(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086113
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】インキ用組成物、グラビアインキ
(51)【国際特許分類】
C09D 11/08 20060101AFI20230614BHJP
C08G 61/00 20060101ALI20230614BHJP
C09D 11/10 20140101ALI20230614BHJP
C09D 11/037 20140101ALI20230614BHJP
【FI】
C09D11/08
C08G61/00
C09D11/10
C09D11/037
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193220
(22)【出願日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2021200403
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内野 拓耶
(72)【発明者】
【氏名】岸本 雄太
(72)【発明者】
【氏名】四方 亀
【テーマコード(参考)】
4J032
4J039
【Fターム(参考)】
4J032CA04
4J032CA32
4J032CB04
4J032CC01
4J032CC03
4J032CE22
4J032CF03
4J032CG06
4J039AB02
4J039AB08
4J039AB11
4J039AD09
4J039AE04
4J039AE08
4J039BC03
4J039BC04
4J039BE01
4J039BE12
4J039CA02
4J039EA43
4J039FA02
4J039GA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高極性のみならず、低極性のプラスチックフィルムに対しても優れた密着性を有するインキ用組成物及び当該組成物を含むグラビアインキを提供することにある。
【解決手段】ロジン類(a1)及びフェノール類(a2)を含む反応成分の生成物であるロジンフェノール樹脂(A)、並びに、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂(B)を含むインキ用組成物;当該インキ用組成物を含むグラビアインキに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロジン類(a1)及びフェノール類(a2)を含む反応成分の生成物であるロジンフェノール樹脂(A)、並びに、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂(B)を含むインキ用組成物。
【請求項2】
(a2)成分が、フェノール及び/又はアルキルフェノールである請求項1に記載のインキ用組成物。
【請求項3】
前記反応成分が、更に脂肪族ポリオール及び/又は脂環族ポリオール(a3)を含む請求項1又は2に記載のインキ用組成物。
【請求項4】
(A)成分と(B)成分との含有比率が、不揮発分重量で、(A)/(B)=1/99~60/40である請求項1又は2に記載のインキ用組成物。
【請求項5】
更に、顔料及び有機溶剤を含む請求項1又は2に記載のインキ用組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のインキ用組成物を含むグラビアインキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インキ用組成物、グラビアインキに関する。
【背景技術】
【0002】
インキ等を製造する場合、様々なバインダー樹脂が使用されており、例えば、グラビアインキには、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂等が主となっている(特許文献1)。
しかしながら、このような樹脂は、ポリエステルフィルム(PET)やナイロンフィルム(NY)等の高極性のプラスチックフィルムに対しては密着性に優れる一方、ポリプロピレン(PP)等の低極性のプラスチックフィルムに対しては密着性が充分に発揮されにくいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高極性のみならず、低極性のプラスチックフィルムに対しても優れた密着性を有するインキ用組成物及び当該組成物を含むグラビアインキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題解決に加えて、環境負荷の低減からバイオマス素材であるロジン系樹脂を使用することにも着目して鋭意検討したところ、ロジンフェノール樹脂を配合したインキ用組成物を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のインキ用組成物、グラビアインキに関する。
【0006】
1.ロジン類(a1)及びフェノール類(a2)を含む反応成分の生成物であるロジンフェノール樹脂(A)、並びに、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂(B)を含むインキ用組成物。
【0007】
2.(a2)成分が、フェノール及び/又はアルキルフェノールである前項1に記載のインキ用組成物。
【0008】
3.前記反応成分が、更に脂肪族ポリオール及び/又は脂環族ポリオール(a3)を含む前項1又は2に記載のインキ用組成物。
【0009】
4.(A)成分と(B)成分との含有比率が、不揮発分重量で、(A)/(B)=1/99~60/40である前項1又は2に記載のインキ用組成物。
【0010】
5.更に、顔料及び有機溶剤を含む前項1又は2に記載のインキ用組成物。
【0011】
