(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086068
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】光学システム
(51)【国際特許分類】
G02B 6/43 20060101AFI20230614BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20230614BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20230614BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20230614BHJP
G02B 6/34 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
G02B6/43
G02B5/18
G02B3/00
G02B6/00 331
G02B6/34
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045903
(22)【出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】17/547,021
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】謝 馨儀
(72)【発明者】
【氏名】謝 錦全
【テーマコード(参考)】
2H038
2H137
2H249
【Fターム(参考)】
2H038AA55
2H137AA17
2H137AB12
2H137BA34
2H137BA42
2H137BA51
2H137BC02
2H137BC16
2H137BC23
2H137BC27
2H137BC62
2H249AA02
2H249AA12
2H249AA60
2H249AA62
2H249AA63
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なる波長を有するカラー画像が同じグレーティング光導波路に結合する場合、RGB光の異なる光路を引き起こし、撮像の問題が発生する。
【解決手段】光学システムは、光モジュールと、第1のグレーティングカプラ上の光学素子と、第2のグレーティングカプラとを含む。異なる位置から3つのビームを放射する光モジュールと、光モジュールの下方にあり、3つのビームの入射角を変更し、3つのビームを第1のグレーティングカプラの同一の領域に集束させるように構成された光学素子であって、光導波路基板は、第1のグレーティングカプラに接続され、3つのビームを透過するように構成された光学素子と、光導波路基板に接続され、3つのビームが同一の光路を通過した後に3つのビームが前記光導波路基板から離れることを可能にするように構成された第2のグレーティングカプラを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる位置から3つのビームを放射する光モジュールと、
前記光モジュールの下方にあり、前記3つのビームの入射角を変更し、前記3つのビームを第1のグレーティングカプラの同一の領域に集束させるように構成された光学素子であって、
前記第1のグレーティングカプラは、前記光学素子の下方にあり、前記3つのビームを光導波路基板に結合するように構成され、
前記光導波路基板は、前記第1のグレーティングカプラに接続され、前記3つのビームを透過するように構成された光学素子と、
前記光導波路基板に接続され、前記3つのビームが同一の光路を通過した後に、前記3つのビームが前記光導波路基板から離れることを可能にするように構成された第2のグレーティングカプラと、を含む、光学システム。
【請求項2】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層であって、
前記クラッド層の屈折率が1.6未満であるクラッド層と、
前記光学素子と前記クラッド層との間の金属シールドと、を更に含み、
前記クラッド層はエアギャップであり、前記エアギャップの厚さが0.1mm~100mmの範囲であり、
前記光導波路基板の屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きく、又は、
前記第1のグレーティングカプラの屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きい、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記光学素子は、プリズム又はマイクロレンズであり、前記光学素子が前記マイクロレンズである場合、前記光学素子上に金属シールドを更に含み、
前記光導波路基板の屈折率は、1.7~2.2の範囲である、請求項1又は2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記光導波路基板の表面に沿って延びるグレーティング層を更に含み、前記グレーティング層は、前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間の部分を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間に配置された金属層を更に含み、前記第1のグレーティングカプラは、前記グレーティング層内に配置され、前記第1のグレーティングカプラの表面は、前記光導波路基板に面する、請求項4に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層を更に含み、
前記グレーティング層は、前記光導波路基板と前記クラッド層との間に配置される、請求項4又は5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第1のグレーティングカプラは、階段状グレーティング構造を含み、前記階段状グレーティング構造は、第1の垂直側壁と、第2の垂直側壁と、前記第1の垂直側壁及び前記第2の垂直側壁に隣接する水平表面とを含み、
前記階段状グレーティング構造は、n個の階段を有し、nは3~32の範囲である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記第1のグレーティングカプラは、ブレーズグレーティング構造を含み、前記ブレーズグレーティング構造は、前記ブレーズグレーティング構造の頂部から前記ブレーズグレーティング構造の底部へ延びる斜めの側壁を有し、前記ブレーズグレーティング構造の幅は、前記ブレーズグレーティング構造の前記頂部から前記ブレーズグレーティング構造の前記底部に向かって徐々に増加する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1のグレーティングカプラは、傾斜グレーティング構造を有し、前記傾斜グレーティング構造は、第1の斜めの側壁と、第2の斜めの側壁と、前記第1の斜めの側壁及び前記第2の斜めの側壁に隣接する頂面とを含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記3つのビームは、3つの分離されたRGB画像であり、前記光モジュールは、前記光学素子の上方に配置されたプロジェクタを含み、前記プロジェクタは、前記3つの分離された前記RGB画像を提供するように構成される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記光モジュールは、前記光学素子と前記プロジェクタとの間に配置されたスプリッタを更に含み、前記プロジェクタは、重畳したカラー画像を提供するように構成され、前記スプリッタは、前記重畳したカラー画像を前記3つの分離されたRGB画像に分離するように構成される、請求項10に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学システムに関する。より具体的には、光学システムは、1つの光導波路基板に1対のグレーティングカプラを含む。
【背景技術】
【0002】
