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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085889
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】揚陸準備方法及び揚陸準備システム
(51)【国際特許分類】
   F41H 11/12 20110101AFI20230614BHJP
   F41H 11/16 20110101ALI20230614BHJP
【FI】
F41H11/12
F41H11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200197
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】721009461
【氏名又は名称】山本 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 茂
(57)【要約】
【課題】機雷原や地雷原によって防御されている海岸への強襲揚陸を行う事前に、機雷原や地雷原に埋設されている機雷や地雷を無効化する。
【解決手段】揚陸目標海岸5における揚陸予定部位5aに、移動体31に搭載した放水砲32から毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水をして、放水砲32から10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置に落下させることにより、放水した水Wの落下衝撃により、揚陸予定部位5aに配置された爆発物21を、誘爆若しくは破損若しくは揚陸予定部位5aからの流失により無効化して、揚陸予定部位5aを安全にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機雷(21a)と地雷(21b)の少なくとも一方を含む爆発物(21)が配置されている揚陸目標海岸(5)への揚陸を行うための揚陸準備方法であって、
前記揚陸目標海岸(5)における揚陸予定部位(5a)に、第1移動体(31-1)に搭載した第1放水砲(32-1)から毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水をして、前記第1放水砲(32-1)から10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置に落下させて、この大容量放水の水(W)の落下衝撃により、前記揚陸予定部位(5a)に配置された前記爆発物(21)を、誘爆若しくは破損若しくは前記揚陸予定部位(5a)からの流失により無効化して、前記揚陸予定部位(5a)の安全性を高める誘爆用放水工程(M21)を有することを特徴とする揚陸準備方法。
【請求項2】
放水砲(32)の射出方向の角度である放水角度(α)を水平に関して下側をマイナス、上側をプラスとして、
前記第1移動体(31-1)に搭載した前記第1放水砲(32-1)若しくは別の第2放水砲(32-2)または別の第2移動体(31-2)に搭載した第3放水砲(32-3)から、放水角度(α)をマイナス45°からプラス20°の範囲内の角度で、前記大容量放水で5m以上かつ100m以下の第2距離を離れた位置に放水して、前記揚陸予定部位(5a)に配置された前記爆発物(21)を放水した水(W)によって生じる水流または水圧により、前記揚陸予定部位(5a)から排除することにより前記揚陸予定部位(5a)の安全性を高める除去用放水工程(M22)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の揚陸準備方法。
【請求項3】
前記第1移動体(31-1)または前記第2移動体(31-2)の移動方法が、自走若しくは曳航若しくは運搬されることにより、水上を移動、水中を移動、水底を移動のいずれか、または、幾つかの移動の組み合わせを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の揚陸準備方法。
【請求項4】
前記第1放水砲(32-1)の機能の切換え、又は、第4放水砲(32-4)により、水をウォーターカーテン状又は噴霧状に放水して、前記揚陸予定部位(5a)の前方の視界を遮る水幕用放水工程(M23)を含んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の揚陸準備方法。
【請求項5】
毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水を、放水口(32a)の位置から水平方向に、10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置、または、5m以上かつ100m以下の第2距離を離れた位置の少なくとも一方の位置に行うことができる放水砲(32)を備えた揚陸用艦艇(1)を含むことを特徴とする揚陸準備システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機雷原や地雷原によって防御されている海岸への揚陸を行うための揚陸準備方法及び揚陸準備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
機雷原や地雷原によって防御されている海岸への揚陸を行うためには、水際の前後の地上部分や水中(若しくは海中)部分に施設されている地雷と機雷等の爆発物と、逆茂木、鉄条網等の妨害物からなる水際障害物を無効化する必要がある(例えば、非特許文献1参照)。これらの内の目に見える妨害物は砲撃などにより除去すればよいが、埋設状態若しくは水没状態にある地雷、機雷、妨害物などの障害物は、それらの存在の有無を含めてその位置やその爆発の規模を予測することが困難である。
【0003】
そして、対人用地雷には、踏圧が有ったときに作動したり、踏圧が無くなるときに作動したり、信管に繋留される索線を引張って安全ピンが外れたりすることで作動したりする地雷がある。また、赤外線センサや磁気センサを用いている地雷もある。
【0004】
また、戦車等の車両に対する対車両用地雷では、接触や踏圧により作動したり、車両通過による磁気や振動の変化を検知して作動したりする。この対車両用地雷の想定される感知重量は、例えば、70kgf~130kgf、または100kgf~300kgf程度である。さらには、太陽光の遮断を検知する可視光線検知器に加えてエンジン等から発せられる赤外線を検知する赤外線検知器を組み合わせた対車両用地雷信管を用いているものがある(例えば、特許文献1参照)。また、音響センサで検出した音と予め記憶している音響データと比較判定して適合したときに作動する車両用地雷もある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そして、水際用の機雷には係維式と沈底式があるが、その信管には、磁気信管、振動信管、音響信管等が用いられ、更に、接触式信管や水圧式信管も用いられている。また、さらには、船の通行回数をカウントする航過計数機能が並用されているものある。これらの水際に設けられる機雷の対象としては、15トン前後の車両や100トン前後の舟艇が想定されている。
【0006】
