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特開2023-86121コレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法
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  • 特開-コレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086121
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】コレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/133 20060101AFI20230614BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20230614BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230614BHJP
   G02F 1/139 20060101ALI20230614BHJP
   H04N 5/66 20060101ALN20230614BHJP
【FI】
G02F1/133 545
G09G3/36
G09G3/20 622D
G09G3/20 622K
G09G3/20 622Q
G09G3/20 642A
G09G3/20 621A
G09G3/20 611J
G09G3/20 611D
G02F1/139
H04N5/66 102B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196058
(22)【出願日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】110146033
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522436558
【氏名又は名称】アイリス オプトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IRIS OPTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3F.-3, No. 160, Sec. 1, Guiren 13th Rd., Guiren Dist., Tainan City 711010, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ミン-リャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ウ-チャン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,チ-チャン
【テーマコード(参考)】
2H088
2H193
5C006
5C058
5C080
【Fターム(参考)】
2H088GA03
2H088HA06
2H088JA04
2H088MA04
2H193ZA21
2H193ZB32
2H193ZB42
2H193ZC24
2H193ZD32
2H193ZE10
2H193ZE18
2H193ZQ17
5C006AC15
5C006AC22
5C006AF42
5C006AF50
5C006AF51
5C006BA12
5C006BB12
5C006BB28
5C006BC03
5C006BC11
5C006BF24
5C006BF46
5C006FA18
5C006FA22
5C006FA25
5C058AA06
5C058BA05
5C058BA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD05
5C080DD10
5C080EE28
5C080FF12
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
5C080JJ07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、コレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法を提供する。
【解決手段】コレステリック液晶表示装置は、コレステリック液晶表示パネルと、液晶駆動ユニットとを含む。コレステリック液晶表示パネルは、複数の列回路構造と複数の行回路構造からなる。液晶駆動ユニットは、走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、また、複数の行回路構造を走査した後、液晶駆動ユニットは、全体画像の輝度をより均一にするために、非選択電圧で複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の列回路構造(clumn)および複数の行回路構造(row)からなるコレステリック液晶パネルと、
前記コレステリック液晶パネルにカップリングされた液晶駆動ユニットと、を含み、前記液晶駆動ユニットは、前記複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で前記複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、前記複数の行回路構造の1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、前記行駆動電圧は、選択電圧(select)と非選択電圧(non-select)と、を含み、前記複数の行回路構造を走査した後、前記液晶駆動ユニットは前記非選択電圧で前記複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加することを特徴とするコレステリック液晶表示装置。