グレーティングカプラは、外部光をフォトニックチップ等の光学装置上の光導波路(導波路(waveguide))層に透過させるか又はそこから外に透過させることによる撮像又はメッセージ配信によく使用される。高屈折率の光導波路が低屈折率のクラッドに囲まれるため、光導波路層とクラッド層との界面の臨界角より大きい角で光導波路内を進む光は、界面付近で全内部反射(TIR)現象を引き起こす。したがって、光は、光導波路内で過度のエネルギー損失なしに伝搬することができる。光導波路上のグレーティング構造は、光導波路内の光伝搬に用いられて、外部光を導入し、界面の臨界角より大きい第1の回折角を有する1次回折光に変換する。更に、グレーティングの形状、材料及び設計は、入射から1次回折光へのエネルギー変換効率を決定することができる。グレーティング光導波路又は導波路は、バイオセンサ、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)及び電気通信に広く適用されている。
【0003】
カラー画像の場合、外部光は、RGB光など、色の異なる複数の波長を含む。異なる波長を有するカラー画像が同じグレーティング光導波路に結合する場合、それらの第1の回折角が異なり、RGB光の異なる光路を引き起こす可能性があるため、グレーティング分離領域での撮像の問題が発生する。したがって、上記問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、光学システムを提供する。光学システムは、光モジュールと、第1のグレーティングカプラ上の光学素子と、第2のグレーティングカプラとを含む。光モジュールは、異なる位置から3つのコリメートビームを放射する。光学素子は、光モジュールの下方にあり、3つのコリメートビームの入射角を変更し、3つのコリメートビームを第1のグレーティングカプラの同一の領域に集束させるように構成される。第1のグレーティングカプラは、光学素子の下方にあり、3つのビームを光導波路基板に結合するように構成される。光導波路基板は、第1のグレーティングカプラに接続され、3つのビームを透過するように構成される。第2のグレーティングカプラは、光導波路基板に接続され、3つのビームが同一の光路を(1次回折光と同じ回折角で)通過した後に3つのビームが光導波路基板から離れることを可能にするように構成される。
【0005】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、第1のグレーティングカプラ、第2のグレーティングカプラ及び光導波路基板を覆うクラッド層を更に含む。
【0006】
本開示の幾つかの実施形態において、クラッド層はエアギャップであり、エアギャップの厚さが0.1mm~100mmの範囲である。
【0007】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、光学素子とクラッド層との間の金属シールドを更に含む。
【0008】
本開示の幾つかの実施形態において、光導波路基板の屈折率は、クラッド層の屈折率より大きい。
【0009】
本開示の幾つかの実施形態において、第1のグレーティングカプラの屈折率は、クラッド層の屈折率より大きい。
【0010】
本開示の幾つかの実施形態において、クラッド層の屈折率は、1.6未満である。
【0011】
本開示の幾つかの実施形態において、光学素子は、プリズム又はマイクロレンズである。
【0012】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、光学素子上に金属シールドを更に含む。
【0013】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、光導波路基板の表面に沿って延びるグレーティング層を更に含む。
【0014】
本開示の幾つかの実施形態において、グレーティング層は、第1のグレーティングカプラと光導波路基板との間の部分を有する。
【0015】
本開示の幾つかの実施形態において、第1のグレーティングカプラは、グレーティング層内に配置され、第1のグレーティングカプラの表面は、光導波路基板に面する。
【0016】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、第1のグレーティングカプラと光導波路基板との間に配置された金属層を更に含む。
【0017】
本開示の幾つかの実施形態において、光学システムは、第1のグレーティングカプラ、第2のグレーティングカプラ及び光導波路基板を覆うクラッド層を更に含み、グレーティング層は、光導波路基板とクラッド層との間に配置される。
【0018】
本開示の幾つかの実施形態において、光導波路基板の屈折率は、1.7~2.2の範囲である。
【0019】
本開示の幾つかの実施形態において、第1のグレーティングカプラは、階段状グレーティング構造を含み、階段状グレーティング構造は、第1の垂直側壁と、第2の垂直側壁と、第1の垂直側壁及び第2の垂直側壁に隣接する水平表面とを含む。
【0020】
本開示の幾つかの実施形態において、階段状グレーティング構造は、n個の階段を有し、nは3~32の範囲である。
【0021】
本開示の幾つかの実施形態において、第1のグレーティングカプラは、ブレーズグレーティング構造を含み、ブレーズグレーティング構造は、ブレーズグレーティング構造の頂部からブレーズグレーティング構造の底部へ延びる斜めの側壁を有し、ブレーズグレーティング構造の幅は、ブレーズグレーティング構造の頂部からブレーズグレーティング構造の底部に向かって徐々に増加する。
【0022】
本開示の幾つかの実施形態において、第1のグレーティングカプラは、傾斜グレーティング構造を有し、傾斜グレーティング構造は、第1の斜めの側壁と、第2の斜めの側壁と、第1の斜めの側壁及び第2の斜めの側壁に隣接する頂面とを含む。
【0023】
本開示の幾つかの実施形態において、3つのコリメートビームは3つの画像であり、赤色(R)光のコリメート画像と、緑色(G)光のコリメート画像と、青色(B)光のコリメート画像とを含む。
【0024】
本開示の幾つかの実施形態において、光モジュールは、光学素子の上方に配置されたプロジェクタを含み、プロジェクタは、3つの分離されたコリメートRGB画像を提供するように構成される。
【0025】
本開示の幾つかの実施形態において、光モジュールは、光学素子とプロジェクタとの間に配置されたスプリッタを更に含み、プロジェクタは、重畳したカラー画像を提供するように構成され、スプリッタは、重畳したカラー画像を3つの分離されたコリメートRGB画像に分離するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の態様は、添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明から最もよく理解される。様々な特徴は、当業界の標準的技法に従って、原寸大には描かれていないことに注意すべきである。実際、説明を明確にするために、様々な特徴の寸法は、任意に拡大又は縮小されてもよい。
【0027】
【
図1A】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図1B】
図1Aにおけるグレーティングカプラの拡大図である。
【
図2A】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図2B】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図3A】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図3B】
図3Aにおけるグレーティングカプラの拡大図である。
【
図4A】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図4B】
図4Aにおけるグレーティングカプラの拡大図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態による光学装置の断面図である。
【
図9】本開示の幾つかの実施形態による光学システムの概略図である。
【
