(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085991
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】配線機器
(51)【国際特許分類】
H01H 9/02 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
H01H9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200345
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭平
(72)【発明者】
【氏名】矢島 孝志
(72)【発明者】
【氏名】豊田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】中村 新一
【テーマコード(参考)】
5G052
【Fターム(参考)】
5G052AA01
5G052BB03
5G052HA01
(57)【要約】
【課題】長期間に亘って固定端子と可動端子との接圧を確保することで、可動接触子と固定端子とを電気的に接続することができる配線機器を提供する。
【解決手段】配線機器1において、第1の導電体41は、第2の導電体42及び第3の導電体43の一方と電気的に接続される第1の端子41aを有する。また、第2の導電体42は、第1の導電体41と電気的に接続される第2の端子42aを有する。また、第3の導電体43は、第1の導電体41と電気的に接続される第3の端子43aを有する。また、第1の端子41aは、操作体30の手動操作に応じて、第2の端子42aと電気的に接続される第1の位置と、第2の端子42aと離間している第3の端子43aと電気的に接続される第2の位置と、に移動可能である。そして、ケース5には、第3の導電体43における第3の端子43aが配置された側と反対側の部分と対向する位置に第1の凹部51が形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作される操作体と、
第1の導電体と、
電力線と接続される第2の導電体及び第3の導電体と、
前記操作体の一部と、前記第1の導電体と、前記第2の導電体と、前記第3の導電体とが収容されるケースと、を備え、
前記第1の導電体は、前記第2の導電体及び前記第3の導電体の一方と電気的に接続される第1の端子を有し、
前記第2の導電体は、前記第1の導電体と電気的に接続される第2の端子を有し
前記第3の導電体は、前記第1の導電体と電気的に接続される第3の端子を有し、
前記第1の端子は、前記操作体の手動操作に応じて、前記第2の端子と電気的に接続される第1の位置と、前記第2の端子と離間している前記第3の端子と電気的に接続される第2の位置と、に移動可能であり、
前記ケースには、前記第3の導電体における前記第3の端子が配置された側と反対側の部分と対向する位置に第1の凹部が形成されている、
配線機器。
【請求項2】
前記第1の端子が前記第2の位置にある場合は、前記第3の導電体の部分が前記ケースと離間している、
請求項1に記載の配線機器。
【請求項3】
前記第1の端子が前記第1の位置にある場合は、前記第2の導電体において、前記第2の端子が配置された側と反対側の第2の導電体の部分が前記ケースと離間している、
請求項1又は2に記載の配線機器。
【請求項4】
前記操作体は、前記第1の導電体を押圧する押込部を有し、
前記押込部は、前記操作体の手動操作に応じて、前記第1の端子が前記第3の端子側に移動するように前記第1の導電体を押圧する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の配線機器。
【請求項5】
前記ケースを固定部に取付けるための取付枠を備え、
前記取付枠は、前記ケースよりも外側に位置し、前記取付枠を前記固定部に取付ける際に固定ネジが挿通される空孔が形成されている壁部を有し
前記壁部には、前記空孔の開口面積を拡大する方向に切り欠かれた第2の凹部が前記空孔に形成されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の配線機器。
【請求項6】
前記第2の凹部は、前記壁部において、前記ケースと反対側に形成されている、
請求項5に記載の配線機器。
【請求項7】
前記第2の凹部は、さらに、前記壁部において、前記ケース側にも形成されている、
請求項6に記載の配線機器。
【請求項8】
前記空孔には、テーパー状の傾斜面が形成され、
前記傾斜面は、前記取付枠を前記固定部に取付けたときの前記壁部において、前記固定部とは反対側に形成されている、
請求項5~7のいずれか1項に記載の配線機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の配線機器として用いられるリモコンスイッチが開示されている。
【0003】
