(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086290
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】構成員評価支援装置、構成員評価支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230615BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200704
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】毛利 唯子
(72)【発明者】
【氏名】吉松 武則
(72)【発明者】
【氏名】田村 千波
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】 機密情報の流出リスクを抑制した上で、グループの構成員のデータを用いた構成員の評価を支援できる、構成員評価支援装置を提供する。
【解決手段】 本発明の構成員評価支援装置は、構成員データ取得部、及び、構成員データ変換部を含み、
前記構成員データ取得部は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換部は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成員データ取得部、及び、構成員データ変換部を含み、
前記構成員データ取得部は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換部は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
構成員評価支援装置。
【請求項2】
さらに、スコア蓄積部、及び、スコア出力部を含み、
前記スコア蓄積部は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、
前記スコア出力部は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する、
請求項1の構成員評価支援装置。
【請求項3】
さらに、画像生成部を含み、
前記画像生成部は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成し、
前記スコア出力部は、前記評価スコア画像を出力する、
請求項2記載の構成員データ変換装置。
【請求項4】
前記構成員データは、前記構成員毎の業務経験データを含み、
前記構成員データ変換部は、前記業務経験データを前記構成員毎に業務経験累積スコアに変換し、
前記スコア蓄積部は、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、
前記スコア出力部は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力する、
請求項2又は3記載の構成員評価支援装置。
【請求項5】
さらに、リコメンド部を含み、
前記リコメンド部は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成し、
前記スコア出力部は、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の構成員評価支援装置。
【請求項6】
構成員データ取得工程、及び、構成員データ変換工程を含み、
前記構成員データ取得工程は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換工程は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
構成員評価支援方法。
【請求項7】
さらに、スコア蓄積工程、及び、スコア出力工程を含み、
前記スコア蓄積工程は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、
前記スコア出力工程は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する、
請求項6の構成員評価支援方法。
【請求項8】
さらに、画像生成工程を含み、
前記画像生成工程は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成し、
前記スコア出力工程は、前記評価スコア画像を出力する、
請求項7記載の構成員データ変換方法。
【請求項9】
コンピュータに、構成員データ取得手順、及び、構成員データ変換手順を実行させるためのプログラムであって、
前記構成員データ取得手順は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換手順は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
プログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成員評価支援装置、構成員評価支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業等の組織において、DX(デジタル・トランスフォーメーション:デジタル化による改革)、データ利活用の推進が行われている。しかしながら、企業等が保有する社内データには個人情報や企業秘密が含まれるため、取り扱いが難しい、公開することに問題がある等の課題がある。このため、社内データを利用する場合、データの匿名化技術(例えば、特許文献1)を適用することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術のようにデータを匿名化すると、個人を特定する情報が削除されてしまうため、個人の評価やアドバイス等に前記データを活用できないという問題がある。また、個人情報を匿名化したとしても、データに企業秘密等の機密情報が含まれている場合は、機密情報の流出リスクがあり、問題となる。
【0005】
そこで本発明は、機密情報の流出リスクを抑制した上で、グループの構成員のデータを用いた構成員の評価を支援できる、構成員評価支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の構成員評価支援装置は、
