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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085979
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】ワゴン反転装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 67/04 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
D06F67/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200332
(22)【出願日】2021-12-09
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 祐介
(72)【発明者】
【氏名】大澤 彰仁
(72)【発明者】
【氏名】藤田 拓也
(57)【要約】
【課題】 各リネン工場で使用されている様々なワゴンを反転させることができるワゴン反転装置を提供する。
【解決手段】
ワゴン反転装置は、ワゴンを収納するための収納部と、収納部を後方へ反転させるために駆動する駆動部と、を有し、収納部が、ワゴンを収納したときに、駆動部が駆動することで、当該収納部が反転し、当該ワゴンを反転させるというものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワゴンを収納するための収納部と、
前記収納部を後方へ反転させるために駆動する駆動部と、を有し、
前記収納部が、前記ワゴンを収納したときに、前記駆動部が駆動することで、当該収納部が反転し、当該ワゴンを反転させるワゴン反転装置。
【請求項2】
前記収納部は前記ワゴンを搬入するために開口する第1開口部と、前記搬入したワゴンを搬出するために開口する第2開口部と、を有し、
前記第1開口部と前記第2開口部は互いに対向する請求項1記載のワゴン反転装置。
【請求項3】
前記収納部を囲う外郭部と、を有し、
前記外郭部は、前記第1開口部と連通する第1外郭開口部と、前記第2開口部と連通する第2外郭開口部と、を有する請求項2記載のワゴン反転装置。
【請求項4】
前記収納部は、当該収納部の上方に配置した天井部に開口する天井開口部と、を有し、
前記天井部は、前記天井開口部に突出する第2押さえ部材を、さらに有し、
前記第2押さえ部材は、前記収納部を反転させたときに前記ワゴンを押さえる請求項1から3のいずれかに記載のワゴン反転装置。
【請求項5】
前記収納部は、前記ワゴンを載置するための底部と、を有し、
前記底部は、前記ワゴンを留め置くための開閉可能なフラップ部と、を有する請求項1から4のいずれかに記載のワゴン反転装置。
【請求項6】
ワゴンを収納するための第2収納部と、
前記第2収納部を後方へ反転させるために駆動する駆動部と、を有し、
前記第2収納部は、前記ワゴンを搬入するための搬入部と、前記搬入したワゴンを搬出するための搬出部と、を有し、
前記搬入部と前記搬出部は互いに対向し、
前記第2収納部が、前記ワゴンを収納したときに、前記駆動部が駆動することで、当該第2収納部が反転し、当該ワゴンを反転させるワゴン反転装置。
【請求項7】
前記第2収納部を囲う外郭部と、を有し、
前記外郭部は、前記搬入部と連通する第1外郭開口部と、前記搬出部と連通する第2外郭開口部と、を有する請求項6記載のワゴン反転装置。
【請求項8】
前記第2収納部は、当該第2収納部の上方に配置した天井部に開口する第2天井開口部と、を有し、
前記第2天井部は、前記第2天井開口部に突出する第2押さえ部材を、さらに有し、
前記第2押さえ部材は、前記第2収納部を反転させたときに前記ワゴンを押さえる請求項6または7に記載のワゴン反転装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記収納部を揺動可能に作動する請求項1から8のいずれかに記載のワゴン反転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布類が収納されたワゴンを反転させることでその収納された布類を取り出すワゴン反転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リネンサプライ業と通称される分野では、例えば、シーツや包布、テーブルクロス、デュベカバーあるいは制服などの布類をホテルや旅館、病院などのユーザーから回収して洗濯し、再びにそれらユーザーに配達するサイクルが繰り返される。このようなサイクルにおいて、シーツや包布、テーブルクロス、デュベカバーあるいは制服などの布類は、ワゴンに収納された回収される。
