(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086222
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】蓋部材のボックス
(51)【国際特許分類】
B60K 15/05 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
B60K15/05 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200585
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(74)【代理人】
【識別番号】100120765
【弁理士】
【氏名又は名称】小滝 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康行
(72)【発明者】
【氏名】青木 優周
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA12
3D038CB01
3D038CC16
(57)【要約】
【課題】ボックスのアーム部収納部に蓋取付部材を容易に組付け可能な蓋部材のボックスを提供する。
【解決手段】蓋部材10は、蓋11と、蓋11を取付ける蓋取付部21と、蓋取付部21から湾曲して延設されるアーム部23を有する蓋取付部材20と、開口部34を有し、車体2に取付けられるボックス本体部31と、ボックス本体部31から延設され、アーム部23を収納するアーム部収納部37を有するボックス30を有し、アーム部収納部37には、傾斜部38と段差部39が形成されており、傾斜部38と段差部39の外面の少なくとも一方には、ボックス本体部31の車外側の上端部31aを延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部38との角度を統一するための傾斜部側突出部50、線Yに対する段差部39との角度を統一するため段差部側突出部51が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の給油口又は充電口等に取付けられる蓋部材のボックスであって、
前記蓋部材は、
蓋と、
前記蓋を取付ける蓋取付部と、前記蓋取付部から湾曲して延設されるアーム部を有する蓋取付部材と、
開口部を有し、前記車体に取付けられるボックス本体部と、前記ボックス本体部から延設され、前記アーム部を収納するアーム部収納部を有するボックスを有し、
前記アーム部収納部の前記ボックス本体部とは反対側の端部には、傾斜部と段差部が形成されており、
前記傾斜部と前記段差部の外面の少なくとも一方には、前記ボックス本体部の車外側の上端部を延長した線Xに垂直な線Yに対する前記傾斜部との角度を統一するための傾斜部側突出部、前記線Yに対する前記段差部との角度を統一するため段差部側突出部が形成されていることを特徴とする蓋部材のボックス。
【請求項2】
前記傾斜部、前記段差部、前記傾斜部側突出部又は前記段差部側突出部には、前記アーム部収納部を含む前記ボックスを回転可能にする突起部が形成されている請求項1に記載の蓋部材のボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等車両の車体に取付けられ、車体の給油口、充電口等を塞ぎ、開閉可能な蓋を有する蓋部材のボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用燃料タンクにガソリン等の燃料や水素を給油又は充填する場合には、車体に設けられた給油口又は充填口を塞ぐ給油口蓋、充填口蓋を開き、燃料キャップを外して給油口から燃料を給油する、又は、充填ポートに充填プラグを差し込んで水素を充填する。又、電気自動車やPHV(プラグインハイブリッド車)に電気を充電する場合には、充電蓋を開き、急速充電ポート又は普通充電ポートのキャップに充電コネクタを差し込んで充電する。
【0003】
例えば、自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合には、
図1に示すように、車体201に設けられた給油口101を塞ぐ蓋(給油口蓋)110を開いて、給油口101から燃料を給油する。蓋110の裏面には蓋取付部材200が取付けられ、蓋取付部材200は、ボックス(給油口ボックス)300に取付けられる。そして、蓋110は、蓋取付部材200に取付けられている。
【0004】
図9に示すように、蓋部材100は、蓋110と、ボックス(給油口ボックス)300と、ボックス300のアーム部収納部370に取付けられ、蓋110を取り付ける蓋取付部材200と、蓋取付部材200のアーム部230とアーム部収納部370に係合するバネ400を有して構成されている。
【0005】
蓋取付部材200は、蓋110を開閉可能にする大きく湾曲したアーム部230を有しており、蓋取付部材200のアーム部230の先端には、バネ取付部240が形成されている。
【0006】
