(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085981
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0662 20160101AFI20230614BHJP
H01M 8/0612 20160101ALI20230614BHJP
H01M 8/04007 20160101ALI20230614BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20230614BHJP
H01M 8/0432 20160101ALI20230614BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20230614BHJP
H01M 8/04082 20160101ALI20230614BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
H01M8/0662
H01M8/0612
H01M8/04007
H01M8/04014
H01M8/0432
H01M8/04701
H01M8/04082
B01D53/04 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200334
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永滝 文宏
(72)【発明者】
【氏名】本田 義彦
【テーマコード(参考)】
4D012
5H127
【Fターム(参考)】
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA07
4D012CB05
4D012CK01
5H127AC05
5H127AC15
5H127BA05
5H127BA12
5H127BA17
5H127BA21
5H127BA43
5H127BA44
5H127BA45
5H127BA48
5H127DB06
5H127DB79
(57)【要約】
【課題】吸着器での不純物の吸着を促進しつつ燃料電池での発電を促進することができる技術を提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、原料ガスを改質することにより改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガスに含まれる不純物を吸着することにより燃料ガスを生成する吸着器と、前記燃料ガスを用いて発電する燃料電池と、前記改質器と前記吸着器の間に設けられ、前記吸着器に供給される前記改質ガスの温度を低下させる第1熱交換器と、前記吸着器と前記燃料電池の間に設けられ、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの温度を上昇させる第2熱交換器と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスを改質することにより改質ガスを生成する改質器と、
前記改質ガスに含まれる不純物を吸着することにより燃料ガスを生成する吸着器と、
前記燃料ガスを用いて発電する燃料電池と、
前記改質器と前記吸着器の間に設けられ、前記吸着器に供給される前記改質ガスの温度を低下させる第1熱交換器と、
前記吸着器と前記燃料電池の間に設けられ、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの温度を上昇させる第2熱交換器と、を備える燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記第1熱交換器は、前記吸着器に供給される前記改質ガスと、前記改質器に供給される前記原料ガスとの間で熱交換を行う、燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
前記第2熱交換器は、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスと、前記燃料電池から排出される排ガスとの間で熱交換を行う、燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池から排出される排ガスと、前記改質器に供給される前記原料ガスとの間で熱交換を行う第3熱交換器を更に備える燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記改質器において前記原料ガスを加熱する加熱器と、
前記改質器に供給される前記原料ガスの温度を検出する第1温度センサ、および/または、前記改質器から排出される前記改質ガスの温度を検出する第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出温度および/または前記第2温度センサの検出温度に基づいて前記加熱器による加熱量を制御する制御装置と、を更に備える燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に燃料電池システムが開示されている。特許文献1の燃料電池システムは、原料ガスを改質することにより改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガスに含まれる不純物を吸着することにより燃料ガスを生成する吸着器と、前記燃料ガスを用いて発電する燃料電池とを備えている。また、特許文献1の燃料電池システムは、改質器と吸着器の間に設けられ、吸着器に供給される改質ガスの温度を低下させる熱交換器を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の燃料電池システムでは、熱交換器により改質ガスの温度が低下することにより、温度の低い燃料ガスが燃料電池に供給されることが考えられる。これにより、燃料電池での発電が進み難くなることが考えられる。そこで本明細書は、吸着器での不純物の吸着を促進しつつ燃料電池での発電を促進することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する燃料電池システムは、原料ガスを改質することにより改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガスに含まれる不純物を吸着することにより燃料ガスを生成する吸着器と、前記燃料ガスを用いて発電する燃料電池と、前記改質器と前記吸着器の間に設けられ、前記吸着器に供給される前記改質ガスの温度を低下させる第1熱交換器と、前記吸着器と前記燃料電池の間に設けられ、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの温度を上昇させる第2熱交換器と、を備えている。