【0003】
回収された布類は、ワゴンに収納した状態でリネン工場に運ばれ、そのリネン工場において、そのワゴン内に収納された布類を作業者が、次工程である洗濯装置に搬送するためのコンベア上に取り出すという作業を行う。
【0004】
しかしながら布類を、ワゴン内から取り出すためには、その布類と接触しなければなららない。しかしながら、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の感染症(COVID-19)の流行により、そのウイルスに感染することを防止するために、その回収された布類に作業者が接触することを避ける必要がある。
【0005】
そのために、そのワゴンを逆さまに反転してその布類を取り出すという方法もあるが、そのワゴンは重量がかさむので人力で逆さまにすることは極めて困難である。
【0006】
一方で、特開2000-63072号公報においてドラム缶を逆さまに反転する容器の吊上げ回転装置が知られている。この容器の吊上げ回転装置は、吊枠(1)の下端に容器(9)を略半周する回転枠(2)を垂直面内で回転可能に支持して、回転枠(2)にウォームギア減速機構を含む手動回転駆動装置(4)を連繋し、回転枠(2)には、容器(9)を支持して該枠と一緒に容器を回転させる支持具(3)を配備して構成され、吊枠(1)をホイスト等の吊上げ回転装置によって宙吊りにし、支持具(3)に容器(9)を支持せしめ、手動回転駆動装置(4)によって回転枠(2)と一緒に容器(9)を回転させ、容器内の充填物を排出する容器の吊上げ回転装置において、回転枠(2)にバネ利用の付勢手段(5)を連繋して容器内容物の排出方向に回転付勢したことを特徴とするというものである。
【0007】
ワゴンを逆さまにするためには、上述の容器の吊上げ回転装置を適用することも考えられるが、各リネン工場で使用されているワゴンの形状やサイズは、似通ってはいるもののさまざまであり、そのままでは適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000-63072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、各リネン工場で使用されている様々なワゴンを反転させることができるワゴン反転装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、第1観点のワゴン反転装置は、ワゴンを収納するための収納部と、収納部を後方へ反転させるために駆動する駆動部と、を有し、収納部が、ワゴンを収納したときに、駆動部が駆動することで、当該収納部が反転し、当該ワゴンを反転させるというものである。
【0011】
また、第2観点のワゴン反転装置は、第1観点において、収納部はワゴンを搬入するために開口する第1開口部と、搬入したワゴンを搬出するために開口する第2開口部と、を有し、第1開口部と第2開口部は互いに対向するというものである。
【0012】
また、第3観点のワゴン反転装置は、第2観点において、収納部を囲う外郭部と、を有し、外郭部は、第1開口部と連通する第1外郭開口部と、第2開口部と連通する第2外郭開口部と、を有するというものである。
【0013】
また、第4観点のワゴン反転装置は、第1観点から第3観点において、収納部の上方に配置した天井部に開口する天井開口部と、を有し、天井部は、天井開口部に突出する第2押さえ部材を、さらに有し、第2押さえ部材は、収納部を反転させたときにワゴンを押さえるというものである。
【0014】
また、第5観点のワゴン反転装置は、第1観点から第4観点において、収納部は、ワゴンを載置するための底部と、を有し、記底部は、ワゴンを留め置くための開閉可能なフラップ部と、を有するというものである。
【0015】
また、第6観点のワゴン反転装置は、ワゴンを収納するための第2収納部と、第2収納部を後方へ反転させるために駆動する駆動部と、を有し、第2収納部は、ワゴンを搬入するための搬入部と、搬入したワゴンを搬出するための搬出部と、を有し、搬入部と搬出部は互いに対向し、第2収納部が、ワゴンを収納したときに、駆動部が駆動することで、当該第2収納部が反転し、当該ワゴンを反転させるというものである。
【0016】
また、第7観点のワゴン反転装置は、第6観点において、収納部を囲う外郭部と、を有し、外郭部は、搬入部と連通する第1外郭開口部と、搬出部と連通する第2外郭開口部と、を有するというものである。
【0017】