ボックス300は、開口部340を有し、車体に取付けられるボックス本体部310と、蓋取付部材200のアーム部230を回転自在に収納するアーム部収納部370を有し、アーム部収納部370には、その長手方向に、車内側に向かいアーム部収納部370の空間が広がる傾斜部380と、傾斜部380に接続する段差部390と、段差部390とボックス本体部310とを接続する底面部540が形成されている。
【0007】
バネ400は、略己字形状であり、アーム部230のバネ取付部240に取付けられるアーム部側取付部410と、ボックス300のアーム部収納部370に係合するボックス側係合部420と、アーム部側取付部410とボックス側係合部420との間に存在するバネ本体部430を有している。
【0008】
蓋取付部材200のアーム部230をボックス300のアーム部収納部370に取付ける方法として、特許文献1の方法が知られている。特許文献1の方法は、以下のステップを有している。
a.ボックス300を、アーム部収納部370を下にして垂直にして冶具に固定するステップ、
b.バネ400のアーム部側取付部410をアーム部230のバネ取付部240に取付けるステップ、
c.バネ400が取付けられたアーム部230の係合ピン260をボックス300のアーム部収納部370に挿入し、アーム部収納部370内を移動させるステップ、
d.アーム部230の係合ピン260をボックス300のアーム部係合部560に固定するステップ。
【0009】
又、上記のcの「バネ400が取付けられたアーム部230の係合ピン260をボックス300のアーム部収納部370に挿入し、アーム部収納部370内を移動させるステップ、」には、
c1.バネ400のボックス側係合部420が、ボックス300のアーム部収納部370の傾斜部380の内面に当接するステップ、
c2.ボックス側係合部420が、傾斜部380の内面を段差部390方向に移動するステップ、
c3.ボックス側係合部420が、アーム部収納部370の傾斜部380と段差部390との接続部であるバネ係合部360に当接し、その位置に留まるステップを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記の蓋部材100は、車種によって、形状が異なり、ボックス300のアーム部収納部370においては、その奥行きの長さや、
図9に示すボックス本体部310の車外側の上端部310aを延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部380との角度α’、線Yに対する段差部390との角度β’が異なり、統一されていない。そのため、上記の特許文献1では、ボックス300を、アーム部収納部370を下にして略垂直にして冶具に固定するステップaにおいて、アーム部収納部370をしっかり固定するためには、車種毎の角度α’と角度β’に合わせた治具を作製する必要がある。
【0012】
又、バネ400のボックス側係合部420が、アーム部収納部370の傾斜部380と段差部390との接続部であるバネ係合部360に当接した(ステップc3)の後に、「アーム部210の係合ピン260をボックス300のアーム部係合部560に固定する」(ステップd)ためには、
図10に示すように、E方向にアーム部230を移動させる必要があるが、E方向は、ボックス本体部310の車外側の上端部310aを延長した線に垂直な線Xと平行ではないため、アーム部230をアーム部収納部370内において、バネ400との位置関係を考慮しつつ移動させるためには複雑な取付け治具が必要になる。
【0013】
そこで、方向Eが垂直方向になるように蓋取付部材200を固定し、ボックス300を傾けて置き、アーム部収納部370を上下に移動させることにより、ボックス300に蓋取付部材200を取付けることが考えられるが、この場合は、ボックス300のアーム部収納部370を上下の移動となるように固定することが容易ではない。そこで、本発明は、ボックス300のアーム部収納部370に蓋取付部材200を容易に組付け可能な蓋部材のボックスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、車体の給油口又は充電口等に取付けられる蓋部材のボックスであって、蓋部材は、蓋と、蓋を取付ける蓋取付部と、蓋取付部から湾曲して延設されるアーム部を有する蓋取付部材と、開口部を有し、車体に取付けられるボックス本体部と、ボックス本体部から延設され、アーム部を収納するアーム部収納部を有するボックスを有し、アーム部収納部のボックス本体部とは反対側の端部には、傾斜部と段差部が形成されており、傾斜部と段差部の外面の少なくとも一方には、ボックス本体部の車外側の上端部を延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部との角度を統一するための傾斜部側突出部、線Yに対する段差部との角度を統一するため段差部側突出部が形成されていることを特徴とする蓋部材のボックスである。
【0015】
