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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086157
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
A63H33/00 304C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200491
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境 亮
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150BB01
2C150DD14
(57)【要約】
【課題】溶着性ビーズ玩具で遊ぶための用具を一体化しつつ、高い意匠性を備えるビーズ供給具を提供する。
【解決手段】ビーズ供給具10は、前軸本体部22と、溶着性ビーズ玩具の排出口21cと、溶着性ビーズ玩具を複数貯留可能な貯留部25と、押圧部23aとを有し、押圧部23aの操作により貯留部25から排出口21cに溶着性ビーズ玩具を供給する供給機構60と、前軸本体部22の後端部に凹状に形成される後軸嵌合部28と、を有する前軸部20と、ビーズ挟持部31と、ビーズ挟持部31の外周に形成されて後軸嵌合部28と嵌合可能に形成される嵌合部32と、ビーズ挟持部31及び嵌合部32の後方側に設けられる水スプレー部33と、を有する後軸部30と、を備え、ビーズ挟持部31及び嵌合部32は、後軸嵌合部28と嵌合部32が嵌合したとき、後軸嵌合部28に収容される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前軸本体部と、前記前軸本体部の先端に設けられる溶着性ビーズ玩具の排出口と、前記溶着性ビーズ玩具を複数貯留可能な貯留部と、押圧部とを有し、前記押圧部の操作により前記貯留部から前記排出口に前記溶着性ビーズ玩具を供給する、前記前軸本体部に設けられる供給機構と、前記前軸本体部の後端部に凹状に形成される後軸嵌合部と、を有する前軸部と、
前記溶着性ビーズ玩具を挟持可能に形成されるビーズ挟持部と、前記ビーズ挟持部の外周に形成されて前記後軸嵌合部と嵌合可能に形成される嵌合部と、前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部の後方側に設けられるスプレー部と、を有する後軸部と、
を備え、
前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部は、前記後軸嵌合部と前記嵌合部が嵌合したとき、前記後軸嵌合部に収容されることを特徴とする溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具。
【請求項2】
前記供給機構は、
板バネ部と、前記板バネ部の後方側に設けられる前記押圧部と、前記押圧部の後方側に設けられ、半筒状に形成される誘導半筒部と、前記誘導半筒部の後方側において前記貯留部に対応して設けられ前記前軸本体部の内部に配置される揺動壁部と、を有し、前記板バネ部を介して前記前軸本体部と連結する揺動部と、
前記誘導半筒部と対向して設けられ、後端に、前記誘導半筒部と前記揺動壁部との間に位置する誘導壁部を有し、前記排出口と連通する誘導路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具。
【請求項3】
前記前軸部の側面には、前記貯留部に前記溶着性ビーズ玩具を投入する投入孔が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具に関する。
【背景技術】
【0002】
溶着性ビーズ玩具は、様々な色や形の溶着性ビーズ玩具を、複数の凹部又は複数の孔部が設けられたトレイに並べて、霧吹き等で水を掛けることで溶着性ビーズ玩具同士が結合する。従って、使用者は、様々な色や形の溶着性ビーズ玩具を任意の柄模様等に並べて溶着性ビーズ玩具の結合体を作って遊ぶことができる。小さな溶着性ビーズ玩具をトレイに並べる作業は、使用者によっては難しいことがある。そこで、特許文献1に示すような、ビーズ供給具を用いてトレイに溶着性ビーズ玩具を並べることがある。
【0003】