【請求項2】
前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス(Passive Matrix)型である、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項3】
複数の列回路構造および複数の行回路構造からなるコレステリック液晶パネルと、
前記コレステリック液晶パネルにカップリングされた液晶駆動ユニットと、を含み、前記液晶駆動ユニットは、制御モジュールをさらに含み、前記液晶駆動ユニットは、前記複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で前記複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、前記複数の行回路構造の1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、前記行駆動電圧は、選択電圧と非選択電圧とを含み、前記液晶駆動ユニットが前記複数の行回路構造を走査した後、前記制御モジュールは、前記非選択電圧で前記複数の行回路構造に補正時間を一括して印加し、前記補正時間は走査単位時間の18倍を超えることを特徴とするコレステリック液晶表示装置。
【請求項4】
前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス型である、請求項3に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項5】
コレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法において、前記コレステリック液晶表示装置は、液晶駆動ユニットとコレステリック液晶表示パネルとを含み、前記コレステリック液晶表示パネルは、複数の列回路構造と複数の行回路構造から構成され、前記駆動方法は、
前記複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で前記複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、前記複数の行回路構造の1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、前記行駆動電圧は選択電圧と非選択電圧とを含むステップと、
前記複数の行回路構造を走査した後、前記液晶駆動ユニットは前記非選択電圧で前記複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加するステップとを含むことを特徴とする駆動方法。
【請求項6】
前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス型である、請求項5に記載の駆動方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してコレステリック液晶表示装置に関し、より詳細にはコレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コレステリック液晶表示装置は、縦横に交錯する複数の列回路構造(clumn)と複数の行回路構造(row)からなる画素マトリックス(Passive Matrix)であるコレステリック液晶表示パネルを有する。
【0003】
一般的には、複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で前記複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力する駆動チップを採用し、行駆動電圧は、選択電圧(select)と非選択電圧(non-select)とを含む。
【0004】
1つの行回路構造を走査すると1走査単位時間(Row Scan Time)がかかり、すべての行回路構造を走査すると1バッチ走査時間がかかり、バッチ走査時間は各走査単位時間の合計である。選択電圧で1つの行回路構造を走査することによって消費される走査単位時間を選択単位時間(Tselect)と呼び、非選択電圧で1つの行回路構造を走査することによって消費される走査単位時間を非選択単位時間(Tnon-select)と呼ぶ。
【0005】
図1を参照する。図1は本発明のコレステリック液晶表示装置01の概略構造図である。図1に示す従来技術のコレステリック液晶表示パネル01は、M個の行回路構造02およびN個の列回路構造04を有し、N個の列回路構造04はCol1、・・・、Col(N)で表され、M個の行回路構造02は、それぞれRow1、Row2、・・・、Row(M―1)、Row(M)で表され、行駆動電圧の選択電圧は、Row1、Row2からRow(M―1)、Row(M)まで順次走査される。
【0006】
さらに表1を参照する。表1は、各行回路構造02のバッチ走査時間。図1の構造によれば、1バッチ走査時間が終了した後、各行回路構造02のバッチ走査時間が表1に示される。
【0007】
【表1】
【0008】
表から分かるように、行回路構造02は、Row1、Row2からRow(M―1)、Row(M)の順となり、選択電圧(表中のTselect)で走査した後の非選択電圧積算時間はそれぞれ:(M-1)*Tnon-select、(M-2)*Tnon-select、・・・、1*Tnon-select、0であり、それは順次短縮された時間である。
【0009】