請求項1の本発明では、ボックスのアーム部収納部のボックス本体部とは反対側の端部には、傾斜部と段差部が形成されており、傾斜部と段差部の外面の少なくとも一方には、ボックス本体部の車外側上端部を延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部との角度を統一するための傾斜部側突出部、線Yに対する段差部との角度を統一するため段差部側突出部が形成されているので、常に傾斜部との角度と段差部との角度を一定にすることができる。その結果、車種毎に異なるアーム部収納部(ボックス)固定用の治具を準備する必要がなくなるので、組付け工程の効率化、治具削減に伴うコスト低減を図ることができる。
【0016】
請求項2の本発明は、請求項1の発明において、傾斜部、段差部、傾斜部側突出部又は段差部側突出部傾斜部には、アーム部収納部を含むボックスを回転可能にする突起部が形成されている蓋部材のボックスである。
【0017】
請求項2の本発明では、傾斜部、段差部、傾斜部側突出部又は段差部側突出部傾斜部には、アーム部収納部を含むボックスを回転可能にする突起部が形成されているので、予めボックスのアーム部収納部を上下の移動となるように厳密に固定することなく、ボックスのアーム部収納部を治具に置いても、突起部と治具に形成した突起部に対応する部分によって、アーム部収納部を含むボックスを回転させ、ボックスのアーム部収納部を治具に正しくセットすることができる。
【発明の効果】
【0018】
車体の給油口又は充電口等に取付けられる蓋部材のボックスであって、蓋部材は、蓋と、蓋を取付ける蓋取付部と、蓋取付部から湾曲して延設されるアーム部を有する蓋取付部材と、開口部を有し、車体に取付けられるボックス本体部と、ボックス本体部から延設され、アーム部を収納するアーム部収納部を有するボックスを有し、アーム部収納部には、傾斜部と段差部が形成されており、傾斜部と段差部の外面の少なくとも一方には、ボックス本体部の車外側の上端部を延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部との角度を統一するための傾斜部側突出部、線Yに対する段差部との角度を統一するため段差部側突出部が形成されているので、常に傾斜部との角度と段差部との角度を一定にすることができる。その結果、車種毎に異なるアーム部収納部(ボックス)固定用の治具を準備する必要がなくなるので、組付け工程の効率化、治具削減に伴うコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】蓋を開いた状態の給油口部分の斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態を示す、蓋と、蓋取付部材とボックスとの位置関係を説明する断面図であり、
図1のA-A断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態を示すものであり、蓋を閉じた時の
図2のB部の拡大断面図である。
【
図4】
図3において、C方向から見たアーム部収納部の斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態を示すものであり、
図3において、C方向から見たアーム部収納部の斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態を示すものであり、治具にボックスのアーム部収納部を置いた時の断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態を示すものであり、治具にボックスのアーム部収納部がセットされた時の断面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態を示すものであり、ボックスのアーム部収納部への蓋取付部のアーム部取付けを説明する断面図である。
【
図9】従来の蓋部材であり、
図2のB部の拡大断面図である(特許文献1)。
【
図10】従来の蓋部材のアーム部をボックスのアーム係合部に係合させる前の断面図である(特許文献1)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の実施形態を
図1から
図4に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、車体2の給油口1を塞ぐと共に開閉可能な蓋11(給油口蓋)を有する蓋部材10の取付構造に関し説明するものであるが、充填ポートに充填プラグを差し込んで水素を充填する場合や電気自動車やPHV(プラグインハイブリッド車)に電気を充電する場合にも使用することができる。
【0021】
蓋11は、
図1に示すように、車体2の給油口1を塞ぐために給油口1の形状に合わせて形成されている。自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合に、車体2に設けられた給油口1を塞ぐ蓋11を開いて、給油口1から燃料を給油する。蓋11の裏面には蓋取付部材20が取付けられ、蓋取付部材20は、ボックス30に取付けられる。本第1の実施形態では、蓋部材10は、蓋11と、蓋取付部材20と、ボックス300と、バネ40(
図2、
図3)を有して構成されている。
【0022】
