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特開2023-86240リフレクトアレー、および、その製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086240
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】リフレクトアレー、および、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/28 20060101AFI20230615BHJP
   H01Q 15/14 20060101ALI20230615BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20230615BHJP
   H01Q 3/02 20060101ALI20230615BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230615BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q15/14 Z
H01Q21/06
H01Q3/02
H01Q1/38
H01P11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200617
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克守
(72)【発明者】
【氏名】ホンナラ タナン
(72)【発明者】
【氏名】白澤 嘉樹
(72)【発明者】
【氏名】五水井 一浩
(72)【発明者】
【氏名】小竹 啓輝
(72)【発明者】
【氏名】流田 理一郎
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA01
5J020BA06
5J020CA01
5J020CA05
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB03
5J021AB06
5J021HA05
5J021JA05
5J046AA02
5J046AA19
5J046AB03
5J046AB07
5J046AB13
5J046PA07
(57)【要約】
【課題】リフレクトアレー上に、リフレクトアレーの入射角と、指向性の最大点の方向を一致させたアンテナを構成し、リフレクトアレーの方向調整を容易にしたリフレクトアレーを提供することを目的とする。
【解決手段】リフレクトアレーは、メタマテリアル反射板と補助アンテナを有する。メタマテリアル反射板と補助アンテナの位置関係が固定される。メタマテリアル反射板の指向性の最大方向と補助アンテナの設計入射方向と設計反射方向が略同じである。

【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタマテリアル反射板と補助アンテナを有し、
前記メタマテリアル反射板と前記補助アンテナの位置関係が固定され、
前記メタマテリアル反射板の設計入射方向と前記補助アンテナの指向性の最大方向とが略同じであることを特徴とする、リフレクトアレー。
【請求項2】
前記メタマテリアル反射板と前記補助アンテナの位置関係が固定されたまま、前記メタマテリアル反射板および前記補助アンテナの位置または方向を調整する調整部を有することを特徴とする、請求項1に記載のリフレクトアレー。
【請求項3】
前記メタマテリアル反射板と前記補助アンテナが同一平面上に形成されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のリフレクトアレー。
【請求項4】
複数の前記補助アンテナが中心から放射状に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレー。
【請求項5】
2つの前記補助アンテナが対角線上に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレー。
【請求項6】
4つの前記補助アンテナが四隅に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレー。
【請求項7】
前記補助アンテナが前記メタマテリアル反射板のフレネル半径の外側に配置されていることを特徴とする、請求項5または6のいずれかに記載のリフレクトアレー。
【請求項8】
前記補助アンテナと接続された補助通信部を有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のリフレクトアレー。
【請求項9】
前記メタマテリアル反射板を複数備え、
前記複数のメタマテリアル反射板の設計入射方向と前記補助アンテナの位置関係が固定されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のリフレクトアレー。
【請求項10】
前記メタマテリアル反射板と前記補助アンテナが、プリント基板上に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のリフレクトアレー。
【請求項11】
請求項10に記載のリフアレクトアレーの製造方法であって、前記プリント基板上にプリントパターンとしてエッチングにより前記メタマテリアル反射板と前記補助アンテナを製造することを特徴とする、リフアレクトアレーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフレクトアレーに関し、特に、反射板の入射角と、指向性の最大点の方向を一致させたアンテナを構成し、リフレクトアレー反射板の方向調整を容易にしたリフレクトアレー、および、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信において、リフレクトアレーは様々な場面で用いられている。
例えば、基地局は基地局アンテナを用いて携帯電話などの通信端末との間で通信電波の送受信を行っている。5G規格などにおいて周波数が高くなると、電波の直進性が高くなることから、遮蔽物などが存在すると、通信が難しくなる場合がある。
このような場合にも、メタマテリアルなどを用いたリフレクトアレーを利用して電波の方向を変えることにより、基地局から直接見通せない場所に存在する通信端末に対しても、通信電波の送受信が容易となる。
図1は、MassiveMIMO方式の基地局アンテナ2と、メタマテリアル反射板110であるリフレクトアレー100を用いた例を、図2はメタマテリアル反射板110であるリフレクトアレー100を示す。
基地局アンテナ2から所定の入射角度INで入射した通信電波は、所定の反射角OUT度で反射される。なお、以下、入射角度IN、反射角度OUTのことをそれぞれ、入射角IN、反射角OUTと述べることがある。また、入射角度IN、反射角度OUTは、それぞれ、入射方向、反射方向の意味で用いることがある。
このリフレクトアレー100は、入射角度と反射角度を任意に設計できる。ここで、入射角度と反射角度は、入射する電波に対して最大の反射を生じる、入射および反射の角度である。また、一般に、入射方向と反射方向は逆方向でも最大の反射を生じる。つまり、設計された反射方向から入射する電波に対しても、設計された入射方向に最大の反射を生じることにもなる。

