例えば、貸与される装置である(貸与は一例である)。3Dプリンター4は、ここではユーザーが所有する装置である。3Dプリンター4は、例えば、家庭内に配置され制御端末3に接続される(家庭内の配置は一例であり、他の例については後述する)。3Dプリンター4と制御端末3は、USBを介したシリアル通信で接続される(接続方法は一例である)。
【0013】
以下、本サービスの提供により、最終的にユーザー側で3Dプリンター4を用いた立体物の生産(造形)を行わせるまでの流れの一例を説明する。
【0014】
ユーザーは、ユーザー端末2を操作し、Webブラウザを起動する。この起動により、又は、ユーザーの操作により、ユーザー端末2は、Webブラウザで指定したWebページの要求をサーバ1に送信する(図1の矢印「(1)Webページ要求」参照)。サーバ1では、ユーザー端末2からのWebページ要求を受信すると、Webブラウザで指定されたWebページをユーザー端末2に送信する(図1の矢印「(2)Webページ送信」参照)。ユーザー端末2では、サーバ1から送信されたWebページを受信すると、このWebページを表示する(Webページの表示例については、図10を参照しながら後述する)。ユーザーは、ユーザー端末2に表示されたWebページの後述する複数のリンクボタンを見ながら3Dプリンター4で造形したい立体物となるプリント対象物を選択する(図1の矢印「(3)プリント対象の選択」参照)。選択は、例えば、マウスをクリックする等にて行われる。ユーザー端末2では、ユーザーにより選択されたプリント対象物に関するプリント要求をサーバ1に送信する(図1の矢印「(4)プリント要求」参照)。
【0015】
サーバ1では、プリント要求を受信すると共に、制御端末3から送信された確認要求の受信を待つ(図1の矢印「(5)確認要求」参照)。確認要求とは、サーバ1がプリント要求を受信したか否かを確認するための要求である。制御端末3は、確認要求を所定のタイミグで送信する。具体的には、例えば、1秒間隔で確認要求に相当する信号をサーバ1に送信する。なお、制御端末3による確認要求の送信に関しては一例であり、図8を参照しながら後述する例を採用してもよい。
【0016】
サーバ1では、プリント要求及び確認要求を夫々受信すると、プリント対象物に対応する制御コードを所定の記憶部(記憶部に構築されたデータベース)から取得する。そして、この取得した制御コードを制御端末3に送信する(図1の矢印「(6)制御コード送信」参照)。ここで「制御コード」とは、3Dプリンター専用のGコード(G-CODE)のことをいう。Gコードは、3Dプリンター4を動作させるためのデータである。即ち、制御用のコードである。制御コード(Gコード)が送信されることで、ユーザー側ではスライサーソフトの用意や、高度な知識を必要としない。
【0017】
制御端末3では、制御コードを受信すると、この受信した制御コードを一時的に所定の記憶部に記憶させる(図1の矢印「(7)制御コード記憶」参照)。また、制御端末3では、制御コードを、例えば、USBを介したシリアル通信により3Dプリンター4に送信し、3Dプリンター4を制御する(図1の矢印「(8)3Dプリンター制御」参照)。3Dプリンター4では、受信した制御コードに基づき、ユーザーが選択したプリント対象物である立体物を造形する。立体物の造形が完了すると、制御端末3では、所定の記憶部に記憶させておいた制御コードを消去する(図1の矢印「(9)制御コードの消去」参照)。
【0018】
以上により、ユーザー側で3Dプリンター4を用いた立体物の生産(造形)を行わせることができる。そして、この生産された立体物をユーザーは手にすることができる。
【0019】
なお、立体物は1つのみであり、複数回の生産(造形)ができないことから、例えば、悪意のある使用を防止することができる。
【0020】
<情報処理システム100に関するシステム構成について>
図2は、情報処理システム100に関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
情報処理システム100は、サーバ1(情報処理装置)と、ユーザー端末2と、制御端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されると共に、制御端末3に3Dプリンター4が有線や、近距離無線通信等により接続されることで構成される。
ユーザー端末2は、ここでは1つのみ図示されるが、複数(多数)存在する。また、制御端末3及び3Dプリンター4もユーザー端末2と同様に複数(多数)存在する。
【0022】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図3は、図2の情報処理システム100のうち、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えて構成される。
【0024】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0025】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続される。このバス14には、入出力インターフェース15が接続される。