6.前項1又は2に記載のインキ用組成物を含むグラビアインキ。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインキ用組成物によれば、インキとした際に、高極性のみならず、低極性のプラスチックフィルムに対しても優れた密着性を有する。当該インキは、特にグラビアインキに好適である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のインキ用組成物は、ロジン類(a1)(以下、(a1)成分という。)及びフェノール類(a2)(以下、(a2)成分という。)を含む反応成分の生成物であるロジンフェノール樹脂(A)(以下、(A)成分という。)、並びに、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂(B)(以下、(B)成分という。)を含むものである。
【0014】
(A)成分は、プラスチックフィルムに対して優れた密着性を発揮する成分であり、前記の(a1)成分及び(a2)成分を含む反応成分の生成物である。
【0015】
(a1)成分は、ロジン類であり、天然ロジン、変性ロジンが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0016】
天然ロジンとは、マツ科の植物から採取される樹脂酸の混合物であり、生産方法によって、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンに分類される。当該樹脂酸としては、アビエチン酸を主とし、それ以外にはネオアビエチン酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸等が含まれる。また、天然ロジンとして、ジヒドロアガチン酸、コムン酸等を含んだものも使用できる。これらは、単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0017】
また、天然ロジンとして、当該ロジンを精製させたもの(以下、精製ロジンともいう。)も使用できる。
【0018】
精製ロジンは、例えば、減圧蒸留法、抽出法、再結晶法等の精製方法により、天然ロジンを精製することにより得られる。また、精製条件としては、特に限定されない。
【0019】
減圧蒸留法の場合は、温度が200~300℃程度であり、減圧度が60~3000Paで蒸留を行う。
【0020】
抽出法の場合は、天然ロジンをアルカリ水溶液とし、該水溶液中で溶けていない不ケン化物を各種の有機溶剤により抽出した後、残った水層を中和する。
【0021】
再結晶法の場合は、(a1)成分を良溶剤としての有機溶剤に溶解し、ついで該有機溶剤を留去して濃厚な溶液とし、更に貧溶剤としての有機溶剤を加えることにより得られる。
【0022】
良溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロホルム等の有機ハロゲン;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0023】
貧溶剤としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0024】
変性ロジンとは、前記天然ロジンを各種反応により変性させたものをいう。変性ロジンとしては、例えば、天然ロジンの水素化物(水素化ロジン)、天然ロジンの不均化物(不均化ロジン)、天然ロジンの重合物(重合ロジン)、天然ロジンのα,β-不飽和カルボン酸付加物(α,β-不飽和カルボン酸変性ロジン)又はこれらのエステル化物(水素化ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル、α,β-不飽和カルボン酸変性ロジンエステル)、天然ロジンとアルコールとのエステル化物(ロジンエステル)等が挙げられる。また、これらの変性ロジンは、変性した後に精製したものも使用できる。さらに、変性ロジン中には、未反応の天然ロジンが含まれていても良い。これらは、単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0025】
水素化ロジンは、天然ロジンを水素化したものであり、例えば、水素化触媒の存在下、2~20MPaの水素雰囲気下で、天然ロジンを100~300℃で加熱することにより得られる。また反応条件としては、圧力が、好ましくは5~20MPaであり、反応温度が、好ましくは150~300℃である。
【0026】
前記の水素化触媒としては、例えば、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボン等の担持触媒;ニッケル、白金の金属粉末等が挙げられる。また、水素化触媒の使用量は、天然ロジン100重量部に対して、通常0.01~5重量部、好ましくは0.01~2重量部である。
【0027】
不均化ロジンは、天然ロジンを不均化したものであり、例えば、天然ロジンを不均化触媒の存在下に加熱反応させることにより得られる。反応条件としては、温度が100~300℃であり、好ましくは150℃~290℃である。
【0028】
前記の不均化触媒としては、例えば、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、白金カーボン等の担持触媒;ニッケル、白金等の金属粉末;ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等が挙げられる。不均化触媒の使用量としては、天然ロジン100重量部に対して、通常は0.01~5重量部であり、好ましくは0.01~1重量部である。
【0029】
重合ロジンは、例えば、天然ロジンを、硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム、四塩化チタン等の触媒を含む有機溶剤中、40~160℃で1~5時間加熱することにより得あれる。また、有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0030】