特許文献1には、メタマテリアルを用いた反射板が記載されている。また、メタマテリアルを用いたアンテナも知られている(特許文献2)。特許文献3の段落0181には「反射板の材質として(中略)メタマテリアル構造等」と記載され、特許文献4の段落0014には、「パッシブリフレクタにおいては、特にメタマテリアル反射板は任意に伝搬方向およびビーム幅を設計することが可能である。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-57723号公報
【特許文献2】特開2021-27468号公報
【特許文献3】特開2019-36783号公報
【特許文献4】特開2021-125779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようなメタマテリアルを反射板として用いたリフレクトアレーは入射角度と反射角度を任意に設計できる。つまり、リフレクトアレーの入射角は垂直・水平方向に自由に設定できるが、リフレクトアレーの設置時には、反射板の入射角を正確に基地局アンテナに向ける必要があり、設計された入射角度の方向と基地局の方向(入射波の方向)を正確に合わせる必要がある。
従来は入射角を基地局アンテナに向ける調整は目視に頼っていたため、正確に角度を合わせることが難しく、また時間を要していた。
そこで、本発明は、リフレクトアレー上に、リフレクトアレーの入射角と、指向性の最大点の方向を一致させたアンテナを構成し、リフレクトアレー100の方向調整を容易にしたリフレクトアレー、および、その製造方法を提供することを目的とする。なお、以下では、指向性の最大点の方向を指向性の最大方向と称することがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るリフレクトアレーは、
メタマテリアル反射板と補助アンテナを有し、
メタマテリアル反射板と補助アンテナの位置関係が固定され、
メタマテリアル反射板の設計入射方向と補助アンテナの指向性の最大方向が略同じであることを特徴とする、リフレクトアレーである。

本発明の請求項2に係るリフレクトアレーは、
メタマテリアル反射板と補助アンテナの位置関係が固定されたまま、メタマテリアル反射板および補助アンテナの位置または方向を調整する調整部を有することを特徴とする、請求項1に記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項3に係るリフレクトアレーは、
メタマテリアル反射板と補助アンテナが同一平面上に形成されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項4に係るリフレクトアレーは、
複数の補助アンテナが中心から放射状に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項5に係るリフレクトアレーは、
2つの補助アンテナが対角線上に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項6に係るリフレクトアレーは、
4つの補助アンテナが四隅に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項7に係るリフレクトアレーは、
補助アンテナがメタマテリアル反射板のフレネル半径の外側に配置されていることを特徴とする、請求項5または6のいずれかに記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項8に係るリフレクトアレーは、
補助アンテナと接続された補助通信部を有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項9に係るリフレクトアレーは、
メタマテリアル反射板を複数備え、
複数のメタマテリアル反射板の設計入射方向と補助アンテナの位置関係が固定されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のリフレクトアレーである。

本発明の請求項10に係るリフレクトアレーは、
メタマテリアル反射板と補助アンテナが、プリント基板上に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のリフレクトアレーである。

本発明は、以上の構成により、リフレクトアレーの方向調整を容易にすることができる。

本発明の請求項11に係るリフレクトアレーの製造方法は、
請求項10に記載のリフアレクトアレーの製造方法であって、プリント基板上にプリントパターンとしてエッチングによりメタマテリアル反射板と補助アンテナを製造することを特徴とする、リフアレクトアレーの製造方法である。