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。
【0026】
出力部16は、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、所定のネットワークNを介してユーザー端末2や制御端末3との間で行う通信を制御する。
【0027】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。
ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0028】
以上のようなサーバ1と、後述するユーザー端末2及び制御端末3とに関し、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0029】
<ユーザー端末2のハードウェア構成について>
図2に戻り、ユーザー端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、スマートフォン等の情報処理端末である。ユーザー端末2のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、上述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、表示部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備えて構成される。
【0030】
<制御端末3のハードウェア構成について>
図3は、図2の情報処理システム100のうち、制御端末3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
制御端末3のハードウェア構成もサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、制御端末3は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、バス34と、入出力インターフェース35と、出力部36と、入力部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40とを備えて構成される。通信部39は、所定のネットワークNを介してサーバ1との間で行う通信を制御する。また、通信部39は、3Dプリンター4との間で行う有線での通信(USBを介したシリアル通信)も制御する(無線での通信を採用してもよい)。なお、ドライブ40及びリムーバブルメディア41は、必要に応じて設けられる。制御端末3のハードウェア構成に関し、例えば、制御端末3自身が3Dプリンター4に組み込まれた場合には上述に限らない。即ち、制御端末3と3Dプリンター4を一体にした場合においては、通信部39を設けなくてもよい。
【0032】
<3Dプリンター4のハードウェア構成について>
図2に戻り、3Dプリンター4のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部とを備えて構成される。3Dプリンター4は、3Dプリンターヘッド及びこの3Dプリンターヘッドを駆動する駆動機構等を有する。ここでは、樹脂製の立体物を造形するための立体物造形部を備える。
【0033】
<サーバ1の機能的構成について>
図4は、図2の情報処理システム100のうち、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0034】
サーバ1は、図3を参照しながら上述したように、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備えて構成される。サーバ1には、通信部19を介してユーザー端末2及び制御端末3が接続される。
【0035】
CPU11は、Webページ送信部111(Webページ送信手段)と、プリント要求受信部112(プリント要求受信手段)と、確認要求受信部113(確認要求受信手段)と、制御コード送信部114(制御コード送信手段)と、ダウンロード要求受信部115(ダウンロード要求受信手段)と、3Dモデルデータ送信部116(3Dモデルデータ送信手段)と、傾向情報記録処理部117(傾向情報記録処理手段)とを備えて構成される。
【0036】
別な言い方をすれば、サーバ1(情報処理装置)のCPU11においては、動作する際に、Webページ送信部111と、プリント要求受信部112と、確認要求受信部113と、制御コード送信部114と、ダウンロード要求受信部115と、3Dモデルデータ送信部116と、傾向情報記録処理部117とが機能する。
【0037】
記憶部18は、Webページ記憶部181と、制御コード記憶部182と、3Dモデルデータ記憶部183と、傾向情報記憶部184とを有する。
なお、例えば、制御コード記憶部182及び3Dモデルデータ記憶部183を、サーバ1とは別の情報処理装置、例えば、データベースサーバに設けてもよい。
【0038】