特許文献1に開示されるビーズ供給具は、本体部にスライダー部材及びストッパー部材を有し、本体部は前端に開口部を有すると共に開口部の後方にビーズを保持可能な案内路を有する。スライダー部は、操作部材の操作により前方に移動する。使用者は、操作部材の押圧操作により、開口部とストッパー部材で係止された溶着性ビーズ玩具を排出し、トレイに載置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-10666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶着性ビーズ玩具で遊ぶためには、ビーズ供給具があると便利であり、霧吹き等の他の用具も用いて楽しく遊ぶことができる。ここで、これらの用具を結合して一体化することも考えられるが、楽しく遊べることができるよう意匠性を持たせることが難しいことがある。
【0006】
本発明は、溶着性ビーズ玩具で遊ぶための用具を一体化しつつ、高い意匠性を備える溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具は、前軸本体部と、前記前軸本体部の先端に設けられる溶着性ビーズ玩具の排出口と、前記溶着性ビーズ玩具を複数貯留可能な貯留部と、押圧部とを有し、前記押圧部の操作により前記貯留部から前記排出口に前記溶着性ビーズ玩具を供給する、前記前軸本体部に設けられる供給機構と、前記前軸本体部の後端部に凹状に形成される後軸嵌合部と、を有する前軸部と、前記溶着性ビーズ玩具を挟持可能に形成されるビーズ挟持部と、前記ビーズ挟持部の外周に形成されて前記後軸嵌合部と嵌合可能に形成される嵌合部と、前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部の後方側に設けられるスプレー部と、を有する後軸部と、を備え、前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部は、前記後軸嵌合部と前記嵌合部が嵌合したとき、前記後軸嵌合部に収容される。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、溶着性ビーズ玩具で遊ぶための用具を一体化しつつ、高い意匠性を備える溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を示す図1のIII-III断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を示す図3のIV-IV断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具の左本体部を省略して拡大して示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具の後軸部を示す平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具の供給機構の動作を示す、図1のIII-III断面に相当する前軸部の拡大断面図であり、(a)は定常状態を示し、(b)は押圧部を押圧した状態を示し、(c)は溶着性ビーズ玩具を排出している様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具10を示す。ここで、溶着性ビーズ玩具は、水溶性材料の樹脂により球形や多面体形状等の粒状に形成されている。溶着性ビーズ玩具は、具体的には、ポリビニルアルコールを樹脂に配合して混錬して形成されている。また、溶着性ビーズ玩具を形成する樹脂は、透明材料や透光性を有する材料又は不透明材料を適宜選択して形成することができる。
【0011】
ビーズ供給具10は、外形を略円柱状の略棒状として形成されて、全体が万年筆を模した形態とされている。ビーズ供給具10は、図2にも示すように、前軸部20と、後軸部30とに分離することができる。前軸部20には、先端に排出口21cが設けられる。前軸部20の押圧部23aを押圧して押下することで、排出口21cから溶着性ビーズ玩具を排出し、供給することができる。なお、以下の説明においては、前軸部20側を前、後軸部30側を後とし、押圧部23aが設けられる方を上、その反対側を下、後方から前方を見たときの右側を右、左側を左とする。
【0012】
前軸部20は、略円筒状の前軸本体部22を有する。前軸本体部22の先端には、万年筆のペン先を模した形態とされる先細の先端部21が設けられる。先端部21は、上面に模様が施される上先端部21aと、下先端部21bが組み合わされて、先端に形成される排出口21cを有する。上先端部21aと下先端部21bは、ピンと孔部で構成される先端近傍の係合部21d(図3参照)で組み合わされる。組み合わされた先端部21は、後方側から左右に突出する凸部21e(図5参照)と、前軸本体部22に形成される凹部(不図示)の凹凸係合により前軸本体部22に固定される。