構成員データ取得部、及び、構成員データ変換部を含み、
前記構成員データ取得部は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換部は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する。
【0007】
本発明の構成員評価支援方法は、
構成員データ取得工程、及び、構成員データ変換工程を含み、
前記構成員データ取得工程は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換工程は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピュータに、構成員データ取得手順、及び、構成員データ変換手順を実行させるためのプログラムであって、
前記構成員データ取得手順は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換手順は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機密情報の流出リスクを抑制した上で、構成員のデータを用いた構成員の評価を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1の構成員評価支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の構成員評価支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の構成員評価支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2の構成員評価支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の構成員評価支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態3の構成員評価支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態3の構成員評価支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、画像生成部が生成した画像情報の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、画像生成部が生成した画像情報の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態4の構成員評価支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態4の構成員評価支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、「グループ」とは、特に制限されず、複数の構成員で構成される人間の集団を意味する。前記グループの具体例としては、例えば、企業;官公庁;学校組織;各種団体;医療機関;教育事業者;スポーツチーム;サービスの利用者の集団等が挙げられる。本発明において「構成員」とは、特に制限されず、前記グループの構成員を意味する。前記構成員の具体例としては、例えば、従業員、職員、教員、学生、組合員、会員、医療従事者、選手、サービス利用者等が挙げられる。
【0012】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の構成員評価支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、構成員データ取得部11、及び、構成員データ変換部12を含む。図示していないが、構成員評価支援装置10は、通信回線網を介して、装置外のデータベースと接続可能であってもよい。また、図示していないが、構成員評価支援装置10は、例えば、通信回線網を介して、システム管理者の外部端末とも接続可能であり、システム管理者は、前記外部端末から構成員評価支援装置10の管理を実施してもよい。また、図示していないが、本装置10は、記憶部を含んでもよい。
【0014】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0015】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、CPU101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置106、表示装置107、通信デバイス108等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0016】
CPU101は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、CPU101により、例えば、本発明のプログラム105やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、構成員データ取得部11、及び、構成員データ変換部12として機能する。本装置10は、演算装置として、CPUを備えるが、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0017】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、及び外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス108により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0018】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム105等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0019】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラム105が格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が、例えば、前記記憶部を含む場合、記憶装置104が前記記憶部として機能する。