CPU11のWebページ送信部111は、ユーザー端末2のWebブラウザで指定されたWebページの要求を受信して、Webページ記憶部181から該当するWebページを取得する処理を実行する。また、Webページ送信部111は、取得したWebページが通信部19を介してユーザー端末2に送信されるよう処理を実行する。
【0039】
プリント要求受信部112は、ユーザー端末2からのプリント要求を受信する処理を実行する。また、プリント要求受信部112は、プリント要求を受信した旨を記憶しておく処理を実行する。
【0040】
確認要求受信部113は、制御端末3からの確認要求を受信する処理を実行する。また、確認要求受信部113は、確認要求を受信した旨を記憶しておく処理を実行する。
なお、図8を参照しながら後述する例では、確認要求受信部113は機能しない。
【0041】
制御コード送信部114は、プリント要求及び確認要求を夫々受信したか否かを判断する処理を実行する。また、制御コード送信部114は、各要求を受信していた場合に、プリント対象物(3Dプリンター4で造形したい立体物となるプリント対象物)に対応する制御コード(3Dプリンター専用のGコード)を制御コード記憶部182から取得する処理を実行する。また、制御コード送信部114は、取得した制御コードが通信部19を介して制御端末3に送信されるよう処理を実行する。
【0042】
ダウンロード要求受信部115は、図9を参照しながら後述する例において機能する。ダウンロード要求受信部115は、ユーザー端末2からのダウンロード要求を受信する処理を実行する。ここで「ダウンロード要求」とは、ユーザーがユーザー端末2に表示されたWebページの後述するリンクボタンを見ながら立体物の3Dモデルデータ(例えば、STLデータ)のダウンロードをしたい場合に、後述するダウンロードボタンをクリックすることをいう。
【0043】
3Dモデルデータ送信部116は、ダウンロード要求受信部115と同様、図9を参照しながら後述する例において機能する。3Dモデルデータ送信部116は、上述の「ダウンロード要求」の受信に基づき、対応する3Dモデルデータを3Dモデルデータ記憶部183から取得する処理を実行する。また、3Dモデルデータ送信部116は、取得した3Dモデルデータが通信部19を介してユーザー端末2に送信されるよう処理を実行する。
【0044】
傾向情報記録処理部117は、受信したプリント要求及び受信したダウンロード要求から、少なくとも立体物に関する要求の累積数を記録して、これを立体物のニーズに関する要求の傾向情報とする処理を実行する。要求の累積数の記録は、傾向情報記憶部184に記憶される。立体物の傾向情報から、例えば、ユーザーがどのような物を欲しているか(ニーズ)を把握することができる。
【0045】
記憶部18のWebページ記憶部181は、Webページを記憶しておく記憶領域である。
制御コード記憶部182は、制御コード(3Dプリンター専用のGコード)を記憶しておく記憶領域である。
3Dモデルデータ記憶部183は、3Dモデルデータ(後述するSTLデータ)を記憶しておく記憶領域である。
傾向情報記憶部184は、立体物の傾向情報を記憶しておく記憶領域である。
【0046】
<制御端末3の機能的構成について>
図5は、図2の情報処理システム100のうち、制御端末3の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0047】
制御端末3は、図3を参照しながら上述したように、CPU31と、記憶部38と、通信部39等とを備えて構成される。制御端末3には、通信部39を介してサーバ1が接続される。また、制御端末3には、例えば、USBを介したシリアル通信により3Dプリンター4が接続される。
【0048】
CPU31は、確認要求送信部311(確認要求送信手段)と、制御コード受信部312(制御コード受信)と、制御コード記憶処理部313(制御コード記憶処理手段)と、3Dプリンター制御部314(3Dプリンター制御手段)と、制御コード消去部315(制御コード消去手段)とを備えて構成される。
【0049】
別な言い方をすれば、制御端末3のCPU31においては、動作する際に、確認要求送信部311と、制御コード受信部312と、制御コード記憶処理部313と、3Dプリンター制御部314と、制御コード消去部315とが機能する。
【0050】
記憶部38は、制御コード記憶部381を有する。制御コード記憶部381は、制御端末3においてサーバ1から受信した制御コードを一時的に記憶しておく記憶領域である。
【0051】
CPU31の確認要求送信部311は、サーバ1に対しプリント要求を受信したか否かを確認するための要求、即ち確認要求が送信されるよう処理を実行する。確認要求送信部311は、ここでは、例えば、1秒間隔で確認要求に相当する信号がサーバ1に送信されるようにする(送信時間間隔は一例である)。
なお、確認要求は、ここでは一方向の信号の送信としており、サーバ1側で制御コードの送信の判断をさせているが、これに限らず、サーバ1からの応答の信号を求めた上で、プリント要求を受信していた場合に、制御端末3側から制御コードの送信を求めるようにしてもよい。
【0052】
制御コード受信部312は、サーバ1から送信された制御コードを受信する処理を実行する。
【0053】