また、第8観点のワゴン反転装置は、第6観点または第7観点において、第2収納部は、当該第2収納部の上方に配置した天井部に開口する第2天井開口部と、を有し、第2天井部は、第2天井開口部に突出する第2押さえ部材を、さらに有し、第2押さえ部材は、第2収納部を反転させたときにワゴンを押さえるというものである。
【0018】
また、第9観点のワゴン反転装置は、第1観点から第8観点において、駆動部は、前記収納部を揺動可能に作動するというものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、各リネン工場で使用されている様々なワゴンを反転させることができるワゴン反転装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】Aは、収納部が直立した状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の平面図。
図2】Aは、収納部が直立した状態のワゴン反転装置の正面図。Bは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の正面図。
図3】Aは、収納部が直立し、第1扉部が開いた状態のワゴン反転装置の左側面図。Bは、収納部が反転し、第1扉部が閉じた状態のワゴン反転装置の左側面図。
図4】Aは、収納部が直立し、第2扉部が開いた状態のワゴン反転装置の右側面図。Bは、収納部が反転し、第1扉部が閉じた状態のワゴン反転装置の右側面図。
図5】Aは、ワゴンを搬入しようとする状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、ワゴンを搬入しようとする状態のワゴン反転装置の正面図。Cは、ワゴンを搬入しようとする状態のワゴン反転装置の左側面図。
図6】Aはワゴンを搬入した状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、ワゴンを搬入した状態のワゴン反転装置の正面図。Cは、ワゴンを搬入した状態のワゴン反転装置の左側面図。
図7】Aは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の正面図。Cは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の左側面図。Dは、収納部が反転した状態のワゴン反転装置の背面図。
図8】Aはワゴンを搬出しようとする状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、ワゴンを搬出しようとする状態のワゴン反転装置の正面図。Cは、ワゴンを搬出しようとする状態のワゴン反転装置の右側面図。
図9】Aはワゴンを搬出した状態のワゴン反転装置の平面図。Bは、ワゴンを搬出した状態のワゴン反転装置の正面図。Cは、ワゴンを搬出した状態のワゴン反転装置の左側面図。
図10】Aは、第2収納部が直立した状態の第2実施例のワゴン反転装置の平面図。Bは、第2収納部が反転した状態の第2実施例のワゴン反転装置の平面図。
図11】Aは、第2収納部が直立した状態の第2実施例のワゴン反転装置の正面図。Bは、第2収納部が反転した状態の第2実施例のワゴン反転装置の正面図。
図12】Aは、第2収納部が直立し、第1扉部が開いた状態の第2実施例のワゴン反転装置の左側面図。Bは、第2収納部が反転し、第1扉部が閉じた状態の第2実施例のワゴン反転装置の左側面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図示の実施形態を参照して、本実施例のワゴン反転装置10について説明する。本実施例の本実施例のワゴン反転装置10は、客先で収集した複数の布類Wが配置されたワゴン200をほぼ逆さまになるように反転させて、その布類Wを次工程である洗濯する洗濯装置(図示せず)に搬送するコンベア300上に移すためのものである(図7参照))。なお、ワゴン200は、筒状を呈するとともに複数の鋼材を組みたてて箱状にし、上方の天井に相当する部分はそのワゴン200内に収集された布類Wの出し入れをするために開口する開口部210を有している(図5参照)。
【0022】
また、ワゴン200の底部220の裏面の4角には、車輪を有するキャスタ230を備え、走行可能としたものである。また、そのキャスタ230は、走行方向が前方の1方向に定められているもの、あるいは走行する方向が自在に転回するものであっても好ましい。なお、ワゴン200は、その内部に多数の布類Wを収集し、客先からリネン工場に運ばれ、洗濯などの処理をするために使用するものであることは言うまでもない(図5参照))。
【0023】