【0020】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0021】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置106、ディスプレイ107を備える。入力装置106は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ107は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態1において、入力装置106とディスプレイ107とは、別個に構成されているが、入力装置106とディスプレイ107とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0022】
つぎに、本実施形態の構成員評価支援方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の構成員評価支援方法は、例えば、
図1及び
図2に示す構成員評価支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の構成員評価支援方法は、
図1及び
図2の構成員評価支援装置10の使用には限定されない。なお、以下の説明においては、前記グループを企業、前記構成員を前記企業の従業員とし、前記従業員の評価を支援する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれには何ら制限されない。以下の説明における「企業」は「グループ」に、「従業員」は「構成員」に、それぞれ読み替え可能である。
【0023】
まず、構成員データ取得部11により、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得する(S1、構成員データ取得工程)。前記構成員データは、例えば、グループにおける構成員の識別情報と、構成員が属するグループにおいて前記構成員の評価に関わる、評価基準情報とが紐づけられた情報である。本発明において、「評価」とは、例えば、自己評価でもよいし、他者評価でもよい。前記評価基準情報は、例えば、前記グループにおける構成員の能力、経験、または活動に関する情報があげられる。前記構成員の識別情報は、例えば、前記構成員の氏名、グループにおける識別情報(例えば、社内ID、社員番号等)、電話番号、メールアドレス等があげられる。構成員データ取得部11は、前記構成員データを、例えば、前記通信回線網を介して、前記構成員データを格納しているデータベースやサーバ等からを取得してもよいし、前記構成員の端末から取得してもよいし、前記構成員が属するグループが運用するグループ内システム(例えば、人事評価データを管理するシステム、業務履歴データを管理するシステム等)から取得してもよい。構成員データ取得部11による構成員データの取得頻度は、例えば、1週間毎、1か月毎、3か月毎、6か月毎、1年毎等のように定期的に取得してよいし、構成員データ取得元のシステムのデータが更新される毎に取得してもよいし、構成員またはグループの管理者により本装置10に構成員データが入力される毎に取得してもよい。本装置10が取得した構成員データは、例えば、前記通信回線網を介して、外部のデータベースやサーバに出力されてもよいし、メモリ102及び記憶装置104等の記憶部に記憶されてもよい。
【0024】
前記グループが企業であり、前記構成員が企業の従業員である場合を例にあげて、前記評価基準情報の具体例を説明する。なお、前記評価基準情報は、以下の例示には制限されない。前記評価基準情報の具体例としては、例えば、企業における従業員の人事評価データ、業務履歴データ等があげられ、具体例として、勤怠情報、人事評価、資格取得情報、業務経験、表彰履歴、推奨行動情報等の情報があげられる。前記推奨行動情報は、例えば、構成員の能力、経験、スキルを数値化(評価)するにあたり、能力、経験、スキルを上げる要因となる(すなわち推奨する)行動、姿勢、態度等の情報である。
【0025】
前記構成員データは、例えば、その他の情報として、構成員の属性情報、構成員の活動データ等の情報を含んでもよい。前記属性情報は、例えば、性別、年齢、グループにおける立場(例えば、所属部署、役職、階級、職域、資格保有者、経験年数等)等があげられる。前記構成員の活動データは、例えば、健康診断の結果、CSR活動への参加、ボランティア活動の参加等の情報があげられる。
【0026】
つぎに、構成員データ変換部12により、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルール(以下、「変換ルール」ともいう)に従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する(S2、構成員データ変換工程)。まず、構成員データ変換部12は、例えば、前記構成員データから、前記構成員識別情報により特定される構成員毎に、前記評価基準情報を抽出する。そして、構成員データ変換部12は、例えば、後述するルールに従って、抽出した前記評価基準情報に対応する評価項目のスコアを加算し、評価項目毎のスコアの合計値を前記構成員評価スコアとすることで、構成員データを構成員評価スコアに変換できる。前記構成員評価スコアは、例えば、構成員評価ポイント、構成員のパラメータ等と言い換えてもよい。
【0027】
前記変換ルールは、例えば、前記構成員情報が含む評価基準情報と、評価項目と、評価項目の程度(スコア)とがそれぞれが紐づけられた情報である。前記変換ルールにおいて、評価項目と、評価項目の程度(スコア)との組み合わせは、構成員を評価する目的に応じて任意に設定できる。前記変換ルールにおいて、評価基準情報と評価項目とは、例えば、1つの評価基準情報に対し、1つの評価項目が対応したものでもよいし、1つの評価基準情報に対し、2つ以上の複数の評価項目が対応したものでもよい。後者の場合、例えば、前記複数の評価項目毎に、同じスコアが紐づけられていてもよいし、異なるスコアが紐づけられていてもよい。
【0028】