特に、順次走査の後、列回路構造02の順序が後ろであるほど、選択電圧で走査した後の非選択電圧積算時間が短くなることを見やすくために、下線を引いて示す。また、非選択電圧積算時間が短いほど、液晶に蓄積された電圧エネルギーが異なるため、液晶の配向が一致せず、液晶の反射率が高くなり、視覚的に輝度が高く見えるため、映像が不均一に見える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、コレステリック液晶表示装置及びコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法を開発し、上記の問題を解決することは、当業者が積極的に解決したい問題の1つとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、コレステリック液晶表示装置全体の画面輝度を比較的一致させ、さらに画面をより均一にすることができるコレステリック液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法を提供することにある。
【0012】
上記の利点の少なくとも1つまたは他の利点を達成するために、本発明の一実施形態は、コレステリック液晶表示パネルおよび液晶駆動ユニットを含むコレステロリック液晶表示装置を提案する。
【0013】
コレステリック液晶パネルは、複数の列回路構造(clumn)および複数の行回路構造(row)からなる。
【0014】
液晶駆動ユニットは、コレステリック液晶パネルにカップリングされ、液晶駆動ユニットは、複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、複数の行回路構造の1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、前記行駆動電圧は、選択電圧(select)と非選択電圧(non-select)とを含む。
【0015】
また、液晶駆動ユニットが複数の行回路構造を走査した後、液晶駆動ユニットは再び非選択電圧で複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加することによって、画面をより均一にする。
【0016】
補足すると、前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス(Passive Matrix)型であってもよい。
【0017】
別の実施形態では、本発明はまた、コレステリック液晶表示パネル及び液晶駆動ユニットを含むコレステリック液晶表示装置に関する。
【0018】
コレステリック液晶パネルは、複数の列回路構造および複数の行回路構造からなる。液晶駆動ユニットは、コレステリック液晶パネルにカップリングされ、液晶駆動ユニットは、制御モジュールをさらに含む。
【0019】
液晶駆動ユニットは、複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、前記行駆動電圧は、選択電圧と非選択電圧とを含む。
【0020】
また、液晶駆動ユニットが複数の行回路構造を走査した後、制御モジュールは、非選択電圧で複数の行回路構造に補正時間を一括して印加することによって、画面をより均一にする。前記補正時間は走査単位時間の18倍を超える。
【0021】
補足すると、前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス型であってもよい。
【0022】
さらに別の実施例において、本発明は、コレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法でもあり、コレステリック液晶表示装置は、液晶駆動ユニットと、コレステリック液晶表示パネルとを含み、コレステリック液晶表示パネルは、複数の列回路構造と複数の行回路構造から構成され、駆動方法は以下のステップを含む。
【0023】
まず、複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、行駆動電圧は選択電圧と非選択電圧とを含む。
【0024】
次に、複数の行回路構造を走査した後、液晶駆動ユニットは非選択電圧で複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加することによって、画面をより均一にする。
【0025】
さらに補足すると、前記コレステリック液晶表示パネルは、パッシブマトリクス型であってもよい。
【0026】
したがって、本発明が提供するコレステリックル液晶表示装置およびコレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法を用いて、液晶駆動ユニットが走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力した後、液体結晶駆動ユニットが非選択電圧で複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加ことによって、コレステリック液晶表示装置全体の画面輝度をより一致させることができ、さらに画面をより均一にすることができる。
【0027】
上記の説明は、本発明の技術的解決策の概要に過ぎない。本発明の技術的手段をより明確に理解し、本明細書の内容に従って実施できるようにするため、また、本発明の上記およびその他の目的、特徴、利点をより明確にするために、好ましい実施形態を図面と併せて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
含まれる図面は、明細書の一部として本願の実施形態のさらなる理解のために提供され、本願の実施態様の説明に使用され、書面による説明と合わせて本願の原理を説明する。明らかに、以下の説明の図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎない。当業者が創造的な労働なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】は、コレステリック液晶表示装置の概略構造図である。