本実施例のワゴン反転装置10は、収納部20と、その収納部20を後方へ反転させるために駆動する駆動部70とを有する。収納部20は、文字通りワゴン200をその内部に収納することができ、収納部20がほぼ逆さまに反転すると、その内部に収納したワゴン200ごとほぼ逆さまに反転させることができる。したがって、ワゴン200の内部に収集した多数の布類Wを次工程である洗濯装置に搬送するためのコンベア300上に、移し替えることができる。収納部20が作動する角度は側面視において155度が好ましいがこの角度に限られることはない。
【0024】
収納部20は、ワゴン200をその内部に収納するのに十分な大きさを有しており、籠状の直方体形状を呈するものが好ましく、その天井に相当する天井部21は、布類Wを排出するために開口する天井開口部22を有する。また、収納部20は、側面を構成する、前方F方向に配置されている前方側面部31と、後方B方向に配置されている後方側面部32と、左L方向に配置されている左側面部34と、右R方向に配置されている右側面部35とを有する。
【0025】
天井部21における天井開口部22から、ワゴン200内に収集した布類Wを取り出すことができる。また、天井部21には、押さえ部材21a、21aを有し、その押さえ部材21a、21aは、天井開口部22内に突出するように配置されている。また、押さえ部材21a、21aは、収納部20にワゴン200を収納し、そのワゴン200を反転させたときに、収納したワゴン200を押さえ、そのワゴン200の落下を押さえつつ、ワゴン200に収集した布類Wのみを落下させるとともに、そのワゴン200の、がたつきを押さえるためのものである。
【0026】
後方側面部32は、収納部20が反転した際にワゴン200を支えるために、その全面にゴムシート32aを貼付している。ワゴン200は主として鉄製であり、収納部20を反転させた際に、ワゴン200との衝撃を吸収するためにそのゴムシート32aを配置することが好ましい。
【0027】
また、左L方向に配置されている左側面部34は、開口する第1開口部44を有する。第1開口部44は、ワゴン200を収納部20内に収納するのに十分な大きさを有し、その第1開口部44からワゴン200を収納部20内に搬入することができる。
【0028】
また、右R方向に配置されている右側面部35は、開口する第2開口部45を有する。第2開口部45は、収納部20内に収納したワゴン200を外部に搬出するのに十分な大きさを有し、その第2開口部45からワゴン200を外部に搬出することができる。
【0029】
すなわち、第1開口部44と第2開口部45は、互いに対向するように配置されており、ワゴン200は、第1開口部44を通して、収納部20内に収納され、そのワゴン200は、後述する底部50を挟んで第1開口部44の反対側に配置された第2開口部45から外部に搬出される。このワゴン200を搬入し、搬出される導線は、左L方向から右R方向であり、後述するワゴン200を反転する方向(後方B方向)とは異なる方向、すなわち交差する方向であり、特に収納部20にワゴン200を搬入し、かつ搬出される導線(左L方向から右R方向)と、その収納部20を反転する方向(後方B方向)とは、直角に交差する方向が好ましい。
【0030】
このように、第1開口部44と第2開口部45と、は、互いに対向するように、すなわち互いに後述する底部50を挟んで反対側に配置されており、洗濯する布類Wを多数配置した複数のワゴン200を、あらかじめ第1開口部44の前に配置する(図示しない)。その中の1のワゴン200を、第1開口部44を通して、収納部20内に収納し、収納部20ごと、ワゴン200を反転させ、その中に収集した多数の布類Wをコンベア300上に配置したのちに、空のワゴン200を、第2開口部45から搬出するというものである。したがって、従来の反転装置においては、反転させる対象であるワゴン200を搬入する搬入口と搬出する搬出口が共通していたので、ワゴン200を出し入れする際に搬入する入口付近が渋滞する場合があるが、本実施例のワゴン反転装置10はその渋滞を防止することができる。このように、本実施例のワゴン反転装置10においてワゴン200を搬入する搬入口と搬出する搬出口へ、至る動線(左L方向から右R方向)を確保することができる。
【0031】