なお、平和時の地雷の除去作業においては、次のような方法が提案されている。例えば、対人用地雷に対しては、遠隔操作によって自走可能な台車に備えた転動自在な転圧ローラ5で、地中埋設地雷に重量負荷を加えて誘爆爆発させることで、地雷の機能を喪失させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、地表からの圧力付加により起爆する種類の対戦車地雷等の比較的大型地雷に対しては、チェーンの先端にハンマーを設けたフレールハンマーを用いて、チェーンを巻回した回転ドラムを回転させることでチェーンを振り回して地面に叩きつけて、地中に埋まっている地雷に衝撃を与えて爆発させる地雷処理車を、地雷原を走行させることによって爆破処理する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
また、地雷の特殊な対処方法として、未爆発の地雷が埋設された地盤に通気性または伸縮性を有する、織布、編布、不織布又は網布の防爆繊維シートを敷設して、地雷が爆発した際の地雷の爆破の圧力を緩和し、地雷破片などの飛散を阻止する、地雷に対する危険防止方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
そして、この防爆繊維シートの敷設方法として、複数のヘリコプターによって、防爆繊維シートを吊り上げて、上方から垂らしながら敷設していく方法、地雷埋設地帯の両側からクレーン等を使って吊り上げて上方から垂らしながら同様に敷設していく方法等が提示されている。
【0010】
しかしながら、敵側からの攻撃を受ける恐れがある強襲揚陸時にこれらの敷設方法を採用することは難しい。また、防爆繊維シートを隔てた人員や車両を安全に保護するためには、防爆繊維シートを耐爆仕様にする必要があり、通気性を確保した場合には、その爆風の一部で人員が損傷を受ける可能性がある。また、防爆繊維シートが伸縮性を持っている場合には、その伸縮性の程度によっては、防爆繊維シートの変形により人員が損傷を受ける可能性がある。
【0011】
また、埋設地雷の除去作業方法として、埋設地雷を探知した場合に、その埋設地雷の直上に排土装置を移動して、ウォータジェット流、または、ウォータジェット流と空気流によって地面を掘削し土砂を除去することで排土し、地雷を露出させて処理している排土方法と、更に、第2のウォータジェット流で地雷などの物体を破壊する方法がある(例えば、特許文献6、7参照)。
【0012】
一方、戦時における強襲揚陸の際に、これらの障害物を処理する方法としては、地雷処理車両の展開が難しく、地雷原において外部から爆発を発生させ、その爆風および地面の振動等によって、構造物を壊したり、埋設された地雷の起爆を誘発させたりすることが行われており、爆索、ブロック爆薬、網爆薬、液体燃料などで障害物(水際障害)を処理する方法が考えられている。
【0013】
この爆索(導爆索)を用いる方法では、水陸両用装甲車に搭載された装置から、ロケットモーターなどの飛翔体が、その後端部に連結された主索を牽引して飛翔して、主索が直線状に延びた状態で落下することで、この主索に間隔を隔てて連結される爆薬ブロックを地雷原に線状に展開し、その後、爆薬を爆発させることによってその威力で地雷と妨害物を処理する方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【0014】
また、気球を使用した曳航装置によって、浮力を持たせた曳航体を曳航して地雷原の上方に展張した後に、曳航体に爆薬を注入して、曳航体を着地させて、爆薬に点火して爆発させる地雷処理方法も提案されている(例えば、特許文献9参照)。
【0015】
また、強磁性またはフェリ磁性材料からなる磁気コアを有する電磁石を用いて磁場を制御することにより、地雷を破壊する地雷除去モジュールを地震対策船舶に搭載することも提案されている(例えば、特許文献10参照)。
【0016】
一方、石油コンビナート等の火災対策に、ディーゼルエンジン等の駆動源で駆動される油圧ポンプを使用している送水システムと、毎分1万リットル以上の放水能力を持つ按泡放水砲を装備した大容量泡放水消火システムが提案されている(例えば、特許文献11参照)。
【0017】
さらに、1.0MPaで4,000L/min(毎秒0.07m)で、射程距離70mの放水であるが、無人で放水砲を移動させる放水砲ロボットも開発され、既に市販されている。
【0018】
また、移動体として、水圧モーターによって海底等の水底地盤上を走行でき、水圧モーターを駆動する圧力水の流量、圧力を水上の船舶等より加減することにより遠隔操縦できて、エアーモーター駆動の水中作業機が動けない水深20mを超える水底でも走行が可能で水底地盤を攪拌、耕耘する水圧駆動式海底走行作業機が提案されている(例えば、特許文献12参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭50-130300号公報
【特許文献2】特開昭61-138100号公報
【特許文献3】特開2001-241895号公報
【特許文献4】特開2013-120022号公報
【特許文献5】特開2007-17113号公報
【特許文献6】特開2006-249829号公報
【特許文献7】特開2004-332971号公報
【特許文献8】特開2017-62070号公報
【特許文献9】特開平8-233496号公報
【特許文献10】特開2018-32844号公報
【特許文献11】特開2008-93199号公報
【特許文献12】特開2009-95318号公報
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】文谷孝司,「島嶼奪還!陸上自衛隊上陸作戦の再検証『導爆索』で水際障害の処理は可能か」,軍事研究,発行人横田博之,発行所株式会社ジャパン・ミリタリー・レビュー,2019年7月1日,7月号,p.194~p.229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上記のように、強襲揚陸に際しては、水際における機雷及び地雷等の障害物を無効化する必要があるが、平和時の地雷処理と違って、戦闘時の機雷及び地雷の無効化が必要なため、主として、爆索、ブロック爆薬、網爆薬、液体燃料などで障害物を処理する方法が考えられている。しかしながら、これらの方法では、誘爆し難い地雷なども開発されてきており、無効化可能な範囲が限られてしまうという問題がある。
【0022】
一方、消火の分野では毎秒1トン程度の放水量で放水距離100m以上になる大容量泡放水システムが開発されてきている。この大容量泡放水システムの送水システムは消防用自動車に搭載可能な程度の大きさであるので、戦車等の車両を搭載できる揚陸用艦艇に搭載可能となっている。
【0023】