図2】は、本発明のコレステリック液晶表示装置の第1例の概略図である。
図3】は、本発明のコレステリック液晶表示装置の第2例の概略図である。
図4】は、本発明の駆動方法のフローチャートである。
図5】は、補正時間が反射率に与える影響の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、代表的なものにすぎず、本発明の例示的な実施形態を説明する目的で使用される。しかしながら、本発明は、多くの代替の形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0030】
本発明の説明において、“中心”、 “横方向”、“上”、“下”、“左”、“右”、“垂直”、“水平”、“頂”、“底”、“内”、“外”などの用語で示される向きまたは位置関係は、図面に示された向きまたは位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜と簡略化するためのものであって、言及される装置または構成要素が、特定の方向を有し、特定の方向で構築および操作されなければならいと示唆するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。また、“第1”及び“第2”という用語は目的の説明でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解してはならない。したがって、“第1”及び“第2”で定義された特徴は、これらの特徴のうちの1つまたは複数を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」は2つ以上を意味する。 さらに、“含む”という用語およびその変形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。
【0031】
本発明の説明において、“設置”、“連結”、および“接続”などの用語は、他に明確に指定および限定されない限り、広く解釈されるべきである。例えば、固定の接続、脱着可能の接続、一体化の接続、機械的接続、電機的接続、直接接続、間接的接続、二つの部品内部の接続など。当業者にとって、本発明における上記の用語の特定の意味は、具体的に理解することができる。
【0032】
本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。明確に指示をしない限り、本明細書で使用される単数形“一個”および“一項”は複数形を含むことを意図している。また、本明細書に使用された“含む”および/または“含有”は、記述された特徴、整数、ステップ、操作、ユニットおよび/または部品の存在を規定するものであって、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、部品および/またはその組み合わせの存在や追加を排除するものではない。
【0033】
図2を参照する。図2は、本発明のコレステリック液晶表示装置30の第1例の概略図である。上記の利点またはほかの利点の少なくとも1つを達成するために、本発明の一実施形態は、コレステリック液晶パネル32と液晶駆動ユニット34とを含むコレステリック液晶表示装置30を提供する。
【0034】
コレステリック液晶パネル32は、複数の列回路構造(clumn)42および複数の行回路構造(row)44からなる。図2のコレステリック液晶パネル32は、M個の行回路構造44およびN個の列回路構造42を有し、N個の列回路構造42はCol1、・・・、Col(N)で表され、M個の行回路構造44は、それぞれRow1、Row2、・・・、Row(M―1)、Row(M)で表される。
【0035】
液晶駆動ユニット34は、コレステリック液晶パネル32にカップリングされ、液晶駆動ユニット34は、複数の列回路構造42に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造44に行駆動電圧を順次出力し、1つの行回路構造44に走査すると1走査単位時間(Row Scan Time)がかかり、前記行駆動電圧は、選択電圧(select)と非選択電圧(non-select)とを含み、選択電圧は液晶を選択状態(Select Phase)にして、液晶の双安定状態のうちの一つの安定状態になり、非選択電圧は液晶を非選択状態(Non-Select Phase)にして、前記の安定状態を維持する。
【0036】
また、液晶駆動ユニット34が複数の行回路構造44を走査した後、すなわち、最後の行回路構造44が選択電圧によって走査された後、液晶駆動ユニット34は再び非選択電圧で複数の行回路構造44に18倍を超える走査単位時間を一括して印加することによって、すべての液晶が相転移するのに十分なエネルギーを得ることができ、画面をより均一にする。
【0037】
補足すると、前記コレステリック液晶表示パネル32は、パッシブマトリクス(Passive Matrix)型であってもよい。
【0038】
図3を参照する。図3は、本発明のコレステリック液晶表示装置50の第2例の概略図である。本発明の別の実施形態では、コレステリック液晶パネル52と液晶駆動ユニット54とを含むコレステリック液晶表示装置50に関する。
【0039】
コレステリック液晶パネル52は、複数の列回路構造62および複数の行回路構造64からなる。図3のコレステリック液晶パネル52は、M個の行回路構造64およびN個の列回路構造62を有し、N個の列回路構造62はCol1、・・・、Col(N)で表され、M個の行回路構造64は、それぞれRow1、Row2、・・・、Row(M―1)、Row(M)で表される。液晶駆動ユニット54は、コレステリック液晶パネル52にカップリングされ、液晶駆動ユニット54は、制御モジュールをさらに含む。図2図3を合わせて、表2を参照する。