リモコンスイッチは、ケース本体と、固定接点を有し、ケース本体の内部に組み込まれた固定端子と、可動接点とを有し、ケース本体の内底部側に基端部が配置され、当該基端部を支点として揺動自在な可動接触子と、可動接触子を揺動させる操作ボタンとを備えている。操作ボタンは、操作による揺動に伴い、可動接触子を揺動させて可動接点を固定接点に当接させ、一方、操作ボタンへの操作の解除に伴い、可動接触子を逆向きに揺動させて元の静止位置に復帰させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の配線機器では、操作ボタンの操作により、可動接触子が固定端子に対して過剰に押し込むことで、可動接触子と固定端子とにおける摺動摩擦が増大することがある。この場合、可動接触子と固定端子とが摩耗する。可動接触子と固定端子との摩耗が進めば、従来の配線機器を長期間使用すると、可動接触子と固定端子とにおける接点接圧が確保できなくなる。このため、操作ボタンを操作しても、可動接触子と固定端子とが電気的に接続されなくなるという課題がある。
【0006】
そこで、本開示は、長期間に亘って可動端子と固定端子との接圧を確保することで、可動接触子と固定端子とを電気的に接続することができる配線機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る配線機器は、手動操作される操作体と、第1の導電体と、電力線と接続される第2の導電体及び第3の導電体と、前記操作体の一部と、前記第1の導電体と、前記第2の導電体と、前記第3の導電体とが収容されるケースと、を備え、前記第1の導電体は、前記第2の導電体及び前記第3の導電体の一方と電気的に接続される第1の端子を有し、前記第2の導電体は、前記第1の導電体と電気的に接続される第2の端子を有し前記第3の導電体は、前記第1の導電体と電気的に接続される第3の端子を有し、前記第1の端子は、前記操作体の手動操作に応じて、前記第2の端子と電気的に接続される第1の位置と、前記第2の端子と離間している前記第3の端子と電気的に接続される第2の位置と、に移動可能であり、前記ケースには、前記第3の導電体における前記第3の端子が配置された側と反対側の部分と対向する位置に第1の凹部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の配線機器によれば、長期間に亘って固定端子と可動端子との接圧を確保することで、可動接触子と固定端子とを電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る配線機器の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る配線機器を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る配線機器を示す正面図である。
【
図4】
図4は、
図3のIV-IV線における配線機器の取付枠及び空孔を示す部分拡大断面図である。
【
図5】
図5は、
図1のV-V線における配線機器において第1の端子が第2の端子と電気的に接続されている場合を示す断面図である。
【
図6】
図6は、配線機器において第1の端子が第3の端子と電気的に接続されている場合を示す断面図である。
【
図7】
図7は、固定ネジが傾斜した状態で挟み金具に締結され、取付枠が固定部に取付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0012】
また、以下の実施の形態では、カバー部材及びケース本体の重なる方向をZ軸方向と規定し、配線機器の長手方向をY軸方向とし、Z軸向及びY軸方向と垂直な方向をX軸方向とする。また、X軸方向において第2側部に対する第1側部側をプラス側の方向とし、Y軸方向において第4側部に対する第3側部側をプラス側の方向とし、Z軸方向においてカバー部材に対してケース本体側をプラス側の方向とする。
【0013】
(実施の形態)
<構成:配線機器1>
図1は、実施の形態に係る配線機器1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る配線機器1を示す分解斜視図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、配線機器1は、例えば、施設に設置される照明装置、送風装置等の設備システムに電力を供給したり、供給する電力を遮断したりする接続機器である。配線機器1は、天井、壁等の造営材に埋め込み設置される。配線機器1は、例えば、コンセント又はスイッチである。
【0015】
配線機器1は、取付枠10と、カバー部材20と、操作体30と、端子装置40と、ケース本体50とを備えている。
【0016】
[取付枠10]
取付枠10は、カバー部材20及びケース本体50からなるケース5を造営材等の固定部に取付けるための矩形状の枠である。取付枠10には、中央部にカバー部材20を取付けるための開口部10aが形成されている。開口部10aには、カバー部材20及び操作体30が挿入されている。
【0017】
開口部10aには、Z軸プラス方向に延びる係合部11b、12bが複数配置されている。係合部11b、12bがケース本体50の被係合部52と係合することで、開口部10aには、カバー部材20が露出した状態で固定される。
【0018】