図10A】3つの分離されたコリメートRGB光の原画像の概略図である。
【
図10B】3つの分離されたコリメートRGB光の原画像の概略図である。
【
図10C】3つの分離されたコリメートRGB光の原画像の概略図である。
【
図10D】重畳したカラー画像の光学画像の概略図である。
【
図11】本開示の幾つかの実施形態による光学システムの概略図である。
【
図12】本開示の幾つかの実施形態による光学システムの概略図である。
【
図13】本開示の幾つかの実施形態による光学システムの概略図である。
【
図14】本開示の幾つかの実施形態による光学システムの概略図である。
【
図15A】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図15B】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図15C】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図15D】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図15E】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図15F】本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラの様々なグレーティング構造の断面図である。
【
図16A】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図16B】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図17A】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図17B】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図18A】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図18B】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図19A】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【
図19B】本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光の入射角強度チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するため、多くの異なる実施形態又は例を提供するものである。
【0029】
以下、本開示を簡略化するために、部品及び配置の特定の例を説明する。もちろん、これらは単に例であり、限定することを意図するものではない。例えば、以下の説明における第2の特徴の上方又は上の第1の特徴の形成は、第1と第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含んでもよく、また、第1と第2の特徴が直接接触しないように、追加の特徴が第1と第2の特徴の間に形成され得る実施形態を含んでもよい。
【0030】
更に、本開示は、様々な例において符号及び/又は文字を繰り返してもよい。
【0031】
この繰り返しは、簡略化と明瞭化を目的としており、それ自体では、説明した様々な実施形態及び/又は構成の間の関係を示すものではない。
【0032】
全ての素子/部品の数は、単に例示のためであり、本開示を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0033】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な素子を説明するが、これらの素子は、これらの用語によって限定されないことを理解されたい。
【0034】
これらの用語は、1つの素子を別の素子から区別するためにのみ使用される。例えば、実施形態の範囲を逸脱することなく、第1の素子を第2の素子と呼ぶことができ、同様に、第2の素子を第1の素子と呼ぶことができる。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連するリストされた項目のうちの1つ又は複数の任意及び全ての組合せを含む。
【0035】
更に、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」等のような空間的に相対的な用語は、1つの素子又は特徴と図示される他の素子(複数の素子)又は特徴(複数の特徴)との関連性を容易に説明するために本明細書で使用されてもよい。
【0036】
空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用又は動作における装置の他の向きを包含するものとして意図されている。装置は、他の方向(90度回転するか又は他の向き)に配向されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、同様にそれに応じて解釈されてもよい。
【0037】
コリメート(collimating)光がグレーティングカプラ(GC)を介して光導波路基板又はガラスに入射すると、RGB光の光路は異なる。したがって、観察者の目に入るRGB光がシフトする。異なる光路を有するRGB光による透過撮像の問題を解決するために、複数のグレーティングカプラ及び/又は複数の光学素子を使用して、撮像のための同一の光路を達成した。例えば、外部光の3つの波長(光のRGB波長等)を別個に多重化するために、3つの別個の高屈折率ガラスを使用し、各ガラスは、少なくとも1つのグレーティングカプラを有するため、同一の光路に沿ってRGB波長を透過する。しかしながら、3つの別個の高屈折率ガラスは、光学装置の厚さを増加させ、また、光学装置の製造コストを増加させる。
【0038】
コリメート光のグレーティングカプラの結合効率は、光学システムの光学素子の材料特性及びグレーティングカプラの構造に関連する。本開示の光学システムは、異なる位置から放射された3つの分離されたコリメートRGB画像の入射角を調整し、次に、RGB画像を、1つのグレーティングカプラ及び高屈折率を有する1つの光導波路基板と結合する。更に、本開示はまた、様々なグレーティング構造を提供し、それらのグレーティング構造は、3つのRGB光の高い結合効率を提供することができる。本開示は、光学装置の厚さを低減することができ、開示されたグレーティング構造は、より広い視野(field of view(FOV))及び高い結合効率を提供する。
【0039】
【0040】
図1Aを参照されたい。光学装置100は、光導波路基板110と、光導波路基板110上のグレーティングカプラ120とを含む。光導波路基板110は、透明基板である。幾つかの実施形態では、光導波路基板110は、サファイア基板であってもよい。幾つかの実施形態では、光導波路基板110は、高屈折率(n)を有し、光導波路基板110の屈折率は、1.7~2.2の範囲であり、例えば、1.8、1.9、2.0又は2.1である。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120の屈折率は、光導波路基板110の屈折率よりわずかに低いか、同じであるか、又はわずかに高い。幾つかの実施形態では、光導波路基板110の厚さは、0.1mm~15mmの範囲であり、例えば、0.5、0.8、1、3、5、7、9、11又は13mmである。光導波路基板110の厚さは、グレーティングカプラ120の厚さより大きい。
【0041】
図1Bを参照されたい。
図1Bは、
図1Aにおけるグレーティングカプラ120の拡大図を示す。グレーティングカプラ120は、複数の凸部及び複数の凹部を有する。グレーティングカプラ120の凸部は、凸部の頂面122から凹部の底面124までの高さhを有する。グレーティングカプラ120は、隣接する2つの凸部の間にグレーティング間隔(grating period)pを有する。グレーティングカプラ120は、頂面122と、側壁126と、底面124と、側壁128とを含む連続面を有し、連続面は、光学装置100の光導波路基板110から反対の方向に面する。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120は、階段状グレーティング(step grating)構造、ブレーズグレーティング(blazed grating)構造又は傾斜グレーティング(slanted grating)構造を含む。