本発明は上記のことを鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、大容量放水により、機雷原及び地雷原に水塊を断続的または連続的に落下させることにより、踏圧による信管を作動させたり、機雷や地雷等の障害物を水流若しくは水圧により掘り起こして流出させたりすることで障害物を無効化して、機雷原や地雷原によって防御されている海岸への強襲揚陸を行うことができるようにする揚陸準備方法及び揚陸準備システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記のような目的を達成するための本発明の揚陸準備方法は、機雷と地雷の少なくとも一方を含む爆発物が配置されている揚陸目標海岸への揚陸を行うための揚陸準備方法であって、前記揚陸目標海岸における揚陸予定部位に、第1移動体に搭載した第1放水砲から毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水をして、前記第1放水砲から10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置に落下させて、この大容量放水の水の落下衝撃により、前記揚陸予定部位に配置された前記爆発物を、誘爆若しくは破損若しくは前記揚陸予定部位からの流失により無効化して、前記揚陸予定部位の安全性を高める誘爆用放水工程を有することを特徴とする。
【0025】
ここで「大容量放水」の定義に用いている「毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水」という意味は、通常使用されている消防艇で装備されている放水銃等の放水量とは異なることを示すためのものであり、数値限定用の数値ではない。なお、これらの消防艇の放水銃等の放水量は、毎分6.5m~10m(毎秒0.11m~0.17m)、大きな放水銃でも毎分15m(毎秒0.25m)程度である。
【0026】
また、「放水砲から10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置に」という意味は、「放水砲を爆発物の直上や直近まで移動して、直下や直下近傍に放水する」方法ではないことを意味するものであり、数値限定用の数値ではない。従って、上限値(10m)と下限値(500m)の前後で効果に大きな差異は生じる訳ではない。
【0027】
この揚陸準備方法によれば、大容量放水という既に消防分野では確立している技術で、大容量放水の大部分を、落下地点に集中的に落下させることができるので、放水された水(水塊)の落下衝撃により、踏圧または接触で作動する爆発物を爆発させて無効にすることができる。
【0028】
また、無効化の材料として揚陸目標海岸の水域にある水(海水または淡水)を利用するので、爆薬を使用して無効化する場合に比べて、保管および移動や使用時における爆発の危険性が全くない。さらに、放水用の水は現地調達できるので、この揚陸準備方法で使用するシステムを小型化できる。
【0029】
さらに、無効化の材料としての水の供給に制限が無く、放水された水の落下先を往復移動させたり、または時間間隔を置いて間歇的に放水させたりすることで、容易に多数回の踏圧及び踏圧の除去の繰り返しを模擬することが可能となる。従って、複数回の圧力付加によって起爆する種類の爆発物に対して、その信管の起爆までの圧力付加回数の設定が不明であっても、容易に無効化できる。また、放水方向を左右に移動させることで、容易に落下領域を横方向に移動させて幅広い領域における爆発物の無効化作業ができ、容易に広範囲の揚陸予定部位の安全性を向上させることができる。
【0030】
上記の揚陸準備方法において、放水砲の射出方向の角度である放水角度を水平に関して下側をマイナス、上側をプラスとして、前記第1移動体に搭載した前記第1放水砲若しくは別の第2放水砲または別の第2移動体に搭載した第3放水砲から、放水角度をマイナス45°からプラス20°の範囲内の角度で、前記大容量放水で5m以上かつ100m以下の第2距離を離れた位置に放水して、前記揚陸予定部位に配置された前記爆発物を放水した水によって生じる水流または水圧により、前記揚陸予定部位から排除することにより前記揚陸予定部位の安全性を高める除去用放水工程を含んでいると、以下の効果を発揮できるようになる。
【0031】
この除去用放水工程を使用することで、誘爆用放水工程よりも、さらに、地雷原や機雷原の近傍に接近して、放水角度を低くすることで、爆発物等を水流または水圧によって掘り起こして、揚陸予定部位から流失させることができる。従って、より揚陸予定部位の安全化を図ることができる。また、更には、揚陸目標海岸に構築された塹壕やバリケード等の構築物を切り崩したり、防御施設を水浸しにしたりして、敵側の防御作業を困難にすることもできる。
【0032】
また、上記の揚陸準備方法において、前記第1移動体または前記第2移動体の移動方法が、自走若しくは曳航若しくは運搬されることにより、水上を移動、水中を移動、水底を移動のいずれか、または、幾つかの移動の組み合わせを行うと、それぞれ次のような効果を発揮できる。
【0033】
放水砲を搭載した移動体の移動方法に関しては、砲撃や銃撃を受ける可能性が高いので、移動体を無人化することが好ましい。自走の場合は、無線誘導や有線誘導により移動させることで、安全に揚陸準備作業ができる。また、曳航の場合は、移動体に設ける移動用機能が少なくなるので、移動体を簡素化でき、小型化が可能になる。さらに、運搬の場合には、既存の消防用の大容量放水機材を利用することができ、単にこの大容量放水機材を運搬することで揚陸準備作業に使用できる。
【0034】
また、移動体が水上を移動する場合は、移動体を簡素化でき、小型化が可能になる。また、移動体が水中を移動する場合は、移動体が水面下を移動して揚陸目標海岸に接近できるので、敵側に発見され難くなる。また、移動体が水底を移動する場合は、そのまま陸上側への揚陸も行うことができるので、揚陸予定部位のより奥側まで揚陸準備作業を行うことができる。さらに、幾つかの移動の組み合わせを行えるように構成すると、それぞれ移動方法のメリットを併せ持つことができる。
【0035】
また、上記の揚陸準備方法において、前記第1放水砲の機能の切換え、又は、第4放水砲により、水をウォーターカーテン状又は噴霧状に放水して、前記揚陸予定部位の前方の視界を遮る水幕用放水工程(M23)を含んでいると、次のような効果を発揮できる。
【0036】
揚陸準備作業中及び揚陸中において、放水砲(放水ノズル)の機能又は放水砲を切り換えることにより、放水による水幕で揚陸予定部位に対する敵側の視界を遮って目隠しすることが可能となる。従って、水幕を煙幕の代わりにして、安全に揚陸準備作業及び揚陸作業を行うことができるようになる。また、放水の水に泡発生剤を入れて発泡させて泡で敵陣を覆ったり、放水の水に色彩や磁気等を帯びた粉末や粒子を混入したりすることにより、可視光線や赤外線やレーダー波等に対しても目隠し効果を発揮できる。
【0037】
そして、本発明の揚陸準備システムは、毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の大容量放水を、放水口の位置から水平方向に、10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置、または、5m以上かつ100m以下の第2距離を離れた位置の少なくとも一方の位置に行うことができる放水砲を備えた揚陸用艦艇を含む。この揚陸準備システムによれば、上記の揚陸準備方法の誘爆用放水工程や除去用放水工程を実施することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の揚陸準備方法及び揚陸準備システムによれば、機雷原や地雷原によって防御されている海岸への強襲揚陸を行う際に、大容量放水により、機雷原及び地雷原に水塊を断続的または連続的に落下させることにより、踏圧による信管を作動させたり、機雷や地雷等の障害物を水圧及び水流により掘り起こして流出させたりすることで無効化して、機雷原や地雷原によって防御されている海岸への強襲揚陸を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は本発明の実施の形態の揚陸準備方法の各工程を示す図である。