【0006】
この構成によれば、第1熱交換器により改質ガスの温度を低下させることにより、吸着器に供給される改質ガスの温度を低下させることができ、吸着器での不純物の吸着を促進することができる。また、第2熱交換器により燃料ガスの温度を上昇させることにより、燃料電池に供給される燃料ガスの温度を上昇させることができ、燃料電池での発電を促進することができる。
【0007】
前記第1熱交換器は、前記吸着器に供給される前記改質ガスと、前記改質器に供給される前記原料ガスとの間で熱交換を行ってもよい。
【0008】
この構成によれば、吸着器に供給される改質ガスの温度を低下させることを利用して、改質器に供給される原料ガスの温度を上昇させることができる。改質ガスの熱を利用することができるので、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させることができる。また、改質器での原料ガスの改質を促進することができる。
【0009】
前記第2熱交換器は、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスと、前記燃料電池から排出される排ガスとの間で熱交換を行ってもよい。
【0010】
この構成によれば、燃料電池から排出される排ガスの温度を低下させることを利用して、燃料電池に供給される燃料ガスの温度を上昇させることができる。燃料電池の排ガスの熱を利用することができるので、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させることができる。また、排ガスを温度が低い状態で外部に排出することができる。
【0011】
燃料電池システムは、前記燃料電池から排出される排ガスと、前記改質器に供給される前記原料ガスとの間で熱交換を行う第3熱交換器を更に備えていてもよい。
【0012】
この構成によれば、燃料電池から排出される排ガスの温度を低下させることを利用して、改質器に供給される原料ガスの温度を上昇させることができる。
【0013】
燃料電池システムは、前記改質器において前記原料ガスを加熱する加熱器と、前記改質器に供給される前記原料ガスの温度を検出する第1温度センサ、および/または、前記改質器から排出される前記改質ガスの温度を検出する第2温度センサと、前記第1温度センサの検出温度および/または前記第2温度センサの検出温度に基づいて前記加熱器による加熱量を制御する制御装置と、を更に備えていてもよい。
【0014】
この構成によれば、改質器の温度状態に応じて加熱量を制御することができる。これにより、改質器への無駄なエネルギー投入を抑制することができ、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させることができる。また、改質器での原料ガスの改質を適度に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例の燃料電池システムを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例の燃料電池システム2について図面を参照して説明する。
図1に示すように、実施例の燃料電池システム2は、ガスボンベ10と、改質器12と、吸着器14と、燃料電池16と、制御装置50とを備えている。また、燃料電池システム2は、第1熱交換器20と、第2熱交換器22と、第3熱交換器24とを備えている。
【0017】
ガスボンベ10は、原料ガス(例えば、アンモニアガス、炭化水素ガス(メタンガス等の都市ガス)、ギ酸ガス、ヒドラジンガス、メチルシクロヘキサンガス等)を貯蔵している。ガスボンベ10には、原料ガスが流通する原料ガス供給路60が接続されている。原料ガス供給路60は、上流端がガスボンベ10に接続されており、下流端が改質器12に接続されている。原料ガス供給路60を通じてガスボンベ10から改質器12に原料ガスが供給される。変形例では、原料ガス供給路60の上流端が気化器(図示省略)に接続されていてもよい。気化器により気化された原料ガスが原料ガス供給路60を通じて改質器12に供給されてもよい。
【0018】
原料ガス供給路60には、第1熱交換器20と第3熱交換器24が設けられている。第1熱交換器20が第3熱交換器24よりも上流側に配置され、第3熱交換器24が第1熱交換器20よりも下流側に配置されている。第1熱交換器20と第3熱交換器24については後述する。
【0019】
また、原料ガス供給路60には第1温度センサ30が設けられている。第1温度センサ30は、第3熱交換器24と改質器12の間に設けられている。第1温度センサ30は、第3熱交換器24よりも下流側において、原料ガス供給路60を通過する原料ガスの温度を検出する。第1温度センサ30は、改質器12に供給される原料ガスの温度を検出する。第1温度センサ30の検出温度の情報は、制御装置50に送信される。
【0020】
改質器12は、原料ガス供給路60により供給される原料ガスを改質することにより改質ガスを生成する。原料ガスの改質のために用いられる触媒は、例えば、銅、ニッケル、ルテニウム等である。改質器12は、原料ガスの改質中に原料ガスを加熱する加熱器18を備えている。加熱器18は、改質器12の内部で原料ガスの温度を上昇させる。加熱器18は、例えば、電気式またはガス式の構成である。例えば、加熱器18は、通電により発熱する電気ヒーターであってもよい。また、加熱器18は、ガスの燃焼熱により加熱対象を加熱するガスバーナーであってもよい。加熱器18による加熱量は、制御装置50により制御される。