本発明は、以上の構成により、上述の効果を奏するリフレクトアレーを、同一の工程で製造することができ、低コスト化と共に、製造時にメタマテリアル反射板と補助アンテナを精度よく微調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来のリフレクトアレーの構成例を示す。
図2】従来のリフレクトアレーの構成例を示す。
図3】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図4】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図5】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図6】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図7】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図8】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図9】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図10】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図11】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図12】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの構成例を示す。
図13】本発明の一実施例におけるリフレクトアレーの製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図3は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
リフレクトアレー100は、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を有する。
メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120の位置関係が固定される。ここで、位置関係とは、位置と共にメタマテリアル反射板110と補助アンテナ120の角度、つまり向きも含む。
【0008】
メタマテリアル反射板の設計入射方向110IMと補助アンテナ120の指向性の最大方向が略同じである。
このアンテナは、反射板の入射角INの最大点とアンテナの指向性の最大点を一致させておくため、アンテナ出力にスペクトルアナライザーやスキャナーなどの測定器を接続し、受信レベルが最大になるように方向を調整すると、自動的にリフレクトアレー反射板が基地局の方向に正確に向くようになる。
従来、目視に頼っていた方向調整が測定器を使用した調整となるため、リフレクトアレー100の入射角INを正確に基地局アンテナ2に向けることができ、調整時間も短縮できる。
【0009】
図4は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120が同一平面上に形成されている。ここで、同一平面上とは、ほぼ同一であればよい。例えば、アンテナの形成される面積に対して数%程度の凹凸があってもよく、完全に同一平面である必要はない。
リフレクトアレー反射板と同一平面に、反射板の入射角INと指向方向の最大点を一致させた補助アンテナ120がアレーアンテナとして構成されている。
本構成により、リフレクトアレー反射板と同一平面上に、反射板の入射角INと、指向性の最大点の方向を一致させた補助アンテナ120を構成し、リフレクトアレー反射板の方向調整を容易にした反射板構造となる。
【0010】
一実施例において、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120が、プリント基板上に形成される構成とすることもできる。
本構成により、補助アンテナ120を、プリント基板上にプリントパターンとしてエッチングで製造することができる。リフレクトアレー反射板も同じ方法で製造されているため、反射板とアンテナを同一プロセスで製作することが可能である。
【0011】
図5は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、複数の補助アンテナ120が中心から放射状に配置されている。本実施例では略正三角形のメタマテリアル反射板110の3つの端部に、3つの補助アンテナ120が配置されているが、正方形や長方形などのメタマテリアル反射板110の四隅に4つの補助アンテナ120を設ける構成でも、あるいは円形のメタマテリアル反射板110の端部に、円の中心から略等角度の位置に複数個の補助アンテナ120を設ける構造でもよい。
【0012】
図6は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、2つの補助アンテナ120が対角線上に配置されている。ここで、「対角線上」とは、メタマテリアル反射板110を中心とする対角線を示す。つまり、対角線の中点はメタマテリアル反射板110の中点と略一致する。
補助アンテナ120が対角線上に配置されることで、補助アンテナ120の反射波の方向をメタマテリアル反射板110の入射方向により近づけることができる。
【0013】
図7および図8は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、4つの補助アンテナ120が四隅に配置されている。さらに、各補助アンテナ120はメタマテリアル反射板110の端部においてフィーダ115で接続されている。
図8に示されるように、本実施例においても、図において入射角INで示される、メタマテリアル反射板の設計入射方向110IMと、図において反射角OUTで示される、補助アンテナの指向性の最大方向120RMが、略同じである。
補助アンテナ120が四隅に配置されることで、補助アンテナ120の反射波をメタマテリアル反射板110の入射方向により近づけることができる。特にメタマテリアル反射板110が略長方形、さらには略正方形である場合に、効果が顕著であるが、それ以外の場合にも、有効であることは言うまでもない。
【0014】
図9は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、補助アンテナ120がメタマテリアル反射板110のフレネル半径110Fの外側に配置されている。