図2に示すように、蓋取付部材20は、蓋11に取付けられる蓋取付部21と、蓋11を開閉可能にする大きく湾曲した円弧状のアーム部23を有している。又、蓋取付部21には、後述するボックス30のロックピン32と係合する蓋ロック部22が形成されている。なお、蓋11と蓋取付部材20を一体に形成してもよい。
【0023】
車体2に取付けられるボックス30は、給油口1部分に開口部34を有するボックス本体部31と、蓋取付部材20のアーム部23を収納するアーム部収納部37を有している。アーム部23のボックス30内における開閉スペースを確保するため、アーム部収納部37は、ボックス本体部31を車体2に保持するボックス保持部3よりも車体2の内側(
図2、
図3における左側)に入り込んで形成されている。したがって、アーム部23の回転中心は、アーム部収納部37内のさらに蓋11よりも横方向の奥の部分において、アーム部収納部37と係合されている。
【0024】
ボックス30のアーム部収納部37と反対側のボックス本体部31には、ロックピン32が形成され、蓋11が閉じられたときに、ロックピン32が蓋取付部材20の蓋ロック部22に係合して、蓋11をロックすることができる。蓋11を開くときは、ボックス30のロックピン32が後退して、蓋取付部21の蓋ロック部22から外れる。
【0025】
図3に示すように、ボックス本体部31の上端部31aの周囲には、シール部材33が取付けられ、若しくは上端部31aと一体に形成され、ボックス本体部31が、車体2のボックス保持部3に取付けられたときに、車体2のボックス保持部3とボックス本体部31の上端部31aとの間をシールする。
【0026】
蓋取付部材20のアーム部23の先端部分の側面23aには、円柱形状の凹部27が形成されている。又、
図4に示すように、アーム部収納部37の側面37aには、アーム部23の凹部27に合致する位置に、内面の断面が円形の筒状に突出し、頂部に開口を有するキャップ装着部35が形成されている。そして、キャップ装着部35に、アーム部23の凹部27に挿入される胴部を有するキャップ60を装着することにより、アーム部収納部37に蓋取付部材20のアーム部23が回転可能に取付けられる。
【0027】
バネ40は、1本の金属線状部材であるワイヤーを略己字形状に折り曲げることにより製造され、ボックス30のバネ係合部36に保持されるボックス側係合部42と、蓋取付部材20のアーム部23のバネ取付部24に取付けられるアーム部側取付部41と、ボックス側係合部42とアーム部側取付部41を接続するバネ本体部43を有する。そして、ボックス側係合部42、アーム部側取付部41とバネ本体部43は、一平面として形成されている。又、アーム部側取付部41に連結し、ポップアップのための突出部44が形成されている。
【0028】
図4に示すように、ボックス30のアーム部収納部37の長手方向であり、アーム部収納部のボックス本体部とは反対側の端部には、車内側に向かってアーム部収納部37の空間が広がる傾斜部38と、傾斜部38に接続する段差部39と、段差部39とボックス本体部31を接続する底面部54が形成されている。傾斜部38は、段差部39に対して車外側に位置している。又、傾斜部38に接続する段差部39との間には、内面においてバネ40のボックス側係合部42と係合するバネ係合部36が形成されている。
【0029】
傾斜部38の外面には、傾斜部側突出部50が形成されており、段差部39の外面には、段差部側突出部51が形成されている。
図4では、傾斜部側突出部50は、長方形の傾斜部側突出面52を有する3本の三角柱状のリブ、段差部側突出部51も、長方形の段差部側突出面53を有する3本の三角柱状のリブである。
【0030】
上記の通り、ボックス本体部31の車外側上端部を延長した線Xに垂直な線Yに対する傾斜部38との角度α’、線Yに対する段差部39との角度β’は、車種毎に異なっているので、傾斜部側突出部50と段差部側突出部51を形成することにより、全ての車種に共通した傾斜部側の角度α、線Xに対する段差部側の角度βとすることができる。その結果、車種毎に異なるアーム部収納部(ボックス)固定用の治具を準備する必要がなくなるので、組付け工程の効率化、治具削減に伴うコスト低減を図ることができる。
【0031】
なお、上記の第1の実施形態では、傾斜部側突出部50と段差部側突出部51は、共に3本の三角柱状のリブとして形成したが、リブの本数は、3本には限定されない。又、形状も一つの塊、すなわち、三角柱状のブロック形状に形成してもよい。
【0032】
又、上記の第1の実施形態では、傾斜部側突出部50と段差部側突出部51を共に形成したが、傾斜部側突出部50、段差部側突出部51のどちらか一方を形成してもよい。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について、
図5から
図8に基づいて説明する。
図5は、
図3におけるC方向から見たアーム部収納部370の斜視図である。
図5において、第1の実施形態である
図4との相違点は、本第2の実施形態では、傾斜部38において、段差部39と反対側の端部に傾斜部側突出部50より高く突出する突起部55が形成されている点にある。
【0034】
第2の実施形態における治具70へのアーム部収納部37のセットとアーム部23の取付けについて、
図6から