【0021】
改質器12には、改質ガスが流通する改質ガス供給路62が接続されている。改質ガス供給路62は、上流端が改質器12に接続されており、下流端が吸着器14に接続されている。改質ガス供給路62を通じて改質器12から吸着器14に改質ガスが供給される。
【0022】
改質ガス供給路62には第1熱交換器20が設けられている。改質器12と吸着器14の間に第1熱交換器20が設けられている。第1熱交換器20は、原料ガス供給路60と改質ガス供給路62にわたり設けられている。第1熱交換器20は、原料ガス供給路60を流れる原料ガスと、改質ガス供給路62を流れる改質ガスとの熱交換により、改質ガスを冷却すると共に原料ガスを加熱する。原料ガス供給路60を通じて第1熱交換器20に供給される原料ガスの温度(例えば、30℃)は、改質ガス供給路62を通じて第1熱交換器20に供給される改質ガスの温度(例えば、650℃)よりも低い。第1熱交換器20は、改質器12から吸着器14に供給される改質ガスの温度を低下させると共に、ガスボンベ10から改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させる。なお、第1熱交換器20の構造は特に限定されないが、例えば、熱交換用のフィン等を備えていてもよい。
【0023】
また、改質ガス供給路62には第2温度センサ32が設けられている。第2温度センサ32は、改質器12と第1熱交換器20の間に設けられている。第2温度センサ32は、第1熱交換器20よりも上流側において、改質ガス供給路62を通過する改質ガスの温度を検出する。第2温度センサ32は、改質器12から排出される改質ガスの温度を検出する。第2温度センサ32の検出温度の情報は、制御装置50に送信される。
【0024】
吸着器14は、改質ガス供給路62により供給される改質ガスに含まれる不純物(例えば、アンモニア)を吸着することにより燃料ガスを生成する。不純物の吸着のために用いられる吸着剤は、例えば、活性炭、ゼオライト、MOF(Metal Organic Framework)等である。例えば、吸着器14の容器の内部に吸着剤が充填されている。
【0025】
吸着器14には、燃料ガスが流通する燃料ガス供給路64が接続されている。燃料ガス供給路64は、上流端が吸着器14に接続されており、下流端が燃料電池16に接続されている。燃料ガス供給路64を通じて吸着器14から燃料電池16に燃料ガスが供給される。燃料ガス供給路64には第2熱交換器22が設けられている。第2熱交換器22については後述する。
【0026】
燃料電池16には、燃料ガス供給路64の他に、空気が流通する空気供給路68が接続されている。空気供給路68は、上流端が空気供給源(図示省略)に接続されており、下流端が燃料電池16に接続されている。空気供給路68を通じて空気供給源から燃料電池16に空気が供給される。なお、空気供給路68の上流端は外気に開放されていてもよい。
【0027】
燃料電池16は、燃料ガス供給路64により供給される燃料ガスと、空気供給路68により供給される空気とを用いて発電する。燃料電池16は、例えば、容器の内部に積み重ねられた複数の電池セル(図示省略)を備えており、各電池セルが、燃料ガスに含まれる水素と、空気に含まれる酸素との化学反応により発電する。電池セルは、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC(Solid Oxide Fuel Cell))や固体高分子形燃料電池(PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell))であるが、これらに限定されない。燃料ガスを用いて発電する燃料電池16では、発電の際に未反応の燃料ガスが排ガスとして排出される。
【0028】
燃料電池16には、排ガスが流通する排ガス路66が接続されている。排ガス路66は、上流端が燃料電池16に接続されており、下流端が排出先(図示省略)に接続されている。排ガス路66を通じて燃料電池16から排出先に排ガスが排出される。排出先は、例えば、改質器12や吸着器14であってもよい。
【0029】
排ガス路66には第3熱交換器24と第2熱交換器22が設けられている。第3熱交換器24が第2熱交換器22よりも上流側に配置され、第2熱交換器22が第3熱交換器24よりも下流側に配置されている。
【0030】
第3熱交換器24は、排ガス路66と原料ガス供給路60にわたり設けられている。第3熱交換器24は、排ガス路66を流れる排ガスと、原料ガス供給路60を流れる原料ガスとの熱交換により、原料ガスを加熱すると共に排ガスを冷却する。排ガス路66を通じて第3熱交換器24に供給される排ガスの温度(例えば、800℃)は、原料ガス供給路60を通じて第3熱交換器24に供給される原料ガスの温度(例えば、300℃)よりも高い。第3熱交換器24は、ガスボンベ10から改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させると共に、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させる。なお、第3熱交換器24の構造は特に限定されないが、例えば、熱交換用のフィン等を備えていてもよい。
【0031】
第2熱交換器22は、吸着器14と燃料電池16の間に設けられている。第2熱交換器22は、排ガス路66と燃料ガス供給路64にわたり設けられている。第2熱交換器22は、排ガス路66を流れる排ガスと、燃料ガス供給路64を流れる燃料ガスとの熱交換により、燃料ガスを加熱すると共に排ガスを冷却する。排ガス路66を通じて第2熱交換器22に供給される排ガスの温度(例えば、300℃)は、燃料ガス供給路64を通じて第2熱交換器22に供給される燃料ガスの温度(例えば、100℃)よりも高い。第2熱交換器22は、吸着器14から燃料電池16に供給される燃料ガスの温度を上昇させると共に、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させる。なお、第2熱交換器22の構造は特に限定されないが、例えば、熱交換用のフィン等を備えていてもよい。