α,β-不飽和カルボン酸変性ロジンとは、天然ロジンにα,β-不飽和カルボン酸が付加したものをいう。
【0031】
α,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸等のα,β-不飽和モノカルボン酸等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、α,β-不飽和カルボン酸の使用量としては、天然ロジン100重量部に対して通常1~30重量部程度である。
【0032】
前記のα,β-不飽和カルボン酸変性ロジンは、例えば、反応容器内で天然ロジン及びα,β-不飽和カルボン酸を一括混合後、加熱溶融し、反応温度が190~230℃で、1~3時間ディールス・アルダー反応させる方法等により得られる。
【0033】
ロジンエステルとは、天然ロジンとアルコールとのエステル化物である。
【0034】
前記のアルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の脂肪族モノオール;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-エチル-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオールの脂肪族ジオール;
グリセリン、ブタントリオール、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族トリオール;
ジグリセリン、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール等の脂肪族テトラオール;
アラビニトール、キシリトール等の脂肪族ペンタオール;
ソルビトール、マンニトール、イジトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ヘキサオール;
トリペンタエリスリトール等の脂肪族オクタノール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0035】
ロジンエステルは、例えば、天然ロジンとアルコールとを、通常、温度200~350℃で6~20時間、エステル化反応させることにより得られる。また、反応は常圧下、減圧下及び加圧下のいずれでも行うことができる。また、天然ロジンとアルコールとの使用量の比率としては、通常、前者のカルボキシル基と後者のヒドロキシ基との当量比[OH(eq)/COOH(eq)]が0.2~1.5程度、好ましくは0.4~1.2程度である。また、反応の際には、パラトルエンスルホン酸等のエステル化触媒や、各種酸化防止剤を使用しても良い。また、前記の反応は、窒素気流下で行っても良い。
【0036】
これらの(a1)成分の中でも、(a2)成分と反応しやすい点から、天然ロジンが好ましい。
【0037】
(a2)成分としては、例えば、フェノール、ナフトール、アルキルフェノール、アリールフェノール等が挙げられる。
【0038】
アルキルフェノールとしては、例えば、クレゾール、n-ブチルフェノール、イソブチルフェノール、t-ブチルフェノール、n-ペンチルフェノール、シクロへキシルフェノール、オクチルフェノール、n-ノニルフェノール等が挙げられる。なお、アルキルフェノールとは、フェノール水酸基に対して、オルト位(o-)、メタ位(m-)、パラ位(p-)の少なくとも1つにアルキル基を有するものを意味し、当該アルキル基としては、n-アルキル基、イソアルキル基、s-アルキル基、t-アルキル基のいずれの直鎖構造、分岐構造を有するものを使用できる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0039】
これらの(a2)成分の中でも、(a1)成分と良好に反応しやすい点から、フェノール、アルキルフェノールが好ましく、フェノールがより好ましい。
【0040】
(a2)成分の使用量としては、不揮発分重量で、(a1)成分100重量部に対して、好ましくは50~200重量部である。
【0041】
また、プラスチックフィルムに対して更に優れた密着性を示すインキ用組成物とするため、前記の反応成分には、脂肪族ポリオール及び/又は脂環族ポリオール(a3)(以下、(a3)成分という。)を更に含ませても良い。
【0042】
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-エチル-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等の脂肪族ジオール;
グリセリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂環族トリオール;
ジグリセリン、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール等の脂肪族テトラオール;
アラビニトール、キシリトール等の脂肪族ペンタオール;
ソルビトール、マンニトール、イジトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ヘキサオール;
トリペンタエリスリトール等の脂肪族オクタノール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0043】
脂環族ポリオールとしては、例えば、1,2-シクロペンタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,1-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロオクタンジオール、1,5-シクロオクタンジオール、5-ノルボルネン-2,2-ジメタノール、5-ノルボルネン-2,3-ジメタノール、ノルボルナン-2,3-ジメタノール、ノルボルナン-2,5-ジメタノール、2,6-デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3-アダマンタンジオール、1,4-アダマンタンジオール、2,4-アダマンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール;