図2図2は本発明の実施の形態の揚陸準備システムの構成、特に放水用システムの詳細を模式的に示す図である。
図3図3は本発明の実施の形態の揚陸準備システムの構成、特に送水用システムと取水用システムの詳細を模式的に示す図である。
図4図4は放水用システムの移動体と送水用システムと取水システムの移動体とが別体となっている揚陸準備システムの構成を模式的に示す図である。
図5図5は放水用システムと送水用システムと取水システムを一つの移動体に備えた揚陸準備システムの構成を模式的に示す図である。
図6図6は揚陸目標海岸における、爆発物と構築物からなる障害物等の配置状態を模式的に示す図である。
図7図7は誘爆用放水工程における誘爆用放水の状況を模式的に示す図である。
図8図8は誘爆用放水における放水角度と落下領域の関係を模式的に示す図である。
図9図9は除去用放水工程における除去用放水の状況を模式的に示す図である。
図10図10は水幕用放水工程における水幕用放水の状況を模式的に示す図である。
図11図11は陸上を走行する車両(移動体)の例を模式的に示す図である。
図12図12は水上を航行する小型舟艇(移動体)の例を模式的に示す図である。
図13図13は水上と陸上の両方を移動できる水陸両用車(移動体)の例を模式的に示す図である。
図14図14は水中を航行する小型水中航走体(移動体)の例を模式的に示す図である。
図15図15は水底及び陸上を走行する水底走行体(移動体)の例を模式的に示す図である。
図16図16は水面を航走する運搬用航走体の例を模式的に示す図である。
図17図17は水面上への露出を最小限に抑えた半没水型の運搬用航走体の例を模式的に示す図である。
図18図18は水中を航走できる運搬用航走体の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明に係る揚陸準備方法及び揚陸準備システムの実施の形態について説明する。なお、以下の「大容量放水」とは、毎秒0.4m以上で毎秒50m以下の放水をいう。この下限の毎秒0.4mは、通常の消火装置で用いている水量よりも大きな容量であることを示し、また、上限の毎秒50mは単に発明を明確にするために上限が求められた場合に、数値を示すために、仮に設定した数値であり、今後の放水技術の進展で変化してもよい数値である。
【0041】
本発明に係る揚陸準備方法M1は、図1に示すように、揚陸準備工程M1で構成され、この揚陸準備工程M1は搬送工程M10と放水工程M20を含んでいる。そして、図6に示すような、機雷21aまたは地雷21bの少なくとも一方である爆発物21、逆茂木22a、鉄条網22b等の構築物22からなる障害物20で防御されている揚陸目標海岸5に、揚陸用艦艇1に搭載した人員2、車両3、資材を搭載した揚陸用コンテナ4等を揚陸する際に実施される揚陸準備方法である。
【0042】
なお、ここでは、図6図7図9図10に示すように、機雷21a、地雷(対人用地雷21b、対車両用地雷21c)の爆発するものを「爆発物21」とし、逆茂木22a、鉄条網22b等の爆発せずに物理的に揚陸を妨害するために構築されたものを「構築物22」とし、この「爆発物21」と「構築物22」を合わせて「障害物20」と呼称している。また、塹壕23aとトーチカ23b等の有人または無人の銃器や砲やミサイルなどの武器が使用される構築物や施設を「防御施設23」と呼称している。
【0043】
この搬送工程M10は、図2及び図3に示すような放水工程M20で使用する放水用システムS11を、揚陸目標海岸5に搬送する工程である。この搬送工程M10では、放水用システムS11を搭載した移動体31を揚陸用艦艇1に搭載して搬送してもよく、放水用システムS11を直接揚陸用艦艇1に搭載して搬送してもよい。また、揚陸準備システムS10の全体またはその一部を搭載した揚陸用コンテナ4を揚陸用艦艇1に搭載して搬送してもよい。
【0044】
そして、図1に示すように、放水工程M20は、誘爆用放水工程M21、除去用放水工程M22、水幕用放水工程M23を有している。そして、この放水工程M20では、大容量放水という既に消防分野では確立している技術またはその延長上の技術を用いる。この放水工程M20で使用する揚陸準備システムS1に関しては、次のような消火システムの例があり、現状の技術でも、容易に開発、実用化できる。
【0045】
例えば、既存の化学コンビナートの防災用の大容量泡放水砲システムの例では、その構成は、取水用水中ポンプ2基、送水用大容量ポンプ付消防車1台、加圧用大容量ポンプ付消防車1台、泡原液混合車1台、放水砲車(トレーラタイプ:放水圧力0.7Mpa、20,000L/min)1台、泡原液搬送車必要数、ホース展張・回数車必要数、簡易液槽1基、ホース必要数となっている。また、別の6万リットルシステムの例では、その中心資機材は、ハイドロサブポンプ3台、4万リットル対応混合器2台、4万・2万対応放射砲各1台となっている。
【0046】
また、東京消防庁の大型化学消防艇「みやこどり」では、その放水システムの構成は、毎分15,000Lの放水銃が2基、毎分10,000Lの放水銃が2基、毎分5,000Lの放水銃が2基で、6基合計で毎分70,000Lの放水が可能となっている。ちなみに、この大型化学消防艇の寸法は、全長43.2m、船幅7.5m、総トン数195.0t、最高速度20ノット(約36km/h)である。
【0047】
この放水工程M20では、放水用の水Wとして、揚陸目標海岸5の水域にある水(海水または淡水)を利用することができるので、水Wの供給に制限が無いという利点がある、また、水Wは現地調達でき、水Wを運搬する必要が無いので、放水工程M20で使用する揚陸準備システムS1を小型化できる。その上、爆索などの爆薬を使用して無効化する方法に比べて、爆発の危険性が無いので、揚陸準備システムS1の保管および移動や使用時における安全性を確保できる。
【0048】
さらに、放水工程M20では、爆発物21を爆発若しくは流出させるだけでなく、揚陸目標海岸5に構築された逆茂木22aや鉄条網22bやバリケード(図示しない)等の構築物22を切り崩したり、移動させたりして、これらの障害物20を、揚陸予定部位5aから排除する。さらには、揚陸予定部位5aの奥にある敵側の塹壕23aやトーチカ23b等の防御施設23を水浸しにしたり、水幕による視界遮断をしたりして、敵側の防御作業を困難にする。
【0049】
次に、誘爆用放水工程M21について説明する。この誘爆用放水工程M21では、図7に示すように、揚陸目標海岸5における揚陸予定部位5aに、第1移動体31-1に搭載した第1放水砲32-1から大容量放水して、第1放水砲32-1から10m以上かつ500m以下の第1距離を離れた位置に落下させる誘爆用放水を行う。なお、図7の構成では、第1移動体31-1には、第1放水砲32-1を有する放水用システムS11のみを搭載し、送水用ホース35経由で高圧の水Wを供給し、第1放水砲32-1から放水している。
【0050】