本構成により、メタマテリアル反射板110の性能を確保しつつ、メタマテリアル反射板110に影響の少ないフレネル半径110Fの外側を有効活用することができる。
特に、製造時にはメタマテリアル反射板110を略長方形や略正方形とすることで低コスト化できることが多いが、この場合もフレネル半径110Fの外となる四隅も有効活用できる。。特に、メタマテリアル反射板110を中心とする長方形や正方形の四隅に補助アンテナ120を設けた場合には、補助アンテナ120の反射波の方向をメタマテリアル反射板110の設計入射方向110IMにより近づけることができるという効果も奏する。
【0015】
図10は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、リフレクトアレー100は調整部130を有する。
調整部130は、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120の位置関係が固定されたまま、メタマテリアル反射板110および補助アンテナ120の位置または方向を調整する。調整は、手動で行える。
本実施例においても、図において入射角INで示される、メタマテリアル反射板の設計入射方向110IMと、図において反射角OUTで示される、補助アンテナの指向性の最大方向120RMが、略同じである。
調整は、調整部130内に調整通信部を設け、通信によりリモートで行ってもよい。本構成により、設置後の微調整が容易となる。
本リフレクトアレー100は、通信機器を接続することで、方向調整の用途だけでなく通信用アンテナとして使うことも可能となる。
【0016】
図11は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、リフレクトアレー100は 補助アンテナ120と接続された補助通信部140を有する。
【0017】
アンテナ出力に、補助通信部140として、監視カメラやセンサなど、データ通信用の無線機器や無線端末などが接続されている。
本構成により、アンテナで基地局との通信を確保しながら、反射板は基地局アンテナ2からの電波が直接届かない弱電界エリアをエリア化できる。
【0018】
図12は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の構成例を示す。
本実施例では、メタマテリアル反射板110を複数備える。特に本例では、4つのメタマテリアル反射板110を備え、それぞれが、別の基地局からの入射に対応できるよう設計されている。
【0019】
複数のメタマテリアル反射板110は、その設計入射方向と補助アンテナ120の位置関係が固定されている。
メタマテリアル反射板110は、4つに限られず、2つ、3つなど他の数でも良いことは言うまでもない。また、メタマテリアル反射板110は、曲面状に設置されることにより、設計入射角INが連続的に変化する構成でもよい。
本構成により、1つのリフレクトアレー100により、複数の位置の基地局に対応ができ、かつ、設置時などの調整も容易となる。
【0020】
上述のリフレクトアレー100は、補助アンテナ120をプリント基板上にプリントパターンとしてエッチングで製造することができる。リフレクトアレー反射板も同じ方法で製造されているため、反射板とアンテナを同一プロセスで製作することが可能である。
図13は、本発明の一実施例におけるリフレクトアレー100の製造方法を示す。
本製造方法は、上述のリフレクトアレー100のメタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を、プリント基板上に形成するリフアレクトアレーの製造方法であって、プリント基板上にプリントパターンとしてエッチングによりメタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を製造する。
【0021】
具体的には、製造が開始されると(S0)、まず、レジスト形成ステップ(S1)においてレジストを形成し、次いでエッチングステップ(S2)においてエッチングを行い、レジスト除去ステップ(S3)においてレジストを除去する。その後、洗浄ステップ(S4)において洗浄を行い、次いで、検査ステップ(S5)において検査を行う。そして、製造が完了する(S6)。
本実施例では、リフレクトアレー反射板などのメタマテリアル反射板110と、補助アンテナ120であるアレーアンテナを、同じ工程で、プリント基板上にエッチングで製造する。具体的には、レジスト形成ステップ(S1)、エッチングステップ(S2)、レジスト除去ステップ(S3)で、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を同時に製造する。
この製造方法によれば、製造時にはリフレクトアレー反射板などのメタマテリアル反射板110と、補助アンテナ120を同一プロセスで製作することが可能となる。
本発明は、以上の構成により、上述の効果を奏するリフレクトアレー100を、同一の工程で製造することができ、低コスト化と共に、製造時にメタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を精度よく微調整することが可能となる。
また、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を同じ方法で製造するものであれば、上記の構成に限られない。詳細に見た場合には、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を順に製造するものなども、本構成に含まれる。例えば、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120を連続したプロセスで製造できる場合にも、実質的な製造プロセスが短縮でき、メタマテリアル反射板110と補助アンテナ120の位置関係などを高い精度で調整することも可能となる。
【0022】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うでもない。
メタマテリアル反射板、補助アンテナはメタマテリアル以外の反射板で構成することもできる。
【符号の説明】
【0023】
100 リフレクトアレー
110、111、112、113 メタマテリアル反射板
115 フィーダ
110IM メタマテリアル反射板の設計入射方向
110F フレネル半径
120 補助アンテナ
120RM 補助アンテナの指向性の最大方向
130 調整部
140 補助通信部
2 基地局アンテナ
IN 入射角
OUT 反射角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13