また、取付枠10は、Y軸方向に沿って延び、X軸プラス方向側に位置する第1側部11と、Y軸方向に沿って延び、X軸マイナス方向側に位置する第2側部12と、X軸方向に沿って延び、Y軸プラス方向側に位置する第3側部13と、X軸方向に沿って延び、Y軸マイナス方向側に位置する第4側部14とを有している。第1側部11、第2側部12、第3側部13及び第4側部14によって開口部10aが形成されている。
【0019】
第1側部11は、取付枠10のX軸プラス方向側に配置され、ケース本体50のX軸プラス方向側の側面部に形成されている被係合部52と係合している。具体的には、第1側部11は、X-Y平面と略平行な板状の板部11aと、板部11aの開口部10a側からZ軸プラス方向に沿って突出し、Y-Z平面と略平行な板状の係合部11bとを有している。係合部11bは、板部11aに複数形成され、ケース本体50に形成された被係合部52と係合可能な枠部である。係合部11bの内部にケース本体50の被係合部52が挿入されることで、係合部11bが被係合部52と係合する。
【0020】
第2側部12は、取付枠10のX軸マイナス方向側に配置され、ケース本体50のX軸マイナス方向側の側面部に形成されている被係合部52と係合している。具体的には、第2側部12は、X-Y平面と略平行な板状の板部12cと、板部12cの開口部10a側からZ軸プラス方向に沿って突出し、Y-Z平面と略平行な板状の係合部12bとを有している。係合部12bは、板部12cに複数形成され、ケース本体50の被係合部52と係合可能な枠部である。係合部12bの内部にケース本体50の被係合部52が挿入されることで、係合部12bが被係合部52と係合する。
【0021】
これにより、カバー部材20が取付枠10に取付けられた際に、開口部10aにカバー部材20の一部が配置され、かつ、ケース本体50の複数の被係合部52が取付枠10の複数の係合部11b、12bと一対一で係合することで、取付枠10に対するケース5の移動が抑制される。
【0022】
第3側部13は、取付枠10のY軸プラス方向側に配置されている。第3側部13は、第1側部11のY軸プラス方向側の端部と第2側部12のY軸プラス方向側の端部とに連結されている。第3側部13は、壁部の一例である。
【0023】
図3は、実施の形態に係る配線機器1を示す正面図である。
図4は、
図3のIV-IV線における配線機器1の取付枠10及び空孔15を示す部分拡大断面図である。なお、
図4では、取付枠10の断面及び空孔15のみを示す。
【0024】
また、
図3及び
図4に示すように、第3側部13には、ケース5よりも外側に位置し、取付枠10を固定部に取付ける際に固定ネジが挿通される空孔15が形成されている。空孔15は、第3側部13を固定部に取付けるための孔である。つまり、
図3に示すように、空孔15とケース5とは、Z軸方向に沿って配置されていない。
【0025】
空孔15は、第3側部13を固定部の表面に当接した状態で、固定ネジを挿通させて固定ネジを挟み金具に締結することで第3側部13を固定部に取付けることができるネジ孔である。空孔15は、X軸方向に延びる長孔状である。
【0026】
また、第3側部13には、空孔15の開口面積を拡大する方向に切り欠かれた第2の凹部16が空孔15に形成されている。つまり、第2の凹部16は、空孔15の一部を切り欠いた切り欠き部である。
【0027】
また、第2の凹部16は、第3側部13において、少なくともケース本体50又は開口部10aと反対側に形成されている。さらに、第2の凹部16は、第3側部13において、ケース本体50側又は開口部10a側にも形成されている。つまり、本実施の形態では、第2の凹部16は、空孔15において、Y軸プラス方向側と、Y軸マイナス方向側との2か所に形成されている。
【0028】
また、空孔15には、テーパー状の傾斜面15aが形成されている。つまり、空孔15を形成する第3側部13の側壁は、当該側壁の周縁が面取りされることで形成された、傾斜面15aを有している。傾斜面15aは、第2の凹部16にも形成されている。
【0029】
傾斜面15aは、固定部に取付けたときの取付枠10において、固定部側とは反対側に形成されている。つまり、傾斜面15aは、第3側部13においてZ軸マイナス方向側の面に形成されている。第3側部13を固定部の表面に当接した状態で、第3側部13を固定部に取付けた際に、固定ネジの頭部が当接する。
【0030】
第4側部14は、取付枠10のY軸マイナス方向側に配置されている。第4側部14は、第1側部11のY軸マイナス方向側の端部と第2側部12のY軸マイナス方向側の端部とに連結されている。第4側部14には、ケース本体50よりも外側に位置し、取付枠10を固定部に取付ける際に固定ネジが挿通される空孔15が形成されている。空孔15は、第4側部14を固定部に取付けるための孔である。なお、第4側部14の空孔15、第4側部14の第2の凹部16及び第4側部14の傾斜面15aは、第3側部13の空孔15、第3側部13の第2の凹部16及び第3側部13の傾斜面15aと同様の構成であるため説明を省略する。また、第4側部14は、壁部の一例である。
【0031】
[カバー部材20]
カバー部材20は、ケース5の一部を構成している。カバー部材20は、樹脂製であり、Y軸方向に沿って長尺な略矩形な板状をなしている。カバー部材20は、X-Y平面に対して略平行である。
【0032】