この誘爆用放水工程M21では、10m以上の比較的遠方の障害物20(爆発物21、構築物22)を対象にしており、空中への棒状放水による大容量放水の水(水隗)Wの大部分を落下領域Rに集中的に落下させて障害物20を直撃する。そして、この誘爆用放水で放水した水Wの落下衝撃力により、揚陸予定部位5aの放水落下領域Rに配置されている障害物20(21a、21b、21c、22a、22b)を、誘爆させたり、破損させたり、移動(揚陸予定部位5aからの流失)させたりすることにより、障害物20を爆発若しくは除去により無効化して、揚陸予定部位5aの安全性を向上させる。
【0051】
この誘爆用放水では大容量放水された水Wを、図8に示すように、40m~50m以上の高さから落下させることができるので、比較的小さい踏圧(0.5kgf~10kgf程度)の対人用地雷21bだけでなく、比較的大きい踏圧(70kgf~300kgf程度)の対車両用地雷21cも爆発させることができる。
【0052】
また、この誘爆用放水では、放水の落下領域Rの移動範囲にある爆発物21に対して、所定の落下衝撃力を加えることができる。しかし、処理対象の爆発物21の相互間での「殉爆(自身の爆発で、隣接する爆発物が影響受けて爆発する)」を期待できない。また、この誘爆用放水では、水面下にある機雷21aや地雷21b、21c等の爆発物21に対しては、これらの周囲の水の影響を受けるので落下する水Wの衝撃効果が減少する。そのため、この水中の爆発物21に対しては、後述する除去用放水工程M22における放水で対処する。
【0053】
また、誘爆用放水工程M21では、落下領域Rを毎秒1mの移動速度で120m移動しても2分程度であり、図8に示すように、上下方向の放水角度(傾斜角度)α1、α2を変化させて、落下領域R(R1、R2)を放水方向に移動するとしても、この移動は比較的短い時間で済むので、繰り返し行うことで、効率よく揚陸予定部位5aを安全化できる。
【0054】
また、放水砲32の放水方向を横に振ることで、落下領域Rを線状だけではなく、帯状や面状にすることができる。そのため、放水方向を横方向(左右方向)に往復移動させることで、容易に落下領域Rを往復移動させて広い幅で爆発物21の無効化作業ができ、無効化する揚陸予定部位5aの幅Bcを容易に拡大できる。従って、比較的、短時間で、容易に広範囲の揚陸予定部位5aの安全性を高めることができる。
【0055】
さらに、この大容量放水に関しては、現状でも放水を2時間近く継続できる消防用設備が市販されている。そのため、誘爆用放水では、放水角度αを変更したり、放射水圧を変更したりすることで、放水された水Wの落下領域Rを往復移動させたり、または、時間間隔を置いて間歇的に放水することで、容易に多数回の踏圧及び踏圧の繰り返しを模擬することが可能となる。従って、複数回の圧力付加によって起爆する種類の爆発物21に対して、その信管の起爆までの圧力付加回数の設定が不明であっても、容易に爆発させて無効化することができる。
【0056】
次に、除去用放水工程M22について説明する。この除去用放水工程M22では、図9及び図10に示すように、放水砲32の射出方向の上下方向の角度である放水角度αを水平に関して下側をマイナス、上側をプラスとして、第1移動体31-1に搭載した第1放水砲32-1、第1移動体31-1に搭載した別の第2放水砲32-2、または、別の第2移動体31-2に搭載した第3放水砲32-3から、放水角度αをマイナス45°からプラス20°の範囲内の角度で、大容量放水の水Wを5m以上かつ100m以下離れた位置に放水する。
【0057】
これにより、揚陸予定部位5aに配置された障害物20(21a、21b、21c、22a、22b)を、放水した水Wによって生じる水流または水圧により、誘爆させたり、破損させたり、移動させたりする。これにより、障害物20を揚陸予定部位5aから排除する。つまり、この除去用放水では、水中又は空中への棒状放水で除去対象の障害物20を直撃して、水流又は水圧により障害物20を誘爆又は移動させて除去する。なお、図9に示す構成では、移動体31(31A、31B)には、放水砲32(32a、32b、32c)を有する放水用システムS11のみを搭載し、送水用ホース35経由で高圧の水Wを供給し、放水砲32から放水している。
【0058】
なお、この放水位置の下限は、爆発物21が万一爆発しても、放水砲32側の破損が少ないと考えられる距離であり、ここでは5mとしている。また、放水位置の上限は、放水による効果が有ると考えられる上限の距離であり、ここでは100mとしている。この100mは発明を明確にするために単に上限が求められている場合に、この上限を数値で示すために、仮りに設定した数値であり、今後の放水技術の進展で変化してもよい数値である。ここでは権利範囲を確定するために、放水位置を除去対象の障害物20から5m以上100m以下としている。
【0059】
なお、放水砲32から放水される水の放射速度に関しては、放射圧力0.7MPaで放射速度36m/s~40m/sの実験データがある(例えば、非特許文献1参照)。なお、水中での放水に関しては、水深10mで、水圧は約1kgf/cm(約1atm(気圧),約0.1MPa)であるので、水中における除去用放水においても、大きな放射速度を得るのに大きな困難はない。
【0060】
この除去用放水工程M22を使用することで、さらに、機雷原や地雷原の近傍に接近して、放水角度αを低くして、障害物20に向けて水流を直撃し、さらに、放水方向を横方向に振ることで、誘爆するものは誘爆させ、破損するものは破損させる。また、爆発しない構築物22に対しては、水流または水圧によって水底(海底、湖底、川底など)Bや水面S上の岸辺(海岸、湖岸、川岸など)Cから掘り起こして流失させる。
【0061】
これにより、誘爆用放水工程M21だけでは安全化できない障害物20を物理的に移動させて、揚陸予定部位5aから除去する。つまり、この除去用放水は、比較的近距離で、水中(または海中)に水没されていたり、水底(海底、湖底、川底など)Bに繋留されていたり、水底Bや岸辺Cに埋設されている障害物20に対して効果がある。
【0062】
この除去用放水に使用する放水砲32は、棒状放水を行うもので、誘爆用放水工程M21で使用する放水砲32と同じであってもよく、別の放水砲32であってもよい。しかしながら、空中に放水して、落下領域Rを小さくしつつ、遠距離でかつ高い位置から水Wを落下させる必要がある誘爆用放水と、空中だけでなく水中において、放水で発生する水流と水圧を大きくする必要がある除去用放水とでは、その目的とする作用効果が異なる。そのため、放水砲32の一部の構造が変更可能な放水砲32やそれぞれの機能に特化した放水砲32を用いることが好ましい。同じ構造の放水砲32のまま、両方の棒状放水を行うように構成してもよいが、戦時に使用するものであるので、放水砲32の機構的な故障を避けることがより重要である。
【0063】
次に、水幕用放水工程M23について説明する。この水幕用放水工程M23では、図10に示すように、第1~第3放水砲(32-1、32-2、32-3)等の機能の切換え、又は、別の第4放水砲32-4により、水をウォーターカーテン状や噴霧状にして放水して、揚陸予定部位5aの前方の視界を遮る。これにより、敵側からの揚陸の状況の探知作業を妨害する。つまり、空中への水幕用放水で視界を遮断することにより、敵側の探知能力を低減させる。
【0064】