図1Bに示すグレーティングカプラ120は単に概略図であり、グレーティングカプラ120の詳細な構造は、以下の
図15A~
図15Fに記載されることを理解されたい。また、グレーティングカプラ120は、
図15A~
図15Fの左右対称のミラー構造であってもよい。
【0042】
図2A、
図2B、
図3A及び
図4Aを参照されたい。光学装置100a1、100a2、100b及び100cのそれぞれは、
図1Aの光学装置100と比較して、グレーティング層210を更に含む。
【0043】
図2Aを参照されたい。光学装置100a1において、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、グレーティングカプラ120は、グレーティング層210上に配置される。グレーティング層210は、グレーティングカプラ120と光導波路基板110との間の部分を有する。換言すれば、グレーティング層210は、光導波路基板110より高く、グレーティングカプラ120より低い。幾つかの実施形態では、グレーティング層210は、高屈折率(n)を有する。グレーティング層210の屈折率は、可視光波長(400~700nm)の間、1.7~3.0の範囲である。幾つかの実施形態では、グレーティング層210の屈折率は、光導波路基板110の屈折率と同じである。幾つかの実施形態では、グレーティング層210の材料は、Al
2O
3、Nb
2O
5、Ta
2O
5、TiO
2、SiN
4又は他の適切な材料を含む。
図2Aにおけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図1Bを参照することができる。
【0044】
図2Bを参照されたい。光学装置100a2において、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、グレーティングカプラ120は、グレーティング層210内に配置される。具体的には、
図2Bのグレーティングカプラ120は、グレーティング層210をエッチングすることによって形成することができる。
図2Bにおけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図1Bを参照することができる。
【0045】
図3Aを参照されたい。光学装置100bにおいて、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、グレーティングカプラ120は、グレーティング層210内に配置される。
図3Bを参照されたい。
図3Bは、
図3Aにおけるグレーティングカプラ120の拡大図を示す。グレーティングカプラ120の連続面(頂面122、側壁126、底面124及び側壁128)は、光学装置100bの光導波路基板110に面する。
【0046】
図4Aを参照されたい。光学装置100cは、
図3Aの光学装置100bと比較して、金属層410を更に含む。光学装置100cにおいて、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延びる。グレーティングカプラ120及び金属層410は、グレーティング層210内に配置され、金属層410は、グレーティングカプラ120と光導波路基板110との間に配置される。幾つかの実施形態では、金属層410は、Au、Al、Ti、Ni、Nb及びWで作ることができる。
図4Bを参照されたい。
図4Bは、
図4Aにおけるグレーティングカプラ120の拡大図を示す。グレーティングカプラ120の連続面(頂面122、側壁126、底面124及び側壁128)は、光導波路基板110に面し、金属層410は、グレーティングカプラ120の連続面上に配置される。
図1A、
図2A、
図2B、
図3A及び
図4Aの間の主な相違点は、グレーティングカプラ120の様々な位置に関連することに留意されたい。
【0047】
図5を参照されたい。光学装置200は、
図1Aの光学装置100と比較して、クラッド層510を更に含む。光学装置200は、比較される光導波路基板110、グレーティングカプラ120及びクラッド層510を含む。クラッド層510は、グレーティングカプラ120及び光導波路基板110を覆う。具体的には、クラッド層510は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、グレーティングカプラ120は、クラッド層510内に配置される。幾つかの実施形態では、光導波路基板110の屈折率は、クラッド層510の屈折率より大きい。幾つかの実施形態では、クラッド層510の屈折率は、1.6未満、例えば、1.5、1.4、1.3、1.2又は1.1である。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120の屈折率は、クラッド層510の屈折率より大きい。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120の屈折率は、1.7~2.9の範囲であり、例えば、2.0、2.2又は2.35である。幾つかの実施形態では、クラッド層510は、SiO
2、スピンオンガラス(SOG)、ポリマー又は他の適切な材料で作ることができる。幾つかの実施形態では、クラッド層510の厚さは、100nm~1mmの範囲であり、例えば、300nm、500nm又は2umである。
図5におけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図1Bを参照することができる。
図1Aにおける光学装置100と
図5における光学装置200との相違点は、クラッド層510であることに留意されたい。
【0048】
図6、
図7及び
図8を参照されたい。光学装置200a、200b及び200cは、
図5の光学装置200と比較して、グレーティング層210を更に含む。
【0049】
図6を参照されたい。光学装置200aにおいて、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、クラッド層510は、グレーティング層210の表面212に沿って延びる。グレーティング層210は、光導波路基板110とクラッド層510との間に配置され、グレーティングカプラ120は、グレーティング層210の表面212上にある。具体的には、グレーティングカプラ120は、クラッド層510内に配置される。
図6におけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図1Bを参照することができる。
【0050】
図7を参照されたい。光学装置200bにおいて、グレーティング層210は、光導波路基板110の表面112に沿って延び、クラッド層510は、グレーティング層210の表面212に沿って延びる。グレーティングカプラ120は、光導波路基板110上に配置される。具体的には、グレーティングカプラ120は、グレーティング層210内に配置される。
図7におけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図3Bを参照することができる。
【0051】
図8を参照されたい。光学装置200cは、
図7の光学装置200bと比較して、金属層410を更に含む。金属層410は、グレーティングカプラ120と光導波路基板110との間に配置される。
図8におけるグレーティングカプラ120の拡大図は、
図4Bを参照することができる。
図5、
図6、
図7及び
図8の間の主な相違点は、グレーティングカプラ120の様々な位置に関連することに留意されたい。
【0052】
以下の開示において、同じ又は類似の特徴を示すために本明細書で符号を繰り返し、上記説明は、以下に説明される実施形態にも同様に適用され、その詳細を繰り返して説明しない。