1,2,3-シクロペンタントリオール、1,2,4-シクロペンタントリオール、1,2,3-シクロヘキサントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、1,2,3-シクロオクタントリオール等の脂環式トリオール;
1,2,3,4-シクロペンタンテトラオール、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラオール、1,2,3,5-シクロヘキサンテトラオール、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラオール、1,2,3,4-シクロオクタンテトラオール、1,2,5,6-シクロオクタンテトラオール等の脂環式テトラオール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0044】
これらの(a3)成分の中でも、反応中のゲル化を抑えて、所望の軟化点及び重量平均分子量を有する(A)成分を得る点から、脂肪族ポリオールが好ましく、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール、脂肪族テトラオールがより好ましく、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。
【0045】
(a3)成分の使用量としては、(a3)成分の全ヒドロキシル基当量数(OH)と、ロジン系樹脂の全カルボキシル基当量数(COOH)との比(OH/COOH)で通常1.5以下、好ましくは0.5~1.2である。
【0046】
また、(A)成分中には、添加剤が含まれても良い。添加剤としては、例えば、脱水剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、耐候剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。また、添加剤は、(A)成分の製造前、製造中、製造後に適宜添加できる。
【0047】
添加剤の含有量としては、(A)成分100重量%に対して、10重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
【0048】
本発明の(A)成分は、(a1)成分及び(a2)成分、必要に応じて(a3)成分、前記添加剤を反応させることにより得られる。添加順序や添加方法については特に限定されない。
【0049】
(A)成分の製造方法としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)必要に応じて酸触媒の存在下、(a1)成分及び(a2)成分を温度130~200℃程度で、4~10時間反応させて得た付加物を、更に温度180~350℃程度で、2~8時間程度反応させる
(2)必要に応じて酸触媒の存在下、(a1)成分及び(a2)成分を温度130~200℃程度で、4~10時間反応させて得た付加物に、(a3)成分を加えて、更に温度180~350℃程度で、2~8時間程度反応させる
(3)(1)に記載の製造方法を行って得た反応生成物に、(a3)成分を加えて、更に温度180~350℃程度で、2~8時間程度反応させる
【0050】
なお、前記の製造方法において、(a1)成分及び(a2)成分の付加物を得た後の反応については、減圧下で行ってもよい。減圧条件としては、0.1~10kPa程度が好ましい。
【0051】
酸触媒としては、例えば、硫酸、塩化水素、三フッ化ホウ素等の無機酸;シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、酸触媒の使用量としては、(a1)成分100重量部に対して、0.01~1重量部が好ましい。
【0052】
また、(a1)成分及び(a2)成分の反応後に塩基を添加しても良い。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の金属酢酸塩;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;トリエチルアミン、トリフェニルアミン等のアミン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、塩基の使用量としては、(a1)成分100重量部に対して、0.01~1重量部が好ましい。
【0053】
得られた(A)成分の物性としては、例えば、インキ用組成物を調製する際に(A)成分が有機溶剤に対して溶解し、プラスチックフィルムに対する密着性にも優れる点から、水酸基価が、好ましくは20mgKOH/g以上であり、より好ましくは60~250mgKOH/gである。ここでの水酸基価はJIS K0070に準拠した方法で測定した値である。
【0054】
また、(A)成分の形態としては、固形、溶液、エマルジョン等が挙げられる。なお、エマルジョンを製造する際に用いる乳化剤、製造方法等としては、例えば、特開2009-242683号に記載されたもの等が挙げられる。
【0055】
(A)成分の含有量としては、プラスチックフィルムに対する優れた密着性の点から、インキ用組成物の全成分を100重量%として、0.1~5重量%が好ましく、0.1~3重量%がより好ましい。なお、「インキ用組成物の全成分」とは、(A)成分、並びに後述する(B)成分、顔料、有機溶剤及び添加剤等の全ての成分を意味し、例えば、(A)成分、(B)成分の形態が溶液(溶質+溶剤)の場合には、その溶剤も当該成分に含まれる(以下同様)。
【0056】
(B)成分は、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂である。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良く、また市販品を使用することもできる。