カバー部材20の中央部には、矩形状の開口部22が形成されている。開口部22は、カバー部材20の中央部に形成された貫通孔である。
【0033】
また、カバー部材20には、開口部22を挿通した状態の操作体30が取付けられている。カバー部材20は、操作体30を回動可能に支持することができる。
【0034】
また、カバー部材20は、ケース本体50に接続されている。具体的には、カバー部材20は、ケース本体50と係合することで、カバー部材20はケース本体50と接続される。
【0035】
ケース本体50の被係合部52が取付枠10の係合部11b、12bに係合されることで、取付枠10とケース本体50とで挟まれたカバー部材20の移動が抑制される。
【0036】
[操作体30]
操作体30は、取付枠10及びカバー部材20を介して外部に露出している。操作体30は、カバー部材20の開口部22を挿通し、かつ、取付枠10の開口部10aを挿通した状態で一部が露出している。つまり、操作体30は、ユーザの手動操作を受け付けることができるように、カバー部材20の表面(Z軸マイナス方向側の面)から一部が突出した状態でカバー部材20に配置されている。
【0037】
図5は、
図1のV-V線における配線機器1において第1の端子41aが第2の端子42aと電気的に接続されている場合を示す断面図である。
図6は、配線機器1において第1の端子41aが第3の端子43aと電気的に接続されている場合を示す断面図である。
【0038】
図5及び
図6に示すように、操作体30は、レバー31と、軸部32と、押込部33とを有する。
【0039】
レバー31は、ユーザによる把持操作又は押圧操作を受け付ける部分である。レバー31は、ユーザによって把持又は押圧されることで、操作体30を軸部32の回動軸心を中心に回動することができる把持部又は押圧部である。
【0040】
軸部32は、レバー31に対してZ軸プラス方向側に配置されている。軸部32は、回動軸心を中心として操作体30を回動させることができる。具体的には、軸部32は、凸部を有し、凸部がカバー部材20によって支持されることで、凸部の先端を支点T、つまり回動軸心としてカバー部材20に対して操作体30を回動させることができる。
【0041】
押込部33は、軸部32に対してレバー31側とは反対側に膨出した部分であり、レバー31が回動することで第1の導電体41を押圧することができる。具体的には、押込部33は、操作体30の手動操作に応じて、第1の端子41aが第3の端子43a側に移動するように第1の導電体41を押圧する。
【0042】
これにより、操作体30は、ユーザの操作によって、それぞれの軸部32における凸部の先端を支点Tとして回動することで、第1の導電体41を操作し、第2の導電体42の第2の端子42aと第3の導電体43の第3の端子43aとの間で接点を切り替える。具体的には、操作体30がY軸プラス方向側に回動操作されると、押込部33は、第1の導電体41を押し当てて、第1の導電体41を第3の導電体43に当接させる。また、操作体30がY軸マイナス方向側に回動操作されると、押込部33は、第1の導電体41から離間する。このとき、第1の導電体41は、復元力によって第2の導電体42に当接する。
【0043】
なお、操作体30は、図示しないコイイルバネによって、Y軸プラス方向側に回動操作されれば、第1の導電体41を第2位置に付整力を付与し、Y軸マイナス方向側に回動操作されれば、第1の導電体41を第1位置に付整力を付与する。これにより、また、第3の端子43aは、第1の位置又は第2の位置を移動するため、第1の位置と第2の位置との間での中間停止を抑制することができる。
【0044】
[端子装置40]
図1及び
図2に示すように、端子装置40は、ケース本体50に収容されている。端子装置40は、第1の導電体41と、第2の導電体42と、第3の導電体43と、複数の鎖錠ばね44とを有する。
【0045】
第1の導電体41は、鎖錠ばね44を収容する速結端子41bと、第1の端子41aと、導電体本体41cとを有する長尺な導電体である。
【0046】
速結端子41bは、第1の導電体41の一端に形成され、鎖錠ばね44を収容することができる。ケース本体50に形成された挿入孔53から電力線90が挿入されると、収容した鎖錠ばね44と電力線90とが電気的に接続されるため、速結端子41bは、鎖錠ばね44を介して電力線90と電気的に接続される。
【0047】
第1の端子41aは、第1の導電体41の他端に形成された可動端子である。第1の端子41aは、第2の導電体42の第2の端子42aと第3の導電体43の第3の端子43aとの間に配置されている。
【0048】
第1の端子41aは、第2の導電体42及び第3の導電体43の一方と電気的に接続される。つまり、第1の端子41aは、操作体30が操作されることで、第2の端子42aと電気的に接続されたり、第3の端子43aと電気的に接続されたりする。具体的には、
図5及び
図6に示すように、第1の端子41aは、操作体30の手動操作に応じて、第2の端子42aと電気的に接続される第1の位置と、第2の端子42aと離間している第3の端子43aと電気的に接続される第2の位置とに移動可能である。操作体30がY軸マイナス方向側に傾いた場合、第1の端子41aが第1の位置となり、第1の端子41aが第2の端子42aと電気的に接続される。また、操作体30がY軸プラス方向側に傾いた場合、第1の端子41aが第2の位置となり、第1の端子41aが第3の端子43aと電気的に接続される。