また、収納部20の底に相当する底部50は、ワゴン200を載置するためのものでありそのキャスタ230を乗せるためのものである。底部50は、平面視、矩形状を呈しその底部50は、開閉可能に配置されている板状を呈するフラップ部55、55を有している。また、フラップ部55、55は、前方F方向から後方B方向にその長辺が沿うように配置されている。また、底部50には、左L方向から右R方向に対して平行に配置されている複数のレール部56、56を有している。フラップ部55、55は、上述の通り、板状であって、長方形状を呈するものである。その板状であって、長方形状を呈するフラップ部55、55の一方の長辺を中心に、底部50から立ち上がるように他方の長辺が開き、その開く方向に図示しない弾性部材によって付勢されている。すなわち、前記ワゴンを留め置くための底部50上にワゴン200を載置したときに、そのフラップ部55、55を踏むことで、開いたそのフラップ部55、55を押し下げて閉じ(底部50と平行となるように閉じ)、ワゴン200がそのフラップ部55、55を通過した後に再び開くように構成されている。したがって、フラップ部55、55が開くと、収納されたワゴン200のキャスタ230における車輪止めとなり、ワゴン200を留め置くことができる。なお、フラップ部55、55の開く向きを逆にすることで、第2開口部45からワゴン200を搬入し、第1開口部44からそのワゴン200を搬出することもできる。
【0032】
駆動部70は、収納部20を反転させるために駆動するものであり、その駆動部70は、モータ71とそのモータ71の回転を減速するギア72とを有し、モータ71の回転をそのギア72の回転を軸部73に伝達する。軸部73は、収納部20に固定されている。したがって、モータ71の回転する駆動力によって、収納部20を後方B方向に反転させることができる。また駆動部70は、収納部20の反転時の限界位置Yを検知するリミットスイッチ75と、収納部20が、直立する原点位置Xを検知する原点位置スイッチ76を有し、原点位置Xと限界位置Yとを検知することで、その範囲内で収納部20の反転作動をするように規定されている(図3、4参照)。
【0033】
また、駆動部70は、収納部20を所定の角度内で揺動することもできる。駆動部70が最大限駆動し収納部20を限界位置Yにし、ほぼ収納部20を逆さまに反転させた場合に、その中に収納している布類Wが落下しないときに、その布類Wを振り落とすために揺動することができる。(図3参照)。
【0034】
また、第1実施例のワゴン反転装置10は、外郭となる外郭部100を有する。外郭部100は、反転動作をする収納部20の周囲を囲うためのものであり、図示しない作業者の立ち入りを制限するためのものである。外郭部100は、開閉可能な第1扉部110を有し、かつ開口するする第1外郭開口部111と、開閉可能な第2扉部120を有し、かつ開口する第2外郭開口部121とを有する。
【0035】
また、外郭部100の内部に、収納部20を配置したときに、第1外郭開口部111と、第1開口部44とは連通するように配置される(図3A参照)。また、第2外郭開口部121と第2開口部45も連通するように配置される(図4A参照)。したがって、第1扉部110を開くと、第1外郭開口部111と、第1開口部44が出現する。同様に第2扉部120を開くと、第2外郭開口部121と、第2開口部45が出現する。
【0036】
次に、第1実施例のワゴン反転装置10とその使用方法を説明する。第1実施例のワゴン反転装置10において、第1扉部110にむかって、複数の布類Wを収集したワゴン200を配置する(図5A、B、C参照)。また、図示しないが、次に処理をする他のワゴンをあらかじめ配置することもできる。このように次に処理をするワゴンを第1扉部110の付近に配置することで、そのワゴン200を迅速に処理することができる。
【0037】
図示しない作業者が、外郭部100における第1扉部110を開けると、第1外郭開口部111と、第1開口部44とは連通しているために、それらを通過し、ワゴン200を収納部20内に収納する。そのとき、底部50に配置されたフラップ部55、55が再び開き、ワゴン200におけるキャスタ230における車輪止めとなる。また、その車輪は、レール56、56に沿って配置されているので、フラップ部55、55と相まってその車輪を収納部20内に留め置くことができる(図6A、B、C参照)。
【0038】
その後、図示しない作業者は、第1扉部110を閉める。そのとき、複数の布類Wを入れたワゴン200は、収納部20に収納した状態である。
【0039】
図示しない作業者が、収納部20の反転を開始するための反転ボタン(図示せず)を押圧すると、駆動部70が駆動することによって、収納部20が反転する。なお、収納部20がほぼ反転した状態で、収納部20を揺動させるための揺動ボタン(図示せず)を別途コントローラに配置することも好ましい。その図示しない揺動ボタンを押す間は、駆動部70を駆動させるプラグラムによって、収納部20がほぼ反転した状態で布類Wを振り落とすための揺動作動するように構成することができる。
【0040】