制御コード記憶処理部313は、受信した制御コードを一時的に制御コード記憶部381に記憶させる処理を実行する。なお、制御コード記憶処理部313の処理を制御コード受信部312に実行させるようにしてもよい。
【0054】
3Dプリンター制御部314は、受信した制御コードを、USBを介したシリアル通信により3Dプリンター4に送信することで3Dプリンター4を制御する処理を実行する。
【0055】
制御コード消去部315は、3Dプリンター制御部314による立体物の造形が完了すると、制御コード記憶部381に一時的に記憶させておいた制御コードを消去する処理を実行する。
【0056】
<サーバ1の処理動作の一例について>
次に、サーバ1の処理動作の一例を説明する。
図6は、図2の情報処理システム100のうち、サーバ1の処理動作(処理手順)の一例を示すフローチャートである。
【0057】
サーバ1のCPU11の処理動作として、ステップSS1では、ユーザー端末2からのWebページの送信に関する要求を受信したか否かの判断を行う。ユーザー端末2からの要求を受信した場合(ステップSS1でYES)には、ステップSS2へ移行する。これに対し、例えば、ユーザー端末2のWebブラウザ起動前等、ユーザー端末2からの要求を受信していない場合(ステップSS1でNO)には、ステップSS3へ移行する。
【0058】
ステップSS2では、ユーザー端末2からの要求に応じて該当するWebページの送信を行う。
なお、Webページの送信が行われた後、ユーザー端末2側では、受信したWebページが表示される。Webページが表示されることで、ユーザーは、ユーザー端末2に表示されたWebページの後述する複数のリンクボタンを見ながら、3Dプリンター4で造形したい立体物となるプリント対象物の選択、又は、3Dモデルデータのダウンロードに関する選択をすることができる(3Dモデルデータのダウンロードに関しては、図9を参照しながら後述する)。
ステップSS2の動作後は、ステップSS3へ移行する。
【0059】
ステップSS3では、ユーザー端末2からのプリント要求を受信したか否かの判断を行う。プリント要求を受信した場合(ステップSS3でYES)には、ステップSS4へ移行する。これに対し、プリント要求を受信していない場合(ステップSS3でNO)には、ステップSS6へ移行する。
【0060】
ステップSS4では、制御端末3からの確認要求を受信したか否かの判断を行う。確認要求を受信した場合(ステップSS4でYES)には、ステップSS5へ移行する。これに対し、確認要求を受信していない場合(ステップSS4でNO)には、ステップSS4を再度行う。
【0061】
ステップSS5では、制御端末3に向けてプリント対象物に対応する制御コードの送信を行う。
なお、制御端末3に制御コードが送信されると、制御端末3が3Dプリンター4を制御して立体物の造形が開始される。
ステップSS5の動作後は、ステップSS1を再度行う。
【0062】
ステップSS6では、ユーザー端末2からのダウンロード要求を受信したか否かの判断を行う。ダウンロード要求を受信した場合(ステップSS6でYES)には、ステップSS7へ移行する。これに対し、ダウンロード要求を受信していない場合(ステップSS6でNO)には、ステップSS1を再度行う。
【0063】
ステップSS7では、ユーザー端末2に向けて3Dモデルデータの送信を行う。
なお、ユーザー端末2に3Dモデルデータが送信されると、ユーザー端末2では、受信した3Dモデルデータを保存する。ユーザーは、必要に応じてスライサーソフトを用い、独自に3Dプリンター専用のGコードの生成をユーザー端末2で行う。
ステップSS7の動作後は、ステップSS1を再度行う。
【0064】
<制御端末3の処理動作の一例について>
次に、制御端末3の処理動作の一例を説明する。
図7は、図2の情報処理システム100のうち、制御端末3の処理動作(処理手順)の一例を示すフローチャートである。
【0065】
制御端末3のCPU31の処理動作として、ステップSS11では、サーバ1に対して確認要求の送信を行う。ステップSS11の動作後は、ステップSS12へ移行する。
なお、図8を参照しながら後述する例の場合は、ステップSS11の動作は行われない。即ち、ステップSS12からの動作になる。
【0066】
ステップSS12では、サーバ1からの制御コードを受信したか否かの判断を行う。制御コードを受信した場合(ステップSS12でYES)には、ステップSS13へ移行する。これに対し、制御コードを受信していない場合(ステップSS12でNO)には、ステップSS11を再度行う。
【0067】
ステップSS13では、受信した制御コードを、USBを介したシリアル通信により3Dプリンター4に送信することで3Dプリンター4の制御を行う。3Dプリンター4の制御を行うことで、3Dプリンター4では、立体物の造形が行われる。
ステップSS13の動作後は、ステップSS14へ移行する。
なお、ステップSS14への移行は、シリアル通信による制御コードの送信終了のタイミングや、3Dプリンター4による立体物の造形の正常終了信号を受信したタイミング等、特に限定されない。
【0068】