【0013】
前軸本体部22は、略半円筒状の右本体部22aと略半円筒状の左本体部22bが、孔部とノッチ部で係合する係合部24(上下2箇所)及び、右本体部22a及び左本体部22bから突出する係合板26aと左本体部22b及び右本体部22aに設けられる凹部26bが係合する6箇所の凹凸係合部26(図3図5参照)により組み合わされて略円筒状に形成されている。前軸本体部22の後方側の側面には、溶着性ビーズ玩具を投入することができる円形の孔とされる投入孔22cが設けられている。また、前軸本体部22の先端部分には、前後方向に長く、前側を開放する長矩形の開口部22dが設けられている。
【0014】
なお、投入孔22cは、押圧部23aや、万年筆のペン先のような模様が施される上先端部21aの上面と同じように前軸本体部22の上側に設けられる。操作が必要で着目する部位を上側に集めて使い易くすることができる。
【0015】
図3及び図4に示すように、前軸本体部22の内部には、右本体部22aから左方に突出する右ガイド板22e1及び右誘導板22f1と、左本体部22bから右方に突出する左ガイド板22e2及び左誘導板22f2が設けられている。ガイド板22eを構成する右ガイド板22e1の端部と左ガイド板22e2の端部の間隔は、溶着性ビーズ玩具の直径より若干大きい程度で形成されている。誘導板22fを構成する右誘導板22f1の端部と左誘導板22f2の端部は、近接して突き当てられるように設けられる。
【0016】
投入孔22cの後端近傍の前軸本体部22の内部には、隔壁22gが設けられている。右ガイド板22e1及び右誘導板22f1と左ガイド板22e2及び左誘導板22f2は、隔壁22gの前面から前方に向けて、開口部22d近傍まで延設されている。投入孔22cに投入された溶着性ビーズ玩具は、ガイド板22eにより左右をガイドされながら、誘導板22f上に配置され誘導される。先端部21を下方に向けると、誘導板22f上の溶着性ビーズ玩具は前方に転がって移動する。また、誘導板22f上には、1列に並ぶように溶着性ビーズ玩具を貯留することができる。このようにして、ガイド板22e及び誘導板22fにより、貯留部25が形成される。
【0017】
図3に示すように、前軸部20は、押圧部23aを有し、押圧部23aの操作により貯留部25から排出口21cに溶着性ビーズ玩具を供給する、前軸本体部22に設けられる供給機構60を有する。供給機構60は、板バネ部23bと、押圧部23aと、誘導半筒部23cと、を有する揺動部23と、誘導路27と、を有する。
【0018】
具体的には、図1図3及び図5に示すように、揺動部23は、開口部22dから矩形箱状に突出する押圧部23aを有する。揺動部23には、板バネ部23b、押圧部23a、誘導半筒部23c及び揺動壁部23dが設けられている。揺動部23は、凸円弧状に形成される板バネ部23bを介して前軸部20の先端部21(上先端部21a)と連結している。押圧部23aは、板バネ部23bの後方側に設けられている。押圧部23aの後方側には、半筒状に形成される誘導半筒部23cが設けられている。誘導半筒部23cは、前軸本体部22の内部側に空洞側を向け、後方側を開口させ、前方側は揺動部23の基板23eと接続して閉じられている。
【0019】
誘導半筒部23cの後方側には、前軸本体部22の内部に配置される揺動壁部23dが設けられている。揺動壁部23dは、定常状態(押圧部23aを押圧して押下しない状態)では、貯留部25の前端に対応する位置に配置される。揺動壁部23dは、貯留部25側の上方が傾斜して形成される。
【0020】
一方、先端部21の内部は空洞とされて、溶着性ビーズ玩具を排出口21cに誘導する誘導路27とされている。誘導路27は、主に下先端部21bの内部により形成され、排出口21cと連通する。誘導路27の後端には、軸方向において誘導半筒部23cと揺動壁部23dとの間に位置する誘導壁部21fが設けられている。誘導壁部21fの前方側は傾斜して形成されている。
【0021】
前軸部20の後端部(前軸本体部22の隔壁22gの後方側)は、凹状に形成される後軸嵌合部28が形成されている。後軸嵌合部28の外周には、装飾リング29が設けられている。後軸嵌合部28の内周面には、前後方向に長い複数のリブ28a(図5参照)が設けられている。
【0022】