駆動部70が駆動することにより収納部20が後方R方向に反転し、いわばその収納部20が、逆さまの状態となり、その中に配置したワゴン200も逆さまの状態となる。ワゴン200も逆さまとなるのでその中に配置された複数の布類Wが、上述のコンベア300上に落下する。このとき、天井部21に配置した押さえ部材21a、21aが、ワゴン200の上端部を支持するために、サイズの異なるワゴンであっても、がたつきを軽減することができる。また、前方側面部31の前面に貼り付けたゴムシート32aによってワゴン200を支えているので、がたつきによる衝撃を吸収することができる。
【0041】
その後、図示しない作業者は、反転した収納部20をもとの位置に復帰するため原点位置復帰ボタン(図示せず)を押す。すると駆動部70が今度は逆に駆動し、収納部20を元の直立した位置に復帰させる。
【0042】
収納部20が元の位置に復帰したのちに、図示しない作業者は、閉じられた第2扉部120を開く。第2扉部120を開くと、第2外郭開口部121と、第2開口部45が出現し、収納部20に収納された空のワゴン200を、図示しない作業者は搬出する。
【0043】
このように、ワゴン200は、左L方向に右R方向への動線によって移動するものであることから、搬入口と搬出口が、互いに反対側に配置されているために搬入口の付近に、次に処理をするワゴンを配置したとしても、搬出口と、搬入口が重なることがないために、そのワゴン200をスムーズに処理をすることができる。
【0044】
また、収納部20にワゴン200を収納し、その収納部20ごとワゴン200を反転させるために、ワゴン200の大きさに相違があっても、コンベア300上に布類Wを落下させる処理をすることができる。特に、押さえ部材21a、21aは、天井開口部22内に突出するように配置されているために、収納部20が逆さまに反転してもその押さえ部材21a、21aによってワゴン200を押さえることができる。
【0045】
また、第2実施例のワゴン反転装置10Aは、上述のワゴン反転装置10における収納部20に代えて第2収納部20Aを使用することができる。第2収納部20Aについても、ワゴン200をその内部に収納するのに十分な大きさを有しており、その第2収納部20Aは、天井に相当する第2天井部21Aと、後方B方向に配置する第2後方側面部32Bと、底に相当する位置に爪状の爪部50Aとからなり、それらは、側面視、コの字状を呈するものである。よって、その側面視、コの字状を構成する第2天井部21と、第2後方側面部32Bと、爪状の爪部50Aによって、その中に収納したワゴン200を支持することができる。
【0046】
第2天井部21Aは、布類Wを排出するための開口する第2天井開口部22Aを有する。また、第2収納部20Aは、後方B方向に第2後方側面部32Bと、底に相当する位置に爪状の爪部50Aとを有するものである。
【0047】
爪状の爪部50Aは、2本一対のフォーク爪と呼ばれるものに近似し、その爪部50Aを、ワゴン200における前後のキャスタ230、230の間に差し込まれるように配置することでそのワゴン200の底部220をいわばすくい上げるように支持するように第2収納部20Aに収納するものである。なお、ワゴン200を爪部50A上に配置し、その後、爪部50Aを上昇させることで、ワゴン200を持ち上げ、第2押さえ部材21bと爪部50Aでそのワゴン200を挟むように固定してから駆動部70で反転させることも好ましい。
【0048】
第2天井部21Aは、布類Wを排出するための開口する第2天井開口部22Aを有する。第2天井開口部22Aは、第2収納部20Aを反転させたときに、その第2天井開口部22Aから、ワゴン200内に収集した布類Wを取り出すことができる。また、第2天井部21Aには、第2押さえ部材21b、21bを有し、その第2押さえ部材21b、21bは、第2天井開口部22A内に突出するように配置されている。また、第2押さえ部材21b、21bは、第2収納部20Aにワゴン200を収納し、そのワゴン200を反転させたときに、収納したワゴン200を押さえ、そのワゴン200の落下を押さえつつ、ワゴン200の、がたつきを押さえるためのものである。
【0049】
第2後方側面部32Bは、第2収納部20Aが反転した際にワゴン200を支えるために、その全面に上述のゴムシート32aを貼付している。ワゴン200は主として鉄製であり、第2収納部20Aを反転させた際に、ワゴン200との衝撃を吸収するためにそのゴムシート32aを配置することが好ましい。
【0050】
また、第2収納部の左L方向に配置されている左側面は、ワゴン200を搬入するために開口する搬入部44Aを有する。搬入部44Aは、ワゴン200を第2収納部20A内に収納するのに十分な大きさを有し、その搬入部44Aからワゴン200を第2収納部20A内に搬入することができる。
【0051】