ステップSS14では、制御コード記憶部381に一時的に記憶させておいた制御コードの消去を行う。
ステップSS14の動作後は、ステップSS11を再度行う。
【0069】
<他の実施形態について>
図8は、本発明の他の実施形態に係る情報処理システム100により提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
図8では、本サービスの提供により、最終的にユーザー側で3Dプリンター4を用いた立体物の生産(造形)を行わせるまでの流れの一例を説明する。
【0070】
ユーザーは、ユーザー端末2を操作し、Webブラウザを起動する。この起動により、ユーザー端末2は、Webブラウザで指定したWebページの要求をサーバ1に送信する(図8の矢印「(1)Webページ要求」参照)。サーバ1では、ユーザー端末2からのWebページ要求を受信すると、Webブラウザで指定されたWebページをユーザー端末2に送信する(図8の矢印「(2)Webページ送信」参照)。ユーザー端末2では、サーバ1から送信されたWebページを受信すると、このWebページを表示する(Webページの表示例については、図10を参照しながら後述する)。ユーザーは、ユーザー端末2に表示されたWebページの後述する複数のリンクボタンを見ながら3Dプリンター4で造形したい立体物となるプリント対象物を選択する(図8の矢印「(3)プリント対象の選択」参照)。選択は、例えば、マウスをクリックする等にて行われる。ユーザー端末2では、ユーザーにより選択されたプリント対象物に関するプリント要求をサーバ1に送信する(図8の矢印「(4)プリント要求」参照)。
なお、ここまでの説明は、図1の例と基本的に同じである。
【0071】
サーバ1では、プリント要求を受信すると、プリント対象物に対応する制御コードを所定の記憶部(データベース)から取得する。そして、この取得した制御コードを制御端末3に送信する(図8の矢印「(5)制御コード送信」参照)。
制御端末3では、制御コードを受信すると、この受信した制御コードを一時的に所定の記憶部に記憶させる(図8の矢印「(6)制御コード記憶」参照)。また、制御端末3では、制御コードを、例えば、USBを介したシリアル通信により3Dプリンター4に送信し、3Dプリンター4を制御する(図8の矢印「(7)3Dプリンター制御」参照)。3Dプリンター4では、受信した制御コードに基づき、ユーザーが選択したプリント対象物である立体物を造形する。立体物の造形が完了すると、制御端末3では、所定の記憶部に記憶させておいた制御コードを消去する(図8の矢印「(8)制御コードの消去」参照)。
【0072】
以上により、ユーザー側で3Dプリンター4を用いた立体物の生産(造形)を行わせることができる。そして、この生産された立体物をユーザーは手にすることができる。
【0073】
<更に他の実施形態について>
図9は、本発明の更に他の実施形態に係る情報処理システム100により提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
図9では、本サービスの提供により、3Dモデルデータをユーザー端末2にダウンロードさせるまでの流れの一例を説明する。
【0074】
ユーザーは、ユーザー端末2を操作し、Webブラウザを起動する。この起動により、ユーザー端末2は、Webブラウザで指定したWebページの要求をサーバ1に送信する(図9の矢印「(1)Webページ要求」参照)。サーバ1では、ユーザー端末2からのWebページ要求を受信すると、Webブラウザで指定されたWebページをユーザー端末2に送信する(図9の矢印「(2)Webページ送信」参照)。ユーザー端末2では、サーバ1から送信されたWebページを受信すると、このWebページを表示する(Webページの表示例については、図10を参照しながら後述する)。ユーザーは、ユーザー端末2に表示されたWebページの後述するリンクボタンを見ながら、3Dモデルデータをダウンロードしたいと思う立体物の選択をする(図9の矢印「(3)ダウンロード対象の選択」参照)。選択は、例えば、マウスをクリックする等にて行われる。3Dモデルデータとは、ここでは3DのCADソフト用のファイルフォーマットの一つであるSTL(Stereolithography)データが該当する。ユーザー端末2では、ユーザーにより選択されたダウンロード対象となる3Dモデルデータに関するダウンロード要求をサーバ1に送信する(図9の矢印「(4)ダウンロード要求」参照)。サーバ1では、ユーザー端末2からのダウンロード要求を受信すると、対応する3Dモデルデータを取得して、これをユーザー端末2に送信する(図9の矢印「(5)3Dモデルデータダウンロード」参照)。
【0075】
以上により、ユーザー端末2に3Dモデルデータ(STLデータ)をダウンロードすることができる。
ユーザー側でスライサーソフトを使用している場合や、ユーザーが高度な知識を有している場合に、本例は有効である。制御端末3を用いての立体物の造形の他に、ユーザー独自で立体物の造形をすることができる。
【0076】
<Webページ5の一例について>
図10は、Webページの一例を示す図である。
【0077】