【0053】
図9を参照されたい。
図9は、本開示の幾つかの実施形態による光学システム900の概略図である。光学システム900は、光学装置200、光学素子910、光モジュールLM及びグレーティングカプラ121を含む。光学装置200は、前述の光学装置200a、200b、200cのいずれか1つと交換することができる。幾つかの実施形態では、光学素子910は、
図9に示すように、プリズム910aである。クラッド層510は、グレーティングカプラ120、グレーティングカプラ121及び光導波路基板110を覆う。光学素子910は、光モジュールLMの下方にあり、3つのビーム(例えば、
図9の左側の青色光BL、緑色光GL及び赤色光RL)の入射角を変更し、3つのビームをグレーティングカプラ120の同一の領域に集束させるように構成される。グレーティングカプラ120は、光学素子910の下方にあり、3つのビームを光導波路基板110に結合するように構成される。光導波路基板110は、グレーティングカプラ120に接続され、3つのビームを透過するように構成される。グレーティングカプラ121は、光導波路基板110に接続され、3つのビームが同一の光路を通過した後に3つのビームが光導波路基板110から離れることを可能にするように構成される。光モジュールLMは、異なる位置から3つのビームを放射し、プロジェクタ920を含む。3つのビームは、3つの分離されたRGB画像を含み、3つのRGB画像のそれぞれがコリメート光である。
【0054】
図9を続いて参照されたい。光学素子910は、グレーティングカプラ120の上方に配置され、グレーティングカプラ120に入射する3つのRGB光の入射角を変更するように構成される。具体的には、プリズム910aは、クラッド層510の表面212上に配置される。プリズム910aは、プロジェクタ920からの3つのRGB光の光路を変更するように構成された3つの頂面912、914及び916を有する。3つのRGB光は、赤色光RL、緑色光GL及び青色光BLである。3つのRGB光のそれぞれは、0.1mm~10mm、例えば、0.5mm、1mm、2mm、3mm、5mm等の画像寸法を有するコリメート光を有し、光学素子910に入射する前に、光学素子910上に入射位置(頂面912、914、916等)を有し、3つのRGB光の入射位置は、互いに異なる。光学素子910は、3つのRGB光が光学素子910及びクラッド層510を通過する場合、3つのRGB光をグレーティングカプラ120の同一の領域に集束することを可能にするように構成される。3つのRGB光は、グレーティングカプラ120に入射した後、光導波路基板110内を透過し、3つのRGB光は、同一の光路を有する。3つのRGB光は、グレーティングカプラ121の同一の領域から透過する。
【0055】
幾つかの実施形態では、赤色光RLの波長は620~680nm(例えば、633nm)であり、緑色光GLの波長は520~570nm(例えば、532nm)であり、青色光BLの波長は440~491nm(例えば、488nm)である。プロジェクタ920は、光学素子910の上方に配置され、プロジェクタ920は、3つのRGB光を提供するように構成される。幾つかの実施形態では、プロジェクタ920は、重畳(overlap)したRGBカラー画像のコリメート光を提供するように構成される。他の実施形態では、プロジェクタ920は、3つのRGB光を提供するように構成され、RGB光は、3つの分離されたフレームで分離することができる。グレーティングカプラ121は、光導波路基板110上に配置される。グレーティングカプラ121は、グレーティングカプラ120と同一又は類似することができる。幾つかの実施形態では、光学システム900は、拡張現実(AR)に適用されてもよい。グレーティングカプラ120の詳細な構造を以下の
図15A~
図15Fに説明する。3つのRGB光の透過及び画像を以下に説明する。
【0056】
図10A、
図10B及び
図10Cは、3つの分離されたコリメートRGB光の原画像の概略図であり、
図10Dは、重畳したカラー画像の光学画像の概略図である。
図9及び
図10A~10Cにおける領域930を参照されたい。領域930は、プロジェクタ920から放射された3つのRGB光の透過を示す。青色光BLは、
図10Aに示す画像を透過し、緑色光GLは、
図10Bに示される画像を透過し、赤色光RLは、
図10Cに示される画像を透過する。具体的には、
図10Aにおける画像は青色、
図10Bにおける画像は緑色、
図10Cにおける画像は赤色である。次に、青色光BL、緑色光GL及び赤色光RLは、プリズム910aに入射する時にそれらの進行方向を変更する。更に、青色光BL、緑色光GL及び赤色光RLは、グレーティングカプラ120の連続面で収束する。青色光BL、緑色光GL及び赤色光RLの入射角は、グレーティングカプラ120の連続面で変更され、次に、グレーティングカプラ120を介して光導波路基板110に結合することに留意されたい。したがって、光導波路基板110内の青色光BL、緑色光GL及び赤色光RLの光路は同一になる。青色光BL、緑色光GL及び赤色光RLが光導波路基板110に入射した後、3つのRGB光が光導波路基板110で反射しそれを透過する。最後に、3つのRGB光がグレーティングカプラ121を介して分離し、次に、観察者は
図10Dに示す画像を観察でき、
図10Dにおける画像は、青、緑及び赤の色を有する。換言すれば、
図10Dは、
図10A、
図10B及び
図10Cの組み合わせである。
【0057】
図9を再度参照されたい。グレーティングカプラ120は、1mm~15mmの範囲であり、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14mmの有効結合領域R
effを有する。有効結合領域R
effは、RGB光が重畳して光導波路基板110に結合される領域である。3つのRGB光に関しては、プリズム910a内のRGB光の進行方向が異なる。3つのRGB光は、グレーティングカプラ120の連続面で異なる入射角を有する。幾つかの実施形態では、青色光BLの入射角θ1は、3.1度、4.4度、5.9度又は6.3度である。幾つかの実施形態では、緑色光GLの入射角は、0度である(即ち、入射方向は、グレーティングカプラ120の表面の法線方向である)。幾つかの実施形態では、緑色光GLは、入射角θ2を有し、入射角θ2は、-2.8度である。幾つかの実施形態では、赤色光RLの入射角θ2は、-9.9度、-13.7度、-14.6度又は-16.5度である。光学システム900の要件に応じて、3つのRGB光の入射角を調整することができ、3つのRGB光のそれぞれの入射角を色の波長と呼ぶことができることが理解される。幾つかの実施形態では、プリズム910aの材料は、クラッド層510の材料と同一である。
【0058】
図11を参照されたい。
図11は、本開示の幾つかの実施形態による光学システム1100の概略図である。光学システム1100は、光学装置100、光学素子910、プロジェクタ920及びグレーティングカプラ121を含む。
図9における光学システム900と
図11における光学システム1100との相違点は、光学システム900のクラッド層510が、光学システム1100のエアギャップ1110に置き換えられることである。エアギャップ1110の屈折率は1である。更に、光学システム900内の光学装置200は、光学システム1100内の光学装置100によって置き換えられる。光学システム1100において、光学装置100は、前述の光学装置100a1、100a2、100b、100cのいずれかに置き換えることができる。幾つかの実施形態では、エアギャップ1110の厚さTは、0.1mm~100mmの範囲であり、例えば、0.5、0.8、1、2、3、5、8、15、30、50又は80mmである。
【0059】
図12を参照されたい。
図12は、本開示の幾つかの実施形態による光学システム900aの概略図である。光学システム900aは、