図2図3及び図6に示すように、後軸部30の前端部には、ビーズ挟持部31と、嵌合部32が設けられている。ビーズ挟持部31は、後軸部30の先端面30aに嵌め込まれて形成される。ビーズ挟持部31は、前方に向けて立設する3枚の挟持フィン31aが放射状に設けられ、中央には前方に向けて立設するピン31bを有する。挟持フィン31aの外周面には、リブ板状に立設する補強用の突起板31a1が形成されている。突起板31a1は、前方から後方に亘って漸次高さが高くなり、最後部に突起部31a11が設けられている。突起部31a11は、後軸嵌合部28に後軸部30を嵌合させる際に、後軸嵌合部28の内周面に形成される環状凹溝28bと着脱自在に嵌合する(図3のP部参照)。
【0023】
嵌合部32は、ビーズ挟持部31の外周に設けられている。嵌合部32は、3枚の嵌合フィン32aが放射状に設けられている。挟持フィン31aの突起板31a1は、嵌合フィン32a間に配置されている。
【0024】
ビーズ挟持部31及び嵌合部32の後方側には、水スプレー部33(スプレー部)が設けられている。水スプレー部33は、水タンク33aを有して、ノズル部33bに被せられるキャップ33cを押すと、噴霧口33b1から水タンク33a内の水が噴霧される公知の水スプレー(霧吹き)である。ノズル部33bのローレット部33dを回してノズル部33bを取り外すことで、水タンク33aに水を供給することができる。なお、図3におけるノズル部33bの内部構造は省略している。また、水スプレー部33には、クリップ34が設けられている。クリップ34は、軸方向に延設されるクリップ本体部34aの基部に略円環状の取付部34bが設けられている。取付部34bは、ノズル部33bのローレット部33dに嵌め込まれている。
【0025】
後軸部30は、嵌合部32を後軸嵌合部28に挿入することで前軸部20と連結される。嵌合部32と後軸嵌合部28の嵌合は、嵌合部32の嵌合フィン32aの外面と、リブ28aとが摺接して行われる。嵌合フィン32aは、フィン状であるため撓み易く形成されている。よって、後軸部30と前軸部20との連結は、比較的小さな子供でも容易に行うことができる。
【0026】
また、前軸部20から取り外した後軸部30は、ビーズ挟持部31を用いて、間違ってトレイに載置した溶着性ビーズ玩具を挟持して取り外すことができる。ビーズ挟持部31は、挟持フィン31aがフィン状であるため撓んで、3枚の挟持フィン31aの先端内周面で溶着性ビーズ玩具を挟持して保持することができる。また、ピン31bにより、溶着性ビーズ玩具が挟持フィン31aの先端内周面から奥に入り込まないよう規制されている。
【0027】
そして、水スプレー部33により、トレイに載置し終わった複数の溶着性ビーズ玩具に霧吹きを行って、水を供給することができる。これにより、溶着性ビーズ玩具の集合体を作成することができる。
【0028】
図7(a)~図7(c)に基づいて、供給機構60の動作を説明する。図7(a)に示すように、投入孔22c(図3等参照)から投入した溶着性ビーズ玩具Yは、貯留部25に軸方向に一列に並ぶように貯留される。複数の溶着性ビーズ玩具Yのうち、先頭の溶着性ビーズ玩具Y1は、揺動壁部23dと当接し、移動が規制されている。溶着性ビーズ玩具Yの排出は、先ず、先端部21を下にして、溶着性ビーズ玩具Yを載置したいトレイの孔部に先端部21の排出口21cを向ける。
【0029】
板バネ部23bの弾発力に抗して押圧部23aを押圧して押下すると、図7(b)に示すように、揺動部23が撓んで下方に揺動する。揺動壁部23dの先端が誘導板22fの上面と略同一高さになると、先頭にある溶着性ビーズ玩具Y1は、揺動壁部23dの先端部及び誘導壁部21fの先端部の上に配置される。図7(b)の状態では、溶着性ビーズ玩具Y1は、誘導半筒部23cの開口と誘導壁部21fの先端で形成される空間が溶着性ビーズ玩具Y1よりも小さいので、溶着性ビーズ玩具Y1の移動は規制される。先頭の溶着性ビーズ玩具Y1の次の溶着性ビーズ玩具Y2は、先頭の溶着性ビーズ玩具Y1と当接している。よって、次の溶着性ビーズ玩具Y2以降の溶着性ビーズ玩具Yは移動規制されている。
【0030】
そして、押圧部23aの押圧を解除すると、図7(c)に示すように、板バネ部23bの弾発力により揺動部23が定常状態の位置(図7(a)と同じ位置)に復帰する。すると、誘導半筒部23cと誘導壁部21fが離間して、誘導半筒部23cと誘導壁部21fの先端で形成される空間が大きくなり、溶着性ビーズ玩具Y1は移動可能となる。揺動壁部23dは、上方に移動することで、先頭の溶着性ビーズ玩具Y1を誘導路27側に押し込みつつ、揺動壁部23dの後側の傾斜面により、次の溶着性ビーズ玩具Y2を後方に押し戻し、移動を規制する。
【0031】