ユーザー端末2に表示されたWebページ5には、リンクボタン5a、リンクボタン5b、リンクボタン5c、等の複数の選択部が設けられる。例えば、左上のリンクボタン5aをマウスでクリック等して選択すると、図11のWebページ5a1が表示される。また、例えば、上真ん中のリンクボタン5bを選択すると、図12のWebページ5b1が表示される。また、例えば、左真ん中のリンクボタン5cを選択すると、図13のWebページ5c1が表示される。
【0078】
図11は、図10のWebページ5から、例えば、プロトタイプであるペンスタンド6のリンクボタン5aを選択した時の一例を示す図である。
また、図12は、図10のWebページ5から、例えば、プロトタイプである簡易クリップ7のリンクボタン5bを選択した時の一例を示す図である。
また、図13は、図10のWebページ5から、例えば、プロトタイプであるペンスタンド8のリンクボタン5cを選択した時の一例を示す図である。
【0079】
図11において、Webページ5a1の立体物説明画像5a2には、ペンスタンド6の画像が含まれる。Webページ5a1には、ペンスタンド6に対する説明文5a3として、「出力目安時間:15分」、「説明:曲線美が綺麗なペンスタンドです。」が表示される。
ユーザーが「プリント」と表示されたプリントボタン10をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1にプリント要求が送信される。この後、ユーザーは、3Dプリンター4にて造形された立体物(ペンスタンド6)を手にすることができる。ユーザーは、例えば、生活の中にペンスタンド6のような樹脂製の日用品のプロトタイプを置いておくことができる。
一方、ユーザーが「STLデータ」と表示されたダウンロードボタン9をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1に3Dモデルデータのダウンロード要求が送信される。
【0080】
図12において、Webページ5b1の立体物説明画像5b2には、簡易クリップ7の画像が含まれる。Webページ5b1には、簡易クリップ7に対する説明文5b3として、「出力目安時間:1分」、「説明:簡易クリップ」が表示される。
ユーザーが「プリント」と表示されたプリントボタン10をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1にプリント要求が送信される。この後、ユーザーは、3Dプリンター4にて造形された立体物(簡易クリップ7)を手にすることができる。ユーザーは、例えば、生活の中に簡易クリップ7のような樹脂製の日用品のプロトタイプを置いておくことができる。
一方、ユーザーが「STLデータ」と表示されたダウンロードボタン9をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1に3Dモデルデータのダウンロード要求が送信される。
【0081】
図13において、Webページ5c1の立体物説明画像5c2には、ペンスタンド8の画像が含まれる。Webページ5c1には、ペンスタンド8に対する説明文5c3として、「出力目安時間:8時間」、「説明:シンプルな構造のペンスタンドです。部屋が分かれているので自分の好みに使い分けることができます。」が表示される。
ユーザーが「プリント」と表示されたプリントボタン10をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1にプリント要求が送信される。この後、ユーザーは、3Dプリンター4にて造形された立体物(ペンスタンド8)を手にすることができる。ユーザーは、例えば、生活の中にペンスタンド8のような樹脂製の日用品のプロトタイプを置いておくことができる。
一方、ユーザーが「STLデータ」と表示されたダウンロードボタン9をクリックすると、ユーザー端末2からサーバ1に3Dモデルデータのダウンロード要求が送信される。
【0082】
<効果について>
以上、図1乃至図13を参照しながら説明してきた通り、本サービスでは、配送を伴わずにユーザー側で立体物を生産(造形)しこれを手にすることができる。
詳細な説明は省略するが、次のような効果を得ることに繋げることもできる。即ち、例えば、デザイナー側とすれば、金型を作って立体物を生産してくれる会社を不要にすることもできる。また、デザイナー側とすれば、販売チャネルを開拓する必要性をなくすこともできる。また、リードタイムを限りなく0(ゼロ)に近づけた受注生産を実現することもできる。また、3Dプリントによるアディティブマニュファクチャリング(AM:Additive Manufacturing)にて、生産工程での廃棄材料を少なくすることもできる。
【0083】
<まとめ>
以上、本発明の情報処理システム100の実施形態(複数の実施形態)について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0084】
ここまでの説明は、ユーザーが本サービスの会員登録を済ませている場合の例を挙げていたが、会員でなくゲストの場合は、例えば、プリントボタン10を表示させないようにしてもよい。