前記評価項目は、例えば、構成員のグループにおける評価に関する項目であり、1種類でもよいが、2種類以上の複数でもよい。前記評価項目は、例えば、基本パラメータと言い換えてもよい。前記評価項目は、例えば、特に制限されず、グループにおける構成員の評価方針に応じて適宜設定できるが、人材育成に関連する項目を含むことが好ましい。前記評価項目の具体例としては、自分に必要な知識・技術を習得する、学習(まなぶ);会社の境界を越えて活動を行う、越境(こえる);部下・後輩に対して教育・支援する、育成(そだてる);マーケットや顧客の動向を踏まえて行動する、市場(みとおす)、事業や戦略を計画し実行する、事業(つくる);社内外の人との関係を構築する、人脈(つながる)、異なる利害を持つ人の調整を行う、対話(まきこむ);既存の知識・技術を新しい状況に適用する、移転(いかす);問題が発生しても冷静に行動をとる、対処(ねばる);手を動かして技能を形成する、技能(いじる);周囲の人に影響を与え主導する、指導(ひっぱる);等の項目があげられる。前記評価項目は、例えば、構成員の基本パラメータと言い換えてもよい。
【0029】
構成員データ変換部12による処理について、具体例をあげて説明する。まず、下記表1に、前記変換ルールにおける前記構成員データが含む評価基準情報と、評価項目と、評価項目の程度(スコア)との組み合わせの一例を示す。なお、前記変換ルールは、下記表1に示す具体例になんら制限されない。
【0030】
【0031】
構成員データ変換部12は、例えば、前記S1で取得した構成員データから、前記構成員評価基準情報を抽出する。そして、前記構成員評価基準情報として、例えば、前記構成員の資格取得情報(語学資格取得済み)を抽出した場合、前記表1に示す変換ルールに従って、前記構成員評価基準情報について、評価項目:市場(みとおす)のスコアを1ポイント加算し、前記構成員データを構成員評価スコアに変換する。同様にして、構成員データ変換部12は、前記構成員データが含む各評価基準情報について、評価項目毎のスコアを算出することにより、構成員データを評価項目毎の構成員評価スコアに変換できる。
【0032】
本実施形態の構成員評価支援方法において、前記S1~S2を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには制限されない。本発明において、前記各工程は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0033】
本実施形態の構成員評価支援装置によれば、構成員データ取得部により取得したグループ内の構成員毎の構成員データについて、構成員データ変換部により、予め設定されたルールに従って、構成員データが含む評価基準情報を構成員評価スコアに変換できる。このため、本実施形態の構成員評価支援装置によれば、例えば、構成員データを開示することなく構成員データに基づいた構成員の評価が可能となる。したがって、本発明の構成員評価支援装置は、機密情報の流出リスクを抑制した上で、構成員のデータを用いた構成員の評価を支援できる。また、本発明の構成員評価支援装置は、前記構成員データを、前記評価スコアに変換できるため、構成員の経験等を客観的にスコア化できる。このため、本発明の構成員評価支援装置は、構成員自身が自己の評価スコアを確認することにより、自らの成長を客観的な形で確認でき、これにより、例えば、構成員のグループにおける活動のモチベーションを高めることも可能となる。また、本発明の構成員評価支援装置は、グループにおける管理者が構成員の能力を客観的に評価することに利用することもできる。
【0034】
[実施形態2]
本実施形態は、構成員評価支援装置の他の例である。
【0035】
本実施形態の構成員評価支援装置は、実施形態1の構成員評価支援装置10の構成に加えて、スコア蓄積部、及び、スコア出力部を含むこと以外は前記実施形態1の構成員評価支援装置10と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の構成員評価支援装置10Aは、例えば、スコア蓄積部13、及び、スコア出力部14を含み、スコア蓄積部13は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、スコア出力部14は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する。
【0036】
図4は、本実施形態の構成員評価支援装置10Aの一例の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、構成員評価支援装置10Aは、実施形態1の構成員評価支援装置10の構成に加えて、スコア蓄積部13、及び、スコア出力部14を備える。構成員評価支援装置10Aのハードウェア構成は、
図2の構成員評価支援装置10のハードウェア構成において、CPU101が、
図1の構成員評価支援装置10の構成に代えて、
図4の構成員評価支援装置10Aの構成を備える以外は同様である。
【0037】
つぎに、本実施形態の構成員評価支援方法について、
図5のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の構成員評価支援方法は、例えば、
図4に示す本実施形態の構成員評価支援装置10Aを用いて実施できる。なお、本発明の構成員評価支援方法は、構成員評価支援装置10Aの使用に限定されない。
【0038】
まず、前記実施形態1の構成員評価支援方法におけるS1~S2と同様にして、S1~S2を実施する。
【0039】
つぎに、スコア蓄積部13により、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積する(S3、スコア蓄積工程)。スコア蓄積部は、例えば、前記構成員識別情報に、前記評価項目毎の構成員評価スコアを紐づけて記憶することで、構成員毎かつ評価項目毎の構成員評価スコアを蓄積できる。スコア蓄積部13は、構成員評価支援装置10Aのメモリ102または記憶装置104に前記構成員評価スコアを記憶することで蓄積してもよいし、通信回線網を介して、装置外の外部データベースまたはサーバに前記構成員評価スコアを送信し、前記外部データベースまたはサーバに前記構成員評価スコア記憶させることで前記構成員評価スコアを蓄積してもよい。
【0040】