図8により説明する。この取付方法は、
図10における方向Eが垂直方向になるようにボックス30を傾けて置き、アーム部収納部37を上下に移動させることにより、ボックス30に蓋取付部材20のアーム部23を取付ける方法である。なお、
図6と
図7は、治具70とアーム部収納部37の位置関係を説明するため、蓋取付部材20のアーム部23は描かれていない。
【0035】
図6は、治具70にボックス30のアーム部収納部37を置いた時の断面図である。アーム部収納部37を固定するための治具70は、アーム部収納部37の底面部54が当接する底面部当接面72を有する第1治具71と、段差部39の段差部側突出部51の段差部側突出面53が当接する段差部側当接部74と傾斜部38の傾斜部側突出部50の傾斜部側突出面52が当接する傾斜部側当接部75を有する第2治具73から構成されている。又、第2治具73には、アーム部収納部37の突起部55の位置に、突起部55より断面における横方向の長さが長く、且つ突起部55に当接する治具凹部76が形成されている。
【0036】
図6(
図2、
図3)に示すように、アーム部収納部37は、湾曲しているので、アーム部収納部37の底面部54を底面部当接面72上に置く場合には、
図6における左側に傾く、すなわち、段差部39が段差部側当接部74の直下より少し左側に来るようにずらして置く傾向にある。又、その方が置き易い。
【0037】
なお、治具70にボックス30のアーム部収納部37を置いた後に、図示しない第3治具に取付けた蓋取付部材20のアーム部23をアーム部収納部37内にセットする。
【0038】
図6の位置から治具70を下方(実線矢印方向)に移動させると、突起部55の角部55aが、第2治具73の治具凹部76に当接し、更に治具70を下方に移動することによって、突起部55の角部55aが下方に押されると共に、アーム部収納部37が斜線矢印方向に回転する。
【0039】
そして、アーム部収納部37の傾斜部側突出部50と第2治具73の傾斜部側当接部75が当接する直前にはアーム部収納部37は、正規の位置にセットされるので、
図7に示すように、アーム部収納部37の傾斜部側突出部50と第2治具73の傾斜部側当接部75、アーム部収納部37の段差部側突出部51と第2治具73の段差部側当接部74が正しく当接する。
【0040】
図8は、治具70とアーム部収納部37が正しくセットされた状態(
図7)に、蓋取付部材20のアーム部23を追記した図である。なお、バネ40は、図示しない第3治具により予め斜め上方を向くようにされている。
図8に示すように、治具70にアーム部収納部37が正しくセットされた時には、アーム部23の凹部27は、アーム部収納部37のキャップ装着部35の直下に位置している。
【0041】
そして、治具70を更に下方(斜線矢印)に移動させると、バネ40のボックス側係合部42が傾斜部38の内面に当接すると共にアーム部収納部37のバネ係合部36方向に移動し、段差部39により、バネ係合部36に止まる。
【0042】
その後に、アーム部23の凹部27とアーム部収納部37のキャップ装着部35の位置が合致する位置まで来ると治具70は下降を停止する。そして、キャップ装着部35にアーム部23の凹部26に挿入される胴部を有するキャップ60を装着することにより、アーム部収納部37に蓋取付部材20のアーム部23が固定される。
【0043】
したがって、治具70、特に第1治具71に対し、アーム部収納部37が少しずれた状態でセットされていても、アーム部収納部37の突起部55と第2治具73の治具凹部76によりアーム部収納部37が正しい位置に回転し、アーム部収納部37を治具70にセット後は、治具70を下方に移動させることにより、容易に蓋取付部21のアーム部23をアーム部収納部37に容易に取付けることができる。
【0044】
なお、上記の第2の実施形態では、突起部55を傾斜部38に形成し、治具凹部76を傾斜部側当接部75に形成したが、突起部55を段差部39に形成し、治具凹部76を段差部側当接部74に形成してもよい。
【0045】
更に、上記の第2の実施形態では、突起部55を傾斜部38に形成したが、傾斜部側突出部50、又は、段差部側突出部51に形成してもよい。
【0046】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0047】
例えば、上記の第1の実施形態では、アーム部収納部37への蓋取付部材20のアーム部23の取付方法について、記述しなかったが、上記の第2の実施形態の取付方法を用いてもよく、又は、特許文献1の組付け方法を用いてもよい。
【0048】
例えば、上記の第1と第2の実施形態では、バネ40を使用したが、バネ40を使用せず、アーム部収納部37に取付けられた蓋取付部21のアーム部23をモータによって開閉してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 蓋部材
11 蓋
20 蓋取付部材
23 アーム部
30 ボックス
31 ボックス本体部
37 アーム部収納部
38 傾斜部
39 段差部
40 バネ
50 傾斜部側突出部
51 段差部側突出部
55 突起部
70 治具
71 第1治具
72 第2治具