ウォーターカーテン状の放水の場合は比較的遠距離からの放水でよく、揚陸準備作業中及び揚陸中において、放水砲32を搭載した移動体31を揚陸予定部位5aの近傍に配置して放水する。一方、噴霧用放水の場合には、揚陸予定部位5a上で放水砲32を搭載した移動体31を前進させて、揚陸予定部位5aの先端部位5cの近傍に放水砲32を配置して放水する。これらの放水により、揚陸予定部位5aに対する敵側の視界を、ウォーターカーテンや噴霧で遮って目隠しすることが可能となり、揚陸準備作業及び揚陸作業をより安全に行うことができるようになる。つまり、放水された水Wを煙幕の代わりとする。この水幕状放水をするための放水砲32の構造としては、文化財の防災対策用の放水砲の構造等を参考にすることができる。
【0065】
また、この水幕用放水においては、必要に応じて泡発生剤や色や磁気等を帯びた粉末や粒子を放水の水に混入することにより、可視光線や赤外線やレーダー波等における、より多くの検知範囲に対して目隠し効果を発揮できる。この場合、水幕は、風で移動する煙幕に比べると風の影響が比較的少なく、目隠し時間を多少長く維持できる。
【0066】
一方、発泡剤を混入した場合は、泡により視界を遮ることができる時間が長くなるという効果がある。一方、泡は風に流され易いので、その効果は風向や風力に依存することになる。なお、水膜による目隠しが困難な程、風が強い場合は、風に舞う短冊状や帯状の電波反射体の根元を基礎(重し)に連結した目隠し用の器材を、揚陸予定部位5aの前方にロケット等によりばら撒いて設置したりしてもよい。
【0067】
これらの誘爆用放水工程M21と除去用放水工程M22では、揚陸予定部位5aの奥行が浅い場合には、放水砲32を固定した状態で放水してもよいが、揚陸予定部位5aの奥行が深い場合には、放水砲32を揚陸予定部位5aに向かって移動しては停止しながら、あるいは揚陸予定部位5a上を移動しつつ放水する方法が効率的である。
【0068】
そして、この移動体31の移動方法としては、自走若しくは曳航若しくは運搬がある。また、これらの方法で、水上、水中、水底のいずれか、または、幾つかの組み合わせで移動する。自走の場合は、無人で無線誘導や有線誘導により移動させることができ、無人とすることで安全に揚陸準備作業ができる。また、曳航の場合は、移動体31に設ける移動用の機構が少なくなるので、移動体31を簡素化でき、小型化が可能になる。さらに、運搬の場合には、既存の消防用の大容量放水機材を利用することができ、移動体31が不要で、単なる運搬で移動させるだけで、揚陸準備作業に使用できるようになる。
【0069】
また、移動体31が水上を移動する場合は、移動体31の構造を簡素化でき、小型化が可能になる。また、移動体31が水中を移動する場合は、移動体31が水面下を移動して揚陸目標海岸5に接近できるので、敵側に発見され難くなる。また、移動体31が水底Bを移動する場合は、そのまま陸上側へ岸辺Cへの揚陸も行うことができるので、より陸側の奥まで進行して、揚陸準備作業を行うことができ、揚陸予定部位5aの奥まで揚陸準備作業を行うことができる。さらに、幾つかの移動の組み合わせを可能にすると、それぞれ移動方法のメリットを併せ持つことができる。
【0070】
次に、この揚陸準備方法で用いる揚陸準備システムS1について説明する。図2及び図3に示すように、この揚陸準備システムS1は、陸上の石油コンビナート火災対策用、空港対策用、原子炉対策用などや海上の消防艇などの消火システムと略同じ構成で構成される。つまり、放水砲32を搭載した放水砲用の移動体31とからなる放水用システムS11、加圧して送水する加圧用ポンプユニット33とからなる送水用システムS12と、取水する取水ポンプユニット34(例えば、油圧駆動式の水中ポンプ)を有する取水用システムS13と、それらを繋ぐ送水用ホース35と、放水制御用装置36を備えた放水制御用システムS14とを有して構成される。また、必要に応じて、図示しないが、送水用ホース35の移動を中継するホース運搬用移動体、泡混合ポンプ、泡原液補給ポンプ等が加えられる。
【0071】
この放水用システムS11は、図2に示すように、移動体31とこの移動体31に搭載される放水砲32と送水用ホース35を備えている。この移動体31は、筐体31a、移動システム31b、放水砲32を搭載する台座31c、放水時の移動体31の後退を防止するための後退防止装置31d、移動システム31bや放水砲32を防護する装甲設備31e備えて構成される。この移動体31の大きさは、長さ約3.4m×幅約、2.5mの台座31cとそれより上の放水砲の高さ約1.6m程度あればよい。
【0072】
この移動体31の移動システム31bとしては、水上移動用のシステム、水中移動用のシステム、水底移動用のシステムが考えられる。これらの移動のそれぞれに関して、自航若しくは自走、または曳航若しくは牽引等が考えられる。
【0073】
この移動体31として水上を走行する自走式の場合を考えると、例えば、自衛隊の「LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇」は、全長26.4m、全幅14.3m、全高3.32m、重量185tで、積載能力70tである。また、フランス海軍の「L-CAT/EDA-R高速水上輸送艇」は、双胴揚陸艇で基準排水量285t、全長30.1mで、艇内に全長23m幅6.9mの車両デッキを有し戦車を含む60tの装備を輸送可能である。そのため、これらの艇体を改造して、これらの艇体に揚陸準備システムS1の全システムS11、S12、S13、S14を装備することが考えられる。
【0074】
そして、移動体31が水中を走行する場合は、移動体31に設けた防水区画に機器類を搭載し、自走できるようにスクリュープロペラなどの移動システムを設ける。この場合は、レーダーを躱したり、波の影響を少なくしたりできる。そして、この移動体31は深く潜る必要はなく、揚陸目標海岸5に接近するまでの間だけ、筐体31aが水面S上に露出しない程度の潜水状態若しくは半潜水状態でよい。そのため、水深数メートルを潜航若しくは走行できればよい。従って、防水区画も比較的簡便な防水構造で構成できる。
【0075】
また、移動体31が地上と水上の両方を走行する場合を考えると、自衛隊の「AAV7と呼ばれる水陸両用装甲車」が全長8.16m、全幅3.27m、全高3.32m、重量25.7tで、貨物4.5tであることを考えれば、この車体を改造して、全システムS11、S12、S13、S14を搭載することも考えられる。
【0076】
この移動体31が地上を走行する場合は、自衛隊の「96式装輪装甲車」が全長6.84、全幅2.40m、全高1.85m、重量14.5tであることと、また、自衛隊の「16式起動戦闘車」が全長8.45m、全幅2.98m、全高2.87m、重量26tであることを考えれば、送水用システムS12、取水用システムS13もまとめて1つの移動体31に搭載することも考えられる。
【0077】
そして、この移動体31が水底を走行する場合は、水深10m程度のところから自走できればよいので、無限軌道や車輪による走行システムを水底走行システムとすることができ、例えば、水陸両用ブルドーザーや水中ブルドーザー等の水底走行装軌車両のシステムを使用できる。
【0078】