そして、スコア出力部14により、前記構成員ごとに、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する(S4、スコア出力工程)。スコア出力部14は、例えば、構成員評価支援装置10Aのディスプレイ107に前記構成員評価スコアを出力(表示)してもよいし、通信回線網を介して、グループにおける構成員の管理者が所持する端末に、前記構成員評価スコアを出力(送信)してもよいし、各構成員が所持する端末に、それぞれの構成員の構成員識別情報と紐づけられた構成員評価スコアを出力(送信)してもよい。
【0041】
また、本実施形態の構成員評価支援装置10Aにおいて、例えば、前記構成員データが、前記構成員毎の業務経験データを含む場合、構成員データ変換部12は、例えば、前記業務経験データを前記構成員毎に業務経験累積スコアに変換し、スコア蓄積部13は、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、スコア出力部14は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力してもよい。
【0042】
前記業務経験データは、例えば、企業内における構成員の業務経験の情報であり、営業経験、事務経験、管理経験、開発経験、構築経験、語学経験、プログラム言語経験、OS経験(例えば、Linux(登録商標)、又はWindows(登録商標)の開発経験)、DB経験等の情報があげられる。
【0043】
構成員データ変換部12は、例えば、前記業務経験データを、以下のようにして業務経験累積スコアに変換できる。まず、予め業務経験データが含む業務経験のそれぞれについて、業務経験項目と、業務経験項目ごとの業務経験スコアとを紐づけておく。前記業務経験スコアは、例えば、相対的に難易度の高い業務について相対的に高いスコアを設定し、相対的に難易度の低い業務について相対的に低いスコアを設定してもよい。そして、構成員データ変換部12は、例えば、取得した業務経験データにおいて、構成員が担当した各業務の期間に基づいて、該当する業務経験項目に対し、紐づけられた業務経験スコアを加算し、業務経験項目ごとの業務経験スコアの合計値を、前記構成員の業務経験累積スコアに変換できる。なお、業務経験累積スコアの変換は、これには限定されず、例えば、業務と間接的に関連する経験データ(例えば、教育受講経験、取得資格、趣味、特技、人脈等)に基づいて、前記業務経験累積スコアを加算してもよい。この場合、例えば、予め業務と間接的に関連する経験データと、業務経験項目ごとの業務経験スコアとを紐づけておくことにより実施できる。
【0044】
スコア蓄積部13は、例えば、前記S3と同様にして、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、スコア出力部14は、前記S4と同様にして、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力できる。このように、前記構成員データが業務経験データを含む場合、前記構成員の評価について、前記構成員評価スコアと、前記業務経験累積スコアとの多方面から評価を行うことが可能となるため、より詳細に構成員の能力を評価できる。
【0045】
本実施形態の構成員評価支援方法において、前記S1~S4を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには制限されない。本発明において、前記各工程は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0046】
本実施形態の構成員評価支援装置によれば、スコア蓄積部により、構成員毎かつ評価項目毎に構成員評価スコアを蓄積でき、スコア出力部により、構成員毎かつ評価項目毎に構成員評価スコアを出力できる。また、前述のように、本実施形態の構成員評価支援装置は、グループの構成員および構成員の管理者のいずれにも、構成員評価スコアを出力可能であるため、例えば、管理者が構成員の評価を行うことができるだけでなく、構成員自身が自らの評価がどのような状態になるのかを客観的に理解可能となる。また、本実施形態の構成員評価支援装置は、構成員データが含む多様な評価基準情報を構成員評価スコアに変換して出力するため、構成員本人が自らの評価をより直感的に理解可能であり、これにより、例えば、構成員のグループにおける活動のモチベーションを高めることも可能となる。なお、前述のように、本発明における構成員評価スコアは、構成員データが含む評価基準情報を変換した情報であるため、例えば、構成員データに含まれるグループの機密情報を含まない情報である。このため、各構成員が、本発明により出力された構成員評価スコアを、グループ外に持ち出したとしても、機密情報が流出することを抑制できる。これにより、各構成員は、例えば、現在所属しているグループを離れる際に、前記構成員評価スコアを、自らの評価や能力を示す情報として次に所属するグループに提示することが可能となる。したがって、本発明によれば、例えば、人材の流動性を高めることも可能となる。
【0047】
[実施形態3]
本実施形態は、構成員評価支援装置の他の例である。
【0048】
本実施形態の構成員評価支援装置は、実施形態2の構成員評価支援装置10Aの構成に加えて、画像生成部を含むこと以外は前記実施形態2の構成員評価支援装置10Aと同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の構成員評価支援装置10Bは、例えば、画像生成部15を含み、画像生成部15は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき前記評価スコア画像を生成し、スコア出力部14は、前記評価スコア画像を出力する。
【0049】
図6は、本実施形態の構成員評価支援装置10Bの一例の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、構成員評価支援装置10Bは、実施形態2の構成員評価支援装置10Aの構成に加えて、画像生成部15を備える。構成員評価支援装置10Bのハードウェア構成は、
図2の構成員評価支援装置10のハードウェア構成において、CPU101が、
図1の構成員評価支援装置10の構成に代えて、
図6の構成員評価支援装置10Bの構成を備える以外は同様である。
【0050】