また、ここまでの説明は、ユーザーは、例えば、生活の中に樹脂製の日用品のプロトタイプを置いておくことができるとしているが、装飾品のプロトタイプ、模型のプロトタイプを置いておくこともできる(「生活の中」や「樹脂製」、「プロトタイプ」としているが、これらは一例であり限定されない)。
上述のプロトタイプ以外としては、医療品のプロトタイプも挙げられる。
3Dプリントができるユーザーを指定すれば、企業間での試作のやりとりの場合も、元となる3Dモデルデータを渡さずに試作のやりとりができる。
また、ここまでの説明は、制御端末3が3Dプリンター4に対し別体(一体になっていない)であるとしているが、これに限らず一体であってもよい(組み込まれていてもよい)。制御端末3の一体に関しては、ユーザー端末2やサーバ1との一体も可能とする。
また、ここまでの説明は、3Dプリンター4が家庭内に配置される例を挙げていたが、例えば、大学のゼミや研究室において教授や学生(ユーザー)が共用することも考えられるので、配置は特に限定されない。
【0085】
本実施形態において、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、図4及び図5に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4及び図5の例に限定されない。
【0086】
また、機能ブロックの存在場所も、図4及び図5に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0088】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0089】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0090】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0091】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザーにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザーに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図3のROM12や、図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0092】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図1及び図2の情報処理システム100)は、
3Dプリンター(例えば、図1及び図2の3Dプリンター4)を用いて立体物(例えば、図11のペンスタンド6)を造形する情報処理システムであって、
アカウントが登録されたユーザーの操作するユーザー端末(例えば、図1及び図2のユーザー端末2)との通信が可能な情報処理装置(例えば、図1及び図2のサーバ1)と、
前記3Dプリンター側に配設され且つ前記情報処理装置との通信が可能で且つ前記アカウントに紐付けされた制御端末(例えば、図1及び図2の制御端末3)と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記立体物の画像を含むWebページ(例えば、図10のWebページ5)が前記ユーザー端末に送信されるようにするWebページ送信手段(例えば、図4のWebページ送信部111)と、
前記Webページを基に前記ユーザー端末からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信手段(例えば、図4のプリント要求受信部112)と、
少なくとも受信した前記プリント要求に応じて前記立体物を造形するための制御コードが前記制御端末に送信されるようにする制御コード送信手段(例えば、図4の制御コード送信部114)と、を備え、
前記制御端末は、
受信した前記制御コードを用いて前記立体物の造形が行われるように前記3Dプリンターを制御する3Dプリンター制御手段(例えば、図5の3Dプリンター制御部314)を備える。
【0093】
本発明によれば、情報処理装置は、ユーザー端末にWebページが送信されるようにすることができる。また、情報処理装置は、Webページを基にユーザー端末から送信されたプリント要求を受信することができる。また、情報処理装置は、少なくとも受信したプリント要求に応じて立体物を造形するための制御コードが制御端末に送信されるようにすることができる。一方、制御端末は、受信した制御コードを用いて立体物の造形が行われるように3Dプリンターを制御することができる。
従って、本発明によれば、ユーザー側で立体物の生産(造形)をすることができる。また、本発明によれば、配送を伴わないことから、生産された立体物をユーザーは迅速に手にすることができる。
【0094】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記制御端末は、
前記プリント要求を受信したか否かを確認する確認要求が所定タイミングで前記情報処理装置に送信されるようにする確認要求送信手段(例えば、図5の確認要求送信部311)を更に備え、