この移動体31の動力源としては、電力供給線による電気推進システムを用いてもよい。また、航行時間は比較的短くて良いので、蓄電池による電気推進システムを用いてもよい。この水中走行の移動体としては、水中ロボットの推進システムを使用することができる。また、推進システムを備えない移動体31を水中ロボットで曳航するようにしてもよい。さらには、送水用ホース35で送られる高圧水を駆動源にしてもよい。特に、特許文献11の水圧駆動式海底走行作業機のように、水圧モーターを駆動して移動する構成を採用すると、放水砲32に放水用の水を供給し、その水の水圧と水量も制御しているので、移動体31の構造が著しく単純化し、小型化できる。
【0079】
また、図4図5の構成では、移動体31が放水時に放水の反力によって後退するのを防止するための後退防止装置31dは昇降可能な「棒状の楔」で構成し、移動体31が停止して後退を防止する時には、この後退防止装置31dを降下して地面に突き刺して、移動体31の後退を防止し、移動体31の移動時は、後退防止装置31dを上昇して地面から抜き出して、移動体31の移動を妨げないようにしている。この後退防止装置31dは移動体31の後退を防止できれば良く、他の構成であってもよい。
【0080】
次に、放水砲32について説明する。この放水砲32の候補としては、大容量泡放射砲のノズルとして使用されている、ノズルに吸気機構を持つ「内部吸気発泡方式のアスピート型ノズル」、ノズルに吸気機構を持たない「外部吸気発泡方式のノンアスピート型ノズル」、吸引口を開閉して切り替え可能な「セミアスピート型ノズル」等がある。また、送水用ホース35に関しては、現時点では、使用圧力1.4MPaのホース(口径300A)が実用化されている。
【0081】
なお、放水された水の落下領域(着水域)を狭くして、落下衝撃を大きくするためには放水ノズルの構造と放水角度αの設定等の放水方法を改良した方がよいが、泡の混合を考えなければ、比較的単純なノズル構造でシリーズ的に各部の寸法変化をさせて放水実験をすることで、容易に目的に適した放水ノズルの構造を実験的に求められる。
【0082】
そして、消防用の放水ユニットとしては、現状で既に、石油コンビナート火災対策用の消火システムにおいて、下記の例がある。まず、放水ユニットとしては、直状放射に加えて広角噴霧放射の機能も有するノンアスピレート型泡ノズルで、放水圧力が0.7MPa(0.9MPa)で、流量30,000L/minで、放水砲が載っている台座の寸法が長さ約3.4m×幅約、2.5m×高さ約1.6mとなっている。放水圧力0.7MPa(0.9MPa),放水高さ約35m(約42m)、放水距離約115m(約130m)となっている。なお、別の放水砲では、放水圧力が0.8MPaで、流量20,000L/minで、放水口の径は約130mmφ程度で、放水砲自体の重量は約19Kg程度である。
【0083】
次に、図3に示すように、送水用システムS12では、ポンプと駆動源と送水用ホース35を備えた加圧用ポンプユニット33を用いる。この加圧用ポンプユニット33としては、送水圧力が約1.2MPaで、流量25,000L/minで、長さ約4.6m×幅約2.5m×高さ約2.5m×重さ約7.2t(エンジンとその燃料込)となっている、現状の消火システムを流用できる。
【0084】
また、図3に示すように、取水用システムS13では、水中ポンプと駆動源と取水装置と送水用ホース35を備えた取水ポンプユニット34を用いる。この取水ポンプユニット34としては、油圧駆動式の水中ポンプ2基の構成で、全揚程約20m(0.2MPa)、流量12,500L/min(1基あたり)で、長さ約3.8m×幅約2.1m×高さ約2.5m×重さ約250kgとなっている、現状の消火システムを流用できる。
【0085】
そして、図3に示すように、放水制御用システムS14では、放水制御用装置36を用いる。この放水制御用システムS14では、人員2や車両3が揚陸するまでは、揚陸用艦艇1等で操作するが、人員2や車両3が揚陸した後は、その場の状況に応じて、移動体31の移動や大容量放水を制御できるように、人員2による手動操作や車両3からの遠隔操作ができるように構成する。
【0086】
これらの各システムS11、S12、S13の移動方法に関しては、放水用システムS11は、最前線に配備されて、敵の砲火を受ける可能性が大きいので、小型化したり装甲化したりして、敵側からの砲火による破損を防ぐことが好ましい。また、図4に示すように、送水用システムS12と取水用システムS13は、送水用ホース35の破損を避けるため、できるだけ一体化して移動体31の内部に配置して、揚陸目標海岸5の近傍まで運搬用航走体37により移動できるように構成して、防御や整備を行い易くしておくことが好ましい。なお、図5に示すように、送水用ホース35の外部への露出を防止するために放水用システムS11と送水用システムS12と取水用システムS13を一体化して移動体31の内部に収容してもよい。しかし、この場合は、放水砲32を岸辺Cの奥までは移動できない。
【0087】
従って、送水用システムS12と取水用システムS13を一体化して、放水用システムS11とは送水用ホース35で連結するのが好ましい。例えば、これらの送水用システムS12と取水用システムS13は、揚陸用艦艇1に固定配置して、揚陸用艦艇1に備えた駆動源を用いる。あるいは、揚陸用艦艇1の効率的利用を考えて、揚陸用艦艇1からは独立させて、揚陸目標海岸5に揚陸させておけるように、コンテン等の筐体内に配置して、この筐体を移動可能に構成したり、他の移動体に搭載したりして構成することがより好ましい。
【0088】
次に、上記の各種工程を含んだ揚陸準備方法について説明する。最初に、図6に示すように、揚陸目標海岸5における揚陸予定部位5aを設定する。この揚陸予定部位5aに対して放水工程M20を行うために、搬送工程M10で、揚陸準備システムS1を揚陸予定部位5aの後端部位5b、又は、図7に示すように、その近傍に搬送する。この揚陸準備システムS1は、揚陸用艦艇1に備えていてもよく、揚陸用艦艇1によって搬送される移動体31に搭載されていてもよい。
【0089】
この移動体31としては、図11に示すような陸上を走行する車両31A、図12に示すような水上を航行する小型舟艇31B、図13に示すような水上と陸上の両方を移動できる水陸両用車31C、図14に示すような水中を航行する小型水中航走体(水中ロボット)31D、図15に示すような水底及び陸上を走行する水底走行体31E等を用いることができる。なお、図11図15に示す構成では、大容量放水時に移動体31が後退しないように、後退防止装置31dを水底B又は岸辺Cに打ち込み、移動時には、後退防止装置31dを引き上げる。移動システム31bで十分に後退を避けることができる場合には、この後退防止装置31dは不要となる。
【0090】
そして、小型舟艇31Bや水陸両用車31Cのように水上走行する場合には、敵側のレーダーによる探知や視認による探知により、揚陸予定部位5aへの接近が探知され、攻撃を受ける恐れがある。したがって、揚陸予定部位5aへの接近に際しての安全が確保されていない状況では、水中または水底を走行する小型水中航走体31Dや水底走行体31Eを用いることが好ましい。
【0091】