【0057】
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物、当該反応から得られる末端イソシアネートのプレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0058】
具体的な反応成分、反応条件等としては、例えば、特開2012-153883号公報、特開2004-059894号公報、特開2010-053340号公報等に記載されたもの等が挙げられる。
【0059】
セルロース樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。また、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0060】
ゴム系樹脂としては、例えば、塩化ゴム、環化ゴム等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0061】
ポリアミド系樹脂とは、ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物である。特には、後述する有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリアミド樹脂が好ましい。
【0062】
ポリカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、スベリン酸、グルタル酸、フマル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、1、4-シクロヘキシルジカルボン酸、トリメリット酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0063】
ここで、重合脂肪酸とは、エチレン性二重結合を有する脂肪酸の環化反応等により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸(ダイマー酸)、三量化重合脂肪酸(トリマー酸)等を含むものである。なお、ダイマー酸又は重合脂肪酸を構成する脂肪酸としては、は、大豆油、パーム油、米糠油等の天然油に由来するものが挙げられ、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸から得られるものが好ましい。
【0064】
ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環族ポリアミン;キシリレンジアミン、芳香族ポリアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0065】
ポリカルボン酸とポリアミンとの使用比率としては、カルボン酸基及びアミノ基の等量比で、(カルボン酸基)/(アミノ基)=0.8~1.2である。また反応条件としては、180~230℃で、不活性ガス存在下で行うことが好ましい。また、脱水反応のため、分留設備を備えていることが好ましい。また前記反応は減圧下で行っても良い。
【0066】
アクリル系樹脂としては、例えば、エチレン性二重結合を有するモノマーを重合開始剤の存在下で重合させたもの等が挙げられる。エチレン性二重結合を有するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジn-プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノn-プロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノn-プロピル(メタ)アクリレート、ジn-プロピルアミノn-プロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0067】
酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0068】
(B)成分の形態としては、固体、溶液、エマルジョン等が挙げられる。
【0069】
(A)成分と(B)成分との含有比率としては、高極性及び低極性のいずれのプラスチックフィルムに対しても優れた密着性を示す点から、不揮発分重量で、(A)/(B)=1/99~60/40が好ましく、2/98~50/50がより好ましい。
【0070】
本発明のインキ用組成物は、更に顔料を含んでも良い。
【0071】
顔料としては、例えば、有機顔料、無機顔料を挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0072】
有機顔料としては、アゾ系、ジアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ顔料、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系、カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)等が挙げられる。
【0073】
無機顔料としては、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミナ、マイカ(雲母)等が挙げられる。また、酸化チタンは、シリカ又はアルミナで表面被覆されたものも使用できる。
【0074】
顔料の含有量としては、インキ用組成物の全成分を100重量%として、2~40重量%が好ましく、5~35重量%がより好ましい。
【0075】
また、本発明のインキ用組成物は、更に有機溶剤を含んでも良い。
【0076】
有機溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル等のエステル;メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0077】
本発明のインキ用組成物には、更に(A)成分、(B)成分、顔料及び有機溶剤以外の添加剤を含んでも良い。