図9における光学システム900と比較して、スプリッタ940を更に含む。スプリッタ940は、光学素子910とプロジェクタ920との間に配置される。幾つかの実施形態では、プロジェクタ920は、コリメート光を提供するように構成され、スプリッタ940は、重畳したコリメートカラー光又は画像(collimating colored light or image)を3つの分離されたRGB光又は画像に変換するように構成される。幾つかの実施形態では、スプリッタ940は、ドーブプリズムである。幾つかの実施形態では、スプリッタ940及びプリズム910aを統合して、別の光学部品を形成することができる。
【0060】
図13を参照されたい。
図13は、本開示の幾つかの実施形態による光学システム1300の概略図である。光学システム1300は、光学装置200、光学素子910、金属シールド1310及び光学素子1320を含む。幾つかの実施形態では、光学素子910は、
図13に示すように、マイクロレンズ910bである。幾つかの実施形態では、光学素子910の直径Dは、1mm~100mmの範囲であり、例えば、10、20、30、50、70又は90mmである。金属シールド1310は、マイクロレンズ910b上に配置される。金属シールド1310は、それぞれ3つのRGB光がマイクロレンズ910bに入射することを可能にし、プロジェクタ920及び/又はスプリッタ940からの3つのRGB光の進行方向を変更するように構成された3つの開口1312を有する。幾つかの実施形態では、マイクロレンズ910bの屈折率は、クラッド層510の屈折率と同一又は類似する。幾つかの実施形態では、マイクロレンズ910bの屈折率は、1.6未満であり、例えば、1.5、1.4、1.3、1.2又は1.1である。幾つかの実施形態では、マイクロレンズ910bの材料は、クラッド層510の材料と同一であり、例えば、SiO
2又はポリマーである。幾つかの実施形態では、金属シールド1310は、Ti、Nb、Al又はWで作ることができる。3つのRGB画像の入射角の調整及び収束に加えて、マイクロレンズ910bはまた、画像のサイズを縮小する。したがって、光学素子1320は、凹面1322を有し、グレーティングカプラ121から分離されたRGB光の画像を拡大するように構成される。幾つかの実施形態では、スプリッタ940、マイクロレンズ910b及び金属シールド1310を統合して、別の光学部品を形成することができる。
【0061】
図9における光学システム900と
図13における光学システム1300との相違点は、光学素子910と、RGB光により重畳したカラー画像を放射する光源である。具体的には、光学システム900内のプリズム910aは、光学システム1300内のマイクロレンズ910b及び金属シールド1310によって置き換えられる。RGB光により重畳したカラー画像を放射する光源に関しては、プロジェクタ920、又はプロジェクタ920のアセンブリ及びスプリッタ940のアセンブリに限定されない。
【0062】
図14を参照されたい。
図14は、本開示の幾つかの実施形態による光学システム1300aの概略図である。金属シールド1310は、マイクロレンズ910bとクラッド層510との間に配置される。金属シールド1310は、それぞれ3つの分離されたRGB光がグレーティングカプラ120に入射することを可能にし、プロジェクタ920及び/又はスプリッタ940からの3つの分離されたRGB光の進行方向を変更するように構成された3つの開口1312を有する。光学システム1300aの他の素子及び構成は、
図13の光学システム1300のものと同一である。
【0063】
図15A~
図15Fを参照されたい。
図15A~
図15Fは、本開示の幾つかの実施形態によるグレーティングカプラ120(
図1Bを参照)の様々なグレーティング構造の断面図である。グレーティングカプラ120は、階段状グレーティング構造120a、ブレーズグレーティング構造120b及び傾斜グレーティング構造120c~120fのうちの少なくとも1つを含む。
図1Bにおけるグレーティングカプラ120の拡大図を再度参照されたい。グレーティングカプラ120は、グレーティング間隔p及び高さhを有する。
図15A~
図15Fにおけるグレーティング構造120a~120fは、
図1Bのグレーティングカプラ120において選択的に使用することができる。また、グレーティングカプラ120は、第1の回折光効率及び要求された光伝搬方向に応じて、
図15A~
図15Fの左右対称のミラー構造であってもよい。
【0064】
図15Aは、グレーティングカプラ120の階段状グレーティング構造120aを示す。幾つかの実施形態では、階段状グレーティング構造120aは、n個の階段を有し、nは、3~32の範囲である。例えば、nは4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30である。具体的には、
図15Aは、3階段状グレーティング構造を示す。階段状グレーティング構造120aは、第1の垂直側壁151、第2の垂直側壁152及び水平表面153を含む。水平表面153は、第1の垂直側壁151及び第2の垂直側壁152に隣接する。幾つかの実施形態では、階段状グレーティング構造120aの頂部幅Wtは80nmであり、階段状グレーティング構造120aの底部幅Wbは300nmであり、階段状グレーティング構造120aの高さhは400nmであり、階段状グレーティング構造120aの第1の垂直側壁151は200nmの高さを有し、階段状グレーティング構造120aの第2の垂直側壁152は200nmの高さを有し、階段状グレーティング構造120aの水平表面153は220nmの幅を有する。
【0065】
図15Bは、グレーティングカプラ120のブレーズグレーティング構造120bを示す。ブレーズグレーティング構造120bは、斜めの側壁154を含む。斜めの側壁154は、ブレーズグレーティング構造120bの頂部からブレーズグレーティング構造120bの底部へ延び、ブレーズグレーティング構造120bの幅は、ブレーズグレーティング構造の頂部からブレーズグレーティング構造120bの底部に向かって徐々に増加する。幾つかの実施形態では、ブレーズグレーティング構造120bの底部幅Wbは400nmであり、ブレーズグレーティング構造120bの高さhは400nmである。
【0066】
図15C~
図15Fは、グレーティングカプラ120の傾斜グレーティング構造120c~120fを示す。傾斜グレーティング構造120c~120fのそれぞれは、第1の斜めの側壁155、第2の斜めの側壁156及び頂面157を含む。頂面157は、第1の斜めの側壁155及び第2の斜めの側壁156に隣接する。傾斜グレーティング構造120c~120fの第1の斜めの側壁155のそれぞれは、第1の傾きを有し、傾斜グレーティング構造120c~120fの第2の斜めの側壁156のそれぞれは、第2の傾きを有する。幾つかの実施形態では、第1の傾きは第2の傾きと同一である。幾つかの実施形態では、第1の傾きは第2の傾きより小さい。
【0067】
幾つかの実施形態では、
図15Cに示すように、底部幅Wbは180nmであり、頂部幅Wtは180nmであり、高さhは400nmである。幾つかの実施形態では、
図15Dに示すように、底部幅Wbは228nmであり、頂部幅Wtは136nmであり、高さhは400nmである。幾つかの実施形態では、
図15Eに示すように、底部幅Wbは260nmであり、頂部幅Wtは100nmであり、高さhは400nmである。幾つかの実施形態では、
図15Fに示すように、底部幅Wbは280nmであり、頂部幅Wtは80nmであり、高さhは400nmである。グレーティングカプラ120の様々な寸法は、光学システム(例えば、光学システム900、900a、1100、1300又は1300a)の設計に応じて変更されることを理解されたい。グレーティングカプラ120の様々な寸法もまた、RGB光の波長及びRGB光の入射角に応じて変更される。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120のグレーティング間隔pは、300nm~500nmの範囲である。幾つかの実施形態では、グレーティングカプラ120の高さhは、100nm~600nmの範囲である。
【0068】
図16A、
図16B、
図17A、
図17B、
図18A、
図18B、
図19A及び