このようにして、溶着性ビーズ玩具Yは、一つずつ排出口21cから排出される。
【0032】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を提供することができる。
【0033】
第1の態様に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具は、前軸本体部と、前記前軸本体部の先端に設けられる溶着性ビーズ玩具の排出口と、前記溶着性ビーズ玩具を複数貯留可能な貯留部と、押圧部とを有し、前記押圧部の操作により前記貯留部から前記排出口に前記溶着性ビーズ玩具を供給する、前記前軸本体部に設けられる供給機構と、前記前軸本体部の後端部に凹状に形成される後軸嵌合部と、を有する前軸部と、前記溶着性ビーズ玩具を挟持可能に形成されるビーズ挟持部と、前記ビーズ挟持部の外周に形成されて前記後軸嵌合部と嵌合可能に形成される嵌合部と、前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部の後方側に設けられるスプレー部と、を有する後軸部と、を備え、前記ビーズ挟持部及び前記嵌合部は、前記後軸嵌合部と前記嵌合部が嵌合したとき、前記後軸嵌合部に収容される。
【0034】
この構成によれば、溶着性ビーズ玩具を貯留し、一個ずつ排出する溶着性ビーズ玩具の供給具と、トレイに載置した複数の溶着性ビーズ玩具に水を霧吹きできるスプレー部とを軸線上に並べるように一体化できるので、万年筆を模した形態等の高い意匠性を付与することができる。従って、溶着性ビーズ玩具で遊ぶための用具を一体化しつつ、高い意匠性を備える溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具を提供することができる。
【0035】
第2の態様に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具は、前記供給機構は、板バネ部と、前記板バネ部の後方側に設けられる前記押圧部と、前記押圧部の後方側に設けられ、半筒状に形成される誘導半筒部と、前記誘導半筒部の後方側において前記貯留部に対応して設けられ前記前軸本体部の内部に配置される揺動壁部と、を有し、前記板バネ部を介して前記前軸本体部と連結する揺動部と、前記誘導半筒部と対向して設けられ、後端に、前記誘導半筒部と前記揺動壁部との間に位置する誘導壁部を有し、前記排出口と連通する誘導路と、を有する。
【0036】
この構成によれば、供給機構は板バネ部を用いて前軸本体部と連結する揺動部と、先端部に設けられる誘導路と、で構成されるので、簡単な構造で確実に一個ずつ排出できる供給機構を実現することができる。そして、筆記具の把持部に相当する部位に、供給機構を作動させる押圧部を設けることができるので、まるで筆記具を使う感覚でビーズ供給具を使用でき、子供にとって楽しく遊ぶことができる。
【0037】
第3の態様に係る溶着性ビーズ玩具用のビーズ供給具は、前記前軸部の側面には、前記貯留部に前記溶着性ビーズ玩具を投入する投入孔が設けられる。
【0038】
この構成によれば、ビーズ供給具の側面という分かり易い位置に投入孔を設けることができるので、子供にとってストレスなく楽しく遊ぶことができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 ビーズ供給具 20 前軸部
21 先端部 21a 上先端部
21b 下先端部 21c 排出口
21d 係合部 21e 凸部
21f 誘導壁部 22 前軸本体部
22a 右本体部 22b 左本体部
22c 投入孔 22d 開口部
22e ガイド板 22e1 右ガイド板
22e2 左ガイド板 22f 誘導板
22f1 右誘導板 22f2 左誘導板
22g 隔壁 23 揺動部
23a 押圧部 23b 板バネ部
23c 誘導半筒部 23d 揺動壁部
23e 基板 24 係合部
25 貯留部 26 凹凸係合部
26a 係合板 26b 凹部
27 誘導路 28 後軸嵌合部
28a リブ 28b 環状凹溝
29 装飾リング 30 後軸部
30a 先端面 31 ビーズ挟持部
31a 挟持フィン 31a1 突起板
31a11 突起部 31b ピン
32 嵌合部 32a 嵌合フィン
33 水スプレー部 33a 水タンク
33b ノズル部 33b1 噴霧口
33c キャップ 33d ローレット部
34 クリップ 34a クリップ本体部
34b 取付部 60 供給機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】特開2009-106669号公報