また、右R方向に配置されている右側面は、ワゴン200を搬出するために開口する搬出部45Aを有する。搬出部45Aは、ワゴン200を第2収納部20A内から搬出するのに十分な大きさを有し、その搬出部45Aからワゴン200を外部に搬出するのに十分な大きさを有し、その搬出部45Aからワゴン200を外部に搬出することができる。
【0052】
すなわち、搬入部44Aと搬出部45Aは、互いに対向するように配置されており、ワゴン200は、搬入部44Aを通して、収納部20内に収納され、そのワゴン200は、上述の爪部50Aを挟んで搬入部44Aの反対側に配置された搬出部45Aから外部に搬出される。このワゴン200を搬入し、搬出される導線は、左L方向から右R方向であり、上述のワゴン200を反転する方向(後方B方向)とは異なる方向、すなわち交差する方向であり、特に搬出される導線(左L方向から右R方向)と、を反転する方向(後方B方向)とは、直角に交差する方向が好ましい。
【0053】
このように、搬入部44Aと搬出部45Aと、は、互いに対向するように、すなわち互いに爪部50Aを挟んで反対側に配置されており、洗濯する布類Wを多数配置した複数のワゴン200を、搬入部44Aの前に配置する。その中の1のワゴン200を、搬入部44Aを通して、第2収納部20A内に収納し、爪部50と、第2天井部20Aとにより支持されたワゴン200を第2収納部20Aごと反転させ、その中に収納している多数の布類Wをコンベア300上に配置したのちに、空のワゴン200を、搬出部45Aから搬出するというものである。したがって、従来の反転装置においては、反転させる対象であるワゴン200を搬入する搬入口と搬出する搬出口が共通していたので、ワゴン200を出し入れする際に搬入する入口付近が渋滞する場合があるが、第2実施例のワゴン反転装置10Aも、その渋滞を防止することができる。したがって、第2実施例のワゴン反転装置10Aにおいてワゴン200を搬入する搬入部44Aと搬出する搬出部45Aへ、至る動線(左L方向から右R方向)を確保することができる。
【0054】
なお、第2実施例のワゴン反転装置10Aは駆動部70を有するものであり、駆動部70は、第1実施例のワゴン反転装置10と同様であり、第2収納部20Aを後方B方向に反転させ、ほぼ逆さまに転倒した第2収納部20Aにおける第2開口部21Aから布類Wをコンベア300上に落下させる点も同様である。また、その駆動部70は、第2収納部20Aを揺動可能に作動する点も同様である。なお、駆動部70の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0055】
また、第2実施例のワゴン反転装置10Aは、第2収納部20Aの外郭となる外郭部100を有する点も同様であり、反転動作をする、第2収納部20Aの周囲を囲うためのものであり、図示しない作業者の立ち入りを制限するためのものである。外郭部100は、開閉可能な第1扉部110を有し、かつ開口するする第1外郭開口部111と、開閉可能な第2扉部120を有し、かつ開口する第2外郭開口部121とを有する点も同様である。
【0056】
また、外郭部100の内部に、第2収納部20Aを配置したときに、第1外郭開口部111と、、第2収納部20Aにおける搬入部44Aとは連通するように配置される(図10A参照)。また、第2外郭開口部121と、第2収納部20Aにおける搬出部45Aも連通するように配置される(図10A参照)。したがって、第1扉部110を開くと、第1外郭開口部111と、搬入部44Aが出現する。同様に第2扉部120を開くと、第2外郭開口部121と、搬出部45Aが出現するという点も同様である。なお、外郭部100の構成についても同様の符号を付し、その説明を省略する場合がある。したがって、使用方法についても、第2実施例のワゴン反転装置10Aは第1実施例のワゴン反転装置10と同様であるのでその説明は省略する。
【符号の説明】
【0057】
10 第1実施例のワゴン反転装置
10A 21実施例のワゴン反転装置
20 収納部
20A 第2収納部
21 天井部
21A 第2天井部
21a 押さえ部材
21b 第2押さえ部材
22 天井開口部
22A 第2天井開口部
31 前方側面部
32 後方側面部
32B 第2後方側面部
32a ゴムシート
34 左側面部
35 右側面部
44 第1開口部
45 第2開口部
50 底部
50A 爪部
55 フラップ部
56 レール部
70 駆動部
100 外郭部
110 第1扉部
111 第1外郭開口部
120 第2扉部
121 第2外郭開口部
200 ワゴン
W 布類
X 原点位置
Y 限界位置
図1
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