【0049】
第1の端子41aが第2の位置にある場合は、主に第3の端子43aが配置されている第3の導電体43の部分がケース本体50と離間している。つまり、操作体30がY軸プラス方向側に傾き、第1の端子41aが第3の端子43aと接触し、第1の端子41aと第3の端子43aとが電気的に接続されても、当該第3の導電体43の部分は、ケース本体50と離間している。これは、当該第3の導電体43の部分とケース本体50との間に隙間S1が形成されているからである。当該第3の導電体43の部分と対向するケース本体50の箇所に第1の凹部51が形成されていることで、この隙間S1が形成される。
【0050】
導電体本体41cは、速結端子41bと第1の端子41aとを電気的に接続する配線板である。導電体本体41cは、操作体30がY軸マイナス方向側に傾いている場合、第1の端子41aを第2の端子42aに押し当るように付勢力を働かせる。
【0051】
図1及び
図2に示すように、第2の導電体42は、鎖錠ばね44を収容する速結端子42bと、第2の端子42aと、導電体本体42cとを有する長尺な導電体である。
【0052】
速結端子42bは、第2の導電体42の一端に形成され、鎖錠ばね44を収容することができる。ケース本体50に形成された挿入孔53から電力線90が挿入されると、収容した鎖錠ばね44と電力線90とが電気的に接続されるため、速結端子42bは、鎖錠ばね44を介して電力線90と電気的に接続される。
【0053】
図5及び
図6に示すように、第2の端子42aは、第2の導電体42の他端に形成された固定端子である。第2の端子42aは、第1の導電体41の第1の端子41aとカバー部材20との間に配置されている。第2の端子42aは、操作体30がY軸マイナス方向側に回動するように手動操作されて第1の端子41aが可動することで、第1の導電体41と電気的に接続される。
【0054】
また、第2の端子42aが配置された側と反対側の第2の導電体42の部分とカバー部材20との間には、隙間S2が形成されている。つまり、第2の端子42aが配置された側と反対側の第2の導電体42の部分は、主にカバー部材20から離間している。このため、第1の端子41aが第1の位置にある場合に第1の端子41aが第2の端子42aと接触しても、第2の導電体42の部分は、カバー部材20から離間している。このため、導電体本体42cの復元力によって第1の端子41aが第2の端子42aに対して過剰に押し込むことで、オーバートラベルが発生しても、第2の導電体42がカバー部材20から離間した状態が確保される。これにより、第1の端子41aと第2の端子42aとの摩耗を抑制することができるため、長期間に亘って第1の端子41aと第2の端子42aとの電気的接続を確保することができる。また、第2の導電体42の部分は、第2の端子42aの反対側に配置された導電体本体42cの一部分又は第2の端子42aを含む。
【0055】
導電体本体42cは、速結端子42bと第2の端子42aとを電気的に接続する配線板である。
【0056】
図1及び
図2に示すように、第3の導電体43は、鎖錠ばね44を収容する速結端子43bと、第3の端子43aと、導電体本体43cとを有する長尺な導電体である。
【0057】
速結端子43bは、第3の導電体43の一端に形成され、鎖錠ばね44を収容することができる。ケース本体50に形成された挿入孔53から電力線90が挿入されると、収容した鎖錠ばね44と電力線90とが電気的に接続されるため、速結端子43bは、鎖錠ばね44を介して電力線90と電気的に接続される。
【0058】
図5及び
図6に示すように、第3の端子43aは、第3の導電体43の他端に形成された固定端子である。第3の端子43aは、第1の導電体41の第1の端子41aとケース本体50との間に配置されている。第3の端子43aは、操作体30がY軸プラス方向側に回動するように手動操作されて第1の端子41aが可動することで、第1の導電体41と電気的に接続される。
【0059】
また、第3の端子43aが配置された側と反対側の第3の導電体43の部分とケース本体50との間には、隙間S1が形成されている。つまり、第3の端子43aが配置された側と反対側の第3の導電体43の部分は、ケース本体50から離間している。第3の導電体43の部分は、第3の端子43aの反対側に配置された導電体本体43cの一部分又は第3の端子43aを含む。
【0060】
導電体本体43cは、速結端子43bと第3の端子43aとを電気的に接続する配線板である。
【0061】
図1及び
図2に示すように、鎖錠ばね44は、ケース本体50に形成された挿入孔53から挿入された電力線90に弾性接触することで、電力線90と速結端子43bとを電気的に接続させる。鎖錠ばね44は、挿入孔53と対向するように配置されている。
【0062】
[ケース本体50]
ケース本体50は、ケースの一部を構成している。ケース本体50は、立方体状の外形をなしている。ケース本体50は、Z軸マイナス方向側で開放され、Z軸プラス方向側で閉じた有底の筐体である。ケース本体50には、操作体30の一部と、第1の導電体41と、第2の導電体42と、第3の導電体43とが収容されている。