つぎに、本実施形態の構成員評価支援方法について、
図7のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の構成員評価支援方法は、例えば、
図6に示す本実施形態の構成員評価支援装置10Bを用いて実施できる。なお、本発明の構成員評価支援方法は、構成員評価支援装置10Bの使用に限定されない。
【0051】
まず、前記実施形態2の構成員評価支援方法におけるS1~S3と同様にして、S1~S3を実施する。
【0052】
つぎに、画像生成部15は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成する(S5、画像生成工程)。画像生成部15は、例えば、前記構成員スコアに基づいて、事前に前記構成員評価スコアと紐づけられて記憶された評価スコア画像を取得することにより評価スコア画像を生成してもよいし、前記構成員評価スコアに基づいて、リアルタイムに評価スコア画像を生成してもよい。前記評価スコア画像は、例えば、特に制限されず、前記構成員評価スコアを表す画像であればよいが、グラフ画像及びアバター画像の少なくとも一方を含むことが好ましい。前記グラフ画像は、特に制限されず、任意のグラフが使用できるが、例えば、構成員が自身のパラメータを確認しやすくなる観点から、
図8に示すようなレーダーチャートが好ましい。前記評価スコア画像がグラフ画像である場合、例えば、画像生成部15は、構成員識別情報と紐づけられている前記構成員評価スコアに基づき、各評価項目のスコアを用いてグラフを作成することにより、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づく評価スコア画像を生成できる。また、画像生成部15は、前記グラフ画像において、各構成員の構成員評価スコアに基づくグラフに加えて、例えば、前記グループにおける各構成員の構成員評価スコアの平均値に基づくグラフ、各構成員の構成員評価スコアの最大値に基づくグラフ等をあわせて生成してもよい。
【0053】
つぎに、前記画像情報が、アバター画像を含む場合について説明する。画像生成部15は、例えば、前記構成員毎にアバターを設定し、かつ、前記構成員評価スコアに応じて前記アバターを変化させることができる。
図9を用いて、画像生成部15の処理の具体例を説明する。
図9(A)は、画像生成部15により設定されたアバター(キャラクタ画像情報)の具体例を示す画像であり、
図9(B)~(D)は、アバターの変化の表現手法の一例を示す画像である。まず、画像生成部15は、例えば、前記構成員識別情報と紐づけて、構成員毎のアバターを設定する。前記アバターは、例えば、
図9(A)に示すようなキャラクタ画像141等の画像情報があげられる。画像生成部15は、例えば、初期段階においては、
図9(B)に示すように、前記アバターとして、キャラクタ画像141を表示する。画像生成部15は、例えば、前記構成員の構成員評価スコアが変化すると、前記変化に応じてキャラクタ画像141の画像を変化させる。
図9(C)および(D)を用いて、前記構成員評価スコアに応じたアバターの変化の具体例を説明する。画像生成部15は、例えば、
図9(C)に示すように、前記構成員評価スコアと紐づけられたスコア画像情報142をキャラクタ画像141に重畳して、キャラクタにアイテムを身に着けさせるように表示することで、前記アバターの変化を表現してもよいし、
図9(D)に示すように、キャラクタ画像141の周囲にスコア画像情報142を表示することで、前記アバターの変化を表現してもよい。スコア画像情報142は、例えば、前記評価項目毎に、スコアの段階に紐づけられたアイテムの画像情報があげられる。前記アイテムの画像情報の具体例としては、前記アバターが身に着ける服、帽子、外套、道具等のアバターの服飾品の画像情報があげられる。前記アイテムの画像情報は、例えば、前記構成員評価スコアの段階に応じて、スコアが相対的に低段階のうちは、質素な服飾品の画像情報が紐づけられ、スコアが相対的に高段階になるに応じて、豪華な服飾品の画像情報が紐づけられていることが好ましい。また、例えば、特定の資格の取得情報と、前記アイテムの画像情報とを紐づけられていてもよい。この場合、画像生成部15は、例えば、前記構成員情報として、特定の資格の取得情報を有する構成員のアバターに対して、前記資格情報に紐づけられたアイテム画像を表示するように前記アバターを変化させてもよい。
【0054】
そして、スコア出力部14により、前記評価スコア画像を出力する(S6、スコア出力工程)。スコア出力部14による評価スコア画像の出力は、例えば、前記S4における前記構成員評価スコアの出力と同様とできる。また、スコア出力部14は、例えば、前記S4における前記構成員評価スコアと、前記評価スコア画像とを併せて出力してもよい。出力された前記評価スコア画像は、例えば、前記構成員が有する端末(構成員端末ともいう)の通信部を介して、前記構成員端末が受信し、構成員端末の表示部に表示される。
【0055】
本実施形態の構成員評価支援方法において、前記S1~S3、S5~S6を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには制限されない。本発明において、前記各工程は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0056】
本実施形態の構成員評価支援装置10Bは、例えば、画像生成部15により、変換した構成員評価スコアに基づく評価スコア画像を生成できる。このため、本実施形態の構成員評価支援装置によれば、例えば、構成員の評価をより直感的に理解することが可能となる。
【0057】
[実施形態4]
本実施形態は、構成員評価支援装置の他の例である。
【0058】
本実施形態の構成員評価支援装置は、実施形態2の構成員評価支援装置10Aの構成に加えて、リコメンド部を含むこと以外は前記実施形態2の構成員評価支援装置10Aと同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の構成員評価支援装置10Cは、例えば、リコメンド部16を含み、リコメンド部16は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成し、スコア出力部14は、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する。