これらの移動体31は、運搬用航走体37(37A、37B、37C)により、揚陸予定部位5aの近傍に搬送され、運搬用航走体37から揚陸予定部位5aに向かって発進される。なお、図7では、揚陸用艦艇1が運搬用航走体37となっている。なお、これらの移動体31を揚陸予定部位5aに搬送する場合においても、敵側のレーダーによる探知や視認による探知を避けるために、図16に示すような水面を航走する運搬用航走体37Aよりも、図17に示すような水面上への露出を最小限に抑えた半没水型の運搬用航走体37Bや、図18に示すような水中を航走できる運搬用航走体37Cを用いることが好ましい。さらには、水中で、移動体31を発進できる構造をしていることがより好ましい。
【0092】
また、この揚陸準備作業は敵側からの攻撃を受け易い危険な作業であるので、これらの運搬用航走体37と移動体31は無人化して、その移動のための操縦に関しては、有線や無線による遠隔操縦や、予め設定したプログラムやデータに従って自律的に動くように構成しておくことが望ましい。
【0093】
この図18に示すような運搬用航走体37および移動体31の揚陸予定部位5aへの接近に際しては、敵側の攻撃による破損を防止するため、掃海作業や、ダミーにより欺瞞や、電子戦によるレーダーの無効化や、煙幕による視界制限や、水中の機雷に対しての音響欺瞞等を行う。
【0094】
そして、搬送工程M10で、揚陸準備システムS1を揚陸予定部位5aの後端部位5bに搬送した後で、放水工程M20の除去用放水工程M22を行う。この除去用放水工程M22では、放水砲32を備えた移動体31を後端部位5bに配置して、放水による後退が起こらないように固定してから、放水砲32の放水口32aが水中にある状態で、放水砲32の上下方向の傾斜角度である放水角度αを低くして前方の水底B側又は前方側に向けて大容量放水を行う。
【0095】
この水中での大容量放水により、揚陸予定部位5aに配置された爆発物21を放水によって生じる水流または水圧により、揚陸予定部位5aから排除する。この場合に、放水砲32の放水口32aを左右に振ることにより、除去範囲の幅を拡大し、放水角度αの変化により除去範囲の奥行を拡大する。地雷21bを除去できる時間として設定された時間を経過したら、大容量放水を停止して、放水砲32を備えた移動体31の固定を解除して、前進させる。そして、次の位置で、移動体31を固定して大容量放水を行い、水中の爆発物21などの除去作業を繰り返す。なお、移動体31が大容量放水時の固定が不要で、前進しながら大容量放水が可能な場合は、前進しながら大容量放水を行う。
【0096】
移動体31の前進により、放水砲32の放水口32aが水面上に露出するようになっても、空中での大容量放水により、揚陸予定部位5aの岸辺Cの地面(空中に露出した部位)に配置された爆発物21を放水によって生じる水流または水圧により、排除することができるので、必要に応じて、水面より上での大容量放水による除去用放水工程M22を行う。
【0097】
一方、誘爆用放水工程M21は、陸上の露出された遠方の爆発物21の処理に適しているので、除去用放水工程M22の前工程として行う。しかし、その時の状況によって、除去用放水工程M22の途中に誘爆用放水工程M21を挟んで、両方の工程を交互に行ってもよい。また、別々の放水砲32により、並行して同時に行ってもよい。
【0098】
また、移動体31が陸上を走行できなかったり、敵側の攻撃を受けたり、爆発物の無効化が確認できなかったりして、前進が困難で、除去用放水工程M22を継続して行うことができない場合には、放水砲32の放水口32aの放水角度αを大きくして、誘爆用放水工程M21を行う。
【0099】
この誘爆用放水工程M21による大容量放水の水Wの落下衝撃により、揚陸予定部位5aに配置された爆発物21を、誘爆または破損または揚陸予定部位5aからの流失により無効化して、揚陸予定部位5aを安全にする。
【0100】
なお、誘爆用放水工程M21で行う大容量放水の水Wの落下領域Rは、放水距離の範囲内で比較的自由に広範囲に選択できるので、放水砲32が揚陸予定部位5aの後端部位5bに配置されなくても行うことができる。つまり、放水砲32が揚陸予定部位5aの後端部位5bから離れた位置にあっても、そこから開始できる。また、揚陸予定部位5aの奥行が短いときは、必ずしも、放水砲32を揚陸させず、水面上に留めておいてもよい。
【0101】
この場合においても、放水砲32の放水口32aを左右に振ることにより、誘爆範囲の幅を拡大し、放水角度αの変化により誘爆範囲の奥行を拡大することができる。なお、揚陸予定部位5aの奥行が放水砲32の放水射程距離よりも大きいときは、地雷21bを除去できる範囲を落下水Wにより走査したら、大容量放水を一旦停止して、放水砲32を備えた移動体31の固定を解除して、前進移動させる。そして、次の位置で、移動体31を固定して大容量放水を行い、陸上の爆発物21などの誘爆作業を行う。これを繰り返すことで、揚陸予定部位5aの深部まで安全化する。
【0102】
この除去用放水工程M22と誘爆用放水工程M21とにより、揚陸予定部位5aの安全化を行った後に、揚陸予定部位5aの後端部位5bにある放水砲32の放水状態を水カーテン状態にしたり、放水砲32を備えた移動体を揚陸予定部位5aの先端部位5cに移動させて、その場に固定し、放水砲32の放水状態を噴霧状態にしたりすることで、水幕用放水工程M23を行う。
【0103】
この水幕用放水工程M23により、揚陸予定部位5aに対する敵側からの視界を遮ることにより、揚陸予定部位5aにおける通路敷設工程M30における敷設作業や、その後の揚陸工程における人員や車両の揚陸作業の安全化を図る。
【0104】
上記の揚陸準備方法M1及び揚陸準備システムS1によれば、機雷原や地雷原によって防御されている揚陸目標海岸5への強襲揚陸を行う際に、大容量放水により、機雷原及び地雷原に水塊を断続的または連続的に落下させることにより、踏圧による信管を作動させたり、機雷や地雷等の障害物を水圧及び水流により掘り起こして流出させたりすることで無効化して、機雷原や地雷原によって防御されている揚陸目標海岸5への強襲揚陸を行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0105】
1 揚陸用艦艇
2 人員
3 車両
4 揚陸用コンテナ
5 揚陸目標海岸
5a 揚陸予定部位
5b 揚陸予定部位の後端部位
5c 揚陸予定部位の先端部位
20 障害物
21 爆発物
21a 機雷
21b 対人用地雷
21c 対車両用地雷
22 構築物
22a 逆茂木
22b 鉄条網
23 防御施設
23a 塹壕
23b トーチカ
31 移動体
31-1 第1移動体
31-2 第2移動体
31A 車両
31B 小型舟艇
31C 水陸両用車
31D 小型水中航走体
31E 水底走行体
31a 筐体
31b 移動システム
31c 台座
31d 後退防止装置
31e 装甲設備
32 放水砲
32-1 第1放水砲
32-2 第2放水砲
32-3 第3放水砲
32-4 第4放水砲
32a 放水口
33 加圧用ポンプユニット
34 取水ポンプユニット
35 送水用ホース
36 放水制御用装置
B 水底(海底、湖底、川底など)
Bp 均圧通路の幅
C 岸辺(海岸、湖岸、川岸など)
M1 揚陸準備方法
M10 搬送工程
M20 放水工程
M21 誘爆用放水工程
M22 除去用放水工程
M23 水幕用放水工程
R 落下領域
S1 揚陸準備システム
S11 放水用システム
S12 送水用システム
S13 取水用システム
S14 放水制御用システム
W 水
α 放水角度
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