【0063】
ケース本体50の底部には、複数の突起部が形成されている。複数の突起部は、ケース本体50内に収納された第1の導電体41、第2の導電体42及び第3の導電体43を支持している。また、ケース本体50の底部には、電力線90を挿抜するための複数の挿入孔53が形成されている。
【0064】
また、
図5及び
図6に示すように、ケース本体50には、第3の導電体43における第3の端子43aが配置された側と反対側の部分と対向する位置に第1の凹部51が形成されている。つまり、第3の端子43aが配置された第3の導電体43の反対側の部分と対向するケース本体50の底部には、第1の凹部51が形成されている。このため、第3の端子43aが配置された第3の導電体43の反対側の部分と、ケース本体50との間には隙間S1が形成されている。第1の端子41aが第2の位置にある場合に第1の端子41aが第3の端子43aと接触しても、第3の導電体43の部分は、ケース本体50から離間している。このため、操作体30の操作によって第1の端子41aが第3の端子43aに対して過剰に押し込むことで、オーバートラベルが発生しても、第3の導電体43がケース本体50から離間した状態が確保される。これにより、第1の端子41aと第3の端子43aとの摩耗を抑制することができるため、長期間に亘って第1の端子41aと第3の端子43aとの電気的接続を確保することができる。
【0065】
また、ケース本体50には、取付枠10と係合する被係合部52が形成されている。被係合部52は、ケース本体50の一方側(X軸プラス方向側)及び他方側(X軸マイナス方向側)のそれぞれの側面部において複数形成され、長手方向に沿って並んでいる。被係合部52は、一方側の側面部からX軸プラス方向に突出する突状片である。本実施の形態では、被係合部52の一方側及び他方側を合わせて4つの被係合部52が形成されている。被係合部52の数は、一例であり4つに限定されない。
【0066】
[プレートカバー3]
配線機器1は、さらにプレートカバー3を備えていてもよい。
【0067】
プレートカバー3は、矩形状の枠体である。プレートカバー3の中央部には、操作体30のレバー31を露出するための貫通孔20aが形成されている。プレートカバー3は、金属材料又は樹脂材料で構成されている。
【0068】
プレートカバー3は、操作体30のレバー31を露出させた状態で取付枠10の全体を覆うように、取付枠10に着脱可能に取付けられる。このため、プレートカバー3は、取付枠10が固定部に取付けられたときに、固定ネジと干渉せずに固定ネジを覆うことができる。つまり、固定ネジが取付枠10の空孔15に沈んでいるため、プレートカバー3は、固定ネジの頭部と接触しない。
【0069】
<取付け構造>
次に、配線機器1を固定部に取付けた場合の取付け構造について説明する。
【0070】
図7は、固定ネジ70が傾斜した状態で挟み金具80に締結され、取付枠10が固定部に取付けられた状態を示す断面図である。
【0071】
図1及び
図7に示すように、配線機器1を固定部に取付ける際に、複数の挟み金具80と複数の固定ネジ70を用いる。
【0072】
挟み金具80は、例えば金属材料で形成されている。挟み金具80は、金具本体81と、一対の引掛片82とを有している。金具本体81は、X軸方向に沿って見た形状がU字状に形成されている。一対の引掛片82は、金具本体81と一体的に形成され、取付枠10に引っ掛けることで、取付枠10と連結される。
【0073】
固定部に対して取付枠10が前方(Z軸マイナス方向側)、挟み金具80が後方(Z軸プラス方向側)となるように位置させた状態において、各固定ネジ70は、第3側部13の空孔15及び第4側部14の空孔15のそれぞれを挿通し、各挟み金具80に締結される。取付枠10と挟み金具80の金具本体81とで固定部を挟み込むことで、配線機器1は、固定部に固定される。
【0074】
また、固定ネジ70は、固定部の厚みに応じて傾斜する、つまり、ネジ部72がケース5に近づくように傾くことで、金具本体81と取付枠10との間の寸法を大きく開かせることができる。これにより、挟み金具80を用いて取付枠10を固定部に取り付ける場合、対応可能な固定部の厚みの変化幅を大きくすることができる。
【0075】
固定ネジ70を挟み金具80のねじ孔83に締結した際に、固定ネジ70の頭部71の一部は、空孔15の第2の凹部16に挿入された状態で配置される。このとき、固定ネジ70の頭部71に形成されている頭部テーパー面71aが第2の凹部16の傾斜面15aと合わさるように当接する。
【0076】
例えば、空孔に第2の凹部が形成されていない取付枠の場合では、固定ネジの頭部は、空孔を形成する側壁の周縁と当接し、空孔の内部に沈み込み難い。また、空孔に傾斜面が形成されていない取付枠の場合では、空孔を形成する側壁の周縁は、面取りされていない状態である。この場合も同様に、固定ネジの頭部は、空孔を形成する側壁の周縁と当接し、空孔の内部に沈み込み難い。また、固定ネジは、固定部の厚みに応じて傾斜する、つまり、ネジ部がケース5に近づくように傾く。このため、空孔に第2の凹部が形成されていない取付枠の場合、及び、空孔に傾斜面が形成されていない取付枠の場合では、取付枠の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジの頭部の突出量は大きい。