【0059】
図10は、本実施形態の構成員評価支援装置10Cの一例の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、構成員評価支援装置10Cは、実施形態2の構成員評価支援装置10Aの構成に加えて、リコメンド部16を備える。構成員評価支援装置10Cのハードウェア構成は、
図2の構成員評価支援装置10のハードウェア構成において、CPU101が、
図1の構成員評価支援装置10の構成に代えて、
図10の構成員評価支援装置10Cの構成を備える以外は同様である。
【0060】
つぎに、本実施形態の構成員評価支援方法について、
図11のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の構成員評価支援方法は、例えば、
図10に示す本実施形態の構成員評価支援装置10Cを用いて実施できる。なお、本発明の構成員評価支援方法は、構成員評価支援装置10Cの使用に限定されない。
【0061】
まず、前記実施形態2の構成員評価支援方法におけるS1~S3と同様にして、S1~S3を実施する。
【0062】
つぎに、リコメンド部16は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成する(S7、リコメンド工程)。前記キャリアリコメンド情報は、例えば、グループにおけるキャリア形成に関し、必要な構成員評価スコアを提示する情報である。まず、リコメンド部16による処理に先立ち、グループにおける構成員のキャリア(職域、職能等ともいう)と、前記評価項目と、前記評価項目のスコアとを予め紐づけたキャリアパス基準情報を用意する。前記キャリアパス基準情報は、例えば、グループにおけるそれぞれのキャリアに属する構成員の構成員評価スコアに基づいて設定できる。前記キャリアパス基準情報は、例えば、当該キャリアに属する構成員の構成員評価スコアを、当該キャリアの評価項目およびスコアの組み合わせとして設定してもよいし、当該キャリアに属する構成員の構成員評価スコアの平均値を、当該キャリアの評価項目およびスコアの組み合わせとして設定してもよい。そして、リコメンド部16は、前記キャリアパス基準情報を参照し、前記構成員毎構成員評価スコアを、任意のキャリアと紐づけられた評価項目毎のスコアと、前記構成員評価スコアとを比較する。これにより、リコメンド部16は、前記構成員の構成員評価スコアと、前記キャリアに紐づけられた評価項目スコアとの差分を算出できる。そして、リコメンド部16は、前記差分に基づいて、例えば、「あなたはさらに○○の経験を積むことによりキャリアAAに、××の経験を積むことによりキャリアBBへのキャリアが拓けます」等のキャリアデザインリコメンド情報を生成できる。
【0063】
そして、スコア出力部14により、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する(S8、スコア出力工程)。スコア出力部14によるキャリアデザインリコメンド情報の出力は、例えば、前記S4における前記構成員評価スコアの出力と同様とできる。また、スコア出力部14は、例えば、前記S4における前記構成員評価スコアと、前記キャリアデザインリコメンド情報とを併せて出力してもよい。
【0064】
本実施形態の構成員評価支援方法において、前記S1~S3、S7~S8を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには制限されない。本発明において、前記各工程は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0065】
本実施形態の構成員評価支援装置10Cは、リコメンド部16により、現在の構成員評価スコアに基づく、キャリアデザインリコメンド情報を前記構成員毎に生成できる。これにより、例えば、構成員は、自らのグループにおける立ち位置と、将来的に習得すべきスキルとが明確になるため、自らの成長に対するモチベーションを高めることができる。
【0066】
[実施形態5]
本実施形態のプログラムは、前述の構成員評価支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、構成員データ取得手順、及び、構成員データ変換手順を実行させるためのプログラムである。
【0067】
前記構成員データ取得手順は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換手順は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する。
【0068】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、構成員データ取得手順、及び、構成員データ変換手として機能させるプログラムということもできる。
【0069】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の構成員評価支援装置及び構成員評価支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0070】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0071】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
構成員データ取得部、及び、構成員データ変換部を含み、
前記構成員データ取得部は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換部は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
構成員評価支援装置。
(付記2)
さらに、スコア蓄積部、及び、スコア出力部を含み、
前記スコア蓄積部は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、
前記スコア出力部は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する、
付記1の構成員評価支援装置。