【0078】
添加剤としては、例えば、顔料分散剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、可塑剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0079】
本発明のグラビアインキは、インキ用組成物を含むものである。
【0080】
インキ用組成物及びグラビアインキは、(A)成分及び(B)成分、必要に応じて、顔料、有機溶剤及び添加剤を、高速ミキサー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いて練肉し、適切なインキ恒数となるように調製したものである。成分の添加順序、練肉時間等も適宜調整しても良い。
【実施例0081】
以下、実施例を挙げて、更に本発明を具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。また特段の断りがない限り、「部」、「%」はいずれも重量基準である。
【0082】
(酸価)
JIS K5601に準拠して、(A)成分の酸価を測定した。
【0083】
(水酸基価)
JIS K0070に準拠して、(A)成分の水酸基価を測定した。
【0084】
製造例1
撹拌装置、コンデンサー、温度計および窒素導入管・水蒸気導入管を備えた反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。その後、常圧に戻して、
トリメチロールプロパン16.4部を加えて、200~280℃の範囲で反応させ、酸価12.4mgKOH/g、水酸基価99mgKOH/gのロジンフェノール(A-1)を得た。
【0085】
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。その後、常圧に戻して、グリセリン8.8部を加えて、200~280℃の範囲で反応させ、酸価26.5mgKOH/g、水酸基価83mgKOH/gのロジンフェノール(A-2)を得た。
【0086】
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。その後、常圧に戻して、グリセリン5.4部を加えて、200~280℃の範囲で反応させ、酸価31.9mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/gのロジンフェノール(A-3)を得た。
【0087】
製造例4
製造例1と同様の反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。その後、常圧に戻して、エチレングリコール11.4部を加えて、200~280℃の範囲で反応させ、酸価16.0mgKOH/g、水酸基価74mgKOH/gのロジンフェノール(A-4)を得た。
【0088】
製造例5
製造例1と同様の反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。その後、常圧に戻して、ペンタエリスリトール5.8部を加えて、200~280℃の範囲で反応させ、酸価20.2mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gのロジンフェノール(A-5)を得た。
【0089】
製造例6
製造例1と同様の装置で、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPaに減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させ、酸価50mgKOH/g、水酸基価23mgKOH/gのロジンフェノール(A-6)を得た。
【0090】
実施例1
225mlマヨネーズ瓶にガラスビーズ80.0部、(A-1)成分3.6部(不揮発分)、(B)成分として、ポリウレタン系樹脂(商品名:「TSP-3477」、不揮発分濃度:30%、荒川化学工業(株)製)5.4部(不揮発分)、顔料として、酸化チタン30部、有機溶剤として、イソプロピルアルコール:酢酸エチル=1:2(重量比)の混合溶液48.4部を仕込み、ペイントシェーカーで60分混練し、インキ用組成物を得た。
【0091】
実施例2~13、比較例1~3
表1に示すような(A)成分及び(B)成分の種類又は使用量に変更して、実施例1と同様に行い、インキ用組成物をそれぞれ得た。なお、比較例3のインキ用組成物については、充分に分散しなかったため、以下の項目を評価しなかった。
【0092】
各実施例及び比較例のインキ用組成物をグラビアインキとしてそのまま用いて、以下の評価を行った。
【0093】
<密着性>
延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)の上に、バーコーターを用いて、各実施例及び比較例のインキ用組成物を塗工し、ドライヤーで10秒乾燥させた後、1時間後、24時間後にインキ面にセロテープ(登録商標)を圧着し、はがした時のインキの残り具合を観察した。
(評価基準)
5.乾燥被膜の剥離面積が5%未満であった
4.乾燥被膜の剥離面積が5%以上20%未満であった
3.乾燥被膜の剥離面積が20%以上50%未満であった
2.乾燥被膜の剥離面積が50%以上80%未満であった
1.乾燥被膜の剥離面積が80%以上であった
【0094】
【0095】
表1における記号は、以下の成分を意味する。
・A-1:製造例1のロジンフェノール樹脂
・A-2:製造例2のロジンフェノール樹脂
・A-3:製造例3のロジンフェノール樹脂
・A-4:製造例4のロジンフェノール樹脂
・A-5:製造例5のロジンフェノール樹脂
・A-6:製造例6のロジンフェノール樹脂
・B-1:ポリウレタン系樹脂(商品名:「TSP-3477」、荒川化学工業(株)製)
・B-2:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(商品名:「ソルバインA」、日信化学工業(株)製)