【0077】
しかしながら、本実施の形態では、空孔15に第2の凹部16が形成されているため、第2の凹部が形成されていない空孔よりも、空孔15に対する固定ネジ70の頭部71の沈み込み量が大きくなる。特に、第2の凹部16がケース5と反対側に形成されているため、固定ネジ70の頭部71を第2の凹部16に沈み込ませることができる。さらに、本実施の形態では、空孔15に傾斜面15aが形成されているため、空孔15に対する固定ネジ70の頭部71の沈み込み量がさらに大きくなる。
【0078】
また、本実施の形態では、上述の場合よりも、取付枠10の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジ70の頭部71の突出量が小さくなる。このため、プレートカバー3を取付枠10に取付ける際に、プレートカバー3が固定ネジ70の頭部71と接触し難く、プレートカバー3と固定ネジ70との干渉を抑制することができる。
【0079】
<作用効果>
次に、本実施の形態における配線機器1の作用効果について説明する。
【0080】
上述したように、本実施の形態の配線機器1は、手動操作される操作体30と、第1の導電体41と、電力線90と接続される第2の導電体42及び第3の導電体43と、操作体30の一部と、第1の導電体41と、第2の導電体42と、第3の導電体43とが収容されるケース5(カバー部材20及びケース本体50)と、を備える。また、第1の導電体41は、第2の導電体42及び第3の導電体43の一方と電気的に接続される第1の端子41aを有する。また、第2の導電体42は、第1の導電体41と電気的に接続される第2の端子42aを有する。また、第3の導電体43は、第1の導電体41と電気的に接続される第3の端子43aを有する。また、第1の端子41aは、操作体30の手動操作に応じて、第2の端子42aと電気的に接続される第1の位置と、第2の端子42aと離間している第3の端子43aと電気的に接続される第2の位置と、に移動可能である。そして、ケース5には、第3の導電体43における第3の端子43aが配置された側と反対側の部分と対向する位置に第1の凹部51が形成されている。
【0081】
例えば、操作体の操作によって、第1の端子が第3の端子を押し込む場合、オーバートラベルによって第1の端子が第3の端子を過剰に押し付ける場合がある。この場合、第1の端子と第3の端子との間に発生する摩擦が大きくなり、第1の端子と第3の端子とが摩耗し易くなる。
【0082】
しかしながら、本実施の形態では、第1の端子41aが第2の位置に移動することで、第1の端子41aと第3の端子43aと電気的に接続されても、第3の端子43aが配置された側と反対側の第3の導電体43の部分が第1の凹部51に逃げることができる。つまり、第1の端子41aが第3の端子43aを押し込むことによるオーバートラベルの許容範囲を大きくすることができる。これにより、第1の端子41aと第3の端子43aとの間に発生する摩擦が大きくなることを抑制することで、第1の端子41aと第3の端子43aとの摩耗を抑制することができる。
【0083】
このため、この配線機器1では、長期間に亘って第1の端子41aと第3の端子43aとの電気的接続を確保することができる。
【0084】
特に、第3の導電体43の部分が第1の凹部51に逃げることができるため、操作体30の操作力が異常に上昇し難く、操作体30を容易に操作することができる。
【0085】
また、第1の端子41a及び第3の端子43aが摩耗しても、この配線機器1では、可動端子である第1の端子41aと固定端子である第3の端子43aとの接圧を確保することで、第1の端子41aと第3の端子43aとを電気的に接続することができる。
【0086】
また、本実施の形態の配線機器1において、第1の端子41aが第2の位置にある場合は、第3の導電体43の部分がケース5と離間している。
【0087】
これによれば、第1の端子41aが第2の位置に移動することで、第1の端子41aと第3の端子43aと電気的に接続されても、当該第3の導電体43の部分がケース5と離間しているため、第1の端子41aが第3の端子43aを押し込むことによるオーバートラベルの許容範囲をより大きくすることができる。これにより、第1の端子41a及び第2の端子42aの摩耗を抑制することができる。
【0088】
また、本実施の形態の配線機器1において、第1の端子41aが第1の位置にある場合は、第2の端子42aが配置された側と反対側の第2の導電体42の部分がケース5と離間している。
【0089】
これによれば、第1の端子41aが第1の位置に移動することで、第1の端子41aと第2の端子42aとが電気的に接続されても、第2の導電体42の部分がケース5と離間しているため、第1の端子41aが第2の端子42aを押し込むことによるオーバートラベルの許容範囲をより大きくすることができる。これにより、第1の端子41a及び第2の端子42aの摩耗を抑制することができる。
【0090】