【0040】
【表2】
【0041】
液晶駆動ユニット54は、複数の列回路構造62に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造64に行駆動電圧を順次出力し、すなわち、行駆動電圧の選択電圧は、Row1、Row2からRow(M―1)、Row(M)まで順次走査する。1つの行回路構造64を走査すると1走査単位時間がかかり、すべての行回路構造64を走査すると1バッチ走査時間がかかり、バッチ走査時間は各走査単位時間の合計である。
【0042】
また、前記行駆動電圧は、選択電圧と非選択電圧とを含み、選択電圧は液晶を選択状態にして、液晶の双安定状態のうちの一つの安定状態になり、非選択電圧は液晶を非選択状態にして、前記の安定状態を維持する。選択電圧で1つの行回路構造64を走査することによって消費される走査単位時間を選択単位時間(Tselect)と呼び、非選択電圧で1つの行回路構造64を走査することによって消費される走査単位時間を非選択単位時間(Tnon-select)と呼ぶ。
【0043】
また、本発明のバッチ走査時間は、補正時間(Tnon-select-add)をさらに含み、したがって本発明のバッチ走査時間は非選択単位時間、選択単位時間、非選択単位時間および補正時間の順に区分され、前記補正時間は走査単位時間の18倍を超える。
【0044】
補足すると、液晶駆動ユニット34が複数の行回路構造44を走査した後、すなわち、最後の行回路構造44が選択電圧によって走査された後、制御モジュール5402は、非選択電圧で複数の行回路構造64に補正時間を一括して印加し、すなわち、表2のTnon-select-addは18*Tnon-selectより大きく、すべての液晶が相転移するのに十分なエネルギーを得ることができ、画面をより均一にする。
【0045】
さらに補足すると、前記コレステリック液晶表示パネル52は、パッシブマトリクス型であってもよい。
【0046】
図4を参照する。図4は、本発明の駆動方法のフローチャートである。また、別の実施例において、本発明は、コレステリック液晶表示装置の画質ムラを改善する駆動方法でもあり、コレステリック液晶表示装置は、液晶駆動ユニットと、コレステリック液晶表示パネルとを含み、コレステリック液晶表示パネルは、複数の列回路構造と複数の行回路構造から構成され、駆動方法は以下のステップを含む。
【0047】
ステップ01:まず、複数の列回路構造に列駆動電圧を出力し、走査方式で複数の行回路構造に行駆動電圧を順次出力し、1つの行回路構造に走査すると1走査単位時間がかかり、行駆動電圧は選択電圧と非選択電圧とを含み、選択電圧は液晶を選択状態にして、液晶の双安定状態のうちの一つの安定状態になり、非選択電圧は液晶を非選択状態にして、前記の安定状態を維持する。
【0048】
ステップ02:次に、複数の行回路構造を走査した後、すなわち、最後の行回路構造が選択電圧によって走査された後、液晶駆動ユニットは非選択電圧で複数の行回路構造に18倍を超える走査単位時間を一括して印加することによって、すべての液晶が相転移するのに十分なエネルギーを得ることができ、画面をより均一にする。
【0049】
さらに補足すると、前記コレステリック液晶表示パネル52は、パッシブマトリクス型であってもよい。
【0050】
図5を参照する。図5は、補正時間が反射率に与える影響の概略図である。図中のX軸座標はコレステリック液晶表示パネルを行回路構造の走査方向に合わせてコレステリック液晶表示パネルを10分割した領域であり、図2図3を参照すると上から下に10分割した領域である。図中のY軸座標は反射率であり反射率が高いほど画面が明るくなり、理想的な曲線は平らなほどが良く、傾くほど明暗の差が大きくなり、すなわち画面にムラ現象が生じる。
【0051】
図中の3つの補正時間の反射効果は、それぞれ補正時間が0倍の非選択単位時間、20倍の非選択単位時間および50倍の非選択単位時間、すなわち補正時間Tnon-select-add=0*Tnon-select-add、20*Tnon-select-addおよび50*Tnon-select-addであり、0倍の非選択単位時間は既知の未改良状態である。実験と調査を繰り返した結果、18倍以上で画面輝度の均一さはすでに消費者の視覚が許容範囲に達したため、例えば図中の20倍の非選択単位時間と50倍の非選択単位時間、本発明は権利範囲を実験で得られた18倍の非選択単位時間と定義するが、非選択単位時間と選択単位時間は一般的に走査単位時間であるため、18倍を超える走査単位時間と定義することもできる。
【0052】
要約すると、本発明が提供しするコレステリック液晶表示装置10は、降圧信号を生成するように液晶駆動ユニット14を設定することによって、コレステリック液晶表示装置10のクロストーク現象を改善し、選択されない画素が表示状態になることを防止し、コレステリック液晶表示装置10の表示性能を確保する。
【0053】
上記の好ましい実施形態は、本発明の特徴および精神をより明確に説明されるためのものであって、本発明はこれらの実施形態によって何ら限定されるものではない。その目的は、本発明の特許出願の範囲内での様々な変更を網羅することである。
【符号の説明】
【0054】
30:コレステリック液晶表示装置
32:コレステリック液晶表示パネル
34:液晶駆動ユニット
42:列回路構造
44:行回路構造
50:コレステリック液晶表示装置
52:コレステリック液晶表示パネル
54:液晶駆動ユニット
5402:制御モジュール
62:列回路構造
64:行回路構造
図1
図2
図3
図4
図5