(付記3)
さらに、画像生成部を含み、
前記画像生成部は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成し、
前記スコア出力部は、前記評価スコア画像を出力する、
付記2記載の構成員データ変換装置。
(付記4)
前記構成員データは、前記構成員毎の業務経験データを含み、
前記構成員データ変換部は、前記業務経験データを前記構成員毎に業務経験累積スコアに変換し、
前記スコア蓄積部は、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、
前記スコア出力部は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力する、
付記2又は3記載の構成員評価支援装置。
(付記5)
さらに、リコメンド部を含み、
前記リコメンド部は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成し、
前記スコア出力部は、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する、
付記2から4のいずれかに記載の構成員評価支援装置。
(付記6)
構成員データ取得工程、及び、構成員データ変換工程を含み、
前記構成員データ取得工程は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換工程は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
構成員評価支援方法。
(付記7)
さらに、スコア蓄積工程、及び、スコア出力工程を含み、
前記スコア蓄積工程は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、
前記スコア出力工程は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する、
付記6の構成員評価支援方法。
(付記8)
さらに、画像生成工程を含み、
前記画像生成工程は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成し、
前記スコア出力工程は、前記評価スコア画像を出力する、
付記7記載の構成員データ変換方法。
(付記9)
前記構成員データは、前記構成員毎の業務経験データを含み、
前記構成員データ変換工程は、前記業務経験データを前記構成員毎に業務経験累積スコアに変換し、
前記スコア蓄積工程は、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、
前記スコア出力工程は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力する、
付記7又は8記載の構成員評価支援方法。
(付記10)
さらに、リコメンド工程を含み、
前記リコメンド工程は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成し、
前記スコア出力工程は、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する、
付記7から9のいずれかに記載の構成員評価支援方法。
(付記11)
コンピュータに、構成員データ取得手順、及び、構成員データ変換手順を実行させるためのプログラムであって、
前記構成員データ取得手順は、グループ内の各構成員に関する構成員データを取得し、
前記構成員データ変換手順は、取得された構成員データを、前記構成員毎に、予め設定されたルールに従い、評価項目毎に、構成員評価スコアに変換する、
プログラム。
(付記12)
さらに、スコア蓄積手順、及び、スコア出力手順を含み、
前記スコア蓄積手順は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを蓄積し、
前記スコア出力手順は、前記構成員毎に、かつ、前記評価項目毎に、前記構成員評価スコアを出力する、
付記11のプログラム。
(付記13)
さらに、画像生成手順を含み、
前記画像生成手順は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコアに基づき評価スコア画像を生成し、
前記スコア出力手順は、前記評価スコア画像を出力する、
付記12記載のプログラム。
(付記14)
前記構成員データは、前記構成員毎の業務経験データを含み、
前記構成員データ変換手順は、前記業務経験データを前記構成員毎に業務経験累積スコアに変換し、
前記スコア蓄積手順は、前記構成員毎に、前記業務経験累積スコアを蓄積し、
前記スコア出力手順は、前記構成員毎に、前記構成員評価スコア及び前記業務経験累積スコアを出力する、
付記12又は13記載のプログラム。
(付記15)
さらに、リコメンド手順を含み、
前記リコメンド手順は、前記構成員評価スコアに基づき、前記構成員毎に、キャリアデザインリコメンド情報を生成し、
前記スコア出力手順は、前記キャリアデザインリコメンド情報を出力する、
付記12から14のいずれかに記載のプログラム。
(付記16)
付記11から15のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、構成員データ取得部により取得したグループ内の構成員毎の構成員データについて、構成員データ変換部により、予め設定されたルールに従って、構成員データが含む評価基準情報を構成員評価スコアに変換できる。このため、本実施形態の構成員評価支援装置によれば、例えば、構成員データを開示することなく構成員データに基づいた構成員の評価が可能となる。したがって、本発明の構成員評価支援装置は、機密情報の流出リスクを抑制した上で、構成員のデータを用いた構成員の評価を支援できる。したがって、本発明は、グループ管理の分野で特に有用である。
【符号の説明】
【0073】
10、10A、10B、10C 構成員評価支援装置
11 構成員データ取得部
12 構成員データ変換部
13 スコア蓄積部
14 スコア出力部
15 画像生成部
16 リコメンド部
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 プログラム
106 入力装置
107 表示装置
108 通信デバイス