また、本実施の形態の配線機器1において、操作体30は、第1の導電体41を押圧する押込部33を有する。そして、押込部33は、操作体30の手動操作に応じて、第1の端子41aが第3の端子43a側に移動するように第1の導電体41を押圧する。
【0091】
これによれば、押込部33は、第1の導電体41を押圧することで第1の端子41aを第2の位置に移動させることができる。また、押込部33が第1の導電体41を押圧しない場合、第1の端子41aは、第1の導電体41の復元力によって第1の位置に移動する。このため、操作体30は、第1の端子41aを第2の端子42a又は第3の端子43aと電気的に接続するように容易に切り替えることができる。
【0092】
また、操作体30が第1の導電体41を過度に押圧したとしても、第3の導電体43の部分が第1の凹部51に逃げることができるため、操作体30に対して過度に応力が加えられ難い。このため、操作体30を使用できる期間が短くなり難い。
【0093】
また、本実施の形態の配線機器1は、ケース5を固定部に取付けるための取付枠10を備える。また、取付枠10は、ケース5よりも外側に位置し、取付枠10を固定部に取付ける際に固定ネジ70が挿通される空孔15が形成されている壁部(第3側部13又は/及び第4側部14)を有する。そして、壁部には、空孔15の開口面積を拡大する方向に切り欠かれた第2の凹部16が空孔15に形成されている。
【0094】
例えば、取付枠を固定部に取付ける場合、第2の凹部が形成されていない空孔では、固定ネジを空孔に挿入したとき、固定ネジの頭部が空孔の内部に沈み込み難い。このため、取付枠の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジの頭部の突出量が大きくなる。
【0095】
しかしながら、本実施の形態では、空孔15に第2の凹部16が形成されているため、第2の凹部が形成されていない空孔よりも、空孔15に対する固定ネジ70の頭部71の沈み込み量が大きくなる。このため、第2の凹部が形成されていない空孔よりも、本実施の形態では、取付枠10の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジ70の頭部71の突出量が小さくなる。その結果、プレートカバー3と固定ネジ70との干渉を抑制することができる。
【0096】
また、本実施の形態の配線機器1において、第2の凹部16は、壁部において、ケース5と反対側に形成されている。
【0097】
これによれば、取付枠10を固定部に取付ける際に、固定部の厚みに応じて固定ネジ70を傾斜させた場合、固定ネジ70のネジ部72がケース5に近づくように傾くため、固定ネジ70の頭部71を第2の凹部16に沈み込ませることができる。このため、固定ネジ70が傾斜することで頭部71が立ち上がっても、プレートカバー3と固定ネジ70との干渉をより抑制することができる。
【0098】
また、本実施の形態の配線機器1において、第2の凹部16は、さらに、壁部において、ケース5側にも形成されている。
【0099】
これによれば、固定ネジ70が傾斜しても、固定ネジ70の頭部71を第2の凹部16により沈み込ませることができる。
【0100】
また、本実施の形態の配線機器1において、空孔15には、テーパー状の傾斜面15aが形成されている。そして、傾斜面15aは、取付枠10を固定部に取付けたときの壁部において、固定部とは反対側に形成されている。
【0101】
例えば、取付枠を固定部に取付ける場合、傾斜面が形成されていない空孔では、固定ネジを空孔に挿入したとき、固定ネジの頭部が空孔の内部に沈み込み難い。このため、取付枠の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジの頭部の突出量が大きくなる。
【0102】
しかしながら、本実施の形態では、空孔15に傾斜面15aが形成されているため、傾斜面が形成されていない空孔よりも、空孔15に対する固定ネジ70の頭部71の沈み込み量が大きくなる。このため、傾斜面が形成されていない空孔よりも、本実施の形態では、取付枠10の表面(Z軸マイナス方向側の面)からの固定ネジ70の頭部71の突出量が小さくなる。その結果、プレートカバー3と固定ネジ70との干渉をより抑制することができる。
【0103】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る配線機器について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0104】
例えば、本実施の形態に係る配線機器は、さらに、挟み金具及び固定ネジを構成要素として備えていてもよい。
【0105】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1 配線機器
5 ケース
10 取付枠
13 第3側部(壁部)
14 第4側部(壁部)
15 空孔
15a 傾斜面
16 第2の凹部
20 カバー部材
30 操作体
33 押込部
41 第1の導電体
41a 第1の端子
42 第2の導電体
42a 第2の端子
43 第3の導電体
43a 第3の端子
50 ケース本体
51 第1の凹部
70 固定ネジ
90 電力線