図19Bは、本開示の幾つかの実施形態による、異なるグレーティング構造での532nmの波長を有する緑色光GLの入射角強度チャートである。具体的には、階段状グレーティング構造120a、ブレーズグレーティング構造120b及び傾斜グレーティング構造120c~120fは、シミュレーションで使用される。より具体的には、グレーティング間隔pは400nmであり、高さhは400nmである(
図1Bを参照されたい)。シミュレーション結果は、異なるグレーティングカプラ120の強度と、クラッド層510の異なる屈折率及びグレーティングカプラ120の異なる屈折率での緑色光GLの入射角との間の関係を示す。本明細書の「強度」は、グレーティングカプラ120の結合効率を表し、本明細書の「入射角」は、グレーティングカプラ120の表面の法線方向に対する角度を表すことを理解されたい。更に、本明細書の「半値全幅(full width at half maximum(FWHM)」は、視野(FOV)として理解することができる。幾つかの実施形態では、厳密結合波解析(Rigorous Coupled Wave Analysis(RCWA))方法が使用される。
【0069】
図16A及び
図16Bを参照されたい。
図16A及び
図16Bのシミュレーション結果では、グレーティングカプラ120の屈折率は1.9であり、クラッド層510の屈折率は1である。換言すれば、クラッド層510は、エアギャップ1110である(
図11を参照)。
図16Aにおいて、階段状グレーティング構造120a、ブレーズグレーティング構造120b及び傾斜グレーティング構造120cは、入射角が約20度未満である場合に高い強度を有する。
図16Bにおいて、傾斜グレーティング構造120c、傾斜グレーティング構造120d、傾斜グレーティング構造120e及び傾斜グレーティング構造120fは、入射角が約40度未満である場合に高い強度を有する。
【0070】
図17A及び
図17Bを参照されたい。
図17A及び
図17Bのシミュレーション結果では、グレーティングカプラ120の屈折率は2.35であり、クラッド層510の屈折率は1である。換言すれば、クラッド層510は、エアギャップ1110である(
図11を参照)。
図17Aにおいて、階段状グレーティング構造120a及びブレーズグレーティング構造120bは、傾斜グレーティング構造120cより高い強度を有する。しかしながら、傾斜グレーティング構造120cは、入射角が約20度未満である場合に依然として高い強度を有する。
図17Bにおいて、傾斜グレーティング構造120c、傾斜グレーティング構造120d、傾斜グレーティング構造120e及び傾斜グレーティング構造120fは、入射角が約40度未満である場合に高い強度を有する。傾斜グレーティング構造120fは、傾斜グレーティング構造120cより大きいFOVを有する。
【0071】
図18A及び
図18Bを参照されたい。
図18A及び
図18Bのシミュレーション結果では、グレーティングカプラ120の屈折率は1.9であり、クラッド層510の屈折率は1.47である。
図18Aにおいて、傾斜グレーティング構造120cは、階段状グレーティング構造120a及びブレーズグレーティング構造120bより高い強度を有する。
図18Bにおいて、傾斜グレーティング構造120c、傾斜グレーティング構造120d、傾斜グレーティング構造120e及び傾斜グレーティング構造120fは、入射角が増加するにつれて同一の強度を有する。
【0072】
図19A及び
図19Bを参照されたい。
図19A及び
図19Bのシミュレーション結果では、グレーティングカプラ120の屈折率は2.35であり、クラッド層510の屈折率は1.47である。
図19Aにおいて、傾斜グレーティング構造120cは、入射角が約20度未満である場合に階段状グレーティング構造120a及びブレーズグレーティング構造120bより高い強度を有する。
図19Bにおいて、傾斜グレーティング構造120c、傾斜グレーティング構造120d、傾斜グレーティング構造120e及び傾斜グレーティング構造120fは、入射角が約20度未満である場合に高い強度を有する。
【0073】
図16A~
図19Bが532nmの波長を有する緑色光GLのシミュレーション結果を示しているが、異なる波長(例えば、488nm及び633nm)を有する他の光もシミュレートすることができる。シミュレーション結果では、階段状グレーティング構造120a、ブレーズグレーティング構造120b及び傾斜グレーティング構造120c~120fは、良好な結合効率を示し、ある程度広い視野(FOV)を有する。
【0074】
本開示の光学システムは、重畳したコリメートカラー画像から放射された3つの分離されたRGB画像の入射角を調整し、次に、3つのRGB光を、1つのグレーティングカプラと高屈折率を有する1つの光導波路基板と結合するために、3つのRGB画像をグレーティングカプラの同一の領域に収束する。更に、本開示は、様々なグレーティング構造を提供し、それらのグレーティング構造は、RGB光等の可視波長に対して高い結合効率を提供することができる。本開示は、光導波路基板の枚数及びグレーティングカプラの製造コストを削減することができる。また、開示されたグレーティング構造は、より広い視野(FOV)及び高い結合効率を提供して、1つのグレーティングカプラが3つの波長を同一の第1の屈折角で光導波路基板に結合できることを満たす。
【0075】
前述は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、幾つかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、本明細書で紹介した実施形態の同じ目的及び/又は同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造を設計又は改変するための基礎として本開示を容易に使用し得ることを理解すべきである。当業者はまた、そのような等価な構造物が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないことと、本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに、種々の変更、置換及び修正を行うことができることとを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる位置から異なる波長を有する3つのビームを放射する光モジュールと、
前記光モジュールの下方にあり、前記3つのビームの入射角を変更し、前記3つのビームを第1のグレーティングカプラの同一の領域に集束させるように構成された光学素子であって、前記光学素子はプリズム又はマイクロレンズであり、
前記第1のグレーティングカプラは、前記光学素子の下方にあり、前記3つのビームを光導波路基板に結合するように構成され、
前記光導波路基板は、前記第1のグレーティングカプラに接続され、前記3つのビームを透過するように構成された光学素子と、
前記光導波路基板に接続され、前記3つのビームが同一の光路を通過した後に、前記3つのビームが前記光導波路基板から離れることを可能にするように構成された第2のグレーティングカプラと、を含む、光学システム。
【請求項2】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層であって、
前記クラッド層の屈折率が1.6未満であるクラッド層と、
前記光学素子と前記クラッド層との間の金属シールドと、を更に含み、
前記クラッド層はエアギャップであり、前記エアギャップの厚さが0.1mm~100mmの範囲であり、
前記光導波路基板の屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きく、又は、
前記第1のグレーティングカプラの屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きい、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記光学素子が前記マイクロレンズである場合、前記光学素子上に金属シールドを更に含み、