【0032】
制御装置50は、第1温度センサ30と第2温度センサ32と加熱器18に接続されている。制御装置50は、第1温度センサ30の検出温度および/または第2温度センサ32の検出温度に基づいて加熱器18による加熱量を制御する。例えば、制御装置50は、第1温度センサ30の検出温度が所定の第1閾値未満である場合に、加熱器18による加熱量を増量する。また、制御装置50は、第1温度センサ30の検出温度が所定の第1閾値以上である場合に、加熱器18による加熱量を減量する。また、制御装置50は、第2温度センサ32の検出温度が所定の第2閾値未満である場合に、加熱器18による加熱量を増量する。また、制御装置50は、第2温度センサ32の検出温度が所定の第2閾値以上である場合に、加熱器18による加熱量を減量する。また、制御装置50は、第1温度センサ30の検出温度と第2温度センサ32の検出温度との差分に応じて加熱器18による加熱量を増減してもよい。例えば、制御装置50は、加熱器18としての電気ヒーターの電力量を増減してもよい。また、制御装置50は、加熱器18としてのガスバーナーへのガスの供給量を増減してもよい。
【0033】
(効果)
以上、実施例の燃料電池システム2ついて説明した。上記のように、燃料電池システム2は、改質器12と吸着器14の間に設けられ、吸着器14に供給される改質ガスの温度を低下させる第1熱交換器20と、吸着器14と燃料電池16の間に設けられ、燃料電池16に供給される燃料ガスの温度を上昇させる第2熱交換器22とを備えている。
【0034】
この構成によれば、第1熱交換器20により改質ガスの温度を低下させることにより、吸着器14に供給される改質ガスの温度を低下させることができ、吸着器14での不純物の吸着を促進することができる。また、第2熱交換器22により燃料ガスの温度を上昇させることにより、燃料電池16に供給される燃料ガスの温度を上昇させることができ、燃料電池16での発電を促進することができる。
【0035】
第1熱交換器20は、吸着器14に供給される改質ガスと、改質器12に供給される原料ガスとの間で熱交換を行う。この構成によれば、吸着器14に供給される改質ガスの温度を低下させることを利用して、改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させることができる(逆に言えば、改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させることを利用して、吸着器14に供給される改質ガスの温度を低下させることができる。)。改質ガスの熱を利用することができるので、燃料電池システム2のエネルギー効率を向上させることができる。また、改質器12での原料ガスの改質を促進することができる。
【0036】
第2熱交換器22は、燃料電池16に供給される燃料ガスと、燃料電池16から排出される排ガスとの間で熱交換を行う。この構成によれば、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させることを利用して、燃料電池16に供給される燃料ガスの温度を上昇させることができる(逆に言えば、燃料電池16に供給される燃料ガスの温度を上昇させることを利用して、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させることができる。)。燃料電池16の排ガスの熱を利用することができるので、燃料電池システム2のエネルギー効率を向上させることができる。また、排ガスを温度が低い状態で外部に排出することができる。
【0037】
また、燃料電池システム2は、燃料電池16から排出される排ガスと、改質器12に供給される原料ガスとの間で熱交換を行う第3熱交換器24を備えている。この構成によれば、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させることを利用して、改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させることができる(逆に言えば、改質器12に供給される原料ガスの温度を上昇させることを利用して、燃料電池16から排出される排ガスの温度を低下させることができる。)。
【0038】
また、燃料電池システム2は、改質器12において原料ガスの温度を上昇させる加熱器18を備えている。また、燃料電池システム2は、改質器12に供給される原料ガスの温度を検出する第1温度センサ30と、改質器12から排出される改質ガスの温度を検出する第2温度センサ32とを備えている。制御装置50は、第1温度センサ30の検出温度および/または第2温度センサ32の検出温度に基づいて加熱器18による加熱量を制御する。
【0039】
この構成によれば、改質器12の温度状態に応じて加熱量を制御することができる。これにより、改質器12への無駄なエネルギー投入を抑制することができ、燃料電池システム2のエネルギー効率を向上させることができる。また、改質器12での原料ガスの改質を適度に促進することができる。なお、変形例では、第1温度センサ30と第2温度センサ32の一方を省略してもよい。
【0040】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0041】
2:燃料電池システム、10:ガスボンベ、12:改質器、14:吸着器、16:燃料電池、18:加熱器、20:第1熱交換器、22:第2熱交換器、24:第3熱交換器、30:第1温度センサ、32:第2温度センサ、50:制御装置、60:原料ガス供給路、62:改質ガス供給路、64:燃料ガス供給路、66:排ガス路、68:空気供給路