前記制御コード送信手段は、
受信した前記確認要求及び受信した前記プリント要求に応じて前記制御コードが前記制御端末に送信されるようにする。
【0095】
本発明によれば、制御端末は、プリント要求を受信したか否かを確認する確認要求を所定タイミングで情報処理装置に送信することができる。一方、情報処理装置は、受信した確認要求及び受信したプリント要求に応じて制御コードを制御端末に送信することができる。
従って、本発明によれば、ユーザー側で立体物の生産(造形)をするにあたり、制御端末からの確認要求の受信も含めて制御コードの送信を行うことができる。
【0096】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記制御端末は、
受信した前記制御コードを所定の記憶部(例えば、図5の制御コード記憶部381)に一時的に記憶させておく制御コード記憶処理手段(例えば、図5の制御コード記憶処理部313)と、
前記立体物の造形後に、前記記憶部に記憶させておいた前記制御コードを消去する制御コード消去手段(例えば、図5の制御コード消去部315)と、を更に備える。
【0097】
本発明によれば、制御端末は、立体物の造形後に制御端末側で記憶させておいた制御コードを消去することができる。
従って、本発明によれば、ユーザー側で立体物の生産(造形)回数を規制することができる。
【0098】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記制御端末は、
前記3Dプリンターに対して一体になっている、及び、一体になっていない、のうち何れかである。
【0099】
本発明によれば、3Dプリンターに対し制御端末を一体又は別体にして提供することができる。
【0100】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記情報処理装置は、
前記立体物の3Dモデルデータに関し、前記ユーザー端末から送信されたダウンロード要求を受信するダウンロード要求受信手段(例えば、図4のダウンロード要求受信部115)と、
受信した前記ダウンロード要求に応じて前記ユーザー端末に前記3Dモデルデータが送信されるようにする3Dモデルデータ送信手段(例えば、図4の3Dモデルデータ送信部116)と、を更に備える。
【0101】
本発明によれば、ユーザー側での立体物の生産(造形)の他に、3Dモデルデータをユーザー端末にダウンロードすることができる。
【0102】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記情報処理装置は、
受信した前記プリント要求及び受信した前記ダウンロード要求から、少なくとも要求の累積数を記録してこれを前記立体物のニーズに関する要求の傾向情報とする傾向情報記録処理手段(例えば、図4の傾向情報記録処理部117)を更に備える。
【0103】
本発明によれば、情報処理装置は、少なくもとプリント要求及びダウンロード要求の累積数を記録してこれを立体物のニーズに関する要求の傾向情報とすることができる。
従って、本発明によれば、立体物の傾向情報から、例えば、ユーザーがどのような物を欲しているか(ニーズ)を把握することができる。
【0104】
本発明が適用される情報処理方法は、
3Dプリンターを用いて立体物を造形する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
アカウントが登録されたユーザーの操作するユーザー端末との通信が可能な情報処理装置が実行するステップと、
前記3Dプリンター側に配設され且つ前記情報処理装置との通信が可能で且つ前記アカウントに紐付けされた制御端末が実行するステップと、
を含み、
前記情報処理装置が実行するステップとしては、
前記立体物の画像を含むWebページが前記ユーザー端末に送信されるようにするWebページ送信ステップ(例えば、図6のステップSS2)と、
前記Webページを基に前記ユーザー端末からの送信により要求されたプリント要求を受信するプリント要求受信ステップ(例えば、図6のステップSS3)と、
少なくとも受信した前記プリント要求に応じて前記立体物を造形するための制御コードが前記制御端末に送信されるようにする制御コード送信ステップ(例えば、図6のステップSS5)と、を含み、
前記制御端末が実行するステップとしては、
受信した前記制御コードを用いて前記立体物の造形が行われるように前記3Dプリンターを制御する3Dプリンター制御ステップ(例えば、図7のステップSS13)を含む。
【0105】
本発明によれば、配送を伴わずにユーザー側で立体物を生産しこれを手にすることが可能となる情報処理方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0106】
1・・・サーバ(情報処理装置)、2・・・ユーザー端末、3・・・制御端末、4・・・3Dプリンター、5・・・Webページ、9・・・ダウンロードボタン、10・・・プリントボタン、100・・・情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13