前記光導波路基板の屈折率は、1.7~2.2の範囲である、請求項1又は2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記光導波路基板の表面に沿って延びるグレーティング層を更に含み、前記グレーティング層は、前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間の部分を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間に配置された金属層を更に含み、前記第1のグレーティングカプラは、前記グレーティング層内に配置され、前記第1のグレーティングカプラの表面は、前記光導波路基板に面する、請求項4に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層を更に含み、
前記グレーティング層は、前記光導波路基板と前記クラッド層との間に配置される、請求項4又は5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第1のグレーティングカプラは、階段状グレーティング構造を含み、前記階段状グレーティング構造は、第1の垂直側壁と、第2の垂直側壁と、前記第1の垂直側壁及び前記第2の垂直側壁に隣接する水平表面とを含み、
前記階段状グレーティング構造は、n個の階段を有し、nは3~32の範囲である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記第1のグレーティングカプラは、ブレーズグレーティング構造を含み、前記ブレーズグレーティング構造は、前記ブレーズグレーティング構造の頂部から前記ブレーズグレーティング構造の底部へ延びる斜めの側壁を有し、前記ブレーズグレーティング構造の幅は、前記ブレーズグレーティング構造の前記頂部から前記ブレーズグレーティング構造の前記底部に向かって徐々に増加する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1のグレーティングカプラは、傾斜グレーティング構造を有し、前記傾斜グレーティング構造は、第1の斜めの側壁と、第2の斜めの側壁と、前記第1の斜めの側壁及び前記第2の斜めの側壁に隣接する頂面とを含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記3つのビームは、3つの分離されたRGB画像であり、前記光モジュールは、前記光学素子の上方に配置されたプロジェクタを含み、前記プロジェクタは、前記3つの分離された前記RGB画像を提供するように構成される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記光モジュールは、プロジェクタとスプリッタを更に有し、前記プロジェクタは前記光学素子の上方に配置され、前記スプリッタは前記光学素子と前記プロジェクタとの間に配置され、前記プロジェクタは、重畳したカラー画像を提供するように構成され、前記スプリッタは、前記重畳したカラー画像を前記3つの分離されたRGB画像に分離するように構成される、請求項1に記載の光学システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる位置から異なる波長を有する3つのビームを放射する光モジュールと、
前記光モジュールの下方にあり、前記3つのビームの入射角を変更し、前記3つのビームを第1のグレーティングカプラの同一の領域に集束させるように構成された光学素子であって、前記光学素子はプリズム又はマイクロレンズであり、
前記第1のグレーティングカプラは、前記光学素子の下方にあり、前記3つのビームを光導波路基板に結合するように構成され、
前記光導波路基板は、前記第1のグレーティングカプラに接続され、前記3つのビームを透過するように構成された光学素子と、
前記光導波路基板に接続され、前記3つのビームが同一の光路を通過した後に、前記3つのビームが前記光導波路基板から離れることを可能にするように構成された第2のグレーティングカプラと、を含む、光学システム。
【請求項2】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層であって、
前記クラッド層の屈折率が1.6未満であるクラッド層と、
前記光学素子と前記クラッド層との間の金属シールドと、を更に含み、
前記クラッド層はエアギャップであり、前記エアギャップの厚さが0.1mm~100mmの範囲であり、
前記光導波路基板の屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きく、又は、
前記第1のグレーティングカプラの屈折率は、前記クラッド層の屈折率より大きい、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記光学素子が前記マイクロレンズである場合、前記光学素子上に金属シールドを更に含み、
前記光導波路基板の屈折率は、1.7~2.2の範囲である、請求項1又は2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記光導波路基板の表面に沿って延びるグレーティング層を更に含み、前記グレーティング層は、前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間の部分を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1のグレーティングカプラと前記光導波路基板との間に配置された金属層を更に含み、前記第1のグレーティングカプラは、前記グレーティング層内に配置され、前記第1のグレーティングカプラの表面は、前記光導波路基板に面する、請求項4に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1のグレーティングカプラ、前記第2のグレーティングカプラ及び前記光導波路基板を覆うクラッド層を更に含み、
前記グレーティング層は、前記光導波路基板と前記クラッド層との間に配置される、請求項4又は5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第1のグレーティングカプラは、階段状グレーティング構造を含み、前記階段状グレーティング構造は、第1の垂直側壁と、第2の垂直側壁と、前記第1の垂直側壁及び前記第2の垂直側壁に隣接する水平表面とを含み、
前記階段状グレーティング構造は、n個の階段を有し、nは3~32の範囲である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記第1のグレーティングカプラは、ブレーズグレーティング構造を含み、前記ブレーズグレーティング構造は、前記ブレーズグレーティング構造の頂部から前記ブレーズグレーティング構造の底部へ延びる斜めの側壁を有し、前記ブレーズグレーティング構造の幅は、前記ブレーズグレーティング構造の前記頂部から前記ブレーズグレーティング構造の前記底部に向かって徐々に増加する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1のグレーティングカプラは、傾斜グレーティング構造を有し、前記傾斜グレーティング構造は、第1の斜めの側壁と、第2の斜めの側壁と、前記第1の斜めの側壁及び前記第2の斜めの側壁に隣接する頂面とを含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記3つのビームは、3つの分離されたRGB画像であり、前記光モジュールは、前記光学素子の上方に配置されたプロジェクタを含み、前記プロジェクタは、前記3つの分離された前記RGB画像を提供するように構成される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記光モジュールは、プロジェクタとスプリッタを更に有し、前記プロジェクタは前記光学素子の上方に配置され、前記スプリッタは前記光学素子と前記プロジェクタとの間に配置され、前記プロジェクタは、重畳したカラー画像を提供するように構成され、前記スプリッタは、前記重畳したカラー画像を3つの分離されたRGB画像に分離するように構成される、請求